星ベルばら大劇、2/5前楽と2/6楽を見て参りました。
いや、本当は楽しか見ないつもりだったんだけど、何だか急に前で見たい病がでて前楽を追加しました。
と言う訳で、結局2回見た大空オスカル。前楽は1階、楽は2回B席、どちらも下手。

えーと。
何と表現してよいものか、なかなか難しいオスカルでした。
すごく綺麗。そしてスタイル良く格好いい。
でも、これって女の人なんだろうか。「男装の麗人」でも無いような気が。いや間違いなく美しい麗人ではあるのだけれど。
オスカルという役を見ているより、大空祐飛氏という宝塚のスターを見ているような感じかなあ。

と言う訳で、1幕は割と淡々と進みます。
どうもぎこちないと言うか、頑張って植田芝居の台詞言ってます、有名なオスカル役やってます、と言う感じ?
でもって、やっぱりあんまり女性には見えない。特に、ナチュラルに女の人だった水カルを見てしまった後だからかもしれないけども。
まあ、別に植田芝居が出来なかろうがオスカル役が似合わなかろうが(ルックス的にはすげー似合うんだけど)、全然構いませんが。そんなものできなくてもふつーに格好いい男役はできるんだし、魅力的なスターなんだし、何の問題も無い。

そう。それは全然問題ないんだが。
ゆうひくんのオスカルは、フェルゼンに惚れてないよね……。
所詮、私はわたるファンですから。オスカルがフェルゼンに惚れてくれないのはちよっと悲しかったです。
フェルゼンと言う役もまあ色々とアレな役ですが、主役であるという拠り所のひとつは、二人の美しい女性、ヒロイン・アントワネットとサブヒロイン・オスカルに愛される男であるということだと思うんですよ。
それがオスカルに愛されていないと、ちょっとつらいよなー。「君は僕のことを」とオスカルの恋心に気づくシーン、オスカルがあんまりフェルゼンに惚れているように見えないもんだから「違います」と言われると、そうだよね、あんた思い込みが激しすぎるんじゃないの、てな訳でフェルゼンが馬鹿に見えるじゃないですか。(いや元々無理があるシーンだとは思うのでゆうひくんのせいでありませんが。でもここを馬鹿に見えないように恋心を表現してくれるオスカルもいたんで、やばいシーンだということを忘れかけてましたよ)

まあ、ゆうひくんが人を熱烈に愛する演技は苦手ということは知ってはいましたが。
でもそれでも、アンドレの方がまだ好きみたいだったもんだなあ。最初から。
比較的女の子に見えるのはアンドレとのシーン。小石につまづく場面は本人比的には可愛かったし(ここは植田芝居でなくナチュラル演技で行けるからか)、2幕の今宵一夜も本人比的には熱演だったし(あれだけお手本のある有名なシーンは型で何とかなるのか)、アンドレの死は本人比的には激しい取り乱しよう嘆きようだったし(恋人が死ぬ、と言う状況はわかりやすいということか)。

そして、バスティーユは文句なしに格好よかったです。白軍服が似合うこと似合うこと。
温度は低かったけども。

「小雨」は予想通り美女でした。髪型は2種類見たけれど、千秋楽の方が好きかな。前楽は金に近い明るい茶髪をおでこを出してカチューシャ(ティアラ?)でまとめて後ろは長く。楽は濃い目の茶髪で前髪を流し、後ろ髪もアシンメトリーな感じに長め。前髪はあった方きれいでした。
で。
美女なんだけど、不思議と色気は無かったなあと。
隙あらば喉笛に食いつかれそうな野生の美女でもなく、私を落とせるものなら落としてごらんなさいというプライドの高い氷の美女でもなく、あらいい男、楽しめそうねといういい女でもなく。
何と言うか、硬質な美女でした。いい男(余談ですがワタさんの髪をなで上げる振りが「俺っていい男だろ?」と言う感じでらしくていいです・笑)に気障に迫られても、「それが何か?」とそっけない、そういうの苦手で、と戸惑いさえ見える美女。
……つか、やっぱりワタさんに惚れてはくれないのね(苦笑)。
あと「大きい!」と思ったのも初めてでした。そりゃそれでもワタさんのほうが大きいけど、外人美女を相手にしているみたいだなあと。『長い春』のアメリカ女性フローレンスははまり役だったのか。

硬質、と言うのは本編のオスカルにも言えることかもしれません。女の子、と書いたけれど、女性だとしても成熟した女性と言う感じはあまり無くて。少女、と言うより、お嬢と言う感じかなあ。パパとのやりとりとか。

何か、文句を言っているように見えるかもしれませんが、全然そんなことは無いです。
植田芝居なんて別にできなくてもいいんだし。(むしろ私は過剰適応している星組組子の方が心配です。大丈夫か次は正塚だぞ?)
スターはスター。その美貌と他の誰にも真似できない個性で光り輝いてくれればいい。
ただ今回、慣れない特出、慣れない大芝居、慣れない役でその個性が浮き彫りになって興味深いなあと思っただけで。

オスカル5人役替り。残念ながら流石にコンプリートは出来ませんでしたが、それでもきりカル以外の4人見ました。
オスカルなんて定型的な役だから誰がやっても同じかもなあ、と言う先入観を覆し、それぞれの個性が出て面白かった。
勿論それは、短い稽古期間で個性を出せるまでに持っていった出演者の力に負うものところで。本当にみんな良く頑張ったなあ、ジェンヌさんてすごいなあと改めて敬服しました。(とは言えそれだけの価値があるかと言うと私的には疑問符がつくのだけれど←言うな)。

東宝の組内役替りも楽しみに見に行きます。おっとその前に雪ベルばら特出だ(懲りてない)。
星組千秋楽行って参りました。
役替り感想とかはいずれ書くとして、とりあえず。

・アドリブは一箇所。プランタンでモンゼット夫人がはけるとき「オスカル、フォー!」そして何気に上手で一緒にやっているフェルゼン。客席の笑い声がおさまらないがオスカルはスルー。しれっと芝居に戻るフェルゼン。
・薔薇タンの掛け声がぶっちぎれてすごかった。「千秋楽」はお約束として、みんなガラ悪くオラオラ言っていた。特にみらんくん。薔薇タンはみらんあかしの並びを見ているのが一番楽しいことに気づいてしまいました。
・ボレロのわたとなを見て、本当にいいトップコンビになったなあと胸が熱くなる。
・オマージュ黒燕尾で大階段を下りてくる組子達を見て、本当に星組が大好きだと胸が熱くなる。
・パレードのゆうひさんが借りてきた猫のようだった。トウコさんとすずみんに挟まれているのでなおさら(何この濃い人達!何その暑苦しい客席アピール!)。きっと異文化コミュニケーションを味わっているに違いない。
・ご挨拶でゆうひさんがわたるフェルゼンとトウコアンドレに感謝を述べているとき、「わたくしジェローデルもオスカルを愛していますよ」と言いたげに微笑むすずみん。
・東宝ではオスカル、と紹介されるトウコさん。そしてアンドレとベルナール役替りを紹介されるしぃちゃんとれおん。並んでお辞儀する二人が何だかツボった(うちの子がんばれモード)。
・カーテンコール1回目、スタンディングしている最前列の目の前で銀橋をパレードする出演者一同。「こんなにお客様を近くに感じたパレードは初めてです。貴重な経験をさせていただきました。この経験を今後の舞台に活かして行きたいと思います」と言うワタさん。どう活かすんだ(笑)。
・もう1回カーテンコール。

毎回立見が出ていた満員御礼ベルばらでしたが、千秋楽はさばきの山でした。当日B席も売り切れてなかったし、やはりわざわざ千秋楽を狙ってくるようなコアファンには魅力の無い演目なのだなあと。
スタンディングは、半分くらいの人は「みんなこの作品でぐれずに良く頑張った」と言う気持ちなのではないかと。ええ、私もですが。
東宝も頑張れ。見に行くから。
月バウ『想夫恋』見て参りました。

まともだ。
こだまっちなのに破綻してない物語(まあ今までの児玉作品で見た要素がてんこ盛りではあるのだけれど)。そしてあんなポスターなのに美しい舞台。午後の星ベルばらがオクで落とした前方席でなければ、そっちさばいてバウをリピートしていたところです。
いやマジで面白かったです。もう1回くらい見てもいい。特に帝@もりえちゃんを見に(そこか!)。

主人公・藤原知家(北翔海莉)は幼い頃藤原隆季(磯野千尋)に拾われ、彼の実子隆房(明日海りお)と兄弟のように育つ。ある日、成人した彼が桜の下で笛を吹いていたとき、その笛の音に誘われた美しい姫君と出会う。惹かれあう二人。しかしその姫君・小督(城咲あい)は、隆房の妻となるべき女性だった。
で、三角関係ものかと思いきや、隆房は平清盛(立ともみ)が後白河上皇に対して仕掛けた謀略に巻き込まれ追い詰められて命を落とすことになり、知家に介錯を請う。そしてその様子を見てしまう小督。しかし知家は隆房が死ななければならなかった理由も、小督への思いも一生胸に秘めて生きる決意をする。ここまでが1幕。
2幕。清盛の娘・徳子(青葉みちる)の陰謀により、小督は帝の側室として差し出される。絶望して死を思う小督の耳に、知家の笛の音が聞える。知家は笛の名手として帝に仕える身となっていたのだった。そして帝は「道具である身にも心はある」と正直にぶつける小督に心惹かれていく。彼もまた、清盛の暴政のもとでうつけを装い色々なことを諦めて生きていた男だった。

と言う訳で、ポスターはほっくん、あいあい、もりえの3人写りですが、実際二番手は前半みりおの隆房、後半もりえの帝で分け合っている感じ。

自分を抑えて生きる男と運命に翻弄される姫君の物語。
とは言え、この主人公・知家、自分を抑え過ぎて何考えているかわからなくてちょっと、いやかなりじれったいんですけれども。

知家は拾われっ子と言う負い目から、万事控えめに生きてきた。常に一歩下がり、隆房に勝ちを譲って生きてきた。小督への恋心さえも。
そして隆房の死後も、知家はその態度を崩そうとしない。いや、より一層、本心を明かさず小督とも距離を置いて生きる。
馬鹿だなあ。
そんなことをしても、誰も幸せにならないのに。
隆房だって、恋は譲るな、と言い、二人きりで話す機会をわざわざ提供したりしているのに。帝だって小督を求めはしたけれど、宮中で生きることは小督にとって籠の鳥として閉じ込められることだし、それが小督の幸せだと知れば喜んで知家と小督を行かせてやったろうに。

知家が何故そこまで自分を抑えて生きるか、いやそもそも何を考えているのか非常にわかりにくい。小督は何度も「お心をお聞かせください」と迫るけれど、知家は何一つ言わない(それでも、笛の音は偽れない、と言って、小督を思っているようなことはほのめかすのだけれど)。
知家がわかりにくいのは、隆房との関係がきちんと描かれていないからではないかと。知家の後半生を決定付けたはずの隆房の死が、彼に何故どんな影響を与えたのか、はっきり語られていないので観客が想像力で埋めなければならない。
ほっくんはそんなわかりにくい男を確かな技術で演じてました。常に何か耐えているような姿が、好きな人にはたまらないんじゃないかと。残念ながら私の好みではないですが(苦笑)。

