『モーツアルト!』観てきました。
6/19(日)17:00の回。主演・井上芳雄Ver.
実は午前中は星組大劇で、ダブルヘッダーでした。疲れた(苦笑)。

まとまった感想は書きませんが、メモだけでも。

・見終わった感想は「生きるって大変」「人生ってしんどい」。
・でもその割に重苦しい気分にならなかったのは、主演の井上芳雄君の明るいキャラクター(もしくは明るい役作り)のせいか。
・それとも「天才の物語」であるが故に自分にひきつけて考えられなかった(考えずにすんだ)ためか。
・「家族への愛情としがらみ」とか「権力と芸術の自由」とかモーツアルトの抱える問題はどれもヘビー。
・でも一番ヘビーで一番致命的な問題は一幕最後に、他の問題を乗り越えてやるぞ!と前向きになった瞬間に出してきた。
・そのどんでん返しに慄然としたと同時に、構成として上手い、と舌を巻きました。
・平凡で愛情深くあることと天才は両立しないのだろうか。しないってことなんだろうなあ。モーツアルトか弾き小さいモーツアルトが書く蜜月には、コンスタンツェは邪魔なんだから。
・「愛していればわかりあえる」と繰り返し歌うモーツアルトとコンスタンツェに、違うよ、と脳内つっこみを繰り返していた私。最近ちょっと意識しているテーマゆえ。
・欲しかったのは愛情でも才能でもなく幸福。難しい。
・幸福って主観だから。愛情を注がれ才能があっても自分を幸福だと感じられない人はいるし、愛情も才能も持たなくても幸福だと感じられる人はいるだろうし。
・とは言え、パパもお姉さんも、あれは愛なのだろうか。それとも独占欲?
・フランス革命に沸き立つウィーン市民に、作者(ミヒャエル・クンツェ)にとってヨーロッパ、特にオーストリアの王制から市民社会への移行というのは『エリザベート』に続き流れる通低音なのだと思いました。
・シカネーダー(吉野圭吾)、いいキャラだ(笑)。
・「自分の力で書け」、って「自分の力」には持って生まれた才能は入らないの? だから小さいモーツアルトは書かないの?

結論として、とにかくいいもの見た、と言う気はしています。
中川Ver.も見たいけど、日程的に難しいな。東京はいつやるんだっけ。

あ、ロビーでまりえったさんを見ました。ごくごくふつーに歩いていて、びっくりした。

以下私信。
ちょっとサトリさん、縄田さんかっこよかったわよ!(いきなり何キャラ)
アンサンブルだから見つけられる自信がなかったけど全然大丈夫だったわ。特に2幕は結構活躍。魔笛の場面で白い王子様ルックでタミーノやってた(立ってるだけだけど)のにはびびりました。あの人そういうキャラ判定、と言うかビジュアル判定なのか(やっぱり、と言っていいのかちょっと迷う)。
緑野さん、収穫の多い東宝遠征だったようで何より。
同行者はnanakoさんだとばかり思ってました。nanakoさんの日記も拝見していたもので。偶然だったのか。
東宝版マラケシュ、私は諦めるかな。行きたいけど。全てを手に入れるのは不可能なことにいい加減気づこう、うん。(でも博多は行く)

と言う訳で、明日はまた東宝に行く予定。ええ、あんな芝居に。
だって檀ちゃん見なくちゃ!

……木曜に公式に出た全ツベルばらの写真を見てかなり複雑な心境になったので。
そうか。あの美しいひとは、もうあのひとの隣にいないんだ。もう時は流れているんだ。って。
勿論、未来を楽しみにする気持ちもあるけれど。だから「複雑な心境」なんだけど。
でも今は。

実は『モーツアルト!』とダブルヘッダーです。全然諦めてないじゃん(笑)
私の好みのタイプはいくつかありますが、そのひとつが「いい人」。
「いい人なんだけどねー(友達どまりよね)」と言われそうなタイプ(笑)。
『キャンディ・キャンディ』ではステアを、『エイリアン通り』ではジェルを好きだったというのは、その系譜かと。

と言う訳で、一夜明けた今一番考えているのは、フランク・ケネディ氏のことだったりする。(って前振りだったのか)

見た直後は「スカーレットのことを全然わかってない」と書きましたが。実際ころっと騙されるあたり戯画的ではあるんですが。
でも実は、ピントはずれているけれどそれほど間違っちゃいないんじゃないか?
ほら、だって。スカーレットはとんでもねー女だけど、いい子だし。一生懸命だし、頑張ってるし。
理解はしていなくても、誤解はしていないのよ。
まるで、周回遅れで同じ場所にいるみたいに。

……言葉にしてみると少々無理があるな(苦笑)。私の中ではきれいにつながって納得したんですが。

いや、ひたすら妻を愛し大切にする、いい夫じゃないですか。
KKKとかの「煩わしいことや嫌なこと」をスカーレットからひたすら遠ざけようとしているところも、泣けるよなあ(しかしスカーレットはまた別の現実と格闘していて、フランクにはそれが見えているかどうかわからないけれど)。

傍から見て騙されているとしても、彼自身が選び取った結果なのだろう、と思う。
相手に愛されなくても、理解されなくても。
それどころか、相手を理解していなくても。理解しあえないことに気づかなくても。
それでも、愛することはできる。

勿論、スカーレットはフランクのことを愛してなんかいない。
でも、彼の死を知って、後悔に慄く。彼女のその善良さも好きだったりする。
でも、だからと言って生き方を変えたりしない、そこも好き。
まあ、仕方ないよな。スカーレットは最後にはバトラーでさえ付き合いきれなかったほどの女なんだから。

花組版のフランクはゆみこちゃん?
そうか、花組随一の「他者への愛を表現できる人」か!(←花組男役諸氏に対して偏見があるらしいよ)
うわー見たい。そしてスカーレットは瀬奈氏ですか。シシィは可愛かったけど、どうなんだろう……。

しかし、ワタ檀チェックが第一目的だったのに、何故フランクのことばかり考えてるかな自分(笑)。
しぃちゃんだから、ってこともあるんだろうな。
何というか、この人の演じる役はいつも私に色々なことを考えさせる。深読み癖を誘発すると言うか。『長崎』も、作品があんなに苦手でなければもっと語ったろうな。
あの「曇りのなさ」が、逆に色々なものを見せるのかもしれない。陰りとか暗さでなく、「曇り」のなさ。(しぃちゃん語りはうざくなるのでほどほどにしておきます)

と言いつつ現在2巡目を見ております。
ワタさんかっこいいなあ……(素)。
アシュレという役も、夢見る夢男くんで常にずれていてつかみどころのない男なんだが、まあ格好いいからいいか、と(笑)。しかし私が「格好いいから」と許せるのはこのレベルまでのようです。『長崎』は範囲外。
傷を負ったフロックコート姿でうつろな目をしている姿もうっとりだ(うっとりなのか)。個人的にはバトラーの口から語られるだけの「フランクを助けようとして負傷するアシュレ」の場面が実際にあれば嬉しかったです。いやビジュアル的に見たいだけなんだけど(笑・脳内上演中)。
ああ、そして檀ちゃんの美しいことったら……。(現在画面にはバトラーに対しても女神のようなメラニーが)

そして、これだけ出演者が被っていると、ますます今大劇でやってるものが許せなくなるなー。ちゃんと面白いものできるじゃん、やらせてくれよー(理不尽な)。

とりとめのないまま終。
今更と言われそうですが。

サトリさんから借りた雪組版『風共』DVDを見ました。
初のワタ檀共演作品、サヨナラショーでやるかもしれないし予習、と思って。

そしたら。
すげー面白かったです!!
『風と共に去りぬ』ってこんな話だったんだ(超今更)。

「うわー怒涛の説明台詞」「これ、粗筋?シーン飛びまくり」等と、最初はネタ気分で見ていた訳ですが。
気がつくと真剣に見てました。
終盤はスカーレットへの愛と嫉妬に苦悩するバトラーに泣き、メラニーの死に泣き、ひとつになるスカーレットとスカーレット?に泣き、バトラーに去られて絶叫するスカーレットに泣きましたよ。

本当にスカーレットとバトラーの話、と言うよりスカーレットの話なんだなあ。

スカーレット、可愛いし格好いいし!
最初は思い込みの激しさと暴走っぷりについていけなかったんですが、だんだんそれが可愛くなってきて。一幕最後ボロボロでタラにたどり着いた姿には圧倒されました。
強くて、正直で、真っ直ぐで、一生懸命で、子供。
そう、基本的に子供なんだよね。それが困ったところでもあり、憎めないところでもあり。やってることは結構めちゃくちゃなんだけど、わがままとも感じられなかったなあ。
だって、悪気ないもんな。目的のためにまっしぐらなだけで。
約束は守るし。アシュレに恋していながら、アシュレとの約束を守ってメラニーを助ける、魂の誠実さ、潔さ。
かっこいいと思う。いや、近くにいたら、困るだろうけれど(苦笑)。

また、演じるコムちゃんが可愛くて。
意志的な大きな目。くるくる変わる表情。激しい感情表現。

スカーレット?のとなみちゃんも可愛かった。スカーレットと対等の強さと可愛らしさ。ふたりでひとり。

スカーレットだけでなく、女性陣が実に魅力的でした。こんな女の子たちばかりかっこいい話でいいの?と思うくらい。

メラニーもまた、強くて清らかで優しい聖母で。
それはもう、演じる檀ちゃんの美しさも手伝って神々しいほど。
大人しく穏やかなメラニーだけど、彼女もまた世間の常識に縛られない人だ。娼婦であるベルに対する分け隔てのない態度でそれがわかるし、スカーレットやバトラーの気持ちがわかるのも、先入観のない澄んだ瞳で見ているから。だから、スカーレットとの友情が成立する。
北軍の兵士たちに踏み込まれたときに見せる強さも格好いい。惚れ惚れ。
ほんっとーに美しいしなぁ、檀ちゃん。

ベル・ワトリング=ハマコも素敵でした。美人だし!(もしハマコがマダム・ヴォルフやってくれたらそれも見てみたい)
ソロも流石の上手さで切々と。そしてバトラーをスカーレットの元に行かせてやるいい女っぷり。
対等の人間として見てくれたメラニーに対する変わらぬ敬愛も、すごくいい。ベルと言う人間の誠実さに打たれる。

あと、マミーも含めて、女たちはみな誠実で格好よかったなあ。だから気持ちよく見られるし、物語に入れました。

それに引き換え、男たちはー……(苦笑)。
いや、スカーレット視点で描くと、そうなっちゃうんだろうなとは思うけど。

アシュレって、こういう役だったんだ(笑)。
まず、スカーレットにメラニーを守ってくれと頼んじゃうところで、目が点。自分に惚れてる女に妻をよろしくと頼んで承諾させちゃうあたり、何ですかそのタラシっぷりは!(爆笑)
2幕頭も、何考えてんだかなあ。
そしてスカーレットと抱き合って町の噂になる場面。て、天然?
いや天然にしてもなあ(笑)。
描かれ方のせいもあるだろうけど、スカーレットに「私はあの人の何を愛していたのかしら?」と言われるにふさわしい男でした。南北戦争がなければ教養あるえーとこのぼんぼんで無難に生きていけただろうけど、敗戦後は過去の思い出に浸っているだけの。
聡明ではあったのだろうけれど。南部が敗北することも理解していたし、何よりスカーレットの美点を理解していた。他の男たちがその美貌しか見ていなかったのとは違って。
聡明で繊細な心優しい青年だったからこそ、あの素晴らしいメラニーが愛したんだろうさ、と思えたし。
メラニーが最期に、スカーレットにアシュレのことを頼むのが、戦地へ赴くアシュレがメラニーを頼んだのと対になってますよね。二人がお互いを思う気持ちとスカーレットへの信頼が感じられて、じんときました。
いや前述のとおりアシュレの頼み方は難有りなんですが(苦笑)。最後もメラニーを失って抜け殻になっちゃうんですが。でも妻を失って死んだも同然、と言うのは、それはそれで共感できるしなー。

ワタさんは格好よかったです。うっとりでした。図書室の貴公子、いいじゃないですか。物静かなお坊ちゃまも素敵です(断言)。
本当、スカーレットがその容姿に一目ぼれして十数年?自分の描いた幻に恋し続けたとしても納得の格好よさ。
個人的にはバトラーとスカーレットの結婚披露パーティ、黒燕尾で檀ちゃんと寄り添う姿が最高でした。うわーい格好いいよー!(泣←泣くのか)いやここ終始ピンボケなんだけど、それでも(笑)。

