正しく、ロミオとジュリエットな二人。(『落陽のパレルモ』新人公演)
2005年11月29日 宝塚『落陽のパレルモ』新人公演。
ヴィットリオとアンリエッタの肖像画が現れると一斉にオペラが上がり、さざなみのような笑い声が。
いや、オサさんとふーちゃんの写真にみつるくんとあやねちゃんの顔写真が貼り付けてあったので。やっぱり妙だよなあ(苦笑)。
それはさておき、思ったこと。
やっぱりこの脚本、ちょっとうまくないところがあるのかもしれない。
ヴィットリオとアンリエッタのラブストーリーとして見ていると、ラストで焦点がボケるのだ。
二人の別れ、ヴィットリオの母が身を投げる回想場面と彼の銀橋での絶唱。その後、間髪入れずにドンブイユ家の場面になる。
ここ、間に現代パートを挟むとかした方がいいんじゃないだろうか。。
と言うのも、母の死を思うヴィットリオが寄る辺ない少年のようで、そのままの表情で父・ドンブイユ公爵との父子の再会を果たすので。話のテーマが、親子ものにスライドして見えるのだ。
だから、現代カップルの一応のハッピーエンドはここに入れて「ところでヴィットリオとアンリエッタの恋物語はどうなったの?」とジュディッタが聞いて、ヴィットリオ・Fが「それはね」と続けて過去パートに戻るとか、ワンクッション置いた方がいいんじゃないかと思う。
続く舞踏会の場面も同様。
ヴィットリオは階段の上に立ち、集まった客達の中にアンリエッタがいる。血を吐く思いで別れた恋人達の感動の再会を期待するのに、脚本も演出もそれを盛り上げてくれない。ドンブイユ公爵の演説があり、ロドリーゴが貴族の矜持で身を引いた後で、初めて二人は手を取り抱き会う。
ここ、アンリエッタが現れた途端にヴィットリオが駆け寄り「アンリエッタ!」「ヴィットリオ!何故?」となり、ドンブイユ公爵が説明する、と言う流れの方が、二人の愛の物語としては盛り上がるんじゃなかろうか。公爵の演説が感動的なだけに、それを大人しく聞いているヴィットリオが主人公に見えない、とは言いすぎだけれど、子供に見える。
更にその後のラスト。ヴィットリオとアンリエッタ、ヴィットリオ・Fとジュディッタの台詞の掛合い。
これ、無い方がいいよね?
世代を超えて受け継がれる愛と生命、これこそがテーマ、と言う意図で語らせたのだろうけれど、ラブストーリーとしては蛇足な気がする。ヴィットリオとアンリエッタが肖像画のとおりに寄り添ってラスト、くらいでいいのでは。
思えば景子先生は『Last Party』でも最後登場人物たちにテーマを語らせていて、余計だなあと思ったけれど。
新人公演=別キャストで見て、今まで「いい作品なんだけどちょっとひっかかる」と思っていたことが私的にはっきりしたのが、上記の点。
勿論、これらは机上の空論なので、実際変更したらやっぱり元の方がいいと思うかもしれない。また、新人公演を見て思ったことなので、本公演キャストに合うかどうかは更にわかりませんが。
以下、出演者について。
ヴィットリオ=華形ひかる
すごく良かった。格好よかった。
アンリエッタに出会った瞬間の恋に落ちた表情。彼女が人間は平等だと言った時の嬉しそうな表情。祭りでアンリエッタの手を引く明るい表情、生き生きとした若者らしさ。そして、別れを決意した後の銀橋での絶唱と涙。
その後も、上述のとおり「寄る辺ない少年のよう」で、正直恋愛物語のヒーローとしては違う気がしたけれど、それは脚本の流れには合っているので。そして何よりその寂しさ、切なさ、戸惑いが胸に迫って。どうか幸せになってほしい、と思わせられた。
アンリエッタを抱きしめる時、喜びと言うよりほっとした安堵のような表情をしているのを見て、本当に良かったなあと思えた。
外見的には、軍服のマント捌きを頑張っていてなかなか格好いいなあと。もうちょっと背があれば。それが残念。でもきらきらした美形で、格好よかった(面食い)。よく見ると雪のキムくんとちょっと似ている?
アンリエッタ=桜乃彩音
アンリエッタは難しい役なんだ、と思った。
彩音ちゃんのアンリエッタは令嬢で、少女で、恋する乙女。初めての恋に激しく強く、真っ直ぐに飛び込んでいく少女。
でも、脚本から感じるアンリエッタ像はそれだけの女性ではないと思ったので。
気品ある貴族の令嬢であり、恋する乙女であり、新しい時代に目を向ける聡明な女性であり、激しい情熱を秘めたシチリアの女。比べて思ったのだけれど、本役のふーちゃんに対しては恋する乙女の一途さや貴族令嬢と言う部分に若干物足りなさを感じる。彩音ちゃんは啓蒙書を読む社会性や公爵家長女としての大人の部分が見えなくてやはり物足りなく感じて。
難しいヒロインなんだと思う。
でも、それは欲張りすぎと言うものかもしれない。
彩音ちゃんのアンリエッタ、そしてそれに対するみつるくんのヴィットリオが少年少女の純粋さでお互いを愛していることが伝わってくる。まさに、ロミオとジュリエットのように。
だから、激しく美しいラブストーリーとして楽しめたし、陶酔できた。
彩音ちゃんは、あまり演技派と言う訳ではないのかな、と思った。本人のキャラクタと感情で役になるタイプ。品があってお姫様がはまる人なので、良かった。思えば『マラケシュ』のオリガも貴族令嬢らしさがはまっていたと思う。
祭での可愛らしさ、そして嵐の一夜、ヴィットリオが去ろうとする時にマリア像に一心に祈りを捧げていたのが印象的でした。その切羽詰った必死な様子が、その後のヴィットリオを引き止めて誘う姿につながって見えた。そこまで思いつめているからこその一夜であり、神の前に誓った二人きりの結婚、と見えた。
ヴィットリオ・F=朝夏まなと
実はぴったりはまるだろうと一番期待していたのですが、想像したほどではなく。まなとくんは意外とお坊ちゃまキャラではないんだなあ。本役のゆみこちゃんがはまりすぎるのか。最初緊張したのか歌がえらいことになってましたが、段々入り込んでくると持ち直して演技も良くなってきました。全体的に『マラケシュ』の方が良かったかも。まだ若いし今後に期待。
ジュディッタ=華城季帆
上手い。主要カップル2組4人の中で一番安定感がある。特に歌は圧勝。まぁくんを支えてくれて良かった。
ロドリーゴ=望月理世
わかりやすく恋敵でした。何だか薄っぺらで間抜けそうな感じで、こういう役作りもありかと。おかげで主役二人の物語が純粋なラブストーリーとして際立ちました。関係ないけど理世くんがちょっと悪役面に見えるのは私だけですか?
ニコラ=扇めぐむ
格好よかった! 周囲皆絶賛。
何と言っても長身が映える男役らしいスタイルの良さ。遠くからでも表情がわかる顔と言い、大劇場の舞台向けの人だなあと。
演技も空回りしすぎない程よい熱さで頼りがいのあるいい兄貴で、格好よかったなあと。新公はヴィットリオの方が若く見える。土地に根ざしているからこそその目線でしか生きられない自分を知っている、大人なニコラ。家族と言う根を持たない孤独ゆえに自由な縛られない視野で理想を追う若いヴィットリオ。その関係性が良かったです。
あと皆良かったですが、脇の老け役3人が素晴らしかった。ドンブイユ公爵=紫峰七海、カヴァーレ公爵=嶺輝あやとの渋さ、格好よさは新公レベル超えてます。そしてエルヴィラ=桜一花の驚嘆の上手さ。実は終演後の最初の感想は、一花ちゃんうめー!でした。
ヴィットリオとアンリエッタの肖像画が現れると一斉にオペラが上がり、さざなみのような笑い声が。
いや、オサさんとふーちゃんの写真にみつるくんとあやねちゃんの顔写真が貼り付けてあったので。やっぱり妙だよなあ(苦笑)。
それはさておき、思ったこと。
やっぱりこの脚本、ちょっとうまくないところがあるのかもしれない。
ヴィットリオとアンリエッタのラブストーリーとして見ていると、ラストで焦点がボケるのだ。
二人の別れ、ヴィットリオの母が身を投げる回想場面と彼の銀橋での絶唱。その後、間髪入れずにドンブイユ家の場面になる。
ここ、間に現代パートを挟むとかした方がいいんじゃないだろうか。。
と言うのも、母の死を思うヴィットリオが寄る辺ない少年のようで、そのままの表情で父・ドンブイユ公爵との父子の再会を果たすので。話のテーマが、親子ものにスライドして見えるのだ。
だから、現代カップルの一応のハッピーエンドはここに入れて「ところでヴィットリオとアンリエッタの恋物語はどうなったの?」とジュディッタが聞いて、ヴィットリオ・Fが「それはね」と続けて過去パートに戻るとか、ワンクッション置いた方がいいんじゃないかと思う。
続く舞踏会の場面も同様。
ヴィットリオは階段の上に立ち、集まった客達の中にアンリエッタがいる。血を吐く思いで別れた恋人達の感動の再会を期待するのに、脚本も演出もそれを盛り上げてくれない。ドンブイユ公爵の演説があり、ロドリーゴが貴族の矜持で身を引いた後で、初めて二人は手を取り抱き会う。
ここ、アンリエッタが現れた途端にヴィットリオが駆け寄り「アンリエッタ!」「ヴィットリオ!何故?」となり、ドンブイユ公爵が説明する、と言う流れの方が、二人の愛の物語としては盛り上がるんじゃなかろうか。公爵の演説が感動的なだけに、それを大人しく聞いているヴィットリオが主人公に見えない、とは言いすぎだけれど、子供に見える。
更にその後のラスト。ヴィットリオとアンリエッタ、ヴィットリオ・Fとジュディッタの台詞の掛合い。
これ、無い方がいいよね?
世代を超えて受け継がれる愛と生命、これこそがテーマ、と言う意図で語らせたのだろうけれど、ラブストーリーとしては蛇足な気がする。ヴィットリオとアンリエッタが肖像画のとおりに寄り添ってラスト、くらいでいいのでは。
思えば景子先生は『Last Party』でも最後登場人物たちにテーマを語らせていて、余計だなあと思ったけれど。
新人公演=別キャストで見て、今まで「いい作品なんだけどちょっとひっかかる」と思っていたことが私的にはっきりしたのが、上記の点。
勿論、これらは机上の空論なので、実際変更したらやっぱり元の方がいいと思うかもしれない。また、新人公演を見て思ったことなので、本公演キャストに合うかどうかは更にわかりませんが。
以下、出演者について。
ヴィットリオ=華形ひかる
すごく良かった。格好よかった。
アンリエッタに出会った瞬間の恋に落ちた表情。彼女が人間は平等だと言った時の嬉しそうな表情。祭りでアンリエッタの手を引く明るい表情、生き生きとした若者らしさ。そして、別れを決意した後の銀橋での絶唱と涙。
その後も、上述のとおり「寄る辺ない少年のよう」で、正直恋愛物語のヒーローとしては違う気がしたけれど、それは脚本の流れには合っているので。そして何よりその寂しさ、切なさ、戸惑いが胸に迫って。どうか幸せになってほしい、と思わせられた。
アンリエッタを抱きしめる時、喜びと言うよりほっとした安堵のような表情をしているのを見て、本当に良かったなあと思えた。
外見的には、軍服のマント捌きを頑張っていてなかなか格好いいなあと。もうちょっと背があれば。それが残念。でもきらきらした美形で、格好よかった(面食い)。よく見ると雪のキムくんとちょっと似ている?
アンリエッタ=桜乃彩音
アンリエッタは難しい役なんだ、と思った。
彩音ちゃんのアンリエッタは令嬢で、少女で、恋する乙女。初めての恋に激しく強く、真っ直ぐに飛び込んでいく少女。
でも、脚本から感じるアンリエッタ像はそれだけの女性ではないと思ったので。
気品ある貴族の令嬢であり、恋する乙女であり、新しい時代に目を向ける聡明な女性であり、激しい情熱を秘めたシチリアの女。比べて思ったのだけれど、本役のふーちゃんに対しては恋する乙女の一途さや貴族令嬢と言う部分に若干物足りなさを感じる。彩音ちゃんは啓蒙書を読む社会性や公爵家長女としての大人の部分が見えなくてやはり物足りなく感じて。
難しいヒロインなんだと思う。
でも、それは欲張りすぎと言うものかもしれない。
彩音ちゃんのアンリエッタ、そしてそれに対するみつるくんのヴィットリオが少年少女の純粋さでお互いを愛していることが伝わってくる。まさに、ロミオとジュリエットのように。
だから、激しく美しいラブストーリーとして楽しめたし、陶酔できた。
彩音ちゃんは、あまり演技派と言う訳ではないのかな、と思った。本人のキャラクタと感情で役になるタイプ。品があってお姫様がはまる人なので、良かった。思えば『マラケシュ』のオリガも貴族令嬢らしさがはまっていたと思う。
祭での可愛らしさ、そして嵐の一夜、ヴィットリオが去ろうとする時にマリア像に一心に祈りを捧げていたのが印象的でした。その切羽詰った必死な様子が、その後のヴィットリオを引き止めて誘う姿につながって見えた。そこまで思いつめているからこその一夜であり、神の前に誓った二人きりの結婚、と見えた。
ヴィットリオ・F=朝夏まなと
実はぴったりはまるだろうと一番期待していたのですが、想像したほどではなく。まなとくんは意外とお坊ちゃまキャラではないんだなあ。本役のゆみこちゃんがはまりすぎるのか。最初緊張したのか歌がえらいことになってましたが、段々入り込んでくると持ち直して演技も良くなってきました。全体的に『マラケシュ』の方が良かったかも。まだ若いし今後に期待。
ジュディッタ=華城季帆
上手い。主要カップル2組4人の中で一番安定感がある。特に歌は圧勝。まぁくんを支えてくれて良かった。
ロドリーゴ=望月理世
わかりやすく恋敵でした。何だか薄っぺらで間抜けそうな感じで、こういう役作りもありかと。おかげで主役二人の物語が純粋なラブストーリーとして際立ちました。関係ないけど理世くんがちょっと悪役面に見えるのは私だけですか?
ニコラ=扇めぐむ
格好よかった! 周囲皆絶賛。
何と言っても長身が映える男役らしいスタイルの良さ。遠くからでも表情がわかる顔と言い、大劇場の舞台向けの人だなあと。
演技も空回りしすぎない程よい熱さで頼りがいのあるいい兄貴で、格好よかったなあと。新公はヴィットリオの方が若く見える。土地に根ざしているからこそその目線でしか生きられない自分を知っている、大人なニコラ。家族と言う根を持たない孤独ゆえに自由な縛られない視野で理想を追う若いヴィットリオ。その関係性が良かったです。
あと皆良かったですが、脇の老け役3人が素晴らしかった。ドンブイユ公爵=紫峰七海、カヴァーレ公爵=嶺輝あやとの渋さ、格好よさは新公レベル超えてます。そしてエルヴィラ=桜一花の驚嘆の上手さ。実は終演後の最初の感想は、一花ちゃんうめー!でした。
このページのカウンタが10万を越えました。
11/26に日付が変わった頃に見たら100021だったので、その辺りで10万アクセスを記録したと思われます。
これも読んでいただいている皆様のおかげです、ありがとうございます。
と言っても、ダイアリーノートは何をしてもカウンタが回るんで、実態はわかりゃしないんですけどね(笑)。ちなみに、Homeのカウンタは本日現在1308です。
しかし記念は記念と言うことで、この機会にアンケートを設けさせていただきました。いや、ただ単に私が顧客傾向(違)に興味があるだけなのですが。
質問項目は全て任意回答なので、お気軽にお答えください。期間は2週間程度を予定しています。結果は何らかの方法で公開する予定です。
Homeからリンクしています。なにとぞご協力のほどよろしくお願いします。
まあ殆ど反応がないかもしれないですが、それもひとつの結果と言うことで。
***
最近気づいたこと。
ここを読んでくださっている方と初めて会ったとき、気さくとかおっとりとかやわらかい印象、とか言われることがあるんですね。しかも、予想外に、と言うニュアンスつきで。
今まで自分ではそれが不思議だったのですよ。初対面でも遠慮なくガンガン喋るしどちらかと言うと口は悪いし(と言うかいい年して言葉遣いがあまりよろしくない)、図々しい方だと思っているので、変だなあと。
が。
それって、ここの文章と比べて、ってことなんだろうか。
理屈ばかりこねているから、そんなに偏屈で気難しい人間だと思われてる? それとも妄想体質で電波系のコミュニケーションに問題ある人に見える? いやどちらも完全に間違いではない気もしますが(そういうことを言うから余計に悪いのでは)。
えーと。
実際会った人によるとそんなに恐い人じゃないらしいので、気が向いたらメールフォーム等でもお気軽に声を掛けてください。(アンケートもよろしく)
***
星新公配役にひとこと言わせていただくとしたら。
あかしのブイエ将軍って!(肩落とし膝つき)
せっかく飛雪で「あの子誰?」って注目されかけてるのに、そう来ますか。
もしかしたら、専科さんの役は大事だから、という劇団の意志かもしれないけどさ。でもそれにしてもあんまりだ。
全ツでやたらとキラキラアピールしていた一輝慎くんについても同様。がんばれ。
とは言えしゅんくんオスカル聖夏くんアンドレも楽しみです。若くてきれいでキラキラしてそうだ。
そして一番楽しみなのはうめアントワネットです(笑)(笑うな!)。
***
たまには観劇以外のこともしよう。
と言う訳で紅葉を見に談山神社(奈良県)へ行って参りました。
ここ、紅葉の名所と言うことしか知らなかったんですが、中臣鎌足と中大兄皇子が入鹿暗殺の談合をした地と言う由来から「談」山神社なんですね。
おまけに祭神が鎌足で勝運のお宮なんだとか。
鎌足の遺言により息子の定慧がここに墓を作り、お寺と神殿を立てたんだそうな。やはり、ここに葬ってくれというくらい思い入れのある地だったのだろうなあ。
ちなみに上記のエピソードに思いを馳せる間イメージ映像は全て『飛鳥夕映え』でした。案の定(笑)。
肝心の紅葉は良かったです。適度な田舎なので混雑しすぎてなかったし。
が、ガイドブックの写真は上手く撮るなあとも思いました(笑)。
11/26に日付が変わった頃に見たら100021だったので、その辺りで10万アクセスを記録したと思われます。
これも読んでいただいている皆様のおかげです、ありがとうございます。
と言っても、ダイアリーノートは何をしてもカウンタが回るんで、実態はわかりゃしないんですけどね(笑)。ちなみに、Homeのカウンタは本日現在1308です。
しかし記念は記念と言うことで、この機会にアンケートを設けさせていただきました。いや、ただ単に私が顧客傾向(違)に興味があるだけなのですが。
質問項目は全て任意回答なので、お気軽にお答えください。期間は2週間程度を予定しています。結果は何らかの方法で公開する予定です。
Homeからリンクしています。なにとぞご協力のほどよろしくお願いします。
まあ殆ど反応がないかもしれないですが、それもひとつの結果と言うことで。
***
最近気づいたこと。
ここを読んでくださっている方と初めて会ったとき、気さくとかおっとりとかやわらかい印象、とか言われることがあるんですね。しかも、予想外に、と言うニュアンスつきで。
今まで自分ではそれが不思議だったのですよ。初対面でも遠慮なくガンガン喋るしどちらかと言うと口は悪いし(と言うかいい年して言葉遣いがあまりよろしくない)、図々しい方だと思っているので、変だなあと。
が。
それって、ここの文章と比べて、ってことなんだろうか。
理屈ばかりこねているから、そんなに偏屈で気難しい人間だと思われてる? それとも妄想体質で電波系のコミュニケーションに問題ある人に見える? いやどちらも完全に間違いではない気もしますが(そういうことを言うから余計に悪いのでは)。
えーと。
実際会った人によるとそんなに恐い人じゃないらしいので、気が向いたらメールフォーム等でもお気軽に声を掛けてください。(アンケートもよろしく)
***
星新公配役にひとこと言わせていただくとしたら。
あかしのブイエ将軍って!(肩落とし膝つき)
せっかく飛雪で「あの子誰?」って注目されかけてるのに、そう来ますか。
もしかしたら、専科さんの役は大事だから、という劇団の意志かもしれないけどさ。でもそれにしてもあんまりだ。
全ツでやたらとキラキラアピールしていた一輝慎くんについても同様。がんばれ。
とは言えしゅんくんオスカル聖夏くんアンドレも楽しみです。若くてきれいでキラキラしてそうだ。
そして一番楽しみなのはうめアントワネットです(笑)(笑うな!)。
***
たまには観劇以外のこともしよう。
と言う訳で紅葉を見に談山神社(奈良県)へ行って参りました。
ここ、紅葉の名所と言うことしか知らなかったんですが、中臣鎌足と中大兄皇子が入鹿暗殺の談合をした地と言う由来から「談」山神社なんですね。
おまけに祭神が鎌足で勝運のお宮なんだとか。
鎌足の遺言により息子の定慧がここに墓を作り、お寺と神殿を立てたんだそうな。やはり、ここに葬ってくれというくらい思い入れのある地だったのだろうなあ。
ちなみに上記のエピソードに思いを馳せる間イメージ映像は全て『飛鳥夕映え』でした。案の定(笑)。
肝心の紅葉は良かったです。適度な田舎なので混雑しすぎてなかったし。
が、ガイドブックの写真は上手く撮るなあとも思いました(笑)。
カワイイカワイイと言うキミが一番可愛い。(お茶会潜入記)
2005年11月26日 宝塚
前にも似たようなことを書いた気もしますが(笑)。でも娘役ちゃんの可愛らしさはまた格別。
男役さんの場合はかわいいと思ったりかっこいいと思ったり気持ちがスイッチする度に自分のキャラもモード切り替えするので忙しいのですが(私だけ?)、今回は心おきなくかわいいモード全開で、らんとむさん並みに目尻を下げつつ思い切り愛でてまいりました。
と言う訳で、あすか茶潜入記(いつの間に)。
あすかちゃん登場。服装は黒のワンピース。張りのある生地だが光沢は無い、綿かなあ。膝下丈のスカートは広がっていて裾にはレース。そして黒のエナメルのピンヒール。『NAKED CITY』の、編集部を訪ねる場面ではいていた靴だそうです。ちなみにそれに気づいたのは参加者の方。ファンってすごい。
会場を歩いて雛壇へ。スタイルいい、ウエスト細、と感嘆。丸い顔に丸い大きな目、親しみやすい笑顔の普通の女の子。いや普通と言うにはめちゃくちゃ可愛いけど。
この人がジュディッタやグウェンドレンやイヴェットやフラスキータやデイジーや、数々の魅力的な女性を演じたのだと思うと、何だか不思議な感じでした。
2日後がお誕生日だそうで、お花で作ったケーキ(観賞用)やオルゴールキャンドルのプレゼント。可愛い可愛いと喜ぶあすかちゃんを皆で可愛いと愛でるの図。
しかし、ケーキやキャンドルを可愛いというのはわかるとして、乾杯のときみんながペットボトルを開ける様子を可愛いというのは結構謎でした(何故だかペットボトルが可愛いらしい)。
いや、可愛い子は何を言っても可愛いからいいけど(でれり)。
お誕生日プレゼントは、何だったか化粧品のセット。
「これできれいになれってことですね」とあすかちゃん。いや十分きれいだから。
公演の質問から。憶えている範囲で。
【お芝居】
・ジュディッタの家族は小さな名も無い村に住んでいるらしい。ジュディッタは15歳のときモデルになるためにミラノに出てきて、手紙のやり取りをしているらしい。家族のことも「心配ですね」とのこと。
・ヴィットリオ・Fとジュディッタはその後ニューヨークに渡りイタリア人街に身を寄せるらしい。戦争が終ったら帰ってくるらしい。「おばあさまも強運な方なのでお元気で、お屋敷も無事で」だそうです。
・二人の間には娘が生まれ、ジャスミンと名付けるらしい。
・髪型は「景子先生のこだわり」で、当時のファッションを意識したフィンガーウェーブと指定され、頑張って作ったらしい。でも難しかったそうで。
・ウエディングドレスも「景子先生のこだわり」で、ヴィットリオ・Fの母親の世代のものと言うことでアンティーク風レースを使った近くで見てもとてもきれいなものらしい。
・ヴィットリオ・Fのゆみこちゃんからは舞台稽古で指輪をもらったらしい。「前に霧矢さんからももらいましたよね?」と聞かれ頷くあすかちゃん。おうちにはそうやっていただいた指輪を大切にとってあるそうです。見たい。
