退団者の入りを見届けて、とりあえず何か食べに行く。どこへ行っても白い人でいっぱい。
12時ごろに劇場に戻る。ゲート前の広場で退団者の会が机を並べてチケット出しをしている。チケットを出している人も受け取っている人も白い服。向かって左側に下級生の会。右手にしのぶさんエンディさん、そしてワタさんの会。ワタさんのとこは更にプレートが白い花で飾られている。

13時。
開演アナウンス「星組の、湖月わたるです」で大きな拍手。
芝居は、正塚作品だから、千秋楽だからと言ってアドリブは無し。特別にアドリブが無い分、丁寧な思いを込めた芝居が心に沁みる。

一番サヨナラを意識したのは、実は「一日が終る」でも「フェアウェルパーティね」でもなく。
フレッドが歌いかけて「だめだ、忘れた」となって、バーバラが微笑んで寄り添う、その後の場面だった。ここで、すずみんの甘い声のソロが入ってくるのが私は毎回好きだったのだけれど、今日はいつもと違って。
物語の歌でなく、ワタさんを見送る歌、のように響いた。

夢ならどうか、見果てぬままに
醒めやらずに願えど


すずみん、和くん、ウメちゃん、

今はつかの間、ただこの時を
思い焦がれて、そのまま


そして、れおん。

声を詰まらせ、言葉少なに
片時も見落とさず、何一つ逃さず


勝手な思い入れかもしれないけれど、4人からの惜別の歌のように聞えて。
ちょっと泣いた。

ショー。
今日はワタさんを見よう、と思っていたのに。
「ダンディズムとは…」の場面で、しのぶさんが髪に、ふありちゃんがチョーカーに、それぞれ白い花を飾っているのに気づいてしまったら、目で追わずにはいられなくなった。
その後の「What’s ダンディ」では特に花をつけたりしていなくてほっとしていたら、最後に組長の「♪湖月わたるもお忘れなく」に不意を突かれた。ベタなのに、ベッタベタなのに、不覚にも泣かされた。何だよそれお忘れなくって何だよ何だよ忘れるわけ無いじゃんかよ(逆ギレ)(落ち着け)。
「恋する男はドンキホーテ」ふありひよりが手首に花をつけていて、それぞれドレスと同系統の小さい花で、そのさりげなさにしんみりしたりほのぼのしたり。
「All by myself」エンディさんとみらんくんが、胸に花を飾っていた。二人とも、とてもいい笑顔で。
実は、みらんくんについては、ちょっと心配していたんだ。芝居の最初、いつものように踊っていてもいつもの笑顔でなくて、何だか泣き出しそうなのをこらえているように見えて、大丈夫かなと。
でも、芝居もその後はいつもどおりだったし、ショーではずっといい顔をしていた。何と言うか、キザりとかアピールとかの「作り込んだ男役の虚飾」を脱ぎ捨てたような、自然な楽しそうな顔で、踊ったり歌ったりしているように見えた。ので、ちょっとほっとした。

パレードは、退団者は思い思いに白い花をつけて。
赤い衣装に白い花は映えて、ああ、前回星組で退団者を見送ったときもパレードは真っ赤な衣装だったな、と思ったり。
ワタさんは最後までいつものままで。
そりゃ、白い衣装で銀橋で一礼するときとか、いつもより長く大きな拍手だったけれど。でも特に花をつけるとか何とかではなく、いつものままで。

サヨナラショーの準備の間は、昨日と違って退団者からのお手紙を組長が読み上げ。
涼麻くんまで読んだところで「準備が出来たようです」と。

サヨナラショー。
大漁ソーラン。終始ニコリともせず真顔で気合のしぃちゃんと、やんちゃなヤンキー少年のようなあかしがツボでした(いきなりその二人ですか)。
タカラヅカ絢爛。昨日は立つ人はぱらぱらだったんですが、今日は最初総立ち。みんな踊る踊る。
となみちゃんの「花に誓う」、ワタさんの「愛の三叉路」。
「愛の三叉路」は、必ず入ると思っていた。ベルばらが私にとってどうだったかと言うのはおいといて、「歴史ある宝塚の名作」で、新曲が書き下ろされてその創唱者であるというのは、やはり意味のあることなんだろうと思うから。
「アリベデルチ・ローマ」。しのぶさんの歌は当然ながらシビさんとは全然違う(『ドルチェ・ヴィータ』では耳をつんざく歌声の船長夫人だったもんな)けれど、でも魅力的で。続くエンディはあの日と同じだけれど、あの日よりもっと深く、余計なものをそぎ落としつつドラマを感じられるような歌唱で。踊るトミーはオトコマエで改めてスタイルの良さを認識、やっひーは大人の包容力。ひよりちゃんは可憐で愛らしくふありちゃんは楚々として、でも二人ともどこか凛として。
みらんくんの「1914/愛」。「セーヌの川は知っている」から歌いだすんだよね。最初の、短調のメロディはカットして。客席に語りかけるような様子が茶目っ気たっぷりで、楽しそうで、いい笑顔で、良かった。

そして『王家に捧ぐ歌』。
上手からラダメスが登場。「エジプトは領地を広げてる」お披露目の歌。そのまま晴れやかな顔で銀橋を駆け抜ける。(実は前楽では下手席だったので「うわこっち走ってくる」感覚を味わいました)
歌い終わる頃、下手からアイーダが現れる。銀橋中央で巡り合う二人。「月の満ちる頃」。アイーダはラダメスの頬に触れ指でなぞり、ラダメスはアイーダの首筋に顔を埋め口づけし。それは物語から背景から切り取られているが故に、恋人達の瞬間のより純化された再現で。
そう、二人とも完全に「ラダメスとアイーダ」だったんだ。
扮装まで完璧だったおかげもあるだろうけれど(流石にアイーダは色白かったですが。ラダメスもショー用で口紅赤かったですが。衣装鬘は完璧)、それよりも二人のなりきり具合、入り込み方の力だと思う。
「お互いを思い続けよう」と微笑んで暗転の後、手を引いて二人一緒に銀橋からはけていくのが印象的でした。

やっぱり、始まりの歌、だからかな。
二人が組んだ最初の舞台、出会いの役だから、これは外せなかったし、トウコさんとのデュエットはこれでなければならなかったんだ。
檀ちゃんのサヨナラショーでのデュエットが『風と共に去りぬ』であったように。

「ソウル・オブ・シバ!!」「すみれのボレロ」と続き、再度『王家に捧ぐ歌』から「世界に求む」。
ここで一斉にペンライトがつく。全ての客席に貼り付けてあった(立見の人には入口で配られたらしい)青い、星型のペンライト。
実はこのペンライト、『王家に捧ぐ歌』が始まりましたら振ってください、って書いてあったんですね。
で、前楽では「エジプトは領地を広げてる」でみんな点灯しはじめて。でもあれペンライト振るような曲じゃないし、あれ?と思っていたら、どうやらここで振るのが正解だったらしい。(そのあたりの詳細はジュンタさん9/19日記「しあわせのペンライト」参照)(また勝手に紹介して失礼)
千秋楽でもペンライトの注意書きは同じ。でも今日は見事に、この最後の曲で星の海となりました。いや経験と伝聞の力ってすごいね。
ちなみに前楽のペンライトは細長いスティックタイプで「WATARU」とネーム入りでした。

銀橋でのワタさんのソロから始まる「世界に求む」。
「この世に平和を、この地上に喜びを」
この人の声で聞くと、本当にそう思える。いつもいつも。
やがて組子達が階段を下りてきてコーラスに加わる。アイーダのパートになるのかな「たとえ今は」とみんなと別タイミングのソロは、ここではとなみちゃんでした。一生懸命に呼びかけている、と言う感じの、声。
ワタさんは振り返り仲間たちの姿を見渡す。これもまた、始まりの歌。ワタさんと星組との、最初の舞台の歌。
その背中が何とも言えず、幸せそうに映った。
花と星の白いアーチをくぐる袴姿のあの人はとても美しくて
夢の中の出来事のようでした。

***

朝から晩までどっぷりムラで退団イベントこなして疲労困憊です。
感想とか報告はまた別途。

と言うか、忘れないうちに書きたいことは山のようにあるのです。が、明日からまた平日、現実に戻らねばなりません。「帰りたくないなぁ〜〜」と組長コスで駄々をこねても「じゃこのままいれば」と言われれば「言ってみただけ」と答えるしかないのです。

でもやはりこれだけでは何なので、入りの話をします。
この長い疲労困憊の、しかし幸せな一日の、始まりの話。

***

晴れました。
台風の接近が心配された18日朝、起きてみると台風はどこへやら。そのかわりに最高気温30℃真夏日の予報だが気にしない。ちょっと離れた某ホテル(『愛短』にちなんで海の近くのホテルという企画にもかかわらずホテルから海は見えなかったというオチ。でも遠くに潮の香りはした)(居住性は最高でした)に泊まっていたサトリさんとジュンタさんと私は6時過ぎ起床7時前出発。8時頃花の道に着くと既に人が一杯。
と言う訳で私の立ち位置は楽屋口から遠く、視界は限られております。その点をご容赦のほどを。

退団者の入り。
最初はふあひよ。駐車場側から二人一緒に。野の花が咲いたような愛らしさ。
後から知ったのですが、二人の会服は両方ともふありちゃんのイラスト、白地にブルーがふありちゃん、ピンクがひよりちゃんなのですね。背中のイラストはおそろい。とても可愛らしい。

次はトミー。正面ゲート側から。湖月会のガードの拍手の中をちょっと恥ずかしそうに、でもさわやかに。

青空さっちゃん。素顔化粧に白い会服の姿は、昨日組長が言っていたとおり、感じの良い素敵な女性でした。

みらんくん。会の人たちの掛け声をにこにこと、でも照れているのかうんうんとリアクションを入れながら聞いていました。最後はぶんぶんと全身で手を振って。

エンディさん。やっぱり柔らかな雰囲気の美人さんで。遠目ではわからなかったのですが、楽の雰囲気、大きな拍手に結構泣きそうになってしまっていたそうです。

しのぶさん。ギャラリーや湖月会のガードにVサインして見せたり、茶目っ気たっぷりに。ふわふわと何段も布を重ねたような白いスカートが印象的。

9時半を過ぎ、残るはワタさんのみ。途中同期の嘉月さんがガードからの拍手に照れながら楽屋入りしたりしつつ。

湖月会のスタッフさんが、何やら台車を押してガードの間の通路を走っていく。
そう、台車。その辺のスーパーとか宅配業者とかが普通に荷物を運ぶような青い台車。但し、金銀各種モールで飾り付けられているけど。
何に使うんだろう? つか何を載せるんだろう? ……まさかね。
そうこうしているうちに楽屋口が騒がしくなってきた。星組子一同が出てきたらしい。みんなブルーの運動会Tシャツや星組ジャージを着てます。
と、やはりブルーのTシャツを着たしぃすずれおんの3人がガードの端の方、正面ゲート側に走っていく。何しに行くんだろう?

そして。
車が楽屋口に横付けされ、ワタさん登場。ショーの幕開き風の丈の長い白チャイナもどきにソフト帽、お茶会の会場入りのときの格好。そのときは気がつかなかったけれど、チャイナの下の白いズボンの裾にも黒で中国風模様が入っていた。ガード、ギャラリー沸き立つ中、ワタさんは手を振りつつガードの端の方に歩いていく。一旦私の視界から消え……戻ってきました。
肩に金モールのマフラーをかけ、台車に乗って。
そう、台車。さっきの青い台車を金モールで飾りつけたやつ。
台車を押しているのはすずみんとれおん、しぃちゃんはワタさんがバランスを崩して倒れたりしないよう支えてます。いや、そりゃ人を乗せるためのものじゃないから安定悪いけど、だからまさかこれに乗ってくるなんてと思ったけど。そこまでしてやるのか!この3人はそのためにさっき走ってったのか!(呆)(大ウケ)
ワタさんはにこにこ笑顔で手を振ってました。沿道大喜び。

台車(に乗ったワタさん)が楽屋口に到着すると、組子一同お出迎え。太鼓の音と歌。遠くてよく見えなかったけれど、太鼓を叩いていたのはトウコさんらしい。
歌は、『歌劇』の座談会で言っていた星組伝統のお誕生日の歌、の替え歌。運動会でも使っていたよね。

♪今日のこの日に、卒業するのだあれ
♪大劇場の真ん中で、湖月わたるが光ってる

手に手に、今までのワタさんのスチールをプラカードにしたもの(これもモールで飾りつけ)を持っていて、歌にあわせて掲げたりしている。私からは見えなかったけれど、運動会同様スコート姿の人もいたらしいです(ゆうほ氏とかあかしとか)。
みんな楽しそうだ。

歌が終って、大盛り上がりで組子の皆さんが楽屋に入って言った後、楽屋口にはワタさんと会のガードの人たち。せーの、で掛け声。
「わたるさんは私たちの一番星です。写真なんかなくても憶えていられるようにしっかりと目に焼き付けます」
ワタさんから「よく憶えました」とお褒めの言葉あり、笑いが起こる。
「いってらっしゃい!」
その声に手を振って、ワタさんは楽屋へと消えて行きました。

この、組子総出の、手作り感に溢れた、ワタさんへの温かい愛情に満ちた入りのイベントに、泣けた。
来て良かった。見ることができて、この空間を共有することが出来て良かった。
大好きだ。ワタさんも星組も。

