花バウ『Young Bloods!! 』初日観て参りました。
先週はらんとむで今週はそのか、何しにきたんだと友人知人には言われましたが、いいじゃないですか主演バウを見てみたい程度には二人とも好きなんですよ。
で。
えらいものを見ました。
1幕が終ってまず第一声「……すごいもんを見た」。
実は臆病者なヘタレ武蔵がタイムスリップして現代の高校に!とゆー半笑いな設定は、作品全体のとんでもなさに比べれば小さい小さい。そう、雪ベルばらのペガちゃんがものすげー脚本の前にはかすんでしまうように。
よくこれを実際に舞台に上げた、勇者だなサイトー君。
【第1幕−青春花模様−花の武蔵!!】
えらく可愛い声の開幕アナウンスにびびりつつ、第1幕。
佐々木小次郎=日向燦に続いて、主人公・宮本武蔵=桐生園加登場。何故か後ろを向いたままぼやく武蔵……の声が聞き取れません。初日とは言え、頼むよ音声さん。
雷と強風で武蔵はタイムスリップ、舞台は現代日本へ。
元気一杯歌い踊る高校生達、ブレザー男子とベストにミニスカートの女子に引きかけたものの、ものすげーアピールぶりに引ききれませんでした。ほんとにすごい、誰見てもアピール全開、力技できらきらしてるよ。初日からこのテンションってどうなんだ。
いや楽しいけど。これだけ出演者一同やる気満々で迎えられるとチケット代の元を取った気分になります。
ヒロイン・スー子や友人の萌子(このネーミングもどうなんだ)と出会い、何故か青春園加学園(このネーミングも…)の転校生として迎えられる武蔵。スクールウォーズだスケバン刑事だ、サムいベタベタなギャグの連続技に半笑い。た、大変だなみんな。
が。
そんな風に半笑いだった私の中途半端な態度は、コジロー君=日向燦再びにぶっとばされました。
爆笑。
すごいよコジロー君! そうか、この舞台の楽しみ方がわかったよ。君のおかげだコジロー君!(無理矢理握手)(オー! 気安くミーに触らないでクーダサイ!)
これから見る人もいるかもしれないので詳しくは書きませんが、君に完敗、君に乾杯。いや、キャラ自体が凄まじいのだけれど、いきなりトップテンションの日向氏がとにかく素晴らしい。ほんとに初日か?
そしてコジロー君のお取り巻きも素晴らしい。幕間に話していて、彼らのことをナチュラルに「ホスト部」と言ってしまいましたが、実は日向学院剣道部ですよね。試合で負けたときもいちいちキザって退場するのがたまらん。
と言う訳でコジロー君の登場からは迷い無く楽しめました。緑野さんも言ってましたが、『伊賀のカバ丸』+『うる星やつら』。それを体当たり演技で演ってる若者たち。気分は学園祭。
「つかまえてごらんなさ〜い」「うふふ」「あはは」を舞台で生で見るとは思いませんでした。しかも2回も。
他のキャストで素晴らしかったのはジュリ=花野じゅりあ。すごいです。超古典的なスケバンがぴったりはまってます。迫力で怖いです。そしてどうしても男役の女装に見えてしまうのは何故。
しかも上手い。調子はずれの転校生・武蔵によって素直に変わっていくツッパリ少女をギャグで終らせない。何だよいい子じゃん切ないじゃんかよー。
ヒロイン・スー子は澪乃せいら。剣道部主将で生徒会長、ストレートヘアのお約束キャラ。つかこの話お約束キャラしかいませんが。
なのに、武蔵とスー子の別れはしんみり来てしまった……。実は上手いのかな。それとも体当たりの熱演ゆえか。
あまりにもみんなアピール全開ではじけまくっていたので、ふつーに演じているそのかが地味でした。主人公なのに。
特に最初は緊張していっぱいいっぱいなのが伝わって、手に汗握りました。でもさすがにまわりがこれだけ暴走していれば、だんだんほぐれて来るわな。
そしてラストは武蔵=そのかが不思議といい男に見えてきたり。
スー子とのやりとりとか。穏やかな笑顔でスー子の思いを受け止める姿が、こんな馬鹿話なのにうっかりじーんときた。
「愛しき人よ」とか「サヨナラは言わない」とか、「私が勝ったら行かせない!」とか、どっかで聞いたような見たような台詞、シチュエーション満載ではありましたが。もうどこまで狙ってるんだかわからん。そして立ち回りは無駄に格好いい。
さすがサイトー君クオリティ。
【第2幕−青春花模様−絢爛SONOKA祭!!】
開幕アナウンスに場内爆笑。そ、そうか、やっぱりおかしいんだこのタイトル。
2幕はショー。今時の曲とかも使っているようですがその辺には疎いのでよくわかりません。
【1st Ave.「Young Bloods!」】
セーラー男女。この衣装をバウで見るのは2度目なんですけど。しかも今回は娘役はちゃんと赤だ。
主役らしくひとしきりモブの皆さんが踊ってから、そのか登場。衣装も特別、ビロードっぽい布の変形セーラーと言うか。いや、同じ衣装でなくて良かったよな……。
【2nd Ave.「海の女王は君だ!」】
『王家』の女官の衣装です。ボレロっぽい薄物を上から着ているけど、髪型は全員ドレッドのおかっぱだし。美女選びのノリでプラカードを持って踊り狂います。プラカードは各自の愛称らしい、と言うかとても手作りくさい。やはり学園祭。
そして出演者全員美女です。男役も含めて全員、アラビアンな衣装のそのかに迫りまくります。最後に選ばれたのはサンコンもとい日向燦氏だったような。
……サイトー君は星組好きなんだろうか。私でも時々デジャヴ起こして余計なことを考えたぞ。サイトー君本人はどう考えてるのか知らんけど。
【3rd Ave.「トワイライトゾーン」】
いきなり夜明けのスキャット歌われても。
スーツです。ほっとします。やっぱりそのかはこういう格好の方が似合う。
赤いスーツ姿のじゅりあ嬢がやはり男役の女装に見えてしまうのは何故なんだ。おかげでキスシーンは見ていて困ったことに。いや格好良かったですが。主役クラスじゃないとあまりキスシーンとかやる機会がないじゃないですか。それにしては様になってたなあと。
【4th Ave.「爆走SONOKA!!」】
イマドキっぽい格好(笑)のダンスシーン。センターはそのか&舞城のどか嬢と、祐澄しゅん氏&遼かぐら嬢。それにカワイコちゃんキャラとして澪乃せいら嬢が絡む。
主役ペアより祐澄&かぐらペアが目立つのは、そのかが目深に被ったキャップで顔が見えないせいでもしゅん氏の銀色ギラギラのジャケットのせいでもなく、遼かぐら嬢のせいだと思います。スリットの入ったロングドレスでガシガシ踊る姿がめちゃ男前で格好いい。
どこのおねーさまかと思ったら、その後のメンバー紹介で3番目に紹介されてびびる。そんなに下級生か! 紹介されてロングドレスのまま側転、網タイツの美脚だけでなくパンツまで丸見えで更にびびる。すげーこの娘。
紹介されてのアピールはいちいち芸達者だったり凝っていたり、みんな全力投球で楽しかったです。
【5th Ave.「海に消えた恋人」】
白い衣装の男女がバレエっぽい振付けで踊る、正統派タカラヅカな世界。ちょっとほっとしたり(苦笑)。
そのかはのどかちゃんと踊ってました。ここはさすがに格好いい。
【6th Ave.「海に消えた恋人」】
「青春アミーゴ」は男二人で歌うべき歌ではないのかと言って緑野さんに笑われました。男役はスーツ、娘役もシックなドレスで比較的シリアスな場面。
そしてこのショーの白眉「銀の龍の背に乗って」。
中島みゆきの歌にのせて、そのかにメンバーがひとりずつ絡み、別れを惜しむように去っていく。そして最後、舞台にただひとり残るそのか。
ここはキます。いい場面だし、組替えとか頭をよぎると余計に。
それでも日向氏が眉間に皺を寄せ切なげに絡む姿にはつい噴き出しましたが(失礼)。だって1幕の印象が強すぎてさー。
最後はまたセーラー服に戻って明るくダンス。曲は「横浜ベイスターズのテーマ」。
あ、緑野さん、私プロ野球オタクじゃないから。1998年に横浜を生活圏としていた人間の端くれとしてあの常軌を逸したお祭り騒ぎを覚えているだけですから。そんなこと言ったら本当にプロ野球を愛するオタクの皆様に失礼。自分が興味の無いことを他人が知っているとすぐオタク扱いするのはやめましょう(笑)。
しかしこの選曲、公私混同そこまでするかと笑いました。『歌劇』の新年挨拶でサイトー君がベイへの愛を熱く語っていたのを読んだだけに、すげーなあと。つか、関西圏で野球使うんだったら普通阪神じゃないのか? 野球にも阪神にも何の興味も無い緑野さんはともかく、一般的にはケンカ売ってることになるんじゃないか? そしてわざわざ水兵さんを出したのは港つながりでこの曲を使いたかったからじゃないかと勘繰ってみたり。
いや、面白かったですよ。少なくとも料金分は楽しんだ。
でも「桐生園加主演バウ」として、これはどうだったんだろう。
そのかは、笑顔よりも真顔の方が映える男役だと思う。誰もが着目したのが博多座『マラケシュ』のアリ、そして『エンレビュ』の猛獣使いだというのが、それを象徴している。
若いけれどきらきらしたアイドルではない、危険な色気のある男が似合う。
その辺の魅力が、今回あまり活かされていないような気がする。
芝居は、まあ仕方ないっちゃ仕方ない。先行の月バウは見ていないけれど、荒筋や評判を聞くと、このワークショップシリーズの芝居には多くを期待してはいけないんだろう。それでも、後半のじゅりあ嬢やせいらちゃんと二人の場面の方がいい男に見えたことを考えると、こんな体当たりギャグ芝居でなくもう少しまともな方がそのかには合っているだろうと思うけれど。
ショーも、良かったのはハードボイルド風味のスーツの場面と、「銀の龍」の切なく色気のある別れのシーン。後はダンサーとしての力を発揮できる正統派のデュエットダンス。
そういうのを、もっと見たかった。
あと、歌わせすぎ!
こんなに踊りながら歌わせなくても。ダンサーなんだから。歌うときは立ち止まって、そしてそのかが踊っている間は誰か他の人に歌わせて。それができていた「銀の龍」は良かったじゃん。
ワークショップだから苦手分野にも挑戦、体力の限界にも挑戦、という考え方もあるかもしれないけど、でもせっかくの主演バウなんだから。今までも何度も主演したとかって人ではないんだから、貴重な機会なんだから。魅力を最大限に活かした演目で見たかったよ。
まあ、それは今更言っても仕方の無いことで。
初日は、初めての膨大な台詞膨大な歌膨大な出番にいっぱいいっぱいだったそのかが、回をこなすごとに余裕が出てくることを願っているし、信じています。
大丈夫、君の舞台人としての魅力はこんなもんじゃない。がんばれそのか、負けるなそのか。
私は1回しか見ないけれど、今後も見に行く緑野さんの報告を楽しみにしつつ、エールを送ります。
先週はらんとむで今週はそのか、何しにきたんだと友人知人には言われましたが、いいじゃないですか主演バウを見てみたい程度には二人とも好きなんですよ。
で。
えらいものを見ました。
1幕が終ってまず第一声「……すごいもんを見た」。
実は臆病者なヘタレ武蔵がタイムスリップして現代の高校に!とゆー半笑いな設定は、作品全体のとんでもなさに比べれば小さい小さい。そう、雪ベルばらのペガちゃんがものすげー脚本の前にはかすんでしまうように。
よくこれを実際に舞台に上げた、勇者だなサイトー君。
【第1幕−青春花模様−花の武蔵!!】
えらく可愛い声の開幕アナウンスにびびりつつ、第1幕。
佐々木小次郎=日向燦に続いて、主人公・宮本武蔵=桐生園加登場。何故か後ろを向いたままぼやく武蔵……の声が聞き取れません。初日とは言え、頼むよ音声さん。
雷と強風で武蔵はタイムスリップ、舞台は現代日本へ。
元気一杯歌い踊る高校生達、ブレザー男子とベストにミニスカートの女子に引きかけたものの、ものすげーアピールぶりに引ききれませんでした。ほんとにすごい、誰見てもアピール全開、力技できらきらしてるよ。初日からこのテンションってどうなんだ。
いや楽しいけど。これだけ出演者一同やる気満々で迎えられるとチケット代の元を取った気分になります。
ヒロイン・スー子や友人の萌子(このネーミングもどうなんだ)と出会い、何故か青春園加学園(このネーミングも…)の転校生として迎えられる武蔵。スクールウォーズだスケバン刑事だ、サムいベタベタなギャグの連続技に半笑い。た、大変だなみんな。
が。
そんな風に半笑いだった私の中途半端な態度は、コジロー君=日向燦再びにぶっとばされました。
爆笑。
すごいよコジロー君! そうか、この舞台の楽しみ方がわかったよ。君のおかげだコジロー君!(無理矢理握手)(オー! 気安くミーに触らないでクーダサイ!)
これから見る人もいるかもしれないので詳しくは書きませんが、君に完敗、君に乾杯。いや、キャラ自体が凄まじいのだけれど、いきなりトップテンションの日向氏がとにかく素晴らしい。ほんとに初日か?
そしてコジロー君のお取り巻きも素晴らしい。幕間に話していて、彼らのことをナチュラルに「ホスト部」と言ってしまいましたが、実は日向学院剣道部ですよね。試合で負けたときもいちいちキザって退場するのがたまらん。
と言う訳でコジロー君の登場からは迷い無く楽しめました。緑野さんも言ってましたが、『伊賀のカバ丸』+『うる星やつら』。それを体当たり演技で演ってる若者たち。気分は学園祭。
「つかまえてごらんなさ〜い」「うふふ」「あはは」を舞台で生で見るとは思いませんでした。しかも2回も。
他のキャストで素晴らしかったのはジュリ=花野じゅりあ。すごいです。超古典的なスケバンがぴったりはまってます。迫力で怖いです。そしてどうしても男役の女装に見えてしまうのは何故。
しかも上手い。調子はずれの転校生・武蔵によって素直に変わっていくツッパリ少女をギャグで終らせない。何だよいい子じゃん切ないじゃんかよー。
ヒロイン・スー子は澪乃せいら。剣道部主将で生徒会長、ストレートヘアのお約束キャラ。つかこの話お約束キャラしかいませんが。
なのに、武蔵とスー子の別れはしんみり来てしまった……。実は上手いのかな。それとも体当たりの熱演ゆえか。
あまりにもみんなアピール全開ではじけまくっていたので、ふつーに演じているそのかが地味でした。主人公なのに。
特に最初は緊張していっぱいいっぱいなのが伝わって、手に汗握りました。でもさすがにまわりがこれだけ暴走していれば、だんだんほぐれて来るわな。
そしてラストは武蔵=そのかが不思議といい男に見えてきたり。
スー子とのやりとりとか。穏やかな笑顔でスー子の思いを受け止める姿が、こんな馬鹿話なのにうっかりじーんときた。
「愛しき人よ」とか「サヨナラは言わない」とか、「私が勝ったら行かせない!」とか、どっかで聞いたような見たような台詞、シチュエーション満載ではありましたが。もうどこまで狙ってるんだかわからん。そして立ち回りは無駄に格好いい。
さすがサイトー君クオリティ。
【第2幕−青春花模様−絢爛SONOKA祭!!】
開幕アナウンスに場内爆笑。そ、そうか、やっぱりおかしいんだこのタイトル。
2幕はショー。今時の曲とかも使っているようですがその辺には疎いのでよくわかりません。
【1st Ave.「Young Bloods!」】
セーラー男女。この衣装をバウで見るのは2度目なんですけど。しかも今回は娘役はちゃんと赤だ。
主役らしくひとしきりモブの皆さんが踊ってから、そのか登場。衣装も特別、ビロードっぽい布の変形セーラーと言うか。いや、同じ衣装でなくて良かったよな……。
【2nd Ave.「海の女王は君だ!」】
『王家』の女官の衣装です。ボレロっぽい薄物を上から着ているけど、髪型は全員ドレッドのおかっぱだし。美女選びのノリでプラカードを持って踊り狂います。プラカードは各自の愛称らしい、と言うかとても手作りくさい。やはり学園祭。
そして出演者全員美女です。男役も含めて全員、アラビアンな衣装のそのかに迫りまくります。最後に選ばれたのはサンコンもとい日向燦氏だったような。
……サイトー君は星組好きなんだろうか。私でも時々デジャヴ起こして余計なことを考えたぞ。サイトー君本人はどう考えてるのか知らんけど。
【3rd Ave.「トワイライトゾーン」】
いきなり夜明けのスキャット歌われても。
スーツです。ほっとします。やっぱりそのかはこういう格好の方が似合う。
赤いスーツ姿のじゅりあ嬢がやはり男役の女装に見えてしまうのは何故なんだ。おかげでキスシーンは見ていて困ったことに。いや格好良かったですが。主役クラスじゃないとあまりキスシーンとかやる機会がないじゃないですか。それにしては様になってたなあと。
【4th Ave.「爆走SONOKA!!」】
イマドキっぽい格好(笑)のダンスシーン。センターはそのか&舞城のどか嬢と、祐澄しゅん氏&遼かぐら嬢。それにカワイコちゃんキャラとして澪乃せいら嬢が絡む。
主役ペアより祐澄&かぐらペアが目立つのは、そのかが目深に被ったキャップで顔が見えないせいでもしゅん氏の銀色ギラギラのジャケットのせいでもなく、遼かぐら嬢のせいだと思います。スリットの入ったロングドレスでガシガシ踊る姿がめちゃ男前で格好いい。
どこのおねーさまかと思ったら、その後のメンバー紹介で3番目に紹介されてびびる。そんなに下級生か! 紹介されてロングドレスのまま側転、網タイツの美脚だけでなくパンツまで丸見えで更にびびる。すげーこの娘。
紹介されてのアピールはいちいち芸達者だったり凝っていたり、みんな全力投球で楽しかったです。
【5th Ave.「海に消えた恋人」】
白い衣装の男女がバレエっぽい振付けで踊る、正統派タカラヅカな世界。ちょっとほっとしたり(苦笑)。
そのかはのどかちゃんと踊ってました。ここはさすがに格好いい。
【6th Ave.「海に消えた恋人」】
「青春アミーゴ」は男二人で歌うべき歌ではないのかと言って緑野さんに笑われました。男役はスーツ、娘役もシックなドレスで比較的シリアスな場面。
そしてこのショーの白眉「銀の龍の背に乗って」。
中島みゆきの歌にのせて、そのかにメンバーがひとりずつ絡み、別れを惜しむように去っていく。そして最後、舞台にただひとり残るそのか。
ここはキます。いい場面だし、組替えとか頭をよぎると余計に。
それでも日向氏が眉間に皺を寄せ切なげに絡む姿にはつい噴き出しましたが(失礼)。だって1幕の印象が強すぎてさー。
最後はまたセーラー服に戻って明るくダンス。曲は「横浜ベイスターズのテーマ」。
あ、緑野さん、私プロ野球オタクじゃないから。1998年に横浜を生活圏としていた人間の端くれとしてあの常軌を逸したお祭り騒ぎを覚えているだけですから。そんなこと言ったら本当にプロ野球を愛するオタクの皆様に失礼。自分が興味の無いことを他人が知っているとすぐオタク扱いするのはやめましょう(笑)。
しかしこの選曲、公私混同そこまでするかと笑いました。『歌劇』の新年挨拶でサイトー君がベイへの愛を熱く語っていたのを読んだだけに、すげーなあと。つか、関西圏で野球使うんだったら普通阪神じゃないのか? 野球にも阪神にも何の興味も無い緑野さんはともかく、一般的にはケンカ売ってることになるんじゃないか? そしてわざわざ水兵さんを出したのは港つながりでこの曲を使いたかったからじゃないかと勘繰ってみたり。
いや、面白かったですよ。少なくとも料金分は楽しんだ。
でも「桐生園加主演バウ」として、これはどうだったんだろう。
そのかは、笑顔よりも真顔の方が映える男役だと思う。誰もが着目したのが博多座『マラケシュ』のアリ、そして『エンレビュ』の猛獣使いだというのが、それを象徴している。
若いけれどきらきらしたアイドルではない、危険な色気のある男が似合う。
その辺の魅力が、今回あまり活かされていないような気がする。
芝居は、まあ仕方ないっちゃ仕方ない。先行の月バウは見ていないけれど、荒筋や評判を聞くと、このワークショップシリーズの芝居には多くを期待してはいけないんだろう。それでも、後半のじゅりあ嬢やせいらちゃんと二人の場面の方がいい男に見えたことを考えると、こんな体当たりギャグ芝居でなくもう少しまともな方がそのかには合っているだろうと思うけれど。
ショーも、良かったのはハードボイルド風味のスーツの場面と、「銀の龍」の切なく色気のある別れのシーン。後はダンサーとしての力を発揮できる正統派のデュエットダンス。
そういうのを、もっと見たかった。
あと、歌わせすぎ!
こんなに踊りながら歌わせなくても。ダンサーなんだから。歌うときは立ち止まって、そしてそのかが踊っている間は誰か他の人に歌わせて。それができていた「銀の龍」は良かったじゃん。
ワークショップだから苦手分野にも挑戦、体力の限界にも挑戦、という考え方もあるかもしれないけど、でもせっかくの主演バウなんだから。今までも何度も主演したとかって人ではないんだから、貴重な機会なんだから。魅力を最大限に活かした演目で見たかったよ。
まあ、それは今更言っても仕方の無いことで。
初日は、初めての膨大な台詞膨大な歌膨大な出番にいっぱいいっぱいだったそのかが、回をこなすごとに余裕が出てくることを願っているし、信じています。
大丈夫、君の舞台人としての魅力はこんなもんじゃない。がんばれそのか、負けるなそのか。
私は1回しか見ないけれど、今後も見に行く緑野さんの報告を楽しみにしつつ、エールを送ります。
公演ネタには反応しておく。(公式とか歌劇とか)
2006年4月7日 宝塚誰の何のニーズも無くても出遅れてもとりあえず反応はしておく。
・星梅芸『コパカバーナ』
制作発表記事が出てました。
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=114431891725534&;genre=kouen
ワタさんのスーツがお茶会プレゼントだ(でもこの写真ではパンツが膝下丈のフェルゼン風(笑)であることはわからない)。
何だか楽しそうなのでまたチケット配分を考え直してみたり。
・星バウワークショップ『Young Bloods!!』
いつの間にかサブタイトルが決まってました。
ってきらきら星かい!
-Twinkle Twinkle STAR-、さすがにLittleは入らなかった模様(笑)。
・星バウ『フェット・アンペリアル』
公式はまだですが、『歌劇』にすずみんの役名が載ってました。
嫌味な悪役(お茶会で本人談らしい)でニールって。大野せんせ、キャンディ・キャンディ世代ですか?
と言うネタが若いサトリちゃんやパクちゃんに通じなかった罠。
・星梅芸『コパカバーナ』
制作発表記事が出てました。
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=114431891725534&;genre=kouen
ワタさんのスーツがお茶会プレゼントだ(でもこの写真ではパンツが膝下丈のフェルゼン風(笑)であることはわからない)。
何だか楽しそうなのでまたチケット配分を考え直してみたり。
・星バウワークショップ『Young Bloods!!』
いつの間にかサブタイトルが決まってました。
ってきらきら星かい!
-Twinkle Twinkle STAR-、さすがにLittleは入らなかった模様(笑)。
・星バウ『フェット・アンペリアル』
公式はまだですが、『歌劇』にすずみんの役名が載ってました。
嫌味な悪役(お茶会で本人談らしい)でニールって。大野せんせ、キャンディ・キャンディ世代ですか?