・ジャスミンで起こされる気分は?と聞かれて、嬉しい、と。ジャスミンの香りは好きで、あの花には実際にジャスミンのオイルをしみこませてあるのだそうです。ゆみこちゃんと二人、袖でその香りでリラックスしているとか。ちなみに台本読みのときここの台詞があまりに恥ずかしくてゆみこちゃんはみんなに笑われてしまったらしい。ご本人も照れて言いにくそうだったそうで。
・今回、二つの時代があって、メインストーリーは時代物なのに自分たちは現代で演技の雰囲気も違って、お稽古場では「これでいいのかしら」と悩んだりしたそうです。
・とにかく、ヴィットリオ・Fにこんなに愛されるジュディッタ役でとても幸せそうなあすかちゃんでした(嬉しそうに話すあすかちゃんが可愛い可愛い)。
【ショー】
・以前の『ASIAN SUNRISE』はビデオで見たそうです。とても楽しいショーで、勢いのあるエイサーにも出してもらえて嬉しいとのこと。
・チャイナタンゴは台の上でスタンバイしているため、男役3人を後ろから眺めているらしい。お稽古場では「男役さんが着るとステキだなあ」「娘役さんが着ると似合うなあ」みたいにお互いいいなあと言い合っていたようなことも。いややっぱり君たちの方が似合ってると思うよ。
・『銀座カンカン娘』は難しいらしい。「聞いたことがある歌なので自分でも歌えるような気がしていましたが、とても難しくて今も苦労してます」とのこと。「隣で蘭寿さんは楽しそうなんですけど、私は大変で」確かに楽しそうだらんとむ君。
・サンパギータの場面の意味を聞かれて「やっぱりわかりにくいですよね、短いですもんね」としきりに繰り返すあすかちゃん。お稽古場でも最初はみんなわからなかったらしい。
・あすかちゃんとまとぶんが元々恋人同士なのだけれど、まとぶんは戦死したと思ってあすかちゃんはらんとむと結婚することになって。でも結婚式の日にまとぶんが現れて、そこからまとぶんとあすかちゃんは幸せなときの幻想に入って二人で踊って。でも結局あすかちゃんはらんとむと結ばれる、というストーリーだそうです。(多分、幻想に入っちゃうからわかりにくいのではないかと)
・サンパギータとは実はジャスミンの一種だそうです。曰く「お芝居でもショーでもウエディングドレスが着られて、ジャスミンで」。
テーブルごとに写真撮影。プレゼントを渡している人も多い。そりゃあれだけ可愛ければ貢ぎたくもなると大納得。
次は質問コーナー。
どこでお洋服を買いますか、という質問には「企業秘密です」。
色々な男役さんと組まれますがどなたとも似合っているのは秘訣がありますか、も「企業秘密」(笑)。でも、役の気持ちになれば自然にそう見えると思います、と。
再演してほしい出演してみたいショーについて聞かれたのはここだったかな。『ル・ポワゾン』と答えていました。
プレゼントコーナーを経て、最後は歌のプレゼント。しかも2曲(大喜び)。
『Ernest in Love』のフィナーレと、『落陽のパレルモ』の「愛の力」(すげータイトルだがラストの曲)。
『Ernest』は、もちろん自分のパートを歌ってくれた訳ですが。当然ながら男役パートが不在な訳で。樹里ちゃんの不在を思って、ちょっとうるっと来てしました。明るい曲なのにね。
でも、その後の『パレルモ』で。これもデュエット曲だから男役パートがいないのは同じなのだけれど、今公演中のゆみこちゃんとのデュエットと言うことで受け取る気持ちも違って。
そうだよな。今は今いる人たちで充実した舞台をやってる訳だし、あすかちゃんも元気で頑張ってるんだし。
と、じーんと来てまたうるうるしてしまいました。年寄りは涙もろくなっていかん(笑)。
あすかちゃんは歌いながら扉へ移動、そして笑顔で退場。
あー可愛かったー(でれでれ)。
そして、最後帰るときには、あすかちゃんがひとりひとりにお花(上の写真のピンクのガーベラ)を渡してご挨拶してくれました。
ここは何か言わねばなるまい、と素直な気持ちで。
「あすかちゃんがとってもかわいくて嬉しかったです」
照れるあすかちゃんを見て、はっ、これではまた「何口説いてるんですか」と言われてしまう、と我に帰る私。
でもはにかむあすかちゃんがえらく可愛かったので良しとします(勝手に)。
男役さんの場合はかわいいと思ったりかっこいいと思ったり気持ちがスイッチする度に自分のキャラもモード切り替えするので忙しいのですが(私だけ?)、今回は心おきなくかわいいモード全開で、らんとむさん並みに目尻を下げつつ思い切り愛でてまいりました。
と言う訳で、あすか茶潜入記(いつの間に)。
あすかちゃん登場。服装は黒のワンピース。張りのある生地だが光沢は無い、綿かなあ。膝下丈のスカートは広がっていて裾にはレース。そして黒のエナメルのピンヒール。『NAKED CITY』の、編集部を訪ねる場面ではいていた靴だそうです。ちなみにそれに気づいたのは参加者の方。ファンってすごい。
会場を歩いて雛壇へ。スタイルいい、ウエスト細、と感嘆。丸い顔に丸い大きな目、親しみやすい笑顔の普通の女の子。いや普通と言うにはめちゃくちゃ可愛いけど。
この人がジュディッタやグウェンドレンやイヴェットやフラスキータやデイジーや、数々の魅力的な女性を演じたのだと思うと、何だか不思議な感じでした。
2日後がお誕生日だそうで、お花で作ったケーキ(観賞用)やオルゴールキャンドルのプレゼント。可愛い可愛いと喜ぶあすかちゃんを皆で可愛いと愛でるの図。
しかし、ケーキやキャンドルを可愛いというのはわかるとして、乾杯のときみんながペットボトルを開ける様子を可愛いというのは結構謎でした(何故だかペットボトルが可愛いらしい)。
いや、可愛い子は何を言っても可愛いからいいけど(でれり)。
お誕生日プレゼントは、何だったか化粧品のセット。
「これできれいになれってことですね」とあすかちゃん。いや十分きれいだから。
公演の質問から。憶えている範囲で。
【お芝居】
・ジュディッタの家族は小さな名も無い村に住んでいるらしい。ジュディッタは15歳のときモデルになるためにミラノに出てきて、手紙のやり取りをしているらしい。家族のことも「心配ですね」とのこと。
・ヴィットリオ・Fとジュディッタはその後ニューヨークに渡りイタリア人街に身を寄せるらしい。戦争が終ったら帰ってくるらしい。「おばあさまも強運な方なのでお元気で、お屋敷も無事で」だそうです。
・二人の間には娘が生まれ、ジャスミンと名付けるらしい。
・髪型は「景子先生のこだわり」で、当時のファッションを意識したフィンガーウェーブと指定され、頑張って作ったらしい。でも難しかったそうで。
・ウエディングドレスも「景子先生のこだわり」で、ヴィットリオ・Fの母親の世代のものと言うことでアンティーク風レースを使った近くで見てもとてもきれいなものらしい。
・ヴィットリオ・Fのゆみこちゃんからは舞台稽古で指輪をもらったらしい。「前に霧矢さんからももらいましたよね?」と聞かれ頷くあすかちゃん。おうちにはそうやっていただいた指輪を大切にとってあるそうです。見たい。
・ジャスミンで起こされる気分は?と聞かれて、嬉しい、と。ジャスミンの香りは好きで、あの花には実際にジャスミンのオイルをしみこませてあるのだそうです。ゆみこちゃんと二人、袖でその香りでリラックスしているとか。ちなみに台本読みのときここの台詞があまりに恥ずかしくてゆみこちゃんはみんなに笑われてしまったらしい。ご本人も照れて言いにくそうだったそうで。
・今回、二つの時代があって、メインストーリーは時代物なのに自分たちは現代で演技の雰囲気も違って、お稽古場では「これでいいのかしら」と悩んだりしたそうです。
・とにかく、ヴィットリオ・Fにこんなに愛されるジュディッタ役でとても幸せそうなあすかちゃんでした(嬉しそうに話すあすかちゃんが可愛い可愛い)。
【ショー】
・以前の『ASIAN SUNRISE』はビデオで見たそうです。とても楽しいショーで、勢いのあるエイサーにも出してもらえて嬉しいとのこと。
・チャイナタンゴは台の上でスタンバイしているため、男役3人を後ろから眺めているらしい。お稽古場では「男役さんが着るとステキだなあ」「娘役さんが着ると似合うなあ」みたいにお互いいいなあと言い合っていたようなことも。いややっぱり君たちの方が似合ってると思うよ。
・『銀座カンカン娘』は難しいらしい。「聞いたことがある歌なので自分でも歌えるような気がしていましたが、とても難しくて今も苦労してます」とのこと。「隣で蘭寿さんは楽しそうなんですけど、私は大変で」確かに楽しそうだらんとむ君。
・サンパギータの場面の意味を聞かれて「やっぱりわかりにくいですよね、短いですもんね」としきりに繰り返すあすかちゃん。お稽古場でも最初はみんなわからなかったらしい。
・あすかちゃんとまとぶんが元々恋人同士なのだけれど、まとぶんは戦死したと思ってあすかちゃんはらんとむと結婚することになって。でも結婚式の日にまとぶんが現れて、そこからまとぶんとあすかちゃんは幸せなときの幻想に入って二人で踊って。でも結局あすかちゃんはらんとむと結ばれる、というストーリーだそうです。(多分、幻想に入っちゃうからわかりにくいのではないかと)
・サンパギータとは実はジャスミンの一種だそうです。曰く「お芝居でもショーでもウエディングドレスが着られて、ジャスミンで」。
テーブルごとに写真撮影。プレゼントを渡している人も多い。そりゃあれだけ可愛ければ貢ぎたくもなると大納得。
次は質問コーナー。
どこでお洋服を買いますか、という質問には「企業秘密です」。
色々な男役さんと組まれますがどなたとも似合っているのは秘訣がありますか、も「企業秘密」(笑)。でも、役の気持ちになれば自然にそう見えると思います、と。
再演してほしい出演してみたいショーについて聞かれたのはここだったかな。『ル・ポワゾン』と答えていました。
プレゼントコーナーを経て、最後は歌のプレゼント。しかも2曲(大喜び)。
『Ernest in Love』のフィナーレと、『落陽のパレルモ』の「愛の力」(すげータイトルだがラストの曲)。
『Ernest』は、もちろん自分のパートを歌ってくれた訳ですが。当然ながら男役パートが不在な訳で。樹里ちゃんの不在を思って、ちょっとうるっと来てしました。明るい曲なのにね。
でも、その後の『パレルモ』で。これもデュエット曲だから男役パートがいないのは同じなのだけれど、今公演中のゆみこちゃんとのデュエットと言うことで受け取る気持ちも違って。
そうだよな。今は今いる人たちで充実した舞台をやってる訳だし、あすかちゃんも元気で頑張ってるんだし。
と、じーんと来てまたうるうるしてしまいました。年寄りは涙もろくなっていかん(笑)。
あすかちゃんは歌いながら扉へ移動、そして笑顔で退場。
あー可愛かったー(でれでれ)。
そして、最後帰るときには、あすかちゃんがひとりひとりにお花(上の写真のピンクのガーベラ)を渡してご挨拶してくれました。
ここは何か言わねばなるまい、と素直な気持ちで。
「あすかちゃんがとってもかわいくて嬉しかったです」
照れるあすかちゃんを見て、はっ、これではまた「何口説いてるんですか」と言われてしまう、と我に帰る私。
でもはにかむあすかちゃんがえらく可愛かったので良しとします(勝手に)。
キミに釘付け。(雪組『ワンダーランド』)
2005年11月25日 宝塚三重県立文化会館。夜公演は上手サイド席を取りました。
客席降りが殆ど下手入口からなので上手からの方が見えやすいのですが、もうひとつ理由があって。
ここなら、せしるの投げキスがゲットできるんじゃないかと(何やってんだお前)。
大湖せしる君。芝居のときから何となく気になってました。間抜けな新人警官も可愛かったけど、モブでもえらく気合が入ってるような。群舞でもギラってるし、ポトスの手下やってるときは頑張ってクールな悪役面してるし。
あの美貌で気合入れてアピールされたら、つい見ちゃうよね? きれいなだけでなくてやる気たっぷり、更に一つまみの毒、と言う感じが目が離せません。
そんなせしる君の見せ場は、まず騎兵隊。いきなりウインク来ました。君ここでもそんなことやってたんかい(笑)。
彼はどうやら愛耀子お姉様を狙っている様子。一旦近づくけれどいなされて、ここは深追いせずにテーブルに着いて一人酒。しかし視線はお姉様から離さず、他の男どもが彼女に群がろうとするとにらみを利かせて追い払う。でもここではまだ手を出さず、彼女が一人になったのを見届けてまた離れて一人。
最後、コム氏に振られるお姉様。満を持して近づき腕を取るせしる。一度は振りほどかれるも、強引に引き寄せてついにお姉様ゲット。ここ、可愛いだけでなくて自分に自信のある若い男の傲慢さみたいなものが見えて、なかなかやるなあと。
もうひとつはトランプの中詰の最初。カーテン前、せしる君と蓮城まこと君。若手美形二人で眼福。
特にせしる君、すっげーバリバリのギラギラです。目力強いです。客席にアグレッシヴな視線ばら撒いてます。
あ、投げキスはしっかりゲットしました。オペラ越しに(笑)。でも確かに目が合ったから!
ま、正確には3階じゃなくて2階に、誰かターゲットがいたのかな。何にせよいいもん見ました。
若くてきれいで勢いがあってステキだったんですが、歌もすごかった(笑)。二人で声を張り上げるところなんてハウリング起こしているんじゃないかと思うような……
いや、元気があって大変よろしい!(笑) 私は好きだよ君ら。
パレードの客席降りのときもせしる君は舞台の上なので機嫌よくピン撮りしてました。いつも手抜きなくいい顔していて見甲斐がある子だ。
つーか、どんだけせしるピン撮りしてたんだ自分。
西部の場面ずーっと、コムちゃんも見ずに?(呆然)
落ちたとはまだ言わない、この公演限定かもしれませんが、とにかく今回はせしるに釘付けでした。
いや、面食いですから(笑)。
ショー『ワンダーランド』改めて最初から。
オープニング、センターの気合の入った振りは誰だ?と思ったらハマコとまちかでした。すごいや雪組。
コムちゃんは客席から登場。ひと目見てその細さにびびる。芝居では「銀の狼」シルバの研ぎ澄まされたキャラクタとあっていて気にならなかったけど、頬とかこけちゃって心配なくらい。
でもものの数分で忘れる。スターオーラでそんなもの気にならなくなって。この人もやっぱりトップさんだなあ。
しかし「カモン、津ー!」と言うのは……最初何言ったかわかりませんでした。楽しいからいいけど。
最後カーテン前コムちゃんのソロ。私この人の歌声、好きかも。
白鯨。やはりあまり好きじゃないかも。水さんファンの心中を思うと胸が痛みます。
大劇ではここずっとハマコ氏を見てたんですが、今回見てまちか氏のダンスもすごくキレがいいなあと(超今更?)。
カウボーイ。
私、大劇ではこの場面相当好きだったんですが。えへらえへら楽しんで見てたんですが(肩落としつつ)。
やっぱり、かしちゃんはスターなんだなあ。そしてこの場面を乗り切るには有無を言わせぬ天然さ能天気さが必要なんだなあと。頑張れかなめ君。
ここはカウガール鑑賞も。右側の子、森咲かぐやちゃんが可愛かったです。特に、かなめ君を見上げる横顔が身長差も相まってたまりません。彼女にしたいタイプだ。
大西部。せしる君はさっき書いたのでおいといて、やはりコムまーは素敵。インディアン娘まーちゃんの可愛いこと。
そしてコム氏の慟哭にやられました。やっぱり私コムちゃんの歌、好きみたいです。芝居でも思ったけど、感情の乗った歌い方をされると胸かきむしられます。
中詰トランプのクラシックメドレー。いない人のパートを他の人が歌っているので、順番が妙なことに。それにしてもキム君の歌とニヤリ笑はステキだ。ハマコもステキだ。そしてシナちゃんは可愛い。黒も似合うね。
アラビア。ここ、かしげちゃん役をキム君なんですが。
巻き込まれ翻弄され型かしげと違って、キム君は翻弄するタイプなので。
女装のせしると絡んでもお互い挑発してると言うかそれよりも客席を挑発してると言うか。美少年と美少年が絡み合っているのだけれど動物の仔がじゃれあうみたいと言うか。でもただの動物ではなくて虎かライオンか肉食獣の子供で牙も爪も殺傷力あるぞ、と言うか。(伝わらないよ)
どう楽しんでいいか何ともわかりにくい、でも二人ともきれいだし楽しい場面でした。面白かった。
そしてオチは……元々要らないオチではありますが、キム君だと余計にこういうの似合わないよね。
霧ミラの「アマンダちゃーん」と言い、間抜けな演技がはまらない人だと思う。何故だろう。元々男らしい男役は「格好いい→間抜け」の二段活用で済むのに、彼のようなタイプは「可愛い→格好いい→間抜け」の三段活用が必要になるからか。
栄光。
グローリーハレルヤ!は3人目のハマコをわくわくと待ち受けていました。そして期待に違わぬハマコさん! うわすげー楽しいー。ここ絶対コムちゃんも水君も「次はハマコだから」って思ってるよね。
そして全ツだけのお楽しみ、まーちゃん!
かしちゃんの抜けたところに入っているのですが、娘役のドレスではなくパンツスタイル、しかもホルターネックのパンタロンに銀のビスチェという格好よくも可愛らしい格好。
男役に混じってきびきび踊るまーちゃんは、周囲より一回り小さいのにきらきらして全然負けてなくて、本当に魅力的。ステキでした。ひたすらまーちゃんばかり見てました。
まー壮キムの銀橋渡りだった「♪まだまだ続くよ〜」はキム君を中心とした若手5人客席降り。ここもせしるピン撮り……とはならず、キム君と半々くらいで見てました。みんなノリノリで楽しいけど、やっぱりキム君はすごい。押しも押されぬセンター。一度目の前でキザられてみたい、釣られたい。
しかし仙台も見たパクちゃんによると、その頃はまだこんなにはじけてなかったそうです。梅芸が取れなかったせいで津までやって参りましたが、後半日程見られて良かったかも。
フィナーレ。やっぱりコムまーデュエットはいいなあ。
パレードは中堅どころは客席降り、舞台上前方にコムまー水キム、若手はその後ろ、と言う感じの並び。ええ、せしるピン撮りしてました。後ろでもアピールを欠かさない君が好きだ。
しかしこの場面の白眉はまたしてもハマコ。何あのシャウトはー!!!(客席で笑い転げ)
大好きですハマコ先生。
楽しかったです。
正直、それほど良くできたショーではないと思うけれど、栄光から後の盛り上がりで持っていかれるので、見た後は結構「楽しかったー」という気分になる。芝居がヘビーで緊張するから、このくらいで丁度いいのかな。
でもアラビアのオチと白鯨全部は何とかしてほしいけど(苦笑)。
客席降りが殆ど下手入口からなので上手からの方が見えやすいのですが、もうひとつ理由があって。
ここなら、せしるの投げキスがゲットできるんじゃないかと(何やってんだお前)。
大湖せしる君。芝居のときから何となく気になってました。間抜けな新人警官も可愛かったけど、モブでもえらく気合が入ってるような。群舞でもギラってるし、ポトスの手下やってるときは頑張ってクールな悪役面してるし。
あの美貌で気合入れてアピールされたら、つい見ちゃうよね? きれいなだけでなくてやる気たっぷり、更に一つまみの毒、と言う感じが目が離せません。
そんなせしる君の見せ場は、まず騎兵隊。いきなりウインク来ました。君ここでもそんなことやってたんかい(笑)。
彼はどうやら愛耀子お姉様を狙っている様子。一旦近づくけれどいなされて、ここは深追いせずにテーブルに着いて一人酒。しかし視線はお姉様から離さず、他の男どもが彼女に群がろうとするとにらみを利かせて追い払う。でもここではまだ手を出さず、彼女が一人になったのを見届けてまた離れて一人。
最後、コム氏に振られるお姉様。満を持して近づき腕を取るせしる。一度は振りほどかれるも、強引に引き寄せてついにお姉様ゲット。ここ、可愛いだけでなくて自分に自信のある若い男の傲慢さみたいなものが見えて、なかなかやるなあと。
もうひとつはトランプの中詰の最初。カーテン前、せしる君と蓮城まこと君。若手美形二人で眼福。
特にせしる君、すっげーバリバリのギラギラです。目力強いです。客席にアグレッシヴな視線ばら撒いてます。
あ、投げキスはしっかりゲットしました。オペラ越しに(笑)。でも確かに目が合ったから!
ま、正確には3階じゃなくて2階に、誰かターゲットがいたのかな。何にせよいいもん見ました。
若くてきれいで勢いがあってステキだったんですが、歌もすごかった(笑)。二人で声を張り上げるところなんてハウリング起こしているんじゃないかと思うような……
いや、元気があって大変よろしい!(笑) 私は好きだよ君ら。
パレードの客席降りのときもせしる君は舞台の上なので機嫌よくピン撮りしてました。いつも手抜きなくいい顔していて見甲斐がある子だ。
つーか、どんだけせしるピン撮りしてたんだ自分。
西部の場面ずーっと、コムちゃんも見ずに?(呆然)
落ちたとはまだ言わない、この公演限定かもしれませんが、とにかく今回はせしるに釘付けでした。
いや、面食いですから(笑)。
ショー『ワンダーランド』改めて最初から。
オープニング、センターの気合の入った振りは誰だ?と思ったらハマコとまちかでした。すごいや雪組。
コムちゃんは客席から登場。ひと目見てその細さにびびる。芝居では「銀の狼」シルバの研ぎ澄まされたキャラクタとあっていて気にならなかったけど、頬とかこけちゃって心配なくらい。
でもものの数分で忘れる。スターオーラでそんなもの気にならなくなって。この人もやっぱりトップさんだなあ。
しかし「カモン、津ー!」と言うのは……最初何言ったかわかりませんでした。楽しいからいいけど。
最後カーテン前コムちゃんのソロ。私この人の歌声、好きかも。
白鯨。やはりあまり好きじゃないかも。水さんファンの心中を思うと胸が痛みます。
大劇ではここずっとハマコ氏を見てたんですが、今回見てまちか氏のダンスもすごくキレがいいなあと(超今更?)。
カウボーイ。
私、大劇ではこの場面相当好きだったんですが。えへらえへら楽しんで見てたんですが(肩落としつつ)。
やっぱり、かしちゃんはスターなんだなあ。そしてこの場面を乗り切るには有無を言わせぬ天然さ能天気さが必要なんだなあと。頑張れかなめ君。
ここはカウガール鑑賞も。右側の子、森咲かぐやちゃんが可愛かったです。特に、かなめ君を見上げる横顔が身長差も相まってたまりません。彼女にしたいタイプだ。
大西部。せしる君はさっき書いたのでおいといて、やはりコムまーは素敵。インディアン娘まーちゃんの可愛いこと。
そしてコム氏の慟哭にやられました。やっぱり私コムちゃんの歌、好きみたいです。芝居でも思ったけど、感情の乗った歌い方をされると胸かきむしられます。
中詰トランプのクラシックメドレー。いない人のパートを他の人が歌っているので、順番が妙なことに。それにしてもキム君の歌とニヤリ笑はステキだ。ハマコもステキだ。そしてシナちゃんは可愛い。黒も似合うね。
アラビア。ここ、かしげちゃん役をキム君なんですが。
巻き込まれ翻弄され型かしげと違って、キム君は翻弄するタイプなので。
女装のせしると絡んでもお互い挑発してると言うかそれよりも客席を挑発してると言うか。美少年と美少年が絡み合っているのだけれど動物の仔がじゃれあうみたいと言うか。でもただの動物ではなくて虎かライオンか肉食獣の子供で牙も爪も殺傷力あるぞ、と言うか。(伝わらないよ)
どう楽しんでいいか何ともわかりにくい、でも二人ともきれいだし楽しい場面でした。面白かった。
そしてオチは……元々要らないオチではありますが、キム君だと余計にこういうの似合わないよね。
霧ミラの「アマンダちゃーん」と言い、間抜けな演技がはまらない人だと思う。何故だろう。元々男らしい男役は「格好いい→間抜け」の二段活用で済むのに、彼のようなタイプは「可愛い→格好いい→間抜け」の三段活用が必要になるからか。
栄光。
グローリーハレルヤ!は3人目のハマコをわくわくと待ち受けていました。そして期待に違わぬハマコさん! うわすげー楽しいー。ここ絶対コムちゃんも水君も「次はハマコだから」って思ってるよね。
そして全ツだけのお楽しみ、まーちゃん!
