Dessert。(新人公演余談)
2004年10月21日 宝塚新人公演のときに思いついた、おまけ話。
開演前のアナウンスが「まもなく第1部がはじまります」だったんですな。
単にいつもの使いまわしだからなんだけど、隣の人が「第2部もあるの?」と発言。
第2部。
新公メンバーの『ドルチェ・ヴィータ!』。
主役はれおんくんで、ディアボロは……しゅんちゃんかな。
肝心のドルチェ・ヴィータは……うめちゃんはさすがになー、うーん、うーん、
はっ。
ドルチェ・ヴィータ=綺華れい、サテュロス=陽月華!
ゆかりちゃんに黒いドレスが似合うのはしぃちゃんDSで証明済みだし!(あれもオギー演出。デコルテが気になるならDSの襟の詰まったドレスでも良し。でも踊るならスリットは要るな)
うめちゃんのサテュロスはきっと小悪魔でキュートに違いない!
コーザノストラはみらんくんとあかしくんになるのからしら。お供のサテュロスは誰がいいかなー。
見たいと言うのも憚られるあり得なさなので、サテリコンだけでもひそかに脳内上演しました。
楽しいです。(←馬鹿)
開演前のアナウンスが「まもなく第1部がはじまります」だったんですな。
単にいつもの使いまわしだからなんだけど、隣の人が「第2部もあるの?」と発言。
第2部。
新公メンバーの『ドルチェ・ヴィータ!』。
主役はれおんくんで、ディアボロは……しゅんちゃんかな。
肝心のドルチェ・ヴィータは……うめちゃんはさすがになー、うーん、うーん、
はっ。
ドルチェ・ヴィータ=綺華れい、サテュロス=陽月華!
ゆかりちゃんに黒いドレスが似合うのはしぃちゃんDSで証明済みだし!(あれもオギー演出。デコルテが気になるならDSの襟の詰まったドレスでも良し。でも踊るならスリットは要るな)
うめちゃんのサテュロスはきっと小悪魔でキュートに違いない!
コーザノストラはみらんくんとあかしくんになるのからしら。お供のサテュロスは誰がいいかなー。
見たいと言うのも憚られるあり得なさなので、サテリコンだけでもひそかに脳内上演しました。
楽しいです。(←馬鹿)
色とりどりの若木たちに、乾杯(『花舞う長安』新人公演)
2004年10月20日 宝塚さて、落ち着いて(笑)昨日の続き。
新公を見るのは『ファントム』に続き2回目です。
どちらも演出が変わってました。と言うか改善されてました。
初っ端の先帝暗殺シーンで、まず感心。
いよいよ皇帝を暗殺するときが来たぞ、と台詞にして語り合う皇后韋后たち。
現れる中宗皇帝。両側に控える韋后と安楽公主に、皇帝らしく鷹揚に声をかける。韋后と安楽公主、隙を見て暗殺決行。
が、兵士たちが現れ取り押さえられる。
激しく抵抗する韋后と安楽公主。「私は関係ない!」と情けない悲鳴を上げる奸臣。
とどめに韋后の捨て台詞「よくも隆基め!」
その台詞に答えるように玄宗(隆基)登場。
「謀反の企ては発覚した! 天誅を加える!」
記憶が頼りなので細部違うと思いますが、前半の説明台詞増加と、謀反発覚後の悪あがき追加がポイント。
そうか。そーだよなー、このくらい説明しちゃっていいんだよな。ついでにこのくらい派手にしちゃっていいんだよな。
まったりした脚本なんだから、せめてショーアップしてくれないと。
あ、でも一箇所謎の追加部分がありました。
楊貴妃と梅妃が火花を散らした後「何であんな女に陛下は」と唇をかみしめる梅妃。
そこへ侍女が「梅妃さま、安禄山さまが」。
梅妃はっとして「安禄山が……」。退場。
すわ新しいシーンの追加まであるのか!と思ったら、それっきり。
……なんか、消し忘れって感じが(笑)。
安禄山が楊貴妃を襲ったのに梅妃が一枚かんでると解釈するには、無理があるよね。
2回とも「改善」と感じたのは、やっぱり元々出来ているものに手を加えることの方が易しいからなんでしょうかね。
あとはサービスと言うか、お笑いが追加されていました。
親書の場面で「大真」の2文字が大書きされた紙を掲げる李林甫。「新人公演バンザイ」と言うわたる鳥。
(安禄山が玄宗にオウムを献上する場面で、何故か「ペルシャの渡り鳥」と安禄山。本来の台詞「歌う鳥」じゃなくて渡り鳥???と思っていたら「バンザイバンザイ、新人公演バンザイ」こっこの声は。玄宗曰く「これは渡り鳥でなくて、わたる鳥だ」。客席のわたるさんにご協力ありがとうございました!とご挨拶。場内爆笑。真面目に芝居を続けなければならなかった高力士・美城れんくん、ごくろうさまでした。
面白かったけど、終盤の安禄山が鳥を殺すシーンでも「あー、わたる鳥死んじゃったよ」と笑いが抑えられなかった私(^^;)
以下、個別キャスト話。
玄宗=柚希礼音
期待通りというか予想通りと言うか、問題なし。
基本的に本役と同じなのに、かっこよく見えて私が地団駄踏んだのは昨日書いたとおり(笑)。
でも一箇所「あ、違う」と思ったのは、楊貴妃が死んだ後の銀橋。
本役が茫然自失→悲しみと感情の変化が見えるのに対し、自失の場面がなかった、と言うか短かったかなと。
悲しみ→激情、という感じで、歌の最後は激しく慟哭してました。
れおんくんの個性なのか、若さなのか、全体的に派手に分かり易い演出の一環なのかはわからないけれど。
楊貴妃=陽月華
頑張ってました。
檀ちゃんのコピーではなく(そんなの誰にも不可能)、うめちゃんに合った役作りで最大限魅力的に見せていました。
美人で可愛い普通の女の子。後宮になじめなくて戸惑って心細げで、それでも精一杯貴妃として振舞う姿が痛々しくもある。
可憐で可愛くて、ぶっちゃけ私は全肯定で「うめちゃんかわいー」と愛でてました。
「後宮に来るまでの私は自由でした」「あんな成り上がり者に」等々の今までスルーしていた台詞にリアリティがありましたわ。
まぁ、それが「楊貴妃」かと言われると微妙だとは思いますが。
安禄山=大真みらん
かっこよかったです。普通に二番手っぽい。
(本役さんがまっくろくろすけだからなあ……)
ちょっとかわいい奴かもしれないとすら思います。後述するけど、皇甫惟明とのやりとりもマジだし。
皇甫惟明=麻尋しゅん
歌の上手さはわかってたけど、その前に芝居で驚いた。
かっこいいよ、いい男だよ。
安禄山とのやりとり。大真安禄山はマジなんですな。「我々胡族を野蛮人だというのか!」の台詞が本気だ。(本役は場の注意を引くために言っているだけでしょ?)
安禄山の怒りを、麻尋惟明は落ち着いた態度でがしっと受け止め、落ち着いた声音で返す。
大人だ。
原作の「気品ある中年の武将」が垣間見えました。
この場面の安禄山と皇甫惟明の力関係は、大劇(安蘭VS真飛)も博多座(大和VS涼)も安禄山>皇甫惟明だったのに、逆転してる。びっくりだ。
その後の楊貴妃との場面も、大人に見えたし。相手が心細げな少女@うめちゃんだったせいもあると思うけど。
本公演でやってる李亀年もいいし、麻尋しゅんくんのこれからが楽しみです。
梅妃=南海まり
堂々たる、気品に溢れた美姫。生まれついてのお姫様。
潔姫さま(花のいそぎ)の時も思ったけど、姫役者ってこういう人を言うんだわ。
だから楊貴妃との関係性が本公演と全然違う。少女漫画とかドラマによくありますよね、可愛らしさひたむきさが取り柄の普通の女の子と、美人で才媛なライバル。役者が変わるとこんなに違うんだ、面白いなーと。
嫉妬の仕方も、本役の「きーっくやしい!」という感じでなく、誇り高い女性が思わず自分の本音を漏らしてしまったと言う感じ。
南海まりちゃんの楊貴妃も見てみたかったな……。
楊国忠=綺華れい
いやもう目に焼きついた美貌しか頭に残ってないんですけど。
それでも、本役より含みがある感じがしたのは、しぃちゃんが明朗すぎるってことなんだろうな……。
陳玄礼=彩海早矢
最後の玄宗とのやりとりが「常嗣くんと家継くん(花のいそぎ)」になっちゃったらどうしようと楽しみにしていたのですが、杞憂でした。と言うかあらぬ疑いをかけて、大変失礼しました。
ちゃんと大人で、ちゃんと皇帝と臣下でした。ごめんなさい。
李亀年=鶴美舞夕
歌を聞かせるところが多いので、結構プレッシャーだったのではないかと思います。
私は合格点だと思います。緊張してたのか声が震えてるところもあったけど。
個人的には「風情なり」をワンブレスで歌ってくれたのが嬉しい。本役のしゅんくんは「風情、なり」って息継ぎするんですよね。最初からこうだったかなあ。(つーかあんた細か過ぎ)
寿王=夢乃聖夏
いや、ちょっと気になる下級生の一人なので(笑)。本役に近い感じで好演してました。
秦国夫人=音花ゆり
楊家三姉妹(他に花愛瑞穂、華美ゆうか)はみんな良かったです。本役に聞き劣りのしないハーモニーを聞かせてくれました(でもちょっと低音パートが弱かったかな)。
音花ゆりちゃんを特にあげたのは、仙堂さんに似ていてびっくりしたので。(何で仙堂さんがでてるの?と思ってしまった)。パンフで確認したら、ちょっとつり目気味の目元が似てるのか。歌もあの高音域をきれいに出してました。将来有望。
その仙堂さん、配役表にいなくてどうしたんだろうと思っていたら、舞姫Aでした。かのちかちゃんがやっていた安禄山と踊る役。良かったけど、やっぱり仙堂さんは声が聞きたいなぁ。(あ、でも三姉妹以外に歌う役ないんだ)
とにかく、すごく面白い新人公演でした。
みんなレベルが高くて安心して見られるし。
嬉しい嬉しい。(←所詮組ファン・笑)
彼らの将来に、乾杯。
新公を見るのは『ファントム』に続き2回目です。
どちらも演出が変わってました。と言うか改善されてました。
初っ端の先帝暗殺シーンで、まず感心。
いよいよ皇帝を暗殺するときが来たぞ、と台詞にして語り合う皇后韋后たち。
現れる中宗皇帝。両側に控える韋后と安楽公主に、皇帝らしく鷹揚に声をかける。韋后と安楽公主、隙を見て暗殺決行。
が、兵士たちが現れ取り押さえられる。
激しく抵抗する韋后と安楽公主。「私は関係ない!」と情けない悲鳴を上げる奸臣。
とどめに韋后の捨て台詞「よくも隆基め!」
その台詞に答えるように玄宗(隆基)登場。
「謀反の企ては発覚した! 天誅を加える!」
記憶が頼りなので細部違うと思いますが、前半の説明台詞増加と、謀反発覚後の悪あがき追加がポイント。
そうか。そーだよなー、このくらい説明しちゃっていいんだよな。ついでにこのくらい派手にしちゃっていいんだよな。
まったりした脚本なんだから、せめてショーアップしてくれないと。
あ、でも一箇所謎の追加部分がありました。
楊貴妃と梅妃が火花を散らした後「何であんな女に陛下は」と唇をかみしめる梅妃。
そこへ侍女が「梅妃さま、安禄山さまが」。
梅妃はっとして「安禄山が……」。退場。
すわ新しいシーンの追加まであるのか!と思ったら、それっきり。
……なんか、消し忘れって感じが(笑)。
安禄山が楊貴妃を襲ったのに梅妃が一枚かんでると解釈するには、無理があるよね。
2回とも「改善」と感じたのは、やっぱり元々出来ているものに手を加えることの方が易しいからなんでしょうかね。
あとはサービスと言うか、お笑いが追加されていました。
親書の場面で「大真」の2文字が大書きされた紙を掲げる李林甫。「新人公演バンザイ」と言うわたる鳥。
(安禄山が玄宗にオウムを献上する場面で、何故か「ペルシャの渡り鳥」と安禄山。本来の台詞「歌う鳥」じゃなくて渡り鳥???と思っていたら「バンザイバンザイ、新人公演バンザイ」こっこの声は。玄宗曰く「これは渡り鳥でなくて、わたる鳥だ」。客席のわたるさんにご協力ありがとうございました!とご挨拶。場内爆笑。真面目に芝居を続けなければならなかった高力士・美城れんくん、ごくろうさまでした。
面白かったけど、終盤の安禄山が鳥を殺すシーンでも「あー、わたる鳥死んじゃったよ」と笑いが抑えられなかった私(^^;)
以下、個別キャスト話。
玄宗=柚希礼音
期待通りというか予想通りと言うか、問題なし。
基本的に本役と同じなのに、かっこよく見えて私が地団駄踏んだのは昨日書いたとおり(笑)。
でも一箇所「あ、違う」と思ったのは、楊貴妃が死んだ後の銀橋。
本役が茫然自失→悲しみと感情の変化が見えるのに対し、自失の場面がなかった、と言うか短かったかなと。
悲しみ→激情、という感じで、歌の最後は激しく慟哭してました。
れおんくんの個性なのか、若さなのか、全体的に派手に分かり易い演出の一環なのかはわからないけれど。
楊貴妃=陽月華
頑張ってました。
檀ちゃんのコピーではなく(そんなの誰にも不可能)、うめちゃんに合った役作りで最大限魅力的に見せていました。
美人で可愛い普通の女の子。後宮になじめなくて戸惑って心細げで、それでも精一杯貴妃として振舞う姿が痛々しくもある。
可憐で可愛くて、ぶっちゃけ私は全肯定で「うめちゃんかわいー」と愛でてました。
「後宮に来るまでの私は自由でした」「あんな成り上がり者に」等々の今までスルーしていた台詞にリアリティがありましたわ。
まぁ、それが「楊貴妃」かと言われると微妙だとは思いますが。
安禄山=大真みらん
かっこよかったです。普通に二番手っぽい。
(本役さんがまっくろくろすけだからなあ……)
ちょっとかわいい奴かもしれないとすら思います。後述するけど、皇甫惟明とのやりとりもマジだし。
皇甫惟明=麻尋しゅん
歌の上手さはわかってたけど、その前に芝居で驚いた。
かっこいいよ、いい男だよ。
安禄山とのやりとり。大真安禄山はマジなんですな。「我々胡族を野蛮人だというのか!」の台詞が本気だ。(本役は場の注意を引くために言っているだけでしょ?)
安禄山の怒りを、麻尋惟明は落ち着いた態度でがしっと受け止め、落ち着いた声音で返す。
大人だ。
原作の「気品ある中年の武将」が垣間見えました。
この場面の安禄山と皇甫惟明の力関係は、大劇(安蘭VS真飛)も博多座(大和VS涼)も安禄山>皇甫惟明だったのに、逆転してる。びっくりだ。
その後の楊貴妃との場面も、大人に見えたし。相手が心細げな少女@うめちゃんだったせいもあると思うけど。
本公演でやってる李亀年もいいし、麻尋しゅんくんのこれからが楽しみです。
梅妃=南海まり
堂々たる、気品に溢れた美姫。生まれついてのお姫様。
潔姫さま(花のいそぎ)の時も思ったけど、姫役者ってこういう人を言うんだわ。
だから楊貴妃との関係性が本公演と全然違う。少女漫画とかドラマによくありますよね、可愛らしさひたむきさが取り柄の普通の女の子と、美人で才媛なライバル。役者が変わるとこんなに違うんだ、面白いなーと。
嫉妬の仕方も、本役の「きーっくやしい!」という感じでなく、誇り高い女性が思わず自分の本音を漏らしてしまったと言う感じ。
南海まりちゃんの楊貴妃も見てみたかったな……。
楊国忠=綺華れい
いやもう目に焼きついた美貌しか頭に残ってないんですけど。
それでも、本役より含みがある感じがしたのは、しぃちゃんが明朗すぎるってことなんだろうな……。
陳玄礼=彩海早矢
最後の玄宗とのやりとりが「常嗣くんと家継くん(花のいそぎ)」になっちゃったらどうしようと楽しみにしていたのですが、杞憂でした。と言うかあらぬ疑いをかけて、大変失礼しました。
ちゃんと大人で、ちゃんと皇帝と臣下でした。ごめんなさい。
李亀年=鶴美舞夕
歌を聞かせるところが多いので、結構プレッシャーだったのではないかと思います。
私は合格点だと思います。緊張してたのか声が震えてるところもあったけど。
個人的には「風情なり」をワンブレスで歌ってくれたのが嬉しい。本役のしゅんくんは「風情、なり」って息継ぎするんですよね。最初からこうだったかなあ。(つーかあんた細か過ぎ)
寿王=夢乃聖夏
いや、ちょっと気になる下級生の一人なので(笑)。本役に近い感じで好演してました。
秦国夫人=音花ゆり
楊家三姉妹(他に花愛瑞穂、華美ゆうか)はみんな良かったです。本役に聞き劣りのしないハーモニーを聞かせてくれました(でもちょっと低音パートが弱かったかな)。
音花ゆりちゃんを特にあげたのは、仙堂さんに似ていてびっくりしたので。(何で仙堂さんがでてるの?と思ってしまった)。パンフで確認したら、ちょっとつり目気味の目元が似てるのか。歌もあの高音域をきれいに出してました。将来有望。
その仙堂さん、配役表にいなくてどうしたんだろうと思っていたら、舞姫Aでした。かのちかちゃんがやっていた安禄山と踊る役。良かったけど、やっぱり仙堂さんは声が聞きたいなぁ。(あ、でも三姉妹以外に歌う役ないんだ)
とにかく、すごく面白い新人公演でした。
みんなレベルが高くて安心して見られるし。
嬉しい嬉しい。(←所詮組ファン・笑)
彼らの将来に、乾杯。
ずるいや。(『花舞う長安』新人公演)
2004年10月19日 宝塚新人公演行ってまいりました。
すげー面白かったです。
緑野さんともお目にかかれまして、色々とお喋りできて更に楽しさ倍増でした。
色々ツボにはまったことはありましたが、私が一番頭を悩ませたのは。
礼音くんの玄宗は何でかっこよく見えるんだ。
基本的な役作りは本役と同じなのに。
主な理由は二つかなあ。
楊貴妃=うめちゃんと安禄山=みらんくん。
この二人の役作りが本公演と違うので、それに対する玄宗の人間像も違ってくるんだわ。
うめちゃんの楊貴妃は、普通の女の子でした。
少女漫画のヒロイン。シンデレラガールも楽じゃない、って感じの。
美人だけれど、普通の女の子。玄宗にさらわれたときのやりとりは、気が強くてお転婆な感じ。「いやでございます!」とかの言い方が気が強そうな、庶民的な若い女の子。
次に、宴席に姿を見せたときは、心細げ。場違いなところに引っ張り出されて不安げな少女のよう。また南海まりちゃんの梅妃が気品があっていかにもお姫様で、庶民出の主人公を小馬鹿にするライバルって感じで。
その普通の女の子感は最後まで続き、安禄山に襲われた後の「私は陛下と二人で平和に暮らしたいだけなのです」と玄宗にすがりつく姿が可憐で、日常的なリアリティに溢れていることったら。
だから玄宗が、本公演の「傾国の美女に溺れる皇帝」ではなく「可愛い女の子の包容力のある恋人」になるんだな。(二人とも本役より若く当然ながら貫禄に欠けるので時々「友達夫婦」にもなるけど、まあそれはご愛嬌)
みらんくんの安禄山は、かっこよかったです。ある意味ヒーロー。
いや本役も別のかっこよさがあるんだけど。
本役のとうこさんは、常に腹に一物秘めて周囲を欺き玄宗におべんちゃらを言い策謀をめぐらしている。
それに対し、みらんくんの安禄山はあんまり腹黒くない(笑)。玄宗に仕えているときはちゃんと仕えている。一方、(私利私欲だけに生きているのではなく)憂国の士でもあり、時が来たら正々堂々と下克上を狙う。ついでに楊貴妃にも本気で惚れていそうだ。(本役の安禄山は楊貴妃を欲しいとは思っているが惚れてはいなさそう。楊貴妃に拒否されて、本気で怒って傷ついているかかどうかの違い)
つまり、玄宗を欺き裏切る男ではなく、玄宗のライバルに見える。
「お気に入りに欺かれ裏切られる権力者」ではなく「いい男の野心と恋のライバル」なら、そりゃ玄宗もかっこいいよなあ。
ずるいや。
本公演の玄宗はあんなにかっこ悪くて、私的脳内フィルタで補正するのに苦労しているのにさ(笑)。
せっかく、トップでいる間は短いんだから好きな人がセンターにいる幸せを享受しよう、作品に文句つけてる暇はない、と心を入れ替えて昼の本公演はそれなりに楽しく見たのに。こんな可能性を見せられたら未練が募るじゃないか。
ずるいずるいずーるーいー!!(駄々こね)
あと、なんか殺陣が違うような気がするんですが。新人公演の方がかっこいいような気がするんですが。玄宗も安禄山も、こっちの方がかっこいいし、強そうなんですが。
「斉藤くんの演出だからでしょう(緑野さん談)」それなら是非本公演にも取り入れて欲しい! すぐは無理でも東宝に向けて、どうか頼みますよぉ!