と言うネタが若いサトリちゃんやパクちゃんに通じなかった罠。
ストーリーと主な登場人物の話は前日分で書いたので、後は出演者とその他の登場人物の話を。
主要4人については簡単に。
ウルフ=春野寿美礼
テンション高くて陽気、ガラ悪くてべらんめぇ。面白いなこの人。
いや失礼、リュドヴィークやヴィットリオのイメージがあるものだから。考えてみれば私は今までショーの寿美礼ちゃん(真紅のラフレシア)や東京ブギウギのオサ様にわくわく大喜びしてたんで、この方向性は嫌いじゃないです。
あやねちゃんとはこれがお披露目とは思えないほどナチュラルにコンビでした。
アンナ=桜乃彩音
お嬢様的なイメージを持っていたのですが、体当たり演技にびっくり。最初のわがままでどうしようもない元アイドル女優として登場するところ、すげー説得力で面白かった。その後も、寂しくてあがいていたけれどそれを高飛車でわがままな態度でしか表すことの出来なかった彼女が、ウルフの愛や色々な人と出会いで成長し、素直に、強くなる姿が納得できました。可愛い。心配されていた歌も上手くなってるんじゃないでしょうか。
レオナード=彩吹真央
格好よかった。いつになく格好よかった。とか言ったら「いつも格好いいわよ!」ってnanakoさんに怒られそうだけど(ごめん)。
プロローグのダンスシーン、オサ、まとぶが踊っているところにあとからセンターに現れるのだけれど、二人が割とラフなガラの悪そうな格好なのに対して、ゆみこ氏はタイにベストにジャケットなのですよ。その品の良さそうな感じが何とも良いです。あとはシャツ姿。シャツとズボンだけの何てこと無い服装が格好良かった。男役としてのスタイルの良さが映えるなあと。
オーランド=真飛聖
持ち味に合った役でよかったなあと。王子様も出来るがチンピラも似合う(笑)。やや浅黒い顔色も似合ってた。
歌が劇的に上手くなっていたと思います。おさゆみと三重唱で聞き劣りしない、負けてない! あとシモーヌ=千雅さんとの幻想のタンゴも良かった。素敵だった。
まとぶんに対してはどうしても「転校していったあの子元気かなあ」モードになってしまいます。もうそんな心配は要らないことは頭ではわかっているのですけども。
あとは、個人的に印象に残った人々を。
コンスタンチン=華形ひかる、アドルフ=望月理世
みつる&りせのヘタレオタク青年コンビが可愛くて仕方ありません。
いや、何人かの人に「みつる見に来たんですか」って言われましたけど。確かにやる気と華があるかわいこちゃんは好きですけど(技術は重視しないらしい)。それにしても今回のこの二人は可愛かった。
最初、アンナにアタックするウルフを「ガンバレ!」とばかりに二人でこぶし握って応援する姿がもう、キミら男子高校生かってなもんで(どう見ても二人よりはるかに大人の男なのにタメな感じで答えるウルフも面白いけど)。コンスタンチンの書いた原稿をウェブで公開するためにアドルフの部屋に持ってくるときの「手書き?(呆)」とかもおかしい。つか、部屋でつるんでいる姿が犬コロ2匹と言う感じで、いいコンビだ。
最後にはパソコンを使えるようになって得意そうなコンスタンチンがまた可愛いです。もしゃもしゃふわふわの頭(これがまた可愛い)をぐりぐり撫でたくなる(でも今時手書き原稿は貴重なので価値が出そうで、それはそれで良いと思うけど)。
メリッサ=鈴懸三由岐
コンスタンチンの妻。作家夫婦だけれど、一作ヒット以来鳴かず飛ばずでうだうだしている夫に愛想をつかして別居中。なのに同じホテルに滞在し毎日顔をあわせては文句ばかり言っている。
実はまだ思いがあるのが伝わってきます。まだ好きだからこそ、へたれてうじうじぐだぐだしている夫が許せなくてイライラするんだよね。
コンスタンチンが編集者に会うと決まったときの、てきぱきした世話焼きっぷりが素敵でした。年下夫に姉さん女房だけど、ちゃんと夫婦に見える。黒髪ショートに黒塗りで、しっかり者の知的美人でした。
ところで、多分二人のエッセイの映像化に当たって役者としてアンナを推薦するのでしょうが、もしかしてメリッサ役なのでしょうか。それはさすがに夢見すぎと思われないだろうか(苦笑)。
シモーヌ=千雅てる子、ゴーチェ=夏美よう、アマンダ=梨花ますみ
専科さん&上級生のみなさま。
シモーヌはしっかり者の、でも過去の恋に生き続けるロマンチシズムを胸に秘めたマダムで、品良く素敵でした。TV局への対応とかもう少しこの人がどう行動するか見せてくれても良かったけど。
ゴーチェははっちさんにはよくある、やばい組織のボス。ウルフを苛立たせる慇懃で飄々とした態度とか、シモーヌに「マドモアゼル」と呼びかけてぽっとなられるところとか、流石でした。ここはシモーヌも可愛い。
アマンダは、自称、世界中で有名な歌手。が、歌は下手……。この人も何かありそうで説明不足だったなあ。梨花さんは怪演気味だけど、シモーヌとのお友達感覚は出ていて、良かったです。
パンフ買ってないから誰だかわからないのですが、アマンダの若い彼氏二人がそれぞれいい味出してた。ヨーロッパのどっかで拾ってきたと思しきにこにこしてるだけの黒タキ青年と、ヘッドホンにニットキャップ、空気の読めない発言の今時っぽい男の子。どちらも顔はきれいだけど頭弱そうな感じがいいです。二人とも下級生なんだろうなあ。でもどっちもちゃんと演技していて、個性の差があって面白かった。
みんな上手かったです。私の印象に残った人たち、ということで。
あ、あとバーテンの彼も気になった。誰?
主要4人については簡単に。
ウルフ=春野寿美礼
テンション高くて陽気、ガラ悪くてべらんめぇ。面白いなこの人。
いや失礼、リュドヴィークやヴィットリオのイメージがあるものだから。考えてみれば私は今までショーの寿美礼ちゃん(真紅のラフレシア)や東京ブギウギのオサ様にわくわく大喜びしてたんで、この方向性は嫌いじゃないです。
あやねちゃんとはこれがお披露目とは思えないほどナチュラルにコンビでした。
アンナ=桜乃彩音
お嬢様的なイメージを持っていたのですが、体当たり演技にびっくり。最初のわがままでどうしようもない元アイドル女優として登場するところ、すげー説得力で面白かった。その後も、寂しくてあがいていたけれどそれを高飛車でわがままな態度でしか表すことの出来なかった彼女が、ウルフの愛や色々な人と出会いで成長し、素直に、強くなる姿が納得できました。可愛い。心配されていた歌も上手くなってるんじゃないでしょうか。
レオナード=彩吹真央
格好よかった。いつになく格好よかった。とか言ったら「いつも格好いいわよ!」ってnanakoさんに怒られそうだけど(ごめん)。
プロローグのダンスシーン、オサ、まとぶが踊っているところにあとからセンターに現れるのだけれど、二人が割とラフなガラの悪そうな格好なのに対して、ゆみこ氏はタイにベストにジャケットなのですよ。その品の良さそうな感じが何とも良いです。あとはシャツ姿。シャツとズボンだけの何てこと無い服装が格好良かった。男役としてのスタイルの良さが映えるなあと。
オーランド=真飛聖
持ち味に合った役でよかったなあと。王子様も出来るがチンピラも似合う(笑)。やや浅黒い顔色も似合ってた。
歌が劇的に上手くなっていたと思います。おさゆみと三重唱で聞き劣りしない、負けてない! あとシモーヌ=千雅さんとの幻想のタンゴも良かった。素敵だった。
まとぶんに対してはどうしても「転校していったあの子元気かなあ」モードになってしまいます。もうそんな心配は要らないことは頭ではわかっているのですけども。
あとは、個人的に印象に残った人々を。
コンスタンチン=華形ひかる、アドルフ=望月理世
みつる&りせのヘタレオタク青年コンビが可愛くて仕方ありません。
いや、何人かの人に「みつる見に来たんですか」って言われましたけど。確かにやる気と華があるかわいこちゃんは好きですけど(技術は重視しないらしい)。それにしても今回のこの二人は可愛かった。
最初、アンナにアタックするウルフを「ガンバレ!」とばかりに二人でこぶし握って応援する姿がもう、キミら男子高校生かってなもんで(どう見ても二人よりはるかに大人の男なのにタメな感じで答えるウルフも面白いけど)。コンスタンチンの書いた原稿をウェブで公開するためにアドルフの部屋に持ってくるときの「手書き?(呆)」とかもおかしい。つか、部屋でつるんでいる姿が犬コロ2匹と言う感じで、いいコンビだ。
最後にはパソコンを使えるようになって得意そうなコンスタンチンがまた可愛いです。もしゃもしゃふわふわの頭(これがまた可愛い)をぐりぐり撫でたくなる(でも今時手書き原稿は貴重なので価値が出そうで、それはそれで良いと思うけど)。
メリッサ=鈴懸三由岐
コンスタンチンの妻。作家夫婦だけれど、一作ヒット以来鳴かず飛ばずでうだうだしている夫に愛想をつかして別居中。なのに同じホテルに滞在し毎日顔をあわせては文句ばかり言っている。
実はまだ思いがあるのが伝わってきます。まだ好きだからこそ、へたれてうじうじぐだぐだしている夫が許せなくてイライラするんだよね。
コンスタンチンが編集者に会うと決まったときの、てきぱきした世話焼きっぷりが素敵でした。年下夫に姉さん女房だけど、ちゃんと夫婦に見える。黒髪ショートに黒塗りで、しっかり者の知的美人でした。
ところで、多分二人のエッセイの映像化に当たって役者としてアンナを推薦するのでしょうが、もしかしてメリッサ役なのでしょうか。それはさすがに夢見すぎと思われないだろうか(苦笑)。
シモーヌ=千雅てる子、ゴーチェ=夏美よう、アマンダ=梨花ますみ
専科さん&上級生のみなさま。
シモーヌはしっかり者の、でも過去の恋に生き続けるロマンチシズムを胸に秘めたマダムで、品良く素敵でした。TV局への対応とかもう少しこの人がどう行動するか見せてくれても良かったけど。
ゴーチェははっちさんにはよくある、やばい組織のボス。ウルフを苛立たせる慇懃で飄々とした態度とか、シモーヌに「マドモアゼル」と呼びかけてぽっとなられるところとか、流石でした。ここはシモーヌも可愛い。
アマンダは、自称、世界中で有名な歌手。が、歌は下手……。この人も何かありそうで説明不足だったなあ。梨花さんは怪演気味だけど、シモーヌとのお友達感覚は出ていて、良かったです。
パンフ買ってないから誰だかわからないのですが、アマンダの若い彼氏二人がそれぞれいい味出してた。ヨーロッパのどっかで拾ってきたと思しきにこにこしてるだけの黒タキ青年と、ヘッドホンにニットキャップ、空気の読めない発言の今時っぽい男の子。どちらも顔はきれいだけど頭弱そうな感じがいいです。二人とも下級生なんだろうなあ。でもどっちもちゃんと演技していて、個性の差があって面白かった。
みんな上手かったです。私の印象に残った人たち、ということで。
あ、あとバーテンの彼も気になった。誰?
『Appartement Cinema』nanakoさんが遠征してくるのにあわせて、4/4の18時公演観て参りました。
なかなか面白かった。うん、私この話好きです。
ロマンチックで、幸せで、切ない。スカスカで穴だらけだし突っ込みどころも多いけれど、十分楽しめました。都合が合えばもう1回くらい見たいけど、ちょっと無理かな。緑野さんやnanakoさんは「2回見た方が絶対面白いから!」と口をそろえて力説するので、1回しか見ない私はこの作品の魅力を十分に理解できていないかもしれないが、まあ仕方ない。
様々な問題を抱えた人々が集うホテルを舞台にした、飄々としたとらえどころのない男・ウルフを主人公とした物語。やがて時は過ぎ、人々は少しずつ変わり、ホテルを立ち去ってゆく。
私は群像劇に弱いので、余計に評価が甘いのかも。
と言いつつ、そこそこ楽しんで見ていたのがいきなり(精神的に)前のめりになったのは、ウルフがアンナに恋をした理由を語るくだりでした。
気まぐれに入った映画館で、スクリーンの中のアンナに目を奪われたウルフ。彼女がきらきらと輝いていて、きれいで、見ているうちに子供の頃失くした大切なものを思い出したような、取り戻したような気持ちになったウルフ。それはおそらく生命の輝き、人生の美しいものの象徴。
……わかる、そーゆーのすげーよくわかるよ!(何を勝手に盛り上がってるんだ)
ちなみに、ここでこういう感情移入の仕方をしたことで、やはりオサ様の演じるキャラって私にとって恋愛対象にはなりえないんだなとも思ったのですが(苦笑)。共感、と言うか身につまされる感じだな。
閑話休題。
そういうことなら、たまたまホテルで出会ったアンナを放っておけないのもわかる。ウルフにとってきらきらした美しいものの象徴だった彼女が、その輝きを曇らせて煮詰まってあがいていたら、何とかしてやりたくなるよね。
ずーっとちょっかいかけまくって本気か冗談かわからない口説き方をしていたウルフが、彼女が本当に落ち込んだときにまじめなやさしさを見せるのが、納得。
しかし。
それでも、ウルフって身勝手な男だなあと(苦笑)。
自分は余命いくばくもないことを知っていながら、アンナと恋に落ち、アンナを愛し、彼女との間に子をもうけ。
アンナを残していくことについて、あまり悩んでなさそうなあたりが何とも。ほら、普通不治の病の主人公は、愛する女性と父親を知らない子供を残していくとなったら、苦悩するじゃないですか。彼女を不幸にして重荷を背負わせてしまったのではないかと苦しむじゃないですか。
ウルフにはそれがない。ただ、人生の最後に人を愛することが出来た幸せを享受して。
……やっぱり、人を愛することに向いてない男じゃないかと思うよ。少なくとも、誰かを生涯愛し続ける誠実な夫であることには向いてない。
ま、本人も言ってるけど。「猫のように気まぐれな男」って。
でも、憎めない。
彼があまりにも幸せそうなので。
ホテルのみんなに祝福されての結婚式。アンナとの蜜月。旧友との再会と友情の確認。
つかの間の、しかし極上の幸福。
この数ヶ月は、彼にとってまさに「薔薇色の人生」なのだと思う。
そして、逆説的だけど、その純粋な混じりけのない幸福は、短いからこそ成り立つものなんだろう。ずっと一緒にいれば相手の嫌な面も見えてくるし、色々と厄介な現実的な問題も降りかかってくる(「買い物とかどうするんだ?」fromスカウト)。
幸福の最良の部分、美味しいところだけ味わってするりと逃げてしまった男。
やっぱり身勝手。でも憎めない。陽だまりの中膝の上でごろごろなついていた猫が、不意にいなくなっても憎めないのと同じで。
アンナもわかっていたんじゃないかと思う。ウルフがそういう男だって。
そりゃ、最初は自分を守ってくれる相手、大人の男だと思っただろうけど。でも、最後の別れを予感したような、でもウルフの嘘にあわせるやりとりと、ウルフが消えた後の理解と強さをたたえた表情を見て、そんな気がした。
別れの夜のやりとりは切ない。
1幕と同じデュエットなのだけれど、これから結ばれる二人と、幸福の終わりを予感している二人の差が。そして、守れないことがわかっている約束を優しく囁く男と、その嘘を受け止めるしかない女が、無茶苦茶切ない。
でも、ウルフと言う男を愛すると言うのは、そういうことだったんだろうと思う。
同じ花組公演のせいか、春野寿美礼演じる主人公のせいか。私にはこの物語に『マラケシュ』との類似を見ていました。
どこか浮世離れした男と、彼に関わる人々。彼らはそれぞれの思いで男との物語を紡ぎ、しかし男は最後一人世界から去っていく。
主人公・ウルフに関わる主な人物は3人。ヒロイン・アンナと、弟分・オーランド。そして、ウルフの過去に関わりのある男レオナード。
このオーランドがまた泣かせるのだわ。
一途に兄貴を慕う弟分。病気の身体を心配し、組織に追われる立場を心配し。それなのにその心配を飄々とかわすウルフがまた何とも。無神経なTV局スタッフにウルフが「人の気持ちをないがしろにして!」と怒鳴る場面があるのですが、私には憮然とした表情のオーランドの「そいつはオレの台詞だよ」という呟きが聞こえてきました(幻聴)。下手な芝居して一生懸命ごまかしてるのに自分からTVに映ってどうするよ、って。
ウルフとアンナの結婚式が、また。
二人とも幸せそうで、ホテルのみんなも楽しそうで。オーランドも一緒にはしゃいでいるのだけど。
この場面、すごく幸せな場面なんだけれど、それはつかの間なんだよね。もうすぐに終わりが近づいている、つかの間の幸せ。
そして、それがつかの間だということを、ウルフとオーランドだけが知っている。
それなのに、オーランドは笑っているのですよ。めちゃくちゃいい笑顔で。それが切ない。大切な兄貴の最後の日々、最後の幸せを心から大事にして盛り上げようという感じが、泣ける。
そして、最後。人気のないロビーで、ウルフが出て行く気配にソファから跳ね起きるオーランド。その必死の形相が、忘れられません。いや本当にいい役者になったなあ、まとぶん。
しかし、まとぶんに「若いチンピラで一途に兄貴を慕う弟分。そして少年は大人になる」なんて役をやらせるなんて稲葉氏はどんだけヅカオタなんだと思いましたが。ファンが夢見てでもベタ過ぎてありえないだろと苦笑するような超あてがきじゃないですか。
いやこの件に限らずどこかで見たようなパーツが山のようにつぎはぎされている作品で(そのあたり楽しくて心地よいけど底が浅くてぬるい)、私的にはこの演出家はヅカオタ認定です。さいとーくんはヅカオタでなくて一般的なオタク認定だけど、稲葉くんはヅカオタ(失礼な)。
更に、主要三人とウルフとの関係性が、オーランドだけ違うなあと。
アンナもレオナードも、ウルフにとっては美しいもの、守りたいもの、自分の中のきれいな部分を投影するものであると思うのです。
オーランドも多分、今まではそうだった。組織の仕事を自分が全て片付けてオーランドには手を汚させないようにしているあたり。
でも、ラスト近く、ウルフはオーランドに「絶対に何があっても生き抜け」と言う。この物語の中でも有数の強い調子で。生き抜くためにオーランドが必要な選択が何かわかっていながら。
きれいなものを託された他の二人に対して、オーランドはそうでないものも含めて、生きるということをウルフから託されたんだと思う。それが、苦しくつらいことであっても。
もう一人の主要人物、レオナード。
何というか、作品の粗を一身に背負わされた役だなあ(苦笑)。ゆみこ氏お疲れ様。でも、決して悪いキャラではないです。
ホテルにやってきた記憶喪失の男。殺し屋であったウルフの最後の、そして仕留め損ねたターゲット。
ウルフとレオナードが、夜のロビーで語り合う場面が2回ある。出て行こうとしたウルフがレオナードが記憶を失っていることを知り留まる場面と、何故ウルフが彼を殺せなかったのか打ち明ける場面。最初はお互いに探り合っている可笑しみがあり、後半はしみじみとしたやさしさと、やはり切なさがある。そしてどちらも、どこか懐かしくも現実感の無い、時の狭間の出来事のような、静かで不思議な空気が流れている。
レオナードという人物自体、どこか現実感が無くて、何だかウルフの幻想、実在しない人物のような気すらしました。
彼のやっていることは色々とアレですが。虫も殺さぬ顔でウルフを手玉に取ったりするしな(笑)。夢見る家出マダム・サラとの恋愛もどう思っているのかはっきりしないし。まあお互い家庭のある身、大人の判断と言うことで私的にはいいんですが(でもこのエピソード要るのかと言う気はした)。家族をどう思っているのかもう少しちゃんと描いてあればとは思いました。娘にはラストで言及しているけれど、妻のことはどうなんだ。また妻パトリシアがカリカチュアされた描き方なのがひっかかるし。
とは言え、そんな一貫性の見えにくい人物を、現実感は無いけれど魅力的な男に見せているのは、ゆみこ氏のキャラクタと実力であると思います。
しかしこの後彼はどうするんだ。依頼者はあきらめたのか? そうでなければウルフが手を下さなくても、彼は危険な立場のままだと思うんですが。
長くなったので、一旦切って翌日欄へ続く。
なかなか面白かった。うん、私この話好きです。
ロマンチックで、幸せで、切ない。スカスカで穴だらけだし突っ込みどころも多いけれど、十分楽しめました。都合が合えばもう1回くらい見たいけど、ちょっと無理かな。緑野さんやnanakoさんは「2回見た方が絶対面白いから!」と口をそろえて力説するので、1回しか見ない私はこの作品の魅力を十分に理解できていないかもしれないが、まあ仕方ない。
様々な問題を抱えた人々が集うホテルを舞台にした、飄々としたとらえどころのない男・ウルフを主人公とした物語。やがて時は過ぎ、人々は少しずつ変わり、ホテルを立ち去ってゆく。
私は群像劇に弱いので、余計に評価が甘いのかも。
と言いつつ、そこそこ楽しんで見ていたのがいきなり(精神的に)前のめりになったのは、ウルフがアンナに恋をした理由を語るくだりでした。
気まぐれに入った映画館で、スクリーンの中のアンナに目を奪われたウルフ。彼女がきらきらと輝いていて、きれいで、見ているうちに子供の頃失くした大切なものを思い出したような、取り戻したような気持ちになったウルフ。それはおそらく生命の輝き、人生の美しいものの象徴。
……わかる、そーゆーのすげーよくわかるよ!(何を勝手に盛り上がってるんだ)
ちなみに、ここでこういう感情移入の仕方をしたことで、やはりオサ様の演じるキャラって私にとって恋愛対象にはなりえないんだなとも思ったのですが(苦笑)。共感、と言うか身につまされる感じだな。
閑話休題。
そういうことなら、たまたまホテルで出会ったアンナを放っておけないのもわかる。ウルフにとってきらきらした美しいものの象徴だった彼女が、その輝きを曇らせて煮詰まってあがいていたら、何とかしてやりたくなるよね。
ずーっとちょっかいかけまくって本気か冗談かわからない口説き方をしていたウルフが、彼女が本当に落ち込んだときにまじめなやさしさを見せるのが、納得。
しかし。
それでも、ウルフって身勝手な男だなあと(苦笑)。
自分は余命いくばくもないことを知っていながら、アンナと恋に落ち、アンナを愛し、彼女との間に子をもうけ。
アンナを残していくことについて、あまり悩んでなさそうなあたりが何とも。ほら、普通不治の病の主人公は、愛する女性と父親を知らない子供を残していくとなったら、苦悩するじゃないですか。彼女を不幸にして重荷を背負わせてしまったのではないかと苦しむじゃないですか。
ウルフにはそれがない。ただ、人生の最後に人を愛することが出来た幸せを享受して。
……やっぱり、人を愛することに向いてない男じゃないかと思うよ。少なくとも、誰かを生涯愛し続ける誠実な夫であることには向いてない。
ま、本人も言ってるけど。「猫のように気まぐれな男」って。
でも、憎めない。
彼があまりにも幸せそうなので。
ホテルのみんなに祝福されての結婚式。アンナとの蜜月。旧友との再会と友情の確認。
つかの間の、しかし極上の幸福。
この数ヶ月は、彼にとってまさに「薔薇色の人生」なのだと思う。
そして、逆説的だけど、その純粋な混じりけのない幸福は、短いからこそ成り立つものなんだろう。ずっと一緒にいれば相手の嫌な面も見えてくるし、色々と厄介な現実的な問題も降りかかってくる(「買い物とかどうするんだ?」fromスカウト)。
幸福の最良の部分、美味しいところだけ味わってするりと逃げてしまった男。
やっぱり身勝手。でも憎めない。陽だまりの中膝の上でごろごろなついていた猫が、不意にいなくなっても憎めないのと同じで。
アンナもわかっていたんじゃないかと思う。ウルフがそういう男だって。
そりゃ、最初は自分を守ってくれる相手、大人の男だと思っただろうけど。でも、最後の別れを予感したような、でもウルフの嘘にあわせるやりとりと、ウルフが消えた後の理解と強さをたたえた表情を見て、そんな気がした。
別れの夜のやりとりは切ない。
1幕と同じデュエットなのだけれど、これから結ばれる二人と、幸福の終わりを予感している二人の差が。そして、守れないことがわかっている約束を優しく囁く男と、その嘘を受け止めるしかない女が、無茶苦茶切ない。
でも、ウルフと言う男を愛すると言うのは、そういうことだったんだろうと思う。
同じ花組公演のせいか、春野寿美礼演じる主人公のせいか。私にはこの物語に『マラケシュ』との類似を見ていました。
どこか浮世離れした男と、彼に関わる人々。彼らはそれぞれの思いで男との物語を紡ぎ、しかし男は最後一人世界から去っていく。
主人公・ウルフに関わる主な人物は3人。ヒロイン・アンナと、弟分・オーランド。そして、ウルフの過去に関わりのある男レオナード。
このオーランドがまた泣かせるのだわ。
一途に兄貴を慕う弟分。病気の身体を心配し、組織に追われる立場を心配し。それなのにその心配を飄々とかわすウルフがまた何とも。無神経なTV局スタッフにウルフが「人の気持ちをないがしろにして!」と怒鳴る場面があるのですが、私には憮然とした表情のオーランドの「そいつはオレの台詞だよ」という呟きが聞こえてきました(幻聴)。下手な芝居して一生懸命ごまかしてるのに自分からTVに映ってどうするよ、って。
ウルフとアンナの結婚式が、また。
二人とも幸せそうで、ホテルのみんなも楽しそうで。オーランドも一緒にはしゃいでいるのだけど。
この場面、すごく幸せな場面なんだけれど、それはつかの間なんだよね。もうすぐに終わりが近づいている、つかの間の幸せ。
そして、それがつかの間だということを、ウルフとオーランドだけが知っている。
それなのに、オーランドは笑っているのですよ。めちゃくちゃいい笑顔で。それが切ない。大切な兄貴の最後の日々、最後の幸せを心から大事にして盛り上げようという感じが、泣ける。
そして、最後。人気のないロビーで、ウルフが出て行く気配にソファから跳ね起きるオーランド。その必死の形相が、忘れられません。いや本当にいい役者になったなあ、まとぶん。