かしちゃんの抜けたところに入っているのですが、娘役のドレスではなくパンツスタイル、しかもホルターネックのパンタロンに銀のビスチェという格好よくも可愛らしい格好。
男役に混じってきびきび踊るまーちゃんは、周囲より一回り小さいのにきらきらして全然負けてなくて、本当に魅力的。ステキでした。ひたすらまーちゃんばかり見てました。
まー壮キムの銀橋渡りだった「♪まだまだ続くよ〜」はキム君を中心とした若手5人客席降り。ここもせしるピン撮り……とはならず、キム君と半々くらいで見てました。みんなノリノリで楽しいけど、やっぱりキム君はすごい。押しも押されぬセンター。一度目の前でキザられてみたい、釣られたい。
しかし仙台も見たパクちゃんによると、その頃はまだこんなにはじけてなかったそうです。梅芸が取れなかったせいで津までやって参りましたが、後半日程見られて良かったかも。
フィナーレ。やっぱりコムまーデュエットはいいなあ。
パレードは中堅どころは客席降り、舞台上前方にコムまー水キム、若手はその後ろ、と言う感じの並び。ええ、せしるピン撮りしてました。後ろでもアピールを欠かさない君が好きだ。
しかしこの場面の白眉はまたしてもハマコ。何あのシャウトはー!!!(客席で笑い転げ)
大好きですハマコ先生。
楽しかったです。
正直、それほど良くできたショーではないと思うけれど、栄光から後の盛り上がりで持っていかれるので、見た後は結構「楽しかったー」という気分になる。芝居がヘビーで緊張するから、このくらいで丁度いいのかな。
でもアラビアのオチと白鯨全部は何とかしてほしいけど(苦笑)。
この世にただ二人。(雪組『銀の狼』)
2005年11月24日 宝塚かなり大きな会場でした。舞台の間口は狭く天井が高く、舞台と客席が遠い。オーチャードホールの3階席を倍くらいにしたような感じ。
正直、昼公演ではあまりのめり込めなかった。上質の舞台だと思うのにはまれない、このもどかしさは舞台との距離もあるのでは、と思って夜公演リベンジ。
しかし人気公演で祝日、当日券は3階席だけでサバキも無し。
そこで目をつけたのがサイドのバルコニー席。これが大正解でした。高さは同じでも舞台からの距離は正面席の約半分。後ろに人がいないから身を乗り出しても大丈夫。手すりにへばりついて天上桟敷気分を満喫しました。
と言う訳で2回見た『銀の狼』。
前評判は上々、コム氏、水くん、キムくんと皆いい役らしい。さて誰にはまるかなとわくわくして臨んだところ。
まーちゃんにはまりました。うわ予想外。
舞風りらのミレイユ。
大統領ミシェル・バローの娘であり国務大臣ジャンルイの妻。
硬質、と言う言葉が一番最初に浮かんだ。
清冽な、しかし常に何か押し殺しているような、鬱屈したものを抱え込んだ美しい人。
それが、シルバに誘拐され、失った記憶を取り戻そうとする彼と共に、押し殺していた苦しみや罪と向かい合うことになる。
シルバとの逃避行の中で彼女は変わっていく。花開いていく、と言ってもいい。
警官に囲まれての窮地、彼女は強い意志と毅然とした振舞いで切り抜け、シルバをも救う。その凛とした様を見れば、若い警官が彼女に心服し従うのもわかる。シルバが目を見張るのもわかる。
緊張が解けて「自分にこんなことができるなんて思わなかった」と言うミレイユに、まだ始まったばかりだ、とシルバは言う。二人の間にあるものは決して甘いものではないけれど、躊躇いながら人間同士として認め合う、その距離感。
意志を持って戦った結果、彼女は真実を勝ち取る。しかしそれはあまりに過酷で。初めから裏切られ、裏切られていたことを知らずに犯した罪。
一人になったミレイユがうつろな声で歌うのは、記憶を失くしたシルバと同じ歌。生きている意味もわからないと嘆きの歌。
事情は違えど、二人は同じものを抱えている。4年前のあの日からずっと一人きりだったという痛み。周りに人はいても誰とも分かち合えない孤独に、二人ともずっと乾いていた。
陰謀の果てに夫に殺されようとするミレイユが呼ぶのは、シルバの名。
自分を強くしてくれた人。同じように闇を抱えて生きている人。
そして、その声にシルバは現れる。
ここだけ見るとまるでおとぎ話だ。
だって、あの人は来てくれたのだもの。
過酷で凄絶な、二人の人生。
妻子を失い、自らも多くの人を殺したシルバはもう普通の人間には戻れない。そしてミレイユも全てを失い、最後、シルバと同じ場所に降りてくる。
それはとても酷いことだけれど。
それでも、二人が出会えて良かったと思った。
理由があれば、同じ理由を持った人間と出会えるかもしれない、と言ったのはシルバ。
見る者の勝手だけれど、最後、前を歩くシルバに背後から寄り添うミレイユを見て、この二人が出会えて良かったと、そう思えた。
朽ち果てるまで生き続けるだけ。それでも、一人じゃなくて良かった。
もしかしたら、ここまでミレイユ中心に見てしまったのはシビアで重いハードボイルドな男達のドラマについて行きそびれたせいかもしれない。ヒロインであるミレイユを手がかりに作品に喰らいつくしかなかったのかも。特に、主人公のシルバが内面に感情移入しづらいキャラクタなので、尚更。
頼るものは自分だけ、と言うようなことを三者三様に歌うシルバ、レイ、ジャンルイの三人は良かった。感じ入りました。でもそこに入り込めなかった。入り込めないと言うと悪いことのようだけれど、決して悪い意味ではなくて。それだけ、研ぎ澄まされた生き様が感情移入できるレベルを超えていた。
シルバ=朝海ひかるは、素晴らしかったです。
記憶を無くした男。銀髪の美貌の殺し屋。この世のものとは思われぬ存在感で舞台にいることによって、逆に「銀の狼」という虚構の存在にリアリティを与えていた。
そのスタイルに感嘆。黒レザーにフリルのシャツが似合いすぎてくらくらしました。
華奢なのに男前。妖精じみているのに骨太。目が離せない。
ジャンルイ=音月桂。
徹底した悪役。それなのにどこか余裕が無くはりつめていて。邪悪な笑みを浮かべ尊大に振る舞いつつ、若く青く脆い。そのバランスと言うかアンバランスが魅力的でした。ときめきと言うのとはちょっと違う気がするけれど、こちらも目が離せなかった。
ま、私が「完璧な悪役」は好みじゃないからかもしれないけど。こめかみが引きつってそうな感じがいいです(笑)。
このジャンルイはミレイユのこと愛してないよね。欲しいとは思っていただろうけど。キスを拒まれて口元をぬぐう時のニヤリ笑いがすごい。
一番好きなのは、ラスト近くのポトスとのやりとり。乾杯した後見られていない時の歪めた表情がたまらん。「唾棄」という言葉をそのまま形にしたらこうなるような。勝ち誇った「やっと役に立ってくれた」も好きだ。
バロー=未来優希。
こういう徹底的に冴えない役って実は初めて見た気がするけれど、やっぱり上手いなあ。個人的には事実を告白する時のミレイユとのやり取りが好きです。「あんたには悪いと思っていた」「親父さんだったなんて」とか、黙って頷く表情とかが。愚鈍だけど善人だったと納得させられる。
が、プロローグではあのすげーキメキメで踊っている人は誰?と思ったらハマコでした。流石。
ポトス=麻愛めぐる。
この人も上手いなあ。特に何というのではないけれど、さりげない台詞の言い方とか。闇取引をまとめたときの「高くつきました」って言い方がすごく好きなんですが(マニアック)。ここ相手が下級生だから余計にキャリアが見えるなあ。
トランティニアン=凰稀かなめ&ジャンヌ=愛耀子。
駆け出しヘタレ刑事とベテラン女記者。トランティニアンが全然ジャンヌに全然敵わないで振り回される一方のでこぼこコンビが楽しかった。
ところで、かなめ君って壮君に雰囲気似てきたよね? 雪担のお三方に恐る恐る言ったら否定されなかったので書いてますが。最初思ったのはショーでしたが、夜公演は芝居もそう見えてきた。かなめトランティニアンは相方がシナちゃんならまんまエルコレになりそうだし、逆に壮君のトランティニアンも容易に想像できます。特に「何故医者が殺し屋にー!何故銀髪にー!何故燃えたんだー!」のあたり。
彼らに関しては、最後「まかせろ」と言うのにちょっと唐突感が。だってシルバもミレイユもかれらと初対面なのに。
レイ=水夏希。
私はミレイユ中心視点だったのであまり見られていないのですが、彼もまた葛藤を抱え込んだ、でもそれを押し隠して生きる、いい男だったなあと。
シルバ、ミレイユ、レイ、ジャンルイ。皆に緊張感がある。張りつめた美しさがある。
ひりひりする緊張感と研ぎ澄まされた繊細さが痛いくらいのこの作品。やはりドラマシティ辺りで見たかったです。最後のシルバとミレイユも、あんな重い場面客席でやっちゃ駄目だって。
が、それでも集中力を切らさず有無を言わせない朝海氏と舞風嬢はすごかった。誰も立入ることの出来ない空気を纏っていた。
と言う訳で結論。コムまーばんざい。
そしてベルばら前の全ツでこんないい芝居がきた雪組さんをちょっとうらやんでみたり(苦笑)。
正直、昼公演ではあまりのめり込めなかった。上質の舞台だと思うのにはまれない、このもどかしさは舞台との距離もあるのでは、と思って夜公演リベンジ。
しかし人気公演で祝日、当日券は3階席だけでサバキも無し。
そこで目をつけたのがサイドのバルコニー席。これが大正解でした。高さは同じでも舞台からの距離は正面席の約半分。後ろに人がいないから身を乗り出しても大丈夫。手すりにへばりついて天上桟敷気分を満喫しました。
と言う訳で2回見た『銀の狼』。
前評判は上々、コム氏、水くん、キムくんと皆いい役らしい。さて誰にはまるかなとわくわくして臨んだところ。
まーちゃんにはまりました。うわ予想外。
舞風りらのミレイユ。
大統領ミシェル・バローの娘であり国務大臣ジャンルイの妻。
硬質、と言う言葉が一番最初に浮かんだ。
清冽な、しかし常に何か押し殺しているような、鬱屈したものを抱え込んだ美しい人。
それが、シルバに誘拐され、失った記憶を取り戻そうとする彼と共に、押し殺していた苦しみや罪と向かい合うことになる。
シルバとの逃避行の中で彼女は変わっていく。花開いていく、と言ってもいい。
警官に囲まれての窮地、彼女は強い意志と毅然とした振舞いで切り抜け、シルバをも救う。その凛とした様を見れば、若い警官が彼女に心服し従うのもわかる。シルバが目を見張るのもわかる。
緊張が解けて「自分にこんなことができるなんて思わなかった」と言うミレイユに、まだ始まったばかりだ、とシルバは言う。二人の間にあるものは決して甘いものではないけれど、躊躇いながら人間同士として認め合う、その距離感。
意志を持って戦った結果、彼女は真実を勝ち取る。しかしそれはあまりに過酷で。初めから裏切られ、裏切られていたことを知らずに犯した罪。
一人になったミレイユがうつろな声で歌うのは、記憶を失くしたシルバと同じ歌。生きている意味もわからないと嘆きの歌。
事情は違えど、二人は同じものを抱えている。4年前のあの日からずっと一人きりだったという痛み。周りに人はいても誰とも分かち合えない孤独に、二人ともずっと乾いていた。
陰謀の果てに夫に殺されようとするミレイユが呼ぶのは、シルバの名。
自分を強くしてくれた人。同じように闇を抱えて生きている人。
そして、その声にシルバは現れる。
ここだけ見るとまるでおとぎ話だ。
だって、あの人は来てくれたのだもの。
過酷で凄絶な、二人の人生。
妻子を失い、自らも多くの人を殺したシルバはもう普通の人間には戻れない。そしてミレイユも全てを失い、最後、シルバと同じ場所に降りてくる。
それはとても酷いことだけれど。
それでも、二人が出会えて良かったと思った。
理由があれば、同じ理由を持った人間と出会えるかもしれない、と言ったのはシルバ。
見る者の勝手だけれど、最後、前を歩くシルバに背後から寄り添うミレイユを見て、この二人が出会えて良かったと、そう思えた。
朽ち果てるまで生き続けるだけ。それでも、一人じゃなくて良かった。
もしかしたら、ここまでミレイユ中心に見てしまったのはシビアで重いハードボイルドな男達のドラマについて行きそびれたせいかもしれない。ヒロインであるミレイユを手がかりに作品に喰らいつくしかなかったのかも。特に、主人公のシルバが内面に感情移入しづらいキャラクタなので、尚更。
頼るものは自分だけ、と言うようなことを三者三様に歌うシルバ、レイ、ジャンルイの三人は良かった。感じ入りました。でもそこに入り込めなかった。入り込めないと言うと悪いことのようだけれど、決して悪い意味ではなくて。それだけ、研ぎ澄まされた生き様が感情移入できるレベルを超えていた。
シルバ=朝海ひかるは、素晴らしかったです。
記憶を無くした男。銀髪の美貌の殺し屋。この世のものとは思われぬ存在感で舞台にいることによって、逆に「銀の狼」という虚構の存在にリアリティを与えていた。
そのスタイルに感嘆。黒レザーにフリルのシャツが似合いすぎてくらくらしました。
華奢なのに男前。妖精じみているのに骨太。目が離せない。
ジャンルイ=音月桂。
徹底した悪役。それなのにどこか余裕が無くはりつめていて。邪悪な笑みを浮かべ尊大に振る舞いつつ、若く青く脆い。そのバランスと言うかアンバランスが魅力的でした。ときめきと言うのとはちょっと違う気がするけれど、こちらも目が離せなかった。
ま、私が「完璧な悪役」は好みじゃないからかもしれないけど。こめかみが引きつってそうな感じがいいです(笑)。
このジャンルイはミレイユのこと愛してないよね。欲しいとは思っていただろうけど。キスを拒まれて口元をぬぐう時のニヤリ笑いがすごい。
一番好きなのは、ラスト近くのポトスとのやりとり。乾杯した後見られていない時の歪めた表情がたまらん。「唾棄」という言葉をそのまま形にしたらこうなるような。勝ち誇った「やっと役に立ってくれた」も好きだ。
バロー=未来優希。
こういう徹底的に冴えない役って実は初めて見た気がするけれど、やっぱり上手いなあ。個人的には事実を告白する時のミレイユとのやり取りが好きです。「あんたには悪いと思っていた」「親父さんだったなんて」とか、黙って頷く表情とかが。愚鈍だけど善人だったと納得させられる。
が、プロローグではあのすげーキメキメで踊っている人は誰?と思ったらハマコでした。流石。
ポトス=麻愛めぐる。
この人も上手いなあ。特に何というのではないけれど、さりげない台詞の言い方とか。闇取引をまとめたときの「高くつきました」って言い方がすごく好きなんですが(マニアック)。ここ相手が下級生だから余計にキャリアが見えるなあ。
トランティニアン=凰稀かなめ&ジャンヌ=愛耀子。
駆け出しヘタレ刑事とベテラン女記者。トランティニアンが全然ジャンヌに全然敵わないで振り回される一方のでこぼこコンビが楽しかった。
ところで、かなめ君って壮君に雰囲気似てきたよね? 雪担のお三方に恐る恐る言ったら否定されなかったので書いてますが。最初思ったのはショーでしたが、夜公演は芝居もそう見えてきた。かなめトランティニアンは相方がシナちゃんならまんまエルコレになりそうだし、逆に壮君のトランティニアンも容易に想像できます。特に「何故医者が殺し屋にー!何故銀髪にー!何故燃えたんだー!」のあたり。
彼らに関しては、最後「まかせろ」と言うのにちょっと唐突感が。だってシルバもミレイユもかれらと初対面なのに。
レイ=水夏希。
私はミレイユ中心視点だったのであまり見られていないのですが、彼もまた葛藤を抱え込んだ、でもそれを押し隠して生きる、いい男だったなあと。
シルバ、ミレイユ、レイ、ジャンルイ。皆に緊張感がある。張りつめた美しさがある。
ひりひりする緊張感と研ぎ澄まされた繊細さが痛いくらいのこの作品。やはりドラマシティ辺りで見たかったです。最後のシルバとミレイユも、あんな重い場面客席でやっちゃ駄目だって。
が、それでも集中力を切らさず有無を言わせない朝海氏と舞風嬢はすごかった。誰も立入ることの出来ない空気を纏っていた。
と言う訳で結論。コムまーばんざい。
そしてベルばら前の全ツでこんないい芝居がきた雪組さんをちょっとうらやんでみたり(苦笑)。
雪全ツダブルヘッダー@津
2005年11月23日 宝塚雪組全国ツアー『銀の狼』『ワンダーランド』。
昼公演のチケットだけ確保して行って、まんまと夜も当日券購入、ダブルヘッダーしてきました。いや楽しかった。行って良かった。
梅芸でのサバキ待ちで敗れたのではるばる津まで行って参りましたが、下調べが不十分だったため道中乗り換えに悩む。ホームにも路線図を掲示してください近鉄さん。
会場は三重県文化会館大ホール。駅から徒歩約20分。かなり新しそうな立派なホールだけれど、シューボックス型のクラシック向けと思しき構造。
客席降りが多いと聞いていたのに3階席(しか取れなかった)。心配してましたが、通路の位置が比較的前の方だったのと客席の急な傾斜のおかげで、それなりに見ることができました。良かった良かった。
本日は祝日とあって、パクちゃん、乃々さん、maさんが見えてました。乃々さん、maさんとは初対面(わーい)。
が、東京から遠征のパクちゃん以外のお二人は昼公演のみご観劇。え、えーと、遠くまで行ったら終電の許す限り見られる限り見るというのは世間様の常識じゃなかったんですね(そりゃそうだ)。
と、まあ周辺事項はこんなところで。
舞台の感想はとりあえず印象的なことを以下に叫んでおきます。ちゃんとした感想文は後日また。
芝居『銀の狼』
・まーちゃんすげー。
・コムちゃんすげー。
・ハマコ氏はやっぱり上手いなあ。
・まちか氏はやっぱり上手いなあ。
・キム君の邪悪さと実は余裕の無さのバランスと言うかアンバランスがステキだ。
・私にはミレイユが主人公に見えました。
・すごく良かったけど、ドラマシティ辺りで見たい芝居だなあ。
ショー『ワンダーランド』
・ショーになるとハマコの威力を思い知る。
・せしる君に釘付け(よろりめろりぐらり)。
・かなめ君が壮君に似てきたように見える。
・グローリーハレルヤのまーちゃんは永久保存版。
・私、実はコムちゃんの歌が好きなのかもしれない。
昼公演のチケットだけ確保して行って、まんまと夜も当日券購入、ダブルヘッダーしてきました。いや楽しかった。行って良かった。
梅芸でのサバキ待ちで敗れたのではるばる津まで行って参りましたが、下調べが不十分だったため道中乗り換えに悩む。ホームにも路線図を掲示してください近鉄さん。
会場は三重県文化会館大ホール。駅から徒歩約20分。かなり新しそうな立派なホールだけれど、シューボックス型のクラシック向けと思しき構造。
客席降りが多いと聞いていたのに3階席(しか取れなかった)。心配してましたが、通路の位置が比較的前の方だったのと客席の急な傾斜のおかげで、それなりに見ることができました。良かった良かった。
本日は祝日とあって、パクちゃん、乃々さん、maさんが見えてました。乃々さん、maさんとは初対面(わーい)。
が、東京から遠征のパクちゃん以外のお二人は昼公演のみご観劇。え、えーと、遠くまで行ったら終電の許す限り見られる限り見るというのは世間様の常識じゃなかったんですね(そりゃそうだ)。
と、まあ周辺事項はこんなところで。
舞台の感想はとりあえず印象的なことを以下に叫んでおきます。ちゃんとした感想文は後日また。
芝居『銀の狼』
・まーちゃんすげー。
・コムちゃんすげー。
・ハマコ氏はやっぱり上手いなあ。
・まちか氏はやっぱり上手いなあ。
・キム君の邪悪さと実は余裕の無さのバランスと言うかアンバランスがステキだ。
・私にはミレイユが主人公に見えました。
・すごく良かったけど、ドラマシティ辺りで見たい芝居だなあ。
ショー『ワンダーランド』
・ショーになるとハマコの威力を思い知る。
・せしる君に釘付け(よろりめろりぐらり)。
・かなめ君が壮君に似てきたように見える。
・グローリーハレルヤのまーちゃんは永久保存版。
・私、実はコムちゃんの歌が好きなのかもしれない。
ざーますざーます(星ベルばら配役発表)
2005年11月21日 宝塚公式に出た配役を見てまず最初に思ったこと。
ご婦人方が増えてる。
しかもパワーアップしている。
だって、筆頭がおタキ様ですか?
えーと、タキさん、しのぶさん、キンさん、エンディ……この面子で「大変ざます」やるのか。
すげー。(歌唱力も倍増)
あとは。
・公安委員メンバーが微妙に面白い。みきちぐ、ゆうほ氏、美城れんくん。
・女官長ふありに名前がついた! 出世? でもジョセフィーヌふありと、名前無し女官長音花ちゃんの関係は?
・ルイ16世が組長だ。グスタフ3世は……いない?