今日が、大劇場の真ん中に立つ最後の日。
でも、ファンの人に笑顔でサービスしながら楽屋入りするワタさんはいつものワタさんのままであるように見えて、いまひとつ実感の湧かない千秋楽の入りなのでした。

サヨナラショーやご挨拶、出の話はまたいずれ。

***

9/19追記。

台車に乗った写真が公式に載っていました。(多分リンクは切れるのでコピペでどうぞ)
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=115854302224043&;;genre=star
やっぱり微妙に高校の文化祭テイスト。その手作り感が愛しい(笑)。
あ、マフラーは白でした。よっぽど金モールの印象が強かったらしいです自分。
記憶があるうちにさっさと参ります。

『ネオ・ダンディズム』フィナーレ後、サヨナラショーの準備をしている間英真組長が緞帳前で退団者のご紹介。
以下覚えている範囲なので不正確ですが。

湖咲ひより。
ひよりちゃんは頑張りやさんで、いつも笑顔が可愛くて、朝からのお稽古でちょっと嫌だなあと思っているようなときでも「おはようございます」と挨拶してくれると、自分もよしやるぞという気持ちになりました。
「おはようございます」は何と英真さんによるひよりちゃんの物真似、会場大ウケ。あまりの拍手に本当はもっとかわいいんですよ、とかえって慌ててました。

真白ふあり。
その名前のとおり、白くてふんわりした可愛い女の子ですが、その他にも彼女らしい素敵なイラストやポエムを書く才能も持っています。そんな作品をいくつも見せてもらいました。

涼麻とも。
とみはバレエが大好きで、バレエのレッスンは欠かさず出ていました。男役としてのダンスにもそれが活かされていて、いつも素敵だと思っていました。

大真みらん。
ももこは、バウ『イーハトーヴ』で清六さんという賢治先生の弟をやっていてとても可愛かったのを憶えている。それがこの間のアクロスでは、こんなに大人に。なってと思った。
ここで組長、感極まって泣いてしまいました。客席から拍手。

青空弥ひろ。
さっちゃんは普段はとても可愛い女らしい女性で、なのにベルばらのデュガゾンという腹に一物あるような役を見事に演じていて、立派な役者になったなあと思っていました。
(全ツ、ヨルゲンゆうほ氏へのナイスフォローを思い出しました)

高央りお。
エンディは昔から歌が好きで上手で、『うたかたの恋』の影ソロをオーディションで、私も挑戦したんですが(笑)、上級生達もいる中で研3で勝ち取りました。新人公演のフランツ・ヨーゼフも味わい深い歌でした。

しのぶ紫。
彼女と初めて組んだのはバウホール公演(作品名を言ってましたが失念)でその時は病弱な妹で、お兄ちゃんお兄ちゃんと慕ってくれました。その可愛い妹が今は今は愛人(客席大ウケ)、いや、魅力的な女性です。

湖月わたる。
わたるは、入ってきたときはとても可愛くて、でも妙に大きくて。可愛い子には旅をさせろといいますが、その言葉どおり旅をして立派になって星組に帰ってきました。主演男役に就任してから、退団を発表してからは本当に厳しいスケジュールでしたが、責任を果たし結果を出してきました。どんなときも負の気を出さない、ひたむきに明るくけなげな背中を組子一同ずっと見てきました。

いつもながら、原稿を読むのではなく自分の言葉で、涙あり笑いありの、素晴らしいご挨拶でした。いや、やや涙が多かったかな。

そしていよいよサヨナラショー開幕。

客席が固唾を呑む中、上手セリからワタさんセリ上がり。
その衣装(と髪型)は、大漁ソーラン!

ちょっぴり涙味だった客席一気にテンションアップ。
ワタさんはそのまま銀橋を渡り本舞台へ。「星組ソーラン、用意はいいかぁ!」の掛け声に幕裏から地鳴りのような応えが。
幕が開くとそこにはソーランの衣装に身を包んだ星組子一同が!
そのままソーランに突入。似合う。男前。娘役も男前。つかきんさん目立つ。
一同背を向けると背中に「星」の文字。そしてしぃちゃんとれおんがワタさんの背中の「星」をはがすと「卒」の文字が!(泣)

怒濤のソーランの後は『タカラヅカ絢爛』。ワタさん黒金に衣装替え、銀橋渡りに客席下りで客席煽る煽る(笑)。「皆さん歌ってますかー?」客席総立ち、まではいかないまでもぱらぱら立って踊ってました。

次はとなみの『花舞う長安』、本舞台を横切りつつしっとりと。去年のTCAで着ていた白地に模様のアオザイ姿で、蓮の精の化身のようでした。

『愛の三叉路』白燕尾でワタさん。ワタさんのために書かれた曲。

『アリベデルチ・ローマ』。ドルチェ・ヴィータのときの曲。シビさんの歌っていた歌をしのぶさんで、ワタさんと檀ちゃんのデュエットを赤いドレスのとなみちゃんと。となみちゃんのややぎこちない感じに時の流れを思う。
そして途中から、青空・真白、涼麻・湖咲のペアが加わり、ソロはエンディに。あの日を思い出す。差異と相似。

その後はフニクリフニクラ、では残念ながらなく。
『1914・愛』やはり白い衣装のみらんくんのソロで。本舞台を横切りながら、背景には星空。
ある意味、サヨナラショーで一番ぐっと来た瞬間はここだったかもしれない。ワタさんはトップなので、功成り名を遂げて卒業していく感じはある。でも。
歌は正直ちょっとアレだったけれど(ダンスで一場面でも良かったのにね、準備が大変なんだろうね)、本人がいい顔で歌っていたので、それでいいのだ。

みらんくんが上手にはけた後、上手からワタさん登場して『王家に捧ぐ歌』。
って、完全にラダメスの衣装で!(鬘ちょっと微妙でしたが)
銀橋で「エジプトは領地を広げてる」を歌いきります。客席ヒートアップ。
そして下手からアイーダ登場! トウコさんも衣装完璧でセリ上がり、アイーダになりきってます!
「月の満ちる頃」を二人で。台詞つき、キスシーンまで。
あまりの驚きに涙も引っ込みました(は?)。
つか、サヨナラショーでキスシーンを演じるトップ男役と次期トップってありですか。
トウコさんありがとう。

二人があまりに完璧なコスプレとなりきり具合だったので、幕が開いたら全員が王家の扮装で立ってたらどうしようかと思いましたが、そんなことはなくて。
『王家』の後は、立樹涼柚希の3人で『ソウル・オブ・シバ!!』。黒燕尾。シバ好きだったんで、個人的には嬉しかった。

幕が上がると大階段に黒燕尾。すみれのボレロ、韓国公演バージョン!
すごいよ、揃っているよ、かっこいいよ。
みんなありがとう。

そして、最後の曲『王家に捧ぐ』から「世界に求む」。
ワタさんがひとりで歌い、銀橋を渡る。そして大階段を下りてくる組子達のコーラス。
みんな歌っている。あのときエジプト人だった人もエチオピア人だった人も。出演していた人もいなかった人も。

幕が下り、また上がって、カーテンコール。

1回目。ワタさん「こんなに穏やかな気持ちでこの日を迎えることが出来るとは思っていませんでした」客席への感謝と、明日、そして東京公演も頑張りますのでよろしくと言うようなこと。
2回目。「私ですよね」とちょっと戸惑い(?)つつ。
3回目。「泣くまいと思っていたのですが」と。「大漁ソーランで今日の舞台稽古までみんなの背中に「星」とついているのを知らなくて、それを見て感動してしまいました。(振りを)憶えてくれてありがとう」と言うようなことを。
4回目。幕が開くと退団者並び、声を合わせて「ありがとうございました」。

このくらいだったかなあ。
幕が上がってワタさん一人、と言うのもあったような気がしますが、忘れてしまいました。間違ってたりしたらこっそり教えてください。
カーテンコールを通じて、みらんくんが挙動不審(?)でした。手の振り方とか歩き方とか、ぴょこぴょこして、可愛かった。「ももちゃん」と言う感じで。
すずみんがいつもの泣きそうな顔でした。れおんくんも顔をくしゃくしゃにしてこらえようとして、でも泣いていたらしい。しぃちゃんがいつもの笑顔で、ほっとさせてもらえたり。

いいサヨナラショー、いい前楽でした。
怒濤の群舞、お稽古大変だっただろうに、ありがとう。
つか、前楽でこれだけカーテンコールって、あり?(笑)
ザッツ星組クオリティ、大好きだ。

前楽を観ていて、涙が出そうになるのは、たいてい幸せなシーンで。みんなが楽しそうなパーティとか、フレッドとアンソニーが酒を飲んでる場面とか。ショーで、ワタさんが登場する、その瞬間とか。
泣くのは、幸せだから。
あの人も、そうだったらいいな、と思う。

と、言う訳で。

2006年9月16日 宝塚
新公感想が途中ですが、これから出かけます。
9/17,18と宝塚へ、台風がそれるよう祈りつつ。

まだ全然実感が湧きません(苦笑)。こんなんじゃ後から喪失感がキツいんじゃないかと思ったり、まだ東宝があるしと思ったり。
チケットや宿泊や交通機関の手配は淡々とやっているのですが。

ところで、ジュンタさん9/15日記に感動しました。
http://diarynote.jp/d/73628/20060915.html
TCAスペシャルの話なのにみきちぐの名前が4回も。
素晴らしすぎる。これからもちぐ担兼すず担としての活躍に期待してます。(もちろん大和煮えは大前提)
『愛するには短すぎる』新人公演の感想の続き。
ちなみにこれを書いている今は1ヶ月以上経過しております(苦笑)。せめて東宝の新公前にはと焦り中。

さて。
よく新人公演では難しいと言う正塚芝居ですが、その辺はあまり気になりませんでした。まあ今回は正塚芝居星組バージョンという感じだからなあ。自然な台詞回しでありつつ、常時テンション高めなあたり(笑)。

主要3人以外のキャストについて。

ブランドン=鶴美舞夕
カワイイおじいちゃんでした(笑)。
そんでもって、すごい上手い。動作とか台詞の言い方とか。あのまやさんの役で、きちんと笑いをとっていて拍手喝さい。基本的に本役踏襲なんですが、いい味出してた。

マーシャル船長=水輝涼。
緑野さんと二人、結構楽しみにしていた配役のひとつ。二人で「本役のしぃちゃんに似た感じになるんじゃないか?」と言ってたんですが、蓋を開けたら全然似なかった。本役はB型だけど新公はA型と言う感じ(それ本人まんまじゃん)。どっちも真面目に真面目にやってるんだけど、時に真面目が行き過ぎてちょっとずれてる本役に対して、ふつーに真面目な船長さんでした。
それは周囲のクルー達とのバランスのせいでもあり。3件目の盗難のとき、エリック=碧海りま君はリストをまともに読めないボケキャラだし(本役みきちぐは呑気な口調だけと普通に読んでいる)、マーガレット=羽桜しずくちゃんはレモネードのくだりで船長に迫ってるし(本役みなみちゃんは常時淡々)。そりゃ孤軍奮闘で大変だよなあ、ご苦労さま(苦笑)。
あと彼について思ったのは、実は笑顔が板についてないんじゃないかということ。
そう思って普段の公演を見ていると、ショーでも、笑うと妙に年相応と言うか困り顔が入ると言うか。シリアスな真顔は格好いいのに。キャリオカの黒燕尾とか、娘役ちゃんをエスコートするときの伏目がちな表情とか、大人の色男の風情があるし。でもパレードのダブルトリオも、上手のカマちゃんの自然な笑顔に比べて、何かぎこちない……。
妙なところが不器用だなあ。そういうのちょっと可愛いかも(笑)。
多分今回のキャストだとフランクとかめちゃ自然にはまったんじゃないかと思いますが、そうでない役をやるのも新人公演の醍醐味かと。

マクニール=夢乃聖夏。
彼も結構苦労してそうに見えました。
まず第一に、鼻の下が伸びてない!(笑)(でもそれが大事)
だから、「女好き」に見えない。ドリーの自殺騒ぎでオロオロする姿も、本公演でやってる謝り倒すクルーと同じに見えちゃうもんなあ、難しいんだろうなあ。

ドリー=音花ゆり。
と言う訳で、マクニールが女好きに見えないとドリーが空回るんだなという。
コロちゃん、すごく上手かったし、可愛かった。丸くてふくふくしてトランジスタグラマー。マリリン・モンロー系の、色っぽくて頭足りなそうだけどしたたかででもかわいい女の子を好演してました。本役のうめちゃんより役にあってたかもしれない(だから一層、マクニールが女好きに見えないのがバランス悪かったなと)。歌もちょっとだけど、良かった。
それにしても、となみの衣装をうめが着て、うめの衣装をコロちゃんが着てると、なんかすごいなーと思いました(笑)。

笑いを取るって難しいんだな(本公演見た人ばかりで初見の客がいないとは言え、「呪われた航海」でも「ヒロインだ!」でも笑いが起きなかった)、逆にドイちゃんすごいな、と言っていたら、緑野さんに言われました。
「イロモノだと割り切れればかえってできるんじゃないの?」
納得。
二枚目半は難しい。