しかし、まとぶんに「若いチンピラで一途に兄貴を慕う弟分。そして少年は大人になる」なんて役をやらせるなんて稲葉氏はどんだけヅカオタなんだと思いましたが。ファンが夢見てでもベタ過ぎてありえないだろと苦笑するような超あてがきじゃないですか。
いやこの件に限らずどこかで見たようなパーツが山のようにつぎはぎされている作品で(そのあたり楽しくて心地よいけど底が浅くてぬるい)、私的にはこの演出家はヅカオタ認定です。さいとーくんはヅカオタでなくて一般的なオタク認定だけど、稲葉くんはヅカオタ(失礼な)。
更に、主要三人とウルフとの関係性が、オーランドだけ違うなあと。
アンナもレオナードも、ウルフにとっては美しいもの、守りたいもの、自分の中のきれいな部分を投影するものであると思うのです。
オーランドも多分、今まではそうだった。組織の仕事を自分が全て片付けてオーランドには手を汚させないようにしているあたり。
でも、ラスト近く、ウルフはオーランドに「絶対に何があっても生き抜け」と言う。この物語の中でも有数の強い調子で。生き抜くためにオーランドが必要な選択が何かわかっていながら。
きれいなものを託された他の二人に対して、オーランドはそうでないものも含めて、生きるということをウルフから託されたんだと思う。それが、苦しくつらいことであっても。
もう一人の主要人物、レオナード。
何というか、作品の粗を一身に背負わされた役だなあ(苦笑)。ゆみこ氏お疲れ様。でも、決して悪いキャラではないです。
ホテルにやってきた記憶喪失の男。殺し屋であったウルフの最後の、そして仕留め損ねたターゲット。
ウルフとレオナードが、夜のロビーで語り合う場面が2回ある。出て行こうとしたウルフがレオナードが記憶を失っていることを知り留まる場面と、何故ウルフが彼を殺せなかったのか打ち明ける場面。最初はお互いに探り合っている可笑しみがあり、後半はしみじみとしたやさしさと、やはり切なさがある。そしてどちらも、どこか懐かしくも現実感の無い、時の狭間の出来事のような、静かで不思議な空気が流れている。
レオナードという人物自体、どこか現実感が無くて、何だかウルフの幻想、実在しない人物のような気すらしました。
彼のやっていることは色々とアレですが。虫も殺さぬ顔でウルフを手玉に取ったりするしな(笑)。夢見る家出マダム・サラとの恋愛もどう思っているのかはっきりしないし。まあお互い家庭のある身、大人の判断と言うことで私的にはいいんですが(でもこのエピソード要るのかと言う気はした)。家族をどう思っているのかもう少しちゃんと描いてあればとは思いました。娘にはラストで言及しているけれど、妻のことはどうなんだ。また妻パトリシアがカリカチュアされた描き方なのがひっかかるし。
とは言え、そんな一貫性の見えにくい人物を、現実感は無いけれど魅力的な男に見せているのは、ゆみこ氏のキャラクタと実力であると思います。
しかしこの後彼はどうするんだ。依頼者はあきらめたのか? そうでなければウルフが手を下さなくても、彼は危険な立場のままだと思うんですが。
長くなったので、一旦切って翌日欄へ続く。
『アパ・シネ』を観て『スカウト』を思う。
2006年4月4日 宝塚まずは私信。
緑野さん、そんなこと書かれたらまっつファンの皆様から怒られるじゃないですか! 私に全国のまっつファンを敵に回せとゆーんですか。
緑野さんがあまりにまっつLOVEで可愛いから、ちょっと意地悪言ってみただけですってば。
いや、今ほんとにまっつにめろめろだからー。キャトルでも「全部かっこいー」って嬉しそー写真買ってるし。あんまりにも幸せそーで、「良かったね、お幸せに」って言っちゃいましたよ。
まっつのこともちゃんと人並みには見てますよ。ただ、群舞や無言で暗がりにうずくまっているときまでは見ていなかったり、コーラスのときに声を聞き分けたりはしない(と言うかできない)だけです。金髪美形でトート様みたいで格好良かったですってば。
あと2幕の幕開きの英語。「Ladies and gentlemen!」とか「Welcome 4th dimension party!」とか言ってるやつ。クールに決めるのがえらく格好いい。
と、私信が終ったところで。
本日『Appartement Cinema』観て来ました。
全体的な感想はいずれ書くとして、この間観た『スカウト』と比較して思ったこと。
『スカウト』が少年マンガでハリウッドムービーなら、『Appartement Cinema』は少女漫画で女性向け連ドラだなあと。で、私はどうせ宝塚を見に行くなら、少年マンガよりは少女漫画が見たいなあと。それは、例えばロマンスだったり、微細な感情の揺れだったり、切なさだったり。
作品の出来はどちらがどうなのか今ひとつ判断がつかないのですが、もう1回見たいのは『Appartement』の方かなあと。
しかし、どちらもそれなりの佳作で贔屓が出演していれば十二分に楽しく通えそうで、遠征中のnanakoさんに「いいなあ花組さんはここんとこ作品の当たりが良くて」と羨んでみたりしました。頼むよ梅芸とバウと次の大劇。
と言いつつ『スカウト』の感想もまだ書いてません。年のせいか最近一度夜更かしするとその後二、三日無理がきかなくて、どうしても週末にまとめて更新するはめになったりして。
『スカウト』は4/1分日記、『Appartement』は4/5分日記に書く予定です。一応予告。
(4/5追記。『スカウト』は済)
緑野さん、そんなこと書かれたらまっつファンの皆様から怒られるじゃないですか! 私に全国のまっつファンを敵に回せとゆーんですか。
緑野さんがあまりにまっつLOVEで可愛いから、ちょっと意地悪言ってみただけですってば。
いや、今ほんとにまっつにめろめろだからー。キャトルでも「全部かっこいー」って嬉しそー写真買ってるし。あんまりにも幸せそーで、「良かったね、お幸せに」って言っちゃいましたよ。
まっつのこともちゃんと人並みには見てますよ。ただ、群舞や無言で暗がりにうずくまっているときまでは見ていなかったり、コーラスのときに声を聞き分けたりはしない(と言うかできない)だけです。金髪美形でトート様みたいで格好良かったですってば。
あと2幕の幕開きの英語。「Ladies and gentlemen!」とか「Welcome 4th dimension party!」とか言ってるやつ。クールに決めるのがえらく格好いい。
と、私信が終ったところで。
本日『Appartement Cinema』観て来ました。
全体的な感想はいずれ書くとして、この間観た『スカウト』と比較して思ったこと。
『スカウト』が少年マンガでハリウッドムービーなら、『Appartement Cinema』は少女漫画で女性向け連ドラだなあと。で、私はどうせ宝塚を見に行くなら、少年マンガよりは少女漫画が見たいなあと。それは、例えばロマンスだったり、微細な感情の揺れだったり、切なさだったり。
作品の出来はどちらがどうなのか今ひとつ判断がつかないのですが、もう1回見たいのは『Appartement』の方かなあと。
しかし、どちらもそれなりの佳作で贔屓が出演していれば十二分に楽しく通えそうで、遠征中のnanakoさんに「いいなあ花組さんはここんとこ作品の当たりが良くて」と羨んでみたりしました。頼むよ梅芸とバウと次の大劇。
と言いつつ『スカウト』の感想もまだ書いてません。年のせいか最近一度夜更かしするとその後二、三日無理がきかなくて、どうしても週末にまとめて更新するはめになったりして。
『スカウト』は4/1分日記、『Appartement』は4/5分日記に書く予定です。一応予告。
(4/5追記。『スカウト』は済)
ベルばら祭り終了。(星組『ベルサイユのばら』千秋楽)
2006年4月2日 宝塚4/2(日)15:30公演観て参りました。
いい千秋楽でした。
記憶の範囲で書いておきますので、もし誤り等ありましたらご指摘いただけると幸いです。
アドリブ報告等をさくさくと。
・千秋楽と言うことで、開幕アナウンスから拍手。今日は全体的に拍手が大きくて暖かかったなあ。
・「ボケの花」は「ぺんぺん草」でした。シッシーナ婦人は「ペンペン?」と言って失神。ちなみに30日夜は「オニアザミ」でした。
・プランタンの後、引っ込むときのタキちゃんモンゼット。「セイセイセイ、フォー!」そして「最後だから仕方ないわね」と続けて「ハンス・アクセル・フォー!!ん・フェルゼン」。
・言われて上手のフェルゼンも控えめにポーズ。
・憮然とするオスカルにモンゼット婦人「オスカル、切れてる?」トウカルしれっと「切れてないっす」。
・そうか、そうだよなあ。ムラではユヒカルを巻き込むわけには行かなかったもんなあ(笑)。そして、そのまま何事もなかったように芝居を続けるフェルゼンとオスカルでありました。
・小石。「天下国家を憂う者が小石に躓いてどうするのだ」といつものようにマントを翻し先に行く柚ドレ……が、コケた。
・見下ろして「お前こそ」とトウカル。「行くぞ」に対して「待てー!」と柚ドレ。
・あまりに迫真のコケ方だったので、本気で転んだのかと思いました。
・ざーます。モンゼット婦人「イナバウアー!」オスカル親衛隊全員で。
・「それでは私たちは」とシッシーナ婦人「浅田真央!」とこちらもフェルゼン親衛隊全員でポーズ。
・村の男女。これ見よがしに持ってきたジャガイモを落としておっとっとと拾う、のは前にも見ましたが、顔を上げたみらんくんの前髪がコボちゃんだった!(眉毛のはるか上一直線)
・そしてそのちょっと足りない坊ちゃん的風貌で、人の話を聞くときは間抜け面で指をくわえたりしているぞ。
・上手ではあかしが物珍しそうにジェローデルの周りをうろうろ。匂いでもかいでるのかってくらい近づいております。
・何気に天緒っちも後ろ一本ひとつつつくりが飛び出している妙な髪形をしていたのですが、みらんの前では地味でした。
・この中で真顔で芝居をしていたフェルゼンとジェローデル、お疲れ様でした(苦笑)。
・小雨の淑女は金髪ショートボブ。やっぱりこれが一番カワイイよねー。
・薔薇タン。髪型がいつにもましてやりたい放題。つか、みらんくんのトサカ頭はなにごと!(みんな結構派手だけど突出してるよ)
・掛け声「星組サイコー!」は聞き取れた。客席も同感の大拍手。
・その後、みんなで一言ずつつなげているのだけれど聞き取れず。あまり複雑なことをされてもわかりませんってばー。最後の方、多分「拍手」「ありがとう」だと思いますが、ここで再び拍手。
・トウコさん最後に「雪組でもアンドレぃヨロシクぅ!」拍手拍手。
・オマージュの最後、ワタさんがいつもしないところで一礼してました。
ご挨拶を覚えている範囲で。
・組長。専科さんをご紹介し、全国ツアー、韓国公演、大劇場公演を経てこれが本当の千秋楽です。
・ワタさんの退団発表に触れ、でもまだ先のことです、と。
・そして、今後の予定。色々ありますが全部説明。出演者はシャンシャンを上げてアピールするように言ってました。
・すずみんの外部出演、エンカレ、すずみんディナーショー、ダンスリサイタル、トウコさん雪特出(「薔薇タンで言ったからもういいですか」と言われてトウコさんが「ちゃんと言ってくださいよー」と返してました)、れおんバウワークショップ、しぃちゃんバウ、梅芸。全部カンペ無し。
・何度も紹介されてやる気満々な顔のすずみんがツボ(笑)。
・これからいい季節ですから、旅行もかねて梅田や宝塚にお越しください、と〆。
・ワタさん。1階のみなさま、2階のみなさま、そして立見のみなさま、と感謝を述べて。別れは寂しいですが出会いがあるから別れがある、出会いは別れより何十倍も何百倍も素晴らしいことだから、出会ってよかったのだというようなことを。そして、再度銀橋パレード。
・……そういう話はまだ早いよ。いや、ベルサイユのばらと言う作品、フェルゼンという役に対して言っていた訳ではあるのですが。
・カーテンコール1回目。いま満開の桜もいつかは散ってしまいますが、皆様の心に咲いたベルサイユのばらと言う作品の花はいつまでも咲き続けることでしょう。というようなこと。
・カーテンコール2回目。客席スタンディング。無事千秋楽を迎えられたことを祝して、ご一緒に万歳三唱を、と。ええ、やりましたよ万歳三唱。舞台と客席一緒に祝えたことが嬉しいと思いつつ、ありえねーと呟く私(笑)。
・もう1回カーテンコール。さすがにワタさん「みなさまも疲れましたよね?」とオケピに。「また色々な劇場でお会いしましょう!」の言葉に、今度は演奏は無しで、幕。
あれ、もう1回くらいカーテンコールがあったような気が。最初の方を端折ってしまったかもしれません(出会いがあるから別れが、は2回目だったかも)。
出もギャラリーしてきました。やや雨模様。
ワタさんは、黒のスーツで男前。車に乗るとき投げキス、嬌声が起こってました。
しぃちゃんも黒のスーツに白いブラウス。多分お茶会プレゼントのスーツ。そしてスーツの襟に白薔薇のコサージュ。
すずみんは黒のコートに白キャスケット。
となみちゃんは白の上着に花模様?のスカート。帽子なしでにこにこと。
ここまでは特にイベントがなかった、又は聞き取れなかったのですが、トウコさんのところはガードのみなさまが仕込んでました。
みんなで声を揃えて「アラン、特出の用意だ!」。おう!と片腕を上げて答えるアラン、いやトウコさん。おつかれさまです、の声に、愛してまーす、と答えてました。
……しかし、退団者の居ない楽と言うのはいいね。
今日は、フェルゼンを観る日と決めていました。
ずっと見つめ続けていたら、一幕最後で何故だか泣けてしまったので、それ以上の感想は無しと言うことで。
でも、みんな熱演で、とてもいい千秋楽でしたよ。
と言いつつ、ベルナールの話を少し。(いいんだよフェルゼンとベルナールは1箇所しか出番被らないんだから)
何だか、戻ってました。色々な意味で。
メイクは、完全に戻ってはいないけれど、30日に観たときより前半日程に近かった。ハンサムだけれど美形と言う雰囲気ではなかったなあ。
そして演技も、あの日の見ていて苦しくなるほどの痛々しさが消えていた。普通に革命に尽力し、革命を憂い、悩み、行動する人だった。
つまり普通に格好よかったんですけどね。ええ、格好よかったので文句はない、と言うかむしろ安心したのですが、ちょっと肩すかしを食らったような。
私が見た、そして熱に浮かされたように語らずにはいられなかった、あのベルナールは幻だっのか。
と、疑いましたが、28日に見た麻生さん(サトリさんご友人しぃ担)、31日に見たサトリさんも見たそうなので、そして私も含めた3人とも今日は違うと感じたので、その頃(28〜31日期間限定?)は確かに何かがあったようです。
うわーあの人本当にどう変わるか読めない。観察が大変。
と言う訳で、結局ムラで5回東宝で10回、それと新人公演見ました。最初はげんなりしてましたが、当初予想より大分楽しめたベルばらでした。ありがとう星組。
でももう十分堪能しました。本当にもう十分。
と言う訳で、仲間内で千秋楽に乾杯、虚脱しつつもほっとしたりした夜でした。
……いや、まあ雪東宝も見ますけどね(苦笑)。
***
公安委員メンバー、みきちぐ氏とゆうほさとる氏がテンション上げすぎぶっ飛ばしすぎでみしろれん君がついてこられない件についてジュンタさんと散々盛り上がったのですが、書く機会がなかったのでここで書き残しておきます。こういうネタで盛り上がれる仲間がいるってシアワセだとつくづく。普通の人はそんなこと言ったってわかんないよきっと。
いい千秋楽でした。
記憶の範囲で書いておきますので、もし誤り等ありましたらご指摘いただけると幸いです。
アドリブ報告等をさくさくと。
・千秋楽と言うことで、開幕アナウンスから拍手。今日は全体的に拍手が大きくて暖かかったなあ。
・「ボケの花」は「ぺんぺん草」でした。シッシーナ婦人は「ペンペン?」と言って失神。ちなみに30日夜は「オニアザミ」でした。
・プランタンの後、引っ込むときのタキちゃんモンゼット。「セイセイセイ、フォー!」そして「最後だから仕方ないわね」と続けて「ハンス・アクセル・フォー!!ん・フェルゼン」。
・言われて上手のフェルゼンも控えめにポーズ。
・憮然とするオスカルにモンゼット婦人「オスカル、切れてる?」トウカルしれっと「切れてないっす」。
・そうか、そうだよなあ。ムラではユヒカルを巻き込むわけには行かなかったもんなあ(笑)。そして、そのまま何事もなかったように芝居を続けるフェルゼンとオスカルでありました。
・小石。「天下国家を憂う者が小石に躓いてどうするのだ」といつものようにマントを翻し先に行く柚ドレ……が、コケた。
・見下ろして「お前こそ」とトウカル。「行くぞ」に対して「待てー!」と柚ドレ。
・あまりに迫真のコケ方だったので、本気で転んだのかと思いました。
・ざーます。モンゼット婦人「イナバウアー!」オスカル親衛隊全員で。
・「それでは私たちは」とシッシーナ婦人「浅田真央!」とこちらもフェルゼン親衛隊全員でポーズ。
・村の男女。これ見よがしに持ってきたジャガイモを落としておっとっとと拾う、のは前にも見ましたが、顔を上げたみらんくんの前髪がコボちゃんだった!(眉毛のはるか上一直線)
・そしてそのちょっと足りない坊ちゃん的風貌で、人の話を聞くときは間抜け面で指をくわえたりしているぞ。
・上手ではあかしが物珍しそうにジェローデルの周りをうろうろ。匂いでもかいでるのかってくらい近づいております。
・何気に天緒っちも後ろ一本ひとつつつくりが飛び出している妙な髪形をしていたのですが、みらんの前では地味でした。
・この中で真顔で芝居をしていたフェルゼンとジェローデル、お疲れ様でした(苦笑)。
・小雨の淑女は金髪ショートボブ。やっぱりこれが一番カワイイよねー。
・薔薇タン。髪型がいつにもましてやりたい放題。つか、みらんくんのトサカ頭はなにごと!(みんな結構派手だけど突出してるよ)
・掛け声「星組サイコー!」は聞き取れた。客席も同感の大拍手。
・その後、みんなで一言ずつつなげているのだけれど聞き取れず。あまり複雑なことをされてもわかりませんってばー。最後の方、多分「拍手」「ありがとう」だと思いますが、ここで再び拍手。
・トウコさん最後に「雪組でもアンドレぃヨロシクぅ!」拍手拍手。
・オマージュの最後、ワタさんがいつもしないところで一礼してました。
ご挨拶を覚えている範囲で。
・組長。専科さんをご紹介し、全国ツアー、韓国公演、大劇場公演を経てこれが本当の千秋楽です。
・ワタさんの退団発表に触れ、でもまだ先のことです、と。
・そして、今後の予定。色々ありますが全部説明。出演者はシャンシャンを上げてアピールするように言ってました。
・すずみんの外部出演、エンカレ、すずみんディナーショー、ダンスリサイタル、トウコさん雪特出(「薔薇タンで言ったからもういいですか」と言われてトウコさんが「ちゃんと言ってくださいよー」と返してました)、れおんバウワークショップ、しぃちゃんバウ、梅芸。全部カンペ無し。
・何度も紹介されてやる気満々な顔のすずみんがツボ(笑)。
・これからいい季節ですから、旅行もかねて梅田や宝塚にお越しください、と〆。
・ワタさん。1階のみなさま、2階のみなさま、そして立見のみなさま、と感謝を述べて。別れは寂しいですが出会いがあるから別れがある、出会いは別れより何十倍も何百倍も素晴らしいことだから、出会ってよかったのだというようなことを。そして、再度銀橋パレード。
・……そういう話はまだ早いよ。いや、ベルサイユのばらと言う作品、フェルゼンという役に対して言っていた訳ではあるのですが。
・カーテンコール1回目。いま満開の桜もいつかは散ってしまいますが、皆様の心に咲いたベルサイユのばらと言う作品の花はいつまでも咲き続けることでしょう。というようなこと。
・カーテンコール2回目。客席スタンディング。無事千秋楽を迎えられたことを祝して、ご一緒に万歳三唱を、と。ええ、やりましたよ万歳三唱。舞台と客席一緒に祝えたことが嬉しいと思いつつ、ありえねーと呟く私(笑)。
・もう1回カーテンコール。さすがにワタさん「みなさまも疲れましたよね?」とオケピに。「また色々な劇場でお会いしましょう!」の言葉に、今度は演奏は無しで、幕。
あれ、もう1回くらいカーテンコールがあったような気が。最初の方を端折ってしまったかもしれません(出会いがあるから別れが、は2回目だったかも)。
出もギャラリーしてきました。やや雨模様。
ワタさんは、黒のスーツで男前。車に乗るとき投げキス、嬌声が起こってました。
しぃちゃんも黒のスーツに白いブラウス。多分お茶会プレゼントのスーツ。そしてスーツの襟に白薔薇のコサージュ。
すずみんは黒のコートに白キャスケット。
となみちゃんは白の上着に花模様?のスカート。帽子なしでにこにこと。
ここまでは特にイベントがなかった、又は聞き取れなかったのですが、トウコさんのところはガードのみなさまが仕込んでました。
みんなで声を揃えて「アラン、特出の用意だ!」。おう!と片腕を上げて答えるアラン、いやトウコさん。おつかれさまです、の声に、愛してまーす、と答えてました。
……しかし、退団者の居ない楽と言うのはいいね。
今日は、フェルゼンを観る日と決めていました。
ずっと見つめ続けていたら、一幕最後で何故だか泣けてしまったので、それ以上の感想は無しと言うことで。
でも、みんな熱演で、とてもいい千秋楽でしたよ。
と言いつつ、ベルナールの話を少し。(いいんだよフェルゼンとベルナールは1箇所しか出番被らないんだから)
何だか、戻ってました。色々な意味で。
メイクは、完全に戻ってはいないけれど、30日に観たときより前半日程に近かった。ハンサムだけれど美形と言う雰囲気ではなかったなあ。
そして演技も、あの日の見ていて苦しくなるほどの痛々しさが消えていた。普通に革命に尽力し、革命を憂い、悩み、行動する人だった。
つまり普通に格好よかったんですけどね。ええ、格好よかったので文句はない、と言うかむしろ安心したのですが、ちょっと肩すかしを食らったような。
私が見た、そして熱に浮かされたように語らずにはいられなかった、あのベルナールは幻だっのか。
と、疑いましたが、28日に見た麻生さん(サトリさんご友人しぃ担)、31日に見たサトリさんも見たそうなので、そして私も含めた3人とも今日は違うと感じたので、その頃(28〜31日期間限定?)は確かに何かがあったようです。
うわーあの人本当にどう変わるか読めない。観察が大変。
と言う訳で、結局ムラで5回東宝で10回、それと新人公演見ました。最初はげんなりしてましたが、当初予想より大分楽しめたベルばらでした。ありがとう星組。
でももう十分堪能しました。本当にもう十分。
と言う訳で、仲間内で千秋楽に乾杯、虚脱しつつもほっとしたりした夜でした。
……いや、まあ雪東宝も見ますけどね(苦笑)。
***
公安委員メンバー、みきちぐ氏とゆうほさとる氏がテンション上げすぎぶっ飛ばしすぎでみしろれん君がついてこられない件についてジュンタさんと散々盛り上がったのですが、書く機会がなかったのでここで書き残しておきます。こういうネタで盛り上がれる仲間がいるってシアワセだとつくづく。普通の人はそんなこと言ったってわかんないよきっと。
ま、いっか。かっこいいから。(花組バウホール公演『スカウト』)
2006年4月1日 宝塚4/1(土)14:30公演、観て参りました。
面白かったです。見に行った甲斐はありました。。
格好いい、とにかく格好いい。
まず、舞台自体が格好いい。
オープニングのダンス。黒尽くめの人々の中に、白いスーツに黒いコートを羽織ったらんとむ氏、白尽くめのきほちゃん。
悪魔たちのビジュアルもスタイリッシュ。わずかな衣装の変化で、人間のダンサーと悪魔の違いを表現、早替わりする上手さ。廃教会をあらわす、床に映し出されるステンドグラスのおぼろな影。
八百屋舞台とパントマイムの多用、そして袖に引っ込まず舞台両脇で影コーラスしたり衣装換えするのは、正塚せんせのマイブームなのかな。照明が暗いので『Bourbon』のときほど「実験作」という感じにはなりませんでしたが。
ストーリーは、えーと、私は事前に評判を聞いていたので。
『MIB』だとあらかじめ思っていれば、楽しくノリについていけました。
でも、何の予備知識もなく、しかも正塚作品だという先入観をもって観ていたら、後半置いてきぼり食らったかも。
主人公・ショーン(蘭寿とむ)は、ある日事故に遭い3ヶ月の昏睡状態の後に復活する。目覚めた彼は、人間に取り付き破滅させる異界の生物=悪魔が見えるようになっていた。悪魔に唆されて恋人ジェシカ(野々すみ花)は死ぬ。彼の言葉を信じるのは元牧師にして悪魔祓いの変人サム(愛音羽麗)と、不思議な少女サーシャ(華城季帆)だけ。サーシャと恋に落ちたショーンは、彼女のためにも悪魔と戦う決意をする。
前半は、結構シリアスなのですよ。
らんとむ氏の開幕アナウンスから既にサスペンスホラー色入っているし、恋人も仲間も失い孤独に街をさまようショーンは思い切り深刻。悪魔に殺されようとする友人にして恋敵・フランク(悠真倫)を心配し救おうとするのもどシリアスに熱演。
ああ、そういう話なんだな、人間を殺すことをゲームとして楽しんでいる、能力的に勝った生物である悪魔に対して、馬鹿にするなよ人間には心があるんだぜと、愛と友情を糧に立ち向かう物語だと思うじゃないですか。
ところが後半は、妙にドライ。ドライなコメディでややブラック。緑野さんが『MIB』と書いてましたが、そう言われて納得のノリ。
例えば、ショーンの前にジェシカの姿をした悪魔が現れる。ショーンは傷つきつつ悪魔の悪趣味なやり方に怒りを覚える、という展開を予測する。ところがショーンは苦悩する様子もなくジェシカ悪魔をしっしっと言う様子で追い払う。えー?
