毎度おなじみOMC貸切公演。
さて、今回初めて宝塚を見る知人と観に行きました。
「別の意味で面白いかと思っていたんですが、普通に面白かったです」
この芝居ならそうだろう、予想通りの感想でした。
実は初日も見てます。立ち見で初日なんて熱心なファンみたいですが(いや熱心なファンは席を確保してるって)、たまたま初日後の週末に行こうと思っていたのが都合が悪くなっただけでした。
初日の感想。
破綻もなくコメディとシリアスのバランスもよく登場人物もみんな魅力的で、ハッピーエンドで、いい話だー。
オープニングもかっこいいし、中詰?の登場人物せいぞろいのシーンもいいし、何より厨房でのダンスシーンが最高!(ちょっとストンプとかナンタみたいではあったけど)
これなら初心者連れて行っても大丈夫。
でもちょっとさらっと流れすぎるのが物足りないかな。
が。約1ヵ月後の今日は、印象がかなり変わってました。
舞台の温度が上がっていてびっくり。嬉しい驚き。
特に、ファン(彩吹真央)が倒れた後、思いを吐露し、カルロスに自分の代わりに踊ってほしいと言うところ。熱いです。
この話の主役は君だったのか!と思いました。
いや、それはおいといても、主役を動かす原動力ですよね。
この場面うっかり泣かされました。初日であっさりした芝居だと言う印象があったんで、不意打ちくらいましたよ。
その後の最終選考の場面でもついついファンに目が行ってしまいました。カルロスの「もし出場できていたら自分以上の素晴らしいダンスをしたろう」と言う台詞に嬉しそうないたたまれないような何ともいえない表情をするファン。周囲の反応にはらはらするファン。カルロスの復帰が決まってめちゃくちゃ嬉しそうなファン。
真ん中を疎かにして見ちゃいました。
(でも、見ながら「ゆみこちゃんうまいなー」と思ってしまうのが逆に(私が)はまらない所以か)
逆に2回目で気づいてしまったところもあって。
進行役の3人は要らないよね。あれで感情移入が分断されてしまって。まあもしかしたら分断してその度に観客を冷ましたかったのかもしれないけど。
ともあれ、全体的にはこの芝居「割と好き」が「かなり好き」になった2回目でした。お芝居では今年の一番ではないかと思います。
(そりゃ『1914/愛』がマイベストだけど、贔屓目なのはわかってますから)
以下個別。
カルロス=春野寿美礼
この人のちゃんとしたお芝居を観るのは初めて。
うん、人気あるのわかるし、歌が上手いのも納得。
最初のミルバとのダンス「高めて……思い出して……息を吸って、深く、早く……ほら踊ってる」で掴まれます。
ミルバ=ふづき美世
この人もちゃんとしたお芝居観るのは初めて。
遊園地の看板描きの場面が一番良かったかな。上司にも社長にも社長秘書にも愛されて、才能込みで職場の花、な女の子。
ベニート=水夏希
初見、ただのいい奴で、こういう人好き、とお気に入りでした。(「ただのいい人」は確実に私の好みのタイプのひとつ)
2回目は暑苦しいいい奴になってました。更に大好き(笑)。
いや、水くんってアオセトナ様とこのベニートと両方はまるのがいいよねー。
一花ちゃんとのカップルぶり(尻にしかれ気味)も微笑ましくて素敵。このカップルすごい好き。
ファビエル=霧矢大夢
正直、初見は「何かベテランの専科さんがやるような役で、ちょっと地味だなー」と思ってたんですが(別の日に行ったTちゃんもそう思ったらしい)、掲示板とか見てると「やりがいのある役」で水さんの方がしどころ無くて損らしい。我々の感覚ってまだまだお子様ってこと?
でも2回目見て「なるほどいい役かも」と。
白眉はやはり銀橋のフラスキータとのシーンでしょう。いい男だ
。
フラスキータ=遠野あすか
そのフラスキータ。やっぱりあすかちゃんってうまい!
カルロスが好きで好きで、少しでも一緒に居たくて待っているところ。ファビエルに告白されて、素直に受け止めるところ。カルロスに会いに行くところ。表現が深くて台詞にならない情報量が多くて、すごく一生懸命に見てしまう。
カルロスが大好きだった、今でも好きだから、幸せでいてほしい。心配しないで。私は大丈夫、それに、ファビエルがいてくれる。そんなことが語られなくても伝わってくる。
コンテストの日、カルロスに会いに来るフラスキータには、何があるかわかっていてもどきどきしてしまう。まとっている雰囲気が。
(……花組で一番のお気に入りはあすかちゃんかもしれない)
ファン=彩吹真央
やっぱり、ある意味主役だよね。
だってこのお芝居で一番わくわくするのは厨房の、ファンをきっかけに始まるカルロス、ベニートを中心としたダンスシーン、その後の三人の銀橋渡りだし(この銀橋アドリブ増えてて楽しかった)。一番話が動くクライマックスは、ファンがカルロスに代わりに踊ってくれと頼むシーンだし。
なんかもう、可愛いって言うか可哀想って言うか、いい子だよなぁ。
よかったね。カルロスと出会えて、ダンスと出会えて。
たとえそれを失わなければならないとしても。思いは残るから。最初から無かったよりずっといい。
「人生やったら楽しいっスよ!」うん、よかったね。
(そんな風に言える瞬間が自分にあるだろうかと思う。ちょっとマジ・笑)
イネス=桜一花
かーわいーっっ!!
一目ぼれしました。すごい可愛い。オリーブグリーンの衣裳が似合う。ベニートとの関係もすごい好き。
不思議だ……花組ってつい娘役にキャーキャー言いたくなる。基本的に自分は男役好きなのに。
あとトレーシー=華城季帆ちゃんも可愛かったわ。
ギジェルモ=矢吹翔
「ちはる兄貴」最後の芝居。
私は新参者の遅すぎたファンだけど、それでも見ることが出来てよかったです。
と言うか! ギジェルモ社長最高ー! 大好き! 私はこの人の社長夫人になりたいです(←大馬鹿)。
アロンソ=高翔みず希
ギャングに見えません。いいお兄ちゃん以外の何者でもありません。
って言うのは、私が『NAKED CITY』を引きずっているからですか?
エレナ=鈴懸三由岐
ベニートが紹介した(恐らく)ファンのダンスパートナー。ダンスはむちゃくちゃ素敵なのに……美人さんなのに……何もそんなキャラ作らんでも(笑)。でも最終選考シーンがあれだけ素敵なのは間違いなくこの人のおかげ。
さて、今回初めて宝塚を見る知人と観に行きました。
「別の意味で面白いかと思っていたんですが、普通に面白かったです」
この芝居ならそうだろう、予想通りの感想でした。
実は初日も見てます。立ち見で初日なんて熱心なファンみたいですが(いや熱心なファンは席を確保してるって)、たまたま初日後の週末に行こうと思っていたのが都合が悪くなっただけでした。
初日の感想。
破綻もなくコメディとシリアスのバランスもよく登場人物もみんな魅力的で、ハッピーエンドで、いい話だー。
オープニングもかっこいいし、中詰?の登場人物せいぞろいのシーンもいいし、何より厨房でのダンスシーンが最高!(ちょっとストンプとかナンタみたいではあったけど)
これなら初心者連れて行っても大丈夫。
でもちょっとさらっと流れすぎるのが物足りないかな。
が。約1ヵ月後の今日は、印象がかなり変わってました。
舞台の温度が上がっていてびっくり。嬉しい驚き。
特に、ファン(彩吹真央)が倒れた後、思いを吐露し、カルロスに自分の代わりに踊ってほしいと言うところ。熱いです。
この話の主役は君だったのか!と思いました。
いや、それはおいといても、主役を動かす原動力ですよね。
この場面うっかり泣かされました。初日であっさりした芝居だと言う印象があったんで、不意打ちくらいましたよ。
その後の最終選考の場面でもついついファンに目が行ってしまいました。カルロスの「もし出場できていたら自分以上の素晴らしいダンスをしたろう」と言う台詞に嬉しそうないたたまれないような何ともいえない表情をするファン。周囲の反応にはらはらするファン。カルロスの復帰が決まってめちゃくちゃ嬉しそうなファン。
真ん中を疎かにして見ちゃいました。
(でも、見ながら「ゆみこちゃんうまいなー」と思ってしまうのが逆に(私が)はまらない所以か)
逆に2回目で気づいてしまったところもあって。
進行役の3人は要らないよね。あれで感情移入が分断されてしまって。まあもしかしたら分断してその度に観客を冷ましたかったのかもしれないけど。
ともあれ、全体的にはこの芝居「割と好き」が「かなり好き」になった2回目でした。お芝居では今年の一番ではないかと思います。
(そりゃ『1914/愛』がマイベストだけど、贔屓目なのはわかってますから)
以下個別。
カルロス=春野寿美礼
この人のちゃんとしたお芝居を観るのは初めて。
うん、人気あるのわかるし、歌が上手いのも納得。
最初のミルバとのダンス「高めて……思い出して……息を吸って、深く、早く……ほら踊ってる」で掴まれます。
ミルバ=ふづき美世
この人もちゃんとしたお芝居観るのは初めて。
遊園地の看板描きの場面が一番良かったかな。上司にも社長にも社長秘書にも愛されて、才能込みで職場の花、な女の子。
ベニート=水夏希
初見、ただのいい奴で、こういう人好き、とお気に入りでした。(「ただのいい人」は確実に私の好みのタイプのひとつ)
2回目は暑苦しいいい奴になってました。更に大好き(笑)。
いや、水くんってアオセトナ様とこのベニートと両方はまるのがいいよねー。
一花ちゃんとのカップルぶり(尻にしかれ気味)も微笑ましくて素敵。このカップルすごい好き。
ファビエル=霧矢大夢
正直、初見は「何かベテランの専科さんがやるような役で、ちょっと地味だなー」と思ってたんですが(別の日に行ったTちゃんもそう思ったらしい)、掲示板とか見てると「やりがいのある役」で水さんの方がしどころ無くて損らしい。我々の感覚ってまだまだお子様ってこと?
でも2回目見て「なるほどいい役かも」と。
白眉はやはり銀橋のフラスキータとのシーンでしょう。いい男だ
。
フラスキータ=遠野あすか
そのフラスキータ。やっぱりあすかちゃんってうまい!