スカーレットの最初の夫、チャールズは彼女の容姿に惹かれただけだし、二番目の夫、フランク・ケネディもなー……。
こりゃダメだ、って感じだよなー。スカーレットのこと全然わかってないもん。アシュレのことだけ心配して夫のことをころっと忘れているスカーレットはあんまりだと思いますが、でも「支払う能力のない人にお勘定を払わせたようなもの」という台詞には納得しました。本当そんな感じだ。
「彼女を愛しています!」と言う場面のアップにはぐっときましたが。だってしぃちゃんだし。しぃちゃんの人を愛する演技には弱いらしい私(最初にくらっときたのは1914の「ベラを待たせているから!」)。最初の、食事に誘われてちょっと困りながらも喜ぶ姿もかわいかったし(いくつの少年だ、と思いましたが・笑)。

でもフランクはスエレンと結婚しても結局尻に敷かれそうなので、あの魅力的なスカーレットを愛し結婚したのは、それはそれで幸せだったかもしれません(ひどい言い草ですか?)。

そんな中、唯一スカーレットと拮抗できる男が、バトラー。
生命力に溢れて、魅力的で、でも子供で自分自身のことをわかっていないスカーレットを理解し、その魅力を愛し続ける男。
トド様。男らしい、と言うか、男?(をい)
粗野で乱暴で皮肉屋で、しかし旧弊な世間に囚われず自分の目と足で人生を歩く男。人生を爆走するスカーレットとお似合いの男。
……白状しますと、初めてトド様を格好いいと思いました。(うわーごめんなさい! でも今までいまひとつ魅力がわからなかったのよ)

でも、だからこそ、ラストが納得いかないんだけど。何でそこで出て行くんだ。あんたならスカーレットに付き合いきれると思ったのに、あんたまで逃げるのか。アシュレごとき(ごとき言うか)敵じゃないことはあんたならわかるだろう! かっこつけて歌ってる場合じゃないわよ!
まあ、この二人はそのうちまたよりが戻っても全然おかしくない感じなので、そう思って見ることにします。

ワタ檀原点探訪、のはずが、長々と感想を書いてしまいました。
これからワタ檀デュエットをもう1回見ます。

それにしてもトド様、ワタさん、檀ちゃん、となみちゃん、しぃちゃん。今の星組公演と出演者被りまくりだなあ(笑)。

ああ、そしてやはり茜ちゃんを目で追ってしまう私でした。茜ちゃーん!!(泣←また泣くのか)
19日の午後公演、観て参りました。
やっぱり前で見たいんだもん、と言う訳で7列上手。
なのに芝居は意識が飛んでるってどうなんだ自分(疲れてたんだよ)。

この席でしか見られないものを見よう、と言うことで、基本的に鈴木さんを見てました。いやほら、長崎奉行所のカーテン前芝居、最上手にいるからさ。
へらへらしてると館岡さんと目が合いじろりと見られて居心地悪そう、という感じのやりとり(無言ですが)が何度かあり、楽しかったです。それが楽しいのは私だけかもしれんが(笑)。
あと、みらんくんのかわいい通辞さん(かわいいコックさん、のノリで)をチェック。
後半は捕り手のあかし君を。見てると結構目が合うような気がするぞ。芝居入ってるから真顔だけど(笑)。
あ、銀橋を疾走する奉行所の皆さんを見るには上手前方席がいいです。館岡さんが突進してきてくれますよ、サトリさん(私信)。

芝居では鈴木さんチェックをしていましたが、ショーでも何気におかっち席でした。

レディ・ダイス登場に色めき立つ群集。気がつくとレーク=ワタさんに後ろから捕まえられてます。抱えられていると言うか。いつもこんなんだっけ??? そして割り込まれてダイスとの握手をさらわれる。
その後のダイスを追いかけるときも他の人に突き飛ばされてるし。この場面は少々トロい奴って設定でいいんですか?
クラブでは、始まったケンカになにやらヤバそう、と同僚?と話している姿が拾えたり。
そしてパレードは真っ正面(ちなみに隣は仙堂さん)。
笑顔が優しくて。柔らかな微笑がピュアホワイトな感じで。
退団者オーラが出始めているように見えて。
幸せだけれど、切なくなってしまった12日の午後公演でした。

仙堂さんは、ひたすらきらきらしてました。退団者オーラというより、ただただ輝度が上がっている感じ。
芝居は、長崎の禿が目の前でした。とととっと出てくる歩き方が愛らしい。鈴振る歌声。舞う龍の前に立つ姿は、何かの精のようだなあ。
ショーもすごい。コパカパーナなんて私、仙堂さんしか見てないぞ(隣のふありちゃんも目に入るけど)。
いや、きらきらと言ってもぎらぎらに近い輝度。金を張ったクリスタルのような。ヴェネチアンガラスのような。
……やめるなんてウソだろ、と言いたくなるような。

いいじゃん。見送るんだからちょっと感傷的にさせてくれよ。
帰り道、ふと気づく。
終始一貫「かっこいい」って思ってたなあ、私。
オフでも素顔でも、時にボケ気味発言をかましても。「かわいい」とか一瞬たりとも思わなかった(でも「きれい」はちょっと思った)。
ジェンヌさんだから、近くで見るとすごく細いんだけれど。それでも、ひょろっとしたお兄さん、に見えた。
超一流のイリュージョンなのかなあ。私の目に強固なフィルターがかかってるのかなあ。

あ、そうか。
特別。
浴衣姿で登場したそのとき、場内からわーともきゃーともつかない黄色い声が。
テーブルの間を縫いながら壇上に向かう間にも、行く先々で嬌声が上がる。
お茶会は6度目(いつの間に!)ですが、こんなの初めてだ。
こ、これがトップスターのお茶会ってこと?!

前日まで「卯之助のこと喋られてもストレスたまるだけだしー」とぶーたれていたのですが、午後公演を割と前方席で見てショーでテンションが上がったまま参加。
いや、結局楽しかったんですけどね。
以下、記憶の範囲で。

前述のとおり浴衣姿でのご登場。マジ格好いい。粋。惚れる(今更)。

乾杯の後かな。今公演はこんな感じで、とか話しているとき。
「イシちゃんとは初共演したのも日本もので、そのときは親友役で。今回は親友と言うか、愛し合ってるんじゃないかという(笑)」
って、それでいいのか!? 公式に?
……だ、そうですよ。皆様。

その芝居の話。敢えて私の主観を排しつつ(苦笑)
卯之助はどんな人物ですか、という問いに「すごい人ですよね」と。自分には考えられないけれど、伊佐次を守るために人生を捧げて、それだけ守りたい人がいるというのはすごいと。「伊佐次と、おしまちゃんに再会してからはおしまちゃんのためをひたすら考えて行動している(ワタ檀的にここ太字・笑)と。
だがしかし。
そんな卯之助には江戸に残してきた女がいるそうですよ!
卯之助が好きになった女性はおしまだけですか、という質問に「そんなはずないじゃないですか」。おしまは実らなかった初恋で、ちゃんと別の女性とおつきあいしていたと。曰く「卯之助も男ですから」。
しかし伊佐次があんなことになって「説得して」江戸に残してきたと。
……そりゃねぇだろ。
止そうと思ったのについつい脳内突っ込みしてしまいました。江戸の彼女は檀ちゃん2役、こっちは堅気の町娘で!とかも思いましたが。

卯之助役で苦労していることは「足を引きずって歩きながら歌うこと」。ついついリズムどおりに歩きたくなるそうで。
悪い方の足には間違えないようにサポーターをしていて、中日頃「もういいかな」と外したら間違えそうになったんで、まだつけているそうです。

岡っ引姿は自分でどう思いますか、に対し「結構いけてる」。参考にしたのは銭形平次、初めて扮装写真を撮ったときの印象は「映画村みたい」。ついでにTVで時代劇をやっているとついつい見入ってしまうと。

最後あのあとどうなるんですか、という質問。「それは、皆さんの胸の中で……手を合わせてください」手を合わせちゃうのか!
江戸へは帰らないんですか?と質問は更に追い討ち、いいのか?「そりゃ帰りたいですよ。でも帰れないですよねー、上海よりも遠いんですよ? あの舟何もついてないし」あんまりいい話じゃないと思うんですよ、とのこと。(それで江戸に彼女残してきた設定ってさー、あんまりじゃん?)

蛇の場面は毎回アドリブ「楽しんじゃってすみません」だそうです。一度蛇の頭が落ちたことがあって、トド様が拾いたがってそっちに気をとられて大変だったらしい(笑)。
えーとあとウケたのは「和泉屋さんからのご祝儀はいくらですか?」。答えは「見てません」ときっぱり。そのまま後で協力してくれたお吉さんに渡しているんだそうで。

ショーの話。
好きな衣装は。考えて「やっぱり黒燕尾」でもつなぎはあまり着ないと思うので、それもいいかなと。
靴磨きの場面、とうこさんからもらう金額は毎回違って、最高額は全財産だとか。今日は全財産もらったはずが「これから生きていけるんですか?」と訊いたらポケットから更に札を出して見せびらかされてました。それもアドリブで打ち合わせナシなのでびっくりしたそうです。
ヤンさんの振り付けの場面、の言葉に「ああ、ホストクラブ!」ってホストクラブでいいんですかあれ。そりゃ柚美さんとの関係はどう見てもマダムとホストだけど(笑)。ヤンさんはとにかく格好よかったとのこと。
美女に囲まれる場面については「一人一人と少しずつ絡むのがいい」。「ニューハーフが二人混じってますが」でどっとウケたら「笑うってことは皆さんもそう思ってたんですね!」と逆に突っ込まれました。
檀さんとのデュエットダンスはどんな気持ちで踊っていますか、には、その場面の感情を表現しようと思って踊っている、とのこと。いかにもサヨナラな場面ですが、やっている方としてはまあ、そうなんだろうな。
「踊れない、もう踊りなんか要らない!」と思ったことはありますか、という質問がありました。それに対しては「ないです」。
あとウケたのは「シバの子という役ですが、母親はあの5人の中の誰ですか?」。額を押さえて「……イシちゃんに聞いてください」だそうです(笑)。

ダンスリサイタルの話。
星組の場面はラテン。
「ビデオ見たときに、みんなすごく盛り上がっちゃったんですよ、『熱い!!』って」
それであんなすげーハイテンションなものが出来上がったのか。いい話だ、実にいい話だ(星組大好き)。
まーちゃんとのデュエットダンスは、最初お互い照れてしまったそうです。「愛しげな目で見詰め合うのが」。やはり普段組んでいない相手だと照れるのか。まーちゃんに対しては「きちんと丁寧に踊ってくれる子」で良かったと。
公演中のお稽古だったけれど、出られない組が2組ある中で出演できて幸せだった、と。

ゲームコーナー。三択クイズで間違ったら脱落、を最後の一人まで繰り返す。
笑ったのは、「芝居の中で卯之助は『ウドじゃねぇ卯之だ』と何回言っているでしょう?」選択肢は6回、8回、10回。
正解は6回なんだけど、10回選んでる人多し。それだけ何度も何度もしつこいってことだよなあ(苦笑)。

握手会……って、参加者全員と握手するんだ……大変(でも嬉しい)。
結構な人数なので、さくさく進行。一言も本当に一言、一文でなく一語なので下手な仕込みはできず(笑)。ふつーお礼を申し上げました。私は後ろのテーブルで終盤だったので、流石に多少お疲れの様子だったかなあ。

歌のプレゼントは、『長崎しぐれ坂』主題歌。浴衣姿でテーブルの間を練り歩きながら。間奏で一言「演歌歌手になったような気分」そりゃそうだ(笑)。でも、いい声だなあ(うっとり)(突っ込み不許可)。

プレゼント。ええ、当たりませんでした。でもいいや、って言うかこの人数が見守る中当たって壇上に上がったりしたら、視線が痛いんじゃないかと……。

時間が余ったので、質問の続き。オフについてとかもありましたが、一問一答で今行きたいところは「ハワイ」と即答。何でも公演中すごく暑いんだそうです。皆で、ハワイ公演だと思って暑さに耐えている。「だから本当に行きたい」と。

今後の予定など。
もうベルばらのポスター撮りをしたそうです。フェルゼンの扮装は「結構いけてる」と(笑)。
「青天からスェーデンの貴公子まで」とコメント。場内拍手。