例えば、サーシャが昏睡状態になる。悪魔の世界に連れて行かれた彼女の魂を救うには、肉体的に死なければならない。主人公がヒロインを救うために命を捨てる、盛り上がってしかるべき場面。なのに、ショーンとサムのどたばたアクションの末に銃が暴発して「あ、死んじゃった」っておい。その直前、ショーンがサーシャを救う決意を語るところまではシリアスなのに、何故そこで落とすかなあ。
何だか、書いてる途中で気が変わったんじゃないかと勘繰りたくなります。この前半と後半のノリの乖離は。コメディならとことんコメディにしてくれればまだ落ち着きが良かったと思うんだが、どうしてこうなっちゃったんだろう。
あとは、オチが問題。
いや、いいよ、安直なオチでも。でも、そういうオチをつけることによって山のように疑問が噴出すると言うのはどうなんでしょう。
えーと、この事件がサーシャが仕掛け人のスカウト劇だったって、それはどこからどこまで? ショーンが事故にあったところから? それともサーシャとの出会いから? 悪魔たちは本物、それともあれも仕掛けか協力者? 仕掛けだとしたら誰と誰が? アズ(未涼亜希)はラストでサーシャに顎で使われていけど、ラルゥはそもそも存在したのか? サムとの関係は? サムも仕掛けで実在しない人間? つか、これまでの物語が全て夢と言うか脳内体験?
せめてサムもサーシャの上司として出てきてくれればまだ納得が行ったんだけど、でもまあ焼け石に水かなあ。
その辺の「ええー何そのオチ、それで終わりかよ」と唖然としつつ、主役カップルがさわやかに笑いあっているのを見るとハッピーエンドな気分にさせられるところも、ハリウッドムービーっぽいなあと思いました。
いや、面白かったですけどね。出演者も舞台も格好良かったし、芸達者だし。そういうもんだと思って頭空っぽで見るのに適した舞台だと思います。(でもそれには前半の深刻さがやっぱりアンバランスだよなあ……)
以下、出演者について。
ショーン=蘭寿とむ
……格好良かったっっ!!
白スーツも黒スーツも黒のロングコートも似合いすぎ。『Ernest』のときも思ったけど、肩幅や足の長さが男役として魅力的な体型なのだなあと。長めの髪も似合う。それをばさっと書き上げる仕草がまた様になってて、もう格好いいったら。この色男め。
安定して上手いので、コメディもシリアスも安心して見ていられるしね。そしてそのホットでハートフルな芸風。熱い男で、あったかい恋人で。おかげでサーシャへの唐突な恋に落ちっぷりの安直さとか、いきなり世界を救うことに目覚めちゃうご都合展開とか、元恋人に対するヒトデナシな態度とかがかなり誤魔化されております。サーシャを抱きしめる姿、彼女の髪を撫でる様子はもう理想の男子。
と、言いつつ。私がまず最初にときめいたのは、悪魔たちに翻弄される姿だったりするかもしれません。どうも、ああいうタフで陽気で健康的な色男が、翻弄されて途方にくれた目をしてたりするのに弱いらしいです。どきどきした。
あと何と言っても「震える睫毛」! ひとり孤独に街をさまようショーンが歌う歌でそういうフレーズがあるのですが、そこだけ急に耳に飛び込んできました。何ですかそのいきなりの甘く切なげな歌い方は。その声とその表情でそんな歌詞歌われたらびびるじゃないですか。
えーと、まあ要するにらんとむ氏は好みだって話なんですが(苦笑)。でもそれを差し引いてもマジで格好良かったと思います。主人公が格好いい、格好良く見えるというだけでもこの作品は価値がある。
サーシャ=華城季帆
ヒロイン。どこかずれている不思議少女として登場、結局悪魔たちに操られている「人形」であることがわかり、と思ったらラストはきりっと対悪魔の戦士でスカウト係として現れて。
普通の、感情的に真っ当な芝居ではない、結構難儀な役だと思います。きほちゃんは上手い、安定して上手いから難なくこなしていたけれど、でも彼女の魅力が十分に生かされる役ではなかったんじゃないかな、勿体無いな、という気はしています。自我と命令の間で壊れそうになる姿とか迫真で、すごく上手かったんだけどね。冥界にまで助けに来てくれたショーンのことを忘れているはずなのに思い出して「ショーン?」と言う場面もすごく良かった。らんとむ氏ときちんと組んで芝居し甲斐のある作品ならばもっと見ごたえのあるものになったんじゃないかな、見たかったなと思いました。
勿論、きほちゃんは十分魅力的でしたが。まず美人、そして素晴らしいスタイル。全員黒ずくめが基本の衣装の中で彼女だけが常に白なんだけれど、それが似合うこと。一人だけ特別な存在なのが見ただけでわかる。長い金髪も似合って、綺麗だし可愛かった。声がまた綺麗でヒロインとして説得力。と言うか聞いていて心地よかった。らんとむともお似合いでした。
ラルゥ=桜一花
すげー。
キュートでダイナマイト、ウルトラハイパーパワフルな小悪魔。でも小悪魔ってだけじゃない、真顔になると大物悪魔の風格。ものすごい存在感。
めちゃくちゃ上手い。オレ様喋りで仁王立ちしてるかと思えば次の瞬間には「いやぁん」とぶりっ子声で身をよじってみたり、変容変化自由自在。ショーンに「キャラクタを統一しろ!」と言われるのだけれど、その全てが板についている。本当に上手い。安定した実力。ショーンとラルゥがじゃれあう(と言うかラルゥがショーンを翻弄して遊んでいる)ところとか、両方とも自然すぎて演技に見えないもん。
シリアスモードも上手い。暗がりに座って覚めた目で人間たちを見ている姿はぞっとするほど人外の生物。そしてびびったのは老婆との二役。サーシャをコントロールするベールを被った老婆が一花なのはわかっていたけれど、扮装を脱いで老婆の声で種明かしをするところ。無表情なのがかえって凄みがあった。いや迫力。
姿は本当にちっちゃくて可愛いんだけどねー。ドレッドのポニーテールで跳ね回る姿なんてゴムまりみたい(笑)。
とにかくあまりの存在感に「この公演の二番手は一花」と真顔で思っております。
サム=愛音羽麗
牧師崩れのエクソシスト、でいいのかな。
ダサダサなニット帽に眼鏡、だぼっとした上着で登場した姿を見て「あ、錦織さんだ」と思いました。少年隊のニッキと言って通じるだろうか。いや、私が見ていたのは十年e以上前だけど、3人の中で一番ぎらついているのにとぼけてギャグを飛ばしまくるのも一番な人だったんですよ。それを思い出した。(……そして私は3人の中で一番彼が好きでした)
妙な発明品を嬉々として抱えてやってきたり、これまたハリウッドのアクション映画の脇役に出てきそうなマッドサイエンティスト系のとぼけたギャグメーカー。それをすげー自然にこなしていてびっくり。もうちょっとエキセントリックでもいいかとは思いましたが。
あと歌! 悪魔の科学的根拠説明ソング。エーテルが飛んでいるような珍妙な音階と発声! あれすごい。学生時代にやった現代音楽の合唱曲を思い出した。
その一方で群舞では殆どみわっちに持って行かれました。オープニングから、あれ、と思ってオペラを上げると常にみわっち(笑)。
書ききれませんが(と言うかみんな色々やってて1回ではセンター以外見切れなかった)、登場人物みんな良かったですよ(個人的好みで言うとまあくんが可愛かった・笑)。だから話が多少アレでも楽しめたんだろうな。出演者ご一同に拍手。
面白かったです。見に行った甲斐はありました。。
格好いい、とにかく格好いい。
まず、舞台自体が格好いい。
オープニングのダンス。黒尽くめの人々の中に、白いスーツに黒いコートを羽織ったらんとむ氏、白尽くめのきほちゃん。
悪魔たちのビジュアルもスタイリッシュ。わずかな衣装の変化で、人間のダンサーと悪魔の違いを表現、早替わりする上手さ。廃教会をあらわす、床に映し出されるステンドグラスのおぼろな影。
八百屋舞台とパントマイムの多用、そして袖に引っ込まず舞台両脇で影コーラスしたり衣装換えするのは、正塚せんせのマイブームなのかな。照明が暗いので『Bourbon』のときほど「実験作」という感じにはなりませんでしたが。
ストーリーは、えーと、私は事前に評判を聞いていたので。
『MIB』だとあらかじめ思っていれば、楽しくノリについていけました。
でも、何の予備知識もなく、しかも正塚作品だという先入観をもって観ていたら、後半置いてきぼり食らったかも。
主人公・ショーン(蘭寿とむ)は、ある日事故に遭い3ヶ月の昏睡状態の後に復活する。目覚めた彼は、人間に取り付き破滅させる異界の生物=悪魔が見えるようになっていた。悪魔に唆されて恋人ジェシカ(野々すみ花)は死ぬ。彼の言葉を信じるのは元牧師にして悪魔祓いの変人サム(愛音羽麗)と、不思議な少女サーシャ(華城季帆)だけ。サーシャと恋に落ちたショーンは、彼女のためにも悪魔と戦う決意をする。
前半は、結構シリアスなのですよ。
らんとむ氏の開幕アナウンスから既にサスペンスホラー色入っているし、恋人も仲間も失い孤独に街をさまようショーンは思い切り深刻。悪魔に殺されようとする友人にして恋敵・フランク(悠真倫)を心配し救おうとするのもどシリアスに熱演。
ああ、そういう話なんだな、人間を殺すことをゲームとして楽しんでいる、能力的に勝った生物である悪魔に対して、馬鹿にするなよ人間には心があるんだぜと、愛と友情を糧に立ち向かう物語だと思うじゃないですか。
ところが後半は、妙にドライ。ドライなコメディでややブラック。緑野さんが『MIB』と書いてましたが、そう言われて納得のノリ。
例えば、ショーンの前にジェシカの姿をした悪魔が現れる。ショーンは傷つきつつ悪魔の悪趣味なやり方に怒りを覚える、という展開を予測する。ところがショーンは苦悩する様子もなくジェシカ悪魔をしっしっと言う様子で追い払う。えー?
例えば、サーシャが昏睡状態になる。悪魔の世界に連れて行かれた彼女の魂を救うには、肉体的に死なければならない。主人公がヒロインを救うために命を捨てる、盛り上がってしかるべき場面。なのに、ショーンとサムのどたばたアクションの末に銃が暴発して「あ、死んじゃった」っておい。その直前、ショーンがサーシャを救う決意を語るところまではシリアスなのに、何故そこで落とすかなあ。
何だか、書いてる途中で気が変わったんじゃないかと勘繰りたくなります。この前半と後半のノリの乖離は。コメディならとことんコメディにしてくれればまだ落ち着きが良かったと思うんだが、どうしてこうなっちゃったんだろう。
あとは、オチが問題。
いや、いいよ、安直なオチでも。でも、そういうオチをつけることによって山のように疑問が噴出すると言うのはどうなんでしょう。
えーと、この事件がサーシャが仕掛け人のスカウト劇だったって、それはどこからどこまで? ショーンが事故にあったところから? それともサーシャとの出会いから? 悪魔たちは本物、それともあれも仕掛けか協力者? 仕掛けだとしたら誰と誰が? アズ(未涼亜希)はラストでサーシャに顎で使われていけど、ラルゥはそもそも存在したのか? サムとの関係は? サムも仕掛けで実在しない人間? つか、これまでの物語が全て夢と言うか脳内体験?
せめてサムもサーシャの上司として出てきてくれればまだ納得が行ったんだけど、でもまあ焼け石に水かなあ。
その辺の「ええー何そのオチ、それで終わりかよ」と唖然としつつ、主役カップルがさわやかに笑いあっているのを見るとハッピーエンドな気分にさせられるところも、ハリウッドムービーっぽいなあと思いました。
いや、面白かったですけどね。出演者も舞台も格好良かったし、芸達者だし。そういうもんだと思って頭空っぽで見るのに適した舞台だと思います。(でもそれには前半の深刻さがやっぱりアンバランスだよなあ……)
以下、出演者について。
ショーン=蘭寿とむ
……格好良かったっっ!!
白スーツも黒スーツも黒のロングコートも似合いすぎ。『Ernest』のときも思ったけど、肩幅や足の長さが男役として魅力的な体型なのだなあと。長めの髪も似合う。それをばさっと書き上げる仕草がまた様になってて、もう格好いいったら。この色男め。
安定して上手いので、コメディもシリアスも安心して見ていられるしね。そしてそのホットでハートフルな芸風。熱い男で、あったかい恋人で。おかげでサーシャへの唐突な恋に落ちっぷりの安直さとか、いきなり世界を救うことに目覚めちゃうご都合展開とか、元恋人に対するヒトデナシな態度とかがかなり誤魔化されております。サーシャを抱きしめる姿、彼女の髪を撫でる様子はもう理想の男子。
と、言いつつ。私がまず最初にときめいたのは、悪魔たちに翻弄される姿だったりするかもしれません。どうも、ああいうタフで陽気で健康的な色男が、翻弄されて途方にくれた目をしてたりするのに弱いらしいです。どきどきした。
あと何と言っても「震える睫毛」! ひとり孤独に街をさまようショーンが歌う歌でそういうフレーズがあるのですが、そこだけ急に耳に飛び込んできました。何ですかそのいきなりの甘く切なげな歌い方は。その声とその表情でそんな歌詞歌われたらびびるじゃないですか。
えーと、まあ要するにらんとむ氏は好みだって話なんですが(苦笑)。でもそれを差し引いてもマジで格好良かったと思います。主人公が格好いい、格好良く見えるというだけでもこの作品は価値がある。
サーシャ=華城季帆
ヒロイン。どこかずれている不思議少女として登場、結局悪魔たちに操られている「人形」であることがわかり、と思ったらラストはきりっと対悪魔の戦士でスカウト係として現れて。
普通の、感情的に真っ当な芝居ではない、結構難儀な役だと思います。きほちゃんは上手い、安定して上手いから難なくこなしていたけれど、でも彼女の魅力が十分に生かされる役ではなかったんじゃないかな、勿体無いな、という気はしています。自我と命令の間で壊れそうになる姿とか迫真で、すごく上手かったんだけどね。冥界にまで助けに来てくれたショーンのことを忘れているはずなのに思い出して「ショーン?」と言う場面もすごく良かった。らんとむ氏ときちんと組んで芝居し甲斐のある作品ならばもっと見ごたえのあるものになったんじゃないかな、見たかったなと思いました。
勿論、きほちゃんは十分魅力的でしたが。まず美人、そして素晴らしいスタイル。全員黒ずくめが基本の衣装の中で彼女だけが常に白なんだけれど、それが似合うこと。一人だけ特別な存在なのが見ただけでわかる。長い金髪も似合って、綺麗だし可愛かった。声がまた綺麗でヒロインとして説得力。と言うか聞いていて心地よかった。らんとむともお似合いでした。
ラルゥ=桜一花
すげー。
キュートでダイナマイト、ウルトラハイパーパワフルな小悪魔。でも小悪魔ってだけじゃない、真顔になると大物悪魔の風格。ものすごい存在感。
めちゃくちゃ上手い。オレ様喋りで仁王立ちしてるかと思えば次の瞬間には「いやぁん」とぶりっ子声で身をよじってみたり、変容変化自由自在。ショーンに「キャラクタを統一しろ!」と言われるのだけれど、その全てが板についている。本当に上手い。安定した実力。ショーンとラルゥがじゃれあう(と言うかラルゥがショーンを翻弄して遊んでいる)ところとか、両方とも自然すぎて演技に見えないもん。
シリアスモードも上手い。暗がりに座って覚めた目で人間たちを見ている姿はぞっとするほど人外の生物。そしてびびったのは老婆との二役。サーシャをコントロールするベールを被った老婆が一花なのはわかっていたけれど、扮装を脱いで老婆の声で種明かしをするところ。無表情なのがかえって凄みがあった。いや迫力。
姿は本当にちっちゃくて可愛いんだけどねー。ドレッドのポニーテールで跳ね回る姿なんてゴムまりみたい(笑)。
とにかくあまりの存在感に「この公演の二番手は一花」と真顔で思っております。
サム=愛音羽麗
牧師崩れのエクソシスト、でいいのかな。
ダサダサなニット帽に眼鏡、だぼっとした上着で登場した姿を見て「あ、錦織さんだ」と思いました。少年隊のニッキと言って通じるだろうか。いや、私が見ていたのは十年e以上前だけど、3人の中で一番ぎらついているのにとぼけてギャグを飛ばしまくるのも一番な人だったんですよ。それを思い出した。(……そして私は3人の中で一番彼が好きでした)
妙な発明品を嬉々として抱えてやってきたり、これまたハリウッドのアクション映画の脇役に出てきそうなマッドサイエンティスト系のとぼけたギャグメーカー。それをすげー自然にこなしていてびっくり。もうちょっとエキセントリックでもいいかとは思いましたが。
あと歌! 悪魔の科学的根拠説明ソング。エーテルが飛んでいるような珍妙な音階と発声! あれすごい。学生時代にやった現代音楽の合唱曲を思い出した。
その一方で群舞では殆どみわっちに持って行かれました。オープニングから、あれ、と思ってオペラを上げると常にみわっち(笑)。
書ききれませんが(と言うかみんな色々やってて1回ではセンター以外見切れなかった)、登場人物みんな良かったですよ(個人的好みで言うとまあくんが可愛かった・笑)。だから話が多少アレでも楽しめたんだろうな。出演者ご一同に拍手。
ポスター出てました。(公式に反応+事務連絡)
2006年3月31日 宝塚梅芸『コパカバーナ』のポスター出てました。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/06/01star/poster.html
た、楽しそうだ、楽しそうだけど、えーと。
ま、楽しそうだからいいか(笑)。
これって同じようなポスターを宙博多座でも作るんですよね? かしるいたにあすかで。
***
ベルばらSS追加。フェルゼンとマリー・アントワネット編。
ずっと置いてあったネタを形にしました。私的基準では根の暗いちょっと嫌な感じの話なのでそういうのが嫌いな方はご注意ください。つまらないしな(他のは面白いのかと言われると答えに窮しますが)。でも書いておきたかったので。
http://kine.nobody.jp/verose6.html
と言う訳で、千秋楽も近いのでそろそろまとめに入っております。SSはこれで打ち止め、のはず。
でもこの期に及んで新境地を見せてくれちゃう人とかいるので(笑)、うっかりまた何か出すかもしれませんが。
つか、ベルばらでこんなにSSするはめになるとは思ってませんでしたよ。穴の多い脚本と出演者の熱演がちょうど良かったらしいです(をい)。
***
実はこれをアップしているのは4/2です。これから星楽です。
緑野さんにばらされてますがバウに行ってきたので、4/1分は『スカウト』感想、4/2はまた星ベルばらの話になる予定です。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/06/01star/poster.html
た、楽しそうだ、楽しそうだけど、えーと。
ま、楽しそうだからいいか(笑)。
これって同じようなポスターを宙博多座でも作るんですよね? かしるいたにあすかで。
***
ベルばらSS追加。フェルゼンとマリー・アントワネット編。
ずっと置いてあったネタを形にしました。私的基準では根の暗いちょっと嫌な感じの話なのでそういうのが嫌いな方はご注意ください。つまらないしな(他のは面白いのかと言われると答えに窮しますが)。でも書いておきたかったので。
http://kine.nobody.jp/verose6.html
と言う訳で、千秋楽も近いのでそろそろまとめに入っております。SSはこれで打ち止め、のはず。
でもこの期に及んで新境地を見せてくれちゃう人とかいるので(笑)、うっかりまた何か出すかもしれませんが。
つか、ベルばらでこんなにSSするはめになるとは思ってませんでしたよ。穴の多い脚本と出演者の熱演がちょうど良かったらしいです(をい)。
***
実はこれをアップしているのは4/2です。これから星楽です。
緑野さんにばらされてますがバウに行ってきたので、4/1分は『スカウト』感想、4/2はまた星ベルばらの話になる予定です。
年下の男の子。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月30日 宝塚本日18:30公演観て参りました。サバキで。
実は火曜日もサバキ待ちしましたが需要過多で敗退。しゅんちゃんの小雨の淑女ももう1回見たかったんですが、残念でした。
今日は需給がつりあっている感じでした。寒いせいで待ちが少なかったのかも。 ちなみにすずみんの淑女は金髪ボブ。あ、21日に書き忘れましたが、友会優先では金髪セミロングでした。前髪がぱっつんでサテュロスをちょっと髣髴としたり。
さて、3/14以来の柚希アンドレ。
良くなってました。少なくとも私の好みの方向に変わってました。
何と言うか、礼音くんらしさが出てきたかなーと。
言い方を変えると、可愛げが出てきた。格好よくて強引な年下男はあまり興味がありませんが、可愛げが加われば話は違う。
いやま、あくまでも私の主観ですが。そして私は「今日は柚ドレウオッチの日」と決めたにもかかわらず、1幕ラストでは銀橋のフェルゼンに、2幕ではオスカルを止めるベルナールにオペラを奪われた当てにならない奴ではありますが。
アンドレの最初の出番、ジャルジェ将軍とオスカルのやり取りに「うわーどーしよー」って顔してるんですよ。オスカルがぶち切れているのを見て、うわどうしよう俺何もできないよ泣き出しちゃったらどうしよう、とおろおろしているような感じ。それが何だか微笑ましいと言うか、可愛いなあと。
あ、ここオスカルを助け起こすときに髪を取り除けてやるのは柚ドレの規定演技のようです。その必要がなくてもやっている模様(笑)。で、オスカルは気づいていない(笑)。オスカルに対する愛情の表現としてこれはこれでいいなあと。
あと良かったのは「白ばらの人」。
銀橋ソロは前半日程から褒めてますが、今日はまた一味違いました。今までは格好いいなあスターさんだなあと言う感じだったのが、今日は「凛々しい姿遠ざかる」の「遠ざかる」の部分で切なさが爆発していて、聞いていてすごく揺さぶられた。持って行かれた。
全体的に、形よりもハートが見える演技、と言う印象になってました。
純粋な格好よさはひょっとしたら落ちているかもしれないし、強引でちょっと危険なタイプが好きな人は、前半の柚希アンドレのほうが好きかもしれない。
でも、私は今のアンドレが、人間味があって可愛げがあって、好きです。若いからこそ、死ぬ場面も痛々しくて。断ち切られた未来、と言う感じがして。
あと、そんな柚希アンドレにあわせたのか、より可愛くなっちゃってるトウカルも見所かも(笑)。小石の場面「んもう!」とか言ってますよね(空耳?)。
下手に大人ぶって格好つけたりせず、まっすぐに全力で相手を思う様子が見えた方がいいよね、年下の男の子は。
ともあれ、礼音くんらしい若くて生き生きして男の子な感じのアンドレで、これはありです。もう1回見る予定なので、また変化が楽しみです。
***
さて。
ここからはまた誰もついて来られなさそうな話をします(笑)。
柚ドレの日のはずが、私のオペラを奪った二人について。
【立樹ベルナールの話】
終演後、今日は見ていなかったサトリさんに「どうでした?」と聞かれ「何あの美形!」と答えた私。
だって、すごく格好よかったんだもん。見ていて戸惑うくらいに。今までもそりゃ格好よかったけど、3/21のアンドレ楽以来、今までと何か違う。シャープで端正で美しくて……うん、何だか落ち着かない(苦笑)。
でも、実はそれは一番大事なことではなくて。
私が何より胸しめつけられ苦しくなってしまったのは、ベルナールが可哀想だだということでした。演じているしぃちゃんがどうこうではなくて、ベルナールという人が。
見ていて、可哀想で可哀想で、もうどうしようかと。だってあの人つらいよ? すげーつらい立場だよ?
そもそも、アンドレとオスカルの死の場面から、つらそうで見ていられないくらいだったんですよ、今日は。
その前の、オスカルがパリに来るのを一旦は止めようとしたものの、彼女が市民側についたと知ったときの感謝と喜び、そしてロザリーがオスカルに感謝を述べる姿を愛情に満ちて見守る姿が嬉しそうだっただけに。アンドレが撃たれたのを見て飛び出していこうとするオスカルを止める様子がすごく苦しそうで(ここオスカルのトウコさんが泣き叫んで暴れるのが迫真だし)。アンドレが死んでオスカルを放した後、膝をついたまま立てないでいるのもまた苦しそうで見ていて胸塞がれて。
オスカルが撃たれたときも、本当は自分が駆け寄りたいくらいなのに、ロザリーを止めるためそれも出来ない。それがまた苦しい。立ち尽くして「オスカル」と呟く(マイク切れてるけど口元見ればわかります)姿も、オスカルの死に徐々にゆっくりと表情が変わって行き、一旦凍り付いてやがて天を見上げて慟哭するのも。
それだけの犠牲を払って、恐らくは彼ら二人だけでなく多くの人の命を代償に成し遂げたはずの革命が、変質し道を違えてしまった。その過程をつぶさに見てきたベルナールの苦悩はいかばかりか。ロザリーにそのことを説明する姿が、諭すようでも怒りをぶつけるようでもなく、苦しそうだ。一生懸命に納得させようとしているのだけれど、余裕が無くてつらそうだ。
それがもう、見ている私の胸に迫って、もう可哀想で可哀想で。思わず「私には貴方が痛々しい」と口走りかけました(お前最近痛々しいぞ、でも可)。いや実際サトリさんに説明するときに口走ったんだけど(やめろ)。
更にその勢いで、行けフェルゼンのところも可哀想で可哀想で泣きそうになったと言ったら呆れられました。だってあの人あんなに必死なのに結局駄目なんだよ?