・デュガゾンはいるけどグスタフ3世はいない。と言うことはフェルゼン邸はあってもスウェーデン宮廷は無しですな。
・その代わりにマリア・テレジアがいると。
・「村の男」みらんゆかりあかしそれに天霧真世くんというこの面子で田舎のお笑いコントやるんですか?(よろり)勿体無さ過ぎる……。まあバスティーユとかも出るだろうけどさ。衛兵隊はキャスティングされてないのでその辺り来るだろう。
ベルナールしぃちゃん、ジェローデルすずみん、アランれおんくんという配役にはほっとしました。いや、今の星組でベルばらやるなら、キャラクタと役者の持ち味を考えてこれが順当な配役だろうと思うからさ。まあ話が壊れているのに順当な配役というのも虚しいし、役の比重なんて台本によって変わるから、全ツのようにベルナールはただの典獄だったりジェローデルは生徒会副会長だったりするかもしれないけども。
でもジェローデルはマジ楽しみです。本気で格好つけるお貴族様なすずみんが見たい(笑)
。
あとうめロザリーも順当。しぃうめが実現しておめでとうとサトリさんに祝福の言葉を送ります。
……なんだかんだ言ってベルばらは配役発表して色々想像しているときが一番楽しいような気がします。見るまでが花。(しーっ!)
***
ともあれ、退団者のいない集合日は心が軽い。良かった良かった。
ご婦人方が増えてる。
しかもパワーアップしている。
だって、筆頭がおタキ様ですか?
えーと、タキさん、しのぶさん、キンさん、エンディ……この面子で「大変ざます」やるのか。
すげー。(歌唱力も倍増)
あとは。
・公安委員メンバーが微妙に面白い。みきちぐ、ゆうほ氏、美城れんくん。
・女官長ふありに名前がついた! 出世? でもジョセフィーヌふありと、名前無し女官長音花ちゃんの関係は?
・ルイ16世が組長だ。グスタフ3世は……いない?
・デュガゾンはいるけどグスタフ3世はいない。と言うことはフェルゼン邸はあってもスウェーデン宮廷は無しですな。
・その代わりにマリア・テレジアがいると。
・「村の男」みらんゆかりあかしそれに天霧真世くんというこの面子で田舎のお笑いコントやるんですか?(よろり)勿体無さ過ぎる……。まあバスティーユとかも出るだろうけどさ。衛兵隊はキャスティングされてないのでその辺り来るだろう。
ベルナールしぃちゃん、ジェローデルすずみん、アランれおんくんという配役にはほっとしました。いや、今の星組でベルばらやるなら、キャラクタと役者の持ち味を考えてこれが順当な配役だろうと思うからさ。まあ話が壊れているのに順当な配役というのも虚しいし、役の比重なんて台本によって変わるから、全ツのようにベルナールはただの典獄だったりジェローデルは生徒会副会長だったりするかもしれないけども。
でもジェローデルはマジ楽しみです。本気で格好つけるお貴族様なすずみんが見たい(笑)
。
あとうめロザリーも順当。しぃうめが実現しておめでとうとサトリさんに祝福の言葉を送ります。
……なんだかんだ言ってベルばらは配役発表して色々想像しているときが一番楽しいような気がします。見るまでが花。(しーっ!)
***
ともあれ、退団者のいない集合日は心が軽い。良かった良かった。
総毛立つギロチンの音の中で。(『アンドレア・シェニエ』@新国立劇場)
2005年11月20日 オペラジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』新国初日。
指揮:ミゲル・ゴメス=マルティネス、演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
合唱:新国立劇場合唱団、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団。
こんな恐ろしい『アンドレア・シェニエ』は初めて見た。
今まで藤原歌劇団2回、ボローニャで1回見ただけですが、フランス革命を背景にした怒濤の恋愛ドラマ、というイメージは覆されました。革命は背景ではなく全てを飲み込む魔物。そしてその魔物を生んだのは人間。
群集の愚かしさ、凶暴さが全面に押し出され、その負のパワーに消耗しました。3幕終わり辺りで気分が悪くなりかけたほど。
『シェニエ』にこれほど消耗させられるとは。休憩込みで3時間に満たないのに。やられた、と言う気分です。
でも、この演出は決して嫌いではないです。時代を移す等の奇を衒ったことはしていないのに、今までと違うものを見せてくれた。そしてとにかく世界に没入させられ、翻弄された。面白かった。見てよかったです。
舞台は通常の上演よりも殺戮に満ちている。
1幕、ジェラールがつれてきた民衆が乱入し舞踏会が中断する。彼ら追い出して音楽が再開するが、それは既に貴族社会の落日を感じさせるものでしかない、と言うのが通常。しかしこのアルロー演出では民衆は去らない。優雅なガヴォットの響きの中、鎌や鍬を持った農民や使用人が貴族を虐殺し始める。
その光景を覆い隠すのは幕ではなくパネルのような壁で。切り取られた画面の斜めの線がギロチンのようだと思っていたら、壁がスクリーンになり映し出されたのは正にギロチンの図解。ギロチンはたゆまず動き続け、1台が2台、2台が4台、4台が8台と無限に増殖していく。響き続ける太鼓の音。
2幕では革命は完全に堕落している。密偵が跋扈し人々は互いに監視し、そんな社会に倦んで誰彼構わず処刑を見世物にして歓喜する。マッダレーナとシェニエを引き合わせようと尽くしたベルシはあっさり密偵に殺され。傷を負ったジェラールが犯人がわからないと言うと民衆が「ジロンド党だ!」と決め付けるのは楽譜どおりだが、この舞台ではそれだけでなく民衆がジロンド党員と思しき人々を囲み銃殺する。
3幕も暗澹たる光景が続く。ジェラールの演説は人々の愛国心を動かし寄付が集まるはずが、ここでは人々は冷笑を続け、銃を向けられて仕方なくあまり価値のないものを募金箱に投げ入れる。国のためと孫を差し出す盲目の老婆マデロンの感動的なアリアも、聴くのはジェラールだけ。腕を貸しておくれ、というマデロンに答える者はなく、彼女は一人墓場をさまよう。
そして3幕最後。シェニエの弁明もジェラールの弁護も民衆から拒絶されるのは同じだが、裁判の後傍聴席の中でも血なまぐさい争いが起こる。
4幕は、本来のとおりに進む。シェニエとマッダレーナが共に死ぬことによって愛の勝利を歌い上げる。しかし最後。手を取り合う二人の背後に現れる、今まで登場した全ての人々。
彼らは皆、三色旗の目隠しをしている。
そして二人の名を呼ぶ声はマイクを通した声だ。現代のように。
二人は答える。二人を含め全ての人々はその場に倒れる。
光が戻ると、倒れ伏した大人たちの中で4人の子供だけが立っている。子供たちは目隠しを取り、手を取り合って光に向かって旗を振る。
若干、やりすぎのきらいはあるかと思います。ベルシ殺すのかと愕然としたし、最後の三色旗の目隠しもそこまでやるかと思いました。
でも、世界が悪意と愚かさに満ちているからこそ、シェニエの真っ直ぐな清廉さ、マッダレーナの一途な愛、ジェラールの人間的な迷いが際立つ。
何故マッダレーナがシェニエとの愛に死ぬと決めたか、何故ジェラールが説得されたか、今回初めて実感を伴って理解できたような気がする。
美術もどこか抽象的でキッチュな悪夢。センスいい。
アルローは去年の『ホフマン物語』も面白かったけれど『シェニエ』でも色々見せてくれました。奇抜な演出はあまり好きではないのですが、これは許容範囲。と言うかありです。フランス人だそうなので、フランス革命にはこだわりがあるのだろうと感じさせられました。
以下個別に。
シェニエ=カール・タナー。
悪くは無いけれど、ちょっと弱かった。マッダレーナのルカーチが良かったのと、革命の悲惨さが強調された演出でその渦中の人ジェラールのドラマが際立ったために、シェニエの影が薄くなった感が。
元々シェニエは物語中あまり何もしていない(オペラの主役にはありがち)ので、圧倒的な歌唱で持っていく必要があると思うんですが、それには足りなかった。ラストの二重唱でもマッダレーナに負け気味でした。
マッダレーナ=ゲオルギーナ・ルカーチ。
今までにもこの人観たはずなんですが、こんなに美人でしたっけ? 1幕のおきゃんで無邪気な伯爵令嬢ぶりが可愛いし、没落の後も美しい。歌も素晴らしく綺麗な声でドラマティックな歌唱。特に3幕のジェラールとのやり取りとアリア、4幕の愛のため共に死ぬとシェニエに告げる場面。訴える力がありました。マッダレーナが主役でもいいくらいだった。
ジェラール=セルゲイ・レイフェルクス。
良かった。1幕最初のアリアは正直ピンと来なかったんですが、進むにつれどんどん良くなってきました。
また、この演出は革命が当初の理想を失って迷走するさまが露骨に描かれているので、その只中にいるジェラールの苦悩がすごく重く映る。3幕は殆どジェラール主人公で見てしまいました。アリア『祖国の敵』も、いつもなら彼個人の私欲と理想の板ばさみの歌なのに、革命そのものの腐敗と理想との乖離を苦しんでいるようにも見えて。可哀想にすら見えた。
元々、ジェラールというキャラクタ自体好きなんですよ。伯爵家の従僕として生まれたが本を読み学び革命の立役者となり、しかし主家のマッダレーナお嬢様にずっと恋していて。彼女を手に入れたくて権力を悪用するけれど、彼女のシェニエへの深い愛と毅然とした態度に動かされ良心を取り戻し恋敵を救おうとする。最後は最愛の女性が恋敵と共に死ぬ手助けをする男。
同じように女を手に入れようとその恋人を嵌める男でも、徹底的に色悪のスカルピア(トスカ)の方がどうも世間の女性には人気があるようですが、私は断然ジェラールの方がいいです。マッダレーナにはジェラールが伯爵家への復讐のために自分を探していたと思われていたんだろうなあ。可哀想に。また彼が革命に身を投じるのはシェニエの詩を聞いた直後だから、シェニエに対しても尊敬の念を抱いていたろうに。
等と考えるととても興味深いキャラです。ついでに彼もそう遠からず粛清されたと思います。だって、シェニエを告発しといてその後で彼を救おうと奔走するなんて、信用失くすだろう。その辺の不器用さ間抜けさも好きだ。
その他も皆良かったです。特にルーシェ=青戸知、いい声だったし、シェニエの友人としていい味出してました。密偵=大野光彦は歌はもうちょいと思ったけれど、胡散臭さが良かった。修道院長=加茂下稔も馬鹿っぽくてナイス。フーキエ=小林由樹はシェニエ、ジェラール相手に遜色なくやり合える張りのあるいい声でした。コワニー夫人=出来田美智子もなかなか迫力の美声で貫禄あり。ベルシ=坂本朱は2幕頭の蓮っ葉な演技が流石カルメン役者。
オケ、指揮も良かったと。ここぞと言うところでの盛り上がりは圧巻。
指揮:ミゲル・ゴメス=マルティネス、演出・美術・照明:フィリップ・アルロー
合唱:新国立劇場合唱団、管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団。
こんな恐ろしい『アンドレア・シェニエ』は初めて見た。
今まで藤原歌劇団2回、ボローニャで1回見ただけですが、フランス革命を背景にした怒濤の恋愛ドラマ、というイメージは覆されました。革命は背景ではなく全てを飲み込む魔物。そしてその魔物を生んだのは人間。
群集の愚かしさ、凶暴さが全面に押し出され、その負のパワーに消耗しました。3幕終わり辺りで気分が悪くなりかけたほど。
『シェニエ』にこれほど消耗させられるとは。休憩込みで3時間に満たないのに。やられた、と言う気分です。
でも、この演出は決して嫌いではないです。時代を移す等の奇を衒ったことはしていないのに、今までと違うものを見せてくれた。そしてとにかく世界に没入させられ、翻弄された。面白かった。見てよかったです。
舞台は通常の上演よりも殺戮に満ちている。
1幕、ジェラールがつれてきた民衆が乱入し舞踏会が中断する。彼ら追い出して音楽が再開するが、それは既に貴族社会の落日を感じさせるものでしかない、と言うのが通常。しかしこのアルロー演出では民衆は去らない。優雅なガヴォットの響きの中、鎌や鍬を持った農民や使用人が貴族を虐殺し始める。
その光景を覆い隠すのは幕ではなくパネルのような壁で。切り取られた画面の斜めの線がギロチンのようだと思っていたら、壁がスクリーンになり映し出されたのは正にギロチンの図解。ギロチンはたゆまず動き続け、1台が2台、2台が4台、4台が8台と無限に増殖していく。響き続ける太鼓の音。
2幕では革命は完全に堕落している。密偵が跋扈し人々は互いに監視し、そんな社会に倦んで誰彼構わず処刑を見世物にして歓喜する。マッダレーナとシェニエを引き合わせようと尽くしたベルシはあっさり密偵に殺され。傷を負ったジェラールが犯人がわからないと言うと民衆が「ジロンド党だ!」と決め付けるのは楽譜どおりだが、この舞台ではそれだけでなく民衆がジロンド党員と思しき人々を囲み銃殺する。
3幕も暗澹たる光景が続く。ジェラールの演説は人々の愛国心を動かし寄付が集まるはずが、ここでは人々は冷笑を続け、銃を向けられて仕方なくあまり価値のないものを募金箱に投げ入れる。国のためと孫を差し出す盲目の老婆マデロンの感動的なアリアも、聴くのはジェラールだけ。腕を貸しておくれ、というマデロンに答える者はなく、彼女は一人墓場をさまよう。
そして3幕最後。シェニエの弁明もジェラールの弁護も民衆から拒絶されるのは同じだが、裁判の後傍聴席の中でも血なまぐさい争いが起こる。
4幕は、本来のとおりに進む。シェニエとマッダレーナが共に死ぬことによって愛の勝利を歌い上げる。しかし最後。手を取り合う二人の背後に現れる、今まで登場した全ての人々。
彼らは皆、三色旗の目隠しをしている。
そして二人の名を呼ぶ声はマイクを通した声だ。現代のように。
二人は答える。二人を含め全ての人々はその場に倒れる。
光が戻ると、倒れ伏した大人たちの中で4人の子供だけが立っている。子供たちは目隠しを取り、手を取り合って光に向かって旗を振る。
若干、やりすぎのきらいはあるかと思います。ベルシ殺すのかと愕然としたし、最後の三色旗の目隠しもそこまでやるかと思いました。
でも、世界が悪意と愚かさに満ちているからこそ、シェニエの真っ直ぐな清廉さ、マッダレーナの一途な愛、ジェラールの人間的な迷いが際立つ。
何故マッダレーナがシェニエとの愛に死ぬと決めたか、何故ジェラールが説得されたか、今回初めて実感を伴って理解できたような気がする。
美術もどこか抽象的でキッチュな悪夢。センスいい。
アルローは去年の『ホフマン物語』も面白かったけれど『シェニエ』でも色々見せてくれました。奇抜な演出はあまり好きではないのですが、これは許容範囲。と言うかありです。フランス人だそうなので、フランス革命にはこだわりがあるのだろうと感じさせられました。
以下個別に。
シェニエ=カール・タナー。
悪くは無いけれど、ちょっと弱かった。マッダレーナのルカーチが良かったのと、革命の悲惨さが強調された演出でその渦中の人ジェラールのドラマが際立ったために、シェニエの影が薄くなった感が。
元々シェニエは物語中あまり何もしていない(オペラの主役にはありがち)ので、圧倒的な歌唱で持っていく必要があると思うんですが、それには足りなかった。ラストの二重唱でもマッダレーナに負け気味でした。
マッダレーナ=ゲオルギーナ・ルカーチ。
今までにもこの人観たはずなんですが、こんなに美人でしたっけ? 1幕のおきゃんで無邪気な伯爵令嬢ぶりが可愛いし、没落の後も美しい。歌も素晴らしく綺麗な声でドラマティックな歌唱。特に3幕のジェラールとのやり取りとアリア、4幕の愛のため共に死ぬとシェニエに告げる場面。訴える力がありました。マッダレーナが主役でもいいくらいだった。
ジェラール=セルゲイ・レイフェルクス。
良かった。1幕最初のアリアは正直ピンと来なかったんですが、進むにつれどんどん良くなってきました。
また、この演出は革命が当初の理想を失って迷走するさまが露骨に描かれているので、その只中にいるジェラールの苦悩がすごく重く映る。3幕は殆どジェラール主人公で見てしまいました。アリア『祖国の敵』も、いつもなら彼個人の私欲と理想の板ばさみの歌なのに、革命そのものの腐敗と理想との乖離を苦しんでいるようにも見えて。可哀想にすら見えた。
元々、ジェラールというキャラクタ自体好きなんですよ。伯爵家の従僕として生まれたが本を読み学び革命の立役者となり、しかし主家のマッダレーナお嬢様にずっと恋していて。彼女を手に入れたくて権力を悪用するけれど、彼女のシェニエへの深い愛と毅然とした態度に動かされ良心を取り戻し恋敵を救おうとする。最後は最愛の女性が恋敵と共に死ぬ手助けをする男。
同じように女を手に入れようとその恋人を嵌める男でも、徹底的に色悪のスカルピア(トスカ)の方がどうも世間の女性には人気があるようですが、私は断然ジェラールの方がいいです。マッダレーナにはジェラールが伯爵家への復讐のために自分を探していたと思われていたんだろうなあ。可哀想に。また彼が革命に身を投じるのはシェニエの詩を聞いた直後だから、シェニエに対しても尊敬の念を抱いていたろうに。
等と考えるととても興味深いキャラです。ついでに彼もそう遠からず粛清されたと思います。だって、シェニエを告発しといてその後で彼を救おうと奔走するなんて、信用失くすだろう。その辺の不器用さ間抜けさも好きだ。
その他も皆良かったです。特にルーシェ=青戸知、いい声だったし、シェニエの友人としていい味出してました。密偵=大野光彦は歌はもうちょいと思ったけれど、胡散臭さが良かった。修道院長=加茂下稔も馬鹿っぽくてナイス。フーキエ=小林由樹はシェニエ、ジェラール相手に遜色なくやり合える張りのあるいい声でした。コワニー夫人=出来田美智子もなかなか迫力の美声で貫禄あり。ベルシ=坂本朱は2幕頭の蓮っ葉な演技が流石カルメン役者。
オケ、指揮も良かったと。ここぞと言うところでの盛り上がりは圧巻。
本日見たもの(『ティム・バートンのコープス・ブライド』『木曜組曲』)
2005年11月19日 その他韓国公演に行かなかったことで今更ながらに凹んでおります。行けない理由があったなら仕方ないですが、行こうと思えば行けたことが自分でわかっているのでね。と言う訳で暫く星担を名乗るのはやめようと思います。今後は単に「星組が好きな人」とか。(それ変わんないんじゃ)。
本日見たもの読んだもの。今後まとまらないメモでもとりあえずここに書いていくことにします。そうしないと忘れるから(苦笑)。
『ティム・バートンのコープス・ブライド』(映画)
「成金の息子のビクターは両親に似ず気弱な青年。親に決められた結婚相手、没落貴族の娘ビクトリアと心を通わせるが、結婚の宣誓が憶えられず式のリハーサルで大失敗してがっくり。森でひとり練習していた彼は、枯れ木の枝と間違えて死者の花嫁・エミリーの骨の指に指輪をはめ、結婚を誓ってしまう……」
『チャーリーとチョコレート工場』はノレなかった私ですが、これは楽しみました。(『シザーハンズ』は割と好きだから、そういう趣味なんだろう)切なく、でもあまり重くないものが見たいなーというそのときの気分にぴったりの一作でした。
生者の花婿ビクターを、死者の花嫁エミリーと生者の花嫁ビクトリアが取り合う?話ですが、主要3人のキャラがみんな良くていい奴で、なんとかみんな幸せになってくれないかなー、と思ってどきどきしながら見てました(普段根性曲がってるくせに変なところで素直な奴)。
ビクター青年の善人であること以外に取り得の無いような頼りなさが非常に好みです(笑)。愛する人との結婚を夢見るビクトリアも可愛い。大人しいお嬢様かと思いきやそれだけではなくて。ビクターを助けようと奔走するあたり、実はビクターよりたくましいのかも(女は強いってこと?)。と言うか、あの様子を見て、死者に怯えるでもビクターを疑うでもなく「彼を助けなきゃ!」となるあたり、とてもいい子だ。
そしてエミリーが可愛い。やや天然な乙女で死体なんだけど元は美人(多分ビクトリアよりも美人)で、ビクターのうっかりプロポーズを素直に喜んでいるところがとても可愛い。ビクターとしては困るんだけども。最後は、男前で潔くて格好よくてでも可愛くてちょっと切なくて。美しいラストでした。
全体的にミュージカルで楽しかった。技術的なことはわからないけれどキャラクタがとても自然に生き生きしていたし。脇役の死体さんたちも面白かった。特にスクラップ!(ガイコツ犬)可愛いし大活躍(「毛があるともっと可愛いんだ」ビクター談)。そしてプレゼントにわざわざ探してきたであろうエミリーの心根がとても素敵。
あと死者たちを迎える街の様子が。相手が誰かに気づいて思わず再会を喜んじゃうあたり、泣けましたよ。みんなみんな幸せだといいね。
そしてこれをワタ檀となみでと一瞬でも考えてしまあたり、骨の髄までヅカファンなわたくし(苦笑)。
『木曜組曲』恩田陸(徳間文庫) 2002文庫刊初刷
「作家の重松時子が住んでいた「うぐいす館」。彼女が謎の自殺を遂げてから4年。時子のパートナーだった編集者のえい子、血縁や影響を受けた小説家、ライターの静子、絵里子、つかさ、尚美の5人は、毎年彼女が死んだ木曜日にこの家に集まり、3日間の宴会をするのが慣わしになっていた。
しかし謎の花束とともに、今年の集まりは今までと違うものになろうとしていた……」
That’s恩田陸。私はこの人の作品、と言うか文章が好きなので恩田陸が恩田陸らしくあればそれで割と満足してしまう読者です。
日常から少し隔絶した空間で人が集まって食べて飲んでいるうちに隠していた過去の事件やおのおのの鬱屈があぶりだされて、と言う話の展開は、解説にもありますが後の『ネバーランド』に共通。食べ物の描写は美味しそうで好きです。
過去の事件の種明かし、は、私が推理小説を読む感性に欠けていることもあり(推理小説はラストのオチを読んでから読むタイプ)、割とどうでもいいというか、これが論理的に正しいのかも判断がつきません。恩田陸を読むときはいつもそうなので、ミステリとして読むと拍子抜けするのかなとも思います。でもこの空気や世界観が好きだから、私はそれでよし。
ラストのおのおのが時子のことを書こうかと思いを馳せる描写が好きです。それぞれの個性で、それぞれに発想が生まれ、それを暖めている瞬間。特につかさ。自分の頭に生まれた発想に夢中になって、雑踏の中にいながら自分の中を見ている姿。(それは多分、私もそれを(非常に矮小化したものではあっても)味わったことがあるからだと思う)
本日見たもの読んだもの。今後まとまらないメモでもとりあえずここに書いていくことにします。そうしないと忘れるから(苦笑)。
『ティム・バートンのコープス・ブライド』(映画)
「成金の息子のビクターは両親に似ず気弱な青年。親に決められた結婚相手、没落貴族の娘ビクトリアと心を通わせるが、結婚の宣誓が憶えられず式のリハーサルで大失敗してがっくり。森でひとり練習していた彼は、枯れ木の枝と間違えて死者の花嫁・エミリーの骨の指に指輪をはめ、結婚を誓ってしまう……」
『チャーリーとチョコレート工場』はノレなかった私ですが、これは楽しみました。(『シザーハンズ』は割と好きだから、そういう趣味なんだろう)切なく、でもあまり重くないものが見たいなーというそのときの気分にぴったりの一作でした。
生者の花婿ビクターを、死者の花嫁エミリーと生者の花嫁ビクトリアが取り合う?話ですが、主要3人のキャラがみんな良くていい奴で、なんとかみんな幸せになってくれないかなー、と思ってどきどきしながら見てました(普段根性曲がってるくせに変なところで素直な奴)。
ビクター青年の善人であること以外に取り得の無いような頼りなさが非常に好みです(笑)。愛する人との結婚を夢見るビクトリアも可愛い。大人しいお嬢様かと思いきやそれだけではなくて。ビクターを助けようと奔走するあたり、実はビクターよりたくましいのかも(女は強いってこと?)。と言うか、あの様子を見て、死者に怯えるでもビクターを疑うでもなく「彼を助けなきゃ!」となるあたり、とてもいい子だ。
そしてエミリーが可愛い。やや天然な乙女で死体なんだけど元は美人(多分ビクトリアよりも美人)で、ビクターのうっかりプロポーズを素直に喜んでいるところがとても可愛い。ビクターとしては困るんだけども。最後は、男前で潔くて格好よくてでも可愛くてちょっと切なくて。美しいラストでした。
全体的にミュージカルで楽しかった。技術的なことはわからないけれどキャラクタがとても自然に生き生きしていたし。脇役の死体さんたちも面白かった。特にスクラップ!(ガイコツ犬)可愛いし大活躍(「毛があるともっと可愛いんだ」ビクター談)。そしてプレゼントにわざわざ探してきたであろうエミリーの心根がとても素敵。
あと死者たちを迎える街の様子が。相手が誰かに気づいて思わず再会を喜んじゃうあたり、泣けましたよ。みんなみんな幸せだといいね。
そしてこれをワタ檀となみでと一瞬でも考えてしまあたり、骨の髄までヅカファンなわたくし(苦笑)。
『木曜組曲』恩田陸(徳間文庫) 2002文庫刊初刷
「作家の重松時子が住んでいた「うぐいす館」。彼女が謎の自殺を遂げてから4年。時子のパートナーだった編集者のえい子、血縁や影響を受けた小説家、ライターの静子、絵里子、つかさ、尚美の5人は、毎年彼女が死んだ木曜日にこの家に集まり、3日間の宴会をするのが慣わしになっていた。
しかし謎の花束とともに、今年の集まりは今までと違うものになろうとしていた……」
That’s恩田陸。私はこの人の作品、と言うか文章が好きなので恩田陸が恩田陸らしくあればそれで割と満足してしまう読者です。
日常から少し隔絶した空間で人が集まって食べて飲んでいるうちに隠していた過去の事件やおのおのの鬱屈があぶりだされて、と言う話の展開は、解説にもありますが後の『ネバーランド』に共通。食べ物の描写は美味しそうで好きです。
過去の事件の種明かし、は、私が推理小説を読む感性に欠けていることもあり(推理小説はラストのオチを読んでから読むタイプ)、割とどうでもいいというか、これが論理的に正しいのかも判断がつきません。恩田陸を読むときはいつもそうなので、ミステリとして読むと拍子抜けするのかなとも思います。でもこの空気や世界観が好きだから、私はそれでよし。
ラストのおのおのが時子のことを書こうかと思いを馳せる描写が好きです。それぞれの個性で、それぞれに発想が生まれ、それを暖めている瞬間。特につかさ。自分の頭に生まれた発想に夢中になって、雑踏の中にいながら自分の中を見ている姿。(それは多分、私もそれを(非常に矮小化したものではあっても)味わったことがあるからだと思う)
星担的来年上半期予定。
2005年11月15日 宝塚公式で色々発表になっていたので、既出分とあわせてまとめてみました。
1月1日(日)〜2月6日(月)
『ベルサイユのばら』宝塚大劇場
2月10日(金)〜2月12日(日)
雪組『ベルサイユのばら』宝塚大劇場(※湖月わたる特別出演)
2月17日(金)〜4月2日(日)
『ベルサイユのばら』東京宝塚劇場
4月19日(水)〜4月24日(月)
『湖月わたるダンシング・リサイタル』シアター・ドラマシティ(梅田)
4月21日(金)〜4月23日(日)
『星組 エンカレッジ コンサート』バウ(出演者未定)
4月25日(火)〜5月5日(金)
雪組『ベルサイユのばら』東京宝塚劇場(※安蘭けい特別出演)
4月27日(木)〜5月2日(火)
『湖月わたるダンシング・リサイタル』サンシャイン劇場(池袋)
5月18日(木)〜5月23日(火)
『Young Bloods!!』バウ・ワークショップ(主演:柚希礼音)
6月2日(金)〜6月11日(日)
『フェット・アンペリアル』バウ・ミュージカル(主演:立樹遥)
6月3日(土)〜6月19日(月)
『演目未定』梅田芸術劇場(出演者未定)
6月が忙しいのは既にわかっていましたが、4〜5月も大変じゃないですか!(私が)
しかも星だけ見るわけじゃないし。絶対何か取りこぼしそうだ。いや普通のヅカファンは全組全公演見ようなんて思わないから。
4月はエンカレとダンスリサイタルに分かれるのか。
星エンカレは誰が出るんだろう(どきどき)。まきちゃんは確定だろうけど。音花ちゃんの歌も聞きたいぞ。
ワークショップ組は前後の演目は出るのか出ないのか、微妙なスケジュールだなあ。エンカレ→ワークショップはありだろうけど。
ワークショップは芝居とショーの二本立てか。いーなー。
演出は齋藤君と藤井君のローテーションですか。えーと。
藤井演出:(月組)龍真咲、(星組)柚希礼音、(宙組)十輝いりす
齋藤演出:(花組)桐生園加、(雪組)凰稀かなめ
そのか、いりすの主演は素直に嬉しいです。特にそのか氏、楽しみだ。真咲くんもついに来たね。れおん、かなめは順当という感じですか。つーかれおんは順当過ぎ?