では、純粋に二枚目役はどうだったかと言うと。

フランク=麻尋しゅん。
まずは、子役少年役女役以外が回ってきて良かったなあと。
出来も良かった。声や台詞回しは大人の男だし、悪そうでもある。アンソニーが借金を立て替えた後の去り際のニヤリ笑いも凄みがあった。但し、やはり童顔が残念ですが。持ち味や方向性に容姿が追いついてくるといいなあ、と思います。

デイブ=紅ゆずる。
すっとした二枚目で、良かったのではないかと。いや、ふつーに格好よかったこと以外は、正直あんまり印象に残ってないんだけども(ごめん)。演技をしている姿は『シバ!』の楽屋番と『龍星』のだらんしか記憶に無いので、今回でシリアス芝居もちゃんと出来るんだなと。
コロちゃんのドリーがデイブの後押し無しで一人で誘惑できそうな子だったから、余計影が薄かったのかも(笑)。

逆に、完全にイロモノと言うか脇キャラの方々も、最初に書いたドイちゃんを筆頭に大健闘でした。

ロバート・ストックトン=七風宇海。
これまたすごく良かった。外見も、短く立てたツンツンヘアでキャラ立ってたし、台詞とかふつーに上手い上に、特別な強調した演技はしていないのに何だか存在感と言うか味がある。これからが楽しみな人だ。

スノードン伯爵=一輝慎。
今のあのド金髪は本役である組長に倣ったんですか?(素)
演技も基本的に本役踏襲だと思うんだけど、素で楽しそうに見える(笑)。妻と愛人の間で焦りつつ飄々とした懲りない男、というキャラであれば老け役である必要もないし、実にイキイキとノリノリでやってました。

キャサリン=華美ゆうか。
そのスノードンの愛人。お芝居も良かったけど、特に、仮装舞踏会の歌がすごく良かった。心地よい美声で聞きほれました。

オレステス=天緒圭花。
これは、ちょっと苦労したかなと言う印象。本公演での役がクルーなせいか、偽クルーとして出てきても全然違和感がなくて怪しくない。やはりにしきさんのあの存在感は若者にはなかなか難しいんだろうなあと。

エレクトラ=初瀬有花。
が、こっちは本役のきんさんに負けてませんでした。恐かった。カツラ取って啖呵を切るところで客席がどよめいたもの(笑)。若い分、スケバン的な凄みがあった。
やっぱり娘役(女役)の方が出来上がるのが早いってこともあるんだろうなあ。

その他。
バンドメンバーはあれだけの出番ではあまり印象に残らず。が、体操のお兄さんが妙に大仰で暑苦しいと思ったら、デイモン=壱城あずさ、君だったか!
リリー= 妃咲せあらはふつーに可愛く。あれだけの出番で印象を残すコトコトはやはり上手かったんだなと。
避難訓練は新公でも気合入って楽しかったです。ザッツ星組クオリティ(笑)。
星組新人公演『愛するには短すぎる』感想。見たのは9/5。
まだ本公演の感想もロクに書いてないのに何ですが。

「和くんとあかしのメイクが違いすぎて、画風の違う漫画家の合作を見てるみたいだった」
と言うのが、見終わっての第一声。
だって、和くんは御曹司を意識してかいつもより薄めと言うか柔らかい感じのメイクだったし、あかしはいつもどおり、つか金髪碧眼のイメージなのかむしろ濃いくらいだし。慣れるまで時間がかかりました。
何故かウメちゃんはどっちと並んでもあんまり違和感無かったです。

メイクはさておき、和くんのフレッド。
等身大、な感じでした。
正塚芝居はナチュラルさを求められるので、結果「等身大」な感じになるのかなと。
印象は、普通。普通に格好良かったし、普通に上手かった。
と言うか、フレッドって普通の人なんだなと再認識しました。真面目で真っ当、むしろ地味なくらい。本役のワタさんは力技で主人公、物語の中心として持ってきているんだなあと。(それが、研18トップスターの「等身大」ということなんだと思いますが)

キャリア、そして持ち味の違いで、新公のフレッド君がどんな奴に見えたかと言うと。
より真面目な「自分から何かを望むことは無かった」人間に見えました。
年のせいもあると思う。本役が青年期からの卒業、つまり色々未整理なものを抱えているけれどそれなりに大人で人生を楽しむことも知らないわけじゃなくて、この航海がモラトリアム最後の日々なのに対し、新公は今まで周囲の期待に応えることでいっぱいいっぱいで、未整理なものにやっと気づいて悩み多き青春時代に足を踏み入れてしまった、という感じ。
真面目で、若くて、センシティヴな悩める青年。
……もしかしたら、台詞だけ読んでいくとそっちのフレッド像の方が台本どおりだったりして、とちょっと思ったり(苦笑)。

対するヒロイン、バーバラはウメちゃん。
柄違いの役に苦労することが多かったように見える今までと比べ、今回は似合っているんじゃないかと予想していた。実際、自立した、でも寂しさや叶わなかった夢も隠し持っている女性、自然で時にぶっきらぼうな正塚台詞は合っている。
と言うか、似合いすぎる。
クラシカルな女の子であるとなみちゃんが正塚芝居をしたときの「敢えて」やっているような感じ、そこから生まれる色合いというか味があって、それがヒロインらしさになっているんだなあと思った。
要するに、甘くない。
勿論それがウメちゃんの個性であり、魅力的なバーバラでした。

それぞれのキャラクタはありだと思う。むしろ正しいかもしれない。
が、この、若くてまだ包容力は無くて自分のことでいっぱいいっぱいなフレッド君と、孤独を抱えつつも甘くない自立したバーバラの組み合わせだと、どうなるかと言うと。

ラブストーリーとしてなかなか盛り上がってくれません(苦笑)。
だって、甘くならないんだもの。さりげない台詞のやり取りだけじゃ。むしろ本公演では「いきなり古臭くなる」と不評の「愛するには短すぎる」主題歌デュエットになってやっと、ああこの二人愛し合ってるのね、と思えたり。
ちなみに盆回りのキスシーンは回りの歌い継ぎ4人に気を取られて見るのを忘れました(痛恨)。

くさしているように聞えるかもしれないけれど、決してそうではないです。
役者が違うと違う芝居になるんだなあとか、やはり本役に宛てて書かれているんだなあとか、トップコンビのラヴラヴ力ってすごいんだなあとか、当然と言えば当然なことを思いました。
黙って見つめ合うところも頑張ってはいましたが、そりゃあそこまで二人の世界を作れと言っても無理でしょう、ふつー(苦笑)。

もうひとり主要人物、アンソニー=あかし。
一番自由自在にイキイキしていたような気がするんですが(笑)。
基本的にはトウコさんのアンソニー踏襲なんだけど、自分のものにしているように見えた。と言うか、こういうキャラクタ似合うよね。お調子者で周りに呆れられたりして、でも実は熱いハートの友達思いのいいヤツ。

フレッドとのやりとりは、同期同士なおかげが気のおけない雰囲気が出ていて、いい感じでした。フレッドがより真面目君なせいか、アンソニーはよりお調子者に見えたりしたけど(笑)。和くんが台詞飛ばしたところ(あと2日)も何事も無かったように畳み掛けてナイスフォローだったし。
ちなみに「アンフェア」のところの振りは本公演と同じでした。変えてくるかと期待したのに。リフト(?)はかなりあかしが協力しているのが見えましたが。真面目で端正な和くんも彼なりにテンション上げて頑張ってた、んだと思います。「金持ちの友達を見つけるとか」の体当たりの顔芸にはびっくりした。あれちょっとやりすぎ(笑)。でもその意欲は買う。

あ、あかし氏は歌も頑張ってました。幕開きのソロも大丈夫! すごい上手いって訳じゃないけど、ちゃんと真っ当に歌ってました。
(すみませんヤンブラで「勢いで誤魔化し系?」とか思ったりしてたもんで。杞憂だった、良かった良かった)

何だかんだ言って、組替え直後の新公主演と言うのは大変だったと思います、和くん。
最後ご挨拶で「何度も自分に負けそうになりましたが」と言ったり、感謝の言葉を述べたとき泣いてしまって、湖月さんと言おうとして「こづっ」と詰まってしまったり。印象的でした。うん、頑張ったんだね。(詰まったときに「がんばれ」と客席から声がしたのは多分ワタさんだったんだと思う)ちなみにあかしが、あちゃー、という感じで顔を伏せたりしていたのも印象的でした(笑)。
すごく個人的な、勝手な思い入れで申し訳ないのですが、これから星組で活躍していくだろう和くんが、ワタさんの最後の公演で新公主演をしてくれて良かった、と思いました。
(あかしの新公主演を見たかったと言う思いもありますが、それはまた別の問題として)

そして、ラストシーンのフレッドのコートがベージュだったのを見て、やはりあの白は退団仕様だったのかなと思ったり。(結局そっちから頭が離れない)

その他のキャストについては別欄で。
ちなみに今回の新公のMVPは私的にはあかしとドイちゃんです。コロちゃんと華美ゆうかちゃん、そしてゆっちの話も書きたい。(以上次号予告)(いつ書くんだ)
今更、宙『Young Bloods!!』の感想。

とーとつですが、私は珠洲春希が好きです。

初めて認識したのは『ファントム』。たまたま前方端席に座ったら目の前で踊っていて、従者軍団の中で一番小さいのに一際シャープなダンス、そして何より邪悪な笑顔に惚れた。
その後『ラスパ』うって変わってふつーのかわいこちゃんな公園の学生、『ステラマリス』赤い革ジャンが私服の従業員、『炎』パリアをひったてるやっぱり邪悪な笑顔の兵士、『ネバー』何故か脚本家達と一緒に歌うバーテン、キメ台詞は「まだお預け喰らってんの」と、毎公演愛でてまいりました。

で、今回の『Young Bloods!!-Cosmo∞(コスモ無限大)-』(聖闘士星矢でも始めるのかと思ったこのタイトル)。

1幕は芝居、『Earth or Sky 地か天か』。
いきなり黒ずくめで踊ってます。手塚漫画の軍服みたいなデザインの衣装にベレー帽、黒髪長髪。
本編が始まると黒眼帯も追加。更に途中から長いマントもつけちゃうぞ(動きにくそーな)。
役どころは「アニメに出てくるような悪役(本人談fromナウオン)」。気に入らない部下マーク(いりす)にわざと事故で瀕死の重傷を負わせモルモットとしてサイボーグに改造させ、言うことを聞かなくなったら部下をひきつれて始末しに行くものの敵わず(ここのへたりこんで助けてくれとわめく姿が絶品)、でかい武器(『スカウト』でみわっちが持っていたプラズマ銃もどき)持ってリベンジ、民間人への被害を心配する部下をぶち殺して黙らせ「俺はお前が嫌いなんだっ!」……て、おい(脱力)。
色物でヘタレ入った美形悪役。
私の見たかった珠洲春希がそこに!(喜)

え、お話ですか?
時は西暦2056年の未来、刑事マーク・テンスバーグは自己で瀕死の重傷を負うもサイボーグとして改造され復活、犯罪者逮捕に大活躍。けれど昔の恋人ジュリエットにも人間じゃないと恐れられ、何も感じない機械の体に悩むようになる。そんなある日彼は自然と話せるらしい不思議少女クララと出会い心癒されるが、彼女は実はマークを改造したカシー博士の妹のコピーであるアンドロイドだったのだ。一方、マークの弟分チートは不良のリーダーになっていたが、力を求めて自分もサイボーグに改造しろとカシー博士を脅迫する。駆けつけたマークの鉄拳「馬鹿野郎!」に改心するチート。だかそこへスズリー刑事部長が言うことを聞かなくなったマークを破壊しにやってきた。そもそもマークが事故に遭ったのはスズリーの陰謀だったのだ。「俺は人間だ」と叫ぶマーク。そして……
えーと、どうやらマークは死んでしまったようです。悪役刑事部長スズリーの勝ち? 悪が栄えて終わりですか?(ぽかーん)
でも、チートはやり直すことに決めたらしいし、妖精さんは可愛く歌ってるし、ニュースキャスターは「あなたは生きていますか!?」とか熱弁しているので、一応「いい話」的ラストシーンのつもりのようですが。
同じ回を見たハイディさんはお怒りのご様子でしたが、私はこれがヤンブラクオリティじゃん?とあまり気になりませんでした(それもどうかと)。大学ミュージカル研究会の作品のリメイクと聞いて納得。
に、しても悪が勝って終わりにはちょっと腰砕けましたが。収拾つかなくなって主人公殺しちゃった感は、サイトー君に通じるものが……。

ま、それはおいといて。
2幕、ショー『Hot Blooded COSMOS』でも珠洲まつりは続く。
華凜もゆるちゃんと組んでのチャールストン。上手い、かわいいー。
そして怒濤の女役。まずは赤いドレスで情熱的なスパニッシュの女。正直、一人で出てきたときは、やっぱ一人で舞台を埋めきる華はちょっと足りてないかなー(脇の人だもんなー)とか思いましたが、いりすと組んでのデュエットダンスが、もう、格好いいったら! セクシーでしなやか、野性味溢れる美女。手先や脚の動き、ドレスさばきの表情が魅惑的で、目が離せない。
もうひとつはジャズ。黒髪ショートボブに黒いドレス(が、私が観たときは金髪鬘だった気がするんですが、記憶違い?)、クールで挑発的なスパニッシュの女に対し、情感豊かな生き生きした女性。いりすと出会って、戸惑って、でも惹かれていくその感情のゆらめきが表情の変化で手にとるように伝わって、すごく魅力的で、カッコいいけど可愛かった。
すごい、マジすごい。こんなに上手い人だったのか、知らなかった。
勿論、フィナーレは男役に戻って誰よりもキビキビ踊ってるし。
私の見たかった以上の珠洲春希がそこに!(大喜)