カルロスが好きで好きで、少しでも一緒に居たくて待っているところ。ファビエルに告白されて、素直に受け止めるところ。カルロスに会いに行くところ。表現が深くて台詞にならない情報量が多くて、すごく一生懸命に見てしまう。
カルロスが大好きだった、今でも好きだから、幸せでいてほしい。心配しないで。私は大丈夫、それに、ファビエルがいてくれる。そんなことが語られなくても伝わってくる。
コンテストの日、カルロスに会いに来るフラスキータには、何があるかわかっていてもどきどきしてしまう。まとっている雰囲気が。
(……花組で一番のお気に入りはあすかちゃんかもしれない)
ファン=彩吹真央
やっぱり、ある意味主役だよね。
だってこのお芝居で一番わくわくするのは厨房の、ファンをきっかけに始まるカルロス、ベニートを中心としたダンスシーン、その後の三人の銀橋渡りだし(この銀橋アドリブ増えてて楽しかった)。一番話が動くクライマックスは、ファンがカルロスに代わりに踊ってくれと頼むシーンだし。
なんかもう、可愛いって言うか可哀想って言うか、いい子だよなぁ。
よかったね。カルロスと出会えて、ダンスと出会えて。
たとえそれを失わなければならないとしても。思いは残るから。最初から無かったよりずっといい。
「人生やったら楽しいっスよ!」うん、よかったね。
(そんな風に言える瞬間が自分にあるだろうかと思う。ちょっとマジ・笑)
イネス=桜一花
かーわいーっっ!!
一目ぼれしました。すごい可愛い。オリーブグリーンの衣裳が似合う。ベニートとの関係もすごい好き。
不思議だ……花組ってつい娘役にキャーキャー言いたくなる。基本的に自分は男役好きなのに。
あとトレーシー=華城季帆ちゃんも可愛かったわ。
ギジェルモ=矢吹翔
「ちはる兄貴」最後の芝居。
私は新参者の遅すぎたファンだけど、それでも見ることが出来てよかったです。
と言うか! ギジェルモ社長最高ー! 大好き! 私はこの人の社長夫人になりたいです(←大馬鹿)。
アロンソ=高翔みず希
ギャングに見えません。いいお兄ちゃん以外の何者でもありません。
って言うのは、私が『NAKED CITY』を引きずっているからですか?
エレナ=鈴懸三由岐
ベニートが紹介した(恐らく)ファンのダンスパートナー。ダンスはむちゃくちゃ素敵なのに……美人さんなのに……何もそんなキャラ作らんでも(笑)。でも最終選考シーンがあれだけ素敵なのは間違いなくこの人のおかげ。
シアター・ドラマシティ「あの日みた夢に」見て参りました。
脚本・演出は中村暁。出演は朝海ひかる、舞風りら、壮一帆ほか。
良かったです。破綻のない普通のお話でした。
1幕終わったときは、ちょっと間延びした感がありましたが、後半話が動いてラストは泣かされました。フィナーレも良かった。
掘り下げ不足な感はあるけど、その分みんな芝居で埋めているように見えるし、贔屓がいれば通うんじゃないかなと。
……って、この感想って昨年末のドラマシティ「永遠の祈り」と同じじゃん(笑)。
ついでに、主人公が夢(幻想)の中でヒロインと踊って、それで真っ当な道に戻ろうと決意する展開も同じな気がする。
破綻がないと言いつつ、気になるところについて。
その1・マイケルとスティーブの再会(マイケルがギャングであることの意味)
えーと、この話のキーポイントとして、ギャングである=非道な男であるはずのマイケルが、実は心優しく正しい人間である、という点があると思うのですが。
その、マイケルはギャングで非道な男、と言う前提がはっきり示されていないから、スティーブやエリーの「お前(あなた)はそんな人間じゃない」が唐突に聞こえてしまう。私にとっては前半ノれなかった最大の原因はそこでした。
ギャングと言っても、ボスのアルビンはいい人に見えるし、弟分のハンキーやスージーもいい奴らだし。エリーの台詞じゃないけど、マイケルの口からギャング稼業の非道さを語るだけでは、悪ぶっているだけのように見えてしまう。
再会した後、マイケルは自分からスティーブをギャングが経営しているクラブに誘うけど、ここが違和感。自分の生業をろくなもんじゃないと思っていて真っ当に生きている旧友を巻き込みたくないなら、そんなことしないんじゃないの?
ここは、マイケルがそっけなく別れようとするがスティーブが熱心に誘い、そこまで言うならと自分が変わってしまったことをわからせるため敢てクラブに連れて行く、と言うような流れだったら納得だったかも。更にその場でトラブルが起こり、マイケルが発砲、そこまで行かなくても相手をボコボコにしてスティーブが「何故お前が…」と引くとか。
その2・スティーブのエリーへの思い(とマイケルへの思い)
惚れたんでしょう。それはいいんだけど、彼がエリーに告白した意図は何だったんだろう?
スティーブは、マイケルとエリーが口には出さないけれど好きあっているのを知っていたんだよね。それなのに告白して、プロポーズしたのは、
1.マイケルを出し抜いてエリーを自分のものにしたかった
2.自分が告白することによって刺激を受けた二人が自分の気持ちを明らかにする後押しをしたかった
このどちらだか良くわからなくて、収まりが悪いなあと。
スティーブ自身でも自分の気持ちがどちらかわからなくて揺れているなら、それでもいいからスティーブの独白なりソロなりあればよかったのに。
その3・フラニーの真意?
いや、これは前2点に比べればたいしたことじゃないんだけと。
アルビンの不肖の息子ロッキーの情婦、フラニー。彼女はロッキーの野心を煽って焚きつけるんですが、その前に失くした恋がどうしたと言うような歌を歌うんですな。
私はてっきり「そうか、彼女は過去に恋人を抗争の中でマイケルに殺されて、復讐したくてこんな事をしているんだな!」と深読みしてしまったんですが……そんなエピソードはありませんでした。
最後まで、ロッキーが倒れた後みんながほっとしていたら思わぬところからフラニーの銃弾がマイケルを、と言う展開を予想していたのに、違ったのね……。
でも私の脳内ではフラニーはそういう女です。舞咲りんちゃんがまたそういう悲しい裏がある女が似合いそうだったのよ。
全体的にダンスシーンがよかったです。さすが雪組。
男役のスーツにソフト帽群舞が、切れがあって揃っててかっこいー! 役柄はひとりいい人お医者様の壮一帆くんもここではシャープにギラってます。
とは言え、似たような群舞と幻想のエリーとのデュエットダンスとか多い気はしたんですが、トップコンビのデュエットダンスは雪組のセールスポイントだから、ありなのかな。
幻想で絡むだけでなくもっと現実のエリーとマイケルの場面があれば、お芝居的にもよかったと思います。ベンチで踊る二人は、マイケルがぎこちなくも惹かれている感じが微笑ましくも素敵でした。
微笑ましいと言えば、ハンキー緒月遠麻くんとエルザ涼花リサちゃんのカップル。ハンキー、ドジで間抜けでマイケルに迷惑かけて、でもいい奴。コメディリリーフなんだけどそれだけでは終わらない、愚かさと弱さと、熱さを持ったいいキャラクターでした。恋人のエルザも、能天気な女の子かと思いきや健気で切ない。それに可愛くて、お似合いでした。ハンキー、エルザの言うとおりギャング辞めてお店手伝った方がいいよ……。(Romance de Paris の中日公演を思い出した。あれは彼女と店をやる役だったよねー)
対照的にいかにもギャングと情婦なロッキー凰稀かなめくんとフラニー舞咲りんちゃん。フラニー、ロッキーを完全に操縦しているあたりがお見事。そしてその動機を深読みしている私。ロッキーも駄目っぷりとかプライドとか「度胸だけはある」若さと愚かさ、父を見殺しにした魔がさした感じとかよかったなあと。
主役級3人より、ハンキーとかロッキーの方が書き込まれてた感があるなあ(笑)。
とは言え、ラストは良かったです。終わりよければと言うか。
死を悟ってエリーに最初で最後のキスをして別れを告げるマイケル。やはり悟ってエリーをマイケルから引き離し連れて行くスティーブ。それでも最後戻ってくるエリー。
泣かされました。特にコムちゃんの演技に。
脚本・演出は中村暁。出演は朝海ひかる、舞風りら、壮一帆ほか。
良かったです。破綻のない普通のお話でした。
1幕終わったときは、ちょっと間延びした感がありましたが、後半話が動いてラストは泣かされました。フィナーレも良かった。
掘り下げ不足な感はあるけど、その分みんな芝居で埋めているように見えるし、贔屓がいれば通うんじゃないかなと。
……って、この感想って昨年末のドラマシティ「永遠の祈り」と同じじゃん(笑)。
ついでに、主人公が夢(幻想)の中でヒロインと踊って、それで真っ当な道に戻ろうと決意する展開も同じな気がする。
破綻がないと言いつつ、気になるところについて。
その1・マイケルとスティーブの再会(マイケルがギャングであることの意味)
えーと、この話のキーポイントとして、ギャングである=非道な男であるはずのマイケルが、実は心優しく正しい人間である、という点があると思うのですが。
その、マイケルはギャングで非道な男、と言う前提がはっきり示されていないから、スティーブやエリーの「お前(あなた)はそんな人間じゃない」が唐突に聞こえてしまう。私にとっては前半ノれなかった最大の原因はそこでした。
ギャングと言っても、ボスのアルビンはいい人に見えるし、弟分のハンキーやスージーもいい奴らだし。エリーの台詞じゃないけど、マイケルの口からギャング稼業の非道さを語るだけでは、悪ぶっているだけのように見えてしまう。
再会した後、マイケルは自分からスティーブをギャングが経営しているクラブに誘うけど、ここが違和感。自分の生業をろくなもんじゃないと思っていて真っ当に生きている旧友を巻き込みたくないなら、そんなことしないんじゃないの?
ここは、マイケルがそっけなく別れようとするがスティーブが熱心に誘い、そこまで言うならと自分が変わってしまったことをわからせるため敢てクラブに連れて行く、と言うような流れだったら納得だったかも。更にその場でトラブルが起こり、マイケルが発砲、そこまで行かなくても相手をボコボコにしてスティーブが「何故お前が…」と引くとか。
その2・スティーブのエリーへの思い(とマイケルへの思い)
惚れたんでしょう。それはいいんだけど、彼がエリーに告白した意図は何だったんだろう?
スティーブは、マイケルとエリーが口には出さないけれど好きあっているのを知っていたんだよね。それなのに告白して、プロポーズしたのは、
1.マイケルを出し抜いてエリーを自分のものにしたかった
2.自分が告白することによって刺激を受けた二人が自分の気持ちを明らかにする後押しをしたかった
このどちらだか良くわからなくて、収まりが悪いなあと。
スティーブ自身でも自分の気持ちがどちらかわからなくて揺れているなら、それでもいいからスティーブの独白なりソロなりあればよかったのに。
その3・フラニーの真意?