ええ、私は好きな女に好きだと告げる男の方が好きです(笑)。
と言う訳で帝。まあレビュドリ銀橋の指差し直撃を食らって以来もりえちゃんに好意的だということもありますが。
「道具にも心はございます」と言う小督に「嫌がる女を組み敷くのは好きではない」と手を出さず、かつ「だからと言ってお前が嫌いと言うわけではない。いやむしろ好きなようだ」と言うのに、ついうっかりときめきました(←いい人好きだからな)。そして常に馬鹿殿の仮面を被っていたのに小督に去られて初めて真剣に取り乱す姿、戻ってきた小督を愛しそうにそっと抱きしめる姿にも。
常に諦めて自分を抑えて生きてきた男のただひとつの望みだからこそ、やはり自分を抑えて生きている知家は叶えようとしたのかもしれない、そんな風に思ったりもして。
それでも、幸せはほんのつかの間で、権力者の前では彼のささやかな愛なんて蹴散らされてしまうのだけれど。フィナーレでももりえちゃん見てると、あー幸せになってほしいなあとかつい思ってしまいましたよ。
ただ、病弱というのはちょっと似合いませんでしたが。咳込む姿に違和感が(苦笑)。

1幕のキーパーソン、知家の義理の弟・隆房は、かわいい奴でした。もう「馬鹿な子ほどかわいい」って感じで私ゃ愛で倒しました(笑)。最初の、舞を披露するときに知家と入れ替わるいたずらが上手くいって得意げな様子からして、少年と言うかお子様っぽいんだけれど、かわいい。
その無邪気で生き生きした少年が、突然降りかかった陰謀をどうすることもできず追い詰められる姿が哀れで。知家と小督が結ばれるならそれでもいいと思ったのも、自分の将来に絶望したからかもしれないなと思ったりして。
そんな風に、まだ幼く純粋な少年、かわいい弟だから、その非業の死は知家の心に傷を残すのだろう。みすみす死なせてしまった、自らの手に掛けるしかなかった傷は、小督との間の越えがたい壁となったのだろう。
と、思っていたのですが。
ラスト、隆房の墓の前での知家の独白を聞くと、それは実は違ったようでした。
隆房は知家にとってかわいい弟でも守るべき存在でもなく、対等な親友だったんだ。対等な、そしてただ一人の誰よりも大切な親友と、心から惹かれ愛した女性の間で思い迷ったからこそ、彼の苦悩は深かったんだ。
びっくりしました。

いや「びっくりした」なんて、それを読み取れなかった私が悪いのかもしれないけど、でも仕方ないと思うんです、私的には。
だって、隆房はみりおくんですよ。代表作は『バーボンストリートブルース』のスマイルという、かわいい弟分キャラですよ。
苦悩する貴公子ほっくんの、対等な唯一無二の友、には、ちょっと似合わないんじゃないかと。そして脚本にもそれを埋める描写はないし。
いや本当にかわいくてその無邪気さ若さが不幸に襲われるから痛々しくて、良かったんだけれども。どうも脚本の意図したところは私の受け取り方と違ったらしいです。

小督=あいあい。
と言う訳で、主人公知家はわかりにくいのですが、小督がヒロインだと思うと何となく整理されるかなと。
最初から最後まで、彼女が愛したのは知家。そして最初の許婚・隆房(とは言え彼女は知家に夢中で隆房のことは一顧だにしないのですが。その辺り『天の鼓』のヒロイン照葉を思い出す)、やがて結ばれることになる高倉天皇という二人の男が絡む。
ヒロインもの?と思わされてしまうのは、平徳子と祐子(麻華りんか)姉妹の存在も大きい。籠の鳥であり男達の道具でしかない女性たち。徳子は帝の寵愛を受ける他の女に復讐するため、そして自分を道具としてしか見ない父・清盛に反抗するため、小督を帝に差し出す。
その業。目的を達成してライバルを自害に追い込んでも決して心は晴れることは無い、業。
徳子役の青葉みちる嬢が良くて、真に迫ってました。と言うか、その苦しみを素直に出すことが出来たら、帝とも理解しあえたかもしれないと言う気すらするんだけれども。帝が小督を欲したのはその美貌だけではなく、正直さ真っ直ぐさだと思うから。でも駄目なんだろうな。
話はそれたけれど、とにかく世の不条理を経験し人の業を知った小督は、自分に振り向こうとはしない男を追い続けるのはやめ、自分を必要とする男と添う決意をする。
その姿はとてもすがすがしく、格好いい。

で、知家はその間、あんまり何もしていないのですが。ただ小督を見守っている、まさに見守っている「だけ」で。
小督が帝の元を去った後連れ戻しに来るのは知家なのだけれど、どう考えても宮中に戻る方が不自由で不幸な訳だから、小督の幸せを真剣に考えているかすら疑問なんだもんなあ。
すいません。どうもこの「耐える男」のロマンはよくわかりません。つか何のために耐えているのかわからない。耐えるために耐えているのかもしれない。

あと、知家を主人公として見た場合、話が散漫なのが気になります。前半後半、どちらかに比重を置いて構成するわけには行かなかったんだろうか。
前半の「親友と愛する女との三角関係」をメインにするなら、後半は比重を軽くして3人の関係と彼らの思いをじっくりと描くとか。
逆に後半の「耐える男と運命に翻弄される女、そして彼らを中心にした業を背負った人々の群像」を中心に据えるなら、隆房とのエピソードは知家が「耐える男」として生きる理由を表現できる範囲で短く整理して、比重を軽くして。
今のままだと、どっちつかずで散漫で、何だか淡々としてしまっているなあと。
とは言え、美しく切なくやるせない物語ではあるわけですし、その淡々とした風情も日本的情緒としてありなのかと言う気もするのですが。

あと重要な役どころとして、狭霧=彩央寿音なのですが。ちょっと辛かったかなーと。知家をつけ狙う男で、彼の生き方を揺さぶるような重要な台詞が多々ある役。が、どうも私怨で動いている小物のような印象を受けてしまって。もっと運命の使者的な存在感、不気味さがあっても良いのではないかと。
まだ下級生だから仕方が無いのだと思いますが。何だか『花のいそぎ』のときのゆめのせーかちゃんを思い出す。いっぱいいっぱいで一生懸命眉間にしわを寄せている感じが。がんばれー。

ほっくん主演と言うことで下級生が多い中、専科さんが舞台を締めていました。
特に清盛役の立さん。見事な存在感、悪役ぶりで、彼に翻弄される人々のドラマにリアリティを与えていました。

と、まあちょっとわかりにくかったり想像力で埋めなければならないところはありますが、薄墨の桜の風景が印象的に使われた、切なく儚く美しい舞台でした。ポスターに引いてる人にもあのイメージにとらわれずに見てほしいなと思います(つか本当にあのポスターあんまりだ。もうちょっと何とかならなかったんだろうか)。
『THE LAST PARTY』見て参りました。

作品に対する感想は、基本的に初演時と同じ。
(ちなみに http://diarynote.jp/d/42631/20041030.html
1階後方席だったので、最初バウとの会場の広さの違い(青年館はバウの約2.5倍の客席数)が気になりましたが、見ているうちに気にならなくなった。青年館初見の友人も楽しんでいたようだし。

やっぱり私、この作品好きです。
地味だけど、繊細で、美しくて、切なくて、そしてとてもやさしい。
どこがどうと言うのではないけれど、じんわりと心にしみこんで何故だか泣かされる。でもその涙はどこか心地よくさえあって。

主人公、スコット・フィッツジェラルドの人生は愚かで、上手くいかなくて、散々壁にぶつかってあがき続ける苦しいものではあるのだけれど。それでもその姿を見つめる視線はとてもやさしい。
ラスト近く、思うように作品が書けず人々の幻に苛まれるスコット。
立ち尽くす彼の前に、公園で出会った学生の姿が現れて、ラグビーボールをパスする。スコットの作品を、話している相手が彼とは知らず、批判してでも何故だか読みたくなると肯定した彼の姿を借りて、ボールは渡される。
ボールを手にスコットは歌う。
『Life』、1幕で、これから世間に出ようとしていた彼が、ありったけの希望と野心を胸に歌っていた歌。きらきらと輝いていた未来、きらきらと輝いていた彼。
そして今、夢破れ人生に傷つきぼろぼろになった彼が、もう一度歌う。それでも未来はある、人生を肯定する、と言うように。
その声が、その姿が、見ている私の胸を打つ。
多分それは、夢破れ人生に傷ついているのは、彼だけではないから。
作家でなくても、大人になりきれない元天才青年でなくても、目の眩むような栄光から転げ落ちる経験などしたことがなくても。どんな平凡な人間でも、人生思うようにならないあがきや失望のひとつやふたつ抱えているから。
だから。それでも、と歌うスコットの姿に、そしてそれを肯定する作品を貫く視線に、静かに胸を揺さぶられる。
作中でスコットの作品は「それぞれの人生に寄り添ってくれる」と語られているけれど。
この『THE LAST PARTY』という作品も、そうなのかもしれない。

以下キャストの話。

スコット=大和悠河
初演時はタニちゃんの輝きに目を奪われて殆どそれで終ってしまいました(笑)。
今回、正直最初は会場が青年館と広くなったためか私が慣れたせいか、初演で感じたほどの圧倒的な吸引力ではないかな、と言う気がしたのですが。
が。
見ているうちにやっぱり、目を奪われて。
本当に美しい人だよねぇ。アップでも美しいし、遠目で見てもそのスタイルの良さは群を抜いている。
そして後方席からオペラ無しで見てもわかるその輝き。「プリンス・スコット」「背中に羽が生えている」この役ははまり役だと思う。大人になろうとしてなりきれないところも。大人になりきれないのに、妻ゼルダを愛し娘スコッティを愛し、夫として父としての責任を果たそうと頑張るところも。私見ながらタニちゃんは基本的に善人の方が似合うと思うので、こういう、欠けたところはあるけれど根は善意の人、という役の方がいいと思います(斜に構えてばかりいる役よりも)。
そして2幕の『Life』。魂の絶唱に泣けました。歌についてはとやかく言われがちな人ですが、いいんだよ芝居の歌は台詞と同じで役の思いが伝われば。(そしてショーでもスターさんの歌はその人の個性が発揮されれば)

ゼルダ=紫城るい
すげー良かったです。上手くなった! そして綺麗になった!
いや、元々上手くて綺麗な人でしたが、初演のゼルダは期待値が大きすぎたせいか、私は思ったほどじゃなかったとか言ってたんですよ。でも今回は、登場の大輪の花南部一の美女から、繊細に心を病んでいくさま、正気を失ってそれでもスコットを愛している姿が全て良くて、ゼルダと言う役を自分のものにしたと言う感じでした。その美貌も輝きも素晴らしかった。トップ就任が決まった輝きなのかなあと。
そしてスコットに対しても、傷つけあっても離れられない、それでも愛している思いが伝わってきて。ゼルダもまた欠けたところのある、大人になりきれないひとだから、『You are me, I am you』と言う言葉が説得力を持って響いて来ました。