ワタさんのダンスリサイタルは構成・演出未定なんですね。
……オギーか藤井君がいいな。いや草野ショーでもいいけど(笑)。
***
そういえば佐野元春に『Young Bloods』って曲があったなあ。好きだった。たぶん関係ないんでしょうね。
1月1日(日)〜2月6日(月)
『ベルサイユのばら』宝塚大劇場
2月10日(金)〜2月12日(日)
雪組『ベルサイユのばら』宝塚大劇場(※湖月わたる特別出演)
2月17日(金)〜4月2日(日)
『ベルサイユのばら』東京宝塚劇場
4月19日(水)〜4月24日(月)
『湖月わたるダンシング・リサイタル』シアター・ドラマシティ(梅田)
4月21日(金)〜4月23日(日)
『星組 エンカレッジ コンサート』バウ(出演者未定)
4月25日(火)〜5月5日(金)
雪組『ベルサイユのばら』東京宝塚劇場(※安蘭けい特別出演)
4月27日(木)〜5月2日(火)
『湖月わたるダンシング・リサイタル』サンシャイン劇場(池袋)
5月18日(木)〜5月23日(火)
『Young Bloods!!』バウ・ワークショップ(主演:柚希礼音)
6月2日(金)〜6月11日(日)
『フェット・アンペリアル』バウ・ミュージカル(主演:立樹遥)
6月3日(土)〜6月19日(月)
『演目未定』梅田芸術劇場(出演者未定)
6月が忙しいのは既にわかっていましたが、4〜5月も大変じゃないですか!(私が)
しかも星だけ見るわけじゃないし。絶対何か取りこぼしそうだ。いや普通のヅカファンは全組全公演見ようなんて思わないから。
4月はエンカレとダンスリサイタルに分かれるのか。
星エンカレは誰が出るんだろう(どきどき)。まきちゃんは確定だろうけど。音花ちゃんの歌も聞きたいぞ。
ワークショップ組は前後の演目は出るのか出ないのか、微妙なスケジュールだなあ。エンカレ→ワークショップはありだろうけど。
ワークショップは芝居とショーの二本立てか。いーなー。
演出は齋藤君と藤井君のローテーションですか。えーと。
藤井演出:(月組)龍真咲、(星組)柚希礼音、(宙組)十輝いりす
齋藤演出:(花組)桐生園加、(雪組)凰稀かなめ
そのか、いりすの主演は素直に嬉しいです。特にそのか氏、楽しみだ。真咲くんもついに来たね。れおん、かなめは順当という感じですか。つーかれおんは順当過ぎ?
ワタさんのダンスリサイタルは構成・演出未定なんですね。
……オギーか藤井君がいいな。いや草野ショーでもいいけど(笑)。
***
そういえば佐野元春に『Young Bloods』って曲があったなあ。好きだった。たぶん関係ないんでしょうね。
昨日は宙東宝楽だったのだなあ。
袴姿のガイチさんをenakで見ました。すごくいい顔してた。
主要3人が退団を発表してからの『炎にくちづけを』。楽が近づくにつれてどんどん白熱していったと聞いて、観たかったような気はしています。
大劇の前楽で見た笑顔を思い出しつつ、ガイチさんのこれからの幸福とご活躍を心からお祈り申し上げます。
袴姿のガイチさんをenakで見ました。すごくいい顔してた。
主要3人が退団を発表してからの『炎にくちづけを』。楽が近づくにつれてどんどん白熱していったと聞いて、観たかったような気はしています。
大劇の前楽で見た笑顔を思い出しつつ、ガイチさんのこれからの幸福とご活躍を心からお祈り申し上げます。
退場する青年。(『落陽のパレルモ』)
2005年11月13日 宝塚星組韓国公演の情報を求めてネットに張り付いている留守番組です。
あちこちの掲示板で話題拾ったり読めない韓国語サイトで写真あさったりしている毎日です。しぃちゃんの舞台写真どこかにあったら教えてください(他力本願)。
中でも一番衝撃だったのはサトリ特派員の「韓国のお客さんの熱気がすごいので、ワタさんが日本ではありえないくらいシャウトしまくっている」という報告でした。
ワタさんが、あのタカラヅカ1暑っ苦しい星組トップのワタさんが「日本ではありえないくらいシャウトしまくっている」って。
一体どんなんだそれ!
頑張って想像してみましたがイメージできませんでした。やはり行くべきだったのか私。
と言う訳で悔しいのでムラまで花組見に行ってきました。ついでにカレンダーも購入。
さて、『落陽のパレルモ』初日以来2回目。
成り行きを知っていると最初の革命軍の場面から泣けました。この勝利の喜びも虚しく、あんな結果が待っていると思うと。
それはさておき、ロドリーゴ伯爵観察日記。
何となく、キャラが見えてきたかなーと。
登場シーン、カヴァーレ公爵家の広間。
何だか、貴族らしく見えてきた。自分の身分を、今の生活を、先祖から受け継いだ価値観を疑うことを知らない、貴族の若君。端正だけれど薄っぺら。
それと。何となく、神経質度が増した? 表情を見てそう感じただけだけど。
政治向きの話題になって、アンリエッタに「ご婦人には退屈な話をしてしまいましたね」と言う間抜けさが何とも。彼女はそういう女性ではないというのに。父親カヴァーレ公爵も彼女には広い世界に目を向けることを勧め、「男に生まれていたらよかった」と評しているのに。
きっと、彼の目に映る「公爵家の長女である美しいアンリエッタ」を愛しているのだろうな。
もちろん、だからと言ってその愛が偽りだとは言わない。理解しなくても愛することはできる。
村祭りの場面はとりあえずおいといて(それにしても勤務中に「貴方とは結婚できません」と想い人に宣言されちゃうってあまりと言えばあまりな状況だよね。そりゃ決闘のひとつも申し込まずにはおれまいて)。
マチルダ誘拐事件。その前の「この結婚はマチルダさんにとっていいことだと思いますよ」も、薄っぺらに響く。本心からの言葉なのだろうけど、その底の考えが浅いということなんだろうか。
しかし瞠目したのはその後。
中央のセリの上で、将軍、カヴァーレ公爵、ドンブイユ公爵、アンリエッタ、ロドリーゴが事件について語る。「これは我々貴族階級に対するいやがらせだ」と言うロドリーゴは「いや革命だ」とたしなめられる。いや確かに、いやがらせというのは言葉が軽すぎる。
でも彼はわかっていない。民衆の叫びを冷たく、無表情に見つめる。
この、冷たい目が良くて。こういう表情をすると、きれいな顔だから映える。ちょっと、ぞくっときました。
正直、いままでまとぶんのことを「きれいな顔だから」と評したことはなかったと思うんですが、今までにない役だから印象が変わるのか。面白い。
その後も、ずっと彼は理解できないまま。
アンリエッタのことも、歴史の中で自分たちの置かれている立場のことも。
大人たち、娘に啓蒙書を読ませるカヴァーレ公爵、平民の女性との恋を引きずるドンブイユ公爵はわかっている。わかっていながら貴族として生きている。
でも、彼はわかっていない。だって彼にとっては今までの価値観が全てなのだから。
しかし。
ドンブイユ公爵がヴィットリオを息子として迎える。反対する貴族たちに、我々は滅びゆく階級だと告げる。堂々と。
それを聞くロドリーゴは、暫し目を伏せる。
そして、ヴィットリオの手を取ろうとするアンリエッタに近づき、別れの言葉を告げる。
貴方の幸せをお祈りします、と。
目を伏せて、再び顔を上げたとき。初めて彼の顔に理解の色を見た。
そして、アンリエッタの手を離し、踵を返し顔を上げて立ち去る姿。精一杯の矜持をにじませて退場するその横顔に、思った。
彼もまた、落陽に殉ずるつもりだ。
貴族の矜持。彼の世界の全て。それが滅び行くものであろうと。愛する人がそこから去るとしても。
もちろん、彼は若くその人生は長い。いつか考えが変わることもあるかもしれない。
でも、今は。この瞬間は、彼もまた落陽たる貴族の道を選んでいる。
相変わらず深読み癖を炸裂させております。楽しいです(笑)。
いや、もうロドリーゴ出てるときはずーっとピン撮りしてましたから。ラストの舞踏会も他の人見てやしない(笑)。
好みのキャラです。端正で薄っぺらな愚かしさ、でも真面目で誠実で善意、な感じがたまりません。そしてラストの気づきと薄氷のような矜持も。
後日談とか気になります。本当にこれからどうするんだろう彼は。
その他にも、2回目見て気づいたこと。
ラストのハッピーエンドが拍子抜けなのはその前の反乱事件が重いせいもあるのですが、それだけではないような気が。
アンリエッタとの別れの後のヴィットリオの嘆きが「自分がアンリエッタと結ばれないこと」よりも「母と同じ運命を繰り返すこと」に比重が寄っているような気がしました。もっと言ってしまえは、ヴィットリオの中で、母>アンリエッタであるような。
だから、母の望みであった父子の再会シーンがクライマックスとなり、ヴィットリオとアンリエッタが結ばれることの影が薄くなる。
回想シーン、フェリーチタ=きほちゃんと子ヴィットリオ=すみ花ちゃんの演技がとても良くて、盛り上がるせいもあるのかもしれないけれど。
でも、そう思ってみると、ドンブイユ公爵の広間にかかっている絵が、全て聖母子像なのが気になりました(中央の絵は受胎告知だけれど広い意味では聖母子関係としてよいのではないかと)。
母と子、もテーマであるのかもしれない。フェリーチタとヴィットリオ。そして、ジュディッタと生まれてくる子供。命のつながり、という言葉も台詞に出てくるし。
もしかしたら景子先生、テーマを欲張りすぎたのかなあ。主人公達の恋愛。イタリアの歴史の中の貴族と平民それぞれの生き方。そして親から子へつながる命。
で、それら全てのキーパーソンとなってしまったドンブイユ公爵に最後持っていかれたと。
その辺は主人公次第でもあるんで、ヴィットリオ=オサさんの思いの向け方のバランス次第だとも思います。母>アンリエッタに見てしまうのは。
アンリエッタ=ふーちゃんはちゃんと普通にヴィットリオを愛していると思うのだけれど。まあ彼女には他に比較対象が無いのだけれど。ふーちゃん、実は姫キャラではないのかな。でもちゃんと恋する過程が伝わってきて、いいと思いました。
しかし、色々なところにこだわりの見える舞台です。1940年代の屋敷の上手机に飾ってある写真はもしかしてプログラムに載っていた家族写真?とか。人形劇もちらちら見てしまった。
いいなあ花組、これなら通い甲斐もあるよなあ。うらやましい。
あ、ラストのワルツはやはり『ドン・カルロ』の「ヴェールの歌」でした。
でも、何故『ドン・カルロ』なんでしょう。初演は1867年。今プログラムが手元に無いんですが、確かこの場面は1867年以前だった気が。初演はフランスで舞台はスペインだからパレルモとも関係ないし。
モチーフになった映画とかに関係あるとか? わかる方いたら教えてください(また他力本願)。
あちこちの掲示板で話題拾ったり読めない韓国語サイトで写真あさったりしている毎日です。しぃちゃんの舞台写真どこかにあったら教えてください(他力本願)。
中でも一番衝撃だったのはサトリ特派員の「韓国のお客さんの熱気がすごいので、ワタさんが日本ではありえないくらいシャウトしまくっている」という報告でした。
ワタさんが、あのタカラヅカ1暑っ苦しい星組トップのワタさんが「日本ではありえないくらいシャウトしまくっている」って。
一体どんなんだそれ!
頑張って想像してみましたがイメージできませんでした。やはり行くべきだったのか私。
と言う訳で悔しいのでムラまで花組見に行ってきました。ついでにカレンダーも購入。
さて、『落陽のパレルモ』初日以来2回目。
成り行きを知っていると最初の革命軍の場面から泣けました。この勝利の喜びも虚しく、あんな結果が待っていると思うと。
それはさておき、ロドリーゴ伯爵観察日記。
何となく、キャラが見えてきたかなーと。
登場シーン、カヴァーレ公爵家の広間。
何だか、貴族らしく見えてきた。自分の身分を、今の生活を、先祖から受け継いだ価値観を疑うことを知らない、貴族の若君。端正だけれど薄っぺら。
それと。何となく、神経質度が増した? 表情を見てそう感じただけだけど。
政治向きの話題になって、アンリエッタに「ご婦人には退屈な話をしてしまいましたね」と言う間抜けさが何とも。彼女はそういう女性ではないというのに。父親カヴァーレ公爵も彼女には広い世界に目を向けることを勧め、「男に生まれていたらよかった」と評しているのに。
きっと、彼の目に映る「公爵家の長女である美しいアンリエッタ」を愛しているのだろうな。
もちろん、だからと言ってその愛が偽りだとは言わない。理解しなくても愛することはできる。
村祭りの場面はとりあえずおいといて(それにしても勤務中に「貴方とは結婚できません」と想い人に宣言されちゃうってあまりと言えばあまりな状況だよね。そりゃ決闘のひとつも申し込まずにはおれまいて)。
マチルダ誘拐事件。その前の「この結婚はマチルダさんにとっていいことだと思いますよ」も、薄っぺらに響く。本心からの言葉なのだろうけど、その底の考えが浅いということなんだろうか。
しかし瞠目したのはその後。
中央のセリの上で、将軍、カヴァーレ公爵、ドンブイユ公爵、アンリエッタ、ロドリーゴが事件について語る。「これは我々貴族階級に対するいやがらせだ」と言うロドリーゴは「いや革命だ」とたしなめられる。いや確かに、いやがらせというのは言葉が軽すぎる。
でも彼はわかっていない。民衆の叫びを冷たく、無表情に見つめる。
この、冷たい目が良くて。こういう表情をすると、きれいな顔だから映える。ちょっと、ぞくっときました。
正直、いままでまとぶんのことを「きれいな顔だから」と評したことはなかったと思うんですが、今までにない役だから印象が変わるのか。面白い。
その後も、ずっと彼は理解できないまま。
アンリエッタのことも、歴史の中で自分たちの置かれている立場のことも。
大人たち、娘に啓蒙書を読ませるカヴァーレ公爵、平民の女性との恋を引きずるドンブイユ公爵はわかっている。わかっていながら貴族として生きている。
でも、彼はわかっていない。だって彼にとっては今までの価値観が全てなのだから。
しかし。
ドンブイユ公爵がヴィットリオを息子として迎える。反対する貴族たちに、我々は滅びゆく階級だと告げる。堂々と。
それを聞くロドリーゴは、暫し目を伏せる。
そして、ヴィットリオの手を取ろうとするアンリエッタに近づき、別れの言葉を告げる。
貴方の幸せをお祈りします、と。
目を伏せて、再び顔を上げたとき。初めて彼の顔に理解の色を見た。
そして、アンリエッタの手を離し、踵を返し顔を上げて立ち去る姿。精一杯の矜持をにじませて退場するその横顔に、思った。
彼もまた、落陽に殉ずるつもりだ。
貴族の矜持。彼の世界の全て。それが滅び行くものであろうと。愛する人がそこから去るとしても。
もちろん、彼は若くその人生は長い。いつか考えが変わることもあるかもしれない。
でも、今は。この瞬間は、彼もまた落陽たる貴族の道を選んでいる。
相変わらず深読み癖を炸裂させております。楽しいです(笑)。
いや、もうロドリーゴ出てるときはずーっとピン撮りしてましたから。ラストの舞踏会も他の人見てやしない(笑)。
好みのキャラです。端正で薄っぺらな愚かしさ、でも真面目で誠実で善意、な感じがたまりません。そしてラストの気づきと薄氷のような矜持も。
後日談とか気になります。本当にこれからどうするんだろう彼は。
その他にも、2回目見て気づいたこと。
ラストのハッピーエンドが拍子抜けなのはその前の反乱事件が重いせいもあるのですが、それだけではないような気が。
アンリエッタとの別れの後のヴィットリオの嘆きが「自分がアンリエッタと結ばれないこと」よりも「母と同じ運命を繰り返すこと」に比重が寄っているような気がしました。もっと言ってしまえは、ヴィットリオの中で、母>アンリエッタであるような。
だから、母の望みであった父子の再会シーンがクライマックスとなり、ヴィットリオとアンリエッタが結ばれることの影が薄くなる。
回想シーン、フェリーチタ=きほちゃんと子ヴィットリオ=すみ花ちゃんの演技がとても良くて、盛り上がるせいもあるのかもしれないけれど。
でも、そう思ってみると、ドンブイユ公爵の広間にかかっている絵が、全て聖母子像なのが気になりました(中央の絵は受胎告知だけれど広い意味では聖母子関係としてよいのではないかと)。
母と子、もテーマであるのかもしれない。フェリーチタとヴィットリオ。そして、ジュディッタと生まれてくる子供。命のつながり、という言葉も台詞に出てくるし。
もしかしたら景子先生、テーマを欲張りすぎたのかなあ。主人公達の恋愛。イタリアの歴史の中の貴族と平民それぞれの生き方。そして親から子へつながる命。
で、それら全てのキーパーソンとなってしまったドンブイユ公爵に最後持っていかれたと。
その辺は主人公次第でもあるんで、ヴィットリオ=オサさんの思いの向け方のバランス次第だとも思います。母>アンリエッタに見てしまうのは。
アンリエッタ=ふーちゃんはちゃんと普通にヴィットリオを愛していると思うのだけれど。まあ彼女には他に比較対象が無いのだけれど。ふーちゃん、実は姫キャラではないのかな。でもちゃんと恋する過程が伝わってきて、いいと思いました。
しかし、色々なところにこだわりの見える舞台です。1940年代の屋敷の上手机に飾ってある写真はもしかしてプログラムに載っていた家族写真?とか。人形劇もちらちら見てしまった。
いいなあ花組、これなら通い甲斐もあるよなあ。うらやましい。
あ、ラストのワルツはやはり『ドン・カルロ』の「ヴェールの歌」でした。
でも、何故『ドン・カルロ』なんでしょう。初演は1867年。今プログラムが手元に無いんですが、確かこの場面は1867年以前だった気が。初演はフランスで舞台はスペインだからパレルモとも関係ないし。
モチーフになった映画とかに関係あるとか? わかる方いたら教えてください(また他力本願)。
私はスカステに入っていないんですが、8日にnanakoさんのお宅にお邪魔してうっかりお稽古場映像を見て、一瞬今からでも韓国行けないかと考えてしまいました(無理)。いや一瞬、ほんの一瞬ですが。
見られたのは『シバ』だけだったんですけどね。『ベルばら』の方も見たかったなあ。
あ、でも、見なくて良かったかもしれない。見てたら本気で航空券の手配を考えたかもしれない(だから無理だって)。
いや、『シバ』だけでも十分かもなあ。私の心を締めつける「ジェラシー」……(って反応するのはそこなのか)。
戯言はおいといて。
ソウルにいる星組の皆さん、そしてソウルに駆けつける皆さん。みんなみんな、元気で楽しんできてください。
大丈夫、貴方たちなら。
と、ソウルに向かって思いを馳せようとしましたが方角がわかりません、どっち?(←駄目駄目)
***
サトリちゃんのところからリンクしてる韓国サイトの写真がナイスです。そしてやはりワタさんは両手に花に見えます。ステキだ(笑)。
見られたのは『シバ』だけだったんですけどね。『ベルばら』の方も見たかったなあ。
あ、でも、見なくて良かったかもしれない。見てたら本気で航空券の手配を考えたかもしれない(だから無理だって)。
いや、『シバ』だけでも十分かもなあ。私の心を締めつける「ジェラシー」……(って反応するのはそこなのか)。
戯言はおいといて。
ソウルにいる星組の皆さん、そしてソウルに駆けつける皆さん。みんなみんな、元気で楽しんできてください。
大丈夫、貴方たちなら。
と、ソウルに向かって思いを馳せようとしましたが方角がわかりません、どっち?(←駄目駄目)
***
サトリちゃんのところからリンクしてる韓国サイトの写真がナイスです。そしてやはりワタさんは両手に花に見えます。ステキだ(笑)。
野暮なこと。(『DAYTIME HUSTLER』)
2005年11月9日 宝塚この作品にのめりこめなかった理由をつらつら考えて見ると。
主人公たちの言う「愛」が、どうにも上っ面で薄べったく感じてしまったせいでもあったりします。
だって、亡くした恋人のメアリー・アンのことを語るローレンスが。
ニューヨークで詩人を目指していたローレンスは、メアリー・アンとニューヨークの貧しいアパートで同棲していたのだけれど、スランプに陥ってメアリー・アンに言ってしまう。
「お前がいるから詩が書けないんだ!」
当然、メアリー・アンはひどく傷つく訳ですが、そのことをシルヴィアに対して「人を愛することが人を傷つけてしまうなんて」みたいに言う訳ですよ。
ちょっと待て。それは愛でもなんでもないだろう。ただの身近にいる人に対する八つ当たりだろう。
でもシルヴィアも「あなたに愛されてメアリー・アンは幸せだったと思うわ」みたいに言っちゃう訳ですよ。
いいのかそれで。
いや、もしかしたら私の感覚が変なのかもしれないと思わなくもないんですが。更に、ローレンスとシルヴィアが問答無用のラフラブバカップルであればまあしょうがないかと煙に巻かれたかもしれないんですが。
でもふつーのバカップルだったし。
保釈されて再会したとき、ええっこのふたりいつの間にこんな仲になったの?と思ったくらい、1幕は普通のテンションで徐々に距離を詰める恋愛してたし。2幕では生徒たち+ロレンツォを目のやり場に困らせるくらいにはいちゃついてましたが。
こんな、普通に良くできている「楽しい」ミュージカルにそんなこと突っ込むべきじゃないよな、と思いつつ、ちょっと野暮なことを言ってみました。
主人公たちの言う「愛」が、どうにも上っ面で薄べったく感じてしまったせいでもあったりします。
だって、亡くした恋人のメアリー・アンのことを語るローレンスが。
ニューヨークで詩人を目指していたローレンスは、メアリー・アンとニューヨークの貧しいアパートで同棲していたのだけれど、スランプに陥ってメアリー・アンに言ってしまう。
「お前がいるから詩が書けないんだ!」
当然、メアリー・アンはひどく傷つく訳ですが、そのことをシルヴィアに対して「人を愛することが人を傷つけてしまうなんて」みたいに言う訳ですよ。
ちょっと待て。それは愛でもなんでもないだろう。ただの身近にいる人に対する八つ当たりだろう。
でもシルヴィアも「あなたに愛されてメアリー・アンは幸せだったと思うわ」みたいに言っちゃう訳ですよ。
いいのかそれで。
いや、もしかしたら私の感覚が変なのかもしれないと思わなくもないんですが。更に、ローレンスとシルヴィアが問答無用のラフラブバカップルであればまあしょうがないかと煙に巻かれたかもしれないんですが。
でもふつーのバカップルだったし。
保釈されて再会したとき、ええっこのふたりいつの間にこんな仲になったの?と思ったくらい、1幕は普通のテンションで徐々に距離を詰める恋愛してたし。2幕では生徒たち+ロレンツォを目のやり場に困らせるくらいにはいちゃついてましたが。
こんな、普通に良くできている「楽しい」ミュージカルにそんなこと突っ込むべきじゃないよな、と思いつつ、ちょっと野暮なことを言ってみました。
『DAYTIME HUSTLER』観て参りました。
daytimehustler.comにアクセスしたいです。
「今月イチオシのニューフェイス!」って、スダレ前髪がうざい金髪美形が黒タキシードで微笑んでるんでしょ? その他にもラテンダンサーとかフィギュアスケートの王子様とか妙なコスプレした美形がぞろぞろいるのよね。
もちろん、店長の写真もありますよね? ちょっとうさんくさいラテン系の色男。
ホストクラブ、と言うかエスコートホスト派遣業『DAYTIME HUSTLER』の場面が大好きです。
教職を追われたローレンス先生(かしげ氏)に、いいバイトがあると教え子のジョニー(ラギくん)が連れて行く。
そこで現れるのはラメラメのラテンな衣装に赤いモールのような羽根マフラーしかもお札貼り付け、な格好の店長、ロレンツォ・ロドリゲス(緒月氏)。黒塗り気味で黒髪はオールバック後ろ一つくくり。ちょっとアントニオ・バンデラス風?