いや、これは前2点に比べればたいしたことじゃないんだけと。
アルビンの不肖の息子ロッキーの情婦、フラニー。彼女はロッキーの野心を煽って焚きつけるんですが、その前に失くした恋がどうしたと言うような歌を歌うんですな。
私はてっきり「そうか、彼女は過去に恋人を抗争の中でマイケルに殺されて、復讐したくてこんな事をしているんだな!」と深読みしてしまったんですが……そんなエピソードはありませんでした。
最後まで、ロッキーが倒れた後みんながほっとしていたら思わぬところからフラニーの銃弾がマイケルを、と言う展開を予想していたのに、違ったのね……。
でも私の脳内ではフラニーはそういう女です。舞咲りんちゃんがまたそういう悲しい裏がある女が似合いそうだったのよ。
全体的にダンスシーンがよかったです。さすが雪組。
男役のスーツにソフト帽群舞が、切れがあって揃っててかっこいー! 役柄はひとりいい人お医者様の壮一帆くんもここではシャープにギラってます。
とは言え、似たような群舞と幻想のエリーとのデュエットダンスとか多い気はしたんですが、トップコンビのデュエットダンスは雪組のセールスポイントだから、ありなのかな。
幻想で絡むだけでなくもっと現実のエリーとマイケルの場面があれば、お芝居的にもよかったと思います。ベンチで踊る二人は、マイケルがぎこちなくも惹かれている感じが微笑ましくも素敵でした。
微笑ましいと言えば、ハンキー緒月遠麻くんとエルザ涼花リサちゃんのカップル。ハンキー、ドジで間抜けでマイケルに迷惑かけて、でもいい奴。コメディリリーフなんだけどそれだけでは終わらない、愚かさと弱さと、熱さを持ったいいキャラクターでした。恋人のエルザも、能天気な女の子かと思いきや健気で切ない。それに可愛くて、お似合いでした。ハンキー、エルザの言うとおりギャング辞めてお店手伝った方がいいよ……。(Romance de Paris の中日公演を思い出した。あれは彼女と店をやる役だったよねー)
対照的にいかにもギャングと情婦なロッキー凰稀かなめくんとフラニー舞咲りんちゃん。フラニー、ロッキーを完全に操縦しているあたりがお見事。そしてその動機を深読みしている私。ロッキーも駄目っぷりとかプライドとか「度胸だけはある」若さと愚かさ、父を見殺しにした魔がさした感じとかよかったなあと。
主役級3人より、ハンキーとかロッキーの方が書き込まれてた感があるなあ(笑)。
とは言え、ラストは良かったです。終わりよければと言うか。
死を悟ってエリーに最初で最後のキスをして別れを告げるマイケル。やはり悟ってエリーをマイケルから引き離し連れて行くスティーブ。それでも最後戻ってくるエリー。
泣かされました。特にコムちゃんの演技に。
のっひゃー!(月組エリザベートキャスト発表)
2004年9月6日 宝塚公式サイトより
◆キャスト
トート(黄泉の帝王)……………………………………彩輝 直
エリザベート(オーストリア=ハンガリー帝国皇妃)……………瀬奈じゅん
……なんで?(素)
と言うか次期月組トップ娘役は? 不在のまま来年5月まで行っちゃうんですか?
瀬奈さんも特出続きでその上女役ってことで……。
つーかせっかくヒロインタイトルロールなんだから娘役にやらせてあげよーよ。綺麗な子も上手い子もたくさんいるんだから。
でももう決まってしまったことなら、さえちゃんもあさこさんもくじけず(?)頑張れー、と応援するしかないのですが。
……どうせ両方男役ならエリザベートとトート交換ってのはナシですかね?(ルックス的に……)
◆キャスト
トート(黄泉の帝王)……………………………………彩輝 直
エリザベート(オーストリア=ハンガリー帝国皇妃)……………瀬奈じゅん
……なんで?(素)
と言うか次期月組トップ娘役は? 不在のまま来年5月まで行っちゃうんですか?
瀬奈さんも特出続きでその上女役ってことで……。
つーかせっかくヒロインタイトルロールなんだから娘役にやらせてあげよーよ。綺麗な子も上手い子もたくさんいるんだから。
でももう決まってしまったことなら、さえちゃんもあさこさんもくじけず(?)頑張れー、と応援するしかないのですが。
……どうせ両方男役ならエリザベートとトート交換ってのはナシですかね?(ルックス的に……)
歌劇9月号の汐美さんのポートが凄く素敵で、かっこよくて、引き込まれそうで、改めて去る人を惜しんでおります。
ケロさんもみっこさんも、ご本人の決めたことなんだろうし、私のようなものがあれこれ言うことではないのだけれど。ただ卒業にあたって「これからの人生が幸多いものでありますように」と祈るしかないのだけれど。
大人の男、しかも大人の色男が出来る男役がいなくなってしまうのは、星組ファンとしてはあまりにも大きな損失だと感じております。
と同時に個人的見解として思っているのは、しいちゃんの責任が重くなるなあ、がんばれー、ということだったりします。
博多座「ロマンチカ宝塚」コーザノストラで、ケロさんの溢れる色気、悪の華っぷりに対して、その点もうちょいだなー、惜しいなーと思ってたもんで。
いや、しぃちゃん大好きなんだけど。もしかしたら全宝塚で2番目に好きかも知れないんだけど。
長身で輝く笑顔で、これにいざと言うとき(?)はダークな色気も備われば完璧なのになー。でも今は上にケロさんがいてくれるし、これから身につけてくれれば。
なんて勝手に思ってましたが、ケロさんは居なくなってしまう。
あくまでも個人的見解ですが、しぃちゃんには「大人の色男」も似合うようになってほしい。
がんばれー。
ケロさんもみっこさんも、ご本人の決めたことなんだろうし、私のようなものがあれこれ言うことではないのだけれど。ただ卒業にあたって「これからの人生が幸多いものでありますように」と祈るしかないのだけれど。
大人の男、しかも大人の色男が出来る男役がいなくなってしまうのは、星組ファンとしてはあまりにも大きな損失だと感じております。
と同時に個人的見解として思っているのは、しいちゃんの責任が重くなるなあ、がんばれー、ということだったりします。
博多座「ロマンチカ宝塚」コーザノストラで、ケロさんの溢れる色気、悪の華っぷりに対して、その点もうちょいだなー、惜しいなーと思ってたもんで。
いや、しぃちゃん大好きなんだけど。もしかしたら全宝塚で2番目に好きかも知れないんだけど。
長身で輝く笑顔で、これにいざと言うとき(?)はダークな色気も備われば完璧なのになー。でも今は上にケロさんがいてくれるし、これから身につけてくれれば。
なんて勝手に思ってましたが、ケロさんは居なくなってしまう。
あくまでも個人的見解ですが、しぃちゃんには「大人の色男」も似合うようになってほしい。
がんばれー。
ケロさんやめちゃうんですか!?
みきこさんも!?
------------------
公式サイトより。
星組退団者のお知らせ
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。
(星組)
麻園みき
汐美真帆
2004年12月26日(星組東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団
真灯かなた
2004年9月2日付で退団
------------------
ショックです。
と言うか予想以上に喪失感が大きいことに我ながら驚いています。
こういう人たちがいなくなると本当に寂しい。(わたるくんも学年の近い頼りになる人たちが去っていくとさぞさびしいことだろうと(勝手に……))
と言うか。
博多座「ドルチェ・ヴィータ!」のコーザノストラのケロさん、もの凄く色気があって、ワルで、かっこよくて、目を奪われた。
あの姿がもう今年で見られなくなると思うと。
驚きつつもとっさに思ったこと。
・ムラの千秋楽のチケット押さえておいて良かった。
・でももっといい席だったら良かったのに。
・いや、いい席は本当にファンの人のために!
・東宝の千秋楽は難しいだろうな……
・芝居は今更しょうがないのかー。ショーは何かあるだろうな。
・さよならバウとか……せめてディナーショーとか……
・来年の中日「王家」ウバルドはケロさんじゃないんだ。(まとぶん?)
みきこさんも!?
------------------
公式サイトより。
星組退団者のお知らせ
下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。
(星組)
麻園みき
汐美真帆
2004年12月26日(星組東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団
真灯かなた
2004年9月2日付で退団
------------------
ショックです。
と言うか予想以上に喪失感が大きいことに我ながら驚いています。
こういう人たちがいなくなると本当に寂しい。(わたるくんも学年の近い頼りになる人たちが去っていくとさぞさびしいことだろうと(勝手に……))
と言うか。
博多座「ドルチェ・ヴィータ!」のコーザノストラのケロさん、もの凄く色気があって、ワルで、かっこよくて、目を奪われた。
あの姿がもう今年で見られなくなると思うと。
驚きつつもとっさに思ったこと。
・ムラの千秋楽のチケット押さえておいて良かった。
・でももっといい席だったら良かったのに。
・いや、いい席は本当にファンの人のために!
・東宝の千秋楽は難しいだろうな……
・芝居は今更しょうがないのかー。ショーは何かあるだろうな。
・さよならバウとか……せめてディナーショーとか……
・来年の中日「王家」ウバルドはケロさんじゃないんだ。(まとぶん?)
大劇場キャスト発表(花舞う長安)
2004年8月25日 宝塚博多座千秋楽直後、大劇場のキャストが発表されてました。
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/star_list.cgi?KEY=0410hosi
皇甫惟明、まとぶん。牡丹づいてますね(違)。
そうか涼さんの皇甫惟明は博多座限定だったんだ。見てよかった(しみじみ)。
あの場面は好きでした。楊貴妃と皇甫惟明の何気ない心の通じ合いが。ストーリー上意味がなく宙ぶらりんなのが残念ですが。
寿王、れおんくん。そーきたか。
いや、わたさん玄宗の息子、納得です。でも出番あれだけ???
まだ一部のみ発表ですが、芳楽公主に柚美さんに1票。
そして新人公演。
れおんくんとうめちゃんでこのラブラブいちゃいちゃ話をやるんですね。わはは。いや、見たい、怖いもの見たさ(失礼な)。
さいとーさんが熱望していた綺華れいちゃん楊貴妃は実現しませんでしたよ(当然)。
しかし、これだけ早く発表されたってことは、大劇に向けて大きな変更はないんですね……。
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/star_list.cgi?KEY=0410hosi
皇甫惟明、まとぶん。牡丹づいてますね(違)。
そうか涼さんの皇甫惟明は博多座限定だったんだ。見てよかった(しみじみ)。
あの場面は好きでした。楊貴妃と皇甫惟明の何気ない心の通じ合いが。ストーリー上意味がなく宙ぶらりんなのが残念ですが。
寿王、れおんくん。そーきたか。
いや、わたさん玄宗の息子、納得です。でも出番あれだけ???