あんまり悔しかったので、今日はこれでおしまい(笑)。
あ、でもひとつだけ。
綺華れいちゃんの楊国忠、戦場での総髪姿がうつくしいーー!!
舞台中央に出てくる姿に息を呑みました。まるで武者人形、一幅の絵。
あの美しさは一生忘れません。
それにしても、楊貴妃より美しい楊国忠って一体……。
すげー面白かったです。
緑野さんともお目にかかれまして、色々とお喋りできて更に楽しさ倍増でした。
色々ツボにはまったことはありましたが、私が一番頭を悩ませたのは。
礼音くんの玄宗は何でかっこよく見えるんだ。
基本的な役作りは本役と同じなのに。
主な理由は二つかなあ。
楊貴妃=うめちゃんと安禄山=みらんくん。
この二人の役作りが本公演と違うので、それに対する玄宗の人間像も違ってくるんだわ。
うめちゃんの楊貴妃は、普通の女の子でした。
少女漫画のヒロイン。シンデレラガールも楽じゃない、って感じの。
美人だけれど、普通の女の子。玄宗にさらわれたときのやりとりは、気が強くてお転婆な感じ。「いやでございます!」とかの言い方が気が強そうな、庶民的な若い女の子。
次に、宴席に姿を見せたときは、心細げ。場違いなところに引っ張り出されて不安げな少女のよう。また南海まりちゃんの梅妃が気品があっていかにもお姫様で、庶民出の主人公を小馬鹿にするライバルって感じで。
その普通の女の子感は最後まで続き、安禄山に襲われた後の「私は陛下と二人で平和に暮らしたいだけなのです」と玄宗にすがりつく姿が可憐で、日常的なリアリティに溢れていることったら。
だから玄宗が、本公演の「傾国の美女に溺れる皇帝」ではなく「可愛い女の子の包容力のある恋人」になるんだな。(二人とも本役より若く当然ながら貫禄に欠けるので時々「友達夫婦」にもなるけど、まあそれはご愛嬌)
みらんくんの安禄山は、かっこよかったです。ある意味ヒーロー。
いや本役も別のかっこよさがあるんだけど。
本役のとうこさんは、常に腹に一物秘めて周囲を欺き玄宗におべんちゃらを言い策謀をめぐらしている。
それに対し、みらんくんの安禄山はあんまり腹黒くない(笑)。玄宗に仕えているときはちゃんと仕えている。一方、(私利私欲だけに生きているのではなく)憂国の士でもあり、時が来たら正々堂々と下克上を狙う。ついでに楊貴妃にも本気で惚れていそうだ。(本役の安禄山は楊貴妃を欲しいとは思っているが惚れてはいなさそう。楊貴妃に拒否されて、本気で怒って傷ついているかかどうかの違い)
つまり、玄宗を欺き裏切る男ではなく、玄宗のライバルに見える。
「お気に入りに欺かれ裏切られる権力者」ではなく「いい男の野心と恋のライバル」なら、そりゃ玄宗もかっこいいよなあ。
ずるいや。
本公演の玄宗はあんなにかっこ悪くて、私的脳内フィルタで補正するのに苦労しているのにさ(笑)。
せっかく、トップでいる間は短いんだから好きな人がセンターにいる幸せを享受しよう、作品に文句つけてる暇はない、と心を入れ替えて昼の本公演はそれなりに楽しく見たのに。こんな可能性を見せられたら未練が募るじゃないか。
ずるいずるいずーるーいー!!(駄々こね)
あと、なんか殺陣が違うような気がするんですが。新人公演の方がかっこいいような気がするんですが。玄宗も安禄山も、こっちの方がかっこいいし、強そうなんですが。
「斉藤くんの演出だからでしょう(緑野さん談)」それなら是非本公演にも取り入れて欲しい! すぐは無理でも東宝に向けて、どうか頼みますよぉ!
あんまり悔しかったので、今日はこれでおしまい(笑)。
あ、でもひとつだけ。
綺華れいちゃんの楊国忠、戦場での総髪姿がうつくしいーー!!
舞台中央に出てくる姿に息を呑みました。まるで武者人形、一幅の絵。
あの美しさは一生忘れません。
それにしても、楊貴妃より美しい楊国忠って一体……。
うぎゃー。(宝塚歌劇公式HP)
2004年10月18日 宝塚ちゃんとした相手役もいないままにサヨナラ。なんてこったい。
http://www.sankei.co.jp/edit/bunka/sumirestyle/2004/oct/kiji/18saeko.html
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109808251520476&;genre=star
http://www.sankei.co.jp/edit/bunka/sumirestyle/2004/oct/kiji/18saeko.html
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109808251520476&;genre=star
リピーターの愉しみ(宝塚大劇場星組公演)
2004年10月18日 宝塚昨日書き残したことをいくつか。
これほど誰も彼も「芝居はもうたくさん、ショーだけ見たい」と言っている公演って初めてなのですが。気持ちはわかりますが。
でも勿体無いので芝居もショーも見ます。(残りご飯が捨てられないタイプ)
楊国忠観察日記
・最初の出番・楊家一門の紹介
感激にきらきらしてます。
陛下から直々にお言葉をいただいちゃったよ。これからこんな殿上人に混じって働けるのかオレ。ってわくわくしてますな。
玄宗だけでなく、李林補や高力士への視線にも憧れが輝いてるよ。
・宴席
玉環が貴妃になったときの喜びの表情。お兄ちゃん(従兄弟だけど)うれしいよって感じ。
・幕前芝居
陳玄礼に安禄山を陛下に近づけるなと言われて、ちゃんと手は打ってあると答える国忠。
はっきり言って得意げです。
そのくらい心得てます、私だっていつまでも半人前ではありませんよ。って顔で言ってます。「流石は国忠どの」と誉められて嬉しそうです。
が、皇甫惟明の話に俄かに怪しくなる雲行き。しまった、そこまで考えてなかった!
。だって「陛下はご信任であられます」ってうれしそうじゃん。きっと陛下と一緒になって喜んじゃったりしたんですな。たから言いにくいんだ(笑)。しかし陳玄礼には更に強く責められるし。しゅんとするしぃちゃん……じゃない国忠。きっと楊貴妃のコネもあんまり使いたくないんだよね。それとも玉環には政治的なアタマが無さ過ぎて使おうにも使えないのか。
そして現れる皇甫惟明。にこやかにおべんちゃらを言う陳玄礼の変わり身についていけてません(笑)。
・楊貴妃と二人きりでいた皇甫惟明を責める場面
ここもお兄ちゃんカウント。うちの妹に近づく奴は(陛下以外は)許さん、ってことで。でも皇甫惟明まとぶんの視線はひたすら楊貴妃の姿を追って、国忠のことは見ちゃいませんが。
・宰相となりました。
この衣装好きです。長身に良くお似合い。
三姉妹と歌い踊る国忠。でも浮かれきってはいない。歌の後もすっと真顔に戻る。この従姉妹たちと自分は違う、と言っている眼。
大人になったんだねぇ(違)。
・皇甫惟明の死を伝える
ここ顔が見えません(残念)。ので私のイメージではひそかにお兄ちゃんカウントなんですが、どうなんでしょう。
(と言いつつ昨日ははけていくまで国忠の無表情な真顔を追っていた私)
・大往生
すげーかっこいいです。じゃなくて。
4人(だっけ?)を相手に負けていなかったのに安禄山の一撃にはよろける。でも玄宗と安禄山が切り結んでるときは玄宗の方が強そうだったよ。玄宗最強? いやそういう話じゃなくて。
他の兵士と切りあっている隙に背後から安禄山の槍に突かれる。致命傷を負いながらもその槍を奪い、最後の力を振り絞って目の前の兵士を屠る。(私の中のピュアファンな部分はここで涙)
いや実際、自軍の兵士達に殺される原作に比べると最後までいい奴な役でした。原作バージョン楊国忠も見たい気はしますが。
女官チェック。
真白ふありちゃんが目に付きます。なんとなく幸薄そうな美少女。あと侍童の妃咲せあらちゃんがかわいー。
下級生チェックしているうちにどんどん詳しくなって、ますます愛着が湧いて離れがたくなりそうな。そうかモブチェックに励むしかないストーリーの無さは劇団の陰謀だったのか(言いがかり)。
楊貴妃チェック
楊貴妃=檀れい様の美しさを愛でるだけでも一時間半保つかもしれない。今度一回やってみよう。(暇なのね)
今回、楊貴妃の魅力は手にあると思います。最初の登場の舞いから最後昇天する天女の皇帝を止めるしぐさまで。動きの艶っぽさ止めた姿の美しさ。白魚の指天女の手。この世のものとは思われぬ。
男役の手を「男の手」に見せてくれる手でもある。素晴らしい。
ショー感想補足。
昨日のアドリブ集はとりあえず事実だけ並べてますが「紳士をエスコート(違)するセレブS」には客席で大喜びしておりました。
だって何より目に美しいんだもの。
ケロさんの黒燕尾にはしばしばオペラグラスをさらわれております。なんてかっこいいんだろう。いやかっこいいと言うには端正、端正と言うには色気があり、色っぽいと言うには包容力があり、包容力と言うには繊細でもあり、繊細と言うにはあたたかい。
うっとり。
そんな麗しの優男の肩を、我が最愛の男前な色男が抱いて走り去っていく訳ですよ。
眼福眼福。
(私は自分の目に映ったとおりに語っているだけです。だけですってば)
これほど誰も彼も「芝居はもうたくさん、ショーだけ見たい」と言っている公演って初めてなのですが。気持ちはわかりますが。
でも勿体無いので芝居もショーも見ます。(残りご飯が捨てられないタイプ)
楊国忠観察日記
・最初の出番・楊家一門の紹介
感激にきらきらしてます。
陛下から直々にお言葉をいただいちゃったよ。これからこんな殿上人に混じって働けるのかオレ。ってわくわくしてますな。
玄宗だけでなく、李林補や高力士への視線にも憧れが輝いてるよ。
・宴席
玉環が貴妃になったときの喜びの表情。お兄ちゃん(従兄弟だけど)うれしいよって感じ。
・幕前芝居
陳玄礼に安禄山を陛下に近づけるなと言われて、ちゃんと手は打ってあると答える国忠。
はっきり言って得意げです。
そのくらい心得てます、私だっていつまでも半人前ではありませんよ。って顔で言ってます。「流石は国忠どの」と誉められて嬉しそうです。
が、皇甫惟明の話に俄かに怪しくなる雲行き。しまった、そこまで考えてなかった!
。だって「陛下はご信任であられます」ってうれしそうじゃん。きっと陛下と一緒になって喜んじゃったりしたんですな。たから言いにくいんだ(笑)。しかし陳玄礼には更に強く責められるし。しゅんとするしぃちゃん……じゃない国忠。きっと楊貴妃のコネもあんまり使いたくないんだよね。それとも玉環には政治的なアタマが無さ過ぎて使おうにも使えないのか。
そして現れる皇甫惟明。にこやかにおべんちゃらを言う陳玄礼の変わり身についていけてません(笑)。
・楊貴妃と二人きりでいた皇甫惟明を責める場面
ここもお兄ちゃんカウント。うちの妹に近づく奴は(陛下以外は)許さん、ってことで。でも皇甫惟明まとぶんの視線はひたすら楊貴妃の姿を追って、国忠のことは見ちゃいませんが。
・宰相となりました。
この衣装好きです。長身に良くお似合い。
三姉妹と歌い踊る国忠。でも浮かれきってはいない。歌の後もすっと真顔に戻る。この従姉妹たちと自分は違う、と言っている眼。
大人になったんだねぇ(違)。
・皇甫惟明の死を伝える
ここ顔が見えません(残念)。ので私のイメージではひそかにお兄ちゃんカウントなんですが、どうなんでしょう。
(と言いつつ昨日ははけていくまで国忠の無表情な真顔を追っていた私)
・大往生
すげーかっこいいです。じゃなくて。
4人(だっけ?)を相手に負けていなかったのに安禄山の一撃にはよろける。でも玄宗と安禄山が切り結んでるときは玄宗の方が強そうだったよ。玄宗最強? いやそういう話じゃなくて。
他の兵士と切りあっている隙に背後から安禄山の槍に突かれる。致命傷を負いながらもその槍を奪い、最後の力を振り絞って目の前の兵士を屠る。(私の中のピュアファンな部分はここで涙)
いや実際、自軍の兵士達に殺される原作に比べると最後までいい奴な役でした。原作バージョン楊国忠も見たい気はしますが。
女官チェック。
真白ふありちゃんが目に付きます。なんとなく幸薄そうな美少女。あと侍童の妃咲せあらちゃんがかわいー。
下級生チェックしているうちにどんどん詳しくなって、ますます愛着が湧いて離れがたくなりそうな。そうかモブチェックに励むしかないストーリーの無さは劇団の陰謀だったのか(言いがかり)。
楊貴妃チェック
楊貴妃=檀れい様の美しさを愛でるだけでも一時間半保つかもしれない。今度一回やってみよう。(暇なのね)
今回、楊貴妃の魅力は手にあると思います。最初の登場の舞いから最後昇天する天女の皇帝を止めるしぐさまで。動きの艶っぽさ止めた姿の美しさ。白魚の指天女の手。この世のものとは思われぬ。
男役の手を「男の手」に見せてくれる手でもある。素晴らしい。
ショー感想補足。
昨日のアドリブ集はとりあえず事実だけ並べてますが「紳士をエスコート(違)するセレブS」には客席で大喜びしておりました。
だって何より目に美しいんだもの。
ケロさんの黒燕尾にはしばしばオペラグラスをさらわれております。なんてかっこいいんだろう。いやかっこいいと言うには端正、端正と言うには色気があり、色っぽいと言うには包容力があり、包容力と言うには繊細でもあり、繊細と言うにはあたたかい。
うっとり。
そんな麗しの優男の肩を、我が最愛の男前な色男が抱いて走り去っていく訳ですよ。
眼福眼福。
(私は自分の目に映ったとおりに語っているだけです。だけですってば)
もうひとりの主人公(「ロマンチカ宝塚−ドルチェ・ヴィータ!」宝塚大劇場星組公演)
2004年10月17日 宝塚頭からっぽのままショーの感想。と言うか雑談。
その1・もう一人の主人公
フィナーレ。少女が両親の元に戻り、どこかで見たような人たちが行き過ぎる。
白いスーツの男が、豪奢なドレスの女を見つける。
男の帽子が落ちる。
白いワンピースの娘の声は男には届かない。さえぎっているのは悪魔? いや、悪魔がいてもいなくとも同じこと。男は見てしまったのだから。
やがて悪魔は手を差し伸べ、男は悪魔の手をとる。
最初に見たとき、汐美さんのソロの場面で頭がホワイトアウトするのは、サヨナラのせいだと思っていました。馬鹿だなあ自分。
違いました。
この場面が痛みに満ちていたから。景色も、旋律も、言葉も、声も。
ドルチェ・ヴィータの姿を追って、ディアボロに導かれ、わだつみに身を投じる男。
今まで綴られた物語と同じ。もう一人の主人公。
でも、違う。
この男は、ディアボロを視ている。自覚的にディアボロの手を取っている。
二度とは戻れない道と知りながら、その道を選び取る。
この世ならぬ異界への道。彼岸への道。
今までの物語の男は、最初から最後までディアボロを見なかった。
ただ、ディアボロの導く方向に誘われ、翻弄されるだけ。女たち−ディアボロの見せる幻、用意した供物を手にしようとあがくだけ。
もしかしたら。
新たな贄を得て、最初の男は要らなくなった、のだろうか。
ディアボロは彼を手放した?
気づかぬまま異界をさまよっていた男は、現し世に突然放逐された?
だから彼は、手の中にあったはずのぬくもりを失って呆然としなければならなかったのだろうか。
無理矢理引き剥がされても、記憶は残る。身も心も元のままではない。
幾夜もうなされ続ける。愛と言う名の終わりのない悪夢に。
かつて彼がそうさせた、少女のように。
それは罰?