当惑のローレンスを他所にノリノリで店の紹介。珍妙なコスプレ揃いのホスト達もキメキメ目線で歌って踊ってはじけまくるぜ!
うっひゃー、楽しすぎ!
こんなにチケ難でなければこの場面のために通います。
また、緒月くんが良くてねえ。イロモノなんだけどどこか色気もあって男っぽくて格好いい。歌も張りのある太い声で押し出しが良くて。
後半はローレンス先生を心配する高校生達の兄貴分として、頼りがいのありそうないい味出してたし。
ロレンツォ、いいキャラでした。とりあえず「ゴールドビーチクリーナーズ」のリーダーに納まったみたいだけど、そのうち店を再開するんじゃないかな。高校生くんたちの中に素質のありそうな子いるし、卒業したらスカウトすればいいと思います。ラギくんとか谷みずせくんとか。
あと好きな場面は、パティおばあちゃんの思い出話。
ローレンスの最初の客で「60年前の海軍士官の格好で赤い薔薇の花束を持ってきて」と指定するんですよ。
海軍士官は彼女の初恋。
パティ=美穂圭子女史が思い出を歌う中、舞台中央で再現される回想シーン。白い制服の海軍士官と、ワンピースの少女の恋。
しかし彼は戦場へ。そして二度と帰らない。実らなかった恋、戻らない時、スウィートセブンティーン。
圭子女史の歌と、きらきら輝く海軍士官殿の姿にボロ泣きしました。かしげ氏の美しさが帰らない青春の美しさそのもので。おばあちゃんが60年間持ちつづけた美しい思い出そのもので。美しいから切なくて。
私的には『オケピ!』の「オーボエ奏者の特別な一日」を髣髴とさせられた名シーンでした。すごく揺さぶられた。
はい。
のっけから脇筋の話ばかりしている私は、この作品を正しく楽しんだとは言えないような気がします。
舞台はアメリカ西海岸。主人公・ローレンス(貴城けい)はスラム化した地区の母校に勤める熱血教師。問題児達を更生させて一緒に「街からドラッグを追放しよう!運動」をやったりしている。彼は詩人でもあり、この街の思い出を綴った詩集を自費出版したばかり。
しかし高校を山の手に移転し跡地にカジノを建てる計画が。推進派メンバーには市会議員アンソニー・ヘイワード(壮一帆)も。彼はローレンスの高校時代の友人だった。ヘイワードの婚約者シルヴィア(天勢いづる)は偶然ローレンスの詩集を買い、彼に興味を持つ。
移転反対派を排除しようとする理事のせいでローレンスは教職を追われ、エスコートホストに転身、パーティでシルヴィアと再会する。そして客の一人キャロル(涼花リサ)は実はヘイワードの愛人。ヘイワードはシルヴィアとの結婚を控えキャロルに別れ話を切り出していたが……。
ローレンス(ローリー)・かしげ氏が登場して「あれ?」と思いました。
私はかしちゃんのビジュアルが大好きなのですが、今回はちょっと。ずーっとスダレ前髪なのがマイナス。すがめた目をしていることが多いのは前髪がうざったいからかしらと思ったり。ポスターのイメージなのかもしれないけれど。
まあそれでも格好いいんですけどね。
熱血高校教師で売れない詩人で、超美形なのに人のいいホスト(優しく紳士的なのでおばさま・おばあさま方に大人気)ってあたり、すげーはまってました。いい人オーラ出まくり。大好きだ。
クライマックスで、旧友(曰く「マブダチ」)のトニーに「お前はやり直せる!」と力説するところ、ああ先生だなあ、生徒達もこうやって更生させたんだなあと納得したり。
「元不良」という設定はちょっと浮いてましたが。かしちゃんに「不良」って似合わないような。
アンソニー(トニー)・壮くんはいい役だと思います。
昔から優等生でエリート。なのに何故か欲しいものは手に入らない。理想を追っていたのに気づいたらそこから遠く離れたところに来てしまった。向上心と強さゆえに成功し、頑なさと弱さゆえに破滅する男。
すみません。
多分私、壮くんとの相性が悪いんだと思います。すごく、ものすごく熱演しているのに、どうしてもトニーでなく「壮くん」自身に見えてしまう。そして私の壮くんのイメージは「しれっ」という感じなので「あのしれっとした壮くんが熱演しているなー」と冷静に見てしまう。
仕方ないよね、そういうことってあるよね。申し訳ないし何だか損をしているような気分ですが、仕方ない。
でもそのおかげで重くなりすぎず楽しめたのかも。トニーの運命に感情移入したらきっとすごくしんどいと思います、この話。
と言う訳で、主筋にさほどのめりこめなかった私ですが、ローリー、トニー、そしてメアリー・アンの思い出のシーンには引き込まれました。
いつも3人一緒だった学生時代。
なのにあの雨の日、メアリー・アンはローリーを選んでしまった。
3人で雨をしのぐには小さすぎるコートを譲って濡れながら前を歩くローリー。そのローリーを追うメアリー・アン。あいつの方がいいのか、と聞くトニーに、メアリー・アンは帰ってと答える。
詩集を読むシルヴィアの歌声の中、かしげ、壮、そしてメアリー・アンの大月さゆちゃんの3人のダンスとパントマイムで、雨の日の思い出が繰り広げられる。
美しい3人と、いづるんの細く澄んだ美しい声で綴られる回想シーン。
とても美しかった。美しくて切なくて儚くて。
シルヴィア・いづるんは素敵なヒロインでした。きれいで知的で、感受性の強いお嬢様にぴったり。
そして何より歌! 綺麗な澄んだ声に雄弁な表現力。
何だか、歌による表現力と言うものに感じ入ってしまった公演でした。前半のおばあちゃんの回想シーンも、あんなに感動的なのは圭子女史の歌ゆえだもんなあ。
あとこれだけは言わねばならないキャロル・リサちゃん。
なんてキュートなトランジスタグラマーガール!
ちょっと頭の軽い女の子で、トニーに捨てられまいと悪あがきした結果身の破滅となるのだけれど、すっごく可愛い! ショーガールの格好の時のスタイル、唇を尖らせた表情に釘付け。
フィナーレで緒月くんと並ぶんですが、このまま二人で何かやってくれと思いました。
とにかく、普通に面白いバウでした。ストーリーも破綻なく盛り上がるしミュージカルとしても様々なダンスシーンが楽しいし、セットも素敵。小池氏はやはり上手いと言うか手堅いなあと。
そして脇の下級生に至るまできれいな子が多いし。高校生ズは勿論ですが黒服二人も気になる(笑)。
楽しかったです。
daytimehustler.comにアクセスしたいです。
「今月イチオシのニューフェイス!」って、スダレ前髪がうざい金髪美形が黒タキシードで微笑んでるんでしょ? その他にもラテンダンサーとかフィギュアスケートの王子様とか妙なコスプレした美形がぞろぞろいるのよね。
もちろん、店長の写真もありますよね? ちょっとうさんくさいラテン系の色男。
ホストクラブ、と言うかエスコートホスト派遣業『DAYTIME HUSTLER』の場面が大好きです。
教職を追われたローレンス先生(かしげ氏)に、いいバイトがあると教え子のジョニー(ラギくん)が連れて行く。
そこで現れるのはラメラメのラテンな衣装に赤いモールのような羽根マフラーしかもお札貼り付け、な格好の店長、ロレンツォ・ロドリゲス(緒月氏)。黒塗り気味で黒髪はオールバック後ろ一つくくり。ちょっとアントニオ・バンデラス風?
当惑のローレンスを他所にノリノリで店の紹介。珍妙なコスプレ揃いのホスト達もキメキメ目線で歌って踊ってはじけまくるぜ!
うっひゃー、楽しすぎ!
こんなにチケ難でなければこの場面のために通います。
また、緒月くんが良くてねえ。イロモノなんだけどどこか色気もあって男っぽくて格好いい。歌も張りのある太い声で押し出しが良くて。
後半はローレンス先生を心配する高校生達の兄貴分として、頼りがいのありそうないい味出してたし。
ロレンツォ、いいキャラでした。とりあえず「ゴールドビーチクリーナーズ」のリーダーに納まったみたいだけど、そのうち店を再開するんじゃないかな。高校生くんたちの中に素質のありそうな子いるし、卒業したらスカウトすればいいと思います。ラギくんとか谷みずせくんとか。
あと好きな場面は、パティおばあちゃんの思い出話。
ローレンスの最初の客で「60年前の海軍士官の格好で赤い薔薇の花束を持ってきて」と指定するんですよ。
海軍士官は彼女の初恋。
パティ=美穂圭子女史が思い出を歌う中、舞台中央で再現される回想シーン。白い制服の海軍士官と、ワンピースの少女の恋。
しかし彼は戦場へ。そして二度と帰らない。実らなかった恋、戻らない時、スウィートセブンティーン。
圭子女史の歌と、きらきら輝く海軍士官殿の姿にボロ泣きしました。かしげ氏の美しさが帰らない青春の美しさそのもので。おばあちゃんが60年間持ちつづけた美しい思い出そのもので。美しいから切なくて。
私的には『オケピ!』の「オーボエ奏者の特別な一日」を髣髴とさせられた名シーンでした。すごく揺さぶられた。
はい。
のっけから脇筋の話ばかりしている私は、この作品を正しく楽しんだとは言えないような気がします。
舞台はアメリカ西海岸。主人公・ローレンス(貴城けい)はスラム化した地区の母校に勤める熱血教師。問題児達を更生させて一緒に「街からドラッグを追放しよう!運動」をやったりしている。彼は詩人でもあり、この街の思い出を綴った詩集を自費出版したばかり。
しかし高校を山の手に移転し跡地にカジノを建てる計画が。推進派メンバーには市会議員アンソニー・ヘイワード(壮一帆)も。彼はローレンスの高校時代の友人だった。ヘイワードの婚約者シルヴィア(天勢いづる)は偶然ローレンスの詩集を買い、彼に興味を持つ。
移転反対派を排除しようとする理事のせいでローレンスは教職を追われ、エスコートホストに転身、パーティでシルヴィアと再会する。そして客の一人キャロル(涼花リサ)は実はヘイワードの愛人。ヘイワードはシルヴィアとの結婚を控えキャロルに別れ話を切り出していたが……。
ローレンス(ローリー)・かしげ氏が登場して「あれ?」と思いました。
私はかしちゃんのビジュアルが大好きなのですが、今回はちょっと。ずーっとスダレ前髪なのがマイナス。すがめた目をしていることが多いのは前髪がうざったいからかしらと思ったり。ポスターのイメージなのかもしれないけれど。
まあそれでも格好いいんですけどね。
熱血高校教師で売れない詩人で、超美形なのに人のいいホスト(優しく紳士的なのでおばさま・おばあさま方に大人気)ってあたり、すげーはまってました。いい人オーラ出まくり。大好きだ。
クライマックスで、旧友(曰く「マブダチ」)のトニーに「お前はやり直せる!」と力説するところ、ああ先生だなあ、生徒達もこうやって更生させたんだなあと納得したり。
「元不良」という設定はちょっと浮いてましたが。かしちゃんに「不良」って似合わないような。
アンソニー(トニー)・壮くんはいい役だと思います。
昔から優等生でエリート。なのに何故か欲しいものは手に入らない。理想を追っていたのに気づいたらそこから遠く離れたところに来てしまった。向上心と強さゆえに成功し、頑なさと弱さゆえに破滅する男。
すみません。
多分私、壮くんとの相性が悪いんだと思います。すごく、ものすごく熱演しているのに、どうしてもトニーでなく「壮くん」自身に見えてしまう。そして私の壮くんのイメージは「しれっ」という感じなので「あのしれっとした壮くんが熱演しているなー」と冷静に見てしまう。
仕方ないよね、そういうことってあるよね。申し訳ないし何だか損をしているような気分ですが、仕方ない。
でもそのおかげで重くなりすぎず楽しめたのかも。トニーの運命に感情移入したらきっとすごくしんどいと思います、この話。
と言う訳で、主筋にさほどのめりこめなかった私ですが、ローリー、トニー、そしてメアリー・アンの思い出のシーンには引き込まれました。
いつも3人一緒だった学生時代。
なのにあの雨の日、メアリー・アンはローリーを選んでしまった。
3人で雨をしのぐには小さすぎるコートを譲って濡れながら前を歩くローリー。そのローリーを追うメアリー・アン。あいつの方がいいのか、と聞くトニーに、メアリー・アンは帰ってと答える。
詩集を読むシルヴィアの歌声の中、かしげ、壮、そしてメアリー・アンの大月さゆちゃんの3人のダンスとパントマイムで、雨の日の思い出が繰り広げられる。
美しい3人と、いづるんの細く澄んだ美しい声で綴られる回想シーン。
とても美しかった。美しくて切なくて儚くて。
シルヴィア・いづるんは素敵なヒロインでした。きれいで知的で、感受性の強いお嬢様にぴったり。
そして何より歌! 綺麗な澄んだ声に雄弁な表現力。
何だか、歌による表現力と言うものに感じ入ってしまった公演でした。前半のおばあちゃんの回想シーンも、あんなに感動的なのは圭子女史の歌ゆえだもんなあ。
あとこれだけは言わねばならないキャロル・リサちゃん。
なんてキュートなトランジスタグラマーガール!
ちょっと頭の軽い女の子で、トニーに捨てられまいと悪あがきした結果身の破滅となるのだけれど、すっごく可愛い! ショーガールの格好の時のスタイル、唇を尖らせた表情に釘付け。
フィナーレで緒月くんと並ぶんですが、このまま二人で何かやってくれと思いました。
とにかく、普通に面白いバウでした。ストーリーも破綻なく盛り上がるしミュージカルとしても様々なダンスシーンが楽しいし、セットも素敵。小池氏はやはり上手いと言うか手堅いなあと。
そして脇の下級生に至るまできれいな子が多いし。高校生ズは勿論ですが黒服二人も気になる(笑)。
楽しかったです。
落陽に立ちつくす人。(『落陽のパレルモ』)
2005年11月6日 宝塚『落陽のパレルモ』感想続き。引き続きネタばれあり。
景子先生の作品は魅力的な登場人物が多いなあと今回も思う。私の記憶に残っているのは『シニョール・ドンファン』『Le Petit Jardin』だけれど、どちらも群像劇に近く男女共にいいキャラが多かった。『Last Party』みたいに主人公一人舞台の芝居もありましたが。
ヴィットリオの完璧ヒーローは言わずもがな。有能で、身分に関係なく人が幸せになれる世の中を目指し、仲間からも一目置かれる青年。そして恋には情熱的。オサさんに似合っているかと言うと微妙な気もしますが、その判断はファンの方にお任せしたいと思います。
子孫のヴィットリオ・F。
優しく情熱的な恋人。私的にはお坊ちゃんなところがたまりません。白いスーツが似合いすぎ。かっこかわいい。ゆみこちゃんはお育ちの良い役が似合いますな。
おばあさまが結局許してくれることを本能的にわかってるのよねー。全くもうしょうがない(笑)。
でも頼りないぼんぼんじゃなくて、ちゃんと命がけで愛する人を守る男でもあり。
パレルモを離れて芸術関係(ミラノでスカラ座の演出家だって。いいなあ)ってあたり、ちょっと『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿としたり。
恋人のジュディッタ=あすかちゃんがまた良くてねー。女優と紹介されて納得の美貌、スタイル。そしてこれと言って大げさな演技はしていないのにヴィットリオ・Fへの思いが見える。健気でとても可愛らしい。彼に迷惑をかけまいと一人で出て行こうとする姿に泣けた。
この二人のラブラブにあてられました。幸せになれよー。
ヴィットリオの友人、ニコラ。
貧しい村に生まれ育ち、ヴィットリオと共にイタリア統一のために戦った。が、統一後も新しい社会は来ず平民は虐げられるばかり。
ニコラ=らんとむはいい青年であり、ルチア=一花ちゃんのいいお兄ちゃん。でも熱い思いゆえに過激な行動に出てしまう男でもある。こういう役ははまりますな。わかりやすく美味しい役でもある。
追い詰められた彼らは無謀な反乱を企てる。ピエモンテ王家に嫁ぐことが決まった公爵家令嬢マチルダ=彩音ちゃんを誘拐する。彼女は貴族階級の、そして北イタリア中心の支配の象徴だから。
この辺りが全編で一番印象的な場面かもしれない。いやそれは問題と言うか前項でも言ったとおりバランスが悪いと思うけれど。
3日も何も食べていないマチルダにニコラがパンを渡すのだけれど、お嬢様育ちの彼女は庶民が食べる堅くかび臭いパンはのどを通らない。むせた彼女に慌てて水を渡すニコラ。その拍子に触れた白い手に、同い年の妹の荒れた手を思う。娘らしい楽しみを何も味あわせてやれない、首飾りのひとつも買ってやりたいと嘆くニコラに、マチルダは黙って自分の首飾りを渡す。俺たちは対等な人間だ、施しは受けないとニコラに返されて俯くマチルダ。
ニコラは言う、あんた、いい人なんだな。
もう、この場面が良くて。
無骨な平民の兄貴分らんとむに対して、婚礼衣装の彩音ちゃんは本当に純白に輝くお姫さまで。そんな清らかなお嬢さんだからこそ、首飾りをあげようとする行動が無神経でなく無垢に映る、世間知らずだけれど純粋な善意が伝わるんだよねえ。その善意を認めることのできるニコラもまたいい男で。
これだけらんとむくんを誉めてますが、格好いいと思いましたが、残念ながら『アーネスト』の時のようなときめきは感じませんでした。あれはアルジャノン限定だったのか。
結局、彼らの無謀な賭けは失敗、マチルダ救出と共に皆殺されてしまう訳ですが。らんとむとみわっちの遺体には取りすがって泣いている人がいるのに、さおたさんだけひとりで死んでるのは何か意図があるんですか? 誰か居てもいいんじゃ?