まだ一部のみ発表ですが、芳楽公主に柚美さんに1票。
そして新人公演。
れおんくんとうめちゃんでこのラブラブいちゃいちゃ話をやるんですね。わはは。いや、見たい、怖いもの見たさ(失礼な)。
さいとーさんが熱望していた綺華れいちゃん楊貴妃は実現しませんでしたよ(当然)。
しかし、これだけ早く発表されたってことは、大劇に向けて大きな変更はないんですね……。
我ながら何やってんだか・その2(「花舞う長安」@宝塚星組博多座公演)
2004年8月23日 宝塚博多座千秋楽見て参りました。
いや、何か休みが取れそうだったし、博多座に電話したらチケットあったもんで。
さて「花舞う長安」。
初日だから硬かったのかもなー、千秋楽はこなれてきて面白くなってるかも、と期待したのですが。
すみません私が愚かでした。
やはりリピートするにはきつい作品です。
絵面は美しいから、当初想定どおりショーとして作っていればよかったのかも。ストーリーのあるショーだったら、いけてたのかも。
でもこれ芝居だし。
ショーならいいのよね、で済ませずに、もうちょっと考えてみたい。(しつこい)
千秋楽前に、原作とされる井上靖の「楊貴妃伝」を読みました。
全然違うじゃん。ストーリーあるじゃん。(当然ですが。いや、もしかしたらエピソード集のような短編集のような伝記かと思ってたもんで)
これを原作にして「花舞う長安」が出来たと言うのは「楊貴妃伝」に失礼でしょう。(酒井氏はパンフで原作ではなく「参考にした」と言う言い方をしてますが)
「花舞う長安」と「楊貴妃伝」の大きな違いは、
1.玄宗が若い。少なくとも壮年である。(原作では老人)
2.楊貴妃は愛が全ての女性で、権力欲はない。(原作は楊貴妃が次第に権力を求めていく物語)
3.安禄山はクールでダークな野心家。(原作では肥満体のひょうきんものだが実はしたたかな男)
あと、それよりは細かいことですが、
4.原作の李林甫の役割(口に蜜あり腹に剣ありと言われた陰謀家)が安禄山と陳玄礼に振り分けられている。
5.楊国忠がいいひと。(原作では若く怜悧な野心家。己の才に溺れて墓穴を掘る)
1〜3は宝塚的にOKでしょう。
主役はかっこよくなきゃだし、ヒロインは愛に生きるべきだし、2番手もかっこよくなきゃ。そうでなきゃ困る。
問題は、これだけ換骨奪胎してなおかつ原作からエピソードを借りてくるのは難しいと言うこと。
原作では楊貴妃と玄宗の駆け引きは愛ではなく、権力のそれ。楊貴妃が嫉妬して玄宗を独占することは、楊貴妃の権力を確かに強大にすることにつながる。(例えば、「太真」と呼ばれることを拗ねたあとで妃扱い格上げになるとか)
その視点がないと、ただひたすらバカップルがいちゃついてるだけになっちゃうんだな。
玄宗が安禄山を「雑胡」と馬鹿にしたように呼ぶのも原作由来なんですね。舞台だけ見てるとプライド高そうな野心家にこんな扱いをして明らかに危ないじゃないか、と妙に思ったけど、原作の玄宗の安禄山への態度がこうでした。
と言う訳で、私ならこうする案。
玄宗が楊貴妃を無理矢理連れてくるところまではこのままで。女道士になるところは説明台詞だけでもよし。(清く正しく美しくは余計でしょう)
但し、呼び戻されてすぐ貴妃になるのではなく、原作の初めて寝所を共にする場面をここで持ってくる。楊貴妃が玄宗の強さ大きさに畏怖し、弱さ小ささを愛した場面。勿論、意味合いはこの玄宗と楊貴妃にあわせて変えて。
玄宗に望みを言えと言われ、戸惑ったように望みはないと答える玉環(まだ玄宗を愛してはいない)。逆に玄宗の望みを問う玉環。全て望みは叶えてしまったのでもう望みはない、強いて言えばいつまでも生きたい、と言いつつ、逆賊を誅さねば、蛮族を征さねばと言う玄宗。
そして寝所をともにした後、居もしない刺客に怯えて目を覚ます玄宗(ここは原作ほどみっともなくせず、高力士も出さない)。
王者の傲慢と孤独、その常人ならぬ存在感、振幅を目の当たりにした玉環は、玄宗を自分の運命として受け入れる。
細部に文句色々あるけど、その分はすっ飛ばしてどうしてもほしいのは、玄宗が楊貴妃を愛するようになる場面。並み居る女たちとは別物としてね。
だって、玄宗は楊貴妃を可愛がっているけど、愛してはいないし。(楊貴妃が拗ねても怒っても、可愛い可愛いとしか思ってない。常に真面目に取り合わない玄宗。魂のレベルで愛し合っていないで愛の詩劇と言われても)
そういうエピソードは原作に無いんですが(だって原作の玄宗はこの辺になると美しい楊貴妃に捨てられまいと縋るただのじじいなんだもの)皇甫惟明のエピソードを使いたい。
皇甫惟明が死罪となったことを知った楊貴妃は、高力士に「見ざる聞かざる話さざる」と言われ、それを受け入れる。原作の楊貴妃は権力と切り離せない存在だから、宮廷で生きていくために、とそれでOK。
でも舞台の楊貴妃は権力なんてどうでもいい可愛い女ですから。皇甫惟明を何故死なせたのか、玄宗にその悲しみをぶつける。
「あの男を好いていたのか」一瞬怒る玄宗。「いいえ、ただ悲しく、恐ろしゅうございます。あの方は花を愛でる優しい方でした。それに、二心なく陛下にお仕えしていましたのに」
玄宗は答える。
「そうかもしれぬ。何が正しいのか、私にはもうわかっておらぬ」
玄宗は権力と言う暗い空洞の中に取り残され、誰も信じられない自分をぽつりぽつり語る。安禄山、李林甫、陳玄礼らは自分を権勢を伸ばす道具としか見ていない。他の誰も同じこと。皇帝とはそのようなものとは承知している。だが、自分は疲れてしまったらしい。
楊貴妃は言う。
「いいえ、わたくしがおります」
私は陛下を愛しています。陛下が皇帝でも、そうでなくても。そんな皇帝の地位など捨ててしまえばよろしいのです、わたくしはどこまでもついていきます。
比翼連理の誓い。そして「愛にただよう睡蓮の花」のデュエットはここで。
こうすれば主観的には純愛、しかし世間から見れば政務を放棄して楊貴妃に溺れる皇帝になるじゃないですか。
しかし、これだとやっぱり楊国忠には悪役、と言うか楊一族専横の象徴になってもらわないと駄目ですね。それによって楊貴妃の無私の愛が引き立つと言うもので。
実は、原作読んで一番惹かれたのは楊国忠だったりしまして。彼を主人公に一本書いてほしいくらいで。
楊貴妃の味方になるように親族を宮廷へ次々送り込んだ高力士ですが、楊家の男たちはみんないまいち頼りない。ので、遠く蜀にいた遠縁の若者、楊鉦をスカウトしてくる。誇り高く怜悧な楊鉦は楊貴妃のコネもあり宰相に上り詰めるが、若さと賢しさが己の首を絞めることになり、ついに自軍の兵士たちに暗殺される。
田舎出の若者が運命の悪戯で野望を胸に成り上がり、しかし絶頂は短く破滅する話ですよ、いいじゃないですか!
安禄山の乱に逃げ延びるにあたって、誰の手助けもないまま一人政務を片付け、逃亡の手配に奔走する姿が泣けます。(いや、詳しい描写は何もないんだけど)
破滅が迫っているのに知ってか知らずか精一杯な姿を想像すると……ビジュアルはしぃちゃんで。
ああでもしぃちゃんのいいひと楊国忠も好きだ。最後の立ち回りの「国忠!」「陛下!」も好きだ。ストーリー的にそれじゃ弱いけど。
と無駄なことを悩む今日この頃。
あー、でも妄想再構築してちょっとすっきりしました(笑)。
いや、何か休みが取れそうだったし、博多座に電話したらチケットあったもんで。
さて「花舞う長安」。
初日だから硬かったのかもなー、千秋楽はこなれてきて面白くなってるかも、と期待したのですが。
すみません私が愚かでした。
やはりリピートするにはきつい作品です。
絵面は美しいから、当初想定どおりショーとして作っていればよかったのかも。ストーリーのあるショーだったら、いけてたのかも。
でもこれ芝居だし。
ショーならいいのよね、で済ませずに、もうちょっと考えてみたい。(しつこい)
千秋楽前に、原作とされる井上靖の「楊貴妃伝」を読みました。
全然違うじゃん。ストーリーあるじゃん。(当然ですが。いや、もしかしたらエピソード集のような短編集のような伝記かと思ってたもんで)
これを原作にして「花舞う長安」が出来たと言うのは「楊貴妃伝」に失礼でしょう。(酒井氏はパンフで原作ではなく「参考にした」と言う言い方をしてますが)
「花舞う長安」と「楊貴妃伝」の大きな違いは、
1.玄宗が若い。少なくとも壮年である。(原作では老人)
2.楊貴妃は愛が全ての女性で、権力欲はない。(原作は楊貴妃が次第に権力を求めていく物語)
3.安禄山はクールでダークな野心家。(原作では肥満体のひょうきんものだが実はしたたかな男)
あと、それよりは細かいことですが、
4.原作の李林甫の役割(口に蜜あり腹に剣ありと言われた陰謀家)が安禄山と陳玄礼に振り分けられている。
5.楊国忠がいいひと。(原作では若く怜悧な野心家。己の才に溺れて墓穴を掘る)
1〜3は宝塚的にOKでしょう。
主役はかっこよくなきゃだし、ヒロインは愛に生きるべきだし、2番手もかっこよくなきゃ。そうでなきゃ困る。
問題は、これだけ換骨奪胎してなおかつ原作からエピソードを借りてくるのは難しいと言うこと。
原作では楊貴妃と玄宗の駆け引きは愛ではなく、権力のそれ。楊貴妃が嫉妬して玄宗を独占することは、楊貴妃の権力を確かに強大にすることにつながる。(例えば、「太真」と呼ばれることを拗ねたあとで妃扱い格上げになるとか)
その視点がないと、ただひたすらバカップルがいちゃついてるだけになっちゃうんだな。
玄宗が安禄山を「雑胡」と馬鹿にしたように呼ぶのも原作由来なんですね。舞台だけ見てるとプライド高そうな野心家にこんな扱いをして明らかに危ないじゃないか、と妙に思ったけど、原作の玄宗の安禄山への態度がこうでした。
と言う訳で、私ならこうする案。