でも、彼は自分が何故ディアボロのお眼鏡に適わなかったか、気づかないんだろうな。そもそもディアボロ自体、最後まで見えなかったんだし。
幾度繰り返しても、同じなんだろうな。
それは、彼が彼であるゆえの。
そして彼は、世界に拒絶され続ける。
彼は彼であり続ける。
って。
また世界に拒絶されるネタです。
パレード、ワタさんの階段降りだけ曲が「花市場」なんですよ。
それまでずっと「マスカレード」なのにね。
でも、いいんだな、それはそれで。
全てに対し太陽は輝くものだから。ひとりでも。
それが太陽。
***
その2・サテュロス観察日記
博多座から役替り(タニちゃん→まとぶん)のサテュロスS。
だいぶ印象が変わって、あれれ、てな感じだったのですが、現時点での私の解釈は「魔界の王女」です(魔法のプリンセスではありません)。
強大な魔の血脈を受け継ぐ正当な後継者。但し、まだ覚醒してはいない。覚醒した暁には、どれだけの力を持つかわからない怖ろしさを秘めた、未熟な魔女。
後ろの二人はお付きで、先輩魔女なのね。今はこの二人の方が力の使い方を知っている分力があると。
しかし、博多座のタニちゃんは完全にヒトじゃなくて魔物だと思ったんだけど、まとぶんサテュロスは魔女でもヒト(ついでに女性)認識してるんだな、私。
(それ以前に他の人はこんなこと考えないと思いますが)
ついでに、船上のセレブ男A涼さんがしれっとした顔で踊っているのを見ると、毎回「さっきはあんなだったのにー!」と心の中で突っ込んでしまう私(笑)。
***
その3・アドリブ集(自分用メモ)
・花市場の花一輪は、昼がハワイアン、午後が恋する乙女(ぶりっ子して花屋の店主に渡す)
・組長さん航海士のオヤジギャグは昼公演がゴルフ「朝なのにバンカー」午後が「不安になるとファンの皆様が頼り」一体いくつ仕込んでるんですか。
・船。セレブ男S、上着を預ける際に航海士と見つめ合った後、相手の耳元で何事か囁いております。航海士は引っ込み際頭掻いて照れてる風情です。昼も午後も似た感じですが、昼の方がわかりやすかったですかね。
て言うか、ここ、もう一人の航海士はセレブ女Sにうっとりで二人とも心ここにあらずで水兵さんが「あのー、もしもし?」って感じで帽子とか受け取ってるんですが、ここまで段取られてるって既にアドリブの域を超えてるような気が。
ついでにセレブ男S、後で少女にも目を留めて奥さん(セレブ女S)にやんわり引っ張って行かれます。(絶対いつかここ耳引っ張られると思う)これは演出だというのはわかってますが、あなた一体どういうキャラですか、しょーがないなあ(笑)。
・揺れる船。午後はディアボロがセレブSの背中におんぶ。ぴょこんって感じで。
・セーラーお掃除の場面。一等航海士と一緒に引っ込むディアボロ。昼は飛行機ごっこ?両手を広げたポーズで遊んでいたはずが、いつの間にかディアボロがしらっとした顔をしてばつの悪い一等航海士。午後は一等航海士にもおんぶしてもらってました。そーゆー日なのか。
・銀橋勢ぞろいでの雷鳴にばらばらと逃げる場面。昼はセレブ男Sが紳士(元航海士)の肩に手をかけ腰に手を回しエスコート。奥さん置いてきぼり。(ごめんね檀ちゃん……ってだからあんたの立ち位置は何だ)午後はセレブ男Sがやおら手を両耳に当ててしゃがみこみ(雷怖いのね)、両側から支えてもらって逃げてました。
・銀橋でディアボロと男(汐美さん)がはけていくところ、午後の回でケロさんがとうこさんに挨拶(人差し指と中指を揃えての敬礼みたいなの)してました。とうこさんはちょっと間を置いて返してました(ディアボロとして返すか、安蘭けいとして返すか迷ったような感じ?)。
***
その4・ベネチア
『ドルチェ・ヴィータ!』について、多くの人がさまざまな事を語る。
語りたくなるものだから。
人によって、視点によって、そのときそのときの感情によって、見えるものが違う。
美しいプリズムのような。幾重にも重なった騙し絵のような。
群盲、象を撫でる。それは何と美しい象。
更に、これは宝塚の舞台なので、世界を見て人も見て、全体を見て隅っこの小芝居も見てその日のアドリブもチェックして、視覚も聴覚も思考も感情も右脳も左脳もフル動員。
疲れるはずです(笑)。
素晴らしいなあ、と思う。これだけ多くの人にそういうことをさせるって。
とりあえず個人的なことをひとつ言えば。
私は多分、ヴェネツィアに行ったらこのショーのことを思い出すだろう。細い道の曲がり角に、薄暗い袋小路に、澱んだ運河の水面に、ドルチェ・ヴィータやディアボロや少女や、憧れに憑かれた男の姿を探すだろう。
楽しみだ。(と言うか行きたくなってきた)
オギー、オペラの演出やってくれないかな。『ホフマン物語』のヴェネツィアの幕なんてまんまオープニングの世界観でいけると思うんだけどな。
私がもしうなるほど金を持っていたら、オギーを口説き落として『ホフマン』を演出してもらう。歌手はビジュアルも考慮してオーディションで選んで。
取り留めのないまま今日はこの辺で。
その1・もう一人の主人公
フィナーレ。少女が両親の元に戻り、どこかで見たような人たちが行き過ぎる。
白いスーツの男が、豪奢なドレスの女を見つける。
男の帽子が落ちる。
白いワンピースの娘の声は男には届かない。さえぎっているのは悪魔? いや、悪魔がいてもいなくとも同じこと。男は見てしまったのだから。
やがて悪魔は手を差し伸べ、男は悪魔の手をとる。
最初に見たとき、汐美さんのソロの場面で頭がホワイトアウトするのは、サヨナラのせいだと思っていました。馬鹿だなあ自分。
違いました。
この場面が痛みに満ちていたから。景色も、旋律も、言葉も、声も。
ドルチェ・ヴィータの姿を追って、ディアボロに導かれ、わだつみに身を投じる男。
今まで綴られた物語と同じ。もう一人の主人公。
でも、違う。
この男は、ディアボロを視ている。自覚的にディアボロの手を取っている。
二度とは戻れない道と知りながら、その道を選び取る。
この世ならぬ異界への道。彼岸への道。
今までの物語の男は、最初から最後までディアボロを見なかった。
ただ、ディアボロの導く方向に誘われ、翻弄されるだけ。女たち−ディアボロの見せる幻、用意した供物を手にしようとあがくだけ。
もしかしたら。
新たな贄を得て、最初の男は要らなくなった、のだろうか。
ディアボロは彼を手放した?
気づかぬまま異界をさまよっていた男は、現し世に突然放逐された?
だから彼は、手の中にあったはずのぬくもりを失って呆然としなければならなかったのだろうか。
無理矢理引き剥がされても、記憶は残る。身も心も元のままではない。
幾夜もうなされ続ける。愛と言う名の終わりのない悪夢に。
かつて彼がそうさせた、少女のように。
それは罰?
でも、彼は自分が何故ディアボロのお眼鏡に適わなかったか、気づかないんだろうな。そもそもディアボロ自体、最後まで見えなかったんだし。
幾度繰り返しても、同じなんだろうな。
それは、彼が彼であるゆえの。
そして彼は、世界に拒絶され続ける。
彼は彼であり続ける。
って。
また世界に拒絶されるネタです。
パレード、ワタさんの階段降りだけ曲が「花市場」なんですよ。
それまでずっと「マスカレード」なのにね。
でも、いいんだな、それはそれで。
全てに対し太陽は輝くものだから。ひとりでも。
それが太陽。
***
その2・サテュロス観察日記
博多座から役替り(タニちゃん→まとぶん)のサテュロスS。
だいぶ印象が変わって、あれれ、てな感じだったのですが、現時点での私の解釈は「魔界の王女」です(魔法のプリンセスではありません)。
強大な魔の血脈を受け継ぐ正当な後継者。但し、まだ覚醒してはいない。覚醒した暁には、どれだけの力を持つかわからない怖ろしさを秘めた、未熟な魔女。
後ろの二人はお付きで、先輩魔女なのね。今はこの二人の方が力の使い方を知っている分力があると。
しかし、博多座のタニちゃんは完全にヒトじゃなくて魔物だと思ったんだけど、まとぶんサテュロスは魔女でもヒト(ついでに女性)認識してるんだな、私。
(それ以前に他の人はこんなこと考えないと思いますが)
ついでに、船上のセレブ男A涼さんがしれっとした顔で踊っているのを見ると、毎回「さっきはあんなだったのにー!」と心の中で突っ込んでしまう私(笑)。
***
その3・アドリブ集(自分用メモ)
・花市場の花一輪は、昼がハワイアン、午後が恋する乙女(ぶりっ子して花屋の店主に渡す)
・組長さん航海士のオヤジギャグは昼公演がゴルフ「朝なのにバンカー」午後が「不安になるとファンの皆様が頼り」一体いくつ仕込んでるんですか。
・船。セレブ男S、上着を預ける際に航海士と見つめ合った後、相手の耳元で何事か囁いております。航海士は引っ込み際頭掻いて照れてる風情です。昼も午後も似た感じですが、昼の方がわかりやすかったですかね。
て言うか、ここ、もう一人の航海士はセレブ女Sにうっとりで二人とも心ここにあらずで水兵さんが「あのー、もしもし?」って感じで帽子とか受け取ってるんですが、ここまで段取られてるって既にアドリブの域を超えてるような気が。
ついでにセレブ男S、後で少女にも目を留めて奥さん(セレブ女S)にやんわり引っ張って行かれます。(絶対いつかここ耳引っ張られると思う)これは演出だというのはわかってますが、あなた一体どういうキャラですか、しょーがないなあ(笑)。
・揺れる船。午後はディアボロがセレブSの背中におんぶ。ぴょこんって感じで。
・セーラーお掃除の場面。一等航海士と一緒に引っ込むディアボロ。昼は飛行機ごっこ?両手を広げたポーズで遊んでいたはずが、いつの間にかディアボロがしらっとした顔をしてばつの悪い一等航海士。午後は一等航海士にもおんぶしてもらってました。そーゆー日なのか。
・銀橋勢ぞろいでの雷鳴にばらばらと逃げる場面。昼はセレブ男Sが紳士(元航海士)の肩に手をかけ腰に手を回しエスコート。奥さん置いてきぼり。(ごめんね檀ちゃん……ってだからあんたの立ち位置は何だ)午後はセレブ男Sがやおら手を両耳に当ててしゃがみこみ(雷怖いのね)、両側から支えてもらって逃げてました。
・銀橋でディアボロと男(汐美さん)がはけていくところ、午後の回でケロさんがとうこさんに挨拶(人差し指と中指を揃えての敬礼みたいなの)してました。とうこさんはちょっと間を置いて返してました(ディアボロとして返すか、安蘭けいとして返すか迷ったような感じ?)。
***
その4・ベネチア
『ドルチェ・ヴィータ!』について、多くの人がさまざまな事を語る。
語りたくなるものだから。
人によって、視点によって、そのときそのときの感情によって、見えるものが違う。
美しいプリズムのような。幾重にも重なった騙し絵のような。
群盲、象を撫でる。それは何と美しい象。
更に、これは宝塚の舞台なので、世界を見て人も見て、全体を見て隅っこの小芝居も見てその日のアドリブもチェックして、視覚も聴覚も思考も感情も右脳も左脳もフル動員。
疲れるはずです(笑)。
素晴らしいなあ、と思う。これだけ多くの人にそういうことをさせるって。
とりあえず個人的なことをひとつ言えば。
私は多分、ヴェネツィアに行ったらこのショーのことを思い出すだろう。細い道の曲がり角に、薄暗い袋小路に、澱んだ運河の水面に、ドルチェ・ヴィータやディアボロや少女や、憧れに憑かれた男の姿を探すだろう。
楽しみだ。(と言うか行きたくなってきた)
オギー、オペラの演出やってくれないかな。『ホフマン物語』のヴェネツィアの幕なんてまんまオープニングの世界観でいけると思うんだけどな。
私がもしうなるほど金を持っていたら、オギーを口説き落として『ホフマン』を演出してもらう。歌手はビジュアルも考慮してオーディションで選んで。
取り留めのないまま今日はこの辺で。
悟りは遠い−イタいファンの戯言(「花舞う長安」宝塚大劇場星組公演)
2004年10月17日 宝塚ダブルヘッダーしてきました。
おかげでへろへろしています。頭空っぽ胸いっぱいな状態。
ショーで気力体力吸われるかと思いきや、意外と芝居が消耗戦でした。多分もうやりません。多分ね。
昼公演、隣のお客さんはいびきかいて寝てたぞ。(寝るのは仕方ないけどいびきは勘弁)
本日は初めて1階席。2回とも1階S席センターブロック後方の似たような席でした。
あんまりいい席じゃないと言えばそうなんですが、それでも1階S席は1階S席。お芝居のセットの豪華さは2階より堪能できます。
昼の部はそれで「おおー豪華じゃん」と今更ながらに感嘆し飽きずに見たのですが、午後はもう効き目がなかった。結構意識が飛びかけました。
睡蓮のデュエットの後の、楊家三姉妹あたりからはずっと起きてましたが。
ちなみにこの場面の私的注目ポイントは、
・次の贈り物が来ると前の使者を放り出す三姉妹
・そんな三姉妹に辟易しつつ女官たちに取り囲まれると「ま、いいか」と鼻の下を伸ばす使者
・三姉妹に囲まれて楊国忠がいかに自分を保てるか、又真顔に戻るか
です。
あと最近仙堂さんが可愛くて仕方がありません。
その後はもうクライマックスだからなー。
1階センターだと、役者の正面切った目線がまっすぐ来るんですよね。
そのせいかな。
何だか、玄宗と楊貴妃が可哀想で可哀想で、苦しくなってしまったんですけど。
こんな馬鹿な話なのに!こんな阿呆な主人公なのに!と激しく自分に突っ込み入れながら。でも切ない、苦しい。
……信じらんない(笑)。
楊貴妃が死んだ後の玄宗の銀橋渡りが見ていられませんでしたわ。歌いだすとまだいいんですが、その前。こんな腑抜けてズタボロな人に人前を歩かせちゃいかんよ!とか思ってしまった。無茶苦茶だ。我ながらおかしい。
要するにイタいファン、ってことですか。
愛する者が死んだ後の銀橋、という場面はクリスティーヌ@ファントム、瑪瑙@飛鳥夕映えと同じつくりなんですけどね。男やもめの方がダメージが大きいってことなのかなあ。花ちゃんやえみくらちゃんのファンにとっては痛々しくて見てらんないシーンだったのかなあ。
本当にどうしようもない男なんだけどね、玄宗って。
せめて最後、楊貴妃をどうするか自分で決断すればもう少しね。それは無理でもせめて、この後安禄山の乱が平定された説明をひとこと入れてくれないかなあ。このお芝居「歴史的事実は知ってるよね」的な省略が多いけど、それを明示してくれないと玄宗が「国のためを貫くことが出来た」かどうかわからないじゃん。
作品には期待しないつもりだったのに、また文句を語ってしまいました。
悟りの境地は遠いです。
ちなみにそんな私は、他所様の掲示板で汐美さんが陳玄礼を「楊貴妃の次に玄宗を愛している人」として演じていると知ったとき「ここここんな馬鹿殿でごごごごめんなさぁぁぁい!!」と心の中で絶叫しました。もったいないもったいない。(あんたの立ち位置は何だ)
だって玄宗は絶対、楊貴妃のような分かり易い愛情とか、楊国忠のような分かり易い忠誠でないと気がつかないって! 最後まで「お前たちにも責任がある」とか言っちゃうような人だし(こんな上司いたらスタッフサービスに電話だ)。楊貴妃が死んだ後も逆恨みしそうですよ。
と言う訳で今のところ、安禄山あたりに「ご苦労なことですなあ」と揶揄される陳玄礼くらいしか思いつかないんですけど、いかがでしょうか緑野さん(私信・笑)。何で揶揄するんだとか考えるとそれはそれで面白いか、っていやその。
しかし、皆さんの演技がだんだんやりすぎの域に入ってきていると思います。私は好きですし、そうでないとリピートのし甲斐がありませんが。
と言う訳でこれからも楽しみなやりすぎだろうリスト(笑)。
・寿王の嘆き。
無駄に激しい。まあここしか寿王としての出番ないからなー。でもこれだけやってもう出てこないとは誰も思わないだろうなー。
・祝宴での楊家三姉妹。
言わずもがな。安禄山のことを「あらいい男ねぇ」とか言ってそうなんですが。
・陳玄礼と楊国忠の幕前芝居、皇補維明への裏表ある態度。
露骨に含みすぎで楊国忠が当惑してます。でも彼は素直に「そうかこれが宮廷での身の処し方か。自分はまだまだだな、もっと学ばなくては」とか思っていそうです。
・不老長寿の薬の話の場面の陳玄礼。
センター芝居に逐一反応してるんだけど、誰も相手をしてくれていない。と言うか相手が出来る要員がいない。是非彼に相方を。李補国と二人で出てくるように、東宝では変更希望。
・楊貴妃を襲う安禄山。
もっとやってくれてOKだと思うんでやりすぎポイントではないのですが、押し倒された楊貴妃の肩の露出具合がどんどん派手になっているような気が。
・楊国忠の死にっぷり。
これもべつにやりすぎではないか。どんどんボルテージ上がっているけど。本当に死にそうな迫力。
・楊貴妃の死の場も、みんな(玄宗も楊貴妃も高力士も陳玄礼も李補国も、ついでに「貴妃を殺せーっ!」と叫ぶ民衆も)どんどん熱く大芝居になってるんですが、ここもこれでいい、のかな。
以上、いや他にも、どこまで行くか東宝の千秋楽まで見守りたいと思います。(その前にチケット入手が)
それから、李亀年麻尋しゅんくんの歌が公演中もどんどん向上しているような気が。歌の上手い男役は貴重だもんねぇ、これからも頑張ってください。
(余談ながら案禄山が現れて李亀年が退出する場面、君までいなくなるからこんなことに、と思いながら今まで見てたんですが、高力士を呼びに行ったんじゃないかと気づきました。そのくらいの気は利きそうな子だ)
思ったより長くなったので、ショーは次項で。
おかげでへろへろしています。頭空っぽ胸いっぱいな状態。
ショーで気力体力吸われるかと思いきや、意外と芝居が消耗戦でした。多分もうやりません。多分ね。
昼公演、隣のお客さんはいびきかいて寝てたぞ。(寝るのは仕方ないけどいびきは勘弁)
本日は初めて1階席。2回とも1階S席センターブロック後方の似たような席でした。
あんまりいい席じゃないと言えばそうなんですが、それでも1階S席は1階S席。お芝居のセットの豪華さは2階より堪能できます。
昼の部はそれで「おおー豪華じゃん」と今更ながらに感嘆し飽きずに見たのですが、午後はもう効き目がなかった。結構意識が飛びかけました。
睡蓮のデュエットの後の、楊家三姉妹あたりからはずっと起きてましたが。
ちなみにこの場面の私的注目ポイントは、
・次の贈り物が来ると前の使者を放り出す三姉妹
・そんな三姉妹に辟易しつつ女官たちに取り囲まれると「ま、いいか」と鼻の下を伸ばす使者
・三姉妹に囲まれて楊国忠がいかに自分を保てるか、又真顔に戻るか