ご挨拶。
「今回は檀れいちゃんが退団で、他にも卒業する子が4人いて」その5人と一緒にやれる公演を日々大切にしたい、というようなことを。
専科の方々も皆様流石で素晴らしくて、袖から見ていてもすごく勉強になる、と。
卯之助としてレークとして日々生きています、と言ったのは最初の挨拶だったかも。

うん。
今回の公演色々とあるけれど、そう言うなら、ま、いっか。
(いや本当は全然良くないんだけど…惚れた弱みってやつ?)
午前公演を観に行ったのに、何故か1幕終了後には午後のチケットも手の中に。
気がついたら幕間にチケット買ってたんですねー。雨降ってたのにわざわざ傘さして(笑)。午前は上手前方、午後はセンター後方と、違った角度で見るのも面白かったです。全体が見えると隅の小芝居にも気づく。

チケットを追加した理由は、多分わかっている。
アラン=悠未ひろの、あの顔を見てしまったから。
恋に落ちる瞬間の表情。

店で一人徹夜したセシルを気遣うアラン。
セシルはそんなアランに、父・ミシェル・シャンティのことを尋ねる。
店を愛し客を幸せにするために尽くした、素晴らしい料理人だったと語るアラン。
だが、セシルにとっては、家庭を顧みない父だった。
「彼が愛したのは、自分の料理とこの店だけ」
そして7歳で両親が離婚した後、彼女は孤独な少女時代を過ごす。
夢見たものは暖かい食卓。家族で食べる幸せなブレックファースト。
けれど、そんなものは手に入れられなかった。

慟哭するセシルのソロ。
そして、そのセシルを見つめるアラン。

アランの表情が変わっていく。
その目にはセシルしか映っていない。
冷血を装い強気で武装した、鎧の下の傷ついた心を知って、急速に彼女への思いが募るのがわかる。
この、目の前で傷つき苦しんでいる孤独なひとを、幸せにしたい。
その思いが燃え上がっていく。
それは、恋に落ちた瞬間。

恋に落ちる瞬間。
そして私は、その情熱に魅入られたんだ。

悠未アランは「大人の男」じゃないよね。まだ若いと言うか青いところがある感じ。いい兄貴分で、店の皆にも信頼されているけれど、結構感情を露にしたり、悩んだりする。
セシル相手にも、最初はムッとしたりムキになったりしている。遼河アランが、最初からセシルの心を見抜いているかのように、優しく大人な態度をとるのとは、ちょっと違う。
でも、だからこそ、セシルの孤独を理解し恋に落ちる瞬間が際立つ。
「セシルを幸せにするディナー」の発想が生まれたのは、この時なんだろう。

対するセシル=和音美桜。
最初、大人っぽく感じたのは、喋り声のせいかな。低め?
前半日程の美羽セシルより、普通に「キャリア女性」っぽく感じた。
アランも「大人の男」でないので、より二人の関係が対等に近く見える。(前半はアランが大人の余裕で傷を抱えたセシルの心を溶かしていく、ように見えた)

和音セシルは、美羽セシルと比べて、心の揺れを表すのが早かったような気がする。
1幕ラストの契約決定の時点で、既にすごく葛藤しているんだよね。悩んでいるのが見える。前半日程は、ここではまだ表面は冷たく取り繕っていて、対決ムードだったような気がするんだが。1回しか見てないし私の理解ではあるけれど。

そんなセシルが、アランへの好意と共感を表現するのは、アランの過去を訊いたとき。
妻が死んだのは自分のせいだと言うアランに「あなたのせいじゃない!」と。相手の心の傷への、共感といたわり。
それは、1幕でアランがセシルに対して見せたものと同じ。

今回は、前半日程でぐわんとやられた「手首にキス」の破壊力はそれほどではありませんでした。悠未アランにはいまいち似合わないのか?
それよりもときめいたのはラストの「おでことおでこをこっつんこして笑いあう二人」。
素敵。ほっこりして微笑ましくて、でもロマンチック。
アランという役は誰がやっても格好いい役だと思いますが、でも個性は出るんだなあと。
そして私は悠未アランの方が好みです(笑)。純粋に格好いいのは遼河アランだろうし、お洒落度が高いのは前半日程の方だろうけど、遼河アランは大人で出来すぎて非の打ち所がなくて個人的にはあまり惹かれなかったもんで。

いや、ビジュアルとか芸風から、こっちの方が好みだろうことは予想の範疇だったんだが。予想通り過ぎて我ながら苦笑。
ともちん、格好いいよねー。くしゃっとした笑顔が素敵。「笑顔が素敵」は私的にかなり高ポイントなので、かえってちょっと狼狽しました(笑)。
美形とは思わないが(多分私は「顔がアレなんて点数厳しすぎ」と言ったんじゃないかと。>緑野さんに私信。まあどうでもいいことだ)、完璧な美形より愛嬌あるハンサムの方が好みだし。
そしてあの大きな身体で踊られると、すげー素敵です。うっとりです。ロワゾー夫妻夫婦喧嘩のストップモーションもあの体格と長い手足でやられると、妙におかしくて、でも格好よかった。
あと朝食の場面でオレンジを放り投げる仕草が格好よくて、これまたときめきました。男の子っぽい仕草が似合う。

エリーヌ=咲花杏ちゃん。
かわいい。前半のアリスちゃんがはまりすぎだったのでどうかなと思ったけど、杏ちゃんもすごくかわいい。いい子だ。
知らなかったけど、歌上手いんだ。鳥籠を抱いて、自分も籠の鳥と歌う悲しみと寂しさに、胸を打たれる。
セシルの孤独と慟哭のソロはアランが受け止めたけれど、エリーヌの叫びを受け止める人はいないんだと思うと、見ていて辛い。
勿論彼女は、自分の力で立ち直って、皆の前に現れるのだけれど。
誰か受け止めてくれる人と出会って、幸せになってほしいなあ、と思う。

ルイス=夏大海が地味になっていて、ちょっと戸惑いました。
いや、うさんくさいよ。十分うさんくさくてそれはいいんだけど、うさんくさい「色男」には見えない。ちょっと貧相?(失礼) だから余計セシルがアランにさっさと惹かれてもわかる気が(やっぱり失礼)。

サチ=綾花ちかもキャラ変わってました。
かわいい。小柄でさらさら黒髪、かわいい日本人の女の子だ。前半の鮎瀬サチはたくましい姉御肌で、静(王様のレストラン)を髣髴とさせるくらいだったのに。パトリックとの関係も姉さん女房に見えないよ(笑)。あんまりかわいいのでパトリックだけでなくジャンともいい感じに見えた。ディナー成功で大喜びの場面、大きい二人に挟まれてつぶされてるのがかわいい。
表情とか、ちょっとあすかちゃん似に見えました。ロビーで男性客が「とにかくサチが可愛い!」と言っていたのが印象的(笑)。

もうひとり、アリシア=妃宮さくら。
眼鏡っ子で来たか!
ルイスに眼鏡を取り上げられてオロオロするあたり、ベタだけどやってくれます(笑)。

ロワゾー夫妻=風莉じん&白河るり。前半に引き続き絶好調(笑)。小芝居は後半日程の方が派手になる法則(勝手に命名)に則り、子役と若夫婦は派手になっております。老ロワゾー氏も相変わらず泣かせる。

その他の男性陣、ジャン=十輝いりす、クロード=麻音颯斗、パトリック=凪七瑠海、ポール=七海ひろき、は、大体前半踏襲? と言うか、被るキャラをキャスティングしたのかなあ。宙下級生は詳しくないのでわからないけれど。
その中でも、ジャンは派手になってました。特にお笑い系で。あの身長と長い手足で絶望にしゃがみ込んだりしていると、それだけで可笑しい。
クロードについ目が行ってしまうのは、私の好きなキャラってことだな(笑)。真面目でいい人。そして私服のセンスはダサい(ボーダーTシャツにいつもの髪型が似合わない・笑)。アリシアをルイスから庇うところがコミカルになっていて、ファイティングポーズをとるも相手がやるか?と腕まくりするとアリシアの手を取ってそそくさと逃げるのもらしくて良い。

どちらにしろ、いい話でした。
すがすがしく泣けました。
自分の仕事に誠実に生きていこう、と背中を叩かれる作品でした。
『ゴールデンステップス』感想。
濃密過ぎて、見たものでなく見たときに思ったことしか憶えていないんだが、プログラム片手にだらだらと。

第一部
【ザ・タンゴ】
何もない、本当に何もないまっさらな舞台にただ一人ポーズをとる黒燕尾の男。
雪組トップスター、朝海ひかる。
この上なく端正な佇まい。
娘役たちと踊った後、かしげ氏と男同士のタンゴ。これも端正だなあ。下手端のソファにもたれて二人を見つめる舞風嬢に、ドリキンの伯爵夫人を思い出してしまった。
男たちのタンゴは3組に。下手は水・壮、上手は未来・音月。
この、ハマコ氏とキム君が、もう!
すげー本物っぽいんですけど。苦みばしった、だが俗味を漂わせる美中年と、生意気盛りの毒を持った美少年。ドラマを感じる。フランス映画みたい(フランス映画に偏見があるらしい)。
なんつーか、こんのな初めて見た、って感じでした。あとの2組は普通に美しくあまりあやしくなかったので、余計にこの濃さにびびりました。でも好きか嫌いかと言えば、好きかも(笑)。

【ラテン】
星組です。そりゃ、ラテンをどの組でやるかなんて、考えるまでもなく星組だよな。『タカラヅカ絢爛』大好きだった私は嬉しい。
実はプログラム見て一番「何故?」と思った配役がここの「ラテンの歌手:英真なおき、立樹遥」でした。しぃちゃん歌手?いや下手だとは思ってないけどわざわざ歌手?
でもラテンですから。歌い上げ系じゃなくてパワフル系なのか。ちょっと納得(失礼な)。組長と対、というのも?でしたが、娘役二人はとなみみなみだしな。つーか今回組長大活躍。他所はこんなに目立ってない、と思いきや、そもそも組長出演は星だけでした。
何にせよ、大きいしぃちゃんと小さい英真さんに長身美形のとなみとみなみ、のカルテットは、絵面が面白かったです(笑)。何気に目立つしな。
そしてせりあがってくるのはトップスター、湖月わたる。背中に太陽しょってるのが見えます(笑)。ラテンの女Aはウメ、ももか。濃いぞー。かっこいい、そしてダイナミックなスカート捌き。
でも、更に大胆に捌いている人がいる、と見たらきんさんでした。今回出演娘役最上級生がそうなら、みんな見習っても仕方がない(笑)。
最初から最後まですげーテンションでした。シャウト、と言うか雄叫びすごすぎ。大好きだ(笑)。

【ドリーミング・ウェーブ】
先ほどまでの喧騒は何処へやら。
静かな舞台にスーツ姿の一人の男。月組トップスター、瀬奈じゅん。
これがお披露目ですね。かなみちゃんとのコンビも初披露。美男美女でお似合いでした。
そして私は越乃リュウ・美鳳あやコンビに釘付け。すげー、かっこいー。嘉月さんも渋い。

【MC1】
トップ3人のMC。内容はともかく、この面子だとワタさん真ん中なんだ、と思いながら見てました。

【キリエ−恋するアイツウ−】
ウメちゃんが、もう!
すごいです、すごいかっこいーです。
白い神父服の水氏を誘惑する魔物、黒尽くめの美少年・キム君。そしていつの間にか魔物は黒いドレスの美少女・ウメちゃんと入れ替わり。
黒髪ロン毛のキム君の毒々しさもすごいんですが、神父を翻弄する美少女ウメちゃんがすごすぎました。長い黒髪をばさばさと揺らし、激しい動きは原初の生命力。細い身体さえ鋼の力強さの象徴に見える。魅入られました。
それがまた最後に入れ替わり、毒の塊キム君が現れる。
なんか、すごいシーンでした。