と、話がずれました。
最後牢獄の場面では、割とベルナールは無表情、と言うか表情を抑えている。アントワネットにスープを勧めるときの笑顔も、「笑って見せている」感じで、一生懸命繕っている。ムラでは割と自然に笑顔で暖かく、アントワネットを励ますように言っていた印象なのですが。でも今の、東宝後期日程のベルナールはそうじゃない。自然に笑うには本人がつらすぎて、色々なものを抱えすぎて。
本当にもうあの人可哀想過ぎてどうしようかと(何度も同じことを言って失礼)。せめてロザリーがいてくれて良かった。本当に良かった。
と言う訳で後期日程のしぃベルナールにはがんがん揺さぶられて持っていかれました。やばい。完敗。SSはもう打ち止めのはずだったのに(はい?)
あんまり苦しかったのでフィナーレの薔薇タンで、あー、みんな元気そうだねー良かったねーと思ってしまった私は本格的に馬鹿。ちなみに今日の掛け声は「ラストナイトショー!」でした。
【湖月フェルゼンの話】
さっき「行けフェルゼン」も可哀想で可哀想で、ということは書きましたが。
ここではフェルゼンに感情移入するあまりメルシー伯の説教シーンがクリアできた話をします。いやほんとあのシーンが眠くもならず不快でもなくなってしまったという、半年前の自分が聞いたら信じないような話。
と言うか、この場面が『椿姫』2幕のジェルモンとヴィオレッタの場面に匹敵する見ごたえある場面になってます、私にとっては。怒られるかな。でも位置づけは似てるよね。
勿論、それは出演者の力のおかげなのは明白。メルシー伯とフェルゼンのかけひきと言うとちょっと意味合いが違う気がしますが、やりとりの緊張感が。
メルシー伯は、フェルゼンとアントワネットを別れさせようと決意して訪れる。フェルゼンは彼の訪問意図を察しつつ、友好的に彼を迎え、話を聞く。メルシー伯は大人の分別で正しい道を説いていると確信していながら、フェルゼンが示す率直な反応「大変だったでしょう」「お可哀想に」という共感に満ちた言葉についほだされそうになり、その都度気を引き締める。ついにメルシー伯がその真意を明らかにしたとき、フェルゼンはそれを非難する。しかし彼はわかっている。国の名誉も体面も王妃様には必要ない、と言う言葉は彼の本心ではあるけれど、それが大人の分別で測れば無謀で理に適わないことだということも知ってしまっているのだ。だからこそ彼は、一旦は否定したメルシー伯の言葉に動かされ、アントワネットとの別れを決意する。いや追い込まれてそうせざるを得ない。
……とか考えられるようになったらこの場面も消化できちゃうよな(半笑)。
勿論、繰り返しますがそれはそこまで見せてくれる出演者の力であるわけで。
終始、大人の分別をもってアントワネット(とフェルゼン)を導こうとしたメルシー伯が、最後の最後、アントワネットの子供時代の象徴であるステファン人形を返しに来るのが興味深いところです。
しかし、その時既にアントワネットは少女には戻らない。戻れない。
そしてその運命の皮肉の前にフェルゼンはただ立ち尽くすのみ。
本当、ここにきてベルばら完全消化ですよ。消化出来すぎて我ながら呆然。つか、きっと仲間内誰もついてきてくんない(苦笑)。
あ、あと今日は2幕でブイエ将軍に啖呵を切るオスカルにも持って行かれた。何だか格好よくてしなやかで強くて生き生きしていて泣けた。もう末期状態だな(苦笑)。
実は火曜日もサバキ待ちしましたが需要過多で敗退。しゅんちゃんの小雨の淑女ももう1回見たかったんですが、残念でした。
今日は需給がつりあっている感じでした。寒いせいで待ちが少なかったのかも。 ちなみにすずみんの淑女は金髪ボブ。あ、21日に書き忘れましたが、友会優先では金髪セミロングでした。前髪がぱっつんでサテュロスをちょっと髣髴としたり。
さて、3/14以来の柚希アンドレ。
良くなってました。少なくとも私の好みの方向に変わってました。
何と言うか、礼音くんらしさが出てきたかなーと。
言い方を変えると、可愛げが出てきた。格好よくて強引な年下男はあまり興味がありませんが、可愛げが加われば話は違う。
いやま、あくまでも私の主観ですが。そして私は「今日は柚ドレウオッチの日」と決めたにもかかわらず、1幕ラストでは銀橋のフェルゼンに、2幕ではオスカルを止めるベルナールにオペラを奪われた当てにならない奴ではありますが。
アンドレの最初の出番、ジャルジェ将軍とオスカルのやり取りに「うわーどーしよー」って顔してるんですよ。オスカルがぶち切れているのを見て、うわどうしよう俺何もできないよ泣き出しちゃったらどうしよう、とおろおろしているような感じ。それが何だか微笑ましいと言うか、可愛いなあと。
あ、ここオスカルを助け起こすときに髪を取り除けてやるのは柚ドレの規定演技のようです。その必要がなくてもやっている模様(笑)。で、オスカルは気づいていない(笑)。オスカルに対する愛情の表現としてこれはこれでいいなあと。
あと良かったのは「白ばらの人」。
銀橋ソロは前半日程から褒めてますが、今日はまた一味違いました。今までは格好いいなあスターさんだなあと言う感じだったのが、今日は「凛々しい姿遠ざかる」の「遠ざかる」の部分で切なさが爆発していて、聞いていてすごく揺さぶられた。持って行かれた。
全体的に、形よりもハートが見える演技、と言う印象になってました。
純粋な格好よさはひょっとしたら落ちているかもしれないし、強引でちょっと危険なタイプが好きな人は、前半の柚希アンドレのほうが好きかもしれない。
でも、私は今のアンドレが、人間味があって可愛げがあって、好きです。若いからこそ、死ぬ場面も痛々しくて。断ち切られた未来、と言う感じがして。
あと、そんな柚希アンドレにあわせたのか、より可愛くなっちゃってるトウカルも見所かも(笑)。小石の場面「んもう!」とか言ってますよね(空耳?)。
下手に大人ぶって格好つけたりせず、まっすぐに全力で相手を思う様子が見えた方がいいよね、年下の男の子は。
ともあれ、礼音くんらしい若くて生き生きして男の子な感じのアンドレで、これはありです。もう1回見る予定なので、また変化が楽しみです。
***
さて。
ここからはまた誰もついて来られなさそうな話をします(笑)。
柚ドレの日のはずが、私のオペラを奪った二人について。
【立樹ベルナールの話】
終演後、今日は見ていなかったサトリさんに「どうでした?」と聞かれ「何あの美形!」と答えた私。
だって、すごく格好よかったんだもん。見ていて戸惑うくらいに。今までもそりゃ格好よかったけど、3/21のアンドレ楽以来、今までと何か違う。シャープで端正で美しくて……うん、何だか落ち着かない(苦笑)。
でも、実はそれは一番大事なことではなくて。
私が何より胸しめつけられ苦しくなってしまったのは、ベルナールが可哀想だだということでした。演じているしぃちゃんがどうこうではなくて、ベルナールという人が。
見ていて、可哀想で可哀想で、もうどうしようかと。だってあの人つらいよ? すげーつらい立場だよ?
そもそも、アンドレとオスカルの死の場面から、つらそうで見ていられないくらいだったんですよ、今日は。
その前の、オスカルがパリに来るのを一旦は止めようとしたものの、彼女が市民側についたと知ったときの感謝と喜び、そしてロザリーがオスカルに感謝を述べる姿を愛情に満ちて見守る姿が嬉しそうだっただけに。アンドレが撃たれたのを見て飛び出していこうとするオスカルを止める様子がすごく苦しそうで(ここオスカルのトウコさんが泣き叫んで暴れるのが迫真だし)。アンドレが死んでオスカルを放した後、膝をついたまま立てないでいるのもまた苦しそうで見ていて胸塞がれて。
オスカルが撃たれたときも、本当は自分が駆け寄りたいくらいなのに、ロザリーを止めるためそれも出来ない。それがまた苦しい。立ち尽くして「オスカル」と呟く(マイク切れてるけど口元見ればわかります)姿も、オスカルの死に徐々にゆっくりと表情が変わって行き、一旦凍り付いてやがて天を見上げて慟哭するのも。
それだけの犠牲を払って、恐らくは彼ら二人だけでなく多くの人の命を代償に成し遂げたはずの革命が、変質し道を違えてしまった。その過程をつぶさに見てきたベルナールの苦悩はいかばかりか。ロザリーにそのことを説明する姿が、諭すようでも怒りをぶつけるようでもなく、苦しそうだ。一生懸命に納得させようとしているのだけれど、余裕が無くてつらそうだ。
それがもう、見ている私の胸に迫って、もう可哀想で可哀想で。思わず「私には貴方が痛々しい」と口走りかけました(お前最近痛々しいぞ、でも可)。いや実際サトリさんに説明するときに口走ったんだけど(やめろ)。
更にその勢いで、行けフェルゼンのところも可哀想で可哀想で泣きそうになったと言ったら呆れられました。だってあの人あんなに必死なのに結局駄目なんだよ?
と、話がずれました。
最後牢獄の場面では、割とベルナールは無表情、と言うか表情を抑えている。アントワネットにスープを勧めるときの笑顔も、「笑って見せている」感じで、一生懸命繕っている。ムラでは割と自然に笑顔で暖かく、アントワネットを励ますように言っていた印象なのですが。でも今の、東宝後期日程のベルナールはそうじゃない。自然に笑うには本人がつらすぎて、色々なものを抱えすぎて。
本当にもうあの人可哀想過ぎてどうしようかと(何度も同じことを言って失礼)。せめてロザリーがいてくれて良かった。本当に良かった。
と言う訳で後期日程のしぃベルナールにはがんがん揺さぶられて持っていかれました。やばい。完敗。SSはもう打ち止めのはずだったのに(はい?)
あんまり苦しかったのでフィナーレの薔薇タンで、あー、みんな元気そうだねー良かったねーと思ってしまった私は本格的に馬鹿。ちなみに今日の掛け声は「ラストナイトショー!」でした。
【湖月フェルゼンの話】
さっき「行けフェルゼン」も可哀想で可哀想で、ということは書きましたが。
ここではフェルゼンに感情移入するあまりメルシー伯の説教シーンがクリアできた話をします。いやほんとあのシーンが眠くもならず不快でもなくなってしまったという、半年前の自分が聞いたら信じないような話。
と言うか、この場面が『椿姫』2幕のジェルモンとヴィオレッタの場面に匹敵する見ごたえある場面になってます、私にとっては。怒られるかな。でも位置づけは似てるよね。
勿論、それは出演者の力のおかげなのは明白。メルシー伯とフェルゼンのかけひきと言うとちょっと意味合いが違う気がしますが、やりとりの緊張感が。
メルシー伯は、フェルゼンとアントワネットを別れさせようと決意して訪れる。フェルゼンは彼の訪問意図を察しつつ、友好的に彼を迎え、話を聞く。メルシー伯は大人の分別で正しい道を説いていると確信していながら、フェルゼンが示す率直な反応「大変だったでしょう」「お可哀想に」という共感に満ちた言葉についほだされそうになり、その都度気を引き締める。ついにメルシー伯がその真意を明らかにしたとき、フェルゼンはそれを非難する。しかし彼はわかっている。国の名誉も体面も王妃様には必要ない、と言う言葉は彼の本心ではあるけれど、それが大人の分別で測れば無謀で理に適わないことだということも知ってしまっているのだ。だからこそ彼は、一旦は否定したメルシー伯の言葉に動かされ、アントワネットとの別れを決意する。いや追い込まれてそうせざるを得ない。
……とか考えられるようになったらこの場面も消化できちゃうよな(半笑)。
勿論、繰り返しますがそれはそこまで見せてくれる出演者の力であるわけで。
終始、大人の分別をもってアントワネット(とフェルゼン)を導こうとしたメルシー伯が、最後の最後、アントワネットの子供時代の象徴であるステファン人形を返しに来るのが興味深いところです。
しかし、その時既にアントワネットは少女には戻らない。戻れない。
そしてその運命の皮肉の前にフェルゼンはただ立ち尽くすのみ。
本当、ここにきてベルばら完全消化ですよ。消化出来すぎて我ながら呆然。つか、きっと仲間内誰もついてきてくんない(苦笑)。
あ、あと今日は2幕でブイエ将軍に啖呵を切るオスカルにも持って行かれた。何だか格好よくてしなやかで強くて生き生きしていて泣けた。もう末期状態だな(苦笑)。
『THE LAST PARTY』月組ゆうひさん主演版を観て参りました。
全然違った。
宙組版とも、恐らくは前回の月組版とも。
ラスパってこういう話だったんだ。こういう話でもありえたんだ。
宙ラスパのスコットは、背中に羽根を持つピーターパンでした。そのスコットを主人公に人間の姿を描いた、言わば寓話。
しかし、月ラスパのスコットは人間でした。生身の、普通の人間。
そして、そのスコットの物語は、寓話ではなく人間のドラマでした。
興味深いのは、初演時はどちらのスコットもピーターパンだと思っていたんですよ。
一幕終わりに「青春は終わり、人生と言う荒波に漕ぎ出さなければならなかった」というような台詞があるんですが、どちらに対しても、結局青春から抜け出せずに人生を生きられなかったんだな、と思っていたんですね。
それが今回は違った。
祐飛スコットは苦しみながら大人になり、ちゃんと人生を生きていた。最初の、若い青年時代から後半の挫折を知った大人の男まで、生身の人間としてちゃんと年を取っていった。
もうひとつ意外に思ったのは、役(スコット)と役者(OZORA)の二重構造が気にならなかったこと。気にならなかった、と言うか、意味を感じた。スコットを演じるOZORAが時に役に語りかけ(それは観客の代弁者のようだった)、時に役になりきる、その揺れが面白いなあと。
それも、ゆうひさんが役と役者を演じ分けていたからなんだろうなあと。役者OZORAもゆうひさん自身ではなく、ちゃんとそういう役として。
この2点は初演時には思わなかったことで。
私はそれほど月組をたくさん見ているわけではないのですが、ここ半年くらいゆうひさんが何だか変わってきたような気がしていたんですね。存在が大きくなったというか。だから今回観るのを楽しみにしていたんですが、期待通り初演とは全然違うものを見せてもらって、すごく面白かった。こんなことを言うのもおこがましいけれどすごく上手くなった、又は役を自分のものにしたんだなあと。
寓話でなく人間のドラマになったのは、祐飛スコットだけでなく、かなみゼルダ、ほっくんアーネスト、そして宙組と月組の組自体の違いがあると思います。
かなみんゼルダ、すごかった。元々上手い人なのは知っていたし初演時も上手いと思っていたんですが、更に役を自分のものにしてきた。
るいちゃんに対してもそう言いましたが。でもかなみんもすごい。
スコットが「毒の華」と言い、その言葉に応えて現れるゼルダ。「Welcome」その台詞ひとつで「毒の華」を体現していた。
ニューヨークでの幸せの頂点、そのさなかに言う「死ぬときは一緒」の甘美さと不吉さ。
段々と壊れていく狂気の迫真。そして愛。それでも慈母のように微笑む美しさと恐ろしさ。
まさにゼルダそのものだと思った。
この持ち味は人によって好みが別れるかもしれない、とも思いました。上手すぎる、リアルすぎると感じられるかも。
でも、今回の月ラスパではこれは正解、と言うか素晴らしい成果を上げていたと思う。ゆうひくんのスコットと相まって、リアルな、生々しいドラマを作り出していた。
あ、ゼルダとスコットの関係で思ったのが「スコットがゼルダを愛していた」と言うことです。いやそれは当然なんだけれど、ゆうひさんのことを人を愛する演技が苦手な人だと思っていたので。今回はそれがなかった。本当にゼルダを愛していた。もうどうしようもないのに、どうしようもないほどに。
もうひとり。アーネスト=ほっくん。
初演メンバーではない彼がどんなアーネストを作ってくるか、これも非常に興味深かったのですが。
やっぱり、ほっくんは上手い。
若く、一匹狼で、男らしく、粗野ですらあるアーネスト。登場時の目つき、握手をするときにズボンの辺りでごしごしと手を拭く仕草、がっつくようなものの食べ方。細かい演技でアーネストと言うキャラクタを雄弁に表現していた。
一幕ではとても悪そうな男。傲慢で、スコットを馬鹿にしつつ利用しているようにすら見える。
でも二幕。スコットの作品を非難する姿。その真摯さに、実はスコットに敬意を抱き、それゆえの怒りであることが伝わってくる。きつく傲慢な台詞の裏の苛立ち。
いやすごく上手い。アーネストってこういう表現も出来たんだなあと。
ところで、今回ほっくんアーネストは舞台上で本当に何か食べてたんですが、これ青年館でもバウでもやってませんでしたよね???
芝居という印象が強い舞台でした。ミュージカルではなく芝居。スコットの苦悩。スコットとゼルダのぶつかり合い、そして愛。
クオリティの高い、白熱した名舞台だと思います。
でも。
個人的な感想をいえば、私が訳もなく泣けたのは宙版の方でした。訳があって泣けたのは月版の方かもしれないけれど(二幕はかなみんゼルダが出てくるたびに泣ける)。
月版は生身の「スコットとゼルダの物語」として完成されていたために、特定の他者の物語として客観的に見てしまった。それに対して宙版は寓話であったが故に私の個人的な感情を揺さぶった、そういうことかもしれません。
こういうのを見ると演者の違いというのはつくづく面白いと思います。初演と今回、それぞれ両方見ておいてよかった。(そしてまた観劇回数が増える・苦笑)
全然違った。
宙組版とも、恐らくは前回の月組版とも。
ラスパってこういう話だったんだ。こういう話でもありえたんだ。
宙ラスパのスコットは、背中に羽根を持つピーターパンでした。そのスコットを主人公に人間の姿を描いた、言わば寓話。
しかし、月ラスパのスコットは人間でした。生身の、普通の人間。
そして、そのスコットの物語は、寓話ではなく人間のドラマでした。
興味深いのは、初演時はどちらのスコットもピーターパンだと思っていたんですよ。
一幕終わりに「青春は終わり、人生と言う荒波に漕ぎ出さなければならなかった」というような台詞があるんですが、どちらに対しても、結局青春から抜け出せずに人生を生きられなかったんだな、と思っていたんですね。
それが今回は違った。
祐飛スコットは苦しみながら大人になり、ちゃんと人生を生きていた。最初の、若い青年時代から後半の挫折を知った大人の男まで、生身の人間としてちゃんと年を取っていった。
もうひとつ意外に思ったのは、役(スコット)と役者(OZORA)の二重構造が気にならなかったこと。気にならなかった、と言うか、意味を感じた。スコットを演じるOZORAが時に役に語りかけ(それは観客の代弁者のようだった)、時に役になりきる、その揺れが面白いなあと。
それも、ゆうひさんが役と役者を演じ分けていたからなんだろうなあと。役者OZORAもゆうひさん自身ではなく、ちゃんとそういう役として。
この2点は初演時には思わなかったことで。
私はそれほど月組をたくさん見ているわけではないのですが、ここ半年くらいゆうひさんが何だか変わってきたような気がしていたんですね。存在が大きくなったというか。だから今回観るのを楽しみにしていたんですが、期待通り初演とは全然違うものを見せてもらって、すごく面白かった。こんなことを言うのもおこがましいけれどすごく上手くなった、又は役を自分のものにしたんだなあと。
寓話でなく人間のドラマになったのは、祐飛スコットだけでなく、かなみゼルダ、ほっくんアーネスト、そして宙組と月組の組自体の違いがあると思います。
かなみんゼルダ、すごかった。元々上手い人なのは知っていたし初演時も上手いと思っていたんですが、更に役を自分のものにしてきた。
るいちゃんに対してもそう言いましたが。でもかなみんもすごい。
スコットが「毒の華」と言い、その言葉に応えて現れるゼルダ。「Welcome」その台詞ひとつで「毒の華」を体現していた。
ニューヨークでの幸せの頂点、そのさなかに言う「死ぬときは一緒」の甘美さと不吉さ。
段々と壊れていく狂気の迫真。そして愛。それでも慈母のように微笑む美しさと恐ろしさ。
まさにゼルダそのものだと思った。
この持ち味は人によって好みが別れるかもしれない、とも思いました。上手すぎる、リアルすぎると感じられるかも。
でも、今回の月ラスパではこれは正解、と言うか素晴らしい成果を上げていたと思う。ゆうひくんのスコットと相まって、リアルな、生々しいドラマを作り出していた。
あ、ゼルダとスコットの関係で思ったのが「スコットがゼルダを愛していた」と言うことです。いやそれは当然なんだけれど、ゆうひさんのことを人を愛する演技が苦手な人だと思っていたので。今回はそれがなかった。本当にゼルダを愛していた。もうどうしようもないのに、どうしようもないほどに。
もうひとり。アーネスト=ほっくん。
初演メンバーではない彼がどんなアーネストを作ってくるか、これも非常に興味深かったのですが。
やっぱり、ほっくんは上手い。
若く、一匹狼で、男らしく、粗野ですらあるアーネスト。登場時の目つき、握手をするときにズボンの辺りでごしごしと手を拭く仕草、がっつくようなものの食べ方。細かい演技でアーネストと言うキャラクタを雄弁に表現していた。
一幕ではとても悪そうな男。傲慢で、スコットを馬鹿にしつつ利用しているようにすら見える。
でも二幕。スコットの作品を非難する姿。その真摯さに、実はスコットに敬意を抱き、それゆえの怒りであることが伝わってくる。きつく傲慢な台詞の裏の苛立ち。
いやすごく上手い。アーネストってこういう表現も出来たんだなあと。
ところで、今回ほっくんアーネストは舞台上で本当に何か食べてたんですが、これ青年館でもバウでもやってませんでしたよね???
芝居という印象が強い舞台でした。ミュージカルではなく芝居。スコットの苦悩。スコットとゼルダのぶつかり合い、そして愛。
クオリティの高い、白熱した名舞台だと思います。
でも。
個人的な感想をいえば、私が訳もなく泣けたのは宙版の方でした。訳があって泣けたのは月版の方かもしれないけれど(二幕はかなみんゼルダが出てくるたびに泣ける)。
月版は生身の「スコットとゼルダの物語」として完成されていたために、特定の他者の物語として客観的に見てしまった。それに対して宙版は寓話であったが故に私の個人的な感情を揺さぶった、そういうことかもしれません。
こういうのを見ると演者の違いというのはつくづく面白いと思います。初演と今回、それぞれ両方見ておいてよかった。(そしてまた観劇回数が増える・苦笑)
ポスター出てました。(公式に反応)
2006年3月24日 宝塚星バウ『フェツト・アンペリアル』ポスター出来たようです。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/06/03star/poster.html
……微妙?(誰に聞いてるんだ)
いや微妙な気がするのはPC画面のせいで紙で見たら違うかもとか淡い期待を抱いている訳ですが。
にしても三人の方向性が違うような気が。
すずみんがあまりにも楽しそーに悪役キャラ立てしているので(お茶会でご本人が「悪役で嫌味な役」と仰ったらしいですよ)、真ん中のぼーっとしてる人に逃げてーと言いたくなるとか。うめ嬢は一人前しか見てねぇなとか(猪突猛進キャラに見えるよ)。
「最初は喜劇の予定だったけれど、結局悲喜劇」だそうですが、ポスターの仕上がりを見た大野先生が「やっぱり喜劇かな」と言い出さないことを祈ります。
……こんなにネタ的に見えてしまうのは私が普段からこの人たちをバイアスのかかった目で見ているからでしょうか。普通の人が見たらかっこいいポスターに見えるのかなあ。既に感覚が麻痺していてわからない(苦笑)。
モノクロの渋い雰囲気はいいと思います。この世界観のお話かと思うとすげー楽しみです。
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/06/03star/poster.html
……微妙?(誰に聞いてるんだ)
いや微妙な気がするのはPC画面のせいで紙で見たら違うかもとか淡い期待を抱いている訳ですが。
にしても三人の方向性が違うような気が。
すずみんがあまりにも楽しそーに悪役キャラ立てしているので(お茶会でご本人が「悪役で嫌味な役」と仰ったらしいですよ)、真ん中のぼーっとしてる人に逃げてーと言いたくなるとか。うめ嬢は一人前しか見てねぇなとか(猪突猛進キャラに見えるよ)。
「最初は喜劇の予定だったけれど、結局悲喜劇」だそうですが、ポスターの仕上がりを見た大野先生が「やっぱり喜劇かな」と言い出さないことを祈ります。
……こんなにネタ的に見えてしまうのは私が普段からこの人たちをバイアスのかかった目で見ているからでしょうか。普通の人が見たらかっこいいポスターに見えるのかなあ。既に感覚が麻痺していてわからない(苦笑)。
モノクロの渋い雰囲気はいいと思います。この世界観のお話かと思うとすげー楽しみです。
万歳三唱。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月21日 宝塚本日3/21午後は、宝塚友の会優先公演でした。貸切扱いで終演後のご挨拶あり。
ワタさん曰く「皆様既にご存知かと思いますが、今日WBCで日本が優勝しました!」おおーと客席。
「この喜びを皆様と分かち合いたいと思います! それでは一緒に万歳三唱を!」
ええ、やりましたよ万歳三唱。いやあ星組だなあ(苦笑)。先日のしぃ茶でも「勝ちましたね!」って言ってたんで、きっと楽屋ですごく盛り上がっているんだろうと思います(あ、お茶会報告書かなきゃ)。
勿論それで終わりではなく「私達も皆様に夢と感動を与えられるような舞台を務めたいと思います」と言ってました。それに対して誰か客席から「星組世界一!」みたいなこと叫んでたような(笑)。
本日は立樹アンドレ楽でもある訳で。さてどうだったかと言うと。
ものっっっすっごく良かったっ!!!