です。
あと最近仙堂さんが可愛くて仕方がありません。
その後はもうクライマックスだからなー。
1階センターだと、役者の正面切った目線がまっすぐ来るんですよね。
そのせいかな。
何だか、玄宗と楊貴妃が可哀想で可哀想で、苦しくなってしまったんですけど。
こんな馬鹿な話なのに!こんな阿呆な主人公なのに!と激しく自分に突っ込み入れながら。でも切ない、苦しい。
……信じらんない(笑)。
楊貴妃が死んだ後の玄宗の銀橋渡りが見ていられませんでしたわ。歌いだすとまだいいんですが、その前。こんな腑抜けてズタボロな人に人前を歩かせちゃいかんよ!とか思ってしまった。無茶苦茶だ。我ながらおかしい。
要するにイタいファン、ってことですか。
愛する者が死んだ後の銀橋、という場面はクリスティーヌ@ファントム、瑪瑙@飛鳥夕映えと同じつくりなんですけどね。男やもめの方がダメージが大きいってことなのかなあ。花ちゃんやえみくらちゃんのファンにとっては痛々しくて見てらんないシーンだったのかなあ。
本当にどうしようもない男なんだけどね、玄宗って。
せめて最後、楊貴妃をどうするか自分で決断すればもう少しね。それは無理でもせめて、この後安禄山の乱が平定された説明をひとこと入れてくれないかなあ。このお芝居「歴史的事実は知ってるよね」的な省略が多いけど、それを明示してくれないと玄宗が「国のためを貫くことが出来た」かどうかわからないじゃん。
作品には期待しないつもりだったのに、また文句を語ってしまいました。
悟りの境地は遠いです。
ちなみにそんな私は、他所様の掲示板で汐美さんが陳玄礼を「楊貴妃の次に玄宗を愛している人」として演じていると知ったとき「ここここんな馬鹿殿でごごごごめんなさぁぁぁい!!」と心の中で絶叫しました。もったいないもったいない。(あんたの立ち位置は何だ)
だって玄宗は絶対、楊貴妃のような分かり易い愛情とか、楊国忠のような分かり易い忠誠でないと気がつかないって! 最後まで「お前たちにも責任がある」とか言っちゃうような人だし(こんな上司いたらスタッフサービスに電話だ)。楊貴妃が死んだ後も逆恨みしそうですよ。
と言う訳で今のところ、安禄山あたりに「ご苦労なことですなあ」と揶揄される陳玄礼くらいしか思いつかないんですけど、いかがでしょうか緑野さん(私信・笑)。何で揶揄するんだとか考えるとそれはそれで面白いか、っていやその。
しかし、皆さんの演技がだんだんやりすぎの域に入ってきていると思います。私は好きですし、そうでないとリピートのし甲斐がありませんが。
と言う訳でこれからも楽しみなやりすぎだろうリスト(笑)。
・寿王の嘆き。
無駄に激しい。まあここしか寿王としての出番ないからなー。でもこれだけやってもう出てこないとは誰も思わないだろうなー。
・祝宴での楊家三姉妹。
言わずもがな。安禄山のことを「あらいい男ねぇ」とか言ってそうなんですが。
・陳玄礼と楊国忠の幕前芝居、皇補維明への裏表ある態度。
露骨に含みすぎで楊国忠が当惑してます。でも彼は素直に「そうかこれが宮廷での身の処し方か。自分はまだまだだな、もっと学ばなくては」とか思っていそうです。
・不老長寿の薬の話の場面の陳玄礼。
センター芝居に逐一反応してるんだけど、誰も相手をしてくれていない。と言うか相手が出来る要員がいない。是非彼に相方を。李補国と二人で出てくるように、東宝では変更希望。
・楊貴妃を襲う安禄山。
もっとやってくれてOKだと思うんでやりすぎポイントではないのですが、押し倒された楊貴妃の肩の露出具合がどんどん派手になっているような気が。
・楊国忠の死にっぷり。
これもべつにやりすぎではないか。どんどんボルテージ上がっているけど。本当に死にそうな迫力。
・楊貴妃の死の場も、みんな(玄宗も楊貴妃も高力士も陳玄礼も李補国も、ついでに「貴妃を殺せーっ!」と叫ぶ民衆も)どんどん熱く大芝居になってるんですが、ここもこれでいい、のかな。
以上、いや他にも、どこまで行くか東宝の千秋楽まで見守りたいと思います。(その前にチケット入手が)
それから、李亀年麻尋しゅんくんの歌が公演中もどんどん向上しているような気が。歌の上手い男役は貴重だもんねぇ、これからも頑張ってください。
(余談ながら案禄山が現れて李亀年が退出する場面、君までいなくなるからこんなことに、と思いながら今まで見てたんですが、高力士を呼びに行ったんじゃないかと気づきました。そのくらいの気は利きそうな子だ)
思ったより長くなったので、ショーは次項で。
血湧き肉踊る(笑)(『十字軍のロンバルディア人』びわ湖ホール プロデュースオペラ)
2004年10月16日 オペラびわ湖ホール プロデュースオペラ ヴェルディ『十字軍のロンバルディア
人』見てまいりました。
期待通り、ぶんちゃかぶんちゃかでドッカンぎゃーなオペラでした。面白かったです。満足満足。
以下後日記入予定。
人』見てまいりました。
期待通り、ぶんちゃかぶんちゃかでドッカンぎゃーなオペラでした。面白かったです。満足満足。
以下後日記入予定。
酸っぱい葡萄は禁断の果実(宝塚大運動会)
2004年10月13日 宝塚運動会は行ってません。
そもそも食指が動かなかったんだな。友会もエントリーしなかったくらいに。
舞台以外の姿にあまり興味が無い傾向があって。お茶会もあんまり行きたいと思わないしなー。(でも今すごくこの人のお茶会に行きたいという人がいる。それはまた別の話)
もちろん、人並みに興味はあります。昨日も帰ってすぐ結果を確認したし。(まず公式を見に行って、出ていなくてがっくりした奴。そ、そうかそういうイベントじゃないんだ)
星組さん、残念だったねえ。あれだけ優勝優勝言っていた人たちが今頃どうしているかと思うと、明日の入りに駆けつけたい衝動にかられます(笑)。月組さんはおめでとう。
今日も、あちこちのサイト巡回してチェック。うわー、そんなんだったんだー。行ってたら楽しかったろうな。行けばよかったかな。(何が何でも行こうと思えば手段はあったと思う。大人だから・笑)
が、詳細なレポートを読んでいるうちに、気が変わってきました。
やっぱり行かなくて良かった。
行っていたら私、確実にもう一歩深みにはまってた。ジェンヌさんの素顔にはあんまり興味ないなんて言ってられなくなってたよ。
あーよかった。
……負け惜しみじゃありませんよ。
ワタさんの長ランが見たいとか赤スーツワタさん+黒スーツとうこさんまとぶんが見たいとか、檀ちゃんのリーゼント+長ランが見たいとか、疾走する礼音くんとか疾走する綺華れいちゃんのスコート姿とかファンと二人三脚するすずみんとかまりえちゃんみなみちゃんの障害走とか大玉を転がすしいちゃんとか椅子取りゲームで暴れるうめちゃんや仙堂さんとか綱引きでケロちゃんなケロさんとか、トド様松本先生ガイチさん樹里さんのマツケンサンバが見たいとか、スサノオに参加するかしげちゃんが見たいとか、優勝してにこにこなさえちゃんが見たいとか、全然思ってませんから!
ま、全然と言うのはウソですがね。
10/14補足。
星組3バカトリオ(失礼……)の123レースの衣裳は、スーツでなくガクランだった模様。あちこち巡回するとスーツ説とガクラン説があるんだけど、写真見てもわからんです。(ビリでよく写ってないから)
http://www.sankei.co.jp/edit/bunka/bunka.html
そもそも食指が動かなかったんだな。友会もエントリーしなかったくらいに。
舞台以外の姿にあまり興味が無い傾向があって。お茶会もあんまり行きたいと思わないしなー。(でも今すごくこの人のお茶会に行きたいという人がいる。それはまた別の話)
もちろん、人並みに興味はあります。昨日も帰ってすぐ結果を確認したし。(まず公式を見に行って、出ていなくてがっくりした奴。そ、そうかそういうイベントじゃないんだ)
星組さん、残念だったねえ。あれだけ優勝優勝言っていた人たちが今頃どうしているかと思うと、明日の入りに駆けつけたい衝動にかられます(笑)。月組さんはおめでとう。
今日も、あちこちのサイト巡回してチェック。うわー、そんなんだったんだー。行ってたら楽しかったろうな。行けばよかったかな。(何が何でも行こうと思えば手段はあったと思う。大人だから・笑)
が、詳細なレポートを読んでいるうちに、気が変わってきました。
やっぱり行かなくて良かった。
行っていたら私、確実にもう一歩深みにはまってた。ジェンヌさんの素顔にはあんまり興味ないなんて言ってられなくなってたよ。
あーよかった。
……負け惜しみじゃありませんよ。
ワタさんの長ランが見たいとか赤スーツワタさん+黒スーツとうこさんまとぶんが見たいとか、檀ちゃんのリーゼント+長ランが見たいとか、疾走する礼音くんとか疾走する綺華れいちゃんのスコート姿とかファンと二人三脚するすずみんとかまりえちゃんみなみちゃんの障害走とか大玉を転がすしいちゃんとか椅子取りゲームで暴れるうめちゃんや仙堂さんとか綱引きでケロちゃんなケロさんとか、トド様松本先生ガイチさん樹里さんのマツケンサンバが見たいとか、スサノオに参加するかしげちゃんが見たいとか、優勝してにこにこなさえちゃんが見たいとか、全然思ってませんから!
ま、全然と言うのはウソですがね。
10/14補足。
星組3バカトリオ(失礼……)の123レースの衣裳は、スーツでなくガクランだった模様。あちこち巡回するとスーツ説とガクラン説があるんだけど、写真見てもわからんです。(ビリでよく写ってないから)
http://www.sankei.co.jp/edit/bunka/bunka.html
それはかえってさみしい(宝塚歌劇ホームページ)
2004年10月12日 宝塚今日から、公式ホームページのトップ写真が変わってました。
男役一人写りになってるんですね。
独り身のさえちゃんを慮ってのことか。
そんなことより早くお似合いのお嫁さんをー。
ところで、星東宝の友会抽選は全滅でした。何とかひとつくらいと思ってSSからBまで散らしてみたんですが……。
さてどうしたものかなー。(って何回観に行く気だ)
男役一人写りになってるんですね。
独り身のさえちゃんを慮ってのことか。
そんなことより早くお似合いのお嫁さんをー。
ところで、星東宝の友会抽選は全滅でした。何とかひとつくらいと思ってSSからBまで散らしてみたんですが……。
さてどうしたものかなー。(って何回観に行く気だ)
悪魔の涙(「ロマンチカ宝塚−ドルチェ・ヴィータ!」宝塚大劇場星組公演
2004年10月11日 宝塚阪急交通社貸切公演B席。ラガールカードつき。3,500円のチケットに1,000円のおまけがつくので大変お得です。ぜひ次は皆様どうぞ。
つい宣伝してしまうのは2階席ががらがらだったからで。A席もカードつきだったはずたげと、全然埋まってなくて寂しかった。月組も阪急貸切で見たけど、もうちょっとは埋まっていたような気が。
芝居は、観る度に熱が上がっていて楽しいです。寿王と安禄山のシーンがこんなに熱いなんて思わなかったよ(笑)。あと宴席での楊家三姉妹!下手端での激しい小芝居が楽しそうだ。10日でこれでは、楽までにはどこまで行くのやら。真飛さんの皇甫惟明も独特の色合いが出て面白くなってきました。初日にふつーに二枚目の一言で片づけてごめんなさい。
この「観る度に違う」楽しみを覚えてしまうと、際限なくリピーターになってしまうんだな(苦笑)。
ショーは、考えないと決めたので頭使わないで見てましたが、思いついたこと。
「悪魔さえも涙し」って、この悪魔ですか?
博多座の『ドルチェ・ヴィータ!』でここの歌詞に引っかかってました。
(と言うか、引っかかるところばかりなんですけどね、このショーは)
悪魔さえも涙するって、どんなんだ?って。
そしたら、大劇場版には悪魔がいました。
涙する悪魔って、ディアボロのことだったのかなあ。ストレートすぎる解釈だとは思うけれど。
10/2の日記に、ディアボロを「翻弄するもの」と書いたけれど、自分で書きながら違和感があって。
誘ってはいるけれど、翻弄する、と言い切るのはちょっと違う。
嵐の海にいざないはするが、嵐を起こしてはいない感じ?
むしろ「見ている」印象が強い。
温度も湿度も低い、ただ見ている視線。
人とは異質な視線。
でも、異質なだけで、冷たいわけではない。振幅が無いわけではない。
彼もまた、世界に拒まれているもの、なのだろうか。
全てを見はるかす瞳を持つもの。全てを見ているしか出来ないもの。傍観者として運命付けられたもの。
世界が滅ぶときに、涙するしか出来ないもの。
世界が、黄昏の王国が滅びゆくときに、悪魔と男は出会う。
全てを見はるかす悪魔は、男のこともずっと見ていたけれど。はじめて互いを見交わす。
何もかも失われた世界で、最後に残された二人。
ヒトからは感情を伺えない悪魔の瞳から、涙がこぼれる。
……また妄想を繰り広げてしまいました。
井辻朱美あたり書きそうなネタかなぁ(笑)。
と言うか、私がものを書く人間だったら、インスパイアされて書き散らしてそうな気がします。
やっぱり、とうこさんの瞳がなぁ。
オギーが「物問いたげで哀切を湛えた」と評する瞳。
後半の、ディアボロ(とうこさん)のソロ、ケロさんのソロ、ワタさんのソロ、と追っていくとそれも何かあるような気もするんですが、ま、それもおいおい。
あと自分の為のおぼえがき。
・サテュロスのすずみんの毒々しさ、禍々しさにオペラグラスを外せなくなりました。でも時々毒々しすぎてつい目をそらしたり(どっちやねん)。
ここ時々相手役変えてくれないかなあ。いっそ総当りで(あり得ません)。
・アリヴェデルチ・ローマ。3組のデュエットダンスになる前の、ワタさんの後ろにケロさんみっこさんの場面。いいなあ、すてきだなあ、いい男三態。
・今日はこのまま「ワタさんの黒燕尾かっこいいなあ……」とぼーっとしてました。(のでケロさんにオペラ持って行かれずに済みました)
・中詰銀橋の後、雷が鳴って逃げる一同。ワタさんがケロさんの手を引いてました。いつもはワタさんが檀ちゃんの手を引っ張って、檀ちゃんのあとをケロさん追っかけていくんですが、檀ちゃん置いてきぼり(笑)。貸切だから?
・ついでに後半の銀橋左右にはけるところでもケロさんととうこさんで何かやってたようなんですが(客席が沸いていた)、ここは大階段のワタさん見てたもんで、捕獲できませんでしたわ。
入り口で『タック』のチラシ配ってました。
銀座でやる芝居のチラシを配るもんなのか?
私は行くけどさ(笑)。立ち話したしぃちゃんファンのお方(知らない人)はウィークリーマンション借りるって言ってたけどさ。
と言うか、チラシの写真、全然違和感無いんですけど……いいのか悪いのか。
つい宣伝してしまうのは2階席ががらがらだったからで。A席もカードつきだったはずたげと、全然埋まってなくて寂しかった。月組も阪急貸切で見たけど、もうちょっとは埋まっていたような気が。
芝居は、観る度に熱が上がっていて楽しいです。寿王と安禄山のシーンがこんなに熱いなんて思わなかったよ(笑)。あと宴席での楊家三姉妹!下手端での激しい小芝居が楽しそうだ。10日でこれでは、楽までにはどこまで行くのやら。真飛さんの皇甫惟明も独特の色合いが出て面白くなってきました。初日にふつーに二枚目の一言で片づけてごめんなさい。
この「観る度に違う」楽しみを覚えてしまうと、際限なくリピーターになってしまうんだな(苦笑)。
ショーは、考えないと決めたので頭使わないで見てましたが、思いついたこと。
「悪魔さえも涙し」って、この悪魔ですか?
博多座の『ドルチェ・ヴィータ!』でここの歌詞に引っかかってました。
(と言うか、引っかかるところばかりなんですけどね、このショーは)
悪魔さえも涙するって、どんなんだ?って。
そしたら、大劇場版には悪魔がいました。
涙する悪魔って、ディアボロのことだったのかなあ。ストレートすぎる解釈だとは思うけれど。
10/2の日記に、ディアボロを「翻弄するもの」と書いたけれど、自分で書きながら違和感があって。
誘ってはいるけれど、翻弄する、と言い切るのはちょっと違う。
嵐の海にいざないはするが、嵐を起こしてはいない感じ?
むしろ「見ている」印象が強い。
温度も湿度も低い、ただ見ている視線。
人とは異質な視線。
でも、異質なだけで、冷たいわけではない。振幅が無いわけではない。
彼もまた、世界に拒まれているもの、なのだろうか。
全てを見はるかす瞳を持つもの。全てを見ているしか出来ないもの。傍観者として運命付けられたもの。
世界が滅ぶときに、涙するしか出来ないもの。
世界が、黄昏の王国が滅びゆくときに、悪魔と男は出会う。
全てを見はるかす悪魔は、男のこともずっと見ていたけれど。はじめて互いを見交わす。
何もかも失われた世界で、最後に残された二人。
ヒトからは感情を伺えない悪魔の瞳から、涙がこぼれる。
……また妄想を繰り広げてしまいました。
井辻朱美あたり書きそうなネタかなぁ(笑)。
と言うか、私がものを書く人間だったら、インスパイアされて書き散らしてそうな気がします。
やっぱり、とうこさんの瞳がなぁ。
オギーが「物問いたげで哀切を湛えた」と評する瞳。
後半の、ディアボロ(とうこさん)のソロ、ケロさんのソロ、ワタさんのソロ、と追っていくとそれも何かあるような気もするんですが、ま、それもおいおい。
あと自分の為のおぼえがき。
・サテュロスのすずみんの毒々しさ、禍々しさにオペラグラスを外せなくなりました。でも時々毒々しすぎてつい目をそらしたり(どっちやねん)。
ここ時々相手役変えてくれないかなあ。いっそ総当りで(あり得ません)。
・アリヴェデルチ・ローマ。3組のデュエットダンスになる前の、ワタさんの後ろにケロさんみっこさんの場面。いいなあ、すてきだなあ、いい男三態。
・今日はこのまま「ワタさんの黒燕尾かっこいいなあ……」とぼーっとしてました。(のでケロさんにオペラ持って行かれずに済みました)
・中詰銀橋の後、雷が鳴って逃げる一同。ワタさんがケロさんの手を引いてました。いつもはワタさんが檀ちゃんの手を引っ張って、檀ちゃんのあとをケロさん追っかけていくんですが、檀ちゃん置いてきぼり(笑)。貸切だから?
・ついでに後半の銀橋左右にはけるところでもケロさんととうこさんで何かやってたようなんですが(客席が沸いていた)、ここは大階段のワタさん見てたもんで、捕獲できませんでしたわ。
入り口で『タック』のチラシ配ってました。
銀座でやる芝居のチラシを配るもんなのか?