玄宗が楊貴妃を無理矢理連れてくるところまではこのままで。女道士になるところは説明台詞だけでもよし。(清く正しく美しくは余計でしょう)
但し、呼び戻されてすぐ貴妃になるのではなく、原作の初めて寝所を共にする場面をここで持ってくる。楊貴妃が玄宗の強さ大きさに畏怖し、弱さ小ささを愛した場面。勿論、意味合いはこの玄宗と楊貴妃にあわせて変えて。
玄宗に望みを言えと言われ、戸惑ったように望みはないと答える玉環(まだ玄宗を愛してはいない)。逆に玄宗の望みを問う玉環。全て望みは叶えてしまったのでもう望みはない、強いて言えばいつまでも生きたい、と言いつつ、逆賊を誅さねば、蛮族を征さねばと言う玄宗。
そして寝所をともにした後、居もしない刺客に怯えて目を覚ます玄宗(ここは原作ほどみっともなくせず、高力士も出さない)。
王者の傲慢と孤独、その常人ならぬ存在感、振幅を目の当たりにした玉環は、玄宗を自分の運命として受け入れる。
細部に文句色々あるけど、その分はすっ飛ばしてどうしてもほしいのは、玄宗が楊貴妃を愛するようになる場面。並み居る女たちとは別物としてね。
だって、玄宗は楊貴妃を可愛がっているけど、愛してはいないし。(楊貴妃が拗ねても怒っても、可愛い可愛いとしか思ってない。常に真面目に取り合わない玄宗。魂のレベルで愛し合っていないで愛の詩劇と言われても)
そういうエピソードは原作に無いんですが(だって原作の玄宗はこの辺になると美しい楊貴妃に捨てられまいと縋るただのじじいなんだもの)皇甫惟明のエピソードを使いたい。
皇甫惟明が死罪となったことを知った楊貴妃は、高力士に「見ざる聞かざる話さざる」と言われ、それを受け入れる。原作の楊貴妃は権力と切り離せない存在だから、宮廷で生きていくために、とそれでOK。
でも舞台の楊貴妃は権力なんてどうでもいい可愛い女ですから。皇甫惟明を何故死なせたのか、玄宗にその悲しみをぶつける。
「あの男を好いていたのか」一瞬怒る玄宗。「いいえ、ただ悲しく、恐ろしゅうございます。あの方は花を愛でる優しい方でした。それに、二心なく陛下にお仕えしていましたのに」
玄宗は答える。
「そうかもしれぬ。何が正しいのか、私にはもうわかっておらぬ」
玄宗は権力と言う暗い空洞の中に取り残され、誰も信じられない自分をぽつりぽつり語る。安禄山、李林甫、陳玄礼らは自分を権勢を伸ばす道具としか見ていない。他の誰も同じこと。皇帝とはそのようなものとは承知している。だが、自分は疲れてしまったらしい。
楊貴妃は言う。
「いいえ、わたくしがおります」
私は陛下を愛しています。陛下が皇帝でも、そうでなくても。そんな皇帝の地位など捨ててしまえばよろしいのです、わたくしはどこまでもついていきます。
比翼連理の誓い。そして「愛にただよう睡蓮の花」のデュエットはここで。
こうすれば主観的には純愛、しかし世間から見れば政務を放棄して楊貴妃に溺れる皇帝になるじゃないですか。
しかし、これだとやっぱり楊国忠には悪役、と言うか楊一族専横の象徴になってもらわないと駄目ですね。それによって楊貴妃の無私の愛が引き立つと言うもので。
実は、原作読んで一番惹かれたのは楊国忠だったりしまして。彼を主人公に一本書いてほしいくらいで。
楊貴妃の味方になるように親族を宮廷へ次々送り込んだ高力士ですが、楊家の男たちはみんないまいち頼りない。ので、遠く蜀にいた遠縁の若者、楊鉦をスカウトしてくる。誇り高く怜悧な楊鉦は楊貴妃のコネもあり宰相に上り詰めるが、若さと賢しさが己の首を絞めることになり、ついに自軍の兵士たちに暗殺される。
田舎出の若者が運命の悪戯で野望を胸に成り上がり、しかし絶頂は短く破滅する話ですよ、いいじゃないですか!
安禄山の乱に逃げ延びるにあたって、誰の手助けもないまま一人政務を片付け、逃亡の手配に奔走する姿が泣けます。(いや、詳しい描写は何もないんだけど)
破滅が迫っているのに知ってか知らずか精一杯な姿を想像すると……ビジュアルはしぃちゃんで。
ああでもしぃちゃんのいいひと楊国忠も好きだ。最後の立ち回りの「国忠!」「陛下!」も好きだ。ストーリー的にそれじゃ弱いけど。
と無駄なことを悩む今日この頃。
あー、でも妄想再構築してちょっとすっきりしました(笑)。
我ながら何やってんだか・その1(ファントム@宝塚宙組東宝公演)
2004年8月22日 宝塚ファントム見てきました。
何故!?って感じですが、ラストが変わったとか色々聞いて、どうしても東宝版が見たくなったので。(花供養と抱き合わせでチケットゲット……)
結果。うーん、やっぱり基本的に同じ作品でした。(当然)
大劇場と違ってエリックが一人で歌うラストシーンも、キモが「幸せそうにクリスティーヌへの愛を歌い上げるエリック」なら、別に大劇場版でも良かったんじゃ。(私は元々のラストシーンにもそれほど拒否感はなかったし)
でも、東京公演も後半、役者のテンションが上がっていて良かったなあと。
特に、クリスティーヌが顔を見て逃げ去ったあとのエリックの銀橋の歌が。「クリスティーヌ」って呼ぶ部分が、悲鳴のようで泣かされかけました。
あと個人的に初めて2階席で見られたのが良かったです。自分で布を剥ぐブケーの死体も確認できました。
でも、私にとってこの作品で一番の魅力は楽曲のよさだなあ。大劇場でもそう思ったけど、再認識しました。オペラの序曲を思わせるオープニングも、エリックのソロも、メロディメロディの歌が転調して地下の雰囲気につながるあたりも、夜の支度も「オペラ座は呪われている」もみんな好き。終演後口ずさんでしまうわ。
だから、他の団体でやったらどうかとかオリジナル版がみたいとか思ってしまうわけですが、わざわざ他でやるにはストーリーがいまいちかとも思ったり。
問題は私がエリックに感情移入できない、と言うか好きになれないことでしょう。
新人公演の16才エリックならいいんだけど、20代前半外見は大人だけど精神的には子供なエリックは、ちょっと苦手。
でも、このエリックの歪みこそがテーマなんだろうから、ただ単に私とこの作品との相性というもので、仕方ないです。
あとは専ら従者とフィリップ(+ソレリ)ウオッチしてました。
でも農協貸切のおかげで従者君たちはヘアスタイルをお揃いにしていて見分けがつきませんでした(泣)。
でも珠洲くんが邪悪な笑顔してた場面があって、目を奪われました。こ、好みかも(笑)。全体的には十輝いりすくんが長身で華やかな顔立ちで目を引くなー。
フィリップは、大劇場では上手端席だったんであまり見られてなかったんですが、やっぱいいなあ。キレイだしかっこいいし。安禄山に期待。(あれ?)
クリスティーヌとのデートは、楽しそうなのに歌詞を良く聞くと全然かみ合っていないあたりの空回りっぷりがなんとも言えませんが。
フィリップをオペラで追っているとソレリが目に入るんですが、くるくる変わる表情が可愛いかった。
前回以来初嶺さんがよく視界に飛び込んできます。好みなんだろうなあ。(宙全ツも観に行く気なかったんですが、スカーレット2と聞いて、行くかも。新公のカルロッタが素敵だった芽映はるかちゃんがベル・ワトリングだそうだし)
あと、今回気になった子が! オペラ座通りで風船売りやってて、そのあとのバックステージで大道具の台(階段?)の上にいた男役。誰だろう気になる。宙は詳しくないのでわかりません。
このシーンはモブの小芝居が新公以来気に入ってますが、今回♪年は少しごまかして〜のところで一人だけ力いっぱい「はい!」と肯定してしまい回りみんなから怒られてるのがちょっとツボでした。
何故!?って感じですが、ラストが変わったとか色々聞いて、どうしても東宝版が見たくなったので。(花供養と抱き合わせでチケットゲット……)
結果。うーん、やっぱり基本的に同じ作品でした。(当然)
大劇場と違ってエリックが一人で歌うラストシーンも、キモが「幸せそうにクリスティーヌへの愛を歌い上げるエリック」なら、別に大劇場版でも良かったんじゃ。(私は元々のラストシーンにもそれほど拒否感はなかったし)
でも、東京公演も後半、役者のテンションが上がっていて良かったなあと。
特に、クリスティーヌが顔を見て逃げ去ったあとのエリックの銀橋の歌が。「クリスティーヌ」って呼ぶ部分が、悲鳴のようで泣かされかけました。
あと個人的に初めて2階席で見られたのが良かったです。自分で布を剥ぐブケーの死体も確認できました。
でも、私にとってこの作品で一番の魅力は楽曲のよさだなあ。大劇場でもそう思ったけど、再認識しました。オペラの序曲を思わせるオープニングも、エリックのソロも、メロディメロディの歌が転調して地下の雰囲気につながるあたりも、夜の支度も「オペラ座は呪われている」もみんな好き。終演後口ずさんでしまうわ。
だから、他の団体でやったらどうかとかオリジナル版がみたいとか思ってしまうわけですが、わざわざ他でやるにはストーリーがいまいちかとも思ったり。
問題は私がエリックに感情移入できない、と言うか好きになれないことでしょう。
新人公演の16才エリックならいいんだけど、20代前半外見は大人だけど精神的には子供なエリックは、ちょっと苦手。
でも、このエリックの歪みこそがテーマなんだろうから、ただ単に私とこの作品との相性というもので、仕方ないです。
あとは専ら従者とフィリップ(+ソレリ)ウオッチしてました。
でも農協貸切のおかげで従者君たちはヘアスタイルをお揃いにしていて見分けがつきませんでした(泣)。
でも珠洲くんが邪悪な笑顔してた場面があって、目を奪われました。こ、好みかも(笑)。全体的には十輝いりすくんが長身で華やかな顔立ちで目を引くなー。
フィリップは、大劇場では上手端席だったんであまり見られてなかったんですが、やっぱいいなあ。キレイだしかっこいいし。安禄山に期待。(あれ?)