【ヒート・オン】
きりやん中心月組。ここも越リュウに釘付けな私。こんなに越リュウ大活躍なのに見ていないもずえさんのことを思い出してちょっと申し訳なくなったり。

【ハードボイルド】
とうこさん中心星組。セットは今公演のショー、ジェラシーの場面のやつ? 
最初、舞台上はストライプのスーツでタンゴを踊る男二人だけ。ずっとオペラで追っていたのに最後まで誰だか判別できず。ソフト帽を深く被られると2階B席からは判別不可能。真飛・柚希ペアと後で判明。
つーか、プログラムチェックしきれてなかったんで、この後とうこさんが登場して初めて星組の場面だと気づいたくらいだ。
そして、しぃ・ももか、涼・琴の男女ペア2組のタンゴ。いやー、かっこいいなあ、ももかさんとコトコト(そっちかい!)。
男役出演者全員出てきて総踊り。組長、コケた?(リカバリが見事すぎて一瞬目の錯覚かと)

【ビバ!シバ!】
かしげ氏+ゆうひ氏と月組のみなさま。
かしちゃんが「歌うシバ神」ゆうひさんが「踊るシバ神」。
かしちゃんの歌が素敵でした。なんつーか、パッショネイトだ。顔つきもギラってる。
この公演、全編通じてかしげ氏はかっこよかったです。いや今までもかっこよかったけど、ちょっと殻を破った?って感じで。
雪公演が楽しみ楽しみ。

【ジャンクション(殺人狂駅)】
ストーリー性のある結構長いシーン。
ノーブル・キラー。まーちゃんと壮・キムの3人で銀橋。まーちゃんは泥棒で、壮くんキムくんはその子分であるらしい。とにかくまーちゃんがキュートでチャーミング。ボス!とまーちゃんの両脇を固める二人も楽しそうでよろしい。
彼らの持つスーツケース(わかりやすく黒地に金の$マーク)を次から次へと悪党が奪っていく、という趣向? 次に現れたのは月組のホワイト・キラーたち。白スーツにソフト帽の男役たちはかっこよかったですが、その後に出てきた同じく白スーツ娘役がまたかっこよかった! シャープでビターでクール。惚れる。
お次はシルバー・キラー。水氏が銀色スーツのおじいちゃん。でもダンスはシャープ(笑)。その両側のおばあちゃん二人は、まとぶとれおんか!
いや、個人的には、色モノじゃなくて格好いい系の礼音くんの見せ場があると嬉しかったんだけどな。せっかく「ダンスリサイタル」なので。最近伸び悩み気味じゃないかと密かに邪推してるもので。考えすぎかもしれないんだけども。
次に現れるレッド・キラーたちに銃で脅され車椅子で退場する老人会。ここは医者の嘉月さんも要チェック。
レッド・キラーはとうこさんと星娘たち。とーこさん、赤いスーツでキザりまくり。似合う。星娘ちゃんたちも赤いドレスでマシンガン持って決め。似合う。
その次がドル・キラー。金色ドレスのかなみとなみの美女コンビの間に、同じく金色スーツの英真組長。組長オイシイなあ! この二人とトリオなんて、あとは2部のトド様だけだぞ。と、ついつ美女二人よりもうれしそーな組長を見てしまう私。しまった。
次にブラック・キラー。かしげ氏と雪組男役の皆様。クールに決めてましたが、びっくり顔になるとやっぱり「かしちゃん」って感じだなあ。かわいいけど(結局好きらしい)。
さて、びっくり顔になったのは舞台上全員入り乱れてのお宝争奪戦になったからです。そしてつんざくマシンガンの音。
出た! 真打登場、トップ3人が白いスーツで白いマシンガン乱射。ワタさんは一人上手花道。かっこいー。ここ帽子じゃなくて良かった、ちゃんと顔が見える。ちなみに後二人は下手花道。ついでに本舞台では水氏がスーツケースを持ち去っていたらしいですが、ワタさんしか見ていなかったので気づきませんでした(笑)。
そしてゴールドのロケットになだれ込み。トップの後ろでロケットって新鮮な絵面かも。白と金というのも華やかでいいなあ。

ここで1部終了〜。
18:30の回を観ることができました。

素晴らしいイベントでした。
タカラヅカのエッセンスを凝縮した、とても密度の濃い2時間でした。もうしばらくの間はヅカ見なくてもいいかも、と思ってしまうくらい(笑)。

ショーの名場面が次から次へと続くハイライト集のような構成。私はここ最近のファンなので生で見たのは「チャイナドール」だけなのですが、そんなことは問題なし。いいものはいい、楽しいものは楽しい。
出演者も熱演。と言うか、それぞれ公演中お稽古中にもかかわらず手抜きめいた雰囲気のかけらもない。端正な熱気。
これだけの仕事を残して、その記念リサイタルのために皆がこれだけ力を尽くす、ということで、羽山先生の偉大さが伝わってくるような気がしました。

特に『国境のない地図』フィナーレが素晴らしかったです。
大階段に並んだ黒燕尾男役のシルエットが逆光に浮かび上がるさま。その美しさに息を呑みました。
そして、その場面のセンターにいるのは。我らが星組トップスター・湖月わたるで。
黒燕尾群舞も、白い衣装のデュエットダンス(お相手は屈指のダンサー舞風嬢)も、堪能しました。
この記憶だけで生きていけます。

本当に素晴らしいものを見た後は、逆にあまり語る言葉もなくて。
と言う訳で、幸せな記憶を抱えて、おやすみなさい(笑)。

***

私信。
「み」さま、チケット譲ってくださってありがとうございましたー!!
ネットでの高騰に「もうあきらめた。その分のお金でDVD買う」と言っていたのですが、やっぱりライブは全然違う、見ることが出来て良かった。
本当に感謝です、ありがとうございました。
(あ、でも、DVDも多分買います)
コーナン貸切でした。座席は抽選。
いい席だといいな、端でもいいから一ケタ台列だとうれしいんだけどな、と勇んで引いたチケットは、2階5列端でした。
……まあ、タダだしな、文句言っちゃいかんよな。
しかし微妙な……自力だったら絶対手を出さない席……。S席だからまだ良しとすべきか。

『ソウル・オブ・シバ!!』を見ていて、あるべきものがあるべきところにある心地よさを感じました。
湖月わたるの腕の中に、檀れいがいる。
それだけが、それだけで、見ていて幸せ。
幸せだけど悲しい。
幸せなので、私の中でカウントダウンが始まってしまったので。
……やっぱり千秋楽までにもう1回くらい見ようかな。今回良席が手に入らなかったしな(笑)。

前にも書いたけど、この話、芝居で見たいです。
つーか、檀ちゃんをとりあうワタさん、とうこさん、しぃちゃんが見たいのよー。勿論檀ちゃんはワタさんを愛しているってことで。
神様バンザイじゃなくて、ちゃんとオチをつけて。
『長崎』の方を日本もののショーにしてくれていいから、こっちを芝居にしようよ。ショーはミエコ先生独演会でもいいからさー。
……いや、こんなことをほざいても、現実逃避に過ぎないんだけども。

『長崎しぐれ坂』も見ましたよ。
笑ったのは、子役おしまちゃんの「足は大丈夫」という台詞がはっきり入っていたこと。新公見て改善したのか。早っ。
ル・サンクを買ったら、卯之助の「足の悪いおいらを」って台詞は最初からちゃんとあったようです。勘違い失礼。

オペラ使うのは檀ちゃんと、中国娘たち見てるときだけでした。となみちゃんかわいー、ウメちゃんかわいー、コトコトかわいー、ももかさん濃いー(笑)。
水牛の薀蓄に「聞きたくないー」と耳をふさごうとするウメちゃんの手を無理矢理ひきはがすももかさんが笑えるわ。
あ、初日に借り着のようと書いたさそりとらっこは、ちゃんと悪党らしくなって来てました。キャラが立ってきてる。
さそりは格好よく、ちょっとワイルドなダーク系ヒーロー。不良少年の魅力。
らっこは……何だかすげー悪役に見えるんですけど。常にクールな悪党面をしている、それでいいのか(笑)。
そんな中であんぺは相変わらず普通の男の子なんだが、新人公演もそうだったしなあ。このキャラクター配置においてはキャラが立ってると言えるのかしら。

露骨なオペラ使いに、緑野さんに言われました。
「だめだよー、卯之助も見てあげなきゃ」
いいんです。私が見なくても他の人が見てあげてますから。
「でも、ワタさんファンはかわいいワタさんが見られて嬉しいんじゃないの?」
卯之助はかわいくないです。私には館岡さんの方がかわいいです。
「館岡さんはかわいいよねー!!」
何だ結局考えてることは同じかい(笑)。
(あ、でも緑野さんは伊佐次もかわいいのよね。私は伊佐次も全く見てないけど)

館岡さん、いいよねー。生真面目で頑固でお役目大事の熱血漢(笑)。
私が丸山芸者だったら是非ちょっかいかけてみたいです。つついて嫌な顔されるのもまた一興。
奉行所の面子もなかなか美味しいよなー。渋めの綺麗どころ(私の目には)を取り揃えて。
振られたところを佐藤さんに「あいつは無駄だよ、やめときな」とか言われ、旗野さんに「俺でどうだい」と言われて、あたしゃ若い方がいいねえ、なんて鈴木さんと石浜さんに色目使ってみたりなんかして。石浜さんはお義理で笑い返してくれそうだけど、鈴木さんは固まるか、目をそらしちゃいそうな(笑・妄想広げすぎだ)。

と言う訳で、奉行所の皆様も見てますかね。銀橋全力疾走時の草履の行方を気にしつつ。
別にあの人数(提灯持ちまで一緒)で銀橋を走らなくてもいいと思うんだが。ついでに言うと手入れのときは走って登場退場しなくてもいいと思うんだが。些細な事だけど。

いや、わかってます。
それもまた現実逃避入ってるってことは。
この私がワタさんを見るためにオペラ上げないなんて、有り得ないよ! 責任者出て来い!
卯之助、根本的に行動が間違っているのは仕方ないとして(仕方ないのか)、あのへこへこした態度を普通にすればもうちょっと見やすくなると思うんだけど。特に庄兵衛におしまの行状をチクるところとか、やりすぎだと思うんだけど。
でも多分、駄目なんだろうな。
歌劇の座談会とか見ても「本心を隠した芝居」を要求されてるらしいので、それに真面目に応えちゃってるんだろうな。
でもそれ、スターの役じゃないから。そもそもキャラに合ってないし。

……やつあたり(しょぼん)。
文句言ってもしょうがないのはわかってるんだけどさ。楽しんで見ている方も大勢いる訳だし。
でもこれは私の日記なので、とりあえず騒いでおく(笑)。
ミュージカル『最悪な人生のためのガイドブック』観て参りました。
私、実は川平慈英のファンなもので。
ええ、明るく暑苦しく濃い男が好きなんです(笑)。確か十代の頃は耽美系の美形が好きだったはずなんだが、いつから趣味が変わったんだろう。

それはともかく。
すげー面白かったです! 笑って泣いたよ。
金と暇があったらもう1回くらい見たかった。既に東京公演も終ってて今日千秋楽なんだけど。

・ドイッチ=川平慈英。主人公。42歳フリーター、ピザアミーゴの配達人。仕事は好きだが正社員になんかなりたくない、未来に縛られたくない。もう厄年なのに。
・アベコ=キムラ緑子。38歳ライター。ドイッチの恋人。不倫相手のマキと別れたその夜、ドイッチと運命的な出会い(笑)をして、3ヵ月後に同棲。
・オノッチ=森山未来。ドイッチのバイト仲間。ビッグになりたい21歳。
・キヨッペ=堀内敬子。オノッチの彼女。オノッチの計画性のなさがちょっと不安。
・ムラキ=小林隆。58歳ピザアミーゴ支店長。ドイッチとオノッチの上司。いいひと。
・トリコ=三鴨絵里子。アベコの友達。恋愛中毒。不倫相手がおどおどびくびくしているのを見るのがたまらないらしい。
・ババ=近江谷太朗。トリコの不倫相手。不倫の末に離婚で憔悴、慰謝料支払いのためパチプロを目指す。
・マキ=草刈正雄。ピザアミーゴ社長。他にも多数会社経営中のエグゼクティブ。ジャガーに乗る男。アベコの不倫相手で今もアベコに未練。
・ミチル=伊織直加。マキの美人秘書だが、カンチガイストーカー女。でも憎めない。

この9人が繰り広げる物語。

舞台は渋谷。センター街を模した装置と、歩道橋。歩道橋の上はアクペラグループ・トライトーンの舞台でコーラスやBGMを歌う。テーブルや椅子を入れ替えることによって、アベコの部屋、二人が同棲を始めたマンション、マキのオフィス、レストランと変わっていく。なかなか面白い。
私は大阪で見たけれど、実際に渋谷にあるPARCO劇場ではもっと臨場感があったんじゃないかな。「森のレストランってどこなんだ!」「森ビルよ」なんてやりとりも。ウケてたけど。