シーラ=五峰亜季
やっぱりいい女だなあと(そしてこの間の『不滅』では無駄遣いされていたなあと)。スコットが大人になれないピーターパンだからこそ、シーラの包容力と言うかお姉さまぶりが上がり、またそれでも魅力的だからこそシーラが惹かれるのもわかる、ゼルダとは別の意味でお似合いな二人。(と言うか、秘書のローラ、そして娘のスコッティも含めて女性達は多かれ少なかれスコットに対して保護者的意味合いを持って対峙している訳ですが。同じ人種でスコットと同じように人間が出来ていないゼルダでさえも)
フィナーレで上着を脱ぎ捨てスリップドレスで踊る姿がサイコウです。本編で踊る出番無かったものなあ。

マックス=美郷真也
相変わらず手堅い、そして上手い。大人のいい男で彼のおかげで本当に作品が締まる。

アーネスト=遼河はるひ
アーネストの台詞が増えていたような。『夜はやさし』が売れないスコットと編集部で会う場面で、批判するだけでなく「金のためでなく本当に書くべきものを書け」と激しく食って掛かる。これ、初演でありましたっけ(記憶が曖昧なので元からあったら失礼)。増えているとしたら、そのおかげでスコットへの感情が軽蔑だけでなく実は評価しているが故の苛立ちであることが見えるようになっていました。初演はその辺役者の演技次第に見えましたから。ぶっちゃけ月組版のさららんアーネストの「フィッツジェラルドが好きだから彼の堕落が許せない(と背伸びして噛み付いている)」感じが好きだったので、この台詞が加わった状態でのさららんが見てみたかったなあと。叶わぬ夢ですが。
遼河アーネストは正直私の好みから言うとちょっと冷たすぎる感じがするんですが、こういうのが好きな人は好きだろうしこれはこれでありかと。そして文句なしに格好よかったです。タニスコットと並ぶと「ヘミングウェイが牛ならフィッツジェラルドは蝶」という台詞に説得力がある。
でも一人だけ声が大きく(そして一本調子に)聞えたのは何故だろう。マイクのせい?

この作品のことを「地味」と言ったけれど、そして実際作家が主人公と言うのは絵面は地味になりがちなんだけど(どんなに頑張っていても机に向かっているだけ)、でもタニちゃんと言うスターが主役である以上、地味になりようがないと言うのも事実な訳で(月組版主演のゆうひくんだってそうだ)。
そういう意味で、タカラヅカだからこそ成り立つ作品なのかな、とも思ったりしています。
そして、美しい人が演じるからこそ、この繊細な世界が成り立つのだし、美しい人が演じるからこそ、人生が苦いものであることを書きつつ「それでも」と肯定する視線が受け入れられるのかもしれない。
あなたが美しいから、この美しい世界がある。
それは甘っちょろい綺麗事にすぎないかもしれないけれど、綺麗事だからこそ心にしみこんでじんわりと泣かされる。
そんなこの作品を、やっぱり私はとても好きだと思う。
まあ相変わらず役と役者の二重構造は要らないと言うか余計だと思うけれども(ラストの「どう演じるか」は興ざめだし「Dear誰々」の部分はそこまで説明しなくても伝わるから(苦笑))
ともあれ、月版も見に行きます。楽しみだ。
以下公式より-----------------

2006/01/31
(星組)涼 紫央外部出演について
星組・涼紫央の外部出演が決定いたしましたのでご案内いたします。

<公演名>
閻杰(エンキ)&涼 紫央
コラボレーションライブ“ESpecially!!”

<構成・演出>三木章雄

■<出演者>涼 紫央(宝塚歌劇団星組)、閻杰(エンキ)(中国琵琶アーティスト) 他
 
■大阪公演
(公演日程)2006年4月13日(木)19時・14日(金)14時/18時(3回公演)
(会場)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(約950席)
■東京公演
(公演日程)2006年4月17日(月)12時/16時(2回公演)
(会場)ゆうぽうと簡易保険ホール(約1800席)

以上公式より-----------------

と言う訳で、久々に公式に反応。すずみん外部出演!?と色めきたったものの、なんかこれ外部出演と言うより、本人メインのショーなのでは? 公演名にも名前入ってるし。
とにかく、これだけの情報ではどんなものやらさっぱりわからないのですが、楽しみにしたいと思います。出演はこの二人だけってことなのかなあ。星組下級生とか出たりしないかなあ。
……まあ私にとって最大の問題は、「私が」見に行けるかと言うことなのですが。何で東京公演が12時と16時なんだろう。
梅芸のURLもついでにはっておきます。すずみんの写真がジョニー君で眩しいです。
http://www.umegei.com/s2006/enki_suzumi.html

***

最近全然何も書けていないのは全て引越しとインフルエンザのせいです。ベルばらについてもまだ書きたいんですが。
『Across』出演者決定にも反応しそびれただけで忘れていたわけではありません。すげー、私の好きな人ばっかりだー、と喜びましたが、考えたら星組で選べばどう転んでもそうなると気づいてちょっと苦笑い。でもみらゆかあかしに一輝慎くんドイちゃんせーかちゃんっていいところ揃ってるなあと。エンディは歌担当?ゆうほ氏も手堅く締めてくれそうで楽しみです。娘役ちゃんもことみなみうめ初瀬有花ちゃんってこんなに揃えちゃっていいのか?エンカレ大丈夫か?
唯一心残りがあるとしたらももかさんがいないことでしょうか。絶対出てくれると思ってたのに。

***

OGですがついでに。星組つながりと言うことで。

Rose de Blue
ヒーリングコンサート
― 音楽とアロマが奏でる癒しをあなたに ―


月日 2006年2月19日(日)
時間:軽食 18:30〜19:20、コンサート19:30〜20:40
会場 東京會舘本舘 9階 ローズルーム
料金 12,000円 軽食・飲物・税金・サービス料含む
内容
●出演者: 
  秋園 美緒(ボーカル)[元宝塚歌劇団]
  嶺 恵斗(ボーカル)[元宝塚歌劇団]
  新美 夕紀子(ピアノ)
  大江 美沙(マリンバ)
http://www.kaikan.co.jp/event/060219.html

リンク先の曲目に「アイーダの信念」が入っているのが興味深いです。
只今同行者募集中。(つーか行くのかよ)

……今日の日記って殆ど単なる覚書だなあ(苦笑)

***

追記(自己レス)。

>なんかこれ外部出演と言うより、本人メインのショーなのでは?
よく考えたらそれってすごいことなんじゃ?(どうも驚きどころを外しているような気がする今日この頃)
1/21(土)11時の回を見て参りました。また立見です。
前回よりも悪い番号なのに内側の手すりがとれたのは、おそらく慣れていない人が多かったせい。「初めてだけどどこに立つの?」と口々に言ってました。小学校低学年くらいの女の子と母親の二人連れが居たけど、ちゃん見られたかなあ。
立見なんてしたことが無い人々をそれでも見たいと駆り立てる、それがベルばら(と言うかNHKをはじめとするメディア宣伝の力)なんだなあと痛感。
そんな中幕が開くと、客席からはミラーボールにため息、御覧なさいに歓声。こんな風に毎日満員の客席でやれるのはうれしいだろうなあ、とつい思ってしまって、絵の中から出てきたとなみアントワネットの姿に「きれいねえ」と言う声を聞いて、何だか目頭が熱くなってしまいましたよ。(初めて見る皆さんにどうですうちの子たちはステキでしょうと言う気分)(イタイと言うか大馬鹿)

さて、本日は水オスカル。(大変残念ながらきりカルは見逃しました)
これが良かったのですよ! 少なくとも私の好み的にはクリーンヒット。

が、少々不安が。
たいてい私が書いているものは「世間様の目から見てもそれほどはおかしくないだろう」と「こんなこと誰も思わないだろうけどそもそもこのこと自体誰も気にしてないから書いてもいいや」のどちらかであることが多い(と自分では思っている)のですが。
今回は「世間様の目から見て異端なのに関心を持たれていること」ではないかとちょっと気にしています。特に水くんファンの方にはどう見えているんでしょうか。私的には絶賛なんですが。
と、小心者らしく予防線を張った上で感想を。

プロローグの水色の軍服でまず、あ、きれいじゃん、と。
何と言うか、普通にきれいだった。コム氏の「花のかんばせビジュアル完璧」とも、かしげ氏の「貴族的な男装の麗人」と言う印象とも違うけれど、普通にきれいなお姉さん。
そして物語が始まって最初の登場。貴婦人達を叱り付けフェルゼンに帰国しろと言う場面。
男前、と言うか、ふつーに男らしい。声も低めだし(本人比では高いかもしれないけど)語調の強さも男役まんまに見える。これではフェルゼンも女性として見るわけが無い、男友達感覚と納得。
しかし、フェルゼンになじられてしゅんとなると。あれ、何だか乙女だぞ? 恋愛や女らしさについての表現が不器用で、それが何だか可愛らしい。

こういうって人いそう、と思いました。
バリバリのキャリアウーマン、又は、サークルの仕切り役女子大生とか。姉御肌で周りの男どもよりよっぽど男らしくて豪快で、誰にも女扱いされていないし本人も自分はそういうものだと思っている。でも実は恋には乙女で少女のように夢見がちで不器用。そんなお姉さん。実際にその辺にいそうだし、連ドラや少女漫画のヒロインにもいそう。
大芝居ではなくどちらかと言うとナチュラルな演技の人だから、そういう印象を受けるんだろう。でも熱いハートのある人だから、仕事に恋に悩みながらも全力投球で頑張ってる、と言う感じが好ましい。
1幕半ばの幕前芝居は「原作のジャルジェ将軍が出てくる場面の台詞を全部つぎはぎしてみました」という何が言いたいのかさっぱりわからない意味不明なシーンなんですが、これも水オスカルの熱血ぶりに誤魔化され、最後の「私は軍神マルスの子として生きます!」では、そうかがんばれよ、と思ってしまいました(私だけ?)。

そして、恋した相手の前では妙に可愛くなっちゃうので。
フェルゼンが「君は僕のことを」と気づくシーンも、普段はあんなに男らしいオスカルが恋する乙女モードを見せたら、そりゃわかるよね、と先々週のかしカルとは別の意味で納得。少女漫画によくある、友達として付き合っていた男の子に隠しておいた恋心をついさらけ出してしまうシーン、になってました。
アンドレに対しても同様。女らしく振舞うことに慣れていない女性が好きな相手に思いを打ち明けるぎこちなさ。「私を抱け」もためらいや戸惑いの混じったおずおずとしたニュアンスがあって、へえそうくるかと。対して「この戦闘が終ったら結婚式だ」は結ばれた安心感からかあっけらかんと明るく、言われたアンドレがかえって照れてしまうような。
アンドレの死後バスティーユになだれ込む辺りはホットに男らしく、普段の「オスカル隊長」に戻ったと言う感じでちょっと拍子抜ける半面、私怨という印象は無かったので、それもありかと。
そしてその分「もうお前はいないのか」ががむしゃらに戦っていたので忘れていた喪失感にこのとき改めて気づいたという感じで、かえって切なかったです。