クリスティーヌとのデートは、楽しそうなのに歌詞を良く聞くと全然かみ合っていないあたりの空回りっぷりがなんとも言えませんが。
フィリップをオペラで追っているとソレリが目に入るんですが、くるくる変わる表情が可愛いかった。
前回以来初嶺さんがよく視界に飛び込んできます。好みなんだろうなあ。(宙全ツも観に行く気なかったんですが、スカーレット2と聞いて、行くかも。新公のカルロッタが素敵だった芽映はるかちゃんがベル・ワトリングだそうだし)
あと、今回気になった子が! オペラ座通りで風船売りやってて、そのあとのバックステージで大道具の台(階段?)の上にいた男役。誰だろう気になる。宙は詳しくないのでわかりません。
このシーンはモブの小芝居が新公以来気に入ってますが、今回♪年は少しごまかして〜のところで一人だけ力いっぱい「はい!」と肯定してしまい回りみんなから怒られてるのがちょっとツボでした。
行く夏の空が高くなっていくように(花のいそぎ@宝塚星組日本青年館公演)
2004年8月8日 宝塚しまったと思ったこと。
この話って2回目だとオープニングから泣けるんだ!
こんなに最初からボロ泣きしてたら怪しい人じゃないですか。
と言う訳で「花のいそぎ」東京でリピートです。
いや、ネットでチケットが買えちゃったもんで。
最初、バウで見たものを青年館2階最後列で見たら違和感あるかと思ったんですが、杞憂でした。かえって全体が見渡せてよかったかも。特にフィナーレ群舞が。
歌も芝居も磨きがかかっていました。
コメディの小芝居はヒートアップし(さすが星組!)、シリアスなシーンもテンションが高く。
三の君が切られた後、我を忘れて良房に刃を向ける篁の激情と、瀧雄に止められて力が抜けたコントラストが。
見てよかったです。
そして、この作品に当たって、まとぶんも出演者のみんなもよかったなあと。
うれしいです。
しかし、これで星組の路線系男役みーんな好きになっちゃって、次の公演では一体誰を見ればいいんでしょう(爆)。
(ケロさん、しぃちゃん、礼音くん、綺華れいちゃんは「1914愛/絢爛」で、すずみん、みらんくんは博多座で既に自覚)
「王家」のころは、ラダメスとアムネリスとアイーダとウバルドくらいまでしか認識していなかったのに(それもどうかと)。
この話って2回目だとオープニングから泣けるんだ!
こんなに最初からボロ泣きしてたら怪しい人じゃないですか。
と言う訳で「花のいそぎ」東京でリピートです。
いや、ネットでチケットが買えちゃったもんで。
最初、バウで見たものを青年館2階最後列で見たら違和感あるかと思ったんですが、杞憂でした。かえって全体が見渡せてよかったかも。特にフィナーレ群舞が。
歌も芝居も磨きがかかっていました。
コメディの小芝居はヒートアップし(さすが星組!)、シリアスなシーンもテンションが高く。
三の君が切られた後、我を忘れて良房に刃を向ける篁の激情と、瀧雄に止められて力が抜けたコントラストが。
見てよかったです。
そして、この作品に当たって、まとぶんも出演者のみんなもよかったなあと。
うれしいです。
しかし、これで星組の路線系男役みーんな好きになっちゃって、次の公演では一体誰を見ればいいんでしょう(爆)。
(ケロさん、しぃちゃん、礼音くん、綺華れいちゃんは「1914愛/絢爛」で、すずみん、みらんくんは博多座で既に自覚)
「王家」のころは、ラダメスとアムネリスとアイーダとウバルドくらいまでしか認識していなかったのに(それもどうかと)。
宝塚2005年上半期公演情報
2004年8月5日 宝塚公式サイトより。
大劇場
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=10916872435999&;;genre=kouen
・月組でエリザ! さえちゃんトート! で、エリザベートは誰?
・花で荻田先生の芝居!
・星は轟さまとわたるくんで江戸末期もの! すごくいなせな感じ?
(でも植田作品……)
何はともあれ、わたさん来年もあるんだ、よかったー。
それに轟さん出演でサヨナラも無さそうな気がするし。
(とか言ってあったら悲しいな……)
バウ
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109168804011022&;;genre=kouen
同じ演目を組内で主役変えて2回やるんだそうですよ。
涼さんと礼音くんが同じ役ってどんなんになるんだ……。でもすずみんのバウ主演はなんとなく嬉しいぞ。
太田先生って「送られなかった手紙」の人ですよね。私これ「退屈ー」と散々に書きましたが、東京公演は評判が良かったみたいなんで、こなれると面白くなったのかも、と気になってたんですが。
その他
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109168837613262&;;genre=kouen
妙にドラマシティ公演が多い気が。
しかしなによりも衝撃は、
2月に中日で王家に捧ぐ歌!
通いますよもう。ええ通いますとも。
センター1列目の席が天から降ってこないかな……。
(でも、と言うことは檀ちゃんは来年もあるのかしら。
ラインナップを見るとあってほしいけど)
まあ、ストーリーとかは最初の予告とは変わるんで、あまり期待しても何ですが。
しかしアイーダ……安蘭さんはまた1ヶ月女役なんだろうか。それとも誰か別の人が。
妄想たくましくなってますが、とりあえず私にとっては刺激的なニュースでした。
さて、ここからは一夜明けて書いております。
やっぱり一番のトピックは、月エリザなのかなあ。
最初聞いたときは、さえちゃんトート、きりやんフランツ、ゆーひさんルキーニ(フランツとルキーニは逆かな)、さららんルドルフ、とか色々楽しく想像していたのですが。るいちゃんマデレーネとか。
でも、エリザベートが。
次の娘役トップを決めるにあたって、さえちゃんとお似合いかじゃなくて、エリザベート役者足りうるか、が条件になってしまうのかなあ。
それはちょっとなあ……。
と言いつつ、私的には何を置いても星組です。
中日の「王家」うわーっと喜んだけど、主要キャストは同じですよね、ね
ラダメス、アムネリス、アイーダの3人はどうかオリジナルキャストで! ウバルドとケペルもケロさんとしぃちゃんで見たいよー!(実はカマンテはどうしてもまとぶんでないとと言う気持ちは他のキャストより弱かったりします。真飛さんのバウ主演見たばかりで、そっちのイメージが今は強いからかなー)
あとファラオとアモナスロも箙さん一樹さんでお願いします。
サウフェとメレルカは、涼さん礼音くんがバウ組なので誰が来るか考えると楽しそうだ。
大劇場は、凶状持ちの卯之助、下っ引の勘太郎、どちらにしてもダークだったり苦悩したりするわたるくんが久々に見られそうです、ごい楽しみ。
檀ちゃんは轟さんとわたさんに挟まれても貫禄負けしない美女だし。
ま、想像するのはただですから(笑)。
大劇場
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=10916872435999&;;genre=kouen
・月組でエリザ! さえちゃんトート! で、エリザベートは誰?
・花で荻田先生の芝居!
・星は轟さまとわたるくんで江戸末期もの! すごくいなせな感じ?
(でも植田作品……)
何はともあれ、わたさん来年もあるんだ、よかったー。
それに轟さん出演でサヨナラも無さそうな気がするし。
(とか言ってあったら悲しいな……)
バウ
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109168804011022&;;genre=kouen
同じ演目を組内で主役変えて2回やるんだそうですよ。
涼さんと礼音くんが同じ役ってどんなんになるんだ……。でもすずみんのバウ主演はなんとなく嬉しいぞ。
太田先生って「送られなかった手紙」の人ですよね。私これ「退屈ー」と散々に書きましたが、東京公演は評判が良かったみたいなんで、こなれると面白くなったのかも、と気になってたんですが。
その他
http://kageki.hankyu.co.jp/kageki-bin/kageki/news/view.cgi?no=109168837613262&;;genre=kouen
妙にドラマシティ公演が多い気が。
しかしなによりも衝撃は、
2月に中日で王家に捧ぐ歌!
通いますよもう。ええ通いますとも。
センター1列目の席が天から降ってこないかな……。
(でも、と言うことは檀ちゃんは来年もあるのかしら。
ラインナップを見るとあってほしいけど)
まあ、ストーリーとかは最初の予告とは変わるんで、あまり期待しても何ですが。
しかしアイーダ……安蘭さんはまた1ヶ月女役なんだろうか。それとも誰か別の人が。
妄想たくましくなってますが、とりあえず私にとっては刺激的なニュースでした。
さて、ここからは一夜明けて書いております。
やっぱり一番のトピックは、月エリザなのかなあ。
最初聞いたときは、さえちゃんトート、きりやんフランツ、ゆーひさんルキーニ(フランツとルキーニは逆かな)、さららんルドルフ、とか色々楽しく想像していたのですが。るいちゃんマデレーネとか。
でも、エリザベートが。
次の娘役トップを決めるにあたって、さえちゃんとお似合いかじゃなくて、エリザベート役者足りうるか、が条件になってしまうのかなあ。
それはちょっとなあ……。
と言いつつ、私的には何を置いても星組です。
中日の「王家」うわーっと喜んだけど、主要キャストは同じですよね、ね
ラダメス、アムネリス、アイーダの3人はどうかオリジナルキャストで! ウバルドとケペルもケロさんとしぃちゃんで見たいよー!(実はカマンテはどうしてもまとぶんでないとと言う気持ちは他のキャストより弱かったりします。真飛さんのバウ主演見たばかりで、そっちのイメージが今は強いからかなー)
あとファラオとアモナスロも箙さん一樹さんでお願いします。
サウフェとメレルカは、涼さん礼音くんがバウ組なので誰が来るか考えると楽しそうだ。
大劇場は、凶状持ちの卯之助、下っ引の勘太郎、どちらにしてもダークだったり苦悩したりするわたるくんが久々に見られそうです、ごい楽しみ。
檀ちゃんは轟さんとわたさんに挟まれても貫禄負けしない美女だし。
ま、想像するのはただですから(笑)。
さびしい王様−私の観た(い)もの(「花舞う長安」@宝塚星組博多座公演)
2004年8月4日 宝塚ショーだけでなく、芝居の話も。
さいとーさんと「濃い人みんな連れてきちゃったんじゃないですか!? さっぱりした人や正統派はみんなバウ組で」と言い合ってました。
って、そういう話じゃなくて。
楊貴妃が主役なので、書かれていない玄宗について、頭の中でどんどん再構成が進んでおります。
史実も原作も良く知らないので、あくまでも舞台を見た印象からの連想。
玄宗は、皇帝である。
若くして皇帝となった彼は、皇帝であることが当然で、疑ったことはない。それ以外の可能性を考えたこともない。
皇帝である以上全ての人間関係は多かれ少なかれ公的なものだけれど、それをさびしいと思ったことはない。そもそもそういう感覚が無い。
そこへ、楊貴妃(玉環)が現れた。
思ったことを率直に口にする娘。普通の娘。政治的なアタマのない娘。
政治的な駆け引きなど全く考えず、愛情をぶつけてくる娘。
最初は亡き妃に似ているという理由で玉環をさらってきた玄宗だが、彼女の率直さにどんどん惹かれていく。
こんな女は初めてだ。
他の妃たちは、仕事を放り出してでも自分を愛してくれなどと言わない。皇帝の権力が磐石であればこそ自分たちの地位もあるのだから。
でも、玉環はそんなことは気にしない。権力や贅沢より、玄宗といることが一番大事だから。
玄宗は今まで考えたことのない世界を見る。皇帝の務めを抜け出して自由に生きることもできるのだ、そういう選択肢もあるのだ、と知ってしまう。
そして、その世界、愛と自由を一番価値あるものとする世界に溺れる。
もし、玄宗が自分が寂しいと言うことを知っていたら、溺れる前に踏みとどまったかもしれない。
でも彼はそんなことを自覚していなかったから、溺れていることもまた自覚しない。
そして何より、溺れなければ、愛こそが全てだと思わなければ楊貴妃と愛し合うことはできなかった。
その結果、皇帝は政務をおろそかにし地位を追われる。
皇帝でなくなった玄宗は、追い詰められ、民の求めるままに楊貴妃を死なせてしまう。
皇帝であり続けなければ、楊貴妃を守れなかった。
でも、皇帝であり続けたら、楊貴妃を愛せなかった。
そんな宿命の、さびしい皇帝。
私の「玄宗と楊貴妃」はそんな話です。
更に言うと、この発想の発端になったのは、楊国忠の存在だったりします。
玄宗は楊国忠を信任している。それは楊貴妃の親族だからと言うだけではないのではないか。
でも、楊国忠は有能そうではない。陳玄礼の方が色々考えて=企んでそうだ。
玄宗が楊国忠を重用したのは、彼がまっすぐに忠誠を捧げる男だったからでは?