結構、上手いこと言うなあ、と感心した台詞がたくさんありました。
「昔の大人は大人だった」「この街は危険だ。楽しいことが多すぎで僕のような大人が出来てしまう」「どうしてか(理由が)わからないことが一番強い」

そして私が一番なるほどと思ったのが、
「愛なんてない。愛の証があるだけ」。

同棲して1年、アベコは最初新鮮に見えたドイッチの三年寝太郎ぶりに我慢がならなくなってきた。だって彼女はコツコツ働いてライターの地位を築いてきた人だから。そんなときにアプローチしてきた昔の男・マキと4度目のデート。それをミチルがドイッチにチクったからさあ大変。あの短絡的な男は何をしでかすかわからない!と動転したアベコは、マキを道連れにドイッチを探し回る。
それなのにドイッチは、やはりオノッチとケンカして傷心のキヨッペと同病相哀れんで酔いつぶれた勢いでキスしてたりして、話はどんどん収拾がつかなくなっていく訳ですが。
このことは物語の最後で、マキの口からもう一度語られます。
「振り回されて馬鹿馬鹿しかったよ。あの時わかった、アベコは君を愛している」
そしてトリコも、アベコとの仲をどうするか優柔不断に悩むドイッチに迫る。
「愛は生まれるものじゃないのよ、育てるものなのよ!」
もっと言っちゃえば愛なんてないのよ、愛の証があるだけよ。
「アベコはあんたを必死で探し回ることで愛の証を見せたわ。あんたはどうするの」と。

それを受けてのドイッチからアベコへのプロポーズ?(笑)もよかったなあ。
自分の、ゴールを目指さず道のりを楽しむ生き方をガイドブックに例えて「僕のガイドブックは本屋の本棚の隅に置いてあって大勢の人には買ってもらえないかもしれない、けれど、君はそれを買ってくれるかい?!」と言うドイッチに「そのガイドブックを買うとどうなるの? 立ち読みしなきゃ買えないわ」と答えるアベコ。
「疲れてる?」
「疲れてるわ。給料は増えたけどその分マッサージ代で消えてくし、お酢がいいって言うから部屋中オレンジやグレープフルーツを漬けたお酢の瓶だらけよ」
「マッサージしてあげる。お酢の瓶も作る」
そして、
「マッサージしながら、僕が見たり思ったりした色々なことをたくさん話す。君の話も聞きたい。完全に分かり合える人間なんていない。でも分かり合おうとすることが大切なんだ。大事なのはコミュニケーションだ」
そして更に、価値観が違っても見ているものが違っても、手をつないでいれば一緒に旅はできる、と。

泣かされました。こういうプロポーズされたらぐらっとくるかもと一瞬思いました(笑)。
いや、私は軟弱者なんで、あんまり見ているものが違う人間とその都度コミュニケーションしてギャップを埋めていく関係というのは、やっぱり疲れそうだと思うけども。
それを約束できるというのは、二人はやはり愛し合っているし、強い人たちだし、お似合いなんだろうと。

生き方論については結論は出していませんでしたが、ゴールを決めて目指すのも有り、決めずに目指さないのも有り、という感じなのかな。
それでも決めるときは決めなきゃいけないし、決めたら頑張れ、と言うか。
それでいい、っつーか人間賛歌だなあ、と思ったよ。
20代のオノッチとキヨッペ、40前後のドイッチとアベコ、それより更に年上のマキやムラキ。世代論的なところもあったけれど、それもそれぞれでいい、という感じで。
ドイッチとオノッチの世代も性格も越えた友情が良かったです。特に、イマドキであまり熱くならなそうなオノッチが、ドイッチのためにムキになるあたりが。

あとやっぱり、ミュージカルって楽しいなあ。
歌ったり踊ったりが始まると、わくわくする。
と言っても、現代東京が舞台・普通の人達が主人公の話なので、ナンバーもローテンションと言えばローテンションなんですけどね。
♪ドイッチ苗字が土井だから、ドイッチと呼ばれてるー、なんて、面白かったよ。
ミュージカル的に楽しかったのは、オノッチ・キヨッペ若者カップルの「フィンガー・ダンス」。二人はすぐ側にいるけれどメールで話をする、って携帯メールの歌なんだけど、森山未来と堀内敬子なのでやたら歌とダンスのレベルが高いんだわ。リフトもあるよ。
そして堀内さんがきびきび踊っているのを見ると、つい『タック』を思い出してしまう私。相変わらず可愛くて年齢不詳(失礼!)でした。

キャストはみんなはまってて良かったですが、特にマキの草刈正雄。
うさんくさい二枚目、素晴らしかった!(笑)
で、うさんくさいんだけど、アベコには本気なんだよな。今まで叶姉妹みたいなのばかり相手にしてきたのに、いや、してきたからか。「こんな女初めてだ」ってパターン。ドイッチと仲たがいさせるために小細工したり、大物だか小物だかわからないあたり可愛くすらある。
「どうしてかわからないことが一番強い」って、彼自身のアベコへの思いのことでもあるんだろうな(でも奥さんと別れる気はなさそうだけど)。

今日が東京・大阪あわせて千秋楽。ラストはスタンディングでした。いい舞台だったもんね。
楽しかったです。そしてピザが食べたくなりました(笑)。「ピザアミーゴ!!」
新人公演は、本公演と比べるとやっぱり薄い。
いや他所の組はそんなに見てないんで、少なくとも星組に関してはだけど。
『長安』のときも思ったなあ。新公を見た後では本公演は魑魅魍魎が跋扈する中国伝奇モノに見えたからなあ(特に、楊貴妃が人外で安禄山がくどくて)。
それだけ、経験を重ねると濃くなると言うかキャラが立ってくるんだろうなあ。でも駄作は濃くやればいいってもんでもないのかも。良くも悪くも作品の特徴が増幅されるような。

とか言いつつ、新公感想の続き。個別に。

演出が変わっているのは、他にもありました。
最初の鳶と芸者の舞踊。鳶3人に対し、芸者は4人。鳶も卯之助役のしゅんくん、らしゃ役の天緒くんじゃないんだ。
柚希、天霧、銀河と、南海、梅園、真白、湖咲。
そっか、85期勢揃いか! 粋なことするなあ。
そんでもって、誰がやってもいいってことは、ここってやっぱりただの舞踊会ってことだよな……。

ミエコ先生の役のウメちゃんが出てくるのは、長崎の花魁から。
いや、なかなか綺麗でしたよ。日舞は良くわからないけど。
ここ、龍が一頭になっていて、玉持ちはふありちゃんのチャイナガールでした。かわいー。ふありちゃん今回は何気に活躍してるなあ。最初の芸者もけっこういい女風だった。

ウメちゃんの出番はあとは精霊流し。
……すげーかっこいいんですけど!!
白地に黒の着物、モノトーンのストイックな衣装がかえって男前。りりしい。

ヒロイン・おしま役の妃咲せあらちゃん。
檀ちゃんのコピーでした。あの高笑いも完璧にコピーしていてびっくりした。
日本ものはちょっと辛いかなー。可愛いけど、メイクも洋物の方が似合う。でも新公初ヒロインとしては破綻なくよくやってました。つーか、檀ちゃんのコピーが出来るって時点で、結構すごいことなんじゃ。

らしゃ=天緒圭花くん。
ノーマークでした。最初は可もなく不可もなく、ふーんこんなもん?と思いながら見ていました。
が。銀橋ソロで瞠目。
うわ、上手い。
いい声。しかも泣かせる、ドラマを感じさせる、心に沁みる歌。
歌える人だったんだ。
このソロだけでも、何で彼がらしゃ役なのか納得しました。

らしゃの恋人・芳蓮=蒼乃夕妃ちゃん。
実は個人的に期待している娘役ちゃん。
うーん、この娘も洋物の方がいいかな。本役のとなみちゃんよりしっかりして見えましたが、可愛らしさではとなみちゃんの方が上。まあ当然と言えば当然だけども。
あと、やっぱり背が高いんだ。バウでは、礼音くんの相手役だったからバランス良かったけど。

李花=南海まりちゃん。
赤いチャイナ服姿のスタイル良く華やかなこと!! 何故本公演でもチャイナ組に入れなかったんだ、勿体無い!
期待の大人の女役、上手かったです。でも、なんとなくこの役には品がありすぎるような気がして、私的には絶賛とまでは行かないかな。

あと中国娘では成花まりんちゃんが可愛くて目を引きました。さすが次期スカイフェアリーズ。

無宿者たち、さそり=夢乃聖夏、らっこ=一輝慎はなかなかよくやっていたと思います。あんぺ=如月蓮がなんとなく末っ子みそっかすっぽいのは本公演と同じ。それでいいってことなのか?

同心の皆様、佐藤=鶴美舞夕、旗野=水輝涼、鈴木=壱城あずさ、石浜=美弥るりか。
ほぼ本役コピーでした。つまり本役のキャラが立っている佐藤さん旗野さんはそのままやりがいがありそうだけど、鈴木・石浜はなんとなくしどころなく。
特に佐藤さんの鶴美舞夕くん、にしきさんのコピーだけど、それが達者で驚く。上手いな君!(着物の丈が微妙に足りてない気が)
旗野さんも強面風でよかったです。

あと面白かったのは、唐人屋敷の人達。
館岡が踏み込む場面だけなんですけどね。内通辞=紅ゆずる(涼バウで注目したすっとした二枚目)、唐目利=朝都まお(柚希バウで注目したファニーフェイス)が、ちょこちょこ小芝居して楽しそうでした。
紅ゆずるは卯之助子役もやってたな。これがでかくて(笑)。しゅんくんだと「独活の大木」というのがピンと来ないから、子供の頃は大きかったんだよ、と言う設定したのかと思ってしまった。

老け役。水牛は天霧真世、庄兵衛は銀河亜未。
ビジュアル系美形とアイドル系美少年ながら、二人とも頑張ってました。いや、演技は申し分ないです。ただ顔が……頑張って老けてたけどね。

玉蘭=華美ゆうか。美人妻でした。大人の女だし。この母親ならヒロイン系の娘が居ても納得(笑)。

とりあえずこんなとこで。
挨拶は礼音くん一人。そうか、長なんだね。
かなりしっかりした挨拶でした。途中何度か詰まったりもしてましたが。
カーテンコールが1回あって、そのときは言うことを用意してなかったみたいで、何か言おうとしている間にじゃじゃーんと音楽が鳴って幕が降りはじめ、慌てて「ありがとうございましたー」と言うのもかわいいヤツでした(笑)。

余談。
1FA席最前列だったので、開演直前に本役さんたちが続々と目の前を。ひたすら見上げて固まってました。
見送ってると次の目の前を通り過ぎていくという勿体無い状態で、結構見落としてしまいます。ぜーたくな。
うわ、檀ちゃん一番前? すげーきれー。きんさん、ついつい目に付く……。ワタさん、白スーツでさわやかに男前。恵斗くん白いブラウスに刺繍が可愛いです。
あ、みらんくんだ、続いてゆかりちゃんだ、普段化粧でその美貌か。
しぃちゃん黒いスーツに黒いブラウスの胸元はフリル、そしていつもの笑顔。
開演前から大騒ぎ(笑)。
館岡さんが、小物に見える。
なんつーか「頑固で曲がったことが嫌い」だから怒っているのではなくて、「功を焦っている」ように見えてしまう。坊やだからさ、って感じ?
元々そういう人が自然にそうしているのではなくて、作って虚勢をはっている感じ。同じエリートでも、余裕のなさを感じる。
何が違うんだろう???
やりすぎなのかな? 声を荒げたり、表情を歪めたり。見てると常に片頬歪めっぱなしみたいなんですけど。
長崎同心の中でもそれほど目立ってない。と言うかあんまり異物感がない。本役のしぃちゃんは一人浮きまくってたのに(笑)。
あかしも暑苦しい系のキャラだから似た感じになると思ったのに、意外だ。