私は行くけどさ(笑)。立ち話したしぃちゃんファンのお方(知らない人)はウィークリーマンション借りるって言ってたけどさ。
と言うか、チラシの写真、全然違和感無いんですけど……いいのか悪いのか。
鞍作の物語(『飛鳥夕映え』『タカラヅカ絢爛2』@月組東宝公演)
2004年10月10日 宝塚前楽見てきました。
と言う訳で「私はここじゃなくてムラにいるべきなのでは」と思いつつ東宝前で当日券に並んでおりました。(いや、この日の午後用事があったから東京にいた訳なんだけど)
が、入り待ちの列も出来始めると段々気分が盛り上がって参りました。
白いワンピース、白い帽子のえみくらちゃん。ワンピースから伸びる腕の細いこと細いこと。こんなちっちゃい体で頑張ってたんだなあ。
あと、かしげちゃんがかっこかわいかったです。カーキ色の洋服にハードな感じのアクセサリー。しかし、ほっそー。
さて、芝居『飛鳥夕映え』。大劇では3回見たけど、東宝では初めて。
最初は、記憶の彼方になってしまった役替り基本パターンを見るぞ!と思ってたんですが、気が付くと鞍作を見てました。
鞍作に移入して観ることが出来たおかげで、はじめてこの物語に感情移入できました。
最後は泣かされかけた。
で、思ったこと。
そっか。鞍作くん、君、実は向いてなかったんだね。
才気に溢れて、新しい政治の仕組みを考えることはできる。国を発展させようという意欲もある。先進国のここを取り入れよう、という着眼点も鋭い。
でも、根回しとか権謀術数とか、実は苦手なんだ。そりゃ、蘇我の総領たる身として教育されているし、父親からも色々仕込まれてるし、表面上は身につけた。でも、得意じゃないんだ。
と言うより、苦痛なのかもしれない。
理想に溢れた、大らかな、純粋な青年。立場の違う人間とも協力し、才能のある人間を登用し、素晴らしい国を作りたい、と真顔で語る青年。学友達との付き合いを父にたしなめられて反論するあたり、あれは若さゆえの理想主義じゃなくて、父子の性質の違いなんだな。理想を正攻法で実現することに喜びを覚えても、人を陥れることは嫌なんだ。
そういう人間には、有能な副官が必要。苦手分野を引き受けてくれる相棒がいれば、存分にその才能を発揮できる。
鞍作が鎌足を片腕として求めたのは正しい。悲劇は、鎌足にその気が無かったこと、それに代わる人材もいなかったこと。
(石川麻呂もお坊ちゃんだし、自分の保身で手一杯になってしまったし)
皇極帝との情事のあと、ミン先生の言葉を聞く鞍作のうつろさ。
「そんなつもりじゃなかったのに」と言う台詞が聞こえるような。
皇極帝との関係も腑に落ちなかった点の一つなのですが、そうか「そんなつもりじゃなかった」んだと。好奇心にせよ情の深さに引きずられたにせよ、政治的にどうこうと言うつもりではなかったんだ。それなのに、結果的に汚い手を使ったも同然の結果になっている。「ひたむきに生きてきたつもりだったのに」その後のソロともつながりました。
「この感触が欲しかった」は正直な思いの吐露。
そんな鞍作だから、瑪瑙が必要。
清らかで、真っ直ぐで、芯の強い一生懸命な娘。自分の理想を理解してくれる幼馴染。
瑪瑙と一緒にいると、ほっとする。自分の汚い部分を忘れられる。
鞍作が精神のバランスを保つには、瑪瑙の存在が必要。
瑪瑙にはそれがわかっている。鞍作を支えてあげなければ、守らなければ、と必死に思っている。
そんな二人がかすかな破滅の予感の中で身を寄せ合う甘樫の丘の場面は、切ない。
鞍作に感情移入して観たのは初めて。
多少台詞や演出が変わっているみたいなのでそのせいなのか、出演者の変化のおかげなのか、私の心境が違うのか、原因はわからないけれど。
最初から役替り3人に気を取られずに、素直に物語を見ればよかったのかもな。
何にせよ、見てよかったです。
しかし、当日券席リピーター率高い! あやめの宴でみんなオペラグラスがセンターじゃなくて同期3人の小芝居に向いてる!(笑)
続いて、ショー『タカラヅカ絢爛2』。
何度も見たセット(星月あわせて12回目くらい?)。このショーも見納めかぁ、とちょっぴり寂しい。
オープニング。おっと、ここからじゃセットの上で踊っている皆さんの顔が見えないんじゃん。逆に足元は初めて見た。結構狭いところで踊ってるんだ。
やっぱりノリが良くなってるなあ。掛け声の量が違うわ(笑)。
良かったなあと思ったのは、さえちゃんのひとり銀橋渡り。
ここ、大劇で見ていたときにはどうしても私は星版ワタさんのイメージが抜けなかったんですが、今日はOKでした。さえちゃんのステージとして魅力的でした!(これは見る側=私の問題なんだろうな(^^;)
あとはー、ラスカルと二人三脚する嘉月さん(ティオ)とか、ペロペロキャンディをほっくんから受け取って、ずーっと持ったままの瀬奈さんとか。キャンディ片手にキザる決めポーズに大受け。と言うか、ここも周囲の客席ウケすぎ(みんなリピーター……)
。
最後大階段でポノポとマリアが再会し、ひしっ!と抱き合うところはキました。前楽なんだもんなー。
フィナーレ、ノリは良くなっても「さあご一緒に〜」「二階のみなさんも〜」は無いのね(笑)。まあいいや。あれは湖月わたる率いる星組の専売特許ってことで。
何にせよ、見てよかったです。
あとは、早くさえちゃんにお似合いのステキなお嫁さんを! 頼みますよー!!!
と言う訳で「私はここじゃなくてムラにいるべきなのでは」と思いつつ東宝前で当日券に並んでおりました。(いや、この日の午後用事があったから東京にいた訳なんだけど)
が、入り待ちの列も出来始めると段々気分が盛り上がって参りました。
白いワンピース、白い帽子のえみくらちゃん。ワンピースから伸びる腕の細いこと細いこと。こんなちっちゃい体で頑張ってたんだなあ。
あと、かしげちゃんがかっこかわいかったです。カーキ色の洋服にハードな感じのアクセサリー。しかし、ほっそー。
さて、芝居『飛鳥夕映え』。大劇では3回見たけど、東宝では初めて。
最初は、記憶の彼方になってしまった役替り基本パターンを見るぞ!と思ってたんですが、気が付くと鞍作を見てました。
鞍作に移入して観ることが出来たおかげで、はじめてこの物語に感情移入できました。
最後は泣かされかけた。
で、思ったこと。
そっか。鞍作くん、君、実は向いてなかったんだね。
才気に溢れて、新しい政治の仕組みを考えることはできる。国を発展させようという意欲もある。先進国のここを取り入れよう、という着眼点も鋭い。
でも、根回しとか権謀術数とか、実は苦手なんだ。そりゃ、蘇我の総領たる身として教育されているし、父親からも色々仕込まれてるし、表面上は身につけた。でも、得意じゃないんだ。
と言うより、苦痛なのかもしれない。
理想に溢れた、大らかな、純粋な青年。立場の違う人間とも協力し、才能のある人間を登用し、素晴らしい国を作りたい、と真顔で語る青年。学友達との付き合いを父にたしなめられて反論するあたり、あれは若さゆえの理想主義じゃなくて、父子の性質の違いなんだな。理想を正攻法で実現することに喜びを覚えても、人を陥れることは嫌なんだ。
そういう人間には、有能な副官が必要。苦手分野を引き受けてくれる相棒がいれば、存分にその才能を発揮できる。
鞍作が鎌足を片腕として求めたのは正しい。悲劇は、鎌足にその気が無かったこと、それに代わる人材もいなかったこと。
(石川麻呂もお坊ちゃんだし、自分の保身で手一杯になってしまったし)
皇極帝との情事のあと、ミン先生の言葉を聞く鞍作のうつろさ。
「そんなつもりじゃなかったのに」と言う台詞が聞こえるような。
皇極帝との関係も腑に落ちなかった点の一つなのですが、そうか「そんなつもりじゃなかった」んだと。好奇心にせよ情の深さに引きずられたにせよ、政治的にどうこうと言うつもりではなかったんだ。それなのに、結果的に汚い手を使ったも同然の結果になっている。「ひたむきに生きてきたつもりだったのに」その後のソロともつながりました。
「この感触が欲しかった」は正直な思いの吐露。
そんな鞍作だから、瑪瑙が必要。
清らかで、真っ直ぐで、芯の強い一生懸命な娘。自分の理想を理解してくれる幼馴染。
瑪瑙と一緒にいると、ほっとする。自分の汚い部分を忘れられる。
鞍作が精神のバランスを保つには、瑪瑙の存在が必要。
瑪瑙にはそれがわかっている。鞍作を支えてあげなければ、守らなければ、と必死に思っている。
そんな二人がかすかな破滅の予感の中で身を寄せ合う甘樫の丘の場面は、切ない。
鞍作に感情移入して観たのは初めて。
多少台詞や演出が変わっているみたいなのでそのせいなのか、出演者の変化のおかげなのか、私の心境が違うのか、原因はわからないけれど。
最初から役替り3人に気を取られずに、素直に物語を見ればよかったのかもな。
何にせよ、見てよかったです。
しかし、当日券席リピーター率高い! あやめの宴でみんなオペラグラスがセンターじゃなくて同期3人の小芝居に向いてる!(笑)
続いて、ショー『タカラヅカ絢爛2』。
何度も見たセット(星月あわせて12回目くらい?)。このショーも見納めかぁ、とちょっぴり寂しい。
オープニング。おっと、ここからじゃセットの上で踊っている皆さんの顔が見えないんじゃん。逆に足元は初めて見た。結構狭いところで踊ってるんだ。
やっぱりノリが良くなってるなあ。掛け声の量が違うわ(笑)。
良かったなあと思ったのは、さえちゃんのひとり銀橋渡り。
ここ、大劇で見ていたときにはどうしても私は星版ワタさんのイメージが抜けなかったんですが、今日はOKでした。さえちゃんのステージとして魅力的でした!(これは見る側=私の問題なんだろうな(^^;)
あとはー、ラスカルと二人三脚する嘉月さん(ティオ)とか、ペロペロキャンディをほっくんから受け取って、ずーっと持ったままの瀬奈さんとか。キャンディ片手にキザる決めポーズに大受け。と言うか、ここも周囲の客席ウケすぎ(みんなリピーター……)
。
最後大階段でポノポとマリアが再会し、ひしっ!と抱き合うところはキました。前楽なんだもんなー。
フィナーレ、ノリは良くなっても「さあご一緒に〜」「二階のみなさんも〜」は無いのね(笑)。まあいいや。あれは湖月わたる率いる星組の専売特許ってことで。
何にせよ、見てよかったです。
あとは、早くさえちゃんにお似合いのステキなお嫁さんを! 頼みますよー!!!
共犯者の匂い(「花舞う長安」宝塚大劇場星組公演)
2004年10月9日 宝塚安禄山が玄宗にオウムを献上するシーン。(あの「ナムアミダブツ、アッラー」の失笑もののシーン)
初日に見たときに、あれ、と思った。
空気が違う。苦笑しあう玄宗と安禄山の距離が近いような。
何と言うか、共犯者の匂いを感じた。
悪い遊び仲間、と言う感じ? 色事についてはドン・ジョヴァンニとレポレッロのような関係でもおかしくないような。そう言えば玉環のことを教えたのは安禄山(と高力士)だったっけ。なるほど。
貴族でも漢民族でもない、胡族の男。常識に凝り固まったお行儀のいい側近たちとは違う、面白いヤツ。そんな感じで玄宗のお気に入りに収まったのかなと。
そりゃ、高力士や陳玄礼が危険視するわな。
危ないヤツだとわかっていればこそ、楊貴妃を襲った後の玄宗とのやりとりにも緊張感が出てくるわけで。「貴妃たちが欲しいと言うのではあるまいな」の台詞も凄みが出てきて。
お気に入りでありつつ危険な男でもあると言う感じ。
(残念ながら博多座版ではその辺の関係性が見えなかったので。かっこよかったんだけどねー)
そうか、この空気感を出せるのが、「安蘭けい」なのかと。
本日の観劇テーマは「安蘭けいを見る」でした。
本来、この公演は私にとって「トップ湖月わたる、二番手安蘭けいが男役同士で初共演する記念すべき作品」として記憶されるはずでした。
(今となってはケロさんみきこさん退団公演ですが)
結構楽しみにしていて、演目が決まる前から頭の中に「見たい場面リスト」が出来てたり。本気で切り結ぶ剣戟シーンとか見たいなー、ショーでは二人きりで踊って欲しいなー(黒燕尾希望)、とか。
今回一部叶ったと言えば叶ったのかな。
そもそも「男役・安蘭けい」を見たのもファントムのフィリップが初めてで。(俄かファンですから……)
だから、何と言うか、新鮮でした。
つーか面白いぞ。
私は濃かったり熱かったりする方が好きな傾向があるらしい(最近自覚した)ので、このトップ・二番手の並びはすごく嬉しい。
あと、思ったこと。
近い感じ、と言うか安心感。
支えてくれてる、と言う感じがした。
技術的なこととか学年差とかもあるんだろうけど、やっぱり組子だから、なのかな。
特出二人との並びも楽しくて大好きだったけど、やっぱりゲストだったのかなと。
(この「支えてくれてる」感は博多座でのケロさんとかにも感じたんですけどね。それ言うと寂しくなってね……)
全員集合しての大劇場公演。
ワタさんトップの星組に、とうこさんがいてくれてよかった、とうこさんが二番手でよかった、と心から思いました。
(檀ちゃんが相手役でよかったと思うのと同じように。トップさんのファンで相手役も二番手もこの人でよかったと思えるって幸せだなあ。それとも普通のことなのかなあ←俄かファンなのでよくわからない)
濃い熱いってこと以外は得意分野的にも外見的にも対照的で、それがまた楽しいなあと。
これからも芝居でもショーでもがんがん組んでくれるといいなあ。楽しみだー。
芝居は、まあ、人間は慣れる生物なので。
これが、本来有りうべき『玄宗と楊貴妃』の名場面集と思って、場面場面の美しさや役者さんの演技を見ることに集中すれば飽きずに楽しいです。少なくとも私は。星組は隅から隅まで見たいしー。
ストーリー的に足りないところは頭の中で補完しましょう。ついでに脳内上演するともっと楽しいです(笑)。
あと芝居に関して懺悔。
幕間にロビーで見ず知らずの方と「反乱の場面で誰か派手に転んでたわよね」「涼さんですよ涼さん、すってーん!って音がしそうなくらいに」「そうそう、スライディングっぽかったわよね」と盛り上がってしまいました。気づいていない人も多かったろうに、あんな大声で吹聴しなくても良かったか。失礼(^^;。
で、ショーは。
本日は2階前方サブセンター席で、舞台が近い(かつ全体が見える)せいか破壊力増大。
幕が下りたあと、力が抜けてしばらく立てませんでした。
オープニングで血がざわざわと騒ぎ、ケロさんのソロに至り頭がホワイトアウトする。午後の予定も明日の予定もすっ飛ばし、3連休6公演見ることにしてしまおうか。そうすべきかもしれない(べきって何だ)。一瞬血迷いかけました。
解釈は止めよう。今はひたすら耽溺しよう。
色々と思うことはあるけれど、この間書いた文章も直したい気はするけれど、そのうちまた言葉が落ちてきたら書きます。
と言いつつ今思いついていること。
「翻弄」「喪失」に続く第3のキーワードは「憧憬」のような気がしております。
ひとかけらでも、手に入れたくて……。
初日に見たときに、あれ、と思った。
空気が違う。苦笑しあう玄宗と安禄山の距離が近いような。
何と言うか、共犯者の匂いを感じた。
悪い遊び仲間、と言う感じ? 色事についてはドン・ジョヴァンニとレポレッロのような関係でもおかしくないような。そう言えば玉環のことを教えたのは安禄山(と高力士)だったっけ。なるほど。
貴族でも漢民族でもない、胡族の男。常識に凝り固まったお行儀のいい側近たちとは違う、面白いヤツ。そんな感じで玄宗のお気に入りに収まったのかなと。
そりゃ、高力士や陳玄礼が危険視するわな。
危ないヤツだとわかっていればこそ、楊貴妃を襲った後の玄宗とのやりとりにも緊張感が出てくるわけで。「貴妃たちが欲しいと言うのではあるまいな」の台詞も凄みが出てきて。
お気に入りでありつつ危険な男でもあると言う感じ。
(残念ながら博多座版ではその辺の関係性が見えなかったので。かっこよかったんだけどねー)
そうか、この空気感を出せるのが、「安蘭けい」なのかと。
本日の観劇テーマは「安蘭けいを見る」でした。
本来、この公演は私にとって「トップ湖月わたる、二番手安蘭けいが男役同士で初共演する記念すべき作品」として記憶されるはずでした。
(今となってはケロさんみきこさん退団公演ですが)
結構楽しみにしていて、演目が決まる前から頭の中に「見たい場面リスト」が出来てたり。本気で切り結ぶ剣戟シーンとか見たいなー、ショーでは二人きりで踊って欲しいなー(黒燕尾希望)、とか。
今回一部叶ったと言えば叶ったのかな。
そもそも「男役・安蘭けい」を見たのもファントムのフィリップが初めてで。(俄かファンですから……)
だから、何と言うか、新鮮でした。
つーか面白いぞ。
私は濃かったり熱かったりする方が好きな傾向があるらしい(最近自覚した)ので、このトップ・二番手の並びはすごく嬉しい。
あと、思ったこと。
近い感じ、と言うか安心感。
支えてくれてる、と言う感じがした。
技術的なこととか学年差とかもあるんだろうけど、やっぱり組子だから、なのかな。
特出二人との並びも楽しくて大好きだったけど、やっぱりゲストだったのかなと。
(この「支えてくれてる」感は博多座でのケロさんとかにも感じたんですけどね。それ言うと寂しくなってね……)
全員集合しての大劇場公演。
ワタさんトップの星組に、とうこさんがいてくれてよかった、とうこさんが二番手でよかった、と心から思いました。
(檀ちゃんが相手役でよかったと思うのと同じように。トップさんのファンで相手役も二番手もこの人でよかったと思えるって幸せだなあ。それとも普通のことなのかなあ←俄かファンなのでよくわからない)
濃い熱いってこと以外は得意分野的にも外見的にも対照的で、それがまた楽しいなあと。
これからも芝居でもショーでもがんがん組んでくれるといいなあ。楽しみだー。
芝居は、まあ、人間は慣れる生物なので。
これが、本来有りうべき『玄宗と楊貴妃』の名場面集と思って、場面場面の美しさや役者さんの演技を見ることに集中すれば飽きずに楽しいです。少なくとも私は。星組は隅から隅まで見たいしー。
ストーリー的に足りないところは頭の中で補完しましょう。ついでに脳内上演するともっと楽しいです(笑)。
あと芝居に関して懺悔。
幕間にロビーで見ず知らずの方と「反乱の場面で誰か派手に転んでたわよね」「涼さんですよ涼さん、すってーん!って音がしそうなくらいに」「そうそう、スライディングっぽかったわよね」と盛り上がってしまいました。気づいていない人も多かったろうに、あんな大声で吹聴しなくても良かったか。失礼(^^;。
で、ショーは。
本日は2階前方サブセンター席で、舞台が近い(かつ全体が見える)せいか破壊力増大。
幕が下りたあと、力が抜けてしばらく立てませんでした。
オープニングで血がざわざわと騒ぎ、ケロさんのソロに至り頭がホワイトアウトする。午後の予定も明日の予定もすっ飛ばし、3連休6公演見ることにしてしまおうか。そうすべきかもしれない(べきって何だ)。一瞬血迷いかけました。
解釈は止めよう。今はひたすら耽溺しよう。
色々と思うことはあるけれど、この間書いた文章も直したい気はするけれど、そのうちまた言葉が落ちてきたら書きます。
と言いつつ今思いついていること。
「翻弄」「喪失」に続く第3のキーワードは「憧憬」のような気がしております。
ひとかけらでも、手に入れたくて……。
はい、私が緑野さんをナンパした奴です。抜け駆けしてごめんなさい、ファンの皆様。
お喋りできてとても楽しかったです。オギーショーのあとは、なんと言ってよいかわからずあまり気の利いたことは言えませんでしたが。「良かったですね」と言うのがせいいっぱいでしたが、それでよかったのかどうか。
個人的には、頭と腹に感想を抱え込んでぐるぐるしながら延々電車に乗って帰らずにすんで助かりました(^^;。
おかげで私にしては筆が進んでおります。
さて、明日から3日間、星大劇、月東宝、星大劇の予定です。
頼むぞ交通機関(笑)。
お喋りできてとても楽しかったです。オギーショーのあとは、なんと言ってよいかわからずあまり気の利いたことは言えませんでしたが。「良かったですね」と言うのがせいいっぱいでしたが、それでよかったのかどうか。
個人的には、頭と腹に感想を抱え込んでぐるぐるしながら延々電車に乗って帰らずにすんで助かりました(^^;。
おかげで私にしては筆が進んでおります。
さて、明日から3日間、星大劇、月東宝、星大劇の予定です。
頼むぞ交通機関(笑)。
感謝。(『ドルチェ・ヴィータ!』『夜明けの天使たち』)
2004年10月4日 宝塚気が付くと、歌っている。
白い指先、揺れるドルチェ・ヴィータ、と。
ほんっとーに、感情まるごと揺るがし、身体にも影響を与えるショーだなぁ。(と、胃腸の調子が悪いのをそのせいにする)
勢いに任せて、『夜明けの天使たち』の感想を書きます。
今見たわけじゃないけど。(見たのは『永遠の祈り』(笑))
超個人的な話になります。まともな感想にはなりません(今までのはまともだったのかと言う突っ込みは置いておいて)。
ずっと前の作品で思い入れのある人も多いだろうから、そういう人が目にとめて気分を害さないと良いんだけど、と思いながら、恐る恐る。
宝塚にはまって、ネットであちこちの感想掲示板や観劇評を読み漁って、知ったこと。
荻田浩一作品は良いらしい。
と言う訳で、未見の湖月わたる出演作のビデオをぽつぽつ購入していた私、まず『猛き黄金の国/パッサージュ』を見ました。
『パッサージュ』美しかった。コムちゃんの天使の天使ぶりに圧倒された。まひるちゃんの少女の少女ぶりに圧倒された。
わたるくんは、カフェのシーンが好き。グンちゃんとの、触れそうで触れ合わないダンスが好き。
次に見たのが『夜明けの天使たち』。バウ(青年館だっけ)主演作。
途中から、すごくどきどきして画面から目が離せなくなった。
どうなっちゃうのこの話。どうなっちゃうのこの人。
と同時に、思った。Wさんが書きそうな話だなあ。
はい、冒頭で断ったとおりめちゃくちゃ個人的な話です。
何年か前、よく仲間達とテーブルトークRPGをやってました。ゲーム機やパソコンでなく、集まってサイコロ振ってやるやつ。
Wさんは、よくマスターをやってました。と言うか、マスタリングが面白すぎて、プレーヤーをやらせてもらえなくなっちゃったんだな。(申し訳ない・笑)
Wさんのシナリオは、ヒドイ話が多かった。ここぞと言うタイミングで人が死ぬし、出合った少女は敵だし、はぐれた仲間は洗脳されて敵として出てくる(笑)。
でも、みんなWさんのマスタリングが好きだった。
他の人がどう思っていたのかはわからないけれど、私がWさんの話が好きだったのは、多分、感情を揺さぶられるからだと思う。
最後の頃にやっていたのは『天羅万象』というゲーム。これがまた感情発生装置としてよく出来ていた。キャラクターの感情がルールに組み込まれてるんだな。暗い過去とかコンプレックスとか恋愛とか友情とか(業とか宿業とかいう名前をつけていた)に引っかかることがあると、気合を獲得できて、能力を成長させたりここぞと言うときにダイスの目を良くしたり出来るという。
感情をロールすることでシステム上有利になるから、自然、プレーヤーは自キャラにより感情移入しやすくなる。
その「天羅」で、私のキャラには私も知らない裏設定が与えられておりました。結構大きい、世界観に関わる話。知ったときには唖然。
今まで辛い思いしたのも、悲しんだのも、見捨てられたのも全部そのせいってこと? 意味ありげな哀れみや微妙な態度も全部? 自分だけが知らずにあがいていた? 私はそんなことどうでもよかったのに!