玉環の親族だという男を、地位につけてやった。男は皇帝の恩義に報いたいと裏表のない笑顔(しぃちゃんだからね(^^;)でまっすぐに話す。
こういう人間も、今まであまり皇帝の回りにいなかったんじゃないかと。
宮廷で有能であることは、策士であることでもある。
それが普通だと思っていた皇帝は、信じられる男として楊国忠を重用したのではないかと。
でも、楊国忠は宰相の器ではなかった。当然。
皇帝が、自分がさびしさを抱えていることを自覚していれば、個人的な信頼と政治的な能力を混同したりしなかったろうに。
わたし的に収まりが悪いのは、玄宗と安禄山の関係。
玄宗は、安禄山のことを「胡族」として差別してるように見える。差別というか、自分たちとは別のものとして見ている。「雑胡は物知りだな」とか、安禄山を退けた楊貴妃を褒めるあたり、そんな感じ。
まあ、話的にはそれでいいのかもしれないけど、トップと2番手の関係としてそれはつまらんなあ、とか思ってしまいました。
(この辺の関係性は大劇で見えてくるのを期待してますわ)
さいとーさんと「濃い人みんな連れてきちゃったんじゃないですか!? さっぱりした人や正統派はみんなバウ組で」と言い合ってました。
って、そういう話じゃなくて。
楊貴妃が主役なので、書かれていない玄宗について、頭の中でどんどん再構成が進んでおります。
史実も原作も良く知らないので、あくまでも舞台を見た印象からの連想。
玄宗は、皇帝である。
若くして皇帝となった彼は、皇帝であることが当然で、疑ったことはない。それ以外の可能性を考えたこともない。
皇帝である以上全ての人間関係は多かれ少なかれ公的なものだけれど、それをさびしいと思ったことはない。そもそもそういう感覚が無い。
そこへ、楊貴妃(玉環)が現れた。
思ったことを率直に口にする娘。普通の娘。政治的なアタマのない娘。
政治的な駆け引きなど全く考えず、愛情をぶつけてくる娘。
最初は亡き妃に似ているという理由で玉環をさらってきた玄宗だが、彼女の率直さにどんどん惹かれていく。
こんな女は初めてだ。
他の妃たちは、仕事を放り出してでも自分を愛してくれなどと言わない。皇帝の権力が磐石であればこそ自分たちの地位もあるのだから。
でも、玉環はそんなことは気にしない。権力や贅沢より、玄宗といることが一番大事だから。
玄宗は今まで考えたことのない世界を見る。皇帝の務めを抜け出して自由に生きることもできるのだ、そういう選択肢もあるのだ、と知ってしまう。
そして、その世界、愛と自由を一番価値あるものとする世界に溺れる。
もし、玄宗が自分が寂しいと言うことを知っていたら、溺れる前に踏みとどまったかもしれない。
でも彼はそんなことを自覚していなかったから、溺れていることもまた自覚しない。
そして何より、溺れなければ、愛こそが全てだと思わなければ楊貴妃と愛し合うことはできなかった。
その結果、皇帝は政務をおろそかにし地位を追われる。
皇帝でなくなった玄宗は、追い詰められ、民の求めるままに楊貴妃を死なせてしまう。
皇帝であり続けなければ、楊貴妃を守れなかった。
でも、皇帝であり続けたら、楊貴妃を愛せなかった。
そんな宿命の、さびしい皇帝。
私の「玄宗と楊貴妃」はそんな話です。
更に言うと、この発想の発端になったのは、楊国忠の存在だったりします。
玄宗は楊国忠を信任している。それは楊貴妃の親族だからと言うだけではないのではないか。
でも、楊国忠は有能そうではない。陳玄礼の方が色々考えて=企んでそうだ。
玄宗が楊国忠を重用したのは、彼がまっすぐに忠誠を捧げる男だったからでは?
玉環の親族だという男を、地位につけてやった。男は皇帝の恩義に報いたいと裏表のない笑顔(しぃちゃんだからね(^^;)でまっすぐに話す。
こういう人間も、今まであまり皇帝の回りにいなかったんじゃないかと。
宮廷で有能であることは、策士であることでもある。
それが普通だと思っていた皇帝は、信じられる男として楊国忠を重用したのではないかと。
でも、楊国忠は宰相の器ではなかった。当然。
皇帝が、自分がさびしさを抱えていることを自覚していれば、個人的な信頼と政治的な能力を混同したりしなかったろうに。
わたし的に収まりが悪いのは、玄宗と安禄山の関係。
玄宗は、安禄山のことを「胡族」として差別してるように見える。差別というか、自分たちとは別のものとして見ている。「雑胡は物知りだな」とか、安禄山を退けた楊貴妃を褒めるあたり、そんな感じ。
まあ、話的にはそれでいいのかもしれないけど、トップと2番手の関係としてそれはつまらんなあ、とか思ってしまいました。
(この辺の関係性は大劇で見えてくるのを期待してますわ)
熱狂覚めやらぬ。(「ロマンチカ宝塚’04」@宝塚星組博多座公演)
2004年8月3日 宝塚未だ脳裏には、黒いドレスのドルチェ・ヴィータと赤い髪のサテ
ュロスが焼きついております。
徒然に調べたら「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」も「サテリコン」もフェリーニの映画なんですね。
どちらも見たことが無いけれど、現代ローマの退廃を描いたのが「甘い生活」、古代ローマの退廃を描いたのが「サテリコン」、らしい。特に「サテリコン」はエロを通り越してグロらしい(^^;。
なるほど、サテュロスS以外の二人が明らかに女装の男でOKな訳だ。
えーと、もちろんお二人(涼さんみらんくん)には他意はありません。違和感に納得したんですよ、ほんとに。妖しくてと言うより怪しくて、OKです。
涼さん、線が細くてこういうの似合いそうなんだけど、似合わないよね。やっぱりどこか男らしいんでしょうね。
あれ?肝心のわたるくんの記憶は?
冷っ静ーっに思い返すと、海神の場面のわたさんが一番好きみたいです。少女のうめちゃんに見せる包容力、愛しい、でも去っていかなければならない切ない表情。
エリザベートを諦めるトートと言うか、マリアを置いていかなければならないポノポと言うか。(それ一緒かい!←セルフ突っ込み)
檀ちゃんとの絡みは、ドルチェ・ヴィータに操られるところも好きだけど(ここは檀ちゃんの表情が絶品)、黒燕尾と赤いドレスも好きだけど、意外と豪華客船のセレブSが一番好きかも。
わたさんの男らしい包容力に弱いみたいです(今更)。
あとほんとに余談。
博多座は、豪華で重厚感のある素晴らしい劇場でした。街も歩いていける範囲に色々あって楽しかった。楽しいぞ博多。
初日2日目と出待ちしました。初日は遅かったんでタニちゃんとケロさんしか見られませんでしたが。タニちゃんは2日ともスーツで、いやありえないプロポーションだ。
2日目は、わたるくん派手なシャツ……と思ったら後から現れたケロさんとお揃いでした。何故??パンフのお稽古場でも着ている黄緑系のシャツ。下にVネックのTシャツという何気ない格好なのに、なんでこんなに男らしいんだろう。(ぼーっ)
そしてしぃちゃんの笑顔にまたしてもくらくら。
しゅんちゃんが舞台上だけでなく素顔も大人っぽく、男役らしくなってきた気がします。もちろんまだまだ可愛いけど。
とにかく。博多座、行ってよかったです。
私は幸せ。
ュロスが焼きついております。
徒然に調べたら「ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」も「サテリコン」もフェリーニの映画なんですね。
どちらも見たことが無いけれど、現代ローマの退廃を描いたのが「甘い生活」、古代ローマの退廃を描いたのが「サテリコン」、らしい。特に「サテリコン」はエロを通り越してグロらしい(^^;。
なるほど、サテュロスS以外の二人が明らかに女装の男でOKな訳だ。
えーと、もちろんお二人(涼さんみらんくん)には他意はありません。違和感に納得したんですよ、ほんとに。妖しくてと言うより怪しくて、OKです。
涼さん、線が細くてこういうの似合いそうなんだけど、似合わないよね。やっぱりどこか男らしいんでしょうね。
あれ?肝心のわたるくんの記憶は?