らんとむニコラといつも3人一緒に出てくるみわっちより、まっつの方がキャラが立っていたかも。カヴァーレ公爵家の使用人? 歌手? マチルダお嬢様に憧れていて身分違いとからかわれる。本人も諦めてはいるらしい。そのお嬢様がもっと庶民のニコラにさらわれていいムード(違)なんてことを知ったら……とかちょっと考えてしまいました。
さて。
と言う訳で、並べて誰がお好み?状態とも言える『パレルモ』な訳ですが(え、違う?)。
よくよく考えると、私が一番気になるのはロドリーゴかもしれない……。
ロドリーゴ・サルヴァトーレ・フォンティーニ伯爵。
ヒロイン・アンリエッタに求婚している男。誰が見ても釣り合いの取れた理想的な婚約者候補。
でもアンリエッタの気持ちは彼にはない。ロドリーゴは彼女の求める相手ではない。
ヴィットリオをアンリエッタに紹介したのはロドリーゴ。平民ながら優秀な部下として。そう、あくまでも平民。自分達と違う世界の人間。まさかそんな男にアンリエッタが恋をするとは露ほども疑わずに。
ロドリーゴ=まとぶん、格好いいです。軍服が似合うことったら。
でも、はっきり言ってロドリーゴはいいところなし。ヴィットリオに決闘を申し込むけれど、その必要はないとアンリエッタの父カヴァーレ公爵に止められる。ここ、公爵のはっちさんが大人で格好いいもんだから、余計に頭に血が上っているロドリーゴの小物感が可哀想でねえ。
その後も、貴族であることに疑いを持たない彼は、アンリエッタの気持ちが理解できない。貴族と平民の衝突も、平民たちが何を訴えたいのかも恐らく理解できていない。
最後、ロドリーゴはアンリエッタの手に口付け、言う。「貴方の幸せを祈っています」と。そしてヴィットリオの傍らに立つアンリエッタに背を向け、立ち去る。
彼の物語はここで終わるんだろうか。それともここから始まるんだろうか。
彼は、何故ヴィットリオとアンリエッタの仲を認めたのだろう。
二人が愛し合っているから? それとも周囲皆が認めたから?
身分など関係なくヴィットリオが優れた男だから? それとも彼が貴族社会の一員になったから?
初日に見たときには、そこがわかりませんでした。
物語的に正解は、身分など関係なく人間は平等であり愛し合うことを認めたから、だと思いますが、まだ全然わかっていないと言うのもそれはそれでいいなあ。そういうキャラも私的にはありです。
落陽のパレルモ。
『落陽』が象徴するのは貴族階級。
ドンブイユ公爵やカヴァーレ公爵はそれでいい。もう十分に生きた彼らは、豪奢な落陽に殉じればいい。息子や娘たちに新しい時代を託して。
でも、彼は?
彼はまだ若く、その人生はこれからだ。
落陽の中で立ちつくす彼は、そこから一歩踏み出すことができるのだろうか。それとも彼もまた落陽と共に沈んでいくのだろうか。
そんなことを、考えてしまいました。
いや、ニコラとの出会いやアンリエッタの生き方を見て新しい考えに目覚め始めたマチルダと、議論したり語り合ったりするうちに結ばれる、とかそんなのもありかなー、とかね(笑)。
初日、まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じでした。組替えして最初だし、今まで大劇場でこんな大きな役やったことないし、本人の引き出しにも無い役だから、仕方ない、よく頑張ってる。今までの経験から言えば平民側の方がやりやすいだろうけれど、いい経験、鍛えてもらっていると思って頑張れ。
しばらくたてばロドリーゴの役作りも変わってまた違うものが見られると思うので、期待して見に行きます。
景子先生の作品は魅力的な登場人物が多いなあと今回も思う。私の記憶に残っているのは『シニョール・ドンファン』『Le Petit Jardin』だけれど、どちらも群像劇に近く男女共にいいキャラが多かった。『Last Party』みたいに主人公一人舞台の芝居もありましたが。
ヴィットリオの完璧ヒーローは言わずもがな。有能で、身分に関係なく人が幸せになれる世の中を目指し、仲間からも一目置かれる青年。そして恋には情熱的。オサさんに似合っているかと言うと微妙な気もしますが、その判断はファンの方にお任せしたいと思います。
子孫のヴィットリオ・F。
優しく情熱的な恋人。私的にはお坊ちゃんなところがたまりません。白いスーツが似合いすぎ。かっこかわいい。ゆみこちゃんはお育ちの良い役が似合いますな。
おばあさまが結局許してくれることを本能的にわかってるのよねー。全くもうしょうがない(笑)。
でも頼りないぼんぼんじゃなくて、ちゃんと命がけで愛する人を守る男でもあり。
パレルモを離れて芸術関係(ミラノでスカラ座の演出家だって。いいなあ)ってあたり、ちょっと『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿としたり。
恋人のジュディッタ=あすかちゃんがまた良くてねー。女優と紹介されて納得の美貌、スタイル。そしてこれと言って大げさな演技はしていないのにヴィットリオ・Fへの思いが見える。健気でとても可愛らしい。彼に迷惑をかけまいと一人で出て行こうとする姿に泣けた。
この二人のラブラブにあてられました。幸せになれよー。
ヴィットリオの友人、ニコラ。
貧しい村に生まれ育ち、ヴィットリオと共にイタリア統一のために戦った。が、統一後も新しい社会は来ず平民は虐げられるばかり。
ニコラ=らんとむはいい青年であり、ルチア=一花ちゃんのいいお兄ちゃん。でも熱い思いゆえに過激な行動に出てしまう男でもある。こういう役ははまりますな。わかりやすく美味しい役でもある。
追い詰められた彼らは無謀な反乱を企てる。ピエモンテ王家に嫁ぐことが決まった公爵家令嬢マチルダ=彩音ちゃんを誘拐する。彼女は貴族階級の、そして北イタリア中心の支配の象徴だから。
この辺りが全編で一番印象的な場面かもしれない。いやそれは問題と言うか前項でも言ったとおりバランスが悪いと思うけれど。
3日も何も食べていないマチルダにニコラがパンを渡すのだけれど、お嬢様育ちの彼女は庶民が食べる堅くかび臭いパンはのどを通らない。むせた彼女に慌てて水を渡すニコラ。その拍子に触れた白い手に、同い年の妹の荒れた手を思う。娘らしい楽しみを何も味あわせてやれない、首飾りのひとつも買ってやりたいと嘆くニコラに、マチルダは黙って自分の首飾りを渡す。俺たちは対等な人間だ、施しは受けないとニコラに返されて俯くマチルダ。
ニコラは言う、あんた、いい人なんだな。
もう、この場面が良くて。
無骨な平民の兄貴分らんとむに対して、婚礼衣装の彩音ちゃんは本当に純白に輝くお姫さまで。そんな清らかなお嬢さんだからこそ、首飾りをあげようとする行動が無神経でなく無垢に映る、世間知らずだけれど純粋な善意が伝わるんだよねえ。その善意を認めることのできるニコラもまたいい男で。
これだけらんとむくんを誉めてますが、格好いいと思いましたが、残念ながら『アーネスト』の時のようなときめきは感じませんでした。あれはアルジャノン限定だったのか。
結局、彼らの無謀な賭けは失敗、マチルダ救出と共に皆殺されてしまう訳ですが。らんとむとみわっちの遺体には取りすがって泣いている人がいるのに、さおたさんだけひとりで死んでるのは何か意図があるんですか? 誰か居てもいいんじゃ?
らんとむニコラといつも3人一緒に出てくるみわっちより、まっつの方がキャラが立っていたかも。カヴァーレ公爵家の使用人? 歌手? マチルダお嬢様に憧れていて身分違いとからかわれる。本人も諦めてはいるらしい。そのお嬢様がもっと庶民のニコラにさらわれていいムード(違)なんてことを知ったら……とかちょっと考えてしまいました。
さて。
と言う訳で、並べて誰がお好み?状態とも言える『パレルモ』な訳ですが(え、違う?)。
よくよく考えると、私が一番気になるのはロドリーゴかもしれない……。
ロドリーゴ・サルヴァトーレ・フォンティーニ伯爵。
ヒロイン・アンリエッタに求婚している男。誰が見ても釣り合いの取れた理想的な婚約者候補。
でもアンリエッタの気持ちは彼にはない。ロドリーゴは彼女の求める相手ではない。
ヴィットリオをアンリエッタに紹介したのはロドリーゴ。平民ながら優秀な部下として。そう、あくまでも平民。自分達と違う世界の人間。まさかそんな男にアンリエッタが恋をするとは露ほども疑わずに。
ロドリーゴ=まとぶん、格好いいです。軍服が似合うことったら。
でも、はっきり言ってロドリーゴはいいところなし。ヴィットリオに決闘を申し込むけれど、その必要はないとアンリエッタの父カヴァーレ公爵に止められる。ここ、公爵のはっちさんが大人で格好いいもんだから、余計に頭に血が上っているロドリーゴの小物感が可哀想でねえ。
その後も、貴族であることに疑いを持たない彼は、アンリエッタの気持ちが理解できない。貴族と平民の衝突も、平民たちが何を訴えたいのかも恐らく理解できていない。
最後、ロドリーゴはアンリエッタの手に口付け、言う。「貴方の幸せを祈っています」と。そしてヴィットリオの傍らに立つアンリエッタに背を向け、立ち去る。
彼の物語はここで終わるんだろうか。それともここから始まるんだろうか。
彼は、何故ヴィットリオとアンリエッタの仲を認めたのだろう。
二人が愛し合っているから? それとも周囲皆が認めたから?
身分など関係なくヴィットリオが優れた男だから? それとも彼が貴族社会の一員になったから?
初日に見たときには、そこがわかりませんでした。
物語的に正解は、身分など関係なく人間は平等であり愛し合うことを認めたから、だと思いますが、まだ全然わかっていないと言うのもそれはそれでいいなあ。そういうキャラも私的にはありです。
落陽のパレルモ。
『落陽』が象徴するのは貴族階級。
ドンブイユ公爵やカヴァーレ公爵はそれでいい。もう十分に生きた彼らは、豪奢な落陽に殉じればいい。息子や娘たちに新しい時代を託して。
でも、彼は?
彼はまだ若く、その人生はこれからだ。
落陽の中で立ちつくす彼は、そこから一歩踏み出すことができるのだろうか。それとも彼もまた落陽と共に沈んでいくのだろうか。
そんなことを、考えてしまいました。
いや、ニコラとの出会いやアンリエッタの生き方を見て新しい考えに目覚め始めたマチルダと、議論したり語り合ったりするうちに結ばれる、とかそんなのもありかなー、とかね(笑)。
初日、まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じでした。組替えして最初だし、今まで大劇場でこんな大きな役やったことないし、本人の引き出しにも無い役だから、仕方ない、よく頑張ってる。今までの経験から言えば平民側の方がやりやすいだろうけれど、いい経験、鍛えてもらっていると思って頑張れ。
しばらくたてばロドリーゴの役作りも変わってまた違うものが見られると思うので、期待して見に行きます。
ヴィットリオ。愛の勝利。(『落陽のパレルモ』)
2005年11月5日 宝塚『落陽のパレルモ』において、主人公の母の名はフェリーチタ。
その意味は「幸福」と最後の方で語られている。彼女を愛した男が、その名にふさわしい幸福を与えてやれなかったと。
では、彼の名は。
主人公の、そしてその子孫の名はヴィットリオ。意味は勝利。
恐らく、その象徴するところは、愛の勝利なのだろう。身分の差と言う障害に負けず、人種差別と言う障害に負けず、貫く愛の勝利。
タカラヅカにふさわしい話だ。
以下、ネタばれありで。
ヒロイン・公爵令嬢アンリエッタの前に、ヒーロー・ヴィットリオはイタリア統一運動の立役者である凛々しい軍人として現れる。有能だが平民出身、時代の変化に鈍感な貴族達に挑発的な発言をしたかと思えば、病の公爵夫人に的確な応急手当をして命を救ったりする。
そんな、自分と違う世界の、しかも超有能で格好いい男がいきなり現れたらそりゃ惚れるわな。
アンリエッタもただの深窓の令嬢ではない。ルソーを読み、新しい時代に目を向け広い世界に憧れる女性。
初めて二人きりになったときの会話がいい。
ルソーの『人間不平等論』を読んだと言うアンリエッタ。感想を問うヴィットリオに「私たち支配階級にとっては理解しがたい部分もありますが、認めなければならないことだと思います」と彼女は答える(台詞はうろ覚えですが)。
ただの憧れでも夢見がちな若い娘のロマンチシズムでもなく、社会と自分の置かれた立場を知っていて、なお新しい時代に目を向ける女性。
そんな気品と才知と意志を兼ね備えた女性なら、花も実もある青年が惹かれても当然。
最初の場面での、この二人のキャラ立てはすごいと思う。
出会いで恋に落ちたことを納得させられれば、後は王道のラブロマンス一直線。身分の差、周囲が認める婚約者の存在、親の反対。ヴィットリオは僻地への左遷が決まり引き裂かれる二人。
ここで、ひとり自室で涙するアンリエッタの元に、ヴィットリオが忍んで来る。嵐の夜窓を叩く音、はっとして駆け寄るとあの人が。抱き合う二人の後ろではカーテンが風にはためいている。ああ王道。
身分など関係なく愛し合える世の中にすると誓うヴィットリオ、その日まで待ちつづけると言うアンリエッタ。名残を惜しみつつ立ち去ろうとするヴィットリオを、アンリエッタは寝台の傍らに立ち潤んだ瞳で見つめる。
ヴィットリオはマントを脱ぎ捨てて二人は抱擁したまま寝台へ。そして暗転。うわあ王道。
統一後も支配者が変わっただけ、南のパレルモは北の支配を受け貧しくなるばかり。貴族と平民の対立は激しくなり、ヴィットリオの友人の命は失われアンリエッタの母は心労の末に息を引き取る。
アンリエッタは母亡き今長女として責任を果たすためヴィットリオとの別れを決意、二人は身を切られる思いで互いに別れを告げる。ヴィットリオの母もやはり貴族との実らぬ恋の末に彼を産んだが、待ちつづけることに疲れ果て狂気のうちに海に身を投げた。母を思いアンリエッタを思うヴィットリオの慟哭。何て王道。
ところが。
運命は急転直下。母の恋人、彼の父はドンブイユ公爵だったのだ。ヴィットリオはドンブイユ公爵家の人間として迎え入れられる。アンリエッタの父、カヴァーレ公爵も初めからヴィットリオの人間としての魅力は認めていたので貴族の一員となったヴィットリオに何の障害もない。二人は結ばれ、めでたしめでたし。
……お、王道、なんだよね?
正直。
公爵に「君を当家の人間として迎えよう」と言われたヴィットリオが、いつ「そんな問題じゃない!」と言い出すか固唾を飲んで見守っていました。そしたら違った。
なまじ、その前の、ヴィットリオの仲間達の反乱とその死が重くて。縦糸であるラブストーリーよりも、背景である社会問題、身分差別や貧富の差が重かったので、主人公ひとり貴族になってめでたしめでたしのシンデレラストーリーで終わるのか!?と拍子抜け。
でもその後にヴィットリオのお披露目を受けた貴族達が「平民の女の息子を貴族として迎えるなんて!」と非難してくれたおかげでやや救われました。そうか、これだけのことでさえ高いハードルだったんだ、貴族と平民の間を埋める大きな一歩なんだと納得できた。若い頃に貫けなかった身分を越えた愛をようやく取り戻したドンブイユ公爵と、「母の祈りは届いた!」と感極まって言うヴィットリオが抱き合う父子の再会に、素直に良かったなあと思えた。
まあ、その分、何十年越しの思いを叶えたドンブイユ公爵に最後見せ場を持っていかれちゃう感はありましたが。反対する貴族達に「これからの新しい時代、我々は滅び行く階級だろう。けれど、だからこそ海に沈む落陽のように最後の輝きを残そう」みたいなことを舞台中央で堂々と言うもんだから、しかもそれが格好いいもんだから。全部持っていかれる。またドンブイユの萬さん、格好いいし(笑)。
ここはヴィットリオも「これから身分など関係なく幸せになれる世の中を築いていく」くらいの大見得を切ってもらった方が、ヒーローとして決まると思うんですが。
でも、落陽たる大貴族が宣言し、将来を担う愛し合う若者達がそれを知らぬげに踊る、と言う終わり方は、歴史ロマンとして美しいのはわかります。それがやりたかったのかなあ。
と言う訳で、最後ちょっと釈然としないところはありますが、いい話でした。
イタリア統一直後の混乱した時代、身分の差に翻弄される恋人たち、ヴィットリオとアンリエッタ。
第二次世界大戦下のユダヤ人迫害に負けず共に生きようとする、その子孫ヴィットリオ・Fと恋人ジュディッタ。
そして、結局は結ばれなかったドンブイユ公爵と平民の娘フェリーチタ。しかし二人の間の息子ヴィットリオはついに父と巡り会い、彼らの愛もある意味結実の時を迎える。
三者三様に愛を貫く、愛の勝利。
いい話じゃないですか。
……うっかり、ヴィットリオが野心と貴族に捨てられた母の復讐のために貴族の娘をモノにしたかったように見えてしまう瞬間があったのは、私の心が汚れているからですよね。公爵家の跡取り娘上等、落としてやるぜ!って見えたのは。
いや、本当に正直なところを言うと、最初はそうやって近づいたのにやがて「それなのに真実貴方を愛してしまった!」って展開の方が、春野さんには似合っているような気もしなくもないんですが。ちょっと悪い男入っていた方が。
景子先生は破綻のない魅力的な話と誰がやっても魅力的に見えるキャラクタを作るけれど、あてがきはあまりしない人なのかなあ、と今回また思いました。
でも、トータルで言えば、文句無しのラブストーリーです。
次回上演する愛愛歌いまくる一本モノ大作より、100万倍も出来がいいですから、宝塚初心者を誘うなら皆様是非今年のうちに。
その意味は「幸福」と最後の方で語られている。彼女を愛した男が、その名にふさわしい幸福を与えてやれなかったと。
では、彼の名は。
主人公の、そしてその子孫の名はヴィットリオ。意味は勝利。
恐らく、その象徴するところは、愛の勝利なのだろう。身分の差と言う障害に負けず、人種差別と言う障害に負けず、貫く愛の勝利。
タカラヅカにふさわしい話だ。
以下、ネタばれありで。
ヒロイン・公爵令嬢アンリエッタの前に、ヒーロー・ヴィットリオはイタリア統一運動の立役者である凛々しい軍人として現れる。有能だが平民出身、時代の変化に鈍感な貴族達に挑発的な発言をしたかと思えば、病の公爵夫人に的確な応急手当をして命を救ったりする。
そんな、自分と違う世界の、しかも超有能で格好いい男がいきなり現れたらそりゃ惚れるわな。
アンリエッタもただの深窓の令嬢ではない。ルソーを読み、新しい時代に目を向け広い世界に憧れる女性。
初めて二人きりになったときの会話がいい。
ルソーの『人間不平等論』を読んだと言うアンリエッタ。感想を問うヴィットリオに「私たち支配階級にとっては理解しがたい部分もありますが、認めなければならないことだと思います」と彼女は答える(台詞はうろ覚えですが)。
ただの憧れでも夢見がちな若い娘のロマンチシズムでもなく、社会と自分の置かれた立場を知っていて、なお新しい時代に目を向ける女性。
そんな気品と才知と意志を兼ね備えた女性なら、花も実もある青年が惹かれても当然。
最初の場面での、この二人のキャラ立てはすごいと思う。
出会いで恋に落ちたことを納得させられれば、後は王道のラブロマンス一直線。身分の差、周囲が認める婚約者の存在、親の反対。ヴィットリオは僻地への左遷が決まり引き裂かれる二人。
ここで、ひとり自室で涙するアンリエッタの元に、ヴィットリオが忍んで来る。嵐の夜窓を叩く音、はっとして駆け寄るとあの人が。抱き合う二人の後ろではカーテンが風にはためいている。ああ王道。
身分など関係なく愛し合える世の中にすると誓うヴィットリオ、その日まで待ちつづけると言うアンリエッタ。名残を惜しみつつ立ち去ろうとするヴィットリオを、アンリエッタは寝台の傍らに立ち潤んだ瞳で見つめる。
ヴィットリオはマントを脱ぎ捨てて二人は抱擁したまま寝台へ。そして暗転。うわあ王道。
統一後も支配者が変わっただけ、南のパレルモは北の支配を受け貧しくなるばかり。貴族と平民の対立は激しくなり、ヴィットリオの友人の命は失われアンリエッタの母は心労の末に息を引き取る。
アンリエッタは母亡き今長女として責任を果たすためヴィットリオとの別れを決意、二人は身を切られる思いで互いに別れを告げる。ヴィットリオの母もやはり貴族との実らぬ恋の末に彼を産んだが、待ちつづけることに疲れ果て狂気のうちに海に身を投げた。母を思いアンリエッタを思うヴィットリオの慟哭。何て王道。
ところが。
運命は急転直下。母の恋人、彼の父はドンブイユ公爵だったのだ。ヴィットリオはドンブイユ公爵家の人間として迎え入れられる。アンリエッタの父、カヴァーレ公爵も初めからヴィットリオの人間としての魅力は認めていたので貴族の一員となったヴィットリオに何の障害もない。二人は結ばれ、めでたしめでたし。
……お、王道、なんだよね?
正直。
公爵に「君を当家の人間として迎えよう」と言われたヴィットリオが、いつ「そんな問題じゃない!」と言い出すか固唾を飲んで見守っていました。そしたら違った。
なまじ、その前の、ヴィットリオの仲間達の反乱とその死が重くて。縦糸であるラブストーリーよりも、背景である社会問題、身分差別や貧富の差が重かったので、主人公ひとり貴族になってめでたしめでたしのシンデレラストーリーで終わるのか!?と拍子抜け。
でもその後にヴィットリオのお披露目を受けた貴族達が「平民の女の息子を貴族として迎えるなんて!」と非難してくれたおかげでやや救われました。そうか、これだけのことでさえ高いハードルだったんだ、貴族と平民の間を埋める大きな一歩なんだと納得できた。若い頃に貫けなかった身分を越えた愛をようやく取り戻したドンブイユ公爵と、「母の祈りは届いた!」と感極まって言うヴィットリオが抱き合う父子の再会に、素直に良かったなあと思えた。
まあ、その分、何十年越しの思いを叶えたドンブイユ公爵に最後見せ場を持っていかれちゃう感はありましたが。反対する貴族達に「これからの新しい時代、我々は滅び行く階級だろう。けれど、だからこそ海に沈む落陽のように最後の輝きを残そう」みたいなことを舞台中央で堂々と言うもんだから、しかもそれが格好いいもんだから。全部持っていかれる。またドンブイユの萬さん、格好いいし(笑)。
ここはヴィットリオも「これから身分など関係なく幸せになれる世の中を築いていく」くらいの大見得を切ってもらった方が、ヒーローとして決まると思うんですが。
でも、落陽たる大貴族が宣言し、将来を担う愛し合う若者達がそれを知らぬげに踊る、と言う終わり方は、歴史ロマンとして美しいのはわかります。それがやりたかったのかなあ。
と言う訳で、最後ちょっと釈然としないところはありますが、いい話でした。
イタリア統一直後の混乱した時代、身分の差に翻弄される恋人たち、ヴィットリオとアンリエッタ。
第二次世界大戦下のユダヤ人迫害に負けず共に生きようとする、その子孫ヴィットリオ・Fと恋人ジュディッタ。
そして、結局は結ばれなかったドンブイユ公爵と平民の娘フェリーチタ。しかし二人の間の息子ヴィットリオはついに父と巡り会い、彼らの愛もある意味結実の時を迎える。
三者三様に愛を貫く、愛の勝利。
いい話じゃないですか。
……うっかり、ヴィットリオが野心と貴族に捨てられた母の復讐のために貴族の娘をモノにしたかったように見えてしまう瞬間があったのは、私の心が汚れているからですよね。公爵家の跡取り娘上等、落としてやるぜ!って見えたのは。
いや、本当に正直なところを言うと、最初はそうやって近づいたのにやがて「それなのに真実貴方を愛してしまった!」って展開の方が、春野さんには似合っているような気もしなくもないんですが。ちょっと悪い男入っていた方が。
景子先生は破綻のない魅力的な話と誰がやっても魅力的に見えるキャラクタを作るけれど、あてがきはあまりしない人なのかなあ、と今回また思いました。
でも、トータルで言えば、文句無しのラブストーリーです。
次回上演する愛愛歌いまくる一本モノ大作より、100万倍も出来がいいですから、宝塚初心者を誘うなら皆様是非今年のうちに。
初心者歓迎。(花組大劇場公演『落陽のパレルモ』『ASIAN WINDS!』)
2005年11月4日 宝塚初日観て参りました。
久しぶりに「一度宝塚を観てみたい」という人におすすめできる公演だなあと。『炎』も『マラケシュ』も大好きだけど、初心者にこれが宝塚と言って自信を持って連れて行けるかと言うと疑問符が付くもんなあ。
芝居『落陽のパレルモ』は一大歴史ラブロマンスでした。
身分違いの恋、革命、教会での逢引に嵐の夜の逢瀬、軍服とドレス。
宝塚で見たいもの、世間様が宝塚に期待するものがこれでもかとてんこ盛り。
話も破綻せずちゃんとまとまってるし(それを特筆せねばならないあたり昨今の芝居のレベルが……)。
ご馳走様でした。さすが植田景子先生。
正直、ちょっと「歴史・革命」部分と「恋愛」部分のバランスが悪いような気はしたんですが。
背景であるはずのシチリアの歴史の描写が重いので、メインストーリーである主人公カップルの恋愛物語の影が薄くなり、ラストに「え?それでいいの?」と肩すかし感が残ってしまう。村の反乱の場面が迫力で深刻で(ここキムシンを髣髴とさせる演出でした。ちょっとオギーも入ってる?)。
でも、このバランスは演技次第で補正できる範囲かなと言う気もしているので、暫くたってからまた観たいです。
ヴィットリオ=オサさんは格好よかったです(初日は格好つけて軍服のマントを風になびかせ階段を下りるときコケかけましたが←言うな)。アンリエッタ=ふーちゃんは黒髪が似合いますね。
ロドリーゴ=まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じ。これから良くなるんじゃないかなと。そしてロドリーゴと言うキャラはもしかしたら私好みかもしれない……。
ニコラ=らんとむ、格好よかった。ルチア=一花ちゃんへのいいお兄ちゃんぶりがステキ。
あとアンリエッタの妹マチルダ=彩音ちゃん、可愛いかったー! 本当に清らかで真っ白なお姫様。
1860年代がメインの舞台で、それと1940年代、第2時大戦下の子孫の、二つの障害多き恋物語が対比して描かれる筋立て。現代の恋人達はヴィットリオ.F=ゆみこちゃんとジュディッタ=あすかちゃん。この二人がまたラブラブで素敵でした。ヴィットリオ.Fのお育ちの良いお坊ちゃまっぷりが可愛いです。
衣装もセットも美しい。19世紀のドレスや軍服、貴族達の服装の豪華さは言うまでも無いけれど、20世紀もセンスよく美しかった。ジュディッタの白いワンピースとか、すごくお洒落。
そして、イタリアフェチとしても凄く嬉しかった。
うわー、これがイタリアだよ!