その結果、一番大切なはずだった相手を手にかけることになる。
と、言う話でした、私のキャラクターの物語は。今でも思い出すと胸が痛いもんなー。そんな暇あったらその分現実の人生をちゃんと生きることにエネルギーを注げって感じですが。
ついでにプレーヤーとしての痛恨事はこの美味しい設定を十分生かせなかったことです。すげー後悔(笑)。
あの頃のみんなにはもう1年くらい会っていないのかな。絶対これ読んでないと思うけど。万が一見つかったら、ま、それも運命ってことで。
と言う訳で。主人公のアルヴァに、ものすごい感情移入をして見てました。普通ではありえない感情移入の仕方(苦笑)。
どうするんだこの人。どうなっちゃうんだ。
これが、もし、そういう話なら。彼は誰も救えないだろう。殺したくない相手をその手にかけるだろう。
でも、だけど。一縷の希望。
最後、私はアルヴァの表情をずっと見てました。
何、考えてるの。どこへ行くの。
画面なのに、降りていく幕の中を覗き込むように。ビデオを何度も巻き戻して、繰り返し繰り返し。
フィナーレ。アルヴァ、ジョシュア、アンジェラの3人が眩しくて。純白の衣装できらきら輝いて。
そうか、夜明けの天使たちか、と。
涙が出た……。
7年前ですか。私が宝塚を見始める前の、わたるくんとさえちゃんが本当に美しくて。そういう意味でも涙が出ましたよ。
見るとまたずーんと行きそうなので(笑)、あまり見ずに大事に置いてありますが、宝物だな、いろんな意味で。
ビデオを見た後、ああ、もうこんな風な湖月わたるは見られないんだろうな、と思いました。
宝塚のトップスターには、大劇場やドラマシティ公演で、こんな痛みに満ちた役は、憧れと喪失に翻弄される少年のような役は回ってこないだろうと。
ショーで拝めるとは思いませんでした。
荻田先生、ありがとう。
白い指先、揺れるドルチェ・ヴィータ、と。
ほんっとーに、感情まるごと揺るがし、身体にも影響を与えるショーだなぁ。(と、胃腸の調子が悪いのをそのせいにする)
勢いに任せて、『夜明けの天使たち』の感想を書きます。
今見たわけじゃないけど。(見たのは『永遠の祈り』(笑))
超個人的な話になります。まともな感想にはなりません(今までのはまともだったのかと言う突っ込みは置いておいて)。
ずっと前の作品で思い入れのある人も多いだろうから、そういう人が目にとめて気分を害さないと良いんだけど、と思いながら、恐る恐る。
宝塚にはまって、ネットであちこちの感想掲示板や観劇評を読み漁って、知ったこと。
荻田浩一作品は良いらしい。
と言う訳で、未見の湖月わたる出演作のビデオをぽつぽつ購入していた私、まず『猛き黄金の国/パッサージュ』を見ました。
『パッサージュ』美しかった。コムちゃんの天使の天使ぶりに圧倒された。まひるちゃんの少女の少女ぶりに圧倒された。
わたるくんは、カフェのシーンが好き。グンちゃんとの、触れそうで触れ合わないダンスが好き。
次に見たのが『夜明けの天使たち』。バウ(青年館だっけ)主演作。
途中から、すごくどきどきして画面から目が離せなくなった。
どうなっちゃうのこの話。どうなっちゃうのこの人。
と同時に、思った。Wさんが書きそうな話だなあ。
はい、冒頭で断ったとおりめちゃくちゃ個人的な話です。
何年か前、よく仲間達とテーブルトークRPGをやってました。ゲーム機やパソコンでなく、集まってサイコロ振ってやるやつ。
Wさんは、よくマスターをやってました。と言うか、マスタリングが面白すぎて、プレーヤーをやらせてもらえなくなっちゃったんだな。(申し訳ない・笑)
Wさんのシナリオは、ヒドイ話が多かった。ここぞと言うタイミングで人が死ぬし、出合った少女は敵だし、はぐれた仲間は洗脳されて敵として出てくる(笑)。
でも、みんなWさんのマスタリングが好きだった。
他の人がどう思っていたのかはわからないけれど、私がWさんの話が好きだったのは、多分、感情を揺さぶられるからだと思う。
最後の頃にやっていたのは『天羅万象』というゲーム。これがまた感情発生装置としてよく出来ていた。キャラクターの感情がルールに組み込まれてるんだな。暗い過去とかコンプレックスとか恋愛とか友情とか(業とか宿業とかいう名前をつけていた)に引っかかることがあると、気合を獲得できて、能力を成長させたりここぞと言うときにダイスの目を良くしたり出来るという。
感情をロールすることでシステム上有利になるから、自然、プレーヤーは自キャラにより感情移入しやすくなる。
その「天羅」で、私のキャラには私も知らない裏設定が与えられておりました。結構大きい、世界観に関わる話。知ったときには唖然。
今まで辛い思いしたのも、悲しんだのも、見捨てられたのも全部そのせいってこと? 意味ありげな哀れみや微妙な態度も全部? 自分だけが知らずにあがいていた? 私はそんなことどうでもよかったのに!
その結果、一番大切なはずだった相手を手にかけることになる。
と、言う話でした、私のキャラクターの物語は。今でも思い出すと胸が痛いもんなー。そんな暇あったらその分現実の人生をちゃんと生きることにエネルギーを注げって感じですが。
ついでにプレーヤーとしての痛恨事はこの美味しい設定を十分生かせなかったことです。すげー後悔(笑)。
あの頃のみんなにはもう1年くらい会っていないのかな。絶対これ読んでないと思うけど。万が一見つかったら、ま、それも運命ってことで。
と言う訳で。主人公のアルヴァに、ものすごい感情移入をして見てました。普通ではありえない感情移入の仕方(苦笑)。
どうするんだこの人。どうなっちゃうんだ。
これが、もし、そういう話なら。彼は誰も救えないだろう。殺したくない相手をその手にかけるだろう。
でも、だけど。一縷の希望。
最後、私はアルヴァの表情をずっと見てました。
何、考えてるの。どこへ行くの。
画面なのに、降りていく幕の中を覗き込むように。ビデオを何度も巻き戻して、繰り返し繰り返し。
フィナーレ。アルヴァ、ジョシュア、アンジェラの3人が眩しくて。純白の衣装できらきら輝いて。
そうか、夜明けの天使たちか、と。
涙が出た……。
7年前ですか。私が宝塚を見始める前の、わたるくんとさえちゃんが本当に美しくて。そういう意味でも涙が出ましたよ。
見るとまたずーんと行きそうなので(笑)、あまり見ずに大事に置いてありますが、宝物だな、いろんな意味で。
ビデオを見た後、ああ、もうこんな風な湖月わたるは見られないんだろうな、と思いました。
宝塚のトップスターには、大劇場やドラマシティ公演で、こんな痛みに満ちた役は、憧れと喪失に翻弄される少年のような役は回ってこないだろうと。
ショーで拝めるとは思いませんでした。
荻田先生、ありがとう。
そのうちと書きましたが、吐き出さないと頭から離れないんで、とりあえず形にします。
気が変わったら修正したり、削除するかもしれません。
『ドルチェ・ヴィータ!』、博多座でどうも腑に落ちなかったことがある。
わたるくんが最後の最後、フィナーレのパレードの前に歌う短いソロ。失った愛を嘆く歌。
意味が良くわからなくて、なんか唐突だなあ、と思っていた。
それが、大劇場ですとんと落ちてきた。
この物語の中で、彼は喪失しつづけているのだと。
オープニングの男は、コルティジャーナと惹かれあい引き裂かれる。
花市場の船乗りは恋人と再会するが、彼女にはもう婚約者がいて「ほんのつかの間二人で踊る」ことしか出来ない。
『サテリコン』の男はドルチェ・ヴィータに翻弄され、サテリコンに翻弄され。最後、ドルチェ・ヴィータを腕に抱きせり下がっていくけれど、それは彼女を手に入れたのか? 腕の中にいるのはただの幻、美しい悪夢で、気が付いたら失ったのは自分自身ということではないのか?
船上、夕焼けの中で男は女と踊るが、それは最後のダンス。Arrivederci Roma、もう戻れはしない。
海神は目の前に現れた少女を愛し、しかし愛した少女を地上に返し一人去っていく。
(更に、退団者の姿。
退団者へのはなむけの場面が更に喪失感を刻む)
翻弄され、喪失しつづける主人公。
ディアボロの姿は翻弄する者として常に現れ、彼を見ている。
これって、あれだ。と思った。
『夜明けの天使たち』荻田浩一作・演出、湖月わたる主演。私はビデオでしか見ていないけれど。
主人公は何も知らない。知らずに運命に翻弄される。彼の素性を知って一番驚き、傷つき悩むのは彼自身。
他の人たちは誰も驚かない。「知っていた」「そうじゃないかと思っていた」翻弄されているのは彼一人だけ。
それでも彼は運命を真っ直ぐに受け止め、世界に手を伸ばそうとする。
けれど、伸ばした手は届かない。
心が通い合った少女は失われ、母も父も彼を拒絶し、弟も自らの手で失い。
それでも、彼は歩き出す。
彼は強いから。彼には生きていく力があるから、生きていくことができる。できてしまう。それしかできない。
遠くを見つめて、歩き出す。
その希望と絶望。
失いつづける主人公。
失いつづけ、心をえぐられ血を流しても、彼には生きる力がある。前に進む力がある。
だから、たとえ立ち止まって終わりにしたくても、進むことしかできない。
その慟哭。
そう思うと、フィナーレの衣装が彼だけ別のショーから借りてきたみたいなのも、世界から拒絶されている証のように見えて。
なんてね。深読みしてみました。
(でもこの読みの起爆剤は退団者の存在。ケロさーん!(泣))
気が変わったら修正したり、削除するかもしれません。
『ドルチェ・ヴィータ!』、博多座でどうも腑に落ちなかったことがある。
わたるくんが最後の最後、フィナーレのパレードの前に歌う短いソロ。失った愛を嘆く歌。
意味が良くわからなくて、なんか唐突だなあ、と思っていた。
それが、大劇場ですとんと落ちてきた。
この物語の中で、彼は喪失しつづけているのだと。
オープニングの男は、コルティジャーナと惹かれあい引き裂かれる。
花市場の船乗りは恋人と再会するが、彼女にはもう婚約者がいて「ほんのつかの間二人で踊る」ことしか出来ない。
『サテリコン』の男はドルチェ・ヴィータに翻弄され、サテリコンに翻弄され。最後、ドルチェ・ヴィータを腕に抱きせり下がっていくけれど、それは彼女を手に入れたのか? 腕の中にいるのはただの幻、美しい悪夢で、気が付いたら失ったのは自分自身ということではないのか?
船上、夕焼けの中で男は女と踊るが、それは最後のダンス。Arrivederci Roma、もう戻れはしない。
海神は目の前に現れた少女を愛し、しかし愛した少女を地上に返し一人去っていく。
(更に、退団者の姿。
退団者へのはなむけの場面が更に喪失感を刻む)
翻弄され、喪失しつづける主人公。
ディアボロの姿は翻弄する者として常に現れ、彼を見ている。
これって、あれだ。と思った。
『夜明けの天使たち』荻田浩一作・演出、湖月わたる主演。私はビデオでしか見ていないけれど。
主人公は何も知らない。知らずに運命に翻弄される。彼の素性を知って一番驚き、傷つき悩むのは彼自身。
他の人たちは誰も驚かない。「知っていた」「そうじゃないかと思っていた」翻弄されているのは彼一人だけ。
それでも彼は運命を真っ直ぐに受け止め、世界に手を伸ばそうとする。
けれど、伸ばした手は届かない。
心が通い合った少女は失われ、母も父も彼を拒絶し、弟も自らの手で失い。
それでも、彼は歩き出す。
彼は強いから。彼には生きていく力があるから、生きていくことができる。できてしまう。それしかできない。
遠くを見つめて、歩き出す。
その希望と絶望。
失いつづける主人公。
失いつづけ、心をえぐられ血を流しても、彼には生きる力がある。前に進む力がある。
だから、たとえ立ち止まって終わりにしたくても、進むことしかできない。
その慟哭。
そう思うと、フィナーレの衣装が彼だけ別のショーから借りてきたみたいなのも、世界から拒絶されている証のように見えて。
なんてね。深読みしてみました。
(でもこの読みの起爆剤は退団者の存在。ケロさーん!(泣))
とりあえず箇条書き(「花舞う長安/ロマンチカ宝塚」@宝塚大劇場星組公演)
2004年10月1日 宝塚初日見てきました。
帰宅したんですが、何かものすごい疲労感が。
それだけヘビーだったってことかぁ(ショーが)。
消化できてませんが、とりあえず思い浮かんだことを箇条書きにしておきます。
その1、開演前。
・雲ひとつない青空。初日にふさわしい空。大切な人を見送るのにふさわしい空。
・ロビーのCSお稽古場映像で、わたさんとケロさんの間にいるとうこさんの姿を見てほっこりする。
・プログラム、オギーの言葉に熱いものがこみ上げかける。生徒さんを評する言葉の的確で愛に溢れていることったら。
「太陽の申し子」って。「臈たけた美しさは月下美人のよう」って。「滋味のある歌唱力と、郷愁を掻き立てる眼差しの鋭さ」って。
退団者への「惜しみて余りある拍手を」って。
・……初日は心臓がばくばくするなあ(苦笑)。
その2、芝居。
・手が入って博多座よりマシになってる。良かったあ(泣)。
・反乱制圧シーン、人数増えて迫力が出て良くなってました。
・コーラスも人数が増えてレベルが底上げされてる。良かった良かった。
・銀橋があるっていいなあ。でもうまく使えてない気もするなあ。
・安禄山、とーこさん含みっぷりがすてき。
・寿王、礼音くんなかなか嵌ってる。安禄山とのデュエットも、二人の持ち味が全然違っていて、王族と蛮族上がりの将軍の対比がいい感じです。
(寿王の出番はここで終わるのでドラマ的にあんまり意味のないシーンですが)
・一番要らないと思っていた楊貴妃が尼になるシーンが削除されていた。やっぱり「清く正しく美しく」が博多で全然ウケなかったからか(当然)。
・礼音くんダンサーとしても大活躍。
・皇甫惟明の謁見の場面で、玄宗と楊貴妃はいちゃつかず別の椅子に座ってました。ここ気になってたんで変更されて良かった。
・皇甫惟明まとぶんはふつーに二枚目でした。
・楊国忠しぃちゃん、宰相に任ぜられて衣裳が増えてました。似合う。
・贈り物にはしゃぐ三姉妹を楊国忠がちらっと嫌そうな目で見るんですよね。潔癖な青年と言う感じで好きだなあと。
・楊貴妃に迫る安禄山、とーこさんの屈折した粘りのある演技が好きだ(笑)。
・この場面、博多座ほど玄宗が馬鹿に見えなくなってます。一応安禄山のことをまじめに受け取っているからか。
・安禄山の乱、盆やセリを使いまくって盛り上げてます。
・切り結ぶ玄宗と安禄山。やっとトップと二番手でこーゆー場面が見られたよ!