あと水オスカルでいいなあと思ったのは、1幕最後の場面。
フェルゼンに「私を慕ってくれたその人は、白薔薇のような人でした」と言われたときの表情。これで自分の思いは報われたと言うような、深く納得した顔。
原作の、ドレス姿で舞踏会で踊った際にフェルゼンが自分をどう思っているかを聞き「これで諦められる」と言ったエピソードを髣髴とさせる表情でした。

と言う訳で、ナチュラルで細やかな芝居と熱いハートのバランスの結果、私の目には大変好ましく映った水オスカル。
が、トウコさんのアンドレとの相性はそれほどでも無かったかなあと。トウコさんとはむしろかしげオスカルの方が芝居の色合いが合っていたような気が。大芝居振りとテンションの面で。
小石につまづいての「待てアンドレ!」もかなり可愛かったのにバカップルに至らなかったのは、テイストが違うのでかみ合い損ねたからではないかと。……(小声で)しぃドレとならバカップル成立したんじゃないかと思うんだけど、どうだろう。ちょっと見てみたかったです。
でもわたるフェルゼンとのバランスは良かったと思うので私的には満足(をい)。

「小雨降る径」は、普通にきれいなお姉さんでした。
と言うか「女の人」に見えた。男役の女装でもなく娘役でもなく、「女の人」。リアル女性と言っては言いすぎだと思うけれど、でも敢えて言うならそんな感じ。対するワタさんは「男役」なんだけども、まあかなりリアル男性に近い(と言う幻想を見せてくれる)男役なんで、バランスは保っていたかなと。
ちなみに髪型は茶色のソバージュロングに青のターバンと言うかラインストーンつきのヘアバンド。せり下がりの微笑みは規定演技のようですが今まで見た3人の中で一番アクと言うか毒が無かったなあ。
あと、モンゼット夫人の愛の一言は「みずみずしい(はぁと)」でした。つまらないと言えばつまらない(笑)。

ところで。
過去3回、B席か立見での観劇のみ。そしてあと1枚のチケットもB席と言う辺りに「所詮はベルばらだし安い席で十分」と言う私のやる気の無さが現れております。
が。
出演者一人一人がこの芝居をものにしてきて、組子達のテンションが上がってくるのを見ると。やはり、前で見たい気がふつふつと。
だって遠くからオペラで覗いてばかりいたらモブが見られないし!(バスティーユが気になるのに特出さんは一期一会なのでオスカルと、結構細かい芝居が気になるベルナール見てるだけで手一杯)
そしてやはり、一幕ラストのフェルゼンの銀橋は一度くらい近くで見たいかな、とか思ったりして。あと薔薇タンの花道(すげーシャウトとテンション)も!
どうすんだよ今からじゃ東宝は更にチケット手に入らないよ。
言葉、言葉、言葉。
それはひらひらと舞う蝶々のようにさらさらと流れる小川のように、美しく軽やかに紡がれる。とめどないその調べに耳を傾けているうちに、やがて蝶々の羽は舞台の床と言う床に降り積もり足の踏み場も無く、小川は濁流と化して私を押し流す。とどまるところを知らない言葉は宙を舞い、そのひとひらひとひらがひらめくさまは目眩を誘う。歌うように詩のように耳から忍び込み脳を満たし、満たされてなお注ぎ込まれる刺激に脳は響く余地を失う。言葉はただ踊るように滑って行き流れ去って行き、私はそれらを咀嚼することができずただ呆然と見送るのみ。
さればと耳をふさぎ目を開き聴覚を閉じ視覚で舞台を味わおうとするも、咀嚼できずに立ち尽くしているのは客席の私のみではなく。本来は闊達な少女が固いコルセットで締め付けられ長い裾のドレスに足をとられ立ち往生しているように、彼らの自由な感情は過剰な言葉の鎧に発露する路を閉ざされる。言葉の死骸は化石のような白い骨、乾き果てうずたかく積まれた瓦礫。踏み歩く度にそれは軽い音を立てて崩れると共に彼らの生き生きとした命を奪い取り吸い尽くし、いつしか無音の荒野となる。
アルフレッド・ミュッセ=大和悠河は白い肌に薔薇色の頬、金の巻毛とその美しさはさながらビスクドールのようで生身の人間とは思われない。ジョルジュ・サンド=紫城るいは生命力の輝き、才知のきらめきで他を圧倒する女王のような存在感。しかしその美しさその輝きも、白い紗幕の向こうに霞んでよく見えない。
紗幕、それは踏みしだかれた言葉が誰にも咀嚼されずにこぼれ落ち風に巻き上げられた砂塵。渦。迷宮。その白いもやは全てを包み全てを覆い尽くす。ただ一人アルフレッド・デジュネー=箙かおるのみが異なった重力を身にまとい、白く乾いた空間に重油のような黒い染みを残すが、しかしそれすらもやがて掻き消え、残るのは白い虚無。
そして、取り残された私は退屈に溺れる。

***

9日は午前『不滅の恋人たち』午後『ベルサイユのばら』ダブルヘッダーでした。
見終わって最初の感想は「……つまんなかった」。
いや、前後色々忙しかったし、多分体調も万全じゃなかったんだと思います。そもそも私は太田作品との相性が悪いんだと思うし。とにかく言葉の奔流に幻惑されて、呆然と口を開けっ放し。物語がどうのとか登場人物がどうのというレベルまで考えられませんでした。
と言う訳で冒頭の感想。雰囲気だけでも真似てみましたが伝わりますでしょうか(笑)。結構こういうの書くのは嫌いじゃないです。太田せんせいは楽しいだろうなあ、自分の書いたものをあんな綺麗な人たちが演じてくれて(違……わないかも)。
でも太田作品と相性が悪いのは私だけではなく、演じている宙組さんも同様じゃないかなあと思いました。台詞の上滑りっぷりがすごいよ。唯一違うのはチャルさんですが、おかげで悪目立ちしていたような気も。と言うか、役が少ないんだし、専科さんを出さないでこの役はあひくんにやらせるとかいう訳には行かなかったんだろうか(タニちゃん演じるミュッセの鏡みたいな役なんだしさー)。

タニちゃんはとんでもなく美しかったです。正に生きているビスクドール。人間離れしている。るいちゃんもすごく生命力に溢れて輝いてました。
あとはともちの胡散臭いまでの爽やかさが印象的。はっちゃんもドアボーイのような貫禄の無い支配人(あれでホテル・ダニエリの支配人はねーだろー)が楽しかったです。十輝、七帆、和は役らしい役は無し。勿体無い。でも群舞やら何やらで見るときらきら素敵だったけど。

いや綺麗でしたよ。美しい人たちが美しい衣装で立ち現れる、本当に美しい舞台ではありました。
1/9(月祝)15時の回を見て参りました。立見だけれど、貸切公演なので直前になって売り出したためそれほど多くなく、手すりの端の方は空いてました。

前回1/3日記で「構成が変わってマシになった」と書いたきり具体的な話は全然していないんですが、まずは忘れないうちに役替りの感想を。

と言う訳で、この日はオスカル=貴城けい。

第一印象は、違和感無いなあ、ということでした。
違和感が無いというのは、星組特出に対しても、「ベルサイユのばら」と言う作品に対しても。特に、植田芝居に完全に馴染んでました。大芝居ができる人なんだなあと再認識。そして今回のベルばら、星と雪に白羽の矢が立ってしまったのも理由の無いことではないんだろうなあと再認識。(とは言え雪トップのコムちゃんはまた色が違いますが)

ビジュアルは勿論OK。が、完璧に似合っていたコムカルと比べると少々負けるかも。ま、この辺は好みの問題ですが。
余談ですがコムカルには「小さなお顔(はぁと)」と言っていたモンゼット夫人タキちゃん、かしカルには「可愛いおでこ」と言ってました。「まぶしい」とも言ってました。い、いいのか?

役作りとして印象的だったのは、感情を表に出す熱さ。これは大芝居の結果でもあるかもしれない。特に「女」を全面に出している訳ではないけれど、感情の揺れが激しい感じ。
いや、このオスカルなら、フェルゼンがいきなり「君はもしかして僕のことを?」と気づいても納得(笑)。わかりやすいもん。
そして、オスカルが激しい感情に揺れ動いているので、彼女を愛する二人の男、アンドレとジェローデルの男ぶりが上がっております。多感な彼女に対して包容力を発揮することができる。思えばコムカルは低体温で男前すぎて、さすがのトウコさんも攻略のしようが無いという感じだったからなあ。今宵一夜は熱かったけれど、オスカルが急に女らしくなって他の場面と比べて不自然だったし。

そして本領発揮は2幕。この戦闘が終ったら結婚式だ、が何だか微笑ましくてカワイイんですが、まあそれは置いといて。
アンドレが死ぬときの取り乱し方、嘆きの激しいことと言ったら! 見ていてついつい感情移入して、その悲しみについうっかり泣かされてしまいました。周知のとおり見通しのいい橋の上で立っているアンドレが何発も撃たれた末に死ぬと言う冷静に見ると引いてしまうシーンですが、今回はかしげオスカルの熱演に騙されました。本気で飛び出していきそうで、止めるベルナールも大変、力が要りそうだ(関係ないけどここの夫婦は飛び出そうとする誰かを力ずくで止める場面ばかりだなあ。ベルナールはオスカルが撃たれて飛び出そうとするロザリーを抱える場面もあるし、ロザリーはフェルゼンへのタックルがあるし)。

そしてアンドレの死後、立ち上がるオスカルはぶち切れてます。いっちゃってます。「彼の死を無駄にしてはならない!」って私怨だろそれ。でもあまりの迫力に誰もつっこめないに違いない。テンション上がりすぎて逆に絶対零度にいっちゃってるような迫力です。恐いです。(褒めてます、褒めてますってば!)