と言う訳で、珠洲が舞台に出ている間はずっと釘付けだった私ですが、ちゃんといりすも見てましたよ。
芝居は前述のとおりのお話だった訳ですが、いりすの熱演と持ち味で何とか乗り切った、と言う気が。いや出演者全員熱演で、勿論そのおかげですが。
演技巧者と言う訳じゃないと思いますが、熱演。ハートフルでホット、いっそ暑苦しい持ち味で、彼女への「ごめん、ごめんな」とか弟分への「馬鹿野郎っ!」とか、なんかいいよなーと。それでも「タンポポが咲いてる」には思わず笑いをこらえましたが(失礼)。関係ないけどへたり込んだチートを後ろから抱きかかえる構図は、雪ヤンブラでもかなめとせしるで見たような気が。
ショーでも、歌はあまり得意じゃなそうでしたが、ダンスもまだまだ大きい体と長い手足を持て余している感じでしたが(並みの大きさじゃないし。これからどんどん格好よくなると思う)、不器用ながら全力投球な姿が好ましいです。全力投球なんだけど、持ち味のせいかキリキリした感じじゃないんだよね、どこかおおらかで楽しそうなの。客席いじりの「十輝星からやってきたいりす星人」と言うキャラ立ても本人のぼけぼけしたキャラクタに、ま、いっかという気分になるし、ウエスタンのカントリーボーイっぽさも似合ってる(褒めてます)。
……つか、ホットでハートフルで暑苦しくて不器用でおおらかな大男なんて、私が嫌いなはずないじゃんか(苦笑)。
脇のユーモラスな役柄でも魅力的な人でしたがセンターも十分行けると思うんで、これからも活躍の場があるといいなと期待してます。

そして、珠洲が出ているにも関わらず私がいりすに釘付けになったのは、ご多分に漏れずパリレヴューの場面でした。ええ、ダルマです。巨大極楽鳥ですよ。
でかい、脚長い。本当に長い。(口あんぐり)
その巨体(失礼)で、がしがし踊りまくる。にこりともしないのも迫力だが時折笑っても迫力。しかも長いんだこの場面。
もうすごいとしか。これは生で見といて良かった。語り草になります。

その他、気になった方々について。

大海亜呼。
やっぱ芝居の役は合ってなかったんだね(苦笑)。ナウオンでもみんなに言われてたもんね。いや、上手かったけど。特に歌はすごく上手かったけど。新公従者でキビキビ踊っていて注目した人なんでダンサー認識だったけど、何でもできる人だったんだ。オールマイティなお姉様役者としてこれからも楽しみです。

華凜もゆる。
第一印象は「うめちゃんに似ている」。全体的な印象の話です。顔が小さくてめちゃくちゃ細くて手足が長くてダンスが男前、ってところが。芝居、赤い革ジャンと黒いホットパンツの不良少女が似合うこと似合うこと。チートに置いていくなと言う時の体当たり演技も好きだ。でもチャールストンの白い衣装も可愛かった。特徴ある顔立ちなので、大劇場でも見つけられるといいなあ。

蓮水ゆうや。
一応、この人が二番手という位置づけ?(珠洲は別格)若手アイドルと言う感じで彼もまたキラキラ全力投球、良かったですよ(やる気とアピール心のある美少年には弱い)。
芝居(チート)も良かったけど、キスシーンはまだ修行中でした(ご丁寧に同じポーズで2回と言うのは本当に練習ですか藤井君)。

舞姫あゆみ。
芝居はヒロインだよね?(ジュリエットがヒロインだと思って見ていたら違って軽く混乱した)。アンドロイド美少女クララという(藤井君の)メルヘンドリーム全開の役、大変でした。でも歌ったり踊ったりするとすごい上手くて、きれいで魅力的だった。

雅桜歌。
芝居ではオーカー署長です。スズリー刑事部長の上司です。ど派手な金髪ロン毛鬘とオレンジ色の特撮悪の幹部チックな衣装に着られてました。
が、ショーではやたらと目についた。すごいアピールしてるんですよ。顔ゆがめるほどキザったり笑ったり。そーゆー人は好みです。これからも頑張っていただきたい。

風羽玲亜。
芝居ではアナウンサー氏。他の役と絡まずニュースを読みに出てくるだけの損な役回りですが、滑舌良くて通る声で、良かった。最後の「あなたは生きていますか!」もいきなりメッセージ性を求められて難儀な台詞ですが、熱演してくれて良かった。

澄輝さやと。
芝居でジュリエットの求婚者。オタク設定で本人の歌も芝居もまだまだ下級生ぷりとあいまってすごい駄目っ子キャラになってましたが、それだけに印象強かったです。可愛かった(笑)。大海亜呼ちゃんとは釣りあいそうもないけど……。

結局YoungBloodsは月以外4組見てしまいました。(あ、雪の感想書いてない)(どうせせしるピン撮り(至福)でしたが)
言っても仕方の無いことですが、全体を通じて思うのはやはり芝居のクオリティ。ワークショップだから学生演劇でいいって訳じゃないと思うんだが。来年のれおん、キムのバウは似たような位置づけなのかもしれませんが、今度は芝居1本ものなんで(ショーでごまかせないんで)、その辺何とかなってるといいなと希望してます。
この土日も大劇場でした。土曜日2公演と日曜の11時公演、1階前方、2階、1階後方と色々な席で。何となく疲れていたせいか、逆にあまり感情は揺れなかったです。ある意味勿体無い。
が、2階席で見たときに芝居の最後銀橋ソロ「忘れたりするものか」のところでオペラ越しに目が合った……っ!
流石に動揺しました。勿論錯覚に過ぎないとわかってちゃいるんですが(苦笑)。

9日の15時公演は湖月会総見だったんですね。2階A席殆ど真っ白。開演アナウンスで拍手ありでした。
他はアドリブは特に無かったけれど、パレードで銀橋から戻るときに投げキス飛ばしてました。

前方席下手で見たとき、ショーで一番アピール来たのはしゅん君でした。ヒゲ部でもあのチョビひげをものともせずキザるキザる。そんな君が好きだ。

で、今週末もまた行きます。

***

書く予定のこと。
・宙YoungBloods感想
・星新公感想
・星大劇(本公演)感想 ← 肝心のこれをまだ全然書いてない

***

シングルコレクションCDとメモリアルブックも当然購入済です。
メモリアルブック、木更津のロケでのエピソードがいいです。こちら↓
http://www.sankei.co.jp/enak/sumirestyle/2006/sep/kiji/05sumireBookWataru.html
撮り下ろし写真は数は多くないながらバラエティに富んでいてそのサービス精神に感謝。個人的には白いTシャツで振向いたアップにくらっときました、あれやばい(誰も聞いてない)。

***

前回と今回、スカステ視聴可能なホテルに泊まったのでにわかスカステTVっ子してました(観劇で6時間外出した他は1日中部屋にこもってTV見てた日も)。
ナウオンもWhat’s upも勿論見ましたが、すずみんDS『l’Avenir』にやられました。何あれマジ格好いい。惚れそう。
コーラスの子達のコントもテンション高くてすごい。ディナーショーのMCでこんな気合入れて仕込みしてるの初めて見た。やっぱり主演の個性が反映されるのか。
「世界に求む」では泣かされかけました。だってサウフェが歌ってるとか一瞬思っちゃったからさ。
が、「今度のバウで悪役をさせていただける」とうれしそーに語る姿に笑いました。だってその後の顛末を知ってるとねー。残念だったねー(笑)。

と言う訳で、「楽屋を出てもお客様から石を投げられるような悪役をやりたい」と言うすずみんにどんな役がいいんだろうと考えてみました。
スカルピアなんてどうだろう。
しぃうめ涼で『トスカ』!(結局そのキャストなのか)
しぃカヴァラドッシ、うめトスカ、すずみんスカルピア。うわすげーいい。
そしたら、堂守はみきちぐで決まり。オペラでは名前だけしか出てこないアッダヴァンティ侯爵夫人はみなみちゃんで登場させたい。アンジェロッティは誰でもいいけど(をい)、サトリさんへのサービスでゆかり君に。スポレッタはどうしようかなあ。二の線を前面に出すなら水輝氏、ヘタレ風味で行くなら一輝君でどうだろう(単なる趣味)。スズハルキ氏が星組ならそれでもいいんだけど(更に趣味)(そもそも『トスカ』見るのにスポレッタ役にこだわる奴はいない)。
以上、意味不明上等なネタで失礼しました。多分誰にも通じない。『トスカ』は通じてもこのキャスティングに首をひねられそうだしなー。実現しないのは承知で脳内上演だけで沸騰して楽しかったので自分的には満足。

***

そんな感じで日々過ごしております。
まだ東宝があると思うせいか、なかなか実感が湧きませんな。
るいちゃんも行くのか。

色々思うところはありますがオタクで妄想癖のある私の脳内では「陰謀渦巻く国を捨て自由を求めて新天地に去る王子と追いかけてきた姫君「置いていくなんて許さないんだから」強気な顔でにらみつける姫の目には涙、笑顔で抱き寄せる王子。草原を馬で駆けていく二人。重臣たちが慌てふためく中「行っちゃったな」とちょっと寂しげにしかし二人を祝福してすがすがしい笑顔で呟く弟王子」と言う、いがらしゆみこか原ちえこかというレトロ大河少女漫画ラストシーンが脳内上演されております。
いや、かしるいたにで兄弟王子と政略結婚でやってきた勝気な姫君、最初反発していたが二人の間で揺れ動く恋心、なんてのを見たいと言い続けてましたから。とりあえず今は深読みよりも妄想と言うか夢想で現実逃避中(引かれてる引かれてる)。

超今更ですが、宙コパの感想です。
書き散らかしてまとまらないので放置していましたが、アップしておかないと無かったことになってしまいそうなので。私的に。
見たのは8/5の2公演。もう1ヶ月も前なのか。

とか言ってリコの話から始まったりするんですが。

***

リコは、人間じゃないんじゃないだろうか。
この人は本当に年をとらないんじゃないだろうか。
時のたつのは早いと言うコンチータに「俺は年をとったなんて感じやしねえんだ」と怒るのも、本当に年をとらないからじゃないの? 年をとらないから、定命の人間の感覚が理解できなくて、苛立つ。
人外の生物だから、他の人間達と感覚が違う。誰かの命を奪うのも、誰かに恋をするのも。
彼は、ローラに本気で恋をしている。だけど、わからないんだ。クスリを使って無理矢理連れてこられた彼女が、自分に怯える理由が。ただ不思議そうに首を傾げるだけ。

この世ならざる人、人ならざるもの。

……なんてことを考えながら見てました、大和悠河演じるリコ。
いや、最初は、何考えてんだろうなー、何だかキャラがつかめないなーと思ってたんです。でも、観察してもよくわからない。
と言うより、現実感が薄い。普通に喋って、歩いて、相手に触れたりもしているのに、それなのに他の人たちと同じ次元に立っていないように見える。
その印象をより強くする原因は、圧倒的な美貌。ぴっちりと整えられたオールバック、ありえない小顔とスタイル。美しい。
そして端正。気障ったり凄んだりといった過剰な表現はない。表情はある。しかしあくまでも端正。
その全てがアンリアル、現実感が無い。
もしかして、こいつ人間じゃないんじゃないか?