・楊貴妃の死の場面、玄宗を止める陳玄礼ケロさんの「しかし!」が熱くてはっとしました。
全体的に台詞や描写が増えていて、玄宗を巡る権力争いが見えるようになってます。その分玄宗が楊貴妃に溺れる様に説得力が出た……と思うのは博多座と比べるからで、初見の人にとってはどうなんだろう。
玄宗が楊貴妃を愛している描写も増えていると言えば増えてるんだけど、愛し合うようになった過程を描いていないという根本的な問題はそのままなので……。
でも、主役のわたるさん檀ちゃん二人から「お互いを愛してる!」オーラが出てるんで、それにのせられれば何とかついていけます。ほんと、出演者が頑張って埋めてくれてる。
とりあえず美しい人たちが見られるだけで満足しよう、と諦めの境地でしたが、博多座よりリピート可能な内容になってて、本当にほっとしました。
その3、ショー。
・こっちも人数増えて豪華。倍だもんなぁ。
・幕開きはとうこさんの歌。ありがとー!!(いやお礼が言いたくなるのよ(^^;)
・とりあえずオープニングで魂抜かれました。二階最後列センターからの眺めは美しいです。舞台からは遠いけど。
・あれ? 客席降りはなし?(無くてもいいけど、90周年記念で全公演あるのかと)
・サテュロスSまとぶんは普通に美人でした。むしろサテュロス涼、大真の方が毒々しい。毒はディアボロとうこさんの担当になったのか?
・船、客の男で一人だけ帽子をかぶっていない人が。わざと?間違い?
・セレブSワタさんから帽子と上着を受け取るケロさんに注目してました(笑)。口開けてぽかんとしてました。(有名人見ちゃった、みたいな感じ?)
・ここでもディアボロ出てくるのか!しかも小悪魔で(笑)
・礼音くんはセーラーのラインダンスでも大活躍。前回公演に続きくるくる回ってます。
・好きなシーン、シビさんの歌う『アリヴェデルチ・ローマ』で赤いドレスの檀ちゃんと黒燕尾のワタさん。と思っていたら、ケロさんとみきこさんが! 荻田先生ありがとう!
・ちょっとのつもりでケロさんにオペラを向けたら、娘役さんに向ける笑顔にとろかされて帰ってこられなくなりました。この場面のワタさんは次回見ます(←ファン失格)
・青の洞窟の後、オープニングの人たちが出てきた、と思ったら少女うめちゃん救出されて両親の元に戻ってます。オチがついてしまった。
この後は……箇条書きにおさまりません。
だって、汐美真帆サヨナラショーがっ! とうこさんとの握手がっ! 銀橋がっ!
その後に私的待望のワタさんとうこさんのサシのダンスがあったんですが、ちょっとここでうっわーっと言う感じて。
もう何回か見ないと記憶が整理できません。
そのうち、ショーの感想は「失い続ける主人公」って感じの題で書くと思います。
しかし、すっかり魂抜かれて、次回観劇予定までもつんだろうか、自分(笑)。
あ、ところでこのショー、ロケットはなかったんでしたっけ?(水兵さんでやったからいいの?)
帰宅したんですが、何かものすごい疲労感が。
それだけヘビーだったってことかぁ(ショーが)。
消化できてませんが、とりあえず思い浮かんだことを箇条書きにしておきます。
その1、開演前。
・雲ひとつない青空。初日にふさわしい空。大切な人を見送るのにふさわしい空。
・ロビーのCSお稽古場映像で、わたさんとケロさんの間にいるとうこさんの姿を見てほっこりする。
・プログラム、オギーの言葉に熱いものがこみ上げかける。生徒さんを評する言葉の的確で愛に溢れていることったら。
「太陽の申し子」って。「臈たけた美しさは月下美人のよう」って。「滋味のある歌唱力と、郷愁を掻き立てる眼差しの鋭さ」って。
退団者への「惜しみて余りある拍手を」って。
・……初日は心臓がばくばくするなあ(苦笑)。
その2、芝居。
・手が入って博多座よりマシになってる。良かったあ(泣)。
・反乱制圧シーン、人数増えて迫力が出て良くなってました。
・コーラスも人数が増えてレベルが底上げされてる。良かった良かった。
・銀橋があるっていいなあ。でもうまく使えてない気もするなあ。
・安禄山、とーこさん含みっぷりがすてき。
・寿王、礼音くんなかなか嵌ってる。安禄山とのデュエットも、二人の持ち味が全然違っていて、王族と蛮族上がりの将軍の対比がいい感じです。
(寿王の出番はここで終わるのでドラマ的にあんまり意味のないシーンですが)
・一番要らないと思っていた楊貴妃が尼になるシーンが削除されていた。やっぱり「清く正しく美しく」が博多で全然ウケなかったからか(当然)。
・礼音くんダンサーとしても大活躍。
・皇甫惟明の謁見の場面で、玄宗と楊貴妃はいちゃつかず別の椅子に座ってました。ここ気になってたんで変更されて良かった。
・皇甫惟明まとぶんはふつーに二枚目でした。
・楊国忠しぃちゃん、宰相に任ぜられて衣裳が増えてました。似合う。
・贈り物にはしゃぐ三姉妹を楊国忠がちらっと嫌そうな目で見るんですよね。潔癖な青年と言う感じで好きだなあと。
・楊貴妃に迫る安禄山、とーこさんの屈折した粘りのある演技が好きだ(笑)。
・この場面、博多座ほど玄宗が馬鹿に見えなくなってます。一応安禄山のことをまじめに受け取っているからか。
・安禄山の乱、盆やセリを使いまくって盛り上げてます。
・切り結ぶ玄宗と安禄山。やっとトップと二番手でこーゆー場面が見られたよ!
・楊貴妃の死の場面、玄宗を止める陳玄礼ケロさんの「しかし!」が熱くてはっとしました。
全体的に台詞や描写が増えていて、玄宗を巡る権力争いが見えるようになってます。その分玄宗が楊貴妃に溺れる様に説得力が出た……と思うのは博多座と比べるからで、初見の人にとってはどうなんだろう。
玄宗が楊貴妃を愛している描写も増えていると言えば増えてるんだけど、愛し合うようになった過程を描いていないという根本的な問題はそのままなので……。
でも、主役のわたるさん檀ちゃん二人から「お互いを愛してる!」オーラが出てるんで、それにのせられれば何とかついていけます。ほんと、出演者が頑張って埋めてくれてる。
とりあえず美しい人たちが見られるだけで満足しよう、と諦めの境地でしたが、博多座よりリピート可能な内容になってて、本当にほっとしました。
その3、ショー。
・こっちも人数増えて豪華。倍だもんなぁ。
・幕開きはとうこさんの歌。ありがとー!!(いやお礼が言いたくなるのよ(^^;)
・とりあえずオープニングで魂抜かれました。二階最後列センターからの眺めは美しいです。舞台からは遠いけど。
・あれ? 客席降りはなし?(無くてもいいけど、90周年記念で全公演あるのかと)
・サテュロスSまとぶんは普通に美人でした。むしろサテュロス涼、大真の方が毒々しい。毒はディアボロとうこさんの担当になったのか?
・船、客の男で一人だけ帽子をかぶっていない人が。わざと?間違い?
・セレブSワタさんから帽子と上着を受け取るケロさんに注目してました(笑)。口開けてぽかんとしてました。(有名人見ちゃった、みたいな感じ?)
・ここでもディアボロ出てくるのか!しかも小悪魔で(笑)
・礼音くんはセーラーのラインダンスでも大活躍。前回公演に続きくるくる回ってます。
・好きなシーン、シビさんの歌う『アリヴェデルチ・ローマ』で赤いドレスの檀ちゃんと黒燕尾のワタさん。と思っていたら、ケロさんとみきこさんが! 荻田先生ありがとう!
・ちょっとのつもりでケロさんにオペラを向けたら、娘役さんに向ける笑顔にとろかされて帰ってこられなくなりました。この場面のワタさんは次回見ます(←ファン失格)
・青の洞窟の後、オープニングの人たちが出てきた、と思ったら少女うめちゃん救出されて両親の元に戻ってます。オチがついてしまった。
この後は……箇条書きにおさまりません。
だって、汐美真帆サヨナラショーがっ! とうこさんとの握手がっ! 銀橋がっ!
その後に私的待望のワタさんとうこさんのサシのダンスがあったんですが、ちょっとここでうっわーっと言う感じて。
もう何回か見ないと記憶が整理できません。
そのうち、ショーの感想は「失い続ける主人公」って感じの題で書くと思います。
しかし、すっかり魂抜かれて、次回観劇予定までもつんだろうか、自分(笑)。
あ、ところでこのショー、ロケットはなかったんでしたっけ?(水兵さんでやったからいいの?)
金の森へ(ヨーロッパ幻想の系譜@姫路市立美術館)
2004年9月20日 美術展姫路市立美術館特別展「ヨーロッパ幻想の系譜」に行ってまいりました。
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/
この美術館、好きです。
ここと出会えたのが、関西に来て良かったことのひとつだと思います。
って言うか、ベルギー美術のコレクションって、なんてマニアックな!
知人には「ベルギー美術って、フランドル絵画ですか?」と聞かれました。
そうだよなぁ。クノップフとかロップスとかデルヴォーとかが売りの美術館って、思いつかないよなぁ。マグリットはまぁ人気あるかもしれないけど。
私は大喜びですが(笑)。
1月「ベルギー美術の魅力展」で初めて来て、今回2度目。
「ヨーロッパ幻想の系譜」というテーマもめちゃくちゃ好み。19世紀後半から20世紀前半、象徴主義からアールヌーヴォー、シュールレアリズムあたり。
何が好きかって、現実離れして美しいから。
足元がおぼつかないような、不安を呼び起こすような、でもいつまでも浸っていたいような心地よい夢。
一番好きな空間は、モンタルドとクノップフの大作が斜め向かいにかかっている一角。
モンタルド「寓意的な情景」とクノップフ「天井画:絵画、音楽、詩歌」。クノップフは1月にも見ましたが、再会。
展示紹介でもここの写真が使われてます。
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/kikaku/index.html
でも本物はもっとずっときれいだから!
あと、この美術館のいいところは、空いていること。
と言ったら失礼かな。
でも、この2枚が両方視界に入るベンチにぼーっと座って、至福のときを過ごせました。
これだけでも姫路まで来た甲斐あり。
「寓意的な情景」は金の森。
金色の木々、ピンク色の花、やわらかにけぶる緑の草地。
静かに川は流れ、ゆったりとした衣裳をまとった人々の影。
時はたゆたう。
見つめているうちに、いつか森の中へ。
金の森を散歩。
こんな風に絵と向かい合えるなんて、滅多に無いことで。
神戸市立博物館のフェルメール「画家のアトリエ」も、人がいなければもっと幸せに見ることができたんだけどなぁ。ま、仕方ないですが。
あと、印象に残ったものについて。
・ルネ・ラリック「シレーヌ」
多分、他所でも見たことがあると思う。でも美しさに息を呑む。
・ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク「夜の中庭あるいは陰謀」
この青さ、暗さは感覚的に好き。
・アルフォンス・ミュシャ「サロメ」
ジプシー娘のようなサロメ。
・フェリシアン・ロップス「古い物語」
仮面を見つめる女の顔の寂しさ。
・フェルナン・クノップフ「裸体習作」
クノップフの裸体画は触れたくなるような肌をしている。ぼやかされた輪郭がそうさせるのか。
・ジェームズ・アンソール「ホップフロッグの復讐」
手前の人物はアンソール自身? それともただのサイン?
それにしても HopFrog の復讐って何事?
・ルネ・マグリット「無謀な企て」
成功しかけてるぞ。
マグリットの空は、印刷で見ていた方が透明感がある。現物を見ると「あ、油絵だ」と思う。印刷ポスターで見慣れているせいか。
・レオン・フレデリック「春の寓意」
妙に立体的。グレコのような、イタリア・マニエリズムのような固さ。
・オディロン・ルドン「エドモン・ピカール『陪審員』挿絵」
つるりとしてやせ細った亡霊、って!(笑) 最高ー!
・ジョアン・ミロ「哲学者?」
ごけぱん。
・ヴィクトル・ブローネル「誕生の球体」
欧米では村上隆はこういう系譜で位置づけられているのかな?
・ポール・デルヴォー「海は近い」
中央の電信柱を見て、横尾忠則の三叉路を思い出した。
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/
この美術館、好きです。
ここと出会えたのが、関西に来て良かったことのひとつだと思います。
って言うか、ベルギー美術のコレクションって、なんてマニアックな!
知人には「ベルギー美術って、フランドル絵画ですか?」と聞かれました。
そうだよなぁ。クノップフとかロップスとかデルヴォーとかが売りの美術館って、思いつかないよなぁ。マグリットはまぁ人気あるかもしれないけど。
私は大喜びですが(笑)。
1月「ベルギー美術の魅力展」で初めて来て、今回2度目。
「ヨーロッパ幻想の系譜」というテーマもめちゃくちゃ好み。19世紀後半から20世紀前半、象徴主義からアールヌーヴォー、シュールレアリズムあたり。
何が好きかって、現実離れして美しいから。
足元がおぼつかないような、不安を呼び起こすような、でもいつまでも浸っていたいような心地よい夢。
一番好きな空間は、モンタルドとクノップフの大作が斜め向かいにかかっている一角。
モンタルド「寓意的な情景」とクノップフ「天井画:絵画、音楽、詩歌」。クノップフは1月にも見ましたが、再会。
展示紹介でもここの写真が使われてます。
http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/kikaku/index.html
でも本物はもっとずっときれいだから!
あと、この美術館のいいところは、空いていること。
と言ったら失礼かな。
でも、この2枚が両方視界に入るベンチにぼーっと座って、至福のときを過ごせました。
これだけでも姫路まで来た甲斐あり。
「寓意的な情景」は金の森。
金色の木々、ピンク色の花、やわらかにけぶる緑の草地。
静かに川は流れ、ゆったりとした衣裳をまとった人々の影。
時はたゆたう。
見つめているうちに、いつか森の中へ。
金の森を散歩。
こんな風に絵と向かい合えるなんて、滅多に無いことで。
神戸市立博物館のフェルメール「画家のアトリエ」も、人がいなければもっと幸せに見ることができたんだけどなぁ。ま、仕方ないですが。
あと、印象に残ったものについて。
・ルネ・ラリック「シレーヌ」
多分、他所でも見たことがあると思う。でも美しさに息を呑む。
・ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク「夜の中庭あるいは陰謀」
この青さ、暗さは感覚的に好き。
・アルフォンス・ミュシャ「サロメ」
ジプシー娘のようなサロメ。
・フェリシアン・ロップス「古い物語」
仮面を見つめる女の顔の寂しさ。
・フェルナン・クノップフ「裸体習作」
クノップフの裸体画は触れたくなるような肌をしている。ぼやかされた輪郭がそうさせるのか。
・ジェームズ・アンソール「ホップフロッグの復讐」
手前の人物はアンソール自身? それともただのサイン?
それにしても HopFrog の復讐って何事?
・ルネ・マグリット「無謀な企て」
成功しかけてるぞ。
マグリットの空は、印刷で見ていた方が透明感がある。現物を見ると「あ、油絵だ」と思う。印刷ポスターで見慣れているせいか。
・レオン・フレデリック「春の寓意」
妙に立体的。グレコのような、イタリア・マニエリズムのような固さ。
・オディロン・ルドン「エドモン・ピカール『陪審員』挿絵」
つるりとしてやせ細った亡霊、って!(笑) 最高ー!
・ジョアン・ミロ「哲学者?」
ごけぱん。
・ヴィクトル・ブローネル「誕生の球体」
欧米では村上隆はこういう系譜で位置づけられているのかな?
・ポール・デルヴォー「海は近い」
中央の電信柱を見て、横尾忠則の三叉路を思い出した。
ジャンルにとらわれる私が悪いのか(『花供養』宝塚日生劇場公演)
2004年9月18日 宝塚『花供養』植田紳爾作・演出。轟悠、音月桂、白羽ゆり出演
前半が終わって隣席のご夫人が不審げに一言。
「そんなに悪い話じゃないわよねぇ」
はい。席が埋まらないのは内容のせいじゃないと思います。
出演者が少ないとか、日本物だとか、歌も踊りも無いとか、集客力の無い要因がありすぎるかと。
で、その内容ですが。感想は無い訳じゃないのに、何だか書きにい。
舞台を見るとき、私は、現代作品とそれ以外ではちょっとスタンスが違う。
それ以外って、まあオペラとか歌舞伎(たまーに見る)のような古典系ですが。そういうときには、ストーリーの破綻はそれほどマイナスポイントにならない。作品が成立した当時の人とは感覚も常識も違うから、と割引して見ている。そんなことに文句を言うより、現代人には思いつかない斬新さ、突拍子も無さに素直に驚いて楽しむ。
だって私が最初に見たオペラは『夢遊病の女』でそれでも十分楽しくてオペラにはまったもんなー。(あの馬鹿馬鹿しさが許せれば何でもOK)
そりゃ、トゥーランドットのあのラストは無いだろうとか、ピンカートン最低男!とか、思いますけどね。(あ、どっちもプッチーニだ・笑)
何でこんな事を書くかと言うと『花供養』を観て、これもそういう観方をした方がいいんじゃないか、と思ってしまったから。
でもそんな古い作品じゃないんだよね。
出てくる人たちは宝塚の人で、見目麗しいんだけど、お話は日生と言うより芸術座が似合いそうな。
宝塚の感想として、書きにくいんだと思いました。
と、前置きが長いですが。
主役が誰だか、よくわかりませんでした。
信尋(音月桂)がお与津(白羽ゆり)への愛を告白する場面で「そうか君が主役か!」と思っちゃいました。
いや、政仁(轟悠)なのはわかってますけどね。出てきてはわが身の不幸を嘆いて我儘言ってるだけの人に見えたので。
終始近衛家が舞台で、御所で彼が何をどう苦労しているのか、頑張っているのかわからないからそう見えるのかもしれませんが。
あと、ぽかーんと口をあけてひっくり返りそうになったのは、最後4幕。
政仁様、出家して晴れ晴れとしてますが、それでいいの???
お与津が「お強くおなりください」って言ったのは、それでいいの???(お与津は微笑んでたけど)
皇室を護持するために耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたんじゃないの??? それをぽんと投げ出して、出家しちゃっていいの???
誰も不思議に思わないんでしょうか。いや史実どおりなのかもしれないけど。
何か、『ドン・カルロ(ヴェルディ)』で、ロドリーゴがフランドルを託して死に、エリザベッタが彼の将来のために別れを告げた直後に、先王によって墓に引き込まれ消えてしまうカルロ、で幕になったときのような気分でした。
だから、古典感覚で見るべきかと思っちゃったんだな。
(うっわー、これでいいの?ってオチの妙な肩透かし的カタルシス感覚は、ある意味楽しいですけどね。(例・『キャシャーン』))
筋と言うより、情緒とか場面場面を愛でる芝居なのかもしれないです。そういう意味では衣裳もセットも美しく、出演者も熱演、レベルが高く素晴らしかったと思います。
以下個別。
後水尾天皇(政仁)=轟悠
ええと、この人のお芝居を観るのも『バッカスと呼ばれた男』以来。(しかもよく憶えていません)
良かったですけど、上手かったですけど、なんせキャラクターに感情移入できなかったので……。
出家した後修学院離宮造った人だと思うとますます「所詮上流階級の悩みだよなー」と思えてしまって(でかい庭、でかい池、美観のための畑)。
お与津御寮人=白羽ゆり
美しいー!!