と言う訳で、いきなり館岡さんから話し始めてしまいましたが。
星組新公、観て参りました。

不思議だ。
見やすい。気持ち悪くない。

演出・台詞はわずかながら改善されていました。
大きいのは、卯之助の足の説明。
子役の回想シーンでおしまちゃんの「足痛い?」という台詞が入ってます。そして伊佐次に真情を吐露する場面では、いつも庇ってくれた、の後に「足の悪いおいらをいつも助けてくれて。男は人前で涙を見せるなって励ましてくれて。その言葉が生きる支えだったんだ」という台詞が追加。
これだけでも大分マシだよなあ。本公演は「いつも庇ってくれた」の後すぐ「お前のおかげで今日まで生きてこれたんだ」と繋がるから、何でそうなのかわからなくて余計に気持ち悪くなってるからなあ。

後、最後の精霊流しの場面。
短くなってます。その中を、銀橋を長崎同心の4人が上手から下手に駆け抜け、伊佐次、卯之助が現れては上手に消えて行き、最後に館岡が舞台中央から現れ、卯之助の後姿を見遣り、立ち止まって手の中の銃に視線を落としてから卯之助を追っていく。
ここで銃にスポットを当てているから、最後の銃声の伏線になってるんですね。

新公演出は鈴木圭。あの素晴らしい新公ファントムの演出家。
だから、もっと変えてきてくれるかと期待したんだけどな。勿論改善はされてますが。
植田の御大だから、遠慮したのかな……残念だ。

でも、見ていて(あまり)腹が立たなかったのは、それだけじゃなくて。
やっぱり、若いからだな。
「若いからしょうがねーよなー」って。
ほら、同じように馬鹿で間違った行動をとっても、なんとなく許せちゃうじゃないですか。
年齢設定は同じでも、伊佐次=礼音くんと卯之助=しゅんくんは、本役より10歳は若く見える。

卯之助と言うキャラがダメだ、と騒いでいる私ですが。
しゅんくんの卯之助は、気持ち悪くありませんでした。
なんつーか、ちゃんとヒーローに見えた。

妙な卑屈さがないからかな。腹に一物、二心あっても、わざとらしくへこへこしてない。
だから、普通にかっこいい男の子に見えた。
まあ、若いから、無理矢理へこへこしなくても下っ端に見えるんだろうな。だからそんなことして格好よさを殺さなくてもいいんだわ。
腹芸もあんまりやってないようで、最初から確信犯で計算して行動しているように見えるんだけど、その方がすっきりするよな。本役のワタさんは虚実どこにあるかわからないぎりぎりの線で作っていて、多分それが演出家の意図するところなんだろうけど、宝塚の主人公としてはそうじゃない方が二枚目に映るんだよな。要するにやりすぎで気持ち悪い(ばっさり)。
スタイルが良すぎて衣装は似合わないけど、まあ別に似合わなくてもいいし。お芝居、やっぱり上手い。歌が上手い人だという印象があったけど、今回はちょっと力が入ってたかな。
伊佐次が囲いを抜け出してからは、ずーっと泣きそうな顔してるんだよね。泣きそうな顔で必死で走ってる。
……可愛いじゃねーかこいつ。

で「間違っていても若ければ許容される」って、新公演出の鈴木圭は多分わかってるんだよね(作品の世界観、主人公の行動が間違っていることも含めて)。
最後に伊佐次が死んで、卯之助が「伊佐治ーっ!」と絶叫するのは、だからでしょう?(本公演は卯之助が伊佐次を抱えたまま静かに幕が下りる)
その方が、卯之助の若さ、幼さが際立つから。

で。
薄々思ってはいたんですが。
やっぱり、卯之助って役はワタさんに合ってないんだよおおぉっ!(絶叫)
だから余計に気持ち悪く見えるんだよ……(がっくり)。

ファンだけど、いやファンだから余計にそう思う。
例えば、伊佐次がワタさんで、卯之助がとうこさんだったら、もうちょっとマシだったような気がするんだわ、私的に。
新公のキャラクターバランスって、それに近いよね?

伊佐次は礼音くん。
礼音くんは、礼音くんでした。
今までワタさんの役をやっていたときはそれほど思わなかったけど、何を演じても礼音くんなんだなと。いや、スターっていうのはそういうのもアリかとは思うけど。
本公演のあんぺも悪党には見えないけど、伊佐次も凶状持ちの大悪党には見えない。不良少年の親玉、根は悪い子じゃないんです、って感じ。
良かったのは、おしまとの関係。ちゃんとおしまに惚れているように見えた。つーか、初恋の女の子と再会して柄にもなく照れちまったぜ、って感じで、可愛くもあり。
演出も微妙に違うのかな。おしまちゃんをがしっと抱きしめるとことか、良かったなあ。格好よかった。
不良少年と言っても、子分たちも若いんで、十分兄貴分に見えました。

卯之助がヒーローに見えたのは、館岡のキャラが違っていたせいもあります、私にとっては。
本公演の館岡さんは、とにかく「正しい」んだよね。正しい人がいると間違っている人がより間違って見えてしまう。
でも、新公の館岡くんは、正義と言うより手柄という感じでそれほど正しくもなさそうなので。
そして卯之助が真っ直ぐに一生懸命なので。

だから、私が一番むかついて気持ちが絶対零度まで冷え込む台詞「卑怯な!」も、流せてしまいました。
だって、しょうがないよな。伊佐次を助けたくて半べそかきながら必死で駆けずり回って、やっと見つけて何とか助けられる!と思ったのに、物影から撃たれちゃあ、泣くよね。うん、八つ当たりしてもしょうがないよ。

最後、小船で二人きりの伊佐次と卯之助も、別に気持ち悪くなかったしなあ。
感情移入まではできなかったけど、普通に可哀想には見えた。
(両隣の人は泣いていて、泣く人は泣くんだなーと)

新橋演舞場芝居なのですが、役者の持ち味で少年漫画テイストで見られました。
うん。このキャストなら、それほど不快感なく見られるかも。
……かと言って、別に敢えて見たいとも思いませんがね。
わかった。
私、この作品の世界観がダメなんだわ。

卯之助がダメだって言ったけど、それは彼がこの作品の歪みを象徴しているからだ。私が本当にダメなのは、そんな卯之助の言動を正しいと描いているこの世界そのものだったんだ。
と、気づいてしまった『長崎しぐれ坂』昨日の2回目観劇でした。

前にも書いたけど、卯之助のやってることは間違っている。
奉行所の手下を務めていながら、目的は幼なじみの伊佐次を守ること。ええいこの扶持盗っ人!
そしてラスト。そうか最後卯之助は伊佐次に逃げるよう小船を指し示しているのだな、と気づく。駄目じゃん。
警察官が友達だからってやくざの友達に手入れの情報を流してやるのは間近ってるし、ましてそれが目的で警官になったとか言ったら、とんでもないだろうに。

でも、卯之助はどうやら正しいらしいのだな。この世界観では。
それが気持ち悪い。
象徴しているのは卯之助の「卑怯な!」と言う台詞。
「何て事を!」とか「伊佐次!」とかでいいじゃん。それをわざわざ、卑怯って。正当性を主張するようなこの台詞、元々冷めていた心が一気に冷え切ります。

いや、間違っててもいいよ。
法律に背いても大切な人を助けたい、と言うのは、有りだと思う。ただ、それは世間的には間違ったことだ、ということさえ了解されていれば。
つーか、そういう義理と人情の板ばさみの葛藤こそがドラマだと思うんだが。
どんなに間違っていようと自分にとって大切なものを貫く、そうせずにはいられない人間の強さと愚かさ、と言うのは、魅力的な題材だと思うんだけども。

世界観に取り残されてしまうこの芝居。それでも星組だから複数回見てしまうわけで(私にしては回数少ないですが)。
もう日本ものショーとして見るしかないです。こんなの初めてだよなあ(半泣)。
そういえば私ワタさんの初日ご挨拶のことも書いてないし。相変わらずいいこと言ってたんですが、芝居の内容に絡めていたので素直に受け取れなかったのよ……。

要するに植田氏との相性が悪いんだな。
まだ私がトップスターすら全員把握できておらず、宝塚の作家の名前なんて気に留めたことも無かった頃、うわーだめだこれと思ったのが『皇帝』と『夜明けの序曲』だという事実を思い出しました。三つ子の魂百まで。

でも、ネットの感想とか読んでいると、卯之助を「いい奴」と認識している人は、心が清らかなんだろうなあとも思うのさ。
で、そういう人が星組公演に通ってくれることは全然OKです。演じている人たちのために。長期的にためになるかどうかはいささか不安だが。

でもその反面、ダメだこりゃ、という感覚を共有できる相手がいて良かったなあとも心から思っています。一人だけだったら孤独だ。
と言う訳で、私が「ワタさんがかわいいからそれでいいの(はぁと)」って人間でなくて、よかったね。>緑野さんに私信。(つーか、卯之助はかわいくないよ、気持ち悪いよ)
もっとも、だからわざわざメールお近づきになりたくてメールしたとも言えますが、と告白めいたことを言ってみる(笑)。
星初日帰り「こんなのもらってきちゃった」とお茶会の案内を見せたら「行く!」と緑野さん。意外だ。
後からもずえさんにも「行きたかった」と言われた。意外だ。
もっとも、「み」さんには「行くんですか? 自分で申し込んだんですか?」と不審そうに聞かれました(笑)。
これで退団だし、って、そうでなくても次は行きたいと思ってたんだけどな。

さて、現れた彼の人は、オレンジの上着に黒のインナー、ウオッシュドジーンズと言ういでたちでした。
それにしても、細い!
いや、細いっつーか、長身に薄い身体、持て余しそうな長い手足、人間離れしたスタイルの良さ。全ツで食べてばかりいた話をされても信じません。
そして、手。
細く、指が長く、適度に筋の浮いた、美しい手。男役として完璧な魅力を備えた手。
手フェチの気がある私は、うっとりと眺めておりました。

ご本人が決めたことなら、黙って今後の幸せを祈ろう。
そう思ってはいたんですが。
そんな姿を目の当たりにすると、つい、勿体無い勿体無いと呟いていて。

そのせいか。握手の時、つい言ってしまいました。
「初めて来たんですが、初めてで最後のお茶会になってしまって、寂しいです」
すると、眉根を寄せて「あ、そうなんだ」と言う表情をされてしまった。狼狽する私。どどどどうしようやっぱりこんなこと言っちゃいけなかったよこの大馬鹿者。
「で、でも、応援してますから! 千秋楽までずっと!」
あ、笑顔になってくれた。良かった。
……つーか何やってんだ自分(我に帰る)。

ひとこと、だけでなくて、皆と少しお喋りしてくれるんですね。隣席のおばさまは「お人柄よ」とにっこりおっしゃいました。
しかし、喋っている間独り占め、その言葉もその表情も私だけのもの、と思うと……(くらり)。

トークの内容など少し。記憶頼りなので不正確注意。

お芝居のこと。
「鈴木さんはどんな役ですか?」
佐藤さんや旗野さんは台詞で性格がわかるのに、鈴木さん石浜さんは描かれていないので、綺華氏と二人色々考えながら試行錯誤中だそうです。年齢設定は30〜40歳だとか。「この顔だから若く見えちゃうと思うんですけど、皆さんが思っているより大人のつもりなんです」と。でも30と40は大違いだと思うよ……。「今まで悪役が多かったんで、普通の人にしたい」とのことでした。普通、だとなんとなく地味になりそうな気もするが(苦笑)最後だし好きなようにやってください。
銀橋の全力疾走、やはり草履はいつ脱げるか気が気でないらしい。落としたらどうしようと皆で言いつつ、結論が出ないまま毎回あのシーンをやってるんだとか。あの面子でぶつぶつ草履の相談してるなんて、想像すると可愛くてなりません(笑)。