18日はつまんないとか言ってごめんなさい。いやマジで申し訳ない。
と言うか、あのとき方向性が構築されたものをどんどん肉付けし膨らませてここにたどり着いたということなら。今日のアンドレ楽が完成形であるならば、今日この回を見ることができて良かった。本当に良かった(俺は今まで生きてきて良かったの勢いで)。
そう思ったのは私だけではなかったらしく、隣で観ていたジュンタさんは一幕終わりの時点で既に「あんまりしぃちゃんが素敵だから」泣いているし。終演後落ち合ったサトリさんは足元が完全にふらついてるし。
この素晴らしさを言葉で伝えることも書き残すことも到底不可能であると絶望に陥りながら、それでも感想を書いておこうと思います。
まず、ビジュアルに瞠目。
メイク変えた? いやそれもあるけれどそれだけじゃなくて。表情の作り方から違う?
端正で、美しい、大人の男。
……えーと、私はしぃちゃんのファンですが、顔で惚れたと言う訳でもないので、そう感じていることに戸惑いつつ。でも本当に格好よくて。
表情も、白か黒か明快なコントラストではなくグレースケールの光と影で。
何だか、こんなしぃちやん、初めて見たような。
芝居も、出すぎず抑えすぎず、何と言うか非の打ち所がない。ここがどうだとかあれが違うとか何も言う必要がなくただ見せてくれるものを享受すればいい。そんな感じ。
全体的な雰囲気からして変わっているので、具体的にどこがどう良くなったと言うのは難しいのですが。
最初の登場シーン、ジャルジェ将軍に殴られたオスカルに駆け寄るところ。前半が愛情だだ漏れ状態だったのに対して、後期日程では非常に抑えた感じになっていました。その抑え方が正しいと思いつつ、16日の時点では私は物足りなかった訳です。が、この楽では、抑えつつも秘めた愛情が切々と感じられて、すごく良かった。やられた。
この場面、ジェローデルはオスカルをじっと見守りつつ、彼女が剣に生きると宣言すると満足そうに微笑むんですね。が、アンドレはずっとただ見守っているだけで、オスカルの言葉に反応して表情を変える事はしないのです。ただ真剣に気遣わしげに見ている。これは規定演技のようなのですが、今回は特にその差、二人のオスカルに寄せる思いの違いがはっきりと出ている場面になってました。何と言うか、ジェローデルがオスカルの生き方に敬意を表しかつ女性として愛している(そして彼は近衛隊長として出会ってからのオスカルしか知らない)のに対し、アンドレはただオスカルの存在そのものを愛している、いや愛しているというよりオスカルの存在が彼の存在、と言うように見える、そういうことを表現したいのかなと。
小石の場面も初期とは違いました。オスカルが悩みを吐露している最中、アンドレはじっと考え込む表情をしている。それはオスカルには見せない顔。そして、明るい表情を「作って」豪快に笑いかける。オスカルの悩みを紛らわせてやろうとして意図的にやっている、というのが見える演技になってました。
これ実はお茶会でそういうことを言っていたので意図としては最初からそうだったものを、ここにきて的確に表現してきたんだなあと。
「白ばらの人」も正しい「白ばらの人」でした。ただオスカルへの愛情全開ではなく、秘めた思いとそれでも愛しぬくという決意を歌う歌。苦悩や切なさと、決意と前向きさのバランスが。
そして、何だかスターさんでした。いや、客席への目線の配り方とかがね、見せることも意識したような銀橋ソロだった。少なくとも私にはそう見えた。(今までは違ったのか)(いや今までもスターさんだったけど、でもちょっと違った)
二幕になると、余計な雑念は消えうせてしまって、ただ見てしまっていた。
今宵一夜は本当に良くて。「真実」と言うもの、オスカルとアンドレという二人の人間の真実が感じられて。
アンドレっていい男だったんだな、と初めて思った。愛情深い大人の、しかし限りなく深い情熱を秘めた、オスカルが身を委ねるに相応しい男。
本当にもう、ただ見ていた。ただ、オスカルとアンドレの物語を見ていた。
勿論、それはオスカルのトウコさんも素晴らしくて。
安蘭けいと立樹遥を見ているのではなく、オスカルとアンドレとして見てしまっていた。
いや、原作のイメージ云々まで言ったらどう判断すべきかはわからないけれど、でも。強く美しく誇り高く、しかし脆く激しく感情豊かな女性と、常に彼女とともにあり別ちがたく結ばれ、全存在を懸けて彼女を愛する男の姿として、ただ素直に見ていた。
それは、圧倒的な物語だった。
おかげで、バスティーユ以降、感覚が半ば麻痺してしまったらしい。いや、一生懸命見ていたのだけれど、頭にも感情にもその情報を咀嚼する余裕がなく、それまでの物語の余韻と言う感じで。
本当に、奇跡のようなオスカルとアンドレだった。
ま、最初からこれが出来ていればと思わなくもないんですが(苦笑)。私個人的には前半日程のいかにもしぃちゃんらしいアンドレも大好きで両方見られて得したとか思っている訳ですが、世間一般的には今の方か高評価だと思うし(少なくとも私の周りはみんなそうだ)。
でも、この自身のアンドレ楽にここまでもってきた、創り上げてきたということは素晴らしいと思います。良かった。本当に良かった。
それに、公演自体も白熱した素晴らしいものだっのですよ。
さっき書いたバスティーユ以降余韻ということと矛盾するようだけれど、でもみんな素晴らしかった。フェルゼンもアントワネットも、ジェローデルもベルナールもロザリーも、脇役の一人一人もみんな。
「何でこんなに感動しちゃうんだろうねー、ベルばらなのに」と終演後に涙と苦笑交じりで言い合ってしまった。
それはやっぱり、演じる側の熱意なんだろうなと。
だってあの人たち本気だもの。本気でベルばらは宝塚の宝物で、出演できてうれしい、誇りに思う、って思ってるもの。
観る側が斜に構えて客席に座っていたって、そりゃ負けるわ。
……まあ脚本が当社比でかなりマシなおかげもあるけど(全ツ版ではさすがにちょっと)。
とにかくこの日は、奇跡のような公演だったんだ。少なくとも、私にとっては。ただ単に個人的に何かスイッチが入ってしまっただけで客観的に見たらそれほどでもないんじゃ、と言われれば否定はしませんが。
終演後、ジュンタさんとサトリさんとサトリさんのお友達とそのお友達と5人でご飯食べたりしていたのだけれど。
駅で別れるとき、誰からともなく。
「万歳三唱しようか?」
ええ、やりましたよ万歳三唱。酒も入ってないのに(苦笑)。
立樹遥さんのアンドレに。そして、今日の公演に。
ありがとう星組。
***
感想が上手く書けないとSSをする癖(=頭で組み立てるより見えるものを写し取る方が早い)。
と言う訳で今回も「アンドレがどれだけ素晴らしかったかとても書き表せないー」と言いながら書いてたんですが。例によって感想文よりSSの方が早く出来ていたんですが。出来たらすげー甘ったるくて陳腐で自分で自分にげんなりしました。私もうガラスの馬車を笑えない(半笑い)。
公開もはばかられましたがでも私にこういうものを書かせたということが感想の表現になるので、やはり載せておきます。これ以上戯言は聞きたくないという人は読まないでください(もう読んでないか)。
http://kine.nobody.jp/verose5.html
ワタさん曰く「皆様既にご存知かと思いますが、今日WBCで日本が優勝しました!」おおーと客席。
「この喜びを皆様と分かち合いたいと思います! それでは一緒に万歳三唱を!」
ええ、やりましたよ万歳三唱。いやあ星組だなあ(苦笑)。先日のしぃ茶でも「勝ちましたね!」って言ってたんで、きっと楽屋ですごく盛り上がっているんだろうと思います(あ、お茶会報告書かなきゃ)。
勿論それで終わりではなく「私達も皆様に夢と感動を与えられるような舞台を務めたいと思います」と言ってました。それに対して誰か客席から「星組世界一!」みたいなこと叫んでたような(笑)。
本日は立樹アンドレ楽でもある訳で。さてどうだったかと言うと。
ものっっっすっごく良かったっ!!!
18日はつまんないとか言ってごめんなさい。いやマジで申し訳ない。
と言うか、あのとき方向性が構築されたものをどんどん肉付けし膨らませてここにたどり着いたということなら。今日のアンドレ楽が完成形であるならば、今日この回を見ることができて良かった。本当に良かった(俺は今まで生きてきて良かったの勢いで)。
そう思ったのは私だけではなかったらしく、隣で観ていたジュンタさんは一幕終わりの時点で既に「あんまりしぃちゃんが素敵だから」泣いているし。終演後落ち合ったサトリさんは足元が完全にふらついてるし。
この素晴らしさを言葉で伝えることも書き残すことも到底不可能であると絶望に陥りながら、それでも感想を書いておこうと思います。
まず、ビジュアルに瞠目。
メイク変えた? いやそれもあるけれどそれだけじゃなくて。表情の作り方から違う?
端正で、美しい、大人の男。
……えーと、私はしぃちゃんのファンですが、顔で惚れたと言う訳でもないので、そう感じていることに戸惑いつつ。でも本当に格好よくて。
表情も、白か黒か明快なコントラストではなくグレースケールの光と影で。
何だか、こんなしぃちやん、初めて見たような。
芝居も、出すぎず抑えすぎず、何と言うか非の打ち所がない。ここがどうだとかあれが違うとか何も言う必要がなくただ見せてくれるものを享受すればいい。そんな感じ。
全体的な雰囲気からして変わっているので、具体的にどこがどう良くなったと言うのは難しいのですが。
最初の登場シーン、ジャルジェ将軍に殴られたオスカルに駆け寄るところ。前半が愛情だだ漏れ状態だったのに対して、後期日程では非常に抑えた感じになっていました。その抑え方が正しいと思いつつ、16日の時点では私は物足りなかった訳です。が、この楽では、抑えつつも秘めた愛情が切々と感じられて、すごく良かった。やられた。
この場面、ジェローデルはオスカルをじっと見守りつつ、彼女が剣に生きると宣言すると満足そうに微笑むんですね。が、アンドレはずっとただ見守っているだけで、オスカルの言葉に反応して表情を変える事はしないのです。ただ真剣に気遣わしげに見ている。これは規定演技のようなのですが、今回は特にその差、二人のオスカルに寄せる思いの違いがはっきりと出ている場面になってました。何と言うか、ジェローデルがオスカルの生き方に敬意を表しかつ女性として愛している(そして彼は近衛隊長として出会ってからのオスカルしか知らない)のに対し、アンドレはただオスカルの存在そのものを愛している、いや愛しているというよりオスカルの存在が彼の存在、と言うように見える、そういうことを表現したいのかなと。
小石の場面も初期とは違いました。オスカルが悩みを吐露している最中、アンドレはじっと考え込む表情をしている。それはオスカルには見せない顔。そして、明るい表情を「作って」豪快に笑いかける。オスカルの悩みを紛らわせてやろうとして意図的にやっている、というのが見える演技になってました。
これ実はお茶会でそういうことを言っていたので意図としては最初からそうだったものを、ここにきて的確に表現してきたんだなあと。
「白ばらの人」も正しい「白ばらの人」でした。ただオスカルへの愛情全開ではなく、秘めた思いとそれでも愛しぬくという決意を歌う歌。苦悩や切なさと、決意と前向きさのバランスが。
そして、何だかスターさんでした。いや、客席への目線の配り方とかがね、見せることも意識したような銀橋ソロだった。少なくとも私にはそう見えた。(今までは違ったのか)(いや今までもスターさんだったけど、でもちょっと違った)
二幕になると、余計な雑念は消えうせてしまって、ただ見てしまっていた。
今宵一夜は本当に良くて。「真実」と言うもの、オスカルとアンドレという二人の人間の真実が感じられて。
アンドレっていい男だったんだな、と初めて思った。愛情深い大人の、しかし限りなく深い情熱を秘めた、オスカルが身を委ねるに相応しい男。
本当にもう、ただ見ていた。ただ、オスカルとアンドレの物語を見ていた。
勿論、それはオスカルのトウコさんも素晴らしくて。
安蘭けいと立樹遥を見ているのではなく、オスカルとアンドレとして見てしまっていた。
いや、原作のイメージ云々まで言ったらどう判断すべきかはわからないけれど、でも。強く美しく誇り高く、しかし脆く激しく感情豊かな女性と、常に彼女とともにあり別ちがたく結ばれ、全存在を懸けて彼女を愛する男の姿として、ただ素直に見ていた。
それは、圧倒的な物語だった。
おかげで、バスティーユ以降、感覚が半ば麻痺してしまったらしい。いや、一生懸命見ていたのだけれど、頭にも感情にもその情報を咀嚼する余裕がなく、それまでの物語の余韻と言う感じで。
本当に、奇跡のようなオスカルとアンドレだった。
ま、最初からこれが出来ていればと思わなくもないんですが(苦笑)。私個人的には前半日程のいかにもしぃちゃんらしいアンドレも大好きで両方見られて得したとか思っている訳ですが、世間一般的には今の方か高評価だと思うし(少なくとも私の周りはみんなそうだ)。
でも、この自身のアンドレ楽にここまでもってきた、創り上げてきたということは素晴らしいと思います。良かった。本当に良かった。
それに、公演自体も白熱した素晴らしいものだっのですよ。
さっき書いたバスティーユ以降余韻ということと矛盾するようだけれど、でもみんな素晴らしかった。フェルゼンもアントワネットも、ジェローデルもベルナールもロザリーも、脇役の一人一人もみんな。
「何でこんなに感動しちゃうんだろうねー、ベルばらなのに」と終演後に涙と苦笑交じりで言い合ってしまった。
それはやっぱり、演じる側の熱意なんだろうなと。
だってあの人たち本気だもの。本気でベルばらは宝塚の宝物で、出演できてうれしい、誇りに思う、って思ってるもの。
観る側が斜に構えて客席に座っていたって、そりゃ負けるわ。
……まあ脚本が当社比でかなりマシなおかげもあるけど(全ツ版ではさすがにちょっと)。
とにかくこの日は、奇跡のような公演だったんだ。少なくとも、私にとっては。ただ単に個人的に何かスイッチが入ってしまっただけで客観的に見たらそれほどでもないんじゃ、と言われれば否定はしませんが。
終演後、ジュンタさんとサトリさんとサトリさんのお友達とそのお友達と5人でご飯食べたりしていたのだけれど。
駅で別れるとき、誰からともなく。
「万歳三唱しようか?」
ええ、やりましたよ万歳三唱。酒も入ってないのに(苦笑)。
立樹遥さんのアンドレに。そして、今日の公演に。
ありがとう星組。
***
感想が上手く書けないとSSをする癖(=頭で組み立てるより見えるものを写し取る方が早い)。
と言う訳で今回も「アンドレがどれだけ素晴らしかったかとても書き表せないー」と言いながら書いてたんですが。例によって感想文よりSSの方が早く出来ていたんですが。出来たらすげー甘ったるくて陳腐で自分で自分にげんなりしました。私もうガラスの馬車を笑えない(半笑い)。
公開もはばかられましたがでも私にこういうものを書かせたということが感想の表現になるので、やはり載せておきます。これ以上戯言は聞きたくないという人は読まないでください(もう読んでないか)。
http://kine.nobody.jp/verose5.html
本日の感想、及び事務連絡。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月18日 宝塚3/18(土)11時、OMC貸切見て参りました。
幸いにして、上手端だけれどそこそこの前方席が当たってほくほく。
上手端と言うことで、本日は2幕回想シーン後のジェローデルに注目。
せり上がってくるときの顔が、何ともいえなくて。オスカル辿った運命に思いを馳せ、悲しんで。でも悲しみながら微笑んでいる。そんな感じの、悲しみと寂しさと諦念が入り混じったような微笑。
そして、フェルゼンに語りだすうちに再び感情が高まってきて、徐々に語調が熱くなる。
いいなあ。この人の丁寧で繊細な演技も好きだと再認識。
あ、小雨の淑女はターバンでした。ちなみに午後は金髪ボブだったらしい。貸切は鬘と言うジンクスは崩れたようです。
やはり鬘の方が女らしく見えましたな。今日はところどころ「男役」なキメ顔が見られて、それもまた愉しという感じです(笑)。
本当に端の席だったので、1幕最後のフェルゼンの銀橋への入り(花道付け根でターンするところ)が目の前で。もう言葉にならない。
あと今日はオスカルに妙に持っていかれました。特に二幕。トウコさんのテンションが高かったのかすげー引き込まれた。それに加えて踊るみんなの気迫に、バスティーユは泣いたさ。
ところで。
読んでくださっている方には「こいつ1日おきに通ってるのか」と思われていそうですが。いや実際そうなんですが。
ここにきて、ベルばらが私の中でありになってきました。許容範囲、と言うか楽しめてます。
元々対当社比ではまともな台本で、特に2幕は歴史ものとして辻褄も合いそれなりに出来ているので、初見のときからそこそこ通っても耐えられそうだと思ってはいましたが。いや時間経過を真面目に考えると変なんだけれど、登場人物の考えと行動に無理がないのでフィクション化する際のデフォルメと考えれば許容できます。少なくとも長安よりは上だ(それって比較レベルが)。
加え、ここ2回の良席効果、深まる役者の演技と組子一丸の熱いチームワークによる舞台の盛り上がり、そして私の脳内フィルタ等等を総動員した結果、十分楽しい。少なくともここ2回は斜に構えず楽しめました。メルシー伯説教シーンですら今の私にはありです(何がどうありかは気が向いたらそのうちに)。
と言う訳で(どういう訳だ)、SS追加しました。
ご興味のある方はHOMEの二次創作インデックスからどうぞ。ムラ版キャスティング想定なので東宝初日前に出そうと思っていのですが。そうでなくてもしぃベルナール日程の間に出そうと思っていたのですが。まあとりあえず出来たところで。相変わらずの無計画(笑)。
幸いにして、上手端だけれどそこそこの前方席が当たってほくほく。
上手端と言うことで、本日は2幕回想シーン後のジェローデルに注目。
せり上がってくるときの顔が、何ともいえなくて。オスカル辿った運命に思いを馳せ、悲しんで。でも悲しみながら微笑んでいる。そんな感じの、悲しみと寂しさと諦念が入り混じったような微笑。
そして、フェルゼンに語りだすうちに再び感情が高まってきて、徐々に語調が熱くなる。
いいなあ。この人の丁寧で繊細な演技も好きだと再認識。
あ、小雨の淑女はターバンでした。ちなみに午後は金髪ボブだったらしい。貸切は鬘と言うジンクスは崩れたようです。
やはり鬘の方が女らしく見えましたな。今日はところどころ「男役」なキメ顔が見られて、それもまた愉しという感じです(笑)。
本当に端の席だったので、1幕最後のフェルゼンの銀橋への入り(花道付け根でターンするところ)が目の前で。もう言葉にならない。
あと今日はオスカルに妙に持っていかれました。特に二幕。トウコさんのテンションが高かったのかすげー引き込まれた。それに加えて踊るみんなの気迫に、バスティーユは泣いたさ。
ところで。
読んでくださっている方には「こいつ1日おきに通ってるのか」と思われていそうですが。いや実際そうなんですが。
ここにきて、ベルばらが私の中でありになってきました。許容範囲、と言うか楽しめてます。
元々対当社比ではまともな台本で、特に2幕は歴史ものとして辻褄も合いそれなりに出来ているので、初見のときからそこそこ通っても耐えられそうだと思ってはいましたが。いや時間経過を真面目に考えると変なんだけれど、登場人物の考えと行動に無理がないのでフィクション化する際のデフォルメと考えれば許容できます。少なくとも長安よりは上だ(それって比較レベルが)。
加え、ここ2回の良席効果、深まる役者の演技と組子一丸の熱いチームワークによる舞台の盛り上がり、そして私の脳内フィルタ等等を総動員した結果、十分楽しい。少なくともここ2回は斜に構えず楽しめました。メルシー伯説教シーンですら今の私にはありです(何がどうありかは気が向いたらそのうちに)。
と言う訳で(どういう訳だ)、SS追加しました。
ご興味のある方はHOMEの二次創作インデックスからどうぞ。ムラ版キャスティング想定なので東宝初日前に出そうと思っていのですが。そうでなくてもしぃベルナール日程の間に出そうと思っていたのですが。まあとりあえず出来たところで。相変わらずの無計画(笑)。
私の我儘。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月16日 宝塚3/16(木)18:30公演。本日13:30公演からしぃドレ日程再び。
と言う訳でサトリさんと並んで観劇。5列上手という今公演で一番の良席。
幕間。
「格好良かったですよね!」
「うん、良かった。普通に格好良かった」
喜ぶサトリさんに少々釈然としない顔で答える私。普通、いや普通と言うより。
「端正」
……しぃドレに「端正」という形容詞を使うことになろうとは、誰が想像したでしょう。
初日に見たものとは別人でした。立樹アンドレ。
控えめに静かにオスカルを見つめている。愛情と強い情熱と、それに匹敵するほどの深い、しかし暗いやるせなさを秘めて。
「白ばらの人」も、オスカルに向けるまっすぐな思いとそれでもなお秘めた切なさや暗さ、それらを全てこめての決意が感じられる歌で。その後のジェローデルとの場面も、言い争いから同じ女性を愛したもの同士として認め合う過程が短いやりとりで表されるとてもいい場面になっていたのだけれど(ここで拍手って前から入ってましたっけ?)。「この思いは秘めているだけで幸せなんです」も、報われない苦しさを飲み込みつつそれでいいと決意した言い方になっていた。
宮殿でも気遣わしげな顔でひたすらオスカルを見つめ続けるのだけれど、オスカルはフェルゼンのことしか見ていない。そのことを何も感じないわけではない、でもオスカルを見守り続ける。
光と影の影として、常にオスカルとともにある。抑えた演技で包容力と耐える男の風情を兼ね備えた、端正で正しいアンドレでした。
でも。
つーまーんーなーいーっ!!!(爆)
私は初日に見た、愛情だだ漏れでおおらかで豪快で明るくて一点の曇りも迷いもなく晴れやかでオスカルの気持ちがどこにあろうとお構いなしに無条件にまっすぐにベタベタ甘甘に暑苦しくオスカルを愛しているアンドレが見たかったんだよー。期待してたんだよー。
ごめん、わがままで。
いや、もちろんわかってますよ。
今のアンドレの方が役作りとして正しいし、世間様の評価も高いだろうということは。そして、抑えるべきところは抑え工夫すべきところは工夫してこのアンドレ像をつくりあげた(初日がああで今がこうってことはそういうことなんだろう)立樹さんに、感嘆の念すら抱いてますよ。
でもちょっと寂しいだけで。
今宵一夜は、本当に格好良かったです。愛しているんだけどやりすぎてなくて、大人の男って感じでねー、良かった。(ここは愛情を発散してもいいシーンだから私の好みに合致したせいもあるだろうけど)
市民側に付くと宣言するところも事の成り行きを深刻な顔で見守っていて(どのアンドレもこれは規定演技のようです)。そしてその後の「結婚式だ」に対しては、驚いてはいるものの素直に受け止めて喜んでいるようでした。
はあ。
いや、私が悪いんです私の期待が間違っているんです。わかってますよ、わかってますってば。でもアンドレは、特に今回のアンドレはいまいち面白みのない役なので、過剰な部分があった方が見ていて楽しいのですが。思えばムラのトウドレもオヤジ度が過剰で楽しかったし。ベルばらなんだし過剰でいいじゃないですか、バロックで行こうよ(ベルばらはロココだろう)(でも宝塚のベルばらは植田歌舞伎)。
しぃドレ銀橋ソロ目当てのはずの前方的でしたが、一番持っていかれたのはフェルゼン様にでした。ある意味私的には正しい。
一幕最後、ムラでは1回下手端前方席で見ました。その時はくるりと踵を返し去っていく最後を見送ることができてよかったんですが、本当に決然と表情が変わるのは歌い終わる上手なんですね。良かった。格好良かった。目が離せなかった。
二幕最後の牢獄は5列目だというのに我慢できなくてオペラでガン見だったし。この場面暗いんでいつも見えづらいので、こんなに表情を追えたのは初めてでした。
驚くアントワネットを包み込むような笑顔、間に合った喜び、一転して驚愕と絶望、首を横に振り何か言おうとするも何も言えない姿、苦悩の表情。そしてその末の諦念、再びアントワネットに向ける包み込むような笑顔。
もう言葉もない。見ることができてよかった。
柚希ベルナールは第一印象のままでした。あの鉄砲玉のような若さ溢れる直線的なベルナールも礼音くんの個性を生かした方向性でいいんじゃないかと思えてきました。腕の中のロザリーを顧みる余裕がなくぎらぎらしているのも、彼ならではの魅力と思います。残念ながら私の無駄な想像力は働きませんが。(働かんでいい)
あと本日のトピックはなんと言っても。
小雨ちゃん金髪ショートボブ!!!