いや、私は平均的日本人よりはイタリア好きなだけで特に知識がある訳ではないのですが。でも、色々な映画、オペラの舞台、そして写真で見たり実際行った風景を思い出すよ。
貴族の屋敷、教会、広場の操り人形劇、村祭り。
歴史背景もとってつけたようではなくきちんと押さえられているし。
……こんなのやったらつい最近の某作品の似非イタリアっぽさがばれちゃうじゃないですか、いいんですか?
音楽もどこかで耳にしたような曲が多く雰囲気を盛り上げています。景子先生のこだわりを感じる。
最後のワルツは『ドン・カルロ』のヴェールの歌だったような気がするんですが確信がありません。誰か教えていだたけると嬉しいです。
ショー『ASIAN WINDS!』も楽しかったです。
中国の水の場面が、照明も工夫されていて美しい舞台でした。
あとコリアン幻想。ここのゆみこちゃんが好き。最初ちょっと悪い今時の若者っぽく出てくるのだけれど、通りすがりの老夫婦のオルゴールのメロディに立ち止まるの。この、実はいい人な感じがいいなあと。
サンパギータのまとぷんも良かった。海軍系の制服、似合うよねー。
あとは何と言っても服部良一メドレー。楽しかった。
まとぶんの『青い山脈』とか、ゆみこちゃんときほちゃんの『一杯の珈琲から』とか、みわまつそのみつるりせまめ6人でキザリまくる『山寺の和尚さん』とか、すげー楽しかったです。
何か今回、ここに限らずみんな気合入りまくり客席釣りまくりだったような気がするんですが……みわっちなんか何度目が合ったことか。1階A席のオペラ越しとは言え(笑)。いや楽しくていいけど。
らんとむの『東京の空の下』、その昭和ハンサムぶりが圧巻。今時「アベック」なんて言葉を違和感無く言える男、なかなかいないよ?(笑) あすかちゃんの『銀座カンカン娘』も超キュート! カンカン娘あすかちゃんに足蹴にされるらんとむ君が素敵です。
オサ様の『東京ブギウギ』もど迫力で楽しかったし(笑)。
全体的にメロディアスな曲が多くて、歌手揃いの花組さんに合ったショーじゃないかなあと。
最初の頭に羽根つけた衣装(ピクミン風)とエイサーはちょい微妙かもしれませんが、最後は黒燕尾だし、こちらも初心者さんにおすすめできるショーではないかと。
但し、ひとつ不満が。
何故二番手羽を誰にも背負わせないのか?
私は一ファン一観客として「これぞタカラヅカ!」らしいものが見たい。大きい羽根を背負った人がにこやかにお辞儀しておおーっとなったと思ったら、更に大きくてゴージャスな羽根が出てくる、と言う光景が見たい。銀橋で挨拶しあうトップと二番手にはどちらもでかい羽根を背負っていてほしい。そしてそういう、どーんと派手でゴージャスなものを、宝塚を初めて見る人にも見てほしい。
せっかく、初心者に自信を持っておすすめできる公演なのに、勿体無い。
番手とか劇団の都合とかは知らない。あくまでも一観客として、思ったこと。
とりあえず、初日感想でした。
詳しくはまたそのうちに。
久しぶりに「一度宝塚を観てみたい」という人におすすめできる公演だなあと。『炎』も『マラケシュ』も大好きだけど、初心者にこれが宝塚と言って自信を持って連れて行けるかと言うと疑問符が付くもんなあ。
芝居『落陽のパレルモ』は一大歴史ラブロマンスでした。
身分違いの恋、革命、教会での逢引に嵐の夜の逢瀬、軍服とドレス。
宝塚で見たいもの、世間様が宝塚に期待するものがこれでもかとてんこ盛り。
話も破綻せずちゃんとまとまってるし(それを特筆せねばならないあたり昨今の芝居のレベルが……)。
ご馳走様でした。さすが植田景子先生。
正直、ちょっと「歴史・革命」部分と「恋愛」部分のバランスが悪いような気はしたんですが。
背景であるはずのシチリアの歴史の描写が重いので、メインストーリーである主人公カップルの恋愛物語の影が薄くなり、ラストに「え?それでいいの?」と肩すかし感が残ってしまう。村の反乱の場面が迫力で深刻で(ここキムシンを髣髴とさせる演出でした。ちょっとオギーも入ってる?)。
でも、このバランスは演技次第で補正できる範囲かなと言う気もしているので、暫くたってからまた観たいです。
ヴィットリオ=オサさんは格好よかったです(初日は格好つけて軍服のマントを風になびかせ階段を下りるときコケかけましたが←言うな)。アンリエッタ=ふーちゃんは黒髪が似合いますね。
ロドリーゴ=まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じ。これから良くなるんじゃないかなと。そしてロドリーゴと言うキャラはもしかしたら私好みかもしれない……。
ニコラ=らんとむ、格好よかった。ルチア=一花ちゃんへのいいお兄ちゃんぶりがステキ。
あとアンリエッタの妹マチルダ=彩音ちゃん、可愛いかったー! 本当に清らかで真っ白なお姫様。
1860年代がメインの舞台で、それと1940年代、第2時大戦下の子孫の、二つの障害多き恋物語が対比して描かれる筋立て。現代の恋人達はヴィットリオ.F=ゆみこちゃんとジュディッタ=あすかちゃん。この二人がまたラブラブで素敵でした。ヴィットリオ.Fのお育ちの良いお坊ちゃまっぷりが可愛いです。
衣装もセットも美しい。19世紀のドレスや軍服、貴族達の服装の豪華さは言うまでも無いけれど、20世紀もセンスよく美しかった。ジュディッタの白いワンピースとか、すごくお洒落。
そして、イタリアフェチとしても凄く嬉しかった。
うわー、これがイタリアだよ!
いや、私は平均的日本人よりはイタリア好きなだけで特に知識がある訳ではないのですが。でも、色々な映画、オペラの舞台、そして写真で見たり実際行った風景を思い出すよ。
貴族の屋敷、教会、広場の操り人形劇、村祭り。
歴史背景もとってつけたようではなくきちんと押さえられているし。
……こんなのやったらつい最近の某作品の似非イタリアっぽさがばれちゃうじゃないですか、いいんですか?
音楽もどこかで耳にしたような曲が多く雰囲気を盛り上げています。景子先生のこだわりを感じる。
最後のワルツは『ドン・カルロ』のヴェールの歌だったような気がするんですが確信がありません。誰か教えていだたけると嬉しいです。
ショー『ASIAN WINDS!』も楽しかったです。
中国の水の場面が、照明も工夫されていて美しい舞台でした。
あとコリアン幻想。ここのゆみこちゃんが好き。最初ちょっと悪い今時の若者っぽく出てくるのだけれど、通りすがりの老夫婦のオルゴールのメロディに立ち止まるの。この、実はいい人な感じがいいなあと。
サンパギータのまとぷんも良かった。海軍系の制服、似合うよねー。
あとは何と言っても服部良一メドレー。楽しかった。
まとぶんの『青い山脈』とか、ゆみこちゃんときほちゃんの『一杯の珈琲から』とか、みわまつそのみつるりせまめ6人でキザリまくる『山寺の和尚さん』とか、すげー楽しかったです。
何か今回、ここに限らずみんな気合入りまくり客席釣りまくりだったような気がするんですが……みわっちなんか何度目が合ったことか。1階A席のオペラ越しとは言え(笑)。いや楽しくていいけど。
らんとむの『東京の空の下』、その昭和ハンサムぶりが圧巻。今時「アベック」なんて言葉を違和感無く言える男、なかなかいないよ?(笑) あすかちゃんの『銀座カンカン娘』も超キュート! カンカン娘あすかちゃんに足蹴にされるらんとむ君が素敵です。
オサ様の『東京ブギウギ』もど迫力で楽しかったし(笑)。
全体的にメロディアスな曲が多くて、歌手揃いの花組さんに合ったショーじゃないかなあと。
最初の頭に羽根つけた衣装(ピクミン風)とエイサーはちょい微妙かもしれませんが、最後は黒燕尾だし、こちらも初心者さんにおすすめできるショーではないかと。
但し、ひとつ不満が。
何故二番手羽を誰にも背負わせないのか?
私は一ファン一観客として「これぞタカラヅカ!」らしいものが見たい。大きい羽根を背負った人がにこやかにお辞儀しておおーっとなったと思ったら、更に大きくてゴージャスな羽根が出てくる、と言う光景が見たい。銀橋で挨拶しあうトップと二番手にはどちらもでかい羽根を背負っていてほしい。そしてそういう、どーんと派手でゴージャスなものを、宝塚を初めて見る人にも見てほしい。
せっかく、初心者に自信を持っておすすめできる公演なのに、勿体無い。
番手とか劇団の都合とかは知らない。あくまでも一観客として、思ったこと。
とりあえず、初日感想でした。
詳しくはまたそのうちに。
ごめんなさい。
いや、星全ツ祭りで月組のことをあまり書いてないと言った上に、見ている間もまだ星組のことを考えていたのかと怒られそうなので、まずお詫びから。
と言う訳で、羽根の話。
星全ツ以来、大きい羽根を背負った人のお辞儀の仕方が気になる今日この頃であった私は、パレードでゆーひさんきりやんの姿を眺めておりました。そうだよな、やっぱり普通は30〜40度くらいだよね。
そしてトップスター様、アサコさん。
あれ?
ナイアガラ(と勝手に呼んでいるけれど正式名称は不明。しっぽのようにすだれのように下がっている部分)が前に来ないよ?
……(しばし思考)そうか。そりゃ30〜40度の前傾では前に下りてくるはず無いか。
ってことは、ワタさんが元々やりすぎだったのか! しぃちゃんの方ばっかり気にしてたけど。
星を中心に見ているから、トップさんのお辞儀の仕方としてはあれがデフォルト値になってたんですね。慣れってこわい(笑)。
と言う訳で、自分的に妙に納得してしまった羽根の話でした。
いや、星全ツ祭りで月組のことをあまり書いてないと言った上に、見ている間もまだ星組のことを考えていたのかと怒られそうなので、まずお詫びから。
と言う訳で、羽根の話。
星全ツ以来、大きい羽根を背負った人のお辞儀の仕方が気になる今日この頃であった私は、パレードでゆーひさんきりやんの姿を眺めておりました。そうだよな、やっぱり普通は30〜40度くらいだよね。
そしてトップスター様、アサコさん。
あれ?
ナイアガラ(と勝手に呼んでいるけれど正式名称は不明。しっぽのようにすだれのように下がっている部分)が前に来ないよ?
……(しばし思考)そうか。そりゃ30〜40度の前傾では前に下りてくるはず無いか。
ってことは、ワタさんが元々やりすぎだったのか! しぃちゃんの方ばっかり気にしてたけど。
星を中心に見ているから、トップさんのお辞儀の仕方としてはあれがデフォルト値になってたんですね。慣れってこわい(笑)。
と言う訳で、自分的に妙に納得してしまった羽根の話でした。
好みの話、好みな話。(『JAZZYな妖精たち』『REVEUE OF DREAMS』)
2005年10月31日 宝塚10/30の11時公演がマイ楽。
結局3回しか観ていません。感想もあまり書いていないのは、個人的に星全ツ祭り突入していたせいです(苦笑)。
ショーで、もりえちゃんの直撃くらいました。
若手6人銀橋。上手側12列という今公演私的最前方席に座っていたら、ビシッと指差し目線が。
……ちょっとどきどきしたかも。
いや、元々月組85期の中では、もりえちゃんが一番気になっていたところではあったんですが。一番男役らしいというか男の子らしく見えるのが理由と思われ。
そう思って何となく気にして見ていると、パレードで2階席にウィンク飛ばしてました。意外とやるじゃん(笑)。
ものすごいスタイル美人なので、あとはメイク力向上に期待します。
もりえちゃんだけでなく、みんな1ヶ月やって慣れてきたのかなと。銀橋キザリ、初日は人によっては相当ぎこちなかったもんねぇ。下手で見ていた緑野さんによると、ひろみちゃんも前方席を本気で落としにかかっていたそうですし。
もちろん、主に見ていたのはさららんでした。
特に、中詰〜銀橋の黒金ゴシック風変わり燕尾白ブラウスレース袖付き衣装が好き。ちょっとダークな王子様ルック。似合う。
あと、群舞をぼーっと眺めていて下手側(遠かった)にかわいい子発見、と思ってオペラを上げたらさららんで、我ながら驚きました。本当に好みの顔だったんだ……。
『REVUE OF DREAMS』結構好きなショーでした。
戦隊モノチックなプロローグ群舞も楽しかったし、白と金のニューヨークもあいあいのショーガールがめちゃキュートで眼福。アサコ氏+ピンクのかなみちゃんと青いゆーひさん、邪魔する黒いさららんの場面も訳わからなかったけど色々やっていて楽しかった。ここ、ゆーひさんがいつに無く明るく爽やかで優しげな笑顔でちょっとよろめいた私(笑)。
砂漠の場面も、かなみちゃんの砂の女王、運命の女が歌も存在感も素晴らしかったし。みんな色々小芝居やってたし(さららんばっかり見ていたけど)。
あ、3回目にして初めて、アサコさんをリフトする越リュウ氏を最初から最後まで見ました。だって見るところ多すぎて。
フィナーレも良かったし。
パレードは、お辞儀するとき「ありがとうございました」と動くさららんの口元を見てました。
やっぱりちょっと寂しいね。
最後まで男役としてキザリまくってください。
芝居『JAZZYな妖精たち』は。
突っ込みどころは満載なのですが、結局「きちんと完成させる時間が無かったんだね」で終ってしまうなあと。
それでも結構好きなのは、作品に流れるやるせなさや切なさ、そして暖かさや愛しさのため。
5人の幼なじみがばらばらになって、でも再会して、昔に戻ることはできなくても忘れることもできなくて。子役とオーバーラップする場面は無条件で胸に迫ってくる。
パトリックとシャノンの関係も、ベタだけど好き。「気をつけてと言いながら自分が転んでしまう」ようなシャノンのキャラクタはいいよね、可愛いよね。
ひたすら真っ正直で真っ直ぐなパトリックも、もちろん好き。この二人が居るから、またみんなが集まるのが納得させられてしまう(きちんと説明されてなくても)。
パトリックを支える選挙事務所の人々の素朴な熱意も、素直に良いと思う。
要するに、好みのテーマ好みの話なんですね。だからこそちゃんと完成してくれればいい話になったのに、と残念ですが。
ティモシー=ゆうひくんについても、要するに好みのキャラなんですね(笑)。
「ひねくれ者が仲間になる」ってシチュエーション、ツボなんですよ。本当はみんなと一緒に居たいのに素直に言い出せないひねくれ者が「仕方ないなあ」なんて言い訳しつつ仲間に加わる、と言うような話って。
選挙事務所の「お前はすげぇ」の場面は大好きです。大好物でへらへらしながら見てます。
ウォルター=きりやんは、30日に見たときにやっぱり上手いなあと。前方席で見ると繊細な表現力が際立つよね。暗い瞳、台詞や演技の端々にやるせなさがにじみ出て、見ていて切なくなった。
対するミック=さららんは、そんなウォルターの複雑な心境をわかっていなくて、でもウォルターを助けたくて闇雲にぶつかっていく姿が愛しいです。いや、さららんの最後の役、集大成としてありだと思う(さららんには甘い私)。
最後、踊りに入る時、ウォルターがしゃがんでいるミックに手を差し伸べミックがその手を取ってひょいと立ち上がるのが好きだ。さららんの退団を前提に見ている見方は、邪道かとは知りつつ。
あと芝居でも「すげえや!」をパトリックに駄目出しされるもりえちゃん(役名調べてない)も好きです。選挙応援をやめなければならないと切り出しいきなり深刻芝居に持っていく龍真咲くんもすげぇやと思います。
楽はいろいろあって行けませんでしたが、やっぱりさららんを見送りたかったなあ。ちょっと悔いが残るなあ。
東宝も1回くらい行っちゃおうかなあ、と思う今日この頃(予定は未定)。
結局3回しか観ていません。感想もあまり書いていないのは、個人的に星全ツ祭り突入していたせいです(苦笑)。
ショーで、もりえちゃんの直撃くらいました。
若手6人銀橋。上手側12列という今公演私的最前方席に座っていたら、ビシッと指差し目線が。
……ちょっとどきどきしたかも。
いや、元々月組85期の中では、もりえちゃんが一番気になっていたところではあったんですが。一番男役らしいというか男の子らしく見えるのが理由と思われ。
そう思って何となく気にして見ていると、パレードで2階席にウィンク飛ばしてました。意外とやるじゃん(笑)。
ものすごいスタイル美人なので、あとはメイク力向上に期待します。
もりえちゃんだけでなく、みんな1ヶ月やって慣れてきたのかなと。銀橋キザリ、初日は人によっては相当ぎこちなかったもんねぇ。下手で見ていた緑野さんによると、ひろみちゃんも前方席を本気で落としにかかっていたそうですし。
もちろん、主に見ていたのはさららんでした。
特に、中詰〜銀橋の黒金ゴシック風変わり燕尾白ブラウスレース袖付き衣装が好き。ちょっとダークな王子様ルック。似合う。
あと、群舞をぼーっと眺めていて下手側(遠かった)にかわいい子発見、と思ってオペラを上げたらさららんで、我ながら驚きました。本当に好みの顔だったんだ……。
『REVUE OF DREAMS』結構好きなショーでした。
戦隊モノチックなプロローグ群舞も楽しかったし、白と金のニューヨークもあいあいのショーガールがめちゃキュートで眼福。アサコ氏+ピンクのかなみちゃんと青いゆーひさん、邪魔する黒いさららんの場面も訳わからなかったけど色々やっていて楽しかった。ここ、ゆーひさんがいつに無く明るく爽やかで優しげな笑顔でちょっとよろめいた私(笑)。
砂漠の場面も、かなみちゃんの砂の女王、運命の女が歌も存在感も素晴らしかったし。みんな色々小芝居やってたし(さららんばっかり見ていたけど)。
あ、3回目にして初めて、アサコさんをリフトする越リュウ氏を最初から最後まで見ました。だって見るところ多すぎて。
フィナーレも良かったし。
パレードは、お辞儀するとき「ありがとうございました」と動くさららんの口元を見てました。
やっぱりちょっと寂しいね。
最後まで男役としてキザリまくってください。
芝居『JAZZYな妖精たち』は。
突っ込みどころは満載なのですが、結局「きちんと完成させる時間が無かったんだね」で終ってしまうなあと。
それでも結構好きなのは、作品に流れるやるせなさや切なさ、そして暖かさや愛しさのため。
5人の幼なじみがばらばらになって、でも再会して、昔に戻ることはできなくても忘れることもできなくて。子役とオーバーラップする場面は無条件で胸に迫ってくる。
パトリックとシャノンの関係も、ベタだけど好き。「気をつけてと言いながら自分が転んでしまう」ようなシャノンのキャラクタはいいよね、可愛いよね。
ひたすら真っ正直で真っ直ぐなパトリックも、もちろん好き。この二人が居るから、またみんなが集まるのが納得させられてしまう(きちんと説明されてなくても)。
パトリックを支える選挙事務所の人々の素朴な熱意も、素直に良いと思う。
要するに、好みのテーマ好みの話なんですね。だからこそちゃんと完成してくれればいい話になったのに、と残念ですが。
ティモシー=ゆうひくんについても、要するに好みのキャラなんですね(笑)。
「ひねくれ者が仲間になる」ってシチュエーション、ツボなんですよ。本当はみんなと一緒に居たいのに素直に言い出せないひねくれ者が「仕方ないなあ」なんて言い訳しつつ仲間に加わる、と言うような話って。
選挙事務所の「お前はすげぇ」の場面は大好きです。大好物でへらへらしながら見てます。
ウォルター=きりやんは、30日に見たときにやっぱり上手いなあと。前方席で見ると繊細な表現力が際立つよね。暗い瞳、台詞や演技の端々にやるせなさがにじみ出て、見ていて切なくなった。
対するミック=さららんは、そんなウォルターの複雑な心境をわかっていなくて、でもウォルターを助けたくて闇雲にぶつかっていく姿が愛しいです。いや、さららんの最後の役、集大成としてありだと思う(さららんには甘い私)。
最後、踊りに入る時、ウォルターがしゃがんでいるミックに手を差し伸べミックがその手を取ってひょいと立ち上がるのが好きだ。さららんの退団を前提に見ている見方は、邪道かとは知りつつ。
あと芝居でも「すげえや!」をパトリックに駄目出しされるもりえちゃん(役名調べてない)も好きです。選挙応援をやめなければならないと切り出しいきなり深刻芝居に持っていく龍真咲くんもすげぇやと思います。
楽はいろいろあって行けませんでしたが、やっぱりさららんを見送りたかったなあ。ちょっと悔いが残るなあ。
東宝も1回くらい行っちゃおうかなあ、と思う今日この頃(予定は未定)。