気品も美貌も見るからにお姫様。(横や斜めより正面向きが一番美人) 目の保養をさせていただきました。
でも、この人もいまいち良くわからん人でした。
出来すぎ、と言うか生身の人間ではない感じ。政仁・信尋兄弟の夢の投影みたいな人。白羽ゆりちゃんの現実感の無さ、不思議少女ぶりが遺憾なく発揮された感じ。
と言う理解で良いのかどうかは疑問なところですが。もっと現実感のある人がやっていたら全然違う話になったかも、と思います。
近衛信尋=音月桂
一番感情移入がしやすかった人。
一番ナチュラルな芝居をしていた人。と言うか、轟さんや専科の皆様と、桂ちゃんの演技との間に断層があるような気がしました。
いや桂ちゃんも同じように演っているんだけど、ベースが違うと言うか。
(となみちゃんは不思議少女ぶりでノーカウント。ハマコさんも元々色の違いを意図されているのでノーカウント)
型に違和感を持つか感動するかは受け取る側の素地もあるので、あくまでも私の感想ですが。
よし=未来優希
いや、ファンですから(笑)。
隣席の方に「誰のファン?」と聞かれ「未来さん」と答えたら、何だか微妙な表情で「まあ、上手いですものね」と言われました。(それじゃ期待されている答えは2択だ゛ったってことですか)
女役なのは知ってましたが、わー、可愛いじゃん。と驚き。
こってこての男役だとばかり思っていたら、外部商業演劇(芸術座や梅コマ……)でも今すぐ行けそうな。やっぱ、上手い人なんだわ。
キャラクター的にも一人庶民で色が違って、良かったです。
あとは、専科の方々の女役にちょっと、はーっと。
特に春日局の汝鳥伶さん。宝塚というより、歌舞伎役者の女役に見えた……。公覚尼の磯野千尋さんも忘れられませんです。
前半が終わって隣席のご夫人が不審げに一言。
「そんなに悪い話じゃないわよねぇ」
はい。席が埋まらないのは内容のせいじゃないと思います。
出演者が少ないとか、日本物だとか、歌も踊りも無いとか、集客力の無い要因がありすぎるかと。
で、その内容ですが。感想は無い訳じゃないのに、何だか書きにい。
舞台を見るとき、私は、現代作品とそれ以外ではちょっとスタンスが違う。
それ以外って、まあオペラとか歌舞伎(たまーに見る)のような古典系ですが。そういうときには、ストーリーの破綻はそれほどマイナスポイントにならない。作品が成立した当時の人とは感覚も常識も違うから、と割引して見ている。そんなことに文句を言うより、現代人には思いつかない斬新さ、突拍子も無さに素直に驚いて楽しむ。
だって私が最初に見たオペラは『夢遊病の女』でそれでも十分楽しくてオペラにはまったもんなー。(あの馬鹿馬鹿しさが許せれば何でもOK)
そりゃ、トゥーランドットのあのラストは無いだろうとか、ピンカートン最低男!とか、思いますけどね。(あ、どっちもプッチーニだ・笑)
何でこんな事を書くかと言うと『花供養』を観て、これもそういう観方をした方がいいんじゃないか、と思ってしまったから。
でもそんな古い作品じゃないんだよね。
出てくる人たちは宝塚の人で、見目麗しいんだけど、お話は日生と言うより芸術座が似合いそうな。
宝塚の感想として、書きにくいんだと思いました。
と、前置きが長いですが。
主役が誰だか、よくわかりませんでした。
信尋(音月桂)がお与津(白羽ゆり)への愛を告白する場面で「そうか君が主役か!」と思っちゃいました。
いや、政仁(轟悠)なのはわかってますけどね。出てきてはわが身の不幸を嘆いて我儘言ってるだけの人に見えたので。
終始近衛家が舞台で、御所で彼が何をどう苦労しているのか、頑張っているのかわからないからそう見えるのかもしれませんが。
あと、ぽかーんと口をあけてひっくり返りそうになったのは、最後4幕。
政仁様、出家して晴れ晴れとしてますが、それでいいの???
お与津が「お強くおなりください」って言ったのは、それでいいの???(お与津は微笑んでたけど)
皇室を護持するために耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできたんじゃないの??? それをぽんと投げ出して、出家しちゃっていいの???
誰も不思議に思わないんでしょうか。いや史実どおりなのかもしれないけど。
何か、『ドン・カルロ(ヴェルディ)』で、ロドリーゴがフランドルを託して死に、エリザベッタが彼の将来のために別れを告げた直後に、先王によって墓に引き込まれ消えてしまうカルロ、で幕になったときのような気分でした。
だから、古典感覚で見るべきかと思っちゃったんだな。
(うっわー、これでいいの?ってオチの妙な肩透かし的カタルシス感覚は、ある意味楽しいですけどね。(例・『キャシャーン』))
筋と言うより、情緒とか場面場面を愛でる芝居なのかもしれないです。そういう意味では衣裳もセットも美しく、出演者も熱演、レベルが高く素晴らしかったと思います。
以下個別。
後水尾天皇(政仁)=轟悠
ええと、この人のお芝居を観るのも『バッカスと呼ばれた男』以来。(しかもよく憶えていません)
良かったですけど、上手かったですけど、なんせキャラクターに感情移入できなかったので……。
出家した後修学院離宮造った人だと思うとますます「所詮上流階級の悩みだよなー」と思えてしまって(でかい庭、でかい池、美観のための畑)。
お与津御寮人=白羽ゆり
美しいー!!
気品も美貌も見るからにお姫様。(横や斜めより正面向きが一番美人) 目の保養をさせていただきました。
でも、この人もいまいち良くわからん人でした。
出来すぎ、と言うか生身の人間ではない感じ。政仁・信尋兄弟の夢の投影みたいな人。白羽ゆりちゃんの現実感の無さ、不思議少女ぶりが遺憾なく発揮された感じ。
と言う理解で良いのかどうかは疑問なところですが。もっと現実感のある人がやっていたら全然違う話になったかも、と思います。
近衛信尋=音月桂
一番感情移入がしやすかった人。
一番ナチュラルな芝居をしていた人。と言うか、轟さんや専科の皆様と、桂ちゃんの演技との間に断層があるような気がしました。
いや桂ちゃんも同じように演っているんだけど、ベースが違うと言うか。
(となみちゃんは不思議少女ぶりでノーカウント。ハマコさんも元々色の違いを意図されているのでノーカウント)
型に違和感を持つか感動するかは受け取る側の素地もあるので、あくまでも私の感想ですが。
よし=未来優希
いや、ファンですから(笑)。
隣席の方に「誰のファン?」と聞かれ「未来さん」と答えたら、何だか微妙な表情で「まあ、上手いですものね」と言われました。(それじゃ期待されている答えは2択だ゛ったってことですか)
女役なのは知ってましたが、わー、可愛いじゃん。と驚き。
こってこての男役だとばかり思っていたら、外部商業演劇(芸術座や梅コマ……)でも今すぐ行けそうな。やっぱ、上手い人なんだわ。
キャラクター的にも一人庶民で色が違って、良かったです。
あとは、専科の方々の女役にちょっと、はーっと。
特に春日局の汝鳥伶さん。宝塚というより、歌舞伎役者の女役に見えた……。公覚尼の磯野千尋さんも忘れられませんです。
貸切公演なので抽選会あり。きりやんのサイン色紙当選。うれしいけど、写真はショーより芝居の方が良かったなー。
何か当たったのは初めて。私の野望は常に次回公演最前列チケットなのですが、ま、当たらんわな。
さて、面白かったと言いつつもいまひとつ物足りなげな宝塚初心者の同行者。
大丈夫、きっとショーでは異文化体験できるから。
芝居と違い、ショーの印象は初見と変わらず。
第一印象は「……ネタ?」
あと「語りすぎ説明しすぎ!」
多分、私がわざわざ書かずともネットには溢れている感想かと思いますが。
ゼウスの肖像画と、ナルキッソスの水仙。
あれはネタ以外の何者でもないだろー!!
初日は立見席にもさざなみのような苦笑、失笑が。
いや、まあ別にいいんですけどね。そういう公演だと思って見れば。
でも、花組さんのハイレベルな歌とダンスに感動させられてしまうから、その落差が何と言うか、もったいないなあと。
あとネタ以上に不満なのは、語りすぎかなー。
ガニュメデス登場にいちいち「美しい少年〜」と歌わないといけないっていうのはどうなの。とか(笑)。
ギャグと、後半のシリアスなシーンのバランスが悪い。それなのにすみれさんの歌唱力、花組皆様のダンス力に感動させられてしまうのが私的に落ち着きが悪くて困ってしまうのですが、それも語りすぎが悪いんじゃないかと。
ゼウスがいちいち「女たちのくだらない争いのせいで、私の造った世界が壊れていく」なんて説明台詞を歌うから、あんたがそれ言うか!と突っ込みたくなるのは私だけでしょうか。
「女は何故見栄を張るのか」って、その一因はあんたのせいだろう。ヘラが「私ゼウスの妻よ」って歌ってるのをどの面下げて聞いてるのやら。ヘラさんはそれしか己の拠り所が無いのにあんたが浮気しまくるから、自分の存在価値を確かめるために見栄を張らざるを得ないのよ。わかってんの?
……書いてるうちにこんなこと考えてるのはやっぱり私だけかもしれないと思いました(^^;。
とまあ、不満な点を書きましたが、このショーを楽しまなかったかと言うと全然そんなことはありません。
オープニングのクロノスとガイアから始まるダンスは、神秘的ですごく好き。(もう少しこの雰囲気で行ってくれなかったものか……)
その後出てくるトップ+特出二人。水さんこういうコスプレも似合っちゃうのがすごいなー。
オープニングが終わると、アフロディーテあすかちゃんとエロス一花ちゃんの場面。あすかちゃんすごくキュート。一花ちゃんもかーわいー。(でも何もこんなコメディかつ説明台詞にしなくても。)
その次は結婚式。ゼウスの肖像画にもひびったが、その額縁についているハートの電飾にもびびりました。
ここ、ゼウスおささんが浮気しまくりというコンセプトはいいと思うんですが、何故花組が誇る美女美少女娘役オンパレードにしなかったのか。
あ、ガニュメデス愛音羽麗くんが一番美しくみずみずしく(笑)見えるようにか。
パンドラ。実はこの場面大好きです。きりやんすてきー。赤いショートボブの鬘、迫力の歌声、キュートで危険な女。周りのグラサンスーツ部隊もかわいくて好きさ。
ナルキッソス水さんに、ナルキッソスの影らんとむくん。
えーと、キャスティングはこれでいいんですか? いやまあ先入観を持たなければそれもありと思いますが、一方でヘラクレスを当ててるってことは、そういうイメージを持っているわけで。番手の問題?
……性別も番手も無視してアモールに綺華れいちゃんを当てた草野氏は偉いなあと思いました。
どうせならおささん水さんで見てみたかった気がします。
そのあとは、オレンジのシシィパロディ。ここもなぁ、私の好みから言うと説明しすぎなんだよなぁ。可愛いけど。
次はある意味このショー随一の美味しいシーン。タキシード客席降りあり。
1階A席、通路から3列目という良席だったので、きりやんの目線をいっぱいもらえました。つーか、何で一人だけ酔っ払い演技してるの?(笑)他の二人はふつーに二枚目で出てくるのに。
この場面の「俺の理想の女神」たちは可愛い花娘ちゃんたちでよかった。
そして花組男役勢ぞろいの黒タキシード群舞! 舞台は回るしセリも上がり下がり、盛り上げどころ。
眼福眼福。
ここ、矢吹さんがいい位置で使われてて、演出家に感謝。ゆみこちゃんとデュエットだし、おささんと踊るし。
堪能しました。
でもってロケット。ロケットボーイは「オリンポス一の力持ち」ヘラクレスらんとむくん。でも私は彼が肉体派には見えなくて「花組だと彼がこういうポジションなのか、星だと礼音くんとか、もっとガタイがいいよなー」とか思いながら見てました。
パリスの林檎とトロイア戦争。前述の通り不満はありますが(ゼウスおささんが憂い顔で見守っているだけにして客の解釈に任せてくれた方がいいと思うんだけれど)、ゆみこちゃんの王子パリスっぷりがよいです。
こっから後はひたすらおささんの歌と花組一同のダンスにもっていかれました。話題のYOSHIKI氏が作った曲はおささんに合っていると思います。悲しみから再生へ、怒涛の流れに身を任せているうちに、フィナーレへ。
エトワール、ええと、6人だっけ? ゆみこちゃんとあすかちゃんがいてくれて嬉しいです。
後はもう宝塚のお約束、羽根背負っておしまい。
終演後、同行者に感想を聞きました。
当然オペラグラスなんて持ってきていない彼女に、ショーの間はずっと貸してあげていたところ、必要以上にオペラ上げていました。どうやらおささんがお気に召したご様子。
ショーに対しては「何だか、元気が出ますね!」といい笑顔で言ってくれました。
そ、そうだよね。私も最初はうわーと圧倒されてただただ元気をもらって帰っていたような気がする。初心忘れるべからず。
彼女はキャトルでもおささんの写真集を手に取り、素顔写真に「いい人そうな感じですね!」とにこにこしてました。(買わなかったけど)
何か当たったのは初めて。私の野望は常に次回公演最前列チケットなのですが、ま、当たらんわな。
さて、面白かったと言いつつもいまひとつ物足りなげな宝塚初心者の同行者。
大丈夫、きっとショーでは異文化体験できるから。
芝居と違い、ショーの印象は初見と変わらず。
第一印象は「……ネタ?」
あと「語りすぎ説明しすぎ!」
多分、私がわざわざ書かずともネットには溢れている感想かと思いますが。
ゼウスの肖像画と、ナルキッソスの水仙。
あれはネタ以外の何者でもないだろー!!
初日は立見席にもさざなみのような苦笑、失笑が。
いや、まあ別にいいんですけどね。そういう公演だと思って見れば。
でも、花組さんのハイレベルな歌とダンスに感動させられてしまうから、その落差が何と言うか、もったいないなあと。
あとネタ以上に不満なのは、語りすぎかなー。
ガニュメデス登場にいちいち「美しい少年〜」と歌わないといけないっていうのはどうなの。とか(笑)。
ギャグと、後半のシリアスなシーンのバランスが悪い。それなのにすみれさんの歌唱力、花組皆様のダンス力に感動させられてしまうのが私的に落ち着きが悪くて困ってしまうのですが、それも語りすぎが悪いんじゃないかと。
ゼウスがいちいち「女たちのくだらない争いのせいで、私の造った世界が壊れていく」なんて説明台詞を歌うから、あんたがそれ言うか!と突っ込みたくなるのは私だけでしょうか。
「女は何故見栄を張るのか」って、その一因はあんたのせいだろう。ヘラが「私ゼウスの妻よ」って歌ってるのをどの面下げて聞いてるのやら。ヘラさんはそれしか己の拠り所が無いのにあんたが浮気しまくるから、自分の存在価値を確かめるために見栄を張らざるを得ないのよ。わかってんの?
……書いてるうちにこんなこと考えてるのはやっぱり私だけかもしれないと思いました(^^;。
とまあ、不満な点を書きましたが、このショーを楽しまなかったかと言うと全然そんなことはありません。
オープニングのクロノスとガイアから始まるダンスは、神秘的ですごく好き。(もう少しこの雰囲気で行ってくれなかったものか……)
その後出てくるトップ+特出二人。水さんこういうコスプレも似合っちゃうのがすごいなー。
オープニングが終わると、アフロディーテあすかちゃんとエロス一花ちゃんの場面。あすかちゃんすごくキュート。一花ちゃんもかーわいー。(でも何もこんなコメディかつ説明台詞にしなくても。)
その次は結婚式。ゼウスの肖像画にもひびったが、その額縁についているハートの電飾にもびびりました。
ここ、ゼウスおささんが浮気しまくりというコンセプトはいいと思うんですが、何故花組が誇る美女美少女娘役オンパレードにしなかったのか。
あ、ガニュメデス愛音羽麗くんが一番美しくみずみずしく(笑)見えるようにか。
パンドラ。実はこの場面大好きです。きりやんすてきー。赤いショートボブの鬘、迫力の歌声、キュートで危険な女。周りのグラサンスーツ部隊もかわいくて好きさ。
ナルキッソス水さんに、ナルキッソスの影らんとむくん。
えーと、キャスティングはこれでいいんですか? いやまあ先入観を持たなければそれもありと思いますが、一方でヘラクレスを当ててるってことは、そういうイメージを持っているわけで。番手の問題?
……性別も番手も無視してアモールに綺華れいちゃんを当てた草野氏は偉いなあと思いました。
どうせならおささん水さんで見てみたかった気がします。
そのあとは、オレンジのシシィパロディ。ここもなぁ、私の好みから言うと説明しすぎなんだよなぁ。可愛いけど。
次はある意味このショー随一の美味しいシーン。タキシード客席降りあり。
1階A席、通路から3列目という良席だったので、きりやんの目線をいっぱいもらえました。つーか、何で一人だけ酔っ払い演技してるの?(笑)他の二人はふつーに二枚目で出てくるのに。
この場面の「俺の理想の女神」たちは可愛い花娘ちゃんたちでよかった。
そして花組男役勢ぞろいの黒タキシード群舞! 舞台は回るしセリも上がり下がり、盛り上げどころ。
眼福眼福。
ここ、矢吹さんがいい位置で使われてて、演出家に感謝。ゆみこちゃんとデュエットだし、おささんと踊るし。
堪能しました。
でもってロケット。ロケットボーイは「オリンポス一の力持ち」ヘラクレスらんとむくん。でも私は彼が肉体派には見えなくて「花組だと彼がこういうポジションなのか、星だと礼音くんとか、もっとガタイがいいよなー」とか思いながら見てました。
パリスの林檎とトロイア戦争。前述の通り不満はありますが(ゼウスおささんが憂い顔で見守っているだけにして客の解釈に任せてくれた方がいいと思うんだけれど)、ゆみこちゃんの王子パリスっぷりがよいです。
こっから後はひたすらおささんの歌と花組一同のダンスにもっていかれました。話題のYOSHIKI氏が作った曲はおささんに合っていると思います。悲しみから再生へ、怒涛の流れに身を任せているうちに、フィナーレへ。
エトワール、ええと、6人だっけ? ゆみこちゃんとあすかちゃんがいてくれて嬉しいです。
後はもう宝塚のお約束、羽根背負っておしまい。
終演後、同行者に感想を聞きました。
当然オペラグラスなんて持ってきていない彼女に、ショーの間はずっと貸してあげていたところ、必要以上にオペラ上げていました。どうやらおささんがお気に召したご様子。
ショーに対しては「何だか、元気が出ますね!」といい笑顔で言ってくれました。
そ、そうだよね。私も最初はうわーと圧倒されてただただ元気をもらって帰っていたような気がする。初心忘れるべからず。
彼女はキャトルでもおささんの写真集を手に取り、素顔写真に「いい人そうな感じですね!」とにこにこしてました。(買わなかったけど)