すずみんの淑女も初日二日目以来だったんですが、来ましたよ貸切でしか拝めないと思っていた鬘が。サトリさんと肘つつきあって大喜び。
やっぱりいいなあ。踊ると髪が乱れて頬にかかるあたりがたまりません。
表情も初日に比べると大分柔らかく、と言うか色々やるようになってきてて、楽しそうでした。いや楽しいのは見ている我々ですが(笑)。いい女になってきてた。ラストのせり下がりも頬寄せて微笑んでいい感じでしたわ。
いやー可愛かった。また見たい。
***
3/18追記。(と言うかこれをアップしているのが実はそもそも18日)
本日11時公演のしぃドレは少し戻ってました。温度と明度が。特に小石のところと、銀橋ソロが。小石は明るさと豪快さ(笑)が若干復活し、「白ばらの人」は暗さが薄れ前向きな決意のようなニュアンスが強く感じられました。
でもやりすぎてはなかったと思います。うーん、今日くらいなのが私は好きかな。
と言うか、そもそも3/16の感想自体、予想と違って驚いたから実際以上に大げさに感じただけかもしれないと不安になってきました。いや主観とはかように当てにならないもので(苦笑)(言い訳いや言い逃げ)。
と言う訳でサトリさんと並んで観劇。5列上手という今公演で一番の良席。
幕間。
「格好良かったですよね!」
「うん、良かった。普通に格好良かった」
喜ぶサトリさんに少々釈然としない顔で答える私。普通、いや普通と言うより。
「端正」
……しぃドレに「端正」という形容詞を使うことになろうとは、誰が想像したでしょう。
初日に見たものとは別人でした。立樹アンドレ。
控えめに静かにオスカルを見つめている。愛情と強い情熱と、それに匹敵するほどの深い、しかし暗いやるせなさを秘めて。
「白ばらの人」も、オスカルに向けるまっすぐな思いとそれでもなお秘めた切なさや暗さ、それらを全てこめての決意が感じられる歌で。その後のジェローデルとの場面も、言い争いから同じ女性を愛したもの同士として認め合う過程が短いやりとりで表されるとてもいい場面になっていたのだけれど(ここで拍手って前から入ってましたっけ?)。「この思いは秘めているだけで幸せなんです」も、報われない苦しさを飲み込みつつそれでいいと決意した言い方になっていた。
宮殿でも気遣わしげな顔でひたすらオスカルを見つめ続けるのだけれど、オスカルはフェルゼンのことしか見ていない。そのことを何も感じないわけではない、でもオスカルを見守り続ける。
光と影の影として、常にオスカルとともにある。抑えた演技で包容力と耐える男の風情を兼ね備えた、端正で正しいアンドレでした。
でも。
つーまーんーなーいーっ!!!(爆)
私は初日に見た、愛情だだ漏れでおおらかで豪快で明るくて一点の曇りも迷いもなく晴れやかでオスカルの気持ちがどこにあろうとお構いなしに無条件にまっすぐにベタベタ甘甘に暑苦しくオスカルを愛しているアンドレが見たかったんだよー。期待してたんだよー。
ごめん、わがままで。
いや、もちろんわかってますよ。
今のアンドレの方が役作りとして正しいし、世間様の評価も高いだろうということは。そして、抑えるべきところは抑え工夫すべきところは工夫してこのアンドレ像をつくりあげた(初日がああで今がこうってことはそういうことなんだろう)立樹さんに、感嘆の念すら抱いてますよ。
でもちょっと寂しいだけで。
今宵一夜は、本当に格好良かったです。愛しているんだけどやりすぎてなくて、大人の男って感じでねー、良かった。(ここは愛情を発散してもいいシーンだから私の好みに合致したせいもあるだろうけど)
市民側に付くと宣言するところも事の成り行きを深刻な顔で見守っていて(どのアンドレもこれは規定演技のようです)。そしてその後の「結婚式だ」に対しては、驚いてはいるものの素直に受け止めて喜んでいるようでした。
はあ。
いや、私が悪いんです私の期待が間違っているんです。わかってますよ、わかってますってば。でもアンドレは、特に今回のアンドレはいまいち面白みのない役なので、過剰な部分があった方が見ていて楽しいのですが。思えばムラのトウドレもオヤジ度が過剰で楽しかったし。ベルばらなんだし過剰でいいじゃないですか、バロックで行こうよ(ベルばらはロココだろう)(でも宝塚のベルばらは植田歌舞伎)。
しぃドレ銀橋ソロ目当てのはずの前方的でしたが、一番持っていかれたのはフェルゼン様にでした。ある意味私的には正しい。
一幕最後、ムラでは1回下手端前方席で見ました。その時はくるりと踵を返し去っていく最後を見送ることができてよかったんですが、本当に決然と表情が変わるのは歌い終わる上手なんですね。良かった。格好良かった。目が離せなかった。
二幕最後の牢獄は5列目だというのに我慢できなくてオペラでガン見だったし。この場面暗いんでいつも見えづらいので、こんなに表情を追えたのは初めてでした。
驚くアントワネットを包み込むような笑顔、間に合った喜び、一転して驚愕と絶望、首を横に振り何か言おうとするも何も言えない姿、苦悩の表情。そしてその末の諦念、再びアントワネットに向ける包み込むような笑顔。
もう言葉もない。見ることができてよかった。
柚希ベルナールは第一印象のままでした。あの鉄砲玉のような若さ溢れる直線的なベルナールも礼音くんの個性を生かした方向性でいいんじゃないかと思えてきました。腕の中のロザリーを顧みる余裕がなくぎらぎらしているのも、彼ならではの魅力と思います。残念ながら私の無駄な想像力は働きませんが。(働かんでいい)
あと本日のトピックはなんと言っても。
小雨ちゃん金髪ショートボブ!!!
すずみんの淑女も初日二日目以来だったんですが、来ましたよ貸切でしか拝めないと思っていた鬘が。サトリさんと肘つつきあって大喜び。
やっぱりいいなあ。踊ると髪が乱れて頬にかかるあたりがたまりません。
表情も初日に比べると大分柔らかく、と言うか色々やるようになってきてて、楽しそうでした。いや楽しいのは見ている我々ですが(笑)。いい女になってきてた。ラストのせり下がりも頬寄せて微笑んでいい感じでしたわ。
いやー可愛かった。また見たい。
***
3/18追記。(と言うかこれをアップしているのが実はそもそも18日)
本日11時公演のしぃドレは少し戻ってました。温度と明度が。特に小石のところと、銀橋ソロが。小石は明るさと豪快さ(笑)が若干復活し、「白ばらの人」は暗さが薄れ前向きな決意のようなニュアンスが強く感じられました。
でもやりすぎてはなかったと思います。うーん、今日くらいなのが私は好きかな。
と言うか、そもそも3/16の感想自体、予想と違って驚いたから実際以上に大げさに感じただけかもしれないと不安になってきました。いや主観とはかように当てにならないもので(苦笑)(言い訳いや言い逃げ)。
本日の。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月14日 宝塚3/14。柚希アンドレ一旦の楽。
細かな変化が気になって通うようになれば病膏肓。と前にも書いたような気もしますが。
と言う訳で観察記録。私見ですし見る角度によっても受ける印象は違うので、当てにならないことを言い訳しつつさくさく参ります。
本日の柚希アンドレ。
「白ばらの人」が更に良くなってました。格好いいだけでなく、苦悩や切なさをにじませていて、良かった。うーん、このアンドレだったら毒殺未遂するかも。と言うか、思いつめた結果今宵一夜まで待てないで手を出すかも(をい)。
一人の場面の見せ方の上手さに比べると、他の人と絡む芝居が本人比で少々落ちるかなあ。オスカル相手だけでなく、ジェローデルとの会話とかね。
あとオスカルを支え起こすとき、頬にかかった髪を取り除けてやるところはポイント加算。
新公主演を何度もやっているから忘れそうになるけど、礼音くんもまだまだ下級生で本公演でのこんな大きな役は初めてなんだよね。3/4から今日まで3回見てますが、見る度に良くなっているので後期日程にも期待したいです。がんばれー。
本日の立樹ベルナール。
今日は何だか、強気と言うか怒りの部分が強いベルナールでした。特に、ロザリーに国王救出計画を打ち明けるところ。「この革命は失敗だ」と言うのが、現状に対する怒りの色が強かった。
うーん、私の好みで言うと、もう少し悩みや苦しみの部分があってもいいのですが。怒りが前面に出ていると、自分も革命の一員であることを棚に上げているように見えるんですよね。あと、怒りで突っ走っているように見えると若いと言うか大人でないというか。
結論として、3/11に見たくらいのバランスが好きです。革命への怒りと苦悩と責任感と、あとロザリーへの愛情のバランスが良かった。
でも、思い返してみると、少し前まで私の中で立樹さんは「とにかく正しい絶対正義」なキャラだったんですよ。
何だか、変わったなあ。私の見る目が変わったのか。いや、本人の役の幅が広がっんだと思う。それともそういう役が回ってくればちゃんとできただけのことなのかもしれないけど。
本日の花祭りの男A。
……あの人また若返っているような気がします。
客席に向ける笑顔も相当な破壊力ですが、しぃちゃんの真骨頂はやはり相手役に向ける顔だと思います。コトコトとうめちゃんへの笑顔、目線が眩しいです。
本日の小雨の淑女。
3回ともターバンしか見られませんでした。他に鬘とかはあるのでしょうか。
しゅんちゃんの淑女は「体は大人だけど中身はまだまだコドモ、な女の子が、背伸びしてお隣のお兄ちゃんを誘惑するの図」というのが私の結論。
本日のフェルゼン様。
それ役替りと関係ないだろう。そもそもフェルゼン「様」ですか(お茶会で司会さんが言っていたのが伝染った)。
今日は小船の場面であまり苦悩しているように見えなかったなあ。
本日のアントワネットVS公安委員会。(は?)
ここも日によって違うんですが、本日の王妃様は強気でした。結構負けない。でも泣きが入ってからはすごく泣いていて、コントラストが激しかった。
前述のベルナール、フェルゼンも含め、何だか全体的に発散型直線的な印象の日でした。
終演後はとっとと帰ったんですが、どこもホワイトデーイベントがあったとか。うわそんな日の存在自体忘れてたよ(それもどうなんだ自分)。
細かな変化が気になって通うようになれば病膏肓。と前にも書いたような気もしますが。
と言う訳で観察記録。私見ですし見る角度によっても受ける印象は違うので、当てにならないことを言い訳しつつさくさく参ります。
本日の柚希アンドレ。
「白ばらの人」が更に良くなってました。格好いいだけでなく、苦悩や切なさをにじませていて、良かった。うーん、このアンドレだったら毒殺未遂するかも。と言うか、思いつめた結果今宵一夜まで待てないで手を出すかも(をい)。
一人の場面の見せ方の上手さに比べると、他の人と絡む芝居が本人比で少々落ちるかなあ。オスカル相手だけでなく、ジェローデルとの会話とかね。
あとオスカルを支え起こすとき、頬にかかった髪を取り除けてやるところはポイント加算。
新公主演を何度もやっているから忘れそうになるけど、礼音くんもまだまだ下級生で本公演でのこんな大きな役は初めてなんだよね。3/4から今日まで3回見てますが、見る度に良くなっているので後期日程にも期待したいです。がんばれー。
本日の立樹ベルナール。
今日は何だか、強気と言うか怒りの部分が強いベルナールでした。特に、ロザリーに国王救出計画を打ち明けるところ。「この革命は失敗だ」と言うのが、現状に対する怒りの色が強かった。
うーん、私の好みで言うと、もう少し悩みや苦しみの部分があってもいいのですが。怒りが前面に出ていると、自分も革命の一員であることを棚に上げているように見えるんですよね。あと、怒りで突っ走っているように見えると若いと言うか大人でないというか。
結論として、3/11に見たくらいのバランスが好きです。革命への怒りと苦悩と責任感と、あとロザリーへの愛情のバランスが良かった。
でも、思い返してみると、少し前まで私の中で立樹さんは「とにかく正しい絶対正義」なキャラだったんですよ。
何だか、変わったなあ。私の見る目が変わったのか。いや、本人の役の幅が広がっんだと思う。それともそういう役が回ってくればちゃんとできただけのことなのかもしれないけど。
本日の花祭りの男A。
……あの人また若返っているような気がします。
客席に向ける笑顔も相当な破壊力ですが、しぃちゃんの真骨頂はやはり相手役に向ける顔だと思います。コトコトとうめちゃんへの笑顔、目線が眩しいです。
本日の小雨の淑女。
3回ともターバンしか見られませんでした。他に鬘とかはあるのでしょうか。
しゅんちゃんの淑女は「体は大人だけど中身はまだまだコドモ、な女の子が、背伸びしてお隣のお兄ちゃんを誘惑するの図」というのが私の結論。
本日のフェルゼン様。
それ役替りと関係ないだろう。そもそもフェルゼン「様」ですか(お茶会で司会さんが言っていたのが伝染った)。
今日は小船の場面であまり苦悩しているように見えなかったなあ。
本日のアントワネットVS公安委員会。(は?)
ここも日によって違うんですが、本日の王妃様は強気でした。結構負けない。でも泣きが入ってからはすごく泣いていて、コントラストが激しかった。
前述のベルナール、フェルゼンも含め、何だか全体的に発散型直線的な印象の日でした。
終演後はとっとと帰ったんですが、どこもホワイトデーイベントがあったとか。うわそんな日の存在自体忘れてたよ(それもどうなんだ自分)。
朋遠方より来たりて鑑賞会(星組韓国ツアーDVD)
2006年3月13日 宝塚昨夜は東征中の「That’s The Way!」の誠さんを囲んで宴会@Hotel Dollyでした。
その辺の話はご本人のところでされているのでパス(不親切)。みんなで見た星組韓国ツアーDVD(正式名称『TAKARAZUKA in KOREA 2005−宝塚歌劇 韓国公演スペシャルリポート−』) の話をします。
いや、これ買って1ヶ月くらいたつんですが、自分が見る前にサトリさんに貸したりしてたんでまだ見てなかったんですよ。
頭から全部見るのはなんなので、サトリさんセレクトによるプログラム順で。
その1・立樹・涼トーク
・ぬるいトークに「これって販売物だよな?」と思う。
・北海道とソウルはどちらが遠いか真剣に語り合う二人。
・バスティーユはお稽古期間がなくて大変だったらしい。「10回も通してないですよね!?」ととても心配そうなとよこさん(かわいかったのであえてとよこさん呼び)。
・結構長かったんですが、みんなでひゃーひゃー笑いながら見ていたためトーク内容がほとんど聞き取れませんでした(駄目駄目)。
その2・『ソウル・オブ・シバ!』ダイジェスト
・トウコさんだ!トウコさんがシバだ!
・すげー似合う。おそらくは本来得意とするキーよりやや低めの音域の歌がえらく男前で格好いい。
・赤いシバの子、顔を見合わせて笑顔のワタさんとしぃちゃんという私の脳内沸騰シーンがちゃんと収録されていて万歳。
・みらんくんのタップもちゃんと映っていました(「ももこかわいー」byドリーさん)。
・タップのところ、ウッディさんにじゃれつくクールとレイの姿がしっかり収録されていてびびる。
・びびっていたらサトリさんに勝ち誇ったガッツポーズをされた(笑)。だってあんな小芝居が収録されてるなんて思わなかったんだもんよ。ライト当たってないし。
・せあら、やりすぎやりすぎ! 眼鏡っ子を通り越してお局様みたいな黒縁眼鏡。
・「あたし目が悪いんですっ!」な小芝居に夢中になった結果辻褄が合わなくなったせあら嬢の言動(いつ見えるようになったんだよと一堂ツッコミ)(でもそんなところがとっても星娘・笑)。
・ウッディさんの「センキュウ!」にソファーから転げ落ちて悶えるサトリさん。え、そんなにおかしい?(私的には別に)
・紫スパンの衣装で客席から登場のトウコ氏、すげー。こういうの本当に得意なんだなあ。
・と思っていたら極楽鳥れおんが。舞台に二人きり。って縮尺間違ってる気が。
・れおんはやっぱりすごい。
・中詰最前列客席前でノリノリのすずみん。見ている我々も大喜び。
・あちこちで目に付くやる気満々な顔の一輝慎。
・ジェラシーが最初から全部収録されてた!(大喜)
・でもここはもっとロングショットを多用しろとTCAに文句をつける星担一同。いや、影も含めた全景がほしいんだよね。
・白いシバの子とシバ神の場面がワタトウだった(当然か)。
・白いシバの子の場面一部カット。「大河睦期待したのに」とジュンタさん。いやそもそももういないから。
・手羽根を持った娘役ちゃんたちに囲まれて韓国語の歌を歌う涙目のトウコさん。回る手羽根の動きの滑らかさに宝塚のレベルの高さを賞賛する我々。
・わたとなデュエットダンス、となみちゃんがやりすぎてブレンダちゃん状態(笑)。いやきっと4000席の客席に伝わるようにがんばってるんだよ。
・4人がでかい羽根背負ったフィナーレを見て、やはり宝塚は派手でなんぼだと思う。
・つか、ナイアガラ逆流に一人で大喜びの私(笑)。
・ノリノリのお客さんを見て「これやりてー」と無礼講の日を設けることを真剣に討議する我々。星組ならできるんじゃないか?(絢爛千秋楽とか)
結論として、ショーが思ったより収録されていて何よりでした。買って正解(ほくほく)。
聞くところによると45分くらいは入っているとか。ならいっそ完全収録してくれればいいのにね。
その3・『ベルサイユのばら』ダイジェスト
・トヨカルのシーンだけでいい、と言って早送りをしていたのにメルシー伯の説教で止めてしまうサトリさん。全員に総ツッコミをくらう。他所の家の機械でリモコン操作に慣れてなかったんだよね(苦笑)。
・小石の場面は初演者であるこの二人に敵うもの無しと思いました(真顔)(つか普通にやったんじゃこの場面自体の微妙さがバレてしまうことに柚ドレ観劇で気づいてしまった)。
・橋が低くて驚く。
・アンドレの死のシーンは大分改善されたのだなあ(何が言いたい)。
・アンドレの死に取り乱すトヨカルが、トヨカルがかわいらしすぎる!
・もう見ていられないというかんじで顔を覆って泣いてるんですよ。うわー。
・「シトワイヤン、行こうー!」にシトワイヤンになりてーと呟く誠さん(バラすな)。
・何故かバスティーユにいるジェローデル。
・オスカルに駆け寄ろうとするロザリー(コトコト。但し市民女衣装)を止めるのは何故かジェローデル。
・何故だ(サトリさんはおかげでゆかりベルナールの出番が減っているとご不満)(ゆかりくんは衛兵隊士として出演中)。
・そう言えばオスカルを止めるのも英真さんだった(小さいのに頑張る組長)。
・そして「バスティーユに白旗が」係はにしきさん(熱演に一同大ウケ←失礼)。
その3・舞台稽古
・いらん演技指導をする植爺の姿に、画面に向かって集中砲火。
・誰か「さわるんじゃねーよ!」って言ってた?(笑)
・でもめちゃくちゃ嬉しそうな植爺。元気なおじいちゃんだ(溜息)。
あとお買い物とかも見ましたが省略(基本的に舞台映像目当てだった人)。
大勢で見たおかげで楽しさ倍増でした。この場を借りて感謝の意を表させていただきます。ありがとー!
(と言うかこの日はそもそも『熱帯夜話』ファーストランの日じゃなかったのか)(すいませんすいません)
その辺の話はご本人のところでされているのでパス(不親切)。みんなで見た星組韓国ツアーDVD(正式名称『TAKARAZUKA in KOREA 2005−宝塚歌劇 韓国公演スペシャルリポート−』) の話をします。
いや、これ買って1ヶ月くらいたつんですが、自分が見る前にサトリさんに貸したりしてたんでまだ見てなかったんですよ。
頭から全部見るのはなんなので、サトリさんセレクトによるプログラム順で。
その1・立樹・涼トーク
・ぬるいトークに「これって販売物だよな?」と思う。
・北海道とソウルはどちらが遠いか真剣に語り合う二人。
・バスティーユはお稽古期間がなくて大変だったらしい。「10回も通してないですよね!?」ととても心配そうなとよこさん(かわいかったのであえてとよこさん呼び)。
・結構長かったんですが、みんなでひゃーひゃー笑いながら見ていたためトーク内容がほとんど聞き取れませんでした(駄目駄目)。
その2・『ソウル・オブ・シバ!』ダイジェスト
・トウコさんだ!トウコさんがシバだ!
・すげー似合う。おそらくは本来得意とするキーよりやや低めの音域の歌がえらく男前で格好いい。
・赤いシバの子、顔を見合わせて笑顔のワタさんとしぃちゃんという私の脳内沸騰シーンがちゃんと収録されていて万歳。
・みらんくんのタップもちゃんと映っていました(「ももこかわいー」byドリーさん)。
・タップのところ、ウッディさんにじゃれつくクールとレイの姿がしっかり収録されていてびびる。
・びびっていたらサトリさんに勝ち誇ったガッツポーズをされた(笑)。だってあんな小芝居が収録されてるなんて思わなかったんだもんよ。ライト当たってないし。
・せあら、やりすぎやりすぎ! 眼鏡っ子を通り越してお局様みたいな黒縁眼鏡。
・「あたし目が悪いんですっ!」な小芝居に夢中になった結果辻褄が合わなくなったせあら嬢の言動(いつ見えるようになったんだよと一堂ツッコミ)(でもそんなところがとっても星娘・笑)。
・ウッディさんの「センキュウ!」にソファーから転げ落ちて悶えるサトリさん。え、そんなにおかしい?(私的には別に)
・紫スパンの衣装で客席から登場のトウコ氏、すげー。こういうの本当に得意なんだなあ。
・と思っていたら極楽鳥れおんが。舞台に二人きり。って縮尺間違ってる気が。
・れおんはやっぱりすごい。
・中詰最前列客席前でノリノリのすずみん。見ている我々も大喜び。
・あちこちで目に付くやる気満々な顔の一輝慎。
・ジェラシーが最初から全部収録されてた!(大喜)
・でもここはもっとロングショットを多用しろとTCAに文句をつける星担一同。いや、影も含めた全景がほしいんだよね。
・白いシバの子とシバ神の場面がワタトウだった(当然か)。
・白いシバの子の場面一部カット。「大河睦期待したのに」とジュンタさん。いやそもそももういないから。
・手羽根を持った娘役ちゃんたちに囲まれて韓国語の歌を歌う涙目のトウコさん。回る手羽根の動きの滑らかさに宝塚のレベルの高さを賞賛する我々。
・わたとなデュエットダンス、となみちゃんがやりすぎてブレンダちゃん状態(笑)。いやきっと4000席の客席に伝わるようにがんばってるんだよ。
・4人がでかい羽根背負ったフィナーレを見て、やはり宝塚は派手でなんぼだと思う。
・つか、ナイアガラ逆流に一人で大喜びの私(笑)。
・ノリノリのお客さんを見て「これやりてー」と無礼講の日を設けることを真剣に討議する我々。星組ならできるんじゃないか?(絢爛千秋楽とか)
結論として、ショーが思ったより収録されていて何よりでした。買って正解(ほくほく)。
聞くところによると45分くらいは入っているとか。ならいっそ完全収録してくれればいいのにね。
その3・『ベルサイユのばら』ダイジェスト
・トヨカルのシーンだけでいい、と言って早送りをしていたのにメルシー伯の説教で止めてしまうサトリさん。全員に総ツッコミをくらう。他所の家の機械でリモコン操作に慣れてなかったんだよね(苦笑)。
・小石の場面は初演者であるこの二人に敵うもの無しと思いました(真顔)(つか普通にやったんじゃこの場面自体の微妙さがバレてしまうことに柚ドレ観劇で気づいてしまった)。
・橋が低くて驚く。
・アンドレの死のシーンは大分改善されたのだなあ(何が言いたい)。
・アンドレの死に取り乱すトヨカルが、トヨカルがかわいらしすぎる!
・もう見ていられないというかんじで顔を覆って泣いてるんですよ。うわー。
・「シトワイヤン、行こうー!」にシトワイヤンになりてーと呟く誠さん(バラすな)。
・何故かバスティーユにいるジェローデル。
・オスカルに駆け寄ろうとするロザリー(コトコト。但し市民女衣装)を止めるのは何故かジェローデル。
・何故だ(サトリさんはおかげでゆかりベルナールの出番が減っているとご不満)(ゆかりくんは衛兵隊士として出演中)。
・そう言えばオスカルを止めるのも英真さんだった(小さいのに頑張る組長)。
・そして「バスティーユに白旗が」係はにしきさん(熱演に一同大ウケ←失礼)。
その3・舞台稽古
・いらん演技指導をする植爺の姿に、画面に向かって集中砲火。
・誰か「さわるんじゃねーよ!」って言ってた?(笑)
・でもめちゃくちゃ嬉しそうな植爺。元気なおじいちゃんだ(溜息)。
あとお買い物とかも見ましたが省略(基本的に舞台映像目当てだった人)。
大勢で見たおかげで楽しさ倍増でした。この場を借りて感謝の意を表させていただきます。ありがとー!