ショーのこと。
ソロがありますが、どんな気持ちで歌ってますか?との問いにいきなり、
「あの場面妖しいですよね?!」はい?
「先生はSHOW TIMEって言ってますけど、何だか妖しいですよね。だから妖しくっていうのも違って、毬乃ゆいが歌っているところは妖しいんですけど、私のところはちょっと感じが変わって、でもただ明るいって言うんじゃなくて……」と言う訳で、普通に歌っているそうです。(司会から「何も考えてないんですか」とツッコミが入ったような)
あ、歌と言えば、今回主題歌CDコーラスメンバーにも入って嬉しいそうですよ。
今回一番好きな衣装は?(男役の衣装で、と念押し有り)に対しては、ちょっと考えて「やっぱり黒燕尾」。その場面で安蘭さんたちの前で踊ってますが何かアピールしてますか?という問いには、それどころではないそうです(笑)。「同期のさっちゃんもいるし、向こうは色々こっち見て喋っているので何を話しているか後で聞こうと思うけど、いつも忘れちゃう」らしいです。
ちなみにヤンさんの振り付けは、自分がファンだった時代のトップさんなので「ヤンさんだー」と思っているうちに終ってしまったそうです。
「では、娘役の衣装で着てみたいのは?」初参加なのでわからないがどうやら恒例らしいこの質問。うーん、と考えて、檀さんの衣装、と。ぱかっと割れる場面の割れた後の衣装だそうです。「あれ、すごく綺麗なんですよ!」今回は化粧替えが忙しくそれどころではないそうで、大休憩が長い東京で挑戦したいとか。
そう、知らなかったけど、すごくドレスが着たい人であるらしい。娘役がやれないまま辞めるのが一番残念らしい。「でも、ファンの皆さんは抵抗あると思うんですけど」と言う司会の方に、心底意外そうな声で「ええー!?」って(笑)。抵抗ないのはご本人だけだと思います、と駄目押しされてました。
そんなにやりたいなら1回くらいやらせてあげてもよかったのに。檀ちゃんMSとか(笑)。

中日王家のこと。
ケペル役。「苦しかったです」と。初演のイメージが周りにも自分にもあるから、苦しかったとのこと。
ラダメスの友人役、ということで、お稽古の前や後に、みらんくんも含め3人で何度もお稽古したそうです。やっぱり「トップさんだ」と思ってしまうのを、そんな風に構えないように色々やってくれた、と言うのが、いや、いい話だなあと(すみませんわたるファンです)。

檀ちゃんMSのこと。
「皆様に、ルドルフですねって言われたんですけど、うたかたの恋はあまり観たことがないので」いまいちピンと来なかったらしい。でも「檀さんとデュエットなんて死んでもないじゃないですか!」と言う訳で、それだけで緊張はしていたらしいです。
つーか死んでもって(笑)。中日王家の話といい、やっぱりトップは雲の上の人的なところがあるのかなあ。

クイズコーナーは難問多し。出島の広さは武道館とほぼ同じだそうです(トリビア)。

皆からのプレゼント。「何がいいですか」と司会者さん。え、そんな風に決めるの?
しばし悩んで「靴が欲しいです」。千秋楽の入りで履く白い靴が欲しいんだとか。じゃあそれで、と言われてすごく嬉しそうに「本当にもらえるんですか!? 嬉しい、2回とも履きます」2回?「こっちと東京と」言っているうちにわからなくなったのか「2回?じゃ色違いとか?でも白の色違いなんてないですよね?」と意味不明のことを口走る。か、かわいい……(笑)。
とにかく、楽の入りはお茶会プレゼントの靴を履いてくるそうです。「靴が見えるような格好してきた方がいいですか?」って、どんなんですか(笑)。スカートはまだ早いと思うぞ。

歌のプレゼントはえらいことになってたんだが、ここは緑野さんの5/30日記を参照してください。東京でリベンジするそうですよ。

しかし、タカラジェンヌってやっぱりマジでフェアリーなんじゃなかろうか。
だって、スタイルは常人離れしてるし、思考回路は浮世離れしてるし!
随所に現れる天然ぷり(擬音で表現するならほわほわとかふわふわとか。つまり、そこがかわいい……)を見ていて、そんなことを思ってしまいましたよ。

最後に。
「私は宝塚が好きで、学生時代バイトして貯めたお金で通ってました」今でも大好きな場所です、と。大切なだったか特別なだったか記憶があやふやだけど。元気をくれる場所だって言ってたかな。違うかも。
とにかく、宝塚で過ごせてしあわせだと。
その場所を去る理由は、語られなかったけれど。
1ファンとしてはもっと見ていたかったけど。悪役も普通の人も、機会があれば娘役も(笑)。
しあわせなら、しょうがないやな。
それにしても、宙組さんみんな上手いなー。ビジュアルもみんなきれいだし。
今まで何処に隠していたんだ、ともずえさんと語り合いました。
と、言ったら「いつも舞台に出てます!」とデイジーさんに怒られましたが。

と言う訳で、他のキャストについても少し。気になった範囲で。

特筆すべきはやはり、ロワゾー家の方々を演じた天羽珠紀&純あいらでしょう。子供から曽祖父まで、一族4代! すげー。いや、確かに子役はちょっと苦しかったけど。
しかも一番感動的な場面が一番のおじいちゃんって!

毎年、結婚記念日にこのレストランで食事をしていたロワゾー家の老夫婦。しかし、金婚式にはムッシュ・ロワゾー一人きり。奥様は1ヶ月前に亡くなってしまったから。
この前の場面で、アランが妻を亡くしていることが明らかになっている。二人の亡き妻への思いが重なる。
ええ、泣かされました。

だからこそ、アランが妻と同じ名のセシルとハッピーエンド、と言うのがちょっと引っかかったんだけどな。えー、いいのー? まだそんなに傷は深いのに、って感じで。まあ余談。

公私共にセシルのパートナーという触れ込みのルイス=夢大輝。
すげーうさんくさい男(笑)。いいよなあやっぱりこういうキャラは必要だよな。
とは言え、ただのうさんくさい悪役ではない。いや、悪役なんだけど五分の魂と言うか、彼にも彼の生き方がある、と言う台詞がある。「俺と同じ種類の人間だと思ってたぜ」とか。アランに「人を信じられないのは自分を信じられないってことだ」と言われて「その通りだ! だから俺は金を信じる、悪いか!」と応酬してみたり。
彼に限らず、この、ステロタイプを5ミリはみ出すようなキャラ造形が好きです、この話。

シェフ、ジャン=月丘七央。ミシェル・シャンティの直弟子。冴えないけど愚直な善人、ちょっと外した熱血漢って感じで、良かったなあと。ぼさぼさ頭も含めて(笑)。

パティシェ、パトリック=早霧せいな。
自称「若き天才」。俺って天才ソングもあるぞ(笑)。つんつんの金髪がかわいい。つーか、アイドル系のかわいい男の子。きらきらしてました。
悩みなく能天気に見せながら実は悩んで努力しているあたり、ベタだけど描き方が深刻じゃなくて、爽やかでした。

スーシェフ、サチ=鮎瀬美都。
真面目で努力家、しっかり者の日本人の女の子。日本人がフランス人を演じている中で「日本人」と言われてちゃんとそう見える辺り、メイクや髪型も色々工夫していると思われ。いい感じでした。『王様のレストラン』の静さんをちょっと思い出したり。

給仕長補佐のクロード=美牧冴京。
人当たりのよさ、人柄のよさが魅力のフロアスタッフ。実はスイスのホテルの跡継ぎと言われて、なるほど育ちがいいんだなあと納得。

ロベール=貴羽右京、イヴォンヌ=毬穂えりな。
エリーヌの両親。
イヴォンヌが、エリーヌの恋心を知ってアランに「受け入れてあげるわけには行かないの?」と言うあたり、母親のエゴなんだけど、ありそうな話だよなあ、と思いました。説得力があった。
右京さんは老け役もよかったですが、フィナーレのジャンプする振りの予備動作(?)で、持った帽子をふるふるしているのがラブリーでした(伝わらないよ)。

いや、本当にみんな良かったんですよ。
下級生に対しては、配役も上手いのかな。ポール=蓮水ゆうや、アリシア=琴羽桜子、どちらもレストランの新米従業員という役どころで、等身大で演じられたのかもしれない。
だから、これから活躍してくれるといいなあ、と他の組以上に思いました。

客席は埋まって後ろ補助席も出てました。平日と休日の落差が大きいと言うのは、客層のせいもあるのではないかと。
宙組自体若い組だし、ファンも若い、働いてる女性が多いんじゃないかなーとか。
作品も、30代働く女性が自分の見たいものを作った、というところもあるのかなあと。
大劇では70代男性が自分の見たいものを作った芝居がかかってるから、ついそんなことを思ってしまいました(でもあっちはそもそも話の骨組みから間違っているので比べちゃ失礼だとは思うけれど)。
久々に普通のバウを見た。
話。まともだ。面白いしつじつまも合ってる。
出演者。みんな演技が上手い。脇役に至るまで学芸会テイストじゃない。
びっくりだ。

『Le Petit Jardin』観て参りました。もずえさんとデート。
チラシには「お洒落な恋を召し上がれ」とゆー、少々恥ずかしいコピー。
2週連続エリザで愛と死の輪舞にどっぷりだったもずえさんと、新橋演舞場帰り(違)の私は、最初この「お洒落な恋」に乗り切れなかったんですが。
大丈夫、すぐ慣れました!
だってこれ少女漫画だよね。しかも、私が少女だった頃(笑)の少女漫画。だからお洒落と言うのとはちょっと違う気がするんだけど、でも綺麗で繊細。そして丁寧な、良心的な佳作。
プログラムも買っちゃいました。もずえさんに見せてもらって済ませるつもりだったのに。
だって登場人物紹介の年齢、出身地、星座、血液型って! すげー、漫画の設定資料だ。各場面の出演者も四葉のクローバーをあしらった綺麗な表で、凝ってます。

美しい舞台。
舞台はずっとレストランの中。Le Petit Jardin−小さな庭の名のとおり、さみどりの爽やかな装置・美術。風が吹き抜けるような開放感のある空間。舞台の奥にはピアノ、BGMは生演奏も。
場面ごとに小道具や照明で色が加わり、様々な顔を見せる。キッズランチの赤、お掃除のオレンジ、夜の濃いブルー。
そして、薄紫のエリカ。

物語はシンプル。
田舎の良心的で家庭的なレストラン、Le Petit Jardin。従業員たちは主人公・アランを中心に亡き前オーナーシェフの精神を守り地元に愛され、誇りを持って働いている。そこへ突然現れる前オーナーの娘・セシル。彼女はレストランを一流にするべく彼らが守ってきたものを全てぶち壊そうとするが、実はその行動の裏には父親への反発と愛情があり、いつしかレストランのよさを理解し、和解していく。

ラブストーリーとしても、誠実な大人の男である魅力的な主人公と、一見嫌な女だが徐々に彼に心を開き惹かれていくヒロイン、彼を慕うが恋愛対象として見てもらえない妹的サブヒロイン、と定番。

でも。
この作品は、そんな定番なストーリー、キャラクターを、繊細かつ丁寧に描いているから。

ヒロイン、セシル。
アメリカ留学帰り、レストラン学で優秀な成績を修めそれを実践するために「自分の持ち物」であるレストランを変えようとする。店を愛する従業員たちを見下しきった、高飛車で嫌な女。
でも、物語はそんな彼女の鎧の下を、丁寧な描写とエピソードの積み重ねで徐々に明らかにしていく。
キッズランチで両親の離婚を心配する子供たちに向ける目線、エリーヌが倒れたときの反応で、彼女が本当は思いやり深い人間であることがわかる。
そして、朝食をとらない理由。それが明らかになるとき、彼女の中の傷ついた少女が見える。
親に愛されなかった寂しい女の子。それを克服しようと強くビジネスライクであろうとする女性。
だからアランも、彼女に惹かれる。放っておけない。

この、ブレックファーストの場面がいいんだよなあ。美味しそうだし。セシルの心を解きほぐしていくアランが格好いいし、ぎこちなく心を開いていくセシルが可愛いし。
見ていて、誰かとゆっくり朝ご飯が食べたくなりましたよ、うっかり。

演じる美羽あさひちゃんも、きれいでした。
話が進むにつれてどんどん魅力的に見えてくる。セシルと同じように。
突っ張って、棘だらけで、鎧の下に柔らかな心を隠した、張り詰めたキャラクター。最初は、その張り詰めた緊張感が美しかった。いかにもキャリア志向なブランド風ファッションを着こなして。
そして最後、彼女のためのディナー「セシルの庭」。
現れた姿を見て、息を呑んだ。
黒を基調とした、しかしフロント部分のフリルと指し色の金が華やかなイヴニングドレス。華やかに花開いた、笑顔。この段階で、ディナーの成功は約束されているのだと思える。