短期間の特出なんてイベント臭いし、オスカルなんて様式的な役、と観る前は思っていましたが、やはり演じる人によってだいぶ違ってくるんだなあと。勿論それは、短いお稽古期間や色々な制約の中でそこまで仕上げてくる出演者の実力と頑張りの結果だと思います。
こうなると役替り5パターンコンプリートしたくなるのが人情ですが、次の霧矢オスカルはちょっと行けません。今年から関東人だし、そう毎週遠征は無理です(私事ですが引越ししました)。
きりやんは上手い人だけれど同時に繊細な表現を得意とすると思うので、ベルばらのオスカルという役をどう演じるか非常に興味があるんですけどね。

あ、フィナーレの「小雨降る径」も良かったですよ。クールビューティな感じで。キレイだったし。髪型は羽山ダンスリサイタルのキム君と同じにターバンを巻いてました。が、緑野さん情報によると午前は違った模様。日替わりなのか? コムちゃんを見たときはくるくるウェーブの金髪を大きく盛り上げた鬘で、小顔なのでボリュームがあっても似合ってましたが、他にも種類あったんですかね。
ラストのせり下がりは客席を向いて微笑を見せていましたが、喰われる、と言うほどの毒はなかったなあ。どちらかと言うとアルカイックスマイルな感じ。これも個性、同じようにやっても違う表現になって面白い。やっぱりコンプリートしたくなります(無理だから)。

***

1/3日記で書いたSSにご感想を下さったお二人の方、ありがとうございます。私だけが楽しいんじゃないと思うと心強いです(笑)。
この場を借りてお返事。いや、良くなったと言ってもやはり当社比なんで、観なくても済むなら無理に観る必要はないと思いますよ。原作ファンで思い入れがあるなら尚更。(私は原作は普通に読んで普通に面白いと思った人間で、特に強い思い入れはなかったりします)
実は、1.は最初ジェローデルの一人称で書き始めたんですが、話が進まなくて断念しました。以前緑野さんが書いていた「太田哲則演出ジェローデル編」が潜在意識にあったためやたらと話がくどくなって。宝塚のジェローデルはそういうキャラではないのにね。

ところで緑野さん、宣伝していただけるのは有難いですが(と言いつつ困る気もしますが)、でも、緑野さんの「ロザリー=死の天使」解説を読んだ後ではあの話ギャグになっちゃうじゃん(苦笑)。
新年早々、初宝塚観劇。
1/3(火)11:00。星組マイ初日、朝海オスカルの日。

終演後の感想は「これなら通える」。
いや、ヘビーリピートは遠慮しますが、特出オスカル分5回は見てもいいような気になりました。
脚本・構成が改善されてます。ひどすぎた全ツに比べてマシなのは当然として、2001年の宙組フェルゼン編と比べても良くなってるんじゃないかな。

勿論、改善と言っても所詮は当社比。
「ごらんなさい」は相変わらずだし、最初にアントワネット、オスカル、フェルゼンがマンガのイラストから出てくる古さは昭和にタイムスリップした気分だし、白とピンクとブルーとフリルとレースの洪水はえらいことだし、わたるフェルゼンとコムオスカルが「愛あればこそ」で並ぶと即席イベント感が漂うし、どこかで聞いた台詞のつぎはぎは多いし、「大変ざます」があるのに更に悶絶と失神はあるし、メルシー伯の説教シーンは相変わらず長いし。
ツッコミ所も多々。何故国王への取次ぎを王妃が、とか、アンドレまで国王の御前にいるなよ、とか、そこでジャルジェ将軍がフェルゼンに愛の意味を問うのか、とか、変な台詞変なシチュエーションは多数。

でも。1幕の最後がフランスを去るフェルゼンの場面で。愛のために自ら身を引く、ということが強く描かれているので、幕切れの印象は悪くない。
全ツではスェーデン宮廷でやっていた「愛とは」との問答をここでやっているのだけど、その愛の発露である行動が全ツの「外国の王妃をかっさらいに行く」より「王妃の名誉のため身を引く」方が正当なので、説得力が増している。(勿論「外国の王妃をかっさらいに行く」は愛の発露としてはアリなのだが、世間的に認められる正当な行動ではない。「正しいかどうか関係なくそうせずにはいられない」部類だと思う)
オスカル、アンドレといった主な登場人物もその場にいて、フェルゼンが彼らそれぞれの愛、思いを理解していることを説明している台詞がある。ので、彼は自分しか見えていない身勝手な人間ではなく、他人のことも思いやれる男として描かれている。
そして更に、フェルゼンがオスカルに愛され、アントワネットを愛し愛されていることを示すことで、この恋愛物語の主人公であるという位置づけも説明している。
いや、決して上手い構成ではなく、台詞はところどころ妙だし人物相関図が書けそうな感じの説明的な場面ではあるのだけど。でも改善しようと言う配慮は感じられるよ。そして最後銀橋を渡って退場するわたるフェルゼンは格好いいし(結局そういうことを(苦笑)。いや格好だけなら全ツの客席降りも良かったけどさ)。
つーか、スェーデン宮廷の場面が無いだけでだいぶクオリティ上がってるよね。大劇ではルイ16世が英真組長で全ツのグスタフ3世と同一人物なので「彼はどこの王様? ここはどこの宮廷?」状態になるんですが、まあそれも仕方なし。

そして2幕。
ちゃんと、歴史ドラマに見えた。
歴史の中で、登場人物がそれぞれの思いに従って行動した結果この結末にたどり着いたのだと、見ていて思えた。
まず、アントワネットの運命の変転がきちんと描かれていることが大きい。「フランスの女王なのです」は残念ながら無いけれど、チュイリュリー宮殿での一幕が加えられている。夫である国王とやっと心が通い合ったのに彼は断頭台に消え、子供たちも奪われ。しかし理不尽と見えたその仕打ちも、民衆にとっては正当な理由のある怒りゆえ、自らの招いた結果であると知る、その絶望。(ここ、原作にもあった「わしらにも子供がいた」のくだりで、みきちぐに芝居のしどころがあるのが個人的に嬉しかったです。ちーくんいいぞ、がんばれ)
そして、その周囲の人たちが考え、行動することで歴史が動く。
王妃を助けるのはオスカルの遺志」と言う、全ツではつっこみどころだったジェローデルの台詞には裏づけが与えられ、革命側の人間であるベルナールが王妃を救おうと決意するに至る過程も描かれている。そして、ロザリーはヒロインたち=アントワネットとオスカルを理解する人間として立ち位置が与えられている。
ぶつ切りだった物語が連動し、説明され、伏線が拾われて辻褄が合わされているので、素直に物語を受け止めることができる。
(誰のおかげだろう。やっぱり谷せんせかなあ)

その結果、思ったのは。
フェルゼンが可哀想だということで。
運命の変転を経てアントワネットは変わる。今まで見えていなかったものが見えるようになり、フランス王妃の自覚を持って死に赴くまでに成長する。
しかし、フェルゼンは。
彼は言う。「スェーデンに帰国してからの自分は生きていなかった」と。
彼の時間は止まっていたのだ。フランスを去り、アントワネットと別れたその日から。
だから、以前と変わらない思いを抱いて迎えに来たフェルゼンに、アントワネットは共に行くことができない。それはフェルゼンにとって、一種の裏切りに映っても仕方がないようなことで。
しかし、フェルゼンはアントワネットの決断を受け入れる。愛する人の選んだ道ならば。それが彼にとってどれほどの苦痛であろうと。
それが、可哀想で、切ない。

……ってやっと文句じゃなくて作品語りできるレベルになりました。良かった本当に。
ついでにSSを書くモチベーションも湧いてきました(笑)。上でも触れてますが、ベルナールもジェローデルも格好よくてさー。下手したらアンドレより彼らの方がいい役なんじゃなかろうか。(物語における役割的に。アンドレは銀橋ソロがあるので役の格としては上ですが)
と言う訳で、また私しか楽しくないものを書いてます。実は感想よりこっちの方が早かった(笑)。
http://kine.nobody.jp/rose.html

役替り、コムカルについても少し。
綺麗で可憐なビジュアルと、それを裏切る男前な役作りに驚く。声も殆ど男役声のまま。
うわ、いい。格好いいよこのオスカル!
隣で観ていた緑野さん曰く「ビジュアルに自信があるからそれ以上女っぽく演技する必要がないということでは」。なるほど。
とにかく美しく格好いいオスカルでした。雪ベルばらも楽しみだ。
が、そのせいか、全ツではこそばゆく微笑ましかった小石につまづく場面の破壊力が激減してました。全然バカップルじゃなくて呆然。トウコアンドレは臭くカッコイイのに、コムオスカルが乙女じゃないからこうなるのか。面白いなあ。今宵一夜は熱かったですけどね。

そしてお楽しみのフィナーレ「小雨降る径」、ワタコムデュエットダンス。
……すげー。
いや、途中までもすごかったんだが、圧巻はラストせり下がり。二人とも客席に横顔を向けて真顔でポーズ、で下がっていく訳ですが、最後コムちゃんが正面を向いた!
客席を、そしてワタさんを見てニヤリと毒のある笑顔。ワタさんは真顔で斜め上を見上げたまま気づかない。
あんたはドルチェ・ヴィータか!!
いいものを見ました。眼福眼福。

フィナーレはワタとなデュエットも。考えるとこれが大劇場でのコンビお披露目。となみちゃんの、触れられて恐る恐るほころびはじめた紅薔薇のつぼみ、というような風情が良いです。アントワネットも全ツより安定感が増して、堂々たる王妃様。改めてお披露目おめでとう。

コムカル楽(午後は貸切)なので最後はご挨拶あり。かしげ氏もオスカルの扮装で現れて引継ぎご挨拶あり、非常にお得でした。
新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

新年早々大劇場初日、へは行かず、BSで『長崎しぐれ坂』見てました。そして『長崎』だけで終ってたまるかとついつい『ソウル・オブ・シバ!』まで見ていたら天皇杯決勝の前半を見損ねました。
『長崎』うーん、TVでながら見ならまだ許せる、と言うか私なりに伊佐次と卯之助とおしまの物語を再構築できるかなあと。しませんけど。『シバ』は銀橋でレディ・ダイス檀ちゃんをエスコートするスタン氏しぃちゃんのめろめろ甘々っぷりにびっくりしてました。こここんなだったっけ!? そして白いシバの子のシーンでいきなりアップになる大河睦氏にびっくりしたり。親に「誰この人?」と聞かれたよ。
あ、若手5人銀橋渡りはやはりカットでした。コパカバーナはあったのに。

さて、遅くなりましたが昨年のアンケート結果をやっとまとめました。
・数値編
http://kine.nobody.jp/100000hits1.html
・コメント編
http://kine.nobody.jp/100000hits2.html

ご協力いただいた皆様本当にありがとうございました。

ところで、アンケートでも聞かれたことに対してこの場をお借りしてお答えさせていただきます。
このダイアリーノートにコメント機能がつきましたが、私は全面的にコメントオフにしております。理由は単純で、元々日記として始めたためブログ的な機能の使用を想定していないからです。(そういうことをやりたくなったら引っ越すと思います)
と言う訳で、ある意味閉鎖的ではありますがこれからも色々書き続けて行きたいと思いますので、お付き合いいただける方は何卒よろしくお願いいたします。
年末年始は野暮用でバタバタしているのですが、できたら昨年のまとめなんかもやりたいと思っています(無理かも)。
月組千秋楽、さららんをお見送りに行って参りました。

夜行バスで7時過ぎに東宝前に到着、前楽の当日券に並びつつ入り待ち。いい天気で、あまり寒くなくて良かった。

さららん登場は8時半頃。黒のパンツに会服の白いGジャン。黒のフェザーのマフラーと茶系の爬虫類柄の帽子。
ガードの人全員と握手。姿を見たときから既に泣いている人もいて、そのひとりひとりと握手するさららんも段々目がうるんで、泣くのをこらえているような顔になってきて。
でも最後は笑顔で手を振って入って行きました。本当にかわいい。そしてキレイだった。他の会のガードからも拍手。