そう思ったら全てがつながって腑に落ちた。
こいつ人間じゃないんだ。だから人間に見えないし、何考えてるかわからないんだ。
リコはローラに真剣に恋をしている、恋に落ちたように見える。少なくともその表情、その眼差しはピュアな少年のような、静かな情熱。
なのにやってることは薬物使用と誘拐監禁。
でもキスしようとしてローラが怯えているのを見るとそれ以上無理に迫ろうとはせず、手を離す。
このギャップも、普通の人間の感覚と断絶があるからではないかと。ちなみに星コパの安蘭リコがキスを途中でやめる姿はローラをいたぶって楽しんでいるかのようで、うわ怖、と思いましたがそれはそれで不思議ではなかった、わかりやすかったんですよ。

まあ人間じゃないというか「少女漫画に出てくる美形」的なアンリアルさでもあった訳ですが。そう思うと完全な一方通行ではなくて三角関係が見たかったかもしれない。普通に心優しくカッコイイ恋人と、理解しがたい存在だが自分を愛している美形悪役(悪役はちょっと違うか)との間で心ならずも揺れ動いてしまうヒロインの思い。

……伝わらない気がする。博多でジュンタさんに語ったときは我ながら完璧な説明だと思ったんだが(苦笑)。

ラリったようなタニリコ語りから始めてしまいましたが、以下キャスト別に参ります。

トニー/スティーブン=貴城けい
かしちゃん歌上手っ!
いや、普通に上手い人なのは知ってたけど。でも上手い。きれいに歌うだけじゃなくて「ダンシングフール」の最後のドスの効いたシャウトとか、すげー格好いい。や、初見のあととにかく歌を大絶賛してたら何故か誰もついてきてくれなかったけどな(苦笑)。他意はないですよ他意は。
スティーブン役は、もうちょっとほのぼのしたほわほわタイプで来るかと勝手に思っていたんですが、予想よりも普通に二枚目でした(一体何を期待してたんだ)(デニスみたいなイメージがあったらしい)。
「エルブラボー」の白シャツ海賊ルック剣を構えて高速せり上がりはコパカバーナにおける主役最大の見せ場だと思ってるんですが(星コパで買った舞台写真はこの1枚)、これがまた格好良かった。王子様が助けに来たよ!
上手いしきれいだし、格好いいし、そんでもって優しくて誠実。理想の彼氏、って感じだ。
なのにフィナーレ客席に向けての「皆さん立ってくだぁ〜さい!」がめちゃくちゃカワイイモードで顎外れました。さっきまであんな男前に決めてたのに、いいのか!?(笑)(褒めてます、褒めてますってば)

ローラ/サマンサ=紫城るい
綺麗で可愛い、そんでスタイルいいなあ。
一生懸命頑張って空回って上手くいかなくてしゅんとなったり、トニーに意地張ってみたりつんつんしてみたり、すげーかわいい。「髪の毛から藁がでてきそう」な程の田舎娘には見えなかったけど、これも持ち味。

で、この新トップコンビですが。
すげーお似合いでした。
何というか、トニーとローラ、スティーブンとサマンサと言うよりも、かしるいがお似合いで幸せそうで見てて楽しいなあと言う感じで。いや、作品をちゃんと見るという考え方からすると邪道かもしれませんが、でもコパはそんな大層な話でもないしな(あ、言っちゃった)。
フィナーレでニコニコ笑いあう二人が本当に良かった。きれいで可愛くて幸せそうだ。(枕詞のように「きれいだ」とつけたくなるのも新コンビ、と言うか宙組の持ち味かと)

コンチータ=遠野あすか
相変わらずの上手さですが、星版よりコメディ度が上がった感じ。周囲とのバランスか演出の変更か。エルブラボーのソロでわざと声を詰まらせてみたりとかね。
ところで、トロピカーナでリコがコンチータに「年なんだよおばさん」と言う場面、星組では他のおねえさまたち(きんさんとかしのぶさんとか)がコンチータと一緒に「まあああっ、ひどいわっ」と言う感じでショック受けてたんですね。コンチータに対しても「大丈夫?」と共感している感じで。でも宙はそうじゃなかった。宙のおねえさまは自分をおばさんなんて思わないから他人事と言うことなのか、それとも星がやりすぎなのか(後者かもしれない)(でもちょっとコンチータがさびしいそうかも)。

サム=蘭寿とむ
……えーと。
役の設定を若くするのもいいけどもうちょっと二枚目でも罰は当たらんのじゃないのか。いや、らんとむはおバカな僕ちゃん役にも全力投球で、きっちり笑いとってましたが、見る側としてはなー。
本編が若いのでラストはサマンサの兄弟とかで出てくるのかと思ったら、何故かパパのままだし。それじゃつながらないんじゃ。
それでも「美貌は伊達じゃない」で気障り、フィナーレでは一番はじけて出てくるらんとむさんがステキでした。

グラディス=美風舞良
キャスティングを聞いたときは正直驚いたんですが、キュートだし上手かった。「あたしはコパガールよ」のナンバーも歌い踊りこなしてました。小さい舞良ちゃんの後ろを頭に黄色い羽根つけた大きいるいるいがひょこひょこついていくのが可愛かった(笑)。今まであまり場が与えられてなくても、やれば出来る人だったんだ。
サム同様に若い設定になって、グラディスというキャラの位置づけ自体が中途半端になっちゃってましたが、それは彼女のせいじゃないしねぇ。
前述の「あたしはコパガールよ」でも、ローラが「王子様に会ったの?」と聞いた後のタメがないんですよ。2回ともそうだったんで演出家の指定なんだと思うけど、ここで観客に「え?ウソなの?」と思わせて次の瞬間更にそれを迫力でひっくり返す、面白いところだったのになー。グラディスとサムをどうしたいのか、全体的に意図不明な変更でしたわ。

スキップ=初嶺麿代、ウィリー=悠未ひろ
スキップがオカマじゃなかった(呆然)。
普通の、ちょっとカッコつけたお兄ちゃんでした。逆に星では普通だったウィリーはちょっとテンション変な奴。キョドったりルールどおり行かないと大騒ぎしたり。
……やっぱり個人的には逆で見たかった気もします。オカマじゃないのは残念ですが、カッコつけ振付師のともちも見たかったし、キョドり気味制服美人のはっちゃんも可愛かったんじゃないかと思うし(勝手なこと言ってごめん)。
二人の凸凹コンビぷりももう少し面白くなりそうで歯がゆい。きっと後半日程はもっと違うんだろうなあと思うと今回限りの観劇なのがちょっと残念。

あと、右京さんが随所でカッコつけてて見ていて楽しかった。ローラが店に来るところ、 彩苑さんと二人で追い返してました。「風と共に去りぬ」が大嫌いなんだ、という台詞が消えたのは近く大地真央様が博多座でやるからですか?
脇で気になったのは春風君。何だか目立つぞ君。

全体的に、まだ始まったばかりと言うのを考えても星組版より大人しいと言うかスマートな感じかなあ。より宝塚らしいと言えるかも。個性が出て良いかと。

うん、はるばる博多まで見に来てよかった。かしちゃんと宙組。

***

一ファンが、と言うか自分がこういうところで書けるのはこういう観劇感想とか妄想配役(は?)とか、そんなもんだと思っているのです、本来。5日はつい感情的になりましたが。
今回この件で色々掲示板とかブログとかを読んでまわりましたが、「そういうことは劇団に直接言うべきだ」というご意見があって、成程そのとおりだなあと。自分の気持ちのはけ口とか読みたい人が読んでくれればいいとかでなく、本当に伝えたいことがあるならば、確かにそうすべきだ。普段はそういうことはしない、無責任な一観客でありたい人間ですが、今回は考えてみようかと思いました(限りなく無駄に近いと思っても選挙には行くのと同じノリで)。

ま、それはそれとして。
博多で、TCAで「かしるいお似合い! 宙組きらきらしてる! かしちゃんすげーいいトップさんになるよ!」と感じた気持ちのままに、次の宙公演は楽しみに見に行きます。ちょっとその前にも色々あるもんで通いますとまでは言い切れないところがつらいですが。
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2006/09/05
宙組主演男役 貴城けい 退団のお知らせ
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何てことだと言えばいいのか。
何てことしやがると言えばいいのか。

何のためにと言えばいいのか。

かしちゃんとこれからの宙組に素直に期待していた人、幸せになれと涙を飲んで送り出した人、色々なわだかまりを乗り越えて受け入れようとしていた人の気持ちはどこへ行くのか。

いや、一般論じゃなくて。
私自身が期待していたんだ。
博多で、TCAで、トップ内定してから輝きとオーラを増してきたかしちゃんと、きらきらした宙組の並びを楽しんでいたので。これからどんな舞台が見られるだろうと楽しみにしていたので。
夢見ていたので。
……だってあんなに「新生宙組」って言ってたじゃん。

何がどうしてこうなったなんて、本当のところは一観客には知る由も無いんだろう。
でも、もし昨日今日に決まったことでないなら、もっと早く言えばいいのに。
わかっていたら博多にも行ったし、コンサートのチケット取りも本気になったのに、と言う人もいるだろうに。

いろんなことが間違っている気がする。
夢を売る劇団が、人の心をないがしろにしてどうするんだろう、と、義憤でなく私怨であるのは承知で、でも思う。
9/3は湖月茶でした。
いつもどおり憶えている範囲で参ります。今回は特に記憶の欠落が激しい。

入場。
ドアにスポットが当たり、『ネオ・ダンディズム』のオープニング曲がかかり、場内期待。
ところがなかなか現れず。じらすじらす。どうやら公演と同じタイミングで登場するつもりの模様(仕方がないので男役板付き大階段を脳内再生)。
そしてついに登場。ソフト帽に白チャイナ!……もどき。
や、本物の衣装とは違いちょっとだぼっとした手作りっぽいやつだったんですが、それでももちろん歓声の渦。歌いながら通路を練り歩き目線を配り、しかも途中お立ち台で止まったりして、行く先々で嬌声が。途中からトウコさんの歌う部分になって、ここ歌えないんで、とか言ってましたか。

ひな壇にたどりついて一旦着替えタイム。そう言えばコパのときもそうだった。
白い、上着の丈がちょっと長い変わった形の白いスーツで再登場。そして乾杯。今回はシアター形式なので客席はペットボトル。一斉に足元の袋をごそごそやって取り出す姿に「面白いですね」と一言。あ、ご本人はオレンジジュースのようでした。

質問コーナー。
この作品について。正塚先生の作品が『二人だけが悪』以来久しぶりで、お稽古場から新鮮だったと。フレッドについては「共感できる、気持ちがわかりますね」。こんな男性が実際にいたら?に対しては「ステキだと思います」場内拍手。フレッドとアンソニーどちらが自分に近いかは、フレッドだそうで。
そのフレッドを演じるに当たって気をつけている点は「御曹司ってところですね」何故か場内笑いが。両親を亡くして孤児院で育って、というところをきちっと作らないと人物像が伝わらないのでその辺心がけているそうです。
フレッドが継ぐ会社はどんな会社ですか?には「すんごい会社です」(笑)。ナンシーと結婚したら造船会社も、で、とにかくすごい会社だと。
アンソニーとはいつどこで出会ったんですか?は「どうでしょうね」と言いつつ、一応設定はアメリカの大学で知り合って、その後も一緒に留学していた、だそうで。
留学中は何を勉強していたんですか?は「経済とか経営とか(笑)。主席だったんですよ」キャサリン=しのぶさんの台詞に「主席で卒業されたとか」と言うのがあったんですが、時間の都合で削られてしまったそうです。
好きな衣装は「どれも好きですが、ベージュの上着にブルーのシャツ」「御曹司ぽいじゃないですか。いいシャツ着てる、って感じで」。
仮装パーティで好きな衣装は、にはちょっと悩んで「海賊かな」一番踊りやすいんだそうです。他はマントとかすごくて大変で、踊っていてもみなみちゃんを転ばせたりしないかと心配になってしまうんだそうな。
船の上で好きな場所は「やっぱりデッキですね。海を眺めて」。あと自分の部屋もすごくいい部屋なんだろうと「アンソニーがうろついてるかもしれませんが(笑)」。
ブランドン役の未沙のえるさんのこと「おかしいですよねー、なんであんなに面白いんだろう」。最近は途中でも救命胴衣を着せようとする気配を感じるので、絶対着ないぞ!と頑張っているそうです(笑)。でも実は着てるとすごく暑いらしく、まやさんはずっと着っぱなしなので大変そうだと。
二人で見つめあっている時、何を話しているんですか?「何も。見つめあうだけでいいんです」確かにあの場面はねー、あの二人の世界っぷりはすごいよねー(盗難事件そっちのけで毎回オペラピン撮りな私)。
バーバラといるときの歌について。「あれはDreamと言う曲で、歌ってと言われて思いついた、好きな歌だったんでしょうね。でも最後まで憶えてませんでしたけど」何か思い出があるのかもしれませんね、と。
好きな場面は、どこも好きだけれどと考えて、ラストの一人になるところを挙げてました。台詞も「クラウディアと別れた後の独白。一番最後の「愛するには短すぎる」じゃなくて、その前」「フレッドの心情を表す台詞なので」。船に乗ったときとの違い、船を下りるときはこれからの人生に対して腹をくくった、その変化を出そうと。
最後幕が下りるときの気持ちは、には「すがすがしい感じです」。
が、フレッドのこれからは?には「どうなるんでしょうね、ナンシーと結婚するかしないか。会社は継ぐけれど、ナンシーとはどうでしょうね」。バーバラとはいつ再会しますか?には「いつか再会すると思います。でもアンソニーと結婚してたら嫌ですね。「僕の舞台に出てるよ」とか言ってね、子どもなんかいたら泣きますよね、自分ひとりだけひきずってて」。
……実は未練たらたらですか?
ちなみに、もしバーバラが「私を連れて逃げて」と言ったら?は「もちろん一緒に逃げます」即答。わたるさんがそういう立場だったらどうしますか?は、私がバーバラだったらってことですか?と不審げに聞き返して「そもそも結婚を約束した幼なじみがいないので、ありえません」と逃げられました(笑)。
あ、あと、小切手の金額は?は「皆さんそれが気になるみたいで」と言いつつ「ご想像にお任せします」でした。