(と言うかこの日はそもそも『熱帯夜話』ファーストランの日じゃなかったのか)(すいませんすいません)
恋愛体質とアンドレ役者。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月12日 宝塚3/11(土)11時公演見て参りました。また立見。徐々に人が増えているのか、同じ時間帯に行くと段々番号が後になっていく。
今日はタキちゃんモンゼットが妙に張り切ってました。プランタンの退場は「オスカル、フォーッ!」(大劇千秋楽のネタ)だし、ざーますでオスカル衛兵隊転属に驚くところはのけぞって「イナバウアー!」だったし。誰か来てたんでしょうか。
あとアントワネット子役のまりんちゃんが前髪あげてました。いつから?
先週、今週は柚希アンドレ。
感想を一言で言うと、若い。
いやまあ当然なんだけれど、とにかく若い。オスカルを慕う年下の幼なじみという感じ。今宵一夜も、オスカルお姉さまと年下の男の子に見えてしまいました(苦笑)。
勿論、若いのは当然だし、今研8の時点でトウコさんのオスカルを包み込む包容力がなくても当然。これからの成長に期待、と言うところです。
が、もうひとつ思ったのが。
礼音くんって、あんまり恋愛体質じゃない?
ベルナールの時も思ったんですが、何というか「恋愛より大事なことがある」という感じに見えるのですよ。まだまだ彼女よりダチとつるんでいるのが楽しいお年頃というか。デート中も買ったばかりのバイクに夢中と言うか、隣の高校と河原で果たし合いと言うか(意味不明)。
これも若さの現れなのか、それとも礼音くんの個性なのかはまだわからないけれど。
だから、いまひとつアンドレというキャラクタに違和感を感じました。勿論格好はいい、とてもいいので、格好良ければそれでいいところは十二分にできていたのですが。特に銀橋ソロは押しも押されぬスター様で、めちゃくちゃ格好良かった。
でも、それ以外のシーン、特にオスカルとの関係がかみ合っていないように、私には見えました。
小石の場面で、思いのベクトルがオスカル→アンドレじゃおかしいよね。アンドレはただの幼なじみをからかっているのに対し、オスカルが女の子モードで甘えが入っていて、しかもアンドレはそれに気づいていない、ように見えた。今宵一夜も、若い男の征服欲、高嶺の花を手にした喜びが混ざっているように見えてしまった。いや私の目がおかしいのかもしれませんが。
前述の通り、男役としてのキャラが若いからそうなるのか、それとも彼固有の個性なのか、それはわからないけれども。
光と影の影として報われなくても無私の愛に生きる、アンドレというキャラクタにはちょっと似つかわしくないように感じました。新公のフェルゼンの方がニンにあっていた、と言うかフェルゼンの方がずっと格好良く見えた。
が。
アンドレは愛情過多であればいいのかと言うと……どうなんでしょうね?
アンドレと言うキャラクタの役割はオスカルの幼なじみ、影、そして恋人。彼のアイデンティティはオスカルへの愛にある。
特に宝塚のベルばらにおいて、と言うか今回の星・雪公演では、ただひたすらオスカルを思っているだけで具体的な行動の場面がない。フェルゼンが主人公である星はともかく雪でも同じというのはちょっとどうかと思いますが。いや毒殺未遂はあるけど、それ「オスカルのため」じゃないし。
なので、アンドレ役者が愛情に溢れ、ひたすらオスカルを愛していることが観客にも伝わるのは正しいと思う。それがアンドレという役の全てなのだから。
が、それでアンドレという役が魅力的に見えるかと言うと……しつこいですが、どうなんでしょう?
いや、ぶっちゃけ、私の好みじゃないってことなんですけど。
雪大劇、星東宝と、ワタさんとしぃちゃんと言う私の大好きな役者がアンドレをやっているのを見てなお魅力的に思えない、と言うかむしろこんな人いたらうざいかもと思ってしまったあたり、本当に好みじゃないんだなあと。
すみませんすみません。今までアンドレについて語っていたことがこれで全てダイナシに(苦笑)。
まあ私があんまりなのかもしれませんが、愛だけに生きる=他に自分の世界がない男と言うのは、世間一般にどう見えるのだろうと気になるところです。
ワタドレは男らしく熱く熱くオスカルを愛していたし、しぃドレも無条件ベタ甘にオスカルを愛していて、それはアンドレとして正しいのだろうと思うのだけれど。正解=魅力的かどうか首をひねってしまうあたり、アンドレは難しい役なんだろうなあと(基本的に愛情過多は好きだがそれが全てはちょっと困る)。いやいっそさらっと演った方がいいのか?
と言う訳で、個人的な判断ではアンドレを演ってより魅力が生きる人というのはあまり思いつきません。正直、しぃちゃんはベルナールの方が格好いいと思う。礼音くんはアンドレでもベルナールでもなくアランの時が一番格好良かった、出番少ないけど。アンドレ役でも、動揺する衛兵隊士たちを鎮めるところが格好良かったと思うので、やはりアラン。ベルナールは妻帯者にはまだ早いという感じ(笑)。
ワタさんはスターすぎてアンドレの特質である控えめさに違和感があり落ち着かないので(痛?)、個人的好みでは実はフェルゼンの方が好きかも。トウコさんは素晴らしかったけれど、これもトウコさんが上手いということでそれが魅力をひきたてるかというと……。
あ、新公のゆめのせーかちゃんは割と良かったかな。初々しいアンドレで。やはりやりすぎない方がいいということなのか?
役替わり話つながりで、立樹ベルナールの話も少し。
今日の立見は上手でした。おかけで、国王一家救出を告げた後、ロザリーを抱きしめるベルナールの顔が見えました。
とても苦しげな、苦渋の表情をしていた。
ロザリーには確信を持って言い聞かせるように語り「賛成してくれるだろう?」と言っているのに。彼女には見せないところでの、暗く厳しい顔。
理想と希望を託した革命の結果に裏切られ、彼にとって正しいことを為すために革命への裏切りとも見える企てを起こす、その苦渋の末の決意。
それでも、あくまでも愛する妻は安心させてやりたいという思い。
馬鹿だなあ。
ロザリーはちゃんとベルナールの苦しみをわかって、わかった上で支えるつもりでいるのだろうに。
ちなみに、こういう「男って馬鹿だなあ」的シチュエーションは非常に好みです(多分バレバレ)。フィクションなら、ですが。
大劇ではベタ甘愛妻家だったしぃベルナールが、東宝ではラブラブ度は下がり革命家としての面が出ていることが興味深いです。と言うかどっちのバージョンも好きなので両方見られて良かった。こういうことがあるから通わざるを得ないんだよなあ。
あ、でもアンドレ死後の暗転はもうちょっと遅くしてロザリーと近づくとこまで見せてくれると嬉しいんですけど。これは完全に演出の問題ですよね(こまどりが延びた分ですか?)。
ついでに祭りの男Aは今日もキラキラでした。コトコトとうめちゃんに笑いかける顔がまた良くてねえ。アハハッという感じの明るい笑顔。あ、ダンスについては礼音くんが技術的には宝塚屈指のダンサーであるのでそりゃそれよりはアレですが、技術より笑顔というあたりもまたアイドルっぽくてよろしいのではないかと(真顔)。お、怒られる???
何か今回不規則発言が多そうな気がするのでこの辺で撤収。
ちなみに星ベルばらはあと5回見る予定です。ちょっと不本意。でも仕方がない。
今日はタキちゃんモンゼットが妙に張り切ってました。プランタンの退場は「オスカル、フォーッ!」(大劇千秋楽のネタ)だし、ざーますでオスカル衛兵隊転属に驚くところはのけぞって「イナバウアー!」だったし。誰か来てたんでしょうか。
あとアントワネット子役のまりんちゃんが前髪あげてました。いつから?
先週、今週は柚希アンドレ。
感想を一言で言うと、若い。
いやまあ当然なんだけれど、とにかく若い。オスカルを慕う年下の幼なじみという感じ。今宵一夜も、オスカルお姉さまと年下の男の子に見えてしまいました(苦笑)。
勿論、若いのは当然だし、今研8の時点でトウコさんのオスカルを包み込む包容力がなくても当然。これからの成長に期待、と言うところです。
が、もうひとつ思ったのが。
礼音くんって、あんまり恋愛体質じゃない?
ベルナールの時も思ったんですが、何というか「恋愛より大事なことがある」という感じに見えるのですよ。まだまだ彼女よりダチとつるんでいるのが楽しいお年頃というか。デート中も買ったばかりのバイクに夢中と言うか、隣の高校と河原で果たし合いと言うか(意味不明)。
これも若さの現れなのか、それとも礼音くんの個性なのかはまだわからないけれど。
だから、いまひとつアンドレというキャラクタに違和感を感じました。勿論格好はいい、とてもいいので、格好良ければそれでいいところは十二分にできていたのですが。特に銀橋ソロは押しも押されぬスター様で、めちゃくちゃ格好良かった。
でも、それ以外のシーン、特にオスカルとの関係がかみ合っていないように、私には見えました。
小石の場面で、思いのベクトルがオスカル→アンドレじゃおかしいよね。アンドレはただの幼なじみをからかっているのに対し、オスカルが女の子モードで甘えが入っていて、しかもアンドレはそれに気づいていない、ように見えた。今宵一夜も、若い男の征服欲、高嶺の花を手にした喜びが混ざっているように見えてしまった。いや私の目がおかしいのかもしれませんが。
前述の通り、男役としてのキャラが若いからそうなるのか、それとも彼固有の個性なのか、それはわからないけれども。
光と影の影として報われなくても無私の愛に生きる、アンドレというキャラクタにはちょっと似つかわしくないように感じました。新公のフェルゼンの方がニンにあっていた、と言うかフェルゼンの方がずっと格好良く見えた。
が。
アンドレは愛情過多であればいいのかと言うと……どうなんでしょうね?
アンドレと言うキャラクタの役割はオスカルの幼なじみ、影、そして恋人。彼のアイデンティティはオスカルへの愛にある。
特に宝塚のベルばらにおいて、と言うか今回の星・雪公演では、ただひたすらオスカルを思っているだけで具体的な行動の場面がない。フェルゼンが主人公である星はともかく雪でも同じというのはちょっとどうかと思いますが。いや毒殺未遂はあるけど、それ「オスカルのため」じゃないし。
なので、アンドレ役者が愛情に溢れ、ひたすらオスカルを愛していることが観客にも伝わるのは正しいと思う。それがアンドレという役の全てなのだから。
が、それでアンドレという役が魅力的に見えるかと言うと……しつこいですが、どうなんでしょう?
いや、ぶっちゃけ、私の好みじゃないってことなんですけど。
雪大劇、星東宝と、ワタさんとしぃちゃんと言う私の大好きな役者がアンドレをやっているのを見てなお魅力的に思えない、と言うかむしろこんな人いたらうざいかもと思ってしまったあたり、本当に好みじゃないんだなあと。
すみませんすみません。今までアンドレについて語っていたことがこれで全てダイナシに(苦笑)。
まあ私があんまりなのかもしれませんが、愛だけに生きる=他に自分の世界がない男と言うのは、世間一般にどう見えるのだろうと気になるところです。
ワタドレは男らしく熱く熱くオスカルを愛していたし、しぃドレも無条件ベタ甘にオスカルを愛していて、それはアンドレとして正しいのだろうと思うのだけれど。正解=魅力的かどうか首をひねってしまうあたり、アンドレは難しい役なんだろうなあと(基本的に愛情過多は好きだがそれが全てはちょっと困る)。いやいっそさらっと演った方がいいのか?
と言う訳で、個人的な判断ではアンドレを演ってより魅力が生きる人というのはあまり思いつきません。正直、しぃちゃんはベルナールの方が格好いいと思う。礼音くんはアンドレでもベルナールでもなくアランの時が一番格好良かった、出番少ないけど。アンドレ役でも、動揺する衛兵隊士たちを鎮めるところが格好良かったと思うので、やはりアラン。ベルナールは妻帯者にはまだ早いという感じ(笑)。
ワタさんはスターすぎてアンドレの特質である控えめさに違和感があり落ち着かないので(痛?)、個人的好みでは実はフェルゼンの方が好きかも。トウコさんは素晴らしかったけれど、これもトウコさんが上手いということでそれが魅力をひきたてるかというと……。
あ、新公のゆめのせーかちゃんは割と良かったかな。初々しいアンドレで。やはりやりすぎない方がいいということなのか?
役替わり話つながりで、立樹ベルナールの話も少し。
今日の立見は上手でした。おかけで、国王一家救出を告げた後、ロザリーを抱きしめるベルナールの顔が見えました。
とても苦しげな、苦渋の表情をしていた。
ロザリーには確信を持って言い聞かせるように語り「賛成してくれるだろう?」と言っているのに。彼女には見せないところでの、暗く厳しい顔。
理想と希望を託した革命の結果に裏切られ、彼にとって正しいことを為すために革命への裏切りとも見える企てを起こす、その苦渋の末の決意。
それでも、あくまでも愛する妻は安心させてやりたいという思い。
馬鹿だなあ。
ロザリーはちゃんとベルナールの苦しみをわかって、わかった上で支えるつもりでいるのだろうに。
ちなみに、こういう「男って馬鹿だなあ」的シチュエーションは非常に好みです(多分バレバレ)。フィクションなら、ですが。
大劇ではベタ甘愛妻家だったしぃベルナールが、東宝ではラブラブ度は下がり革命家としての面が出ていることが興味深いです。と言うかどっちのバージョンも好きなので両方見られて良かった。こういうことがあるから通わざるを得ないんだよなあ。
あ、でもアンドレ死後の暗転はもうちょっと遅くしてロザリーと近づくとこまで見せてくれると嬉しいんですけど。これは完全に演出の問題ですよね(こまどりが延びた分ですか?)。
ついでに祭りの男Aは今日もキラキラでした。コトコトとうめちゃんに笑いかける顔がまた良くてねえ。アハハッという感じの明るい笑顔。あ、ダンスについては礼音くんが技術的には宝塚屈指のダンサーであるのでそりゃそれよりはアレですが、技術より笑顔というあたりもまたアイドルっぽくてよろしいのではないかと(真顔)。お、怒られる???
何か今回不規則発言が多そうな気がするのでこの辺で撤収。
ちなみに星ベルばらはあと5回見る予定です。ちょっと不本意。でも仕方がない。
言い訳。又は、あなたがそこにいるだけで。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月11日 宝塚前言撤回。
前に「湖月わたるにフェルゼンはいまいちニンでない」と書きましたが、あれ撤回します。
と言うか、3/4、3/11と見てたら、そんなことどうでも良くなってきました。
役を役として成立させる、きめ細かく丁寧な演技のひとつひとつに、見入ってしまったので。
例えば。
アントワネットとの小舟での逢い引き、「愛あればこそ」を二人歌った後。一瞬眉根を寄せて罪の重さに逡巡する苦悩を見せ、そしてそれを振り切るかのように刹那の愛に没入しようとする表情の変化。
「愛の三叉路」を歌いきったときの、自分のなすべき事を悟ってしまったのにそれでもまだ決意しきれない呆然とした顔。
アントワネットに別れを告げた後オスカルの姿を認め「君の忠告は正しかった、ありがとう」と言うような友情の眼差しから、思いも寄らなかったオスカルの恋心に気付き、今まで気付けなかった自分を責める表情。
牢獄でアントワネットを腕に抱き、愛する人を救うことができる確信と喜びに満ちた微笑みと、それが他ならぬアントワネット自身に否定された衝撃。離れようとする彼女の腕を反射的につかんでいることにも気付かず、ただアントワネットの顔に視線を凍り付かせ首を横に振る姿。
勿論、1幕ラスト決然と歩み去る姿と、最後の「王妃さま」の絶叫は言うに及ばず(叫ぶ前に一度、呆然と「王妃様」と呟くのがまた、もう)。
だけど。
こんなことを書いてもまた、当てにならないんだ。
だって、本当のところ、見ているだけでいいんだもの。
あの人がそこにいるだけで。舞台の上の姿を見ているだけで。それだけで。
それがフェルゼンであろうとベルばらであろうとなかろうと。
だから、あの人のどこが素敵かどこが優れているかなんてことを具体的に語ることは、もうあまりできないかもしれない。
だって、そこにいるだけでいいんだもの。
いや、まあ、元々私にとってあの人は、割とそういう人だったんだけども。
と言う訳で、今のうちに言い訳。(誰に対して)(いや色々と)
ただ、芝居の内容を関係なく見ているだけでも良くなってしまったおかげで、ベルばらがかなり平気になってしまったことは良いのか悪いのか悩むところではあります。
前に「湖月わたるにフェルゼンはいまいちニンでない」と書きましたが、あれ撤回します。
と言うか、3/4、3/11と見てたら、そんなことどうでも良くなってきました。
役を役として成立させる、きめ細かく丁寧な演技のひとつひとつに、見入ってしまったので。
例えば。
アントワネットとの小舟での逢い引き、「愛あればこそ」を二人歌った後。一瞬眉根を寄せて罪の重さに逡巡する苦悩を見せ、そしてそれを振り切るかのように刹那の愛に没入しようとする表情の変化。
「愛の三叉路」を歌いきったときの、自分のなすべき事を悟ってしまったのにそれでもまだ決意しきれない呆然とした顔。
アントワネットに別れを告げた後オスカルの姿を認め「君の忠告は正しかった、ありがとう」と言うような友情の眼差しから、思いも寄らなかったオスカルの恋心に気付き、今まで気付けなかった自分を責める表情。
牢獄でアントワネットを腕に抱き、愛する人を救うことができる確信と喜びに満ちた微笑みと、それが他ならぬアントワネット自身に否定された衝撃。離れようとする彼女の腕を反射的につかんでいることにも気付かず、ただアントワネットの顔に視線を凍り付かせ首を横に振る姿。
勿論、1幕ラスト決然と歩み去る姿と、最後の「王妃さま」の絶叫は言うに及ばず(叫ぶ前に一度、呆然と「王妃様」と呟くのがまた、もう)。
だけど。
こんなことを書いてもまた、当てにならないんだ。
だって、本当のところ、見ているだけでいいんだもの。
あの人がそこにいるだけで。舞台の上の姿を見ているだけで。それだけで。
それがフェルゼンであろうとベルばらであろうとなかろうと。
だから、あの人のどこが素敵かどこが優れているかなんてことを具体的に語ることは、もうあまりできないかもしれない。
だって、そこにいるだけでいいんだもの。
いや、まあ、元々私にとってあの人は、割とそういう人だったんだけども。
と言う訳で、今のうちに言い訳。(誰に対して)(いや色々と)
ただ、芝居の内容を関係なく見ているだけでも良くなってしまったおかげで、ベルばらがかなり平気になってしまったことは良いのか悪いのか悩むところではあります。
悩める6月。(公式に反応)
2006年3月9日 宝塚公式に星組5〜6月の組分けが発表になってました。
まずは。
バウ『フェット・アンペリアル』−帝国の祝祭−
6月2日〜6月11日
ちぐ&ベニーが! 『龍星』のあらんだらんに続き、コンビ再結成?
……って、そうじゃなくて。
ヒロインはうめちゃんだと思ってよさそうですね。今公演でもお似合いだし、楽しみだ。
組子では柚美さんとにしきさんの『花のいそぎ』でも大野バウに出ていたベテラン二人、専科さんも萬ケイさんにヒロさんと、渋い役者が充実してるなあ。娘役もうめ、みなみ、せあらとヤングスターガイドのメンバー4人中3人と贅沢。
それに。
すずみん出るのかー! 二番手? 二番手ですよね。
期待しないでもなかったんですが、でもそれじゃ豪華すぎるよなと思ってバウには出ないような気がしてたんですよ。まあすずみんはバウ二番手経験がないので、出てくれてもいいのにとも思ってたんですが。
いや、実はしぃ涼の並びは去年秋の全ツ以来マイブームなので、すげー楽しみなんですが(つか今更「実は」もないだろう)。配役も発表されていない段階での脳内捏造は控えつつ、楽しみに待ちたいと思います。
と言いつつ、すずみんの役は何でしょうね。主人公のウィリアムは貴族の庶子なんですよね……腹違いの兄弟とかだったらどうしよう(当然涼さんが嫡男)。
……すみませんほどほどにします。(ちなみに上司はヒロさんではないかと勝手に推測)
そして。
梅芸『COPACABANA』
6月3日〜6月19日
トウコさんととなみちゃんは当然予想通りとして、組長、しのぶさん、きんさん、ももか……いかにもラテンカーニバルな面子が(笑)。みらゆか(実はバウに出てほしかったけど)、そして朝都まお・直樹じゅんというジュンタさん注目の二人(ちょっと語弊あり・笑)もここに。
そしてそして、あすかちゃん!?
うわー嬉しい、熱烈歓迎ウェルカム! ワタさんと絡んでくれないかな。絡みがあるといいな。
まやさんとあすかちゃんはきっと宙博多座にも出演するんでしょうね。
もうひとつ。
バウ・ワークショップ『Young Bloods!!』
5月18日〜5月23日
あかしが!
どんな感じの公演になるんだろう。組によって構成は変わるだろうけど、あかしを「二番手」として使ってくれると嬉しいんだけども。礼音くんとがっちり組ませる、又は競わせる場面があると面白いと思います。ほら、あのやりすぎアピールは礼音くんには無いものだから、いい刺激になると思うんだけどなあ。頼みますよ藤井君。
ヒロインは誰なんだろう。ヒロイン不在の可能性もあるか。まりんちゃんかなとも思うけれど、個人的にはコロちゃんだと嬉しいかも。
で。
どうしよう6月。
ワークショップは5月だから別として、バウと梅芸は期間がかぶってるんですよね。どうしよう、どっちをどれだけ見ればいいんだ(どちらにしろ3週間通うのは確実)。
まずは。
バウ『フェット・アンペリアル』−帝国の祝祭−
6月2日〜6月11日
ちぐ&ベニーが! 『龍星』のあらんだらんに続き、コンビ再結成?
……って、そうじゃなくて。
ヒロインはうめちゃんだと思ってよさそうですね。今公演でもお似合いだし、楽しみだ。
組子では柚美さんとにしきさんの『花のいそぎ』でも大野バウに出ていたベテラン二人、専科さんも萬ケイさんにヒロさんと、渋い役者が充実してるなあ。娘役もうめ、みなみ、せあらとヤングスターガイドのメンバー4人中3人と贅沢。
それに。
すずみん出るのかー! 二番手? 二番手ですよね。
期待しないでもなかったんですが、でもそれじゃ豪華すぎるよなと思ってバウには出ないような気がしてたんですよ。まあすずみんはバウ二番手経験がないので、出てくれてもいいのにとも思ってたんですが。
いや、実はしぃ涼の並びは去年秋の全ツ以来マイブームなので、すげー楽しみなんですが(つか今更「実は」もないだろう)。配役も発表されていない段階での脳内捏造は控えつつ、楽しみに待ちたいと思います。
と言いつつ、すずみんの役は何でしょうね。主人公のウィリアムは貴族の庶子なんですよね……腹違いの兄弟とかだったらどうしよう(当然涼さんが嫡男)。
……すみませんほどほどにします。(ちなみに上司はヒロさんではないかと勝手に推測)
そして。
梅芸『COPACABANA』
6月3日〜6月19日
トウコさんととなみちゃんは当然予想通りとして、組長、しのぶさん、きんさん、ももか……いかにもラテンカーニバルな面子が(笑)。みらゆか(実はバウに出てほしかったけど)、そして朝都まお・直樹じゅんというジュンタさん注目の二人(ちょっと語弊あり・笑)もここに。
そしてそして、あすかちゃん!?
うわー嬉しい、熱烈歓迎ウェルカム! ワタさんと絡んでくれないかな。絡みがあるといいな。
まやさんとあすかちゃんはきっと宙博多座にも出演するんでしょうね。
もうひとつ。
バウ・ワークショップ『Young Bloods!!』
5月18日〜5月23日
あかしが!
どんな感じの公演になるんだろう。組によって構成は変わるだろうけど、あかしを「二番手」として使ってくれると嬉しいんだけども。礼音くんとがっちり組ませる、又は競わせる場面があると面白いと思います。ほら、あのやりすぎアピールは礼音くんには無いものだから、いい刺激になると思うんだけどなあ。頼みますよ藤井君。
ヒロインは誰なんだろう。ヒロイン不在の可能性もあるか。まりんちゃんかなとも思うけれど、個人的にはコロちゃんだと嬉しいかも。
で。
どうしよう6月。
ワークショップは5月だから別として、バウと梅芸は期間がかぶってるんですよね。どうしよう、どっちをどれだけ見ればいいんだ(どちらにしろ3週間通うのは確実)。
やっと2005年後半のヅカ日記インデックスを作りました。HOMEからどうぞ。
いや、この間サトリちゃんに怒られてしまったので(笑)、早く作らなければと思ってたんですよ。リンク切れとかあったらメールフォームからでもご指摘いただけると助かります。よろしくお願いいたします。
いや、この間サトリちゃんに怒られてしまったので(笑)、早く作らなければと思ってたんですよ。リンク切れとかあったらメールフォームからでもご指摘いただけると助かります。よろしくお願いいたします。