前楽。
『JAZZYな妖精たち』東宝では初見。色々変わってました。最初に子供達を出したのは正解でしょう。幼なじみの物語であることがわかりやすくなった。でもパトリックの怒濤の説明台詞は大変そうだ。谷せんせは『1914』のときもムラから東宝で説明台詞を増やしていたような。
ラストも、シャノンは死なず、幼なじみ5人が並んで立つ周りに登場人物全員も並んで幕。主題歌?での陽気な踊りもなし。
何やら、正しく打ち切りな物語になってました。この方がマシと言うか駄作感やとほほ感は薄れたんじゃないかと思います。
何一つ話は終ってないけど。マクガバンも出てくるけど、笑顔で歌い踊っていない分まだ許容範囲でしょう。
ただ、この終わり方だとウォルターが主役に見えてしまう。
シャノンが死なないと、最大の山場がウォルターの改心になっちゃうんですよね。きりやんがいい演技してるから余計に。あちらを立てればこちらが立たず。

しかし、東宝初見の人にとってはこれでも「何だこりゃ」だったようですが(苦笑)。まあ仕方ない。打ち切りであることは変わらないので、それがきれいな形になったからと言って大差ないと言えば大差ないし。
あと無くなった今思うとラストの脳天気なダンスシーンも楽しかったので、両方見ることができて良かったです。ミックの手を取って踊るウォルターとか、ちゃっかりロージーと踊ってるティモシーとか、結構好きだった。ミックとウォルター、何故この二人で踊る(笑)、とか思ったけど、でも可愛かったもんなあ。

さららんの演技も、ムラで見たものとは変わっていました。
一番、あ、いいなと思ったのは、パトリックにウォルターが彼を暗殺しようとしていることを告げる場面。どう言って良いかためらっている感じが。ウォルターだけでなく、パトリックや他の皆との関係性も感じられるようになってました。
あと全体的に雰囲気がやわらかく、穏やかになっていたような気がします。これも退団者オーラなのかなあ、と思いながら見ていました。

何だかんだ言って、私この芝居嫌いじゃないです。駄作の部類だとは思うけれど。辛いこともあるけれど全体を貫くものは明るく前向きで、甘っちょろいかもしれないけれど人間を肯定していて、がんばれパトリック、がんばれシャノン、という内容にお披露目のトップコンビに対する創り手の愛情が感じられて。
うん、好きでした。

『REVEUE OF DREAMS』
やっぱりこのショー好きです。怒濤の群舞で息つく暇なしで楽しい。戦隊モノ風プロローグも、ニューヨークなきりあい中心のシーンも、意味不明なトップコンビ+ゆうひくんとさららんの場面も、黒金ゴスロリ風中詰めもその後の砂漠も、全部楽しい。どこがすごく優れているというのではないけれど、平均的に楽しく良くできたショーだなあと。

芝居同様、さららんが出ているときはピン撮りしていました。
プロローグは白のフィットした衣装のせいもあり、ダンスが不器用に見える(失礼!)、でもそこも愛しい、と思いながら見ていました。夏にやはり、不器用なダンスの82期生を見送ったことを思い出しつつ。
一番映えるのはやはり中詰。黒金変わり燕尾に白フリルブラウスを顔で着こなすさららん。キザリまくる君を見るのもこれで最後か。
砂漠、かなみちゃんの歌声が好き。ここはゆーひくんとの小芝居がカワイイです。結局アサコ氏をリフトする越リュウをろくに見られなかった。見せ場なのに。
黒燕尾は泣けます。これも最後かと思うと。

大楽は諦めてだらだらお昼食べて、パレードの場所取り。終演前から場所取っとくと、いい場所で見られることを知る(前回前々回の星東宝楽では苦労した人)。
さららんは、いい笑顔でした。きれいだった。黒紋付袴で、赤い薔薇の花束を抱えて。その花束が包んでいない切りっぱなしの束で、それが何だかさららんらしくて。
ご挨拶の内容は忘れてしまったのですが(駄目駄目)しあわせでした、って言ってましたっけ?

一緒にいた緑野さんが「あれはさららんじゃない」と言いました。
確かに。きれいで、穏やかで、静謐ですらあった袴姿は、いつものさららんの暴走気味の熱さとは異なるもので。
もう半分くらい別の世界の人になっちゃったんだよ、と答えました。

さららんが好きでした。
きれいで可愛い美少年で。でも暑苦しくて、独特の感性で暴走気味に空回って。いつも全力で突進して時に玉砕して。いろいろ考えることはあったかもしれないけど、でも見せてくれるものはいつも前向きでポジティブで。
最後の「TAKARAZUKA Cafe Break」。新しい夢を実現するために旅立ちます、と言うようなことを言って、そして「夢なんてとか思うかもしれないけれど、でも皆さんも夢を持って生きてください」と続けていた。
おいおい説教されちゃったよと思いながら、泣けた。
伝聞ですが、千秋楽のご挨拶では「忘れられないジェンヌになりたい。キライだけど気になる、でもいいから忘れられない存在になりたい」と言ったそうで。
すごいなあ。私は他人様に嫌われるくらいなら忘れてくれと考えてしまうので、素直にすごいと思う。

忘れないよ。
最初に認識したのは『長い春』のピエール君。(思えばクロード先生の相手役(違)はもう二人ともいないのか。つか2年連続クリスマスに見送ったのか)
『シニョール・ドンファン』間抜けで短絡的ででも誠実な田舎青年フィリッポ、『薔薇の封印』可愛いけどテンションちょっと変なアンリ、呑気で外しているピーター、『愛しき人よ』美形なのにヘタれてボロボロに慟哭していたさまが愛しいケビン、『飛鳥夕映え』末っ子キャラ、銀橋の5人組が懐かしい古人皇子、『タカラヅカ絢爛?』ちょこまか可愛かったエレグア、『The Last Party』頑張りと無理に苦笑しながら見ていたはずがいつの間にかスコットへの好意と裏腹のもどかしさが伝わってきて目が離せなくなったアーネスト、『エリザベート』こんな暑苦しいエルマー初めて見た!なエルマー、『Bourbonstreet Blues』空回りティーンエイジャー馬鹿な子ほどかわいいジェフ、そして今回のミック。
みんなみんな、好きだったよ。
私は飽きやすく忘れっぽい人間だから(正直、今一番好きな人のことだって10年後に憶えている自信はない)、約束はできないけど。
でも、今は忘れないと言うよ。

その後ドリーさんちになだれ込みクリスマスパーティと称して宴会、目がイッちゃってる新公フェルゼン映像を見て「惜しい人を」と口々に言う我々。
うん、忘れようったって忘れられねーよ。
早く夢を叶えに、我々からも見える場所に帰っておいで。
宝塚と言うのは、作品を見ることと同じくらい、舞台に立っているその人自身を見るところなんだなあ、と思った。
例えば、誰かと誰かが共演するとき、それによってどんな技術的に優れたコラボレーションを見せてくれるか、なんて期待の仕方をするよね、普通、と言うか他の舞台では。少なくともオペラにおいてはそうだと思う。又は、単に豪華な顔ぶれが並ぶことを楽しむか。1+1が2である楽しみ。
宝塚においてもそういうことが無いとは言わないけれど、それだけじゃないんだなあ、と今回再認識。

ぶっちゃけ、こういうイベントのスターさんの競演に一番期待することは「組み合わせの妙」なんだなあと。そういう意味で今回物足りなかったなあ。

いや、何が言いたいかと言うと、ワタコムの絡みが薄かったなあと(そこか!)。
このイベントトップは二人だけなので最初の方と最後の方に並んで出てきたわけですが、ほんっとーに並んで出てきただけでした。後半はベルばらで「愛あればこそ」なので、もうちょっとなんつーかデュエットらしく歌ってくれても。顔を見合わせるくらいでよかったんだけどな。
でも妙に大真面目に客席真っ正面見て歌う二人もそれなりに味があって悪くないかと思ったりしたのですが(結局なんでもいいのか)。
あとは来年ベルばら本公演のお楽しみってことで。はっ、もしかして物足りなさを煽ることが目的なのか(多分違う)。

ついでにキムれおんの「On the 5th」は、3回ともすれ違うときキム君はれおんの方を見たのにれおん君はその余裕が無かったらしいです。
……そーゆーことやった方が客にウケるって誰か教えてやってください(うちの子が心配モード
第3部『永遠の道』
待ってましたの現役生のショー。楽しかったー!

PartA
「花の道より」
前回300回記念で歌われた曲だそうで。トウコ、かしげ、水を中心に大階段に黒燕尾男役、そしてその後ふーまーとなみトップ娘役3人と月以外の二番手娘役4人。
皆がはけた後司会の檀ちゃん。前回300回記念から今回までの8年間を歌と踊りでたどります、と。
「レビュー・明日への希望」
いよいよ大階段にトップスター登場……って、縮尺が間違ってませんか!?(呆然)
ワタさんでかい、コムちゃん小さい。そうか、この二人だけだとこういうことになるんだ。いやこういうバランスは見慣れているはずなんだが。あでも8月以来見てないのか(ぶつぶつ)。コムちゃんも全ツで痩せちゃったのか、より一層華奢に見えます。
この二人が真面目に朴訥に歌うのも味わい深いです(真顔)。少数派なのは承知ですが、この二人の歌声好きなんですよー。
「シトラスの風」
タニあすかデュエット。二人ともきらきらして楽しいー!(大喜) こういう明るい歌で生き生きしているタニちゃん、可愛くて大好き。
「ブラボー・タカラヅカ」
蘭寿壮涼遼河の82期並び。黒燕尾で。TCAに続きさららんの不在が寂しくてなりません。すずみんとらんとむが並んでたんで専らそっち見てました。すずみんの2階見上げ技は健在(笑)。
「サンライズ・タカラヅカ」
水くんソロ、大階段に始まり銀橋あり。
「ミレニアム・チャレンジャー」
大階段にゆみとむスタンバイで歌い始める……が、気づいたら階段下に他の男役メンバー勢揃い。オペラしぃちゃんピン撮りしたまま戻ってこられなくなりました。いや、ここの紫の上着と白のパンツとショートブーツのちょっと特撮チックな衣装が、タッパがあるからか似合うなあと。群舞センター、格好よかったー(所詮ファン)。
……まとぶんがしぃちゃんやすずみんとすれ違ったりするとちょっと懐かしくなりました。