ショーの話。
私も真矢みきさんにキャーとか言っていたので、今回その続演で嬉しいと。ロマンチック・レビューシリーズでは『ナルシス・ノアール』に出ていたけれど、その時は色々な場面に最下級生で出していただいていて、早替わり室がとても遠くてショーの間中ずっと走り回っていたけれど、今は出てすぐのところで、我ながら偉くなったなあと(笑)。
ここは見てくださいという見所は、に、ちょっと考えて「パンパミーアのところで鞭が顔に当たるんですよ」人に当てないようにと思うと自分に当たってしまうんだそうで。それはともかく(笑)「惜別の場面の最後」一人舞台上に残ったとき、劇場全体の空気を感じているんだそうで。
鏡の間の場面、娘役さんに囲まれるご気分は?「そりゃいいですよ」。でも、トウコさんが「ダンディズムとは」と語っている中で女の中に男が一人状態はプレッシャーだそうです(笑)。
ダンディズムにちなんで、男の人の仕草でダンディだと思うのは「今回実際にやってますが」帽子をかぶってすっとなでるような仕草を。
デュエットダンスの後銀橋で一礼する場面がありますが「嬉しいですね、アンコールライトを当てていただいて、有難いです」。その日のお客様への感謝を込めて礼をしている、と。
失敗談は?には「特に無いですね」芝居で二度ほどフォークを落としてしまったら、取替えに来てくれてびっくりした、ショーではパンパミーアの場面で、歩きながら帽子の紐を結んでいるのだけれど、一度上手く結べなくてこのままじゃ途中で落ちると思ってさっさと外して投げ捨ててしまったと。
「そのくらいですかね」と言うワタさんに不審げな客席。「何?何かありましたっけ?言いたいことがあったら言ってくださいよ」
どうやら銀橋でつまずいたことがあったらしいです。そういえばありました、何故かつまずいちゃったんですよね、と言って「はい、これでもういいですか?他にありませんね?」と。

この辺で握手コーナー、だったかな。その後はプレゼント。今回ゲームはありませんでした。
参加者からのプレゼントは、目録によると「アンティーク家具」。飾り棚だったかな。
そして、歌のプレゼント。
「Acrossから、「Across」」
……いや、正直予想してなかったんで、今回の公演の歌だろうと思っていたんで、心の準備が。多くの人が同じ思いだったらしく、歌い終わった後はシーンとしてしまって、独特の空気に(苦笑)。

握手でまいたので余った時間で再度質問コーナー。
TCA、「月夜歌聲」。「これは皆さんのリクエストで実現して、私もコムちゃんもそれぞれショーとかでは歌っていたんですが一緒に歌うのはあのとき以来で」リクエストのおかげ、と言うことで有難いです、と。

そして今回の新兵器。スタッフさんが何やら箱を持ってきました。中にボールが入っていて貼ってある紙のお題に添って語ってください、とのこと。「(こんなもの準備して)握手まく気満々でしたね?!」とワタさん。
これも全部は憶えてませんが。

「同期」偶然同じ年に入っただけで年齢も出身地もばらばらで、組が分かれたら一緒に過ごすのはたった2年間だけなのに、でも何かと手伝ってくれたり助けてくれたり、舞台も見に来てくれたり、大切な存在だと。
「大好き」大好きについて話すんですか?広いテーマですねぇ、と言いつつ一言。「皆さんが、大好きです」拍手喝采(笑)。
「客席」開演前のウォーミングアップを花道でやってるんだそうですが、そのときに誰もいない客席を見ながら、ここが1時間後にはお客様で埋まるんだな、皆様今あちこちからここへ向かっているんだな、と、その気を感じているときが好きだと。あと初日お客様が入った状態の客席の感じも好きだし、と。開演アナウンスの「湖月わたるです」にわーっと拍手が来るのがやっぱり嬉しいそうです。
「音楽学校」私はよく知らないんですが、音楽学校の場所が昔と変わったんだそうで。その昔の音楽学校に向かう道を歩いていると、寂しいと。「私が掃除していた頃は塵ひとつ無かったのにっ!」って。皆さんも機会があったら歩いてみてください、だそうです。
このコーナーが終ったあとスタッフさんが、ボールは会場に投げて皆さんへ、と。客席騒然。どこのアイドルコンサート会場だというノリで奪い合いに(笑)。後ろの方は届かないだろうと思っていたら意外と届いて、俄然色めき立つ後方席。天井に当たって跳ね返っちゃったのもありましたが。

ボール投げの前だったか後だったか、とにかく、最後の方の質問。
わたるさんにとって宝塚とは何ですか?
「夢を叶えてくれた場所です」ときっぱりと答えていたのが印象的でした。
わたるさんにとって男の美学ならぬ、男役の美学とは?
「どんな場面でも衣装を着こなしてその男として在れること」

今後の予定と、最後に一言。今後の予定は細かい日付とか無しでがーっと言って、で、一言。実はあんまりよく憶えてないんですが。
宝塚に入って音楽学校から考えると20年。その中でこんなにも多くの人と出会えて、幸せだったと。まだ先はあるので最後までついてきてくださいと。
そしてこの機会を作ってくれた湖月の会のスタッフ、アシスタントにもありがとう、と(いい人だ)。スタッフの皆様涙目でした。

最後も通路を練り歩いての退場でした。サービス満点。

どうでもいいことばかり憶えていて、大切なことを忘れてしまっているような気がします。ま、割といつもそうなんですが。

今回、握手は左手でお願いします、とのことでした。
昨日までTCAだし、翌日は新公の舞台稽古で9時半入りだそうだし、多分疲れていたんだと思います。
でもそんなこと全然出さないで、にこにこ笑って、真っ直ぐに話して、一人一人に目を見て握手して。
この人は最後までこうなんだろうな、と思いました。いや、ジェンヌさんはみんなそうなのかもしれないけれども。
15:30公演、観て参りました。
今回の遠征はTCA、星大劇、お茶会、宙ヤンブラと盛りだくさんで記憶容量を超えております(もったいない)。
憶えているところだけでも、と言う訳で星組中心の感想で参ります。

【第一部】
プロローグは全員で「レビュー記念日賛歌」。今回は9/1,2と言うことで、レビュー記念日も兼ねている?らしい。衣装はパールっぽいラメの燕尾。
次いで専科、組トップのMC。中継会場にもご挨拶。アサコさんが東京、コムちゃんが名古屋、ワタさんが大阪、だっけ? ワタさんが「私映ってますか〜?」と言うと轟さんが「はみ出してます」とツッコんでました。その後、今回のプログラムについて等々。雪出身の3人がノバボサで何の役をやった千拍子に何回出たと言い合う中「何も」「0回です」と仲間はずれ状態のワタさん(笑)(大きいだけに何だかユーモラス)。瀬奈アサコさん(轟氏談)はさっさと逃げてました(違うよ次の準備があるんだよ)。

各組コーナーは、それぞれレビュー作家特集。
月組は白井鐵造。ワインレッドの衣装でシックで大人っぽい雰囲気でした。めおちゃんもふつーに一緒に出てました。
雪組は高木史朗。シルバーグレーの衣装。どこだったか、コムちゃんが銀橋で歌っているときの水まーリフトが圧巻(Acrossでワタウメでやってたような、まーちゃんが水くんの首に手を回した状態でぐるぐる回るやつ)。

星組は内海重典。
センターから青い衣装のワタさん、ポーズでせり上がり。せり上がってきてそのまま更に上へ、どこまで上がるんだと思ったら、ちゃんと降りてきました。キメまくってタメまくって歌うは「グラナダ」。かっこいい。立樹涼綺華柚希和麻尋の6人が明るい水色の衣装で両側に(そしてこの並びだとセンター3人でオペラ固定になる私)。
続いて「ザ・レビュー」トウコさん、となみちゃん、そして琴陽月南海の娘役3人も加わって。「ファイン・ロマンス」トウとな、「白い花がほほえむ」となみんと娘役3人、「君ありてこそ」トウコさんソロ……すみませんこの辺知らない曲なせいか記憶が。
「ボン・ビアン・パリ」しぃすずゆかり(前日観劇のサトリさんから大喜びの速報が)、ちょっとコミカルな明るい感じの曲。次に「世界はひとつ」れおん和しゅん。単に学年順の組分けですが、ちょっと面白い。れおんくんて、少人数口の最下になることは多くても若手のセンターになることはあまりなかったような気がするので。両側に和くんしゅんくんを従えて、なかなかバランスいい感じでした。
「タヒチの歌」ワタさん。黒燕尾に青ベストに衣装替えして再登場。
そして全員で「パレード・タカラヅカ」で銀橋。この「パレード、パレード、みんなで行くのだ♪」という歌詞が、星組っぽくて何だか嬉しかったです。

宙組は鴨川清作。
ある意味新しい宙組の大劇場お披露目、白くてキラキラしてキレイだった、輝いてた。いやーうっとり!
他の組がスーツ系なのに、宙だけトロピカル衣装だったんですね。真っ白で。それがまたフレッシュな感じで良かったなあと。かしるいたにの銀橋とかあったんですが、本当にキレイでキレイで、ビジュアル最強だなあ。
いきなり「鴨川清作先生は〜」みたいな歌でちょっと驚きましたが、でもまあ、この作曲家のラインナップで鴨川清作というのは当たりなんじゃないでしょうか。派手で聞き映えのする歌が多いよね。かしちゃんのハッタリの利いた「アマール・アマール」格好良かった。

そして、轟さんとトップ娘役4人+あすかちゃんの宝塚名曲集。途中「ブギ・ウギ・パリ」で82期男役とトップ娘役陣が絡む場面があって楽しかった。が、既に組み合わせを忘れている……。

【第2部】
プロローグは二番手格5人を中心に、まずはトップ以外全員、赤い衣装で「シトラスの風」「サザンクロス・レビュー」。
ついで、きりやんの歌う「ゴールデン・デイズ」。やっぱ上手いなー。82期4人を中心に若手男役と。
水くんで「ザ・ビューティーズ」。歌なしでダンスのみ。城咲、琴、陽月、美羽の娘役4人と絡むのが色っぽくてかっこよくていいですな。みんな髪型とか凝って綺麗にしてるんですが、それでもどこか男前なウメが何とも(好きだ)。
トウコさんの「愛の天使」やっぱ上手いなー(その2)。銀橋で歌っている間、本舞台ではしぃちゃんがいずるんとみなみちゃんの二人と踊っております。オイシイです(笑)。前回のTCAでもいずるんと組んでなかったっけ、ゴールデンステップスだったかな。
タニちゃん「ハイパー・ステージ」これも歌少しでダンス中心。や、適材適所でよろしいのではないかと(真顔)。後ろでキムとともちが対で踊っていて、何を狙っているのかと。でもキムは常時アピール全開の笑顔で見甲斐がありました。
本舞台にそのメンバーが残っている中、上手からゆうひくん、下手からあすかちゃんで「Joyful!!」、そしてそのまま全員で大合唱。
5人でちょっとMC。今回の曲の何に出ていたとか、そのときのトップさんは誰とか。タニちゃんとゆうひくんは同じ答え(当然か)。

次は「夢のデュエット」と称してトップ男役娘役組み合わせを変えて。
「うたかたの恋」コムるい。サイズ的に?とか思ってたんですが、そもそもコムちゃんに合うのはまーちゃんしかいないんだなと再認識。二人とも単体ではすごく雰囲気が合っていたし、並んでもるいちゃんが頑張って見せてました。
コムちゃんは『アルバトロス』での皇太子が印象強かったので、白い軍服で出てきた瞬間にハッとしました。研ぎ澄まされた未来の無い感じが、残っているような気がして。るいちゃんもピンクのドレス似合ってました。

「Night and Day」ワタまー。これって『Across』でゆかりとやってたやつだよね?と何だか不思議な気分に(笑)。
ワタさんは緑の総スパン、まーちゃんも緑に白いレース。まーちゃんは小柄で妖精さんみたいだけど、大人なマダムもできるからなー、格好良かった。ワタさんも楽しそうで二人いい感じで、軽やかに踊っていて見ていてもすごく楽しかった。

「ME AND MY GIRL」かしかな。二人ともカワイイなあ!
私はシリアス二枚目のかしちゃんも好きですがほわっと可愛いのも好物です。かなみんも可愛い。再演希望があるのも成程と。

「エル・アモール」あさとな。
となみちゃんは豪華なドレスが似合うなあ。アサコさんの白い闘牛服もすげー似合ってました。

そして。
「月夜歌聲」湖月わたる、朝海ひかる。
上手セリからワタさん。歌いながらゆっくりと銀橋を渡る。そして下手セリからコムちゃん。
ウェンフー=ワタさんが振り返ってアンシア=コムちゃんをの姿を認めたときの顔と言ったら。この上なく愛しい存在を見出した瞬間の、愛する喜びに満ちた、相手を包み込むような笑顔の輝き。そしてコムちゃんの、ワタさんを見つめる信頼しきった瞳。
正直、朝海ひかるはもう男役として完成されすぎて、衣装を着ても女性には見え難かったのだけれど(男役化粧のままなせいもあるだろうけど)。
でも、そんなことより、愛が見えたので。離れていた恋人同士が、互いを見出した瞬間の輝きが。
見ることができて、良かった。ありがとう。

最後に銀橋中央で抱き合った後、下手にはけていくときにワタさんがコムちゃんの手を引いて歩く姿に会場から笑いが起きてました。微笑ましい(笑)。

ミュージカル特集。各組二番手中心に。衣装は全組黄色の燕尾、でしたっけ?
「Singin’ in the Rain」タニちゃんと宙組。改めて見るとやはりこの面子だとらんとむが小さい……が、がんばれー。
「ハウ・トゥー・サクシード」きりゆひと月組。
「Too Darm Hot」水くんと雪組。去年のTCAでトップ歌い継ぎでやってましたね。水くんこの歌似合うと思います。格好いい。

「COPACABANA」トウコさん・あすかちゃんと星組。リコとコンチータ再び!(大喜)
よく見るとコパに出てたメンバーはその他にコトコトとゆかりくんだけなんですが、みんなノリノリです。むしろその分を取り戻すかのように(笑)。センタートウあすの後ろで楽しそう踊ってるしぃウメすずみんの『フェット』トリオが愛しい。ウメちゃんの髪型がはじけてました(いつもか)。