もう一人のヒロイン、エリーヌ。
パリで美容師を目指したけれど化学物質過敏症で田舎に帰ってきた女の子。両親に守られ、みんなに愛され、農薬を使わず栽培した花でレストランを飾るガーデナー。
一見問題がない、可愛らしく素直な女の子に見える分、セシルよりエリーヌの方がより難しいキャラかもしれない。彼女の孤独と焦燥を表現するのは。
両親に守られ、みんなに愛されてはいるけれど、突然の病気で夢を断ち切られた女の子。生活環境も職業も、生き方も制限された女の子。みんな大切にしてくれるけれど、私は子供じゃない。
思う人も彼女に優しくはしてくれるけれど、彼女の恋を受け止めてはくれない。アランがセシルに自分の過去を語ったと聞いて、私も、と言うエリーヌにアランの答えは「君は、まだ」。
鳥籠を抱え、籠の中の小鳥に自らを見立てて歌う彼女の姿は、切ない。

結局、彼女は自分ひとりで解決して仲間の元に戻るのだけれど。その時前髪を上げて出てきたのには納得。表現が細かい。

花影アリスちゃん。華奢で儚げ……なんだが、ダンスのキレはオトコマエ。キッズランチの振りの握りこぶしなんて、すげー力入ってます。見かけによらずやんちゃなところがあると見た(笑)。今回はそれも、パリの美容室で働いていた頃のエリーヌは元気で活発な女の子だったんだろうな、と言う感じで、良かったんじゃないかと。

主人公、アランは誠実で包容力ある大人の男。仕事も有能で、仲間にも信頼されている。
そんな彼の過去の傷は、ソムリエとして華やかな成功を収めていた若い頃、孤独に置き去りにした妻を亡くしたこと。その妻の名もセシル。
目的を失った彼はこの田舎のレストランで知った。ソムリエに大切なことはワインの知識だと思っていた、しかしそうじゃなかった。大切なのは、お客様を幸せにすることだ、と。

アラン、すげーかっこいいです。
一番ぐらんと来たのは、1幕。何となく会話し、でもまだ心が通じ合ってはいない二人。送っていこう、とセシルの肩を抱くアラン。そのまま抱き寄せてキス、と思いきや、手首を捉えてそこに口付け。
……うっわー。

あてがきではないけれど、誰がやっても格好いい役。
遼河はるひくん、見ているうちにどんどん格好よく見えてきました。あのトップさんの背中を見て育つとこんな風になるのかなあと。長身とスタイルの良さは武器だよなあ。髪型も長めで少しふわっとして、ポスターよりずっといい。
正直、格好よすぎてリアリティがなくもあるんだが。女の子二人は妙に描写が細かくリアルなのに男性は、って、その辺も少女漫画かも(笑)。

景子先生とは波長が合うのか、私はずーっとうるうるしっぱなしでした。金婚式から後は泣きっぱなし。
で、サービス満点客席下りフィナーレで笑顔。バウで出演者全員客席に下りてくれるとすげー楽しいです。その後、客席下りに参加できなかった夢氏(ラストシーンからフィナーレになだれ込むため、その時出ていないルイスは出られない)にちょっとした見せ場があるのもツボ(笑)。

この話「レストランでは何も残るものはない。お客様に幸せな時間を過ごしていただくことが全て」って、舞台もそうだよね。テーマかぶらせてる。
だから余計に、一生懸命演じている出演者の姿を見ていると泣けてしまうのさ。
そして。それってどんな仕事も同じだよなあ。後世に残る仕事なんて殆どない。できるのは今いる人の役に立ったり、幸せにすることだけだ。
皆様、『檀れい さよなら写真集』ご覧になりましたよね。
美麗なビジュアル、バラエティに富んだシチュエーションでページをめくるたびに溜息やら悲鳴やらが漏れる一冊です。

素顔化粧に舞台衣装(しかもアムネリスや楊貴妃というセレクト)も「思いついた人、神」と思いましたが、私が一番「うっわー」と思ったのは。
「白いオープンカーの後部座席に緑のドレスで横たわる檀れい様」。
これってどういう場面ですか!?
このままエンジンかけてさらってしまえと? つーか私ならそうします。ハンドルを貸しなさい(車の運転が出来ない人間が何を言うか)。

実は。
初めてこの写真を見たとき一瞬にして脳内変換したんですが。
この車のハンドルはスタン氏に握っていただきたいっ!
そして女優ダイスを衣装姿のまま無理矢理かっさらっていくのさ。
運転手? いやあんな間抜けな部下は置いてきぼりで。隠れ家的別荘にでも、二人きりで。

ええ、勿論『ソウル・オブ・シバ!!』の話です。
何だか、そういう子供っぽい強引さで所有権を主張しそうな男に見えるんですよ、スタン氏。
ただ単に衣装の白いスーツと、車の白でイメージがかぶったというのもあるけど。

このショーの設定で、お芝居見せてくれないかなぁ。
レディ・ダイスと三人の男。パトロンであるスタン、恋に落ちたプロデューサーのオーキッド。
そして彼女を憧れの目で見つめていたのが、いつしか対等なパートナーとして愛し愛されるようになる青年、レーク。

ドラマ的に美味しい役は、オーキッドになりそうな。クラブでのケンカで終るわけないから、きっとあの後オーキッドが金とコネで事を収拾したんだろうと。有名プロデューサーならマスコミ等々人脈があるだろうから。
それなのに、彼女は彼を愛さなかった。彼女が愛したのは、彼がスターにしてやった青年。
嫉妬に狂って二人を引き裂いたオーキッドの心は、荒れるだろう。白馬の騎士気取りでダイスを自由にしたのに、そのはずだったのに、自分は一体何をしたのか? 彼女を縛り付けていた、あの男と同じじゃないか。

なんてね。
ラストはどんな感じがいいかなあ。私はハッピーエンドが好きなんだけど。
とにかく神様降臨はナシで(笑)。

その一方で、思うこと。
もし、ケロさんがいたら。スタンはケロさんの役、だったんだろうなあ。
それでしぃちゃんは黒タキダンサーの方に入っていたんだろうなあ。
いや、それだけ、そう思うだけなんだけど。
時は流れているんだなあと、それだけ。

でも、ケロさんの場合、オープンカーのハンドル握ってさらっていく、はナシです。私的には、ですが。
そして、私はもし出ていた場合の役名をソルトと予想して、緑野さんとサトリちゃんに却下されたのでした。(だって藤井くんのセンスだよー?)
宙全ツ、5/21の初日初回観てきました。

『ホテル・ステラマリス』。役替りを中心につらつらと。

主な役替りは、こんなところ。
 アレン 大和悠河 (← 水夏希)
 アリソン 音乃いづみ (← 彩乃かなみ)
 ガイ 七帆ひかる (← 大和悠河)
 リンドン 和涼華 (← 悠未ひろ)
 

タニちゃんのアレン。
私、タニちゃんのことが好きだったんだなあと再確認(笑)。
普通に明るくにこにこしているタニちゃんを見るのは久しぶりな気がして、うれしくなっちゃいました。かわいいなあ。片眉上げる表情もラブリー。髪もTCAのど金髪から茶色に変えてきて、そりゃアレンだったらこのくらい押さえて丁度いいよね、と。
但し、アレンという役としてはちょっと足りない、とは思いましたが。支配人には見えないと言うか。
ステイシーの婚約者にも見えない。幼なじみには見えるけど、友達どまりだよね。後半のいいシーン「後悔したまま俺の隣に座るな」「温度差があると思ってる」も、ちょっと無理が……。いや、仕方ないよな、お花様の相手役にはちょっとまだ不足でも。
関係ないけど、アレンが「プレスコット様」と呼びかける度に内心笑っていた私でした。

いづみちゃんのアリソン。
うっわ、きっつー(笑)。
絵に描いたような「お金持ちのお嬢さま」だった。ビジュアル的に、猫目系美少女なせいもあるんだと思うけど。
おかげで、最初のウィリアムとのラブラブ回想シーンも、わかりやすく「バブリーな男と女の恋」になってました。かなみちゃんはお嬢を演っても持ち味がやわらかいせいか、いい娘、いい人に見えたんだよね。
ステラマリスに来てからはなおさら。こんなところに長居したくないというのが露骨。いや、かなみアリソンはそこに罪悪感もほの見えたんだけど、音乃アリソンは不快なだけだよな。
だから、最後の、別れ際ステーシーの頬にキスするところにすごく違和感があった。そこ必然性ないじゃん。二人が認め合っていればこその敬意が込められたキスだったわけでしょ。

アレンとアリソンが全然キャラが違ったおかげで、主役二人、ウィリアムとステーシーの恋物語がわかりやすくなってました。
だって、アレンは元々ステーシーの恋人じゃないし。
アリソンは気の強いわがまま娘、他の価値観なんて知らない・認めないって女の子だし。
二人が恋に落ちても何の不思議も不自然さもない。

大劇場版の微妙な四角関係はすっかり明快にわかりやすくなってました。4人ともいい男、いい女だったがゆえに心変わりがわかりにくかったのに対して、全ツではお友達キャラや悪役がはっきりしちゃったから。
個人的には、あの微妙さは好きだったんだけどな。多分この方が筋が通っているんだろうな。

恋物語以外のストーリーに対する感想は、大劇場のときと同じ。
世知辛い話やら現代社会で働くことの意義やらに身につまされて、唐突な解決策に腰砕けて腹が立つ、と言う(笑)。

さて、その他の役替り。
七帆くんのガイ。
実は、これが一番のお楽しみだったんですよ。だってあの陰のある寂しげな苦悩系がお似合い、新公ファントムがはまり役の七帆くんに、ナチャラル・ボーン・ハンターのガイ・プレスコットですよ。「老後はどうするんだー」「考えないことにしている」ですよ。
一体どんなことになるんだろうと、わくわくしてました。

が。
何だか、普通だ……。
七帆くん演じるガイは、普通に二枚目になってました。
タニちゃんはあんなに風変わりなイッちゃってるキャラだったのに。
不思議だ。

と言う訳で、多少肩透かしをくらいつつ、なんだ格好いいじゃんスポット当たれればやるんじゃん、と楽しく見せてもらいました。
しかし、七帆くん単体で見ていると線の細いイメージがあったんですが、さすが宙組若手、大きい、そして結構ガタイもしっかりしてるんだ。タニちゃんと並ぶと差は歴然。ってそれはタニが細すぎるのか。

和くんのリンドンも、まあ予想通りというか。でも七帆ガイと和リンドンだと、何だか醸し出すオーラが陰で、不思議な感じでした。比べると、ともちんはやっぱり暖かい持ち味だったなあ。

気になる珠洲さんもチェックしてきました。一応役が変わったのか、最後のパーティーでとんでもない私服(赤の革ジャンに黒の革パンツ)を着ていないのでちょっと残念。普通に制服で通してました。赤革ジャンは他の人が着てました。

全ツの演出で気になったことがひとつ。芝居の客席降りはやめた方がいいんじゃないだろうか。
客席降りは3回ありました。ウィリアムとステーシーのデュエット(プランA。Bだっけ?)、ウィリアムのソロ、ウィリアムとアレンのデュエット(改革の決意の歌)。
今回、2階最前列で見てましたが、客席に降りられると全然見えないんですよね。照明も足りなくて。
ショーならあきらめるけど、芝居の歌でやられるとそこでストーリーが分断されて集中が切れちゃうんですよ。
サービスはわかるけど、ちょっと考えて欲しかった。

ショー『レヴュー伝説』のことも少し。

セットがしょぼい、のは仕方のないところですが。あの大きな台は全ツにもって行くには無理があるよな。でも大劇で見ている身には落差が激しい。

アンファンは女の子二人になってました。改めて大劇ではかわいこちゃん精鋭メンバーだったんだなと。いや全ツ版の二人もかわいいけどさ。

水・タニ二人でやっていた場面は、殆どタニちゃんひとりでした。そうだね今までが豪華すぎたんだね。タニちゃんは出番増えて大変そうだが、いっぱい出てくれてうれしくもあり。がんばれー。

若手にもスポットライトは当たっていて良かったなあと。七帆・和がパレードで二人並んで階段降りだったのはうれしかったです。若手美形二人で華やか。

そして、やはりこのショーを見ると、花ちゃんはかわいいなあ、タカはなはお似合いだなあ、と思ってしまうのですよ。
だってジジかわいー。オーレリアン様ステキー。「今日から二人はコンビ」もOKです。だってかわいいんだもん。

あと全ツで加わった客席降り、和央ようかオンステージは面白かった(面白いのか)。何だか、妙にはじけてたよ……。

私信。
緑野さん、どうも暁郷氏は私のセンサーには引っかかってこないみたいです。全ツなら見つけられるかと楽しみにしてたんですが。

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