PartB
「いますみれ花咲く」
かしげ氏ソロ。銀橋あり。白燕尾がよく似合う。
思えばトップ内定発表以来初めて見るかしちゃん。いつになく堂々と見え、テンション高く熱く聞えるのは、こちらの思い入れだけではないと思います。
「On the 5th」
キムれおんという新鮮なコンビ。やはり白燕尾できらきらしてます。ワタコムほどは縮尺狂って見えませんでした。途中すれ違うときキムくんがアイコンタクトを図ったのに、れおんくんに気づいてもらえなかった、残念。
ところでこういうイベントだと自分がどの程度誰を好きなのか気づくことがあるのですが、この二人は同じくらい好きなようです。離れたときオペラでどっちを見るか決められなくて諦めて外して見てました。
「青い星の上で」
ここもゆみまと。この二人ずっとニコイチでした。私的にはまだ慣れない感が。
「愛のプラハ」
……しぃちゃん大階段センター!(嬉しいらしいよ)。
えーと、上手にみわるい、下手にともうめ、センターにしぃいづ、とカップル3組。いづるんはTCAでも組んでましたね。順番にワンフレーズずつ歌いついで、大階段のしぃちゃんにスポット当たったときは流石にどきどきしました。でもこの面子だと流石に上級生、違和感無いなと。真っ赤な衣装似合うし、相手役に向ける笑顔が眩しいです(所詮ファンですから)。
と言う訳で他を殆ど見られなかったんですが、みわるいは何だかアダルティでした。ともうめはうめちゃんが小さく見えてびっくり。
「夢を紡いで」
男役3人が舞台に残りキムれおんが加わり、まとゆみが加わり、そして全員で銀橋渡り、だったかな(記憶に自信がなくなってきた)。そして上手端でキメ。
PartC
「飛翔の時」
トウコさんソロ、銀橋。紫の衣装で。
余裕綽々の上手さ。思えば、オサさんの休演もあり所謂歌手が少ない今回、群を抜く安定感でした(これも星ファンとして嬉しいらしい)。
「タカラヅカ・グローリー!」
トップ娘役3人。ふーちゃんピンク、まーちゃんブルー、となみん濃いピンクのスパンと、花組アプローズ特出の時の衣装。それを着ていた人は今司会で出ていて、とちょっとセンチメンタルな気分になる。ちなみにOGゲストとはお喋りしていた檀ちゃんですが、第3部では進行役に徹していました。やはり違う世界の人と言うことなんだなあ。
それはさておき、やはり娘役ちゃんは可愛いです。ほのぼのでれでれします。ふーちゃん先頭にまーとなが後ろで並んで階段を下りてきたんですが、笑顔で見交わす二人にめろめろ。そうだよね二人ともグローリー出てたもんねぇ。
「我が名はオスカル」「愛の面影」「愛あればこそ」
ここからはベルばらメドレー。つーか、ワタコムトップ二人で次回次々回公演の宣伝みたいな雰囲気も? 衣装は二人とも、娘役同様アプローズ特出時の衣装。
コムちゃんの「我が名はオスカル」格好よかったです。本公演もこの調子で凛々しく男前にやってほしいけど、どうなるかなあ。
「愛の面影」はワタさん。うん、歌だけならいいんだ歌だけなら、ベルばらでも。(あっベルばらうんざりモードが)
そして二人で「愛あればこそ」。ワタさん主旋律じゃない方だ、がんばれー(……見方が間違ってる気が)。

本公演はチャリティで収益の一部をユニセフに寄付すると言うことで、黒柳徹子さんのメッセージがテープで紹介されました。この辺だったかな。

そして祝舞。ミエコ先生の舞におタキ様の影ソロと、非常におめでたくもありがたい感じです。

最後は「花の道より〜花の道賛歌」を全員で。
ショーに出ていたのは、花はみわっち、雪はキム、星はれおんまで。その他の人の出番はここだけ。ここ、全員袴姿なんですが、ショーに出た人は舞台化粧、それ以外の人は普段化粧という間違い探しのような状態になっておりました(笑)。
そしてここでも際立つワタさんの身長。階段の前、本舞台に並んでいるのはトップ陣と専科さんだけなので、目立つ目立つ(苦笑)。一度ともちと並べてみたい……。

『花の道 夢の道 永遠の道』、の『永遠の道』は現役生ステージのタイトル。宝塚の未来が永遠につづくように、という願いを込めたものであるのかなあ、と思いました。
そうでありますように。
みんな「生徒」「卒業生」と呼び、「小林先生」を讃えるとても内輪向け言葉遣いのイベントで正直鼻白んだ部分はあるけれど(失礼)、それをよしとする家庭的なほのぼのとした雰囲気は嫌いじゃないです。
でも、なら、本当にそういう雰囲気を大切にして、劇団員を生徒として大切にしてほしいなあと。

らしくもなく真面目ぶったことを書いてしまって、後で後悔して消すかもしれませんが。

タカコさんの怪我からの回復を心よりお祈り申し上げます。
みんなが元気で、充実した舞台生活を送ることができますように。
いまいち趣旨もわからず友会で当たったので行ってきた訳ですが、楽しかった。行って良かったです。

大劇は既に正月公演モード。入口上の写真も星ベルばらに。みきちぐが美形でびびる。何あのビジュアル系、公安委員ってもしかしてサンジュスト枠だったの!?
専科さんも多数出演の上特出オスカルもいるので組子の写真が少ないような。うめロザリーを見られないのが残念。

さて、『花の道夢の道永遠の道』。
舞台上にオーケストラ。その後ろには木立の間の道を描いた紗幕。
開演時間になり現れたのは司会の檀ちゃん。黄色系の振袖で舞台に花が咲いたよう(でれでれ)。

第一部『花の道』。
小林公平指揮『夜明けの序曲・変奏曲』。20分くらいのオーケストラ曲。
素人指揮+宝塚のオケと言う訳で、推して知るべし。小林先生のためのイベントですからありがたく拝聴。
途中から紗幕が上がり、大階段に並んだ音楽学校生のコーラスが加わる。若い子達が一生懸命歌っているのは気持ちいいです(年寄りくさい発言)。と同時に、この中でも観客を意識して表情作っている子や終始笑顔の子や真顔の子、色々いるなあと思ったり。途中ソロが入り、なかなかいい声ではっきり歌っていてびっくり。
最後ふーちゃんが生徒代表で小林先生に花束贈呈。袴姿で可愛かったです。

第二部『夢の道』
OGさんのステージ。曲目は以下のとおり。
姿月あさと「未来へ」「星空伝説」「タンホイザー」
一路真輝「愛と死の輪舞」「明日になれば」「星から降る金」
麻実れい「君はマグノリアの花の如く」「ああ君を愛す〜はばたけ黄金の翼よ」「愛の賛歌」
鳳蘭「セ・マニフィーク」「さよならは夕映えの中で」「歌いつづけて」

元トップで今も現役バリバリ舞台人である人はやはり力があるなーと。ずんこさんはややクラシック寄りの美声、一路さんは正統派ミュージカル歌唱、麻実さんはシャンソン的な崩しが格好よく、鳳さんはとにかくパンチがある。
最初にそれぞれ宝塚の歌を2曲ずつ。大階段を下りつつ1曲、檀ちゃんとのトークを挟んで2曲目を銀橋で、というパターン。ここは男役を意識したような衣装で。鳳蘭は黒燕尾銀ボタンつき、一路真輝は最初長いローブのような上着で2曲目はスカーレットということで「女になります」と上着を脱ぐと肩だしドレス、沸く客席(笑)。あとの二人はパンツルックでした。
その後、一人1曲ずつ宝塚以外の歌を。衣装もドレスで。
これがそれぞれ良くて、やはりこちらこそがこの人たちの「今」歌なんだなあと思いました。『モーツァルト!』は前に見たこともあり「星から降る金」はついつい泣けました。いい曲だよねこれ。
最後に4人全員で「TAKARAZUKA FOREVER」。皆さん上手いんだけど個性的な歌手であるだけに、全員フルパワーで歌うと揃わなくて笑えてしまった。でも楽しい。4人並んで銀橋での客席アピールにすげーと思ったのですが、ずんこさんは控えめでまるでひとりだけ別の国の人のようでした。時代かなあ。

檀ちゃんは司会頑張ってました。鳳さんには本当に下級生扱いでいじられていて可愛かったー(でれでれ)。
「6回までは間違えてもいい、って植田先生に言われていたけど、今までに何回間違えた?」「記憶では3回です」「じゃあと3回残ってるんだ、よかったねー」って言われてたけど、多分もっと噛んでたと思います……。でも途中その時折々の「花の道より」を朗読したりといっぱい仕事があったし。耳に心地よい声で、良かった。(いや元々好きな声だし)

長くなったので、第3部は翌日欄に。
-----以下公式より引用-----

2005/12/20
湖月わたるダンシング・リサイタルについて(追)
湖月わたるダンシング・リサイタル
『Across』
(第一部)構成・演出・振付/上島雪夫 
(第二部)構成・演出/荻田浩一

2006年宝塚歌劇下半期公演ラインアップについて(宝塚大劇場・東京宝塚劇場)
星組
◆宝塚大劇場:2006年8月11日(金)〜9月18日(月)
<一般前売開始:2006年7月8日(土)>
◆東京宝塚劇場:2006年10月6日(金)〜11月12日(日)
<一般前売開始:2006年9月3日(日)>

ミュージカル
『愛するには短すぎる』
原案/小林公平 脚本・演出/正塚晴彦

船上という限られた場所、4日間という限られた時間の中で起こった束の間の恋。それゆえの純粋さと狂おしさ、素晴らしさを切なく美しく描き出す。

ロマンチック・レビュー
『ネオ・ダンディズム』
−男の美学−
作・演出/岡田敬ニ

1995 年、真矢みきら花組によって上演し好評を博した『ダンディズム!』のような色合いを持つ、宝塚の男役の美学を追求した、ロマンチック・レビュー。激しいダンシング・シーン、熱いストーリー・バレエ、感動的なコーラスと群舞などにより構成された、ロマンチックでエキサイティングなレビュー作品。

-----以上引用-----

ダンスリサイタルにオギー! 大劇が正塚!
うわー神様っているんだ……願いって叶うんだ……。

ワタさんがいるうちに星組で正塚を、は念願でした。悲願と言ってもいい。大芝居しかやらせてもらえないんだろうかと諦めかけていたから。
……と言うか木村谷酒井植田植田+谷、ときて次が石田だったらどうしようかと怯えていました(小声)。
多少ストーリーがゆるくても(失礼)、格好よくてちょっとしみじみするような、とにかく不快感のない芝居ならそれでいい。喜びと安堵で肩の力が抜けております。
あ、梅芸の海外ミュージカルが三木せんせなのはちょっとアレですが、まあそのくらい許容範囲です。

すみません私の世界は星組を中心に動いております。
でも宙組新トップコンビ、かしげ氏&るい嬢には驚きました。

が、驚きが去った後で思ったこと。
かし・るいトップコンビに、二番手タニちゃん。
……通うかも。つーか、博多行くかも。
考えてみると、かしタニでトップと二番手、って、私的3番目と4番目のトップコンビなのかもしれません。(1位2位、以下は団子状態でみんな好きなんで順位付けが難しいので自信ないけど。)
すげー美しい。そして何だか楽しそうだ(笑)。きらきらほわほわ明るそうだ。
るいるいも好きだし、綺麗でスタイル良しで実力も申し分ない娘役さん。
いや本当にビジュアル最強トリオかしもれない。