「OKLAHOMA」轟さん中心に、ここまでの出演メンバー全員で。大盛り上がり。

その後は各組トップが1曲ずつ。
「丘の上のジョニー」瀬奈じゅん。
「ジュテーム」貴城けい。私はかしちゃんの気合入った宝塚歌謡がかなり好きらしい(笑)。
「セ・シャルマン」朝海ひかる。私は美しい、みたいな歌詞が妙にコムちゃんに合っていて何ともはや。
「夢人」湖月わたる。何故この曲?と思わなくもないですが。私はワタさんのパッショネイトな歌が大好物ですが、素朴な訥々とした歌も大好きです。あったかくて。

轟さんの「シナーマン」。
そして全員加わって「愛!」。ももかさんがエンカレで歌ってたのはこれだったのか。

フィナーレは「モン・パリ」。エトワールはまーちゃんでした。

個人的な見所として。
今回やたらとしぃ涼並びが多かったんですが。で、気がついちゃうとそこからオペラが離せなくなっちゃうんですが(笑)。しぃちゃんはいつものキラキラ笑顔だし、すずみんはこういうイベントだといつも以上にイキイキしるしなー(宝塚ダイスキな人だからな)、2階見上げ技も健在。しぃちゃんの客席下りが下手通路と1日に観劇したサトリさんに教わってそっちの手すりとってました(立見でした)。
TCAは各組からのスターの共演を楽しむ場なので、違うところも見ればいいのにねえ。ジュンタさん注目のパレードのタニしぃは、ワタさん見てたから見られなかったしねえ。
ま、そーゆーもんです。

楽しかったです。最後のTCA。
何だかんだ言ってこういうイベントは、トップファンが一番楽しいと思うから。
うん、堪能しました。ありがとう。
あすかちゃん星組トップ娘役内定おめでとうございます。

あすかちゃんは大好きだし、実力も華もある、トップになるべき娘役さんだとずっと思っていた。だからとてもうれしい。
星組でなってくれるのもうれしい。トウコさんとは『コパカバーナ』でもお似合いだったけど、例えそれを見ていなかったとしても演技力のある実力派同士、熱く濃い火花散る舞台を見せてくれそうで、楽しみにしていたと思う。
大劇場お披露目がこだまっち大劇デビュー作なのが不安といえば不安だけれど、大丈夫、この二人ならきっと何とかしてくれる(って、今からんなこと言うか・笑)

うん。あすかちゃんの就任は嬉しい。
でもそれとは別に、となみちゃんが雪に異動になるのは、寂しい。

雪のプリンセスだったとなみちゃんだけど、今は私にとってはすっかり星組っ子だから。つか、私はワタさんのファンですから、ワタさん去りし後の星組はトウコさんととなみちゃんの二人で受け継いでいってくれるものだと、やっぱりどこかで望んでいたんだと思う。勝手な思い入れに過ぎないのは、わかっているけれど。

でも、決まったものは素直に祝福するよ。
水くんはハートフルな演技をする人だし色気のある男役だし、となみちゃんとはお似合いのコンビになると思う。となみシシィもさぞ美しいことだろうと思うし、とても楽しみだ。

かぐや姫は月、ならぬ雪へ帰っていくのだなあ。
銀橋を駆け抜けて(笑)。

『コパカバーナ』のDVDのおまけ映像、千秋楽アドリブ映像を見た。
ラストの車椅子「コンチータ、たまには代わるよ(手をパン)」「わーい」の幸せそうな二人を見て、何だか、ああ良かったなあ、と言う気分になった。
よく江戸っ子は三代住んだら江戸っ子と言うけれど、ハマっ子は三日住んだらハマっ子なんだそうで。
そのノリであすかちゃんはもう星っ子です(笑)。

と言う日記を下書き済みだったんですが、アップが超今更になってしまいました……。
本日は『Across』DVDをちょっとじめつきながら見てました(馬鹿かお前)(こんな時に発売する方が悪い)。や、自己紹介と楽挨拶で笑わせていただきましたが。
スパニッシュの冒頭が著作権カットって!あかしとドイちゃんの見せ場が! 銀色の場面もエンディとゆーほのところだけカットですか。紫のデュエットダンス、女装みらんと女装ゆかりの場面は似たような曲に差し替わってました。これは何とか残すために頑張ってくれたんだろうな。
カメラアングルは頑張っていると思います。が、その画面の隅に映る下級生のキメ顔とかマジ顔が愛しくてつい目がそっちに。
……あのときは「まだまだ終わりはこないのだ」とか言ってたんだよな(しめっぽいのやめなさいよ)。

『愛するには短すぎる』の余韻がじわじわ来てます。
フレッドに会いたいです(直球)。
あの、人のうらやむものを全て持った青年で、何でもできる大人で、でも不器用で、満たされたことのない子供で、それでも、素直で温かくて誠実な、彼の姿を見に行きたい。

……もしかして、これって「惚れ直した」ってことかな?
今更、この期に及んで。
そりゃ、ここずっと私的にはちょっとアレな役が続いて、その後にやっといい役だー、と思ったけど。
持ち味を生かして、なおかつ今までにない顔まで見せてくれちゃったからなー。ハリーのばか(ウソです感謝してます)。

おまけに。要所要所は押さえつついくらでもエピソードを脳内補完できる作品なのに、全然そんな気になれません。こんなに二次創作の余地がありまくりの話なのに、この私としたことが手も足も出ない。それよりはただ見ていたい。
余計に重症な気がする。

ま、いいや。また明日から仕事だし。頭切り替えよう。
次にムラに行くのは9月の予定です。うわそんなに間空くのか。その前に一度くらいどっかで……(をい)。
この何となく落ち着かない感じは退団公演のせいもあるんですかね(苦笑)。

いい加減もうそろそろ通常営業に戻したいんですが、当分難しいかも。
12日の午前午後2公演見てきました。

芝居、フレッド(ワタさん)の仮装パーティのコスプレ衣装が、金ピカの王様みたいなのに変わってました。初日の青いマントと帽子のやつも良かったのに。
あと死んだ両親がしのぶさんとエンディであることに2階席で見て初めて気づいたり。

で、芝居『愛するには短すぎる』。
昨日の日記を読み返して気づいたのですが、「『それでも船は行く』的シチュエーションを『ホテル・ステラマリス』風に味付け」って、それじゃ全然面白そうに聞えない!ということに気づきました。特に私がこの2作について書いたものを読んだ人にとっては。しまった。
えーと、『それ船』的というのは「舞台は豪華客船」「主人公は御曹司でヨーロッパ留学からアメリカに帰国途中」「階級の違う親友と一緒」「昔の彼女と再会」「宝石盗難事件発生」というあたり。シチュエーションはよく似ていますが、テーマとテイストは全然違う。
『ステラマリス』風は、前半は楽しいミュージカル風シーンが多めで、客には様々な人々がいてその人たちの様々な事件のエピソードがあって、モブがわらわらいてあちこちで色々なことをして目がいくつあっても足りなくて、という感じ。
特に、前半で避難訓練とパーティのシーン続いたときには、あの「いつオープニングが終って本編が始まるんですか」状態だった『ステラマリス』再びかと不安になりましたが、ちゃんと本編にが始まってちゃんと盛り上がってラストまでたどり着いてくれました。

と言うか。
初日は、どんな作品なんだろう(駄作だったらどうしよう)と心配しながら見ていて、ああいい作品でよかったとほっとした感が強かったんですが、二日目に見て、あ、これはちょっとやばいぞと。
退団モードな場面や台詞が、リピートする度にグサグサ来るような気がする。ダブルヘッダーはきついかもしんない、やばい(苦笑)。今日は隣の人はもうすすり泣いてたし……。
いや、別れを感じさせる場面だけじゃなくて、幸せな場面こそ危険。今が幸せであればあるほど、楽しければ楽しいほど、未来が切ない。

ともあれ、いい話だと思います。
一言で言えば、青春の物語、でしょうか。
置き忘れた少年期を取り戻し、青年期の卒業、そして旅立ち。
(そして何だか久々に倫理的に間違ってない主人公が回ってきたような……)
とにかく、「初めての恋」に不器用に爆走するフレッド君が愛しくてなりません(笑)。

再会した幼なじみバーバラ、親友のアンソニー、執事のブランドン、養父のウォーバスク氏も婚約者のナンシーも、主人公がみんなを愛していて、みんなに愛されているのがいい。
悪人らしい悪人が出てこないのもいい。
世界はやさしい。切なかったりほろ苦かったりもするけれど、それでも。
船の上の四日間。つかの間切り取られた世界。

***

帰ってから『歌劇』の座談会読んでまたちょっとほろっと来ました。

今回本当、芝居もショーも、ワタさん愛されてるなあというのが見えて、何と言うかもう皆様有り難うございますと言うか、本当に明るくて温かくて優しくて愛に満ちた舞台で、もう何と言うか(何書いてるのかわからなくなってきたぞ)。
そして、トウコさんの歌に送り出されるというのはとても贅沢なことだなあと。
特に芝居の冒頭。そしてショーの『惜別』の場面(トウコとなみが下手と上手で絶唱する中、ワタさんを中心に謝振付で踊る組子達。みんないい顔で踊っていてもう、ねー)。

ちょっと問題は、今回芝居もショーも娘役ファンには優しくないかもしれないです。
芝居はウメちゃんですらあの程度の出番だし。しのぶさんが退団ご祝儀か美味しい。つか、組長の妻が柚長で愛人がしのぶさんで三角関係って、濃すぎる。
色々な格好して舞台上にはいるのでウオッチングが楽しいと言えば楽しいですが。ふありひよりのメイドコスとか。何気にコロちゃんが歌ってたりするし。
あ、ふありと言えばショーで一瞬しぃふありが実現したので私的にはミッションクリア(ミッションて)。

公演内容をまだ消化し切れてないんですが、まとまったら感想書こうとか言ってるとまたいつになるかわからないので、とりあえずこんな調子でだらだらと。
私は大人だから、夢はいつか醒めるものだと知っている。
特に、他人の上に結ぶ夢は身勝手で野放図で、自由で際限がなくて楽しくて、でも自分の力ではどうすることも出来ない、果敢無いものだと知っている。

夢のおわりがはじまる瞬間に、私は今いるのかもしれない。
けれど、夢を体現している、夢そのものである君は(そして君たちは)。
そんな、勝手に見ている夢を気に留めず、笑い飛ばし、踏み越えてゆけ。
踏みしだいて、旅立ってゆけ。

***

はい下手なポエム終了(笑)。

星組大劇場公演初日、行って参りました。
良かったです。
芝居もショーも及第点、十分通える。

芝居『愛するには短すぎる』

全体的なトーンは『それでも船は行く』的シチュエーションを『ホテル・ステラマリス』風に味付けした感じ(強引な説明)。
ワタトウ、トップと二番手が男役同士でがっつり組んでの芝居が新鮮でした。いや新鮮てのも変ですが、実際初めてじゃないですか。最後の最後でやっと来てくれました、嬉しいなあと。じゃれあったり漫才したり楽しいやら可愛いやら。リフトもありだ(笑)。
となみちゃんは色々あるけれど賢く自立した女の子。こういう役で見るのは久しぶり。主役と対等なヒロインで、これも嬉しい。
ワタさんも、ヒーローではなく迷ったり悩んだりしている普通の人で。今まで環境にあわせ他人の期待に応えようと受身で生きてきて、人生の岐路に初めてそんな自分に気づく、という今までにあまり見たことの無い役どころで、でも退団と被るところもあって、見る度に色々と感じるものがあるような、いい役だと思います。
しぃちゃんの生真面目な船長さん(水夫から出世したらしい)(や、冒頭でまたあのセーラーが出てきたもんで)、すずみんのセレブなプロデューサー等々、キャラにあっていていい感じです。れおんはやや悪い男で、これは新境地で面白い。和くんがワタさんに人生を語っちゃう、なかなかいい役で、頑張っております。

いやま、色々と粗とかぬるいところもありますが、割と好きです、これ。「1幕終了後笑顔だった」とnanakoさんに言われたので、まあそういうことではないかと(笑)。
ところで、サヨナラ公演の芝居が現代ものの場合はコスプレの場面を入れることがルールになったんですか?(例・サンジョルディの祭りの騎士と姫)

ショー『ネオ・ダンディズム!』

プロローグのチャイナが格好いい。ウルトラハイパー格好いい。ここだけで通える(真顔)。ポスターまんまの衣装です。ワタとなトウ3人ともすげー似合う。
もうひとつ好きなのは『惜別−オマージュ』。銀色の衣装で、ひとつの星=ワタさんを中心に皆で踊る場面。謝珠栄振付けはやはりキます。
デュエットダンスも良かった。白い衣装は定番ながら反則だよな(苦笑)。Acrossでうめちゃん相手にやっていた片手リフトがとなみちゃんとあって、驚きました。が、がんばれー。

プロローグの次に時代がかった場面があるんですが(カサノヴァ風だそうで)、ロン毛鬘にマントの衣装がそれぞれ違う方向性ででもそれぞれに似合っていてステキだ。特にすずみん、殆ど「地毛ですが何か?」の域。
組長と中堅若手4人(みらゆか和麻尋)の銀橋渡りとか、黒燕尾でセンター付近が組長をはじめ上級生ずらり(濃い…)の場面があったりとか、色々面白かったです。エトワールがコロちゃんなのも嬉しかった。あ、しぃ涼銀橋プラス客席降りは私へのサービスですか?(違)