冷っ静ーっに思い返すと、海神の場面のわたさんが一番好きみたいです。少女のうめちゃんに見せる包容力、愛しい、でも去っていかなければならない切ない表情。
エリザベートを諦めるトートと言うか、マリアを置いていかなければならないポノポと言うか。(それ一緒かい!←セルフ突っ込み)
檀ちゃんとの絡みは、ドルチェ・ヴィータに操られるところも好きだけど(ここは檀ちゃんの表情が絶品)、黒燕尾と赤いドレスも好きだけど、意外と豪華客船のセレブSが一番好きかも。
わたさんの男らしい包容力に弱いみたいです(今更)。
あとほんとに余談。
博多座は、豪華で重厚感のある素晴らしい劇場でした。街も歩いていける範囲に色々あって楽しかった。楽しいぞ博多。
初日2日目と出待ちしました。初日は遅かったんでタニちゃんとケロさんしか見られませんでしたが。タニちゃんは2日ともスーツで、いやありえないプロポーションだ。
2日目は、わたるくん派手なシャツ……と思ったら後から現れたケロさんとお揃いでした。何故??パンフのお稽古場でも着ている黄緑系のシャツ。下にVネックのTシャツという何気ない格好なのに、なんでこんなに男らしいんだろう。(ぼーっ)
そしてしぃちゃんの笑顔にまたしてもくらくら。
しゅんちゃんが舞台上だけでなく素顔も大人っぽく、男役らしくなってきた気がします。もちろんまだまだ可愛いけど。
とにかく。博多座、行ってよかったです。
私は幸せ。
博多座は、8/1,2と2日で2回見ました。
芝居が終わって「これ明日もう1回見るのか……」と正直へこんでいた私ですが、ショーが終わって元気に(笑)。
もう1回、いや何度でも見たいよ。
同行のさいとーさんも1回のみ観劇の予定を変更してリピート。
期待通り、いや期待以上。
中毒性のあるショーでした。
海に沈む人々が集う、幻の夢魔の世界。
幕開きはヴェネツィアのカーニバル。道化は踊り、人形のようなマスカレードの男女が行きかう。豪奢な衣裳の女は恐らくコルテイジャーナ、貴族の男に手を取られ行過ぎる。
毒をはらんだ美しさがたまりません。ヴェネツィアのカーニバル、舞台はリアルト橋というのも私のツボ。
ここは檀ちゃんの豪奢な美しさもさることながら、付き従う綺華れいちゃん、紫のお小姓衣裳(髪は後ろで結わいて白いリボン)が美しいー。
そしてタニちゃん、アルレッキーノの衣裳が似合うー!緑の道化めいた衣裳で下はスパッツ風なんですが、いや、めちゃくちゃ似合う。スタイルの良さが際立ってます。(ケロさんしぃちゃんも同じ衣裳で、それなりに似合ってはいるんですけどね)
一番好きなのは第3場「サテリコン」。
さいとーさんが「赤い髪のタニちゃん色っぽいー!檀ちゃんのスリットー!」と、私が「檀ちゃんとタニちゃんに翻弄されるわたさんが素敵ー!」と叫んだ場面です。
檀ちゃんはドルチェ・ヴィータ。タイトルロール。これは……女神と言うか、象徴と言うか、なんだろうな。シャギーの入った髪形に、黒いドレス。謎の美女。
タニちゃんはサテュロス。男でも女でもない魔物。挑発的な大きな瞳と赤い唇、赤い髪。
この毒のある花2輪に翻弄される男=わたるくんがうっとりです。
特にドルチェ・ヴィータが男をあやつるところが。
ドルチェ・ヴィータに従う妖しげな美青年たち(綺華れいちゃんを筆頭に、ちょっとファントムの従者風)もいいなあ。檀ちゃんも余裕で従えてるし。
あと、うめちゃんが大活躍。
第2場「花市場」の少女、第5場「青の洞窟」の少女。
ダンスは勿論、表情がいいです。「花市場」の恐怖と怯え、「青の洞窟」の戸惑いと喜び。
「花市場」ではその少女を手荒に扱うコーザノストラ・汐美さんが素敵。悪い男の魅力。(しぃちゃんは……私が勝手にいい人オーラを感じてしまうのが悪いのか) 矢代鴻さんの貫禄も素敵。
その間に明るく楽しいシーンもあり。ジェノヴァの花市場で踊る船乗りたちと花売り娘たちや、豪華客船の客やセーラーたち。(令嬢のかのちかちゃんうめちゃんが航海士タニちゃんと絡むシーンが可愛い。でもちかちゃんと並ぶとうめちゃん痩せ過ぎ……)
ロケットも導入でケロさん、しぃちゃん、涼さんの3人が踊ってロングコートにブロンドボブカットのタニちゃんと絡んで、ちょっとストーリー性があって楽しかった。
でも、楽しげなシーンでも、歌詞を聞くと結構暗かったり、毒があったり。
矢代さんの歌声がショー全体の色付けをしているような気がします。
フィナーレのパレードの前にわたるくんが「失った愛」を痛みに満ちて歌うのだけれど、ここはちょっと前後のつながりが唐突な感がありました。(檀ちゃん出しても良かったかも)
わただんデュエットダンスもいくつもあり(サテリコンの妖しいダンス、豪華客船の紳士と貴婦人のダンス、スパニッシュ風、赤いドレス、といろいろ)堪能しました。
わたさんはかのちかちゃんともうめちゃんとも踊ってて、いろんな娘役さんと組んでくれて嬉しいなーと。特にうめちゃんとの海神のダンスはうめちゃんも表情豊かで可愛くて好き。
フィナーレ、やっぱりわたさん、両手に花に見えてしまいました。
タニちゃんは燕尾着て羽根しょってるのに。(サテュロスのせいかな・笑)
きっと大劇場のとうこさんも、両手に花に見えてしまう気がします。(華でいいよねー、どっちも可愛いし綺麗だし(^^;)。
初日はカーテンコールが3回、2日目も1回ありました。
初日、わたさんが「この劇場は3階席があると聞いたので、3階席の一番後ろから舞台を見てみました。宝塚に入る前、東宝の3階席で見ていたころを思い出しました。800円だったんですけどね。この劇場は私に初心を思い出させてくれました」というようなことを言っていました。
ので私も、2日目の休憩時間、3階席の一番後ろに立ってみました。
これからも見続けるから、応援し続けるからね、の思いを込めて(勝手に(^^;)。
芝居が終わって「これ明日もう1回見るのか……」と正直へこんでいた私ですが、ショーが終わって元気に(笑)。
もう1回、いや何度でも見たいよ。
同行のさいとーさんも1回のみ観劇の予定を変更してリピート。
期待通り、いや期待以上。
中毒性のあるショーでした。
海に沈む人々が集う、幻の夢魔の世界。
幕開きはヴェネツィアのカーニバル。道化は踊り、人形のようなマスカレードの男女が行きかう。豪奢な衣裳の女は恐らくコルテイジャーナ、貴族の男に手を取られ行過ぎる。
毒をはらんだ美しさがたまりません。ヴェネツィアのカーニバル、舞台はリアルト橋というのも私のツボ。
ここは檀ちゃんの豪奢な美しさもさることながら、付き従う綺華れいちゃん、紫のお小姓衣裳(髪は後ろで結わいて白いリボン)が美しいー。
そしてタニちゃん、アルレッキーノの衣裳が似合うー!緑の道化めいた衣裳で下はスパッツ風なんですが、いや、めちゃくちゃ似合う。スタイルの良さが際立ってます。(ケロさんしぃちゃんも同じ衣裳で、それなりに似合ってはいるんですけどね)
一番好きなのは第3場「サテリコン」。
さいとーさんが「赤い髪のタニちゃん色っぽいー!檀ちゃんのスリットー!」と、私が「檀ちゃんとタニちゃんに翻弄されるわたさんが素敵ー!」と叫んだ場面です。
檀ちゃんはドルチェ・ヴィータ。タイトルロール。これは……女神と言うか、象徴と言うか、なんだろうな。シャギーの入った髪形に、黒いドレス。謎の美女。
タニちゃんはサテュロス。男でも女でもない魔物。挑発的な大きな瞳と赤い唇、赤い髪。
この毒のある花2輪に翻弄される男=わたるくんがうっとりです。
特にドルチェ・ヴィータが男をあやつるところが。
ドルチェ・ヴィータに従う妖しげな美青年たち(綺華れいちゃんを筆頭に、ちょっとファントムの従者風)もいいなあ。檀ちゃんも余裕で従えてるし。
あと、うめちゃんが大活躍。
第2場「花市場」の少女、第5場「青の洞窟」の少女。
ダンスは勿論、表情がいいです。「花市場」の恐怖と怯え、「青の洞窟」の戸惑いと喜び。
「花市場」ではその少女を手荒に扱うコーザノストラ・汐美さんが素敵。悪い男の魅力。(しぃちゃんは……私が勝手にいい人オーラを感じてしまうのが悪いのか) 矢代鴻さんの貫禄も素敵。
その間に明るく楽しいシーンもあり。ジェノヴァの花市場で踊る船乗りたちと花売り娘たちや、豪華客船の客やセーラーたち。(令嬢のかのちかちゃんうめちゃんが航海士タニちゃんと絡むシーンが可愛い。でもちかちゃんと並ぶとうめちゃん痩せ過ぎ……)
ロケットも導入でケロさん、しぃちゃん、涼さんの3人が踊ってロングコートにブロンドボブカットのタニちゃんと絡んで、ちょっとストーリー性があって楽しかった。
でも、楽しげなシーンでも、歌詞を聞くと結構暗かったり、毒があったり。
矢代さんの歌声がショー全体の色付けをしているような気がします。
フィナーレのパレードの前にわたるくんが「失った愛」を痛みに満ちて歌うのだけれど、ここはちょっと前後のつながりが唐突な感がありました。(檀ちゃん出しても良かったかも)
わただんデュエットダンスもいくつもあり(サテリコンの妖しいダンス、豪華客船の紳士と貴婦人のダンス、スパニッシュ風、赤いドレス、といろいろ)堪能しました。
わたさんはかのちかちゃんともうめちゃんとも踊ってて、いろんな娘役さんと組んでくれて嬉しいなーと。特にうめちゃんとの海神のダンスはうめちゃんも表情豊かで可愛くて好き。
フィナーレ、やっぱりわたさん、両手に花に見えてしまいました。
タニちゃんは燕尾着て羽根しょってるのに。(サテュロスのせいかな・笑)
きっと大劇場のとうこさんも、両手に花に見えてしまう気がします。(華でいいよねー、どっちも可愛いし綺麗だし(^^;)。
初日はカーテンコールが3回、2日目も1回ありました。
初日、わたさんが「この劇場は3階席があると聞いたので、3階席の一番後ろから舞台を見てみました。宝塚に入る前、東宝の3階席で見ていたころを思い出しました。800円だったんですけどね。この劇場は私に初心を思い出させてくれました」というようなことを言っていました。
ので私も、2日目の休憩時間、3階席の一番後ろに立ってみました。
これからも見続けるから、応援し続けるからね、の思いを込めて(勝手に(^^;)。
行ってしまいました博多座公演初日。台風に負けず交通機関が無事でよかった。
幕が下りて休憩時間、同行のさいとーさん(美人)曰く、
「皇帝陛下自ら最前線で戦っちゃうんですね」
「だって、そのくらいの見