うん。素直に楽しみです。かしちゃん、るいちゃん、おめでとう。

***

いや、気になることはありますけどね。

実はアンケートの集計が途中なんですけど「その他に好きな人」で一番多く名前があがったあすかちゃんのこととか。「宝塚ファンとしての関心事」でファン以外からも多数書かれていたトウコさんのこととか。花組あんなに男役の宝庫(娘役もだ)で『ファントム』じゃ役無いじゃん、とか。
あ、でも七帆くんのバウ主演は嬉しい。見たい。
雪の景子先生『堕天使の涙』とオギー『タランテラ』も楽しみ。堕天使コム氏と天使の心を持つ地上の少女まーちゃん、とか妄想が広がります(笑)。『タランテラ』もダンサートップコンビに心が躍る。つか、聖少女も妖姫もできるまーちゃんinオギーワールドが楽しみで楽しみで……

……来年も忙しくなりそうだなー。
アンケート今度こそ締め切りました。ご協力ありがとうございました。(20051215 0:05)

***

アンケートは昨日が締め切りでした。滑り込みを期待して本日の適当な時間まで入口は空けておきますが(しつこい)、一旦締めと言うことで。
回答してくださった40名の皆様には心よりお礼申し上げます。皆様が読んでくださっていることを心の支えにこれからも色々書かせていただきます。
結果報告とお返事はそのうちゆっくりやらせていただくとして(そんなこと言ってるといつになるかわからないよ)、とりあえず簡単なところだけ。

問1 贔屓組はどちらですか。

 花 3
 月 4
 雪 4
 星 20
 宙 2
 その他(特になし、全組、等) 7

 やはり星組が多かったようです。つーか多すぎ(笑)。でも嬉しい。これからもあの濃くて熱くてタカラヅカ大好きな人たちを一緒に応援して行きましょう(握手!)。
 
問2 一番好きなジェンヌさんをひとり挙げてください。

 1位(6票)… 湖月わたる、安蘭けい
 2位(3票)… 大空祐飛
 3位(2票)… 和央ようか、彩吹真央、高翔みず希、涼紫央
 以下1票ずつ … 春野寿美礼、朝海ひかる、霧矢大夢、貴城けい、未来優希、水夏希、立樹遥、大真みらん、綺華れい、大和悠河、遼河はるひ
 番外:OGの方々… 汐美真帆(2票)、紫苑ゆう(1票)
 その他:特になし、内緒、等々 … 4票
 
 ワタトウ同率首位です(すげー)。
 3位2票の面子が大変うちらしい結果のような気がします。
 
すみません残りは後日またー。
「問3 上記以外で好きなジェンヌさん」も集計したいのだけど……無理かもしれない(数多すぎ)。でも集計したい。
役替りしないって言ってたじゃん。
いや劇団的に重要なのは「他組からの特出なし」で、組内役替りはたいした問題じゃないと考えているだろうことはわかってはいましたが。でもそこにこだわっていた組ファン。

まあそれはいいとして、気になるのはやはり「踊る淑女」です(え、そっち?)。
「小雨降る径」って羽山先生のダンスリサイタルでコムキムでやってたやつですよね。
ワタさんと特出オスカルの皆様とのデュエットダンスは見たいです。むしろ本編要らないからそこだけリピートさせろって感じです(見る前からそんなこと言うな)。いや本当に「誰を見る?」じゃなくて「誰を見るのを諦める?」って検討してるあたり、劇団の思惑にはめられてるよね。

が、更に楽しみなのは組内役替り。
すずみんとしゅんちゃんかー。楽しみー。
特にすずみんが楽しみです。どうしてもサテュロスを思い出してしまうけれど今回は普通に美人さん路線で来るかなあ(いやあれもご本人的には江角マキコ風だったらしいから)。。羽山リサイタルのキムくんがその持ち味のおかげで妙に毒々しかっただけに、つい期待してしまう。
とにかく、ワタさんと女装すずみんのマジなデュエットダンスが見られる日が来るとは(笑←笑うな!)。いやいや、真面目に楽しみです。

しゅんちゃんもいいけど、既に『シバ』の美女で絡んでいるので、ここはみらんくんあたり持ってきて欲しかったですな。
つーか、今までに、トウコまとぶ(組替えしましたが)れおんゆかりしゅん、そして今回のすずみんと、ワタさんは組内主要男役を軒並み女役にして制覇(?)してることになるのか! すげー。(ちなみにまとぶんはサテュロスS@ドルチェ・ヴィータ!、れおんは蛇@タカラヅカ絢爛)
それともそんなに珍しいことではないんでしょうか。最近ヅカファンになったのでよくわからんのですが。

こんなことが楽しいのは私だけですかそうですか。
ちなみにしぃちゃんは上記から外れていますが、別にそれはやってくれなくてもいいです。

どうも本編のことを考えるのを頭が拒否しているらしい。
空いたアランにはゆかりくんが入るんですか。がんばれ。

しかしこのタイミングで発表というのは友会入力のためなんだろうなあ。
通常公演なら配役、ましてフィナーレの配役まで教えろとは誰も言わないだろうに、さすがベルばらと言うか何と言うか。
更に「小雨降る径」が男役を娘役としてのデュエットダンスなのは、オスカル役だからというのが本来の理由だったと推測するのですが、それももうどうでもいいんだなあ。さすがベルばらと言うか何と言うか。
……はっ、それじゃトウコさんとのデュエットダンスは無いってことですか(今更)。それはそれで物足りない気も(贅沢)。

***

やはりアンドレ役替りについても少し。
色々な方の反応を見ていると、どんな予想を立てていたかによって大きく違うんだなあと。私的には予想の範囲内です。あーでも50点くらいの当たり方かなあ。
とにかく言えるのは、組替えがあってそれで来た人がやる、と言うのではなくて良かったなあと。いやそれは無いと信じていたんですが、信じたいから信じていただけかもしれないし。
しぃアンドレ、れおんアンドレ、どちらも楽しみです。応援してますとも。

***

アンケート実はまだやってます。もうちょっと来ないかなという未練(苦笑)もありますが、私自身が他所様の企画にはぎりぎりで滑り込み、下手したら気がついたら終ってることの多い人間なので。ええ、9月1日から夏休みの宿題をやり始める子供でした。
明日中には入口をふさぎます。

雑談モード

2005年12月10日 宝塚
公式、2005/12/09の新譜案内より。

○TAKARAZUKA in KOREA 2005 
 宝塚歌劇 韓国公演スペシャルリポート
 『ベルサイユのばら−池田理代子原作−』『ソウル・オブ・シバ!!』
 ダイジェスト&ロケ&トーク

……もしかしてこれって、公演内容はダイジェストなんですか?
ええー、そりゃないよー!
ロケ&トークは無くてもいいから。「3人の仲睦まじいトーク」なんかはスカステでやってくれればいいから(私は加入してないけど)。公演全部映してよー。
いや、実のところベルばらは全ツで無かったバスティーユだけでもいいんだけど。『シバ』さえ全部やってくれれば。
でもきっと配分逆なんだろうな。そんな気がする(がっくり)。

***

雪ベルばら2/12(日)午後貸切はバレンタインスペシャルだと言うことが判明。
数少ないわたるアンドレの日に何も当ててくれなくてもいいのになあ。客席の約半数が「よくわからないけどとりあえず見てみようか」な人だと勿体無いんじゃないかなあ。
一瞬、頑張ってチケット取って誰か無理矢理誘って行こうかと思いましたが諦めました。非ヅカファンな男子の知り合いと並んで見るのは嫌です(笑)。

***

ベルナールとジェローデルは星・雪で同期配役だ、と言うことに今更気づいた今日この頃(ジェローデルはダブルキャストだけど)。そんなことが楽しいのは私だけですかそうですか。

***

アンケート明日までやってます。
ご協力いただける方は、上の[Home]からどうぞ。よろしくお願いします。
プロジェクトX『ベルサイユのばら』を見た感想。

パイオニアはやはりすごいんだと思う。素晴らしいものがあったんだと思う。
しかし、あれだけの成功体験をしてしまうと、その後もそれに支配されてしまうのだなあ。縛られて何も見えなくなるんだなあ。人間って恐い。
私もちょっと上手くいった経験を偉そうに吹聴するのはやめようと思いました。

当時の成功と現在の時代錯誤があまりにあまりだったので、らしくもないことを言いに出てきてしまいましたよ。

星組さんが映っていたのはうれしかったです(笑)。
しかしこんなに宣伝して、中身はともかくチケ難にだけはなるんだろうか。どうする気だ全く。
なんなんだこの退団者の多さは(呆然)。
星組が誰もいなかったからすっかり油断してました。

誰でもまず名前を挙げることとは思いますが、特にまちかめぐる氏が。DC、全ツと、いいないいなと思っていただけに。
また緑野さんに「kineさんが褒めるとやめちゃう」って言われちゃうよ。暫く誰も褒めずに黙っておくべきか(無理)。
と言うか、やはり退団を決意するあたりの人は輝きを増して、ぼんやり見ている私の目にも入ってくると言うことなのだと思います。
芝居では地味で手堅いバイプレーヤー、ショーではキレのいいダンサー&シンガーとしてこれからもどんどん活躍してくれると思い込んでいただけに、ひたすら呆然としております。

***

実は、退団者より先に配役を見たのです。
うわ役替りがえらいことに、と眺めていたら、ベルナールはハマコ氏じゃないですか。まーちゃんとは親子が多かったけど今度は夫婦か!
つーか、アンドレとベルナールって絡む芝居あるよね?

……ワタさんとハマコが芝居するところが見られる!?

今更ですが気づいてしまいました。特出アンドレは取れそうもないから無理しなくても、と低かったテンションが急上昇。更に、オヅキと並んじゃったりするかも?キムくんと会話するかも?と想像は広がる。
うわー超楽しみ。
我ながら動機が妙だとは思いますが、メインの人たちについては90周年特出やTCAで並んだりしているので想像しやすかったんで、もういいかなと言う気がしてたんですね。でも脇や下級生まで考えたら俄然楽しくなってきました。絶対見る。

とか浮かれてたら退団者発表で冷や水かけられた訳ですが。

***

退団者つながりで。

歌劇12月号のさららん退団特集を見ました。
何がすごいって、えと文をリスペクトし「さら乱」と呼びかけ、挙句の果てに「ここに残した財産、そのスピリット、俺が預かった!!」と叫ぶサイトー君ってば……(笑)(でもちょっとほろり)。
いつの日か、齋藤吉正プロデュース月船さららを見てみたいと思いました。外部でもいいから。

そしてワタさん曰く「偶然会うと、わたるさ〜〜ん!!と飛んできてくれるかわいいさららん」……か、かわいい。見たいそれ。

歌劇と言いグラフと言いさららん退団特集はそのキャラクタを反映して力が入っていると言うか、ステキでした。写真も力入って凝りまくってすごくキレイだし。グラフの、ファンからのお手紙を敷き詰めて薔薇の花びらを散らした上に寝ているショットが、その発想にさすがさららんと思いつつ、ちょっと泣けました。

***

と、まあ、そんなこんなの今日この頃です。
アンケートへのご協力ありがとうございます。うれしくてひとつひとつコメントしたいくらいの気分ですが、ちょっと今野暮用で色々忙しく、反応は終了後にまた。
あ、好きなジェンヌさんは退団者でも構いません(既に書いている人が)。質問は飛ばしてくれても構いませんので、気が向いたところだけでもお待ちしています。

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