いや、これも歌詞がダサダサだったりセンスの古いところも多々あるんですが(苦笑)(ショーで「ダンディとは…」とか語りがあるのは興ざめだと思う。言葉でなく舞台で示せ)。
でも普通にタカラヅカなショーでバラエティに富んでいて楽しいし、好きな場面もあるし。やっぱりこの、いかにも宝塚らしいショーで卒業と言うのも、良かったなあと。

終演後のご挨拶。
英真組長から、専科のまやさんへの感謝と、今回から星組生になった和くんの紹介。そして「楽しい出会いがあれば辛い別れも」とワタさんをはじめとした8人の退団者に言及。このメンバーでの公演は今回限り、じわじわと湧いてくる寂しさに負けず、千秋楽という港に向けて漕ぎ出してまいります、最後までよろしくお願いいたします、というようなことを。
そして、ワタさんからは「お芝居で『君に会えたから今まで気づかなかったことを知ることが出来た、自分のことも、人のことも』という台詞がありますが、私自身も退団を決めたおかげで今まで気づかなかった自分のこと、人のこと、そして大好きな宝塚のことを知ることが出来ました」と。
カーテンコールは3回だったか、1回目からスタンディング、客電がついても拍手鳴り止まず(まだまだ帰らねーぞという感じのノリで・笑)、最後にはワタさんが下手袖から出てきて「台風が避けてくれてよかったです、またのご来場をお待ちしております」と投げキスで〆。羽根背負ったままなので袖からの出入りがカニさん歩きなのが何とも微笑ましいと言うか(笑)。

明るく楽しい初日でした。ワタさんと星組に相応しく。
良かった。うん、良かったと思う。

明日は初日。

2006年8月10日
日記さぼってました。
その隙に気がついたら20万アクセスも超えております。今はちょっとイベントをやっている余裕がないなあ。
書けない理由のひとつは最近やたらと眠いせいです。休日は起きられなくて1日18時間くらい寝てるんですが……病気?(怠け病?)

とりあえず、反応し損ねたネタとかに対して今更ながら。

【星新公配役】

・朝都まおに役がついた!(マジでこれが第一声でした)(しかもあかしの役)
・コロちゃんがウメの役(の半分)だ。
・ののちゃんがウメの役(の半分)だ。
・水輝涼と夢乃聖夏は前回と配役が逆なんだな。
・つか、みやるりは3回連続ゆかりくんの役だ。
・七風くんがエンディの役であることにほのぼのしたものを感じる。
・あかしがトウコさんの役なのはふつーに楽しみです。

【宝塚GRAPH熱烈対談 湖月わたる→蘭寿とむ】

・一体何で私にサービスしてるんだと思いました(違)。
・包容力の出し方講座。「女役に笑顔になって欲しかったらあなたから笑顔を向けなさい(byシメさん)」
・「それは私にとって画期的な考え方です」と言うらんとむ。今までそういう意識無しにあの目尻下げっぷりだったのか!
・「実践してみたいと思います」自覚したらんとむの今後が楽しみです。
・……いや、博多座コパ(見てきました)のサムはあんな僕ちゃんキャラだから、実践する場はなかったけどな(でもフィナーレで一番濃くて笑った。好きだ)。次回に期待。

多分、私が、ワタさんと近いベクトルで一番好きなのがらんとむ君なのですよ。量とか強度でなく「好き」の方向性が近い。
だからこの対談を見てすごくびっくりしたし嬉しかった。指名した理由は「かっこいいから!(笑)」だそうですが、ご本人も何か通じるものを見ているのかなと思ってみたり。
ま、もし編集サイドの意図が働いているとしても(素直に物事を受け取らない嫌な大人)、それはそれで劇団的にも同系統だと思っているのかな、とかね。

そうこうしているうちに、明日はもう大劇場初日です
『アルバトロス、南へ』青年館、7/15と17観てきました。
感想はまとまり難いのでその前にたまってる分を片付けようと思い、まずは『NEVER』の書き足りていなかった分を。あと7/8と7/9に雪YoungBloodsと雪ベルばら全ツの感想を書く予定です。
アルバトロスにたどり着くのはいつになるやら。

とりあえず、感想メモ。

・ポスターまんまの姿で鳥のように舞うコム氏の動きの美しさに、ダンサーってこういうことなのかと思う。しかも人間離れした存在感。
・2幕のオギー全開芝居に圧倒され観ることのできた幸運に感謝しつつ、ヅカでこれやっていいのかとちょっとびびる。
・コムルドルフとキムトートの「闇が広がる」に本気で震えて総毛立つ。すげーもん見た。
・やっぱり私はハマコとキムが好きだ。
・アホウドリは空に溶けてしまったのだなあ。

以上。(本当にメモだな)
青年館2公演で私の『アルバトロス』はおしまいです。
色々な意味でバウ向けに作られた、バウでこそ真の姿を現す作品だと思うけれど、私は青年館で十分かなあと。
コムちゃんの今までの歴史をもっと知っていれば、もっと多くのものを舞台から受け取れたんだろうなと思うので、それがちょっと私的に残念でした。
でも、おまけの青年館があったからこそ、私のような者でも観ることができて良かった。
ま、とりあえずそんなとこで。
ヴィセントはどんな気持ちで、ジョルジュのことを繰り返し孫に語っていたのだろう。

すみません今更ネバセイの話です(実は今日は17日)。
『NEVER』を観たのは大劇1回、東宝2回。当日B席と立見のみというチープな観劇。6/24の午後公演がラストでした。

その3回目。もうストーリーに文句を言ったり粗を探すのはやめて出演者を見ようと思いました。割とヴィセント中心に見てたんですよ。ほら私タニちゃん好きだし。

そしたら。
「ワンハート」でちょっとうるっと来ました。(いままでシラっとしてたのに)(をい)

ヴィセントが祖国を大切に思っていることは、最初からわかる。
ハリウッドでも、スペインを宣伝するパオロ(まりえったさん名演)に、ニコニコと楽しそうに協力的で、ジョルジュにも得意げな顔を見せたりしている。政治的なことをどこまで考えているかはともかく、民衆の国、人民の政府を実現した祖国を誇りに思っていることが見て取れる。
だから、内戦が始まるとその政府とバルセロナを守るために銃を取るのもわかる。
そう、誰の命令でもなく自分の意志で。

だから、ヴィセントを追っていると。
1幕最後、「やめてくれ!」の絶叫に、シンクロする。
国を守るため、民衆の政府を守るために立ち上がったはずの人々の、対立に。彼のやりきれない思いに、シンクロする。
多分、多くの迷える大衆の思いも同じで。だから、甘い耳障りのいいメッセージにすがりたくなる。
それが建設的な解決をもたらすものではないとしても。

ヴィセントは別に、センチュリア・オリンピアーダのリーダーと言う訳ではない。地元民が彼一人だけだから行動面で仲間を引っ張っているけれど、まとめ役としてのリーダーはマックス(すっしーさん好演)だよね。彼はまだまだ未熟な若造で、行き詰ると今まで一緒に戦ってきた仲間たちに「お前らは所詮外国人なんだ」とかひどい八つ当たりをしちゃうような奴だけれど。でも言ったあとの、言ってはいけないことを言ったとわかっていてでも後に引けなくてふてくされたような顔を見てると、何だかもうしょうがないなあと言う気分になる。どうやら、私はタニちゃんは少し欠けたところのある人間を演じている方が好きみたいです。だからパリアにはそれほど惹かれなかった。ジュンタさんには悪いけど(笑)。

未熟な青年だと思うと、彼の情熱、彼の青い正義、そして彼の挫折に愛しい痛みを感じる。
そしてその青い正義は、時としてこの物語そのものだ。
最初はそれがどうしても受け入れがたかったけれど、いや今でもそうだけれど。
でもこれが、未熟な青春の、青年の物語だと思ったら、それもありになってきた。

最後、ヴィセントは独り生き残る。内戦の敗北後、長い年月を生きる。
彼はどんな気持ちで、孫に語っていたのだろう。ジョルジュのこと、仲間たちのこと、内戦のことを、繰り返し。
若い日の記憶。仲間にならないか、と誘ったジョルジュを始め、ある意味自分が巻き込んだ人たちは全て死んで行き、ひとり生き残ってしまった。彼は内戦の意味を、自分達の、自分の戦いの意味を考えただろうか。繰り返し。

祖父の足跡を辿ってやってきたジョルジュとキャサリンの孫娘、ペギー。ジョルジュのカメラを、ヴィセントは彼女に渡す。時を越えて。
彼はカメラに愛しそうに顔を寄せ、晴れやかな笑顔でペギーにそれを渡す。
この瞬間、彼もまた青年期に決着をつけたのだと思うのは、うがちすぎだろうか。
でも、私は思いを馳せる。若さゆえ、子供の正義感を振りかざし逆にそれに振り回され、他人を傷つけ自分も傷ついた青年が、その記憶を反芻し消化するまでの、長い長い物語に。

前述のとおり、ヴィセントが一緒に戦ってきた仲間に「所詮外国人」呼ばわりするのはあちゃーと思いますが、ジョルジュに「お前は写真を撮ってるだけだろ」と言うのは間違ってはいないと思うのです。せっかく仲裁しようとしてくれた友人に言うべき言葉かどうかはともかく。
実際、この場面でのジョルジュは第三者ではあるのだし。実際に銃を取って戦う人だけが仲間ではないだろうけれど、例えば医者、食料や武器弾薬を調達する人等々と、写真を撮っている人は違う、と思う。記録や宣伝の意味を持って写真を撮ることが位置づけられていれば別だけれど、ジョルジュは「仲間にならないか」と誘われて「いや、俺はお前達の写真を撮るよ」と答えている訳だし。

勿論、それが悪い訳ではなくて。「写真を撮っているだけ」と言われたジョルジュの答えは「そうだ、だからこそ見えるものがある」になるはずだったんじゃないかと思うんだ。「俺も一緒に戦うよ」じゃなくて。
そう、初見から思っていた疑問。何故彼はカメラを、視る者であることを捨ててしまったのか。

でも、それも仕方ないのかな、と言う気がしてきた。
彼はデラシネである自分に強いコンプレックスを持っていた、ように見えるので。写真を愛するのとは別のところで。
生まれ育った村を捨てた。父を置き去りにして。それも、最初は医者になろうと志していたのに、写真に魅せられて写真家になった。望んだ道を歩みながら、ずっと後ろめたさが消えなかったんだろう。
だから、祖国を捨てて命がけで戦っている人々に惹かれて、今からやり直せると思って、写真を、視る者であること、デラシネであることを捨ててしまった。
恐らくは、無自覚に。

それはキャサリンに対する裏切りに等しいのだけれど。でもキャサリンは、全て受け入れて許している、ように見える。
銃を手にしたジョルジュは、キャサリンにフィルムを渡し、彼女はアメリカに帰ってそれを出版するように言う。
「僕は彼らに人生の真実を見出した。そしてその真実を共有できる君と出会った」と言うジョルジュの言葉を聞いているキャサリン。客席から見えるのは後姿だけれど、その後姿がどんどん小さくなっていくような気が、私にはした。小さく、見る間に年老いていくように。そして、低い声。低く低く、ぞっとするような絶望的に彩られた声。
かつて、単純な善意と感動に動かされ銃を取ろうとしたキャサリンを、ジョルジュは「これは彼らの戦いだ」と言って止めた。そして、二人はともに視る者であることを確かめあった。
そのジョルジュが銃を取り、戦いに身を投じようとしている。カメラを置いて。昔そんなことを自分が言ったことも忘れたように。いや実際忘れているのだろう。
いいわ。全てゆるしてあげる。あなたの裏切りも、あなたの変節も、全てゆるしてあげる。
だって、あなたを愛しているから。それでもあなたを愛しているから。

と、言う形で、ジョルジュとキャサリンの愛の物語は私の中で整理されました。
多分、これもうがった見方なのだろうなあと思います。
でも、それだけはなちゃんのキャサリンが、ジョルジュを愛しているのがわかるから。別れの言葉にどんどん寂しく小さくなっていく背中に、胸を詰まらせられたから。
そして、一緒にジョルジュを許す気になれたから。
仕方ないね。身勝手で残酷な、でも憎めない魅力的な人。

と言う訳で、私的に『NEVER』はこんな形で決着しました。
でも、実はこんなことはどうでもいいことなんだと思います。出演者のファンがこの作品を好きでいるのならば。タカコさんの歌う「ワンハート」「サヨナラは言わない」に涙することが出来るなら。
部外者の戯言は、どうでもいいことなんだろうと思う。(なら書くなよ)(いや一応ここ私の日記だし)
(以下引用)

2006/06/29
次期星組主演男役について この度、次期星組主演男役に安蘭けい(星組)が内定致しましたので、お知らせ致します。

星組公演『ヘイズ・コード』(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演:2006年12月15日〜12月27日、東京特別公演:2007年1月4日〜1月11日)より星組主演男役として舞台を務めます。

(以上引用)

良かった。
良かった。本当に良かった。うれしい。心底ほっとした。
めでたい。そして、おめでとう。

お披露目DCは大野先生なんですね。星組でばかり一組占めしていいんだろうか。いや嬉しいけど。
とにかく、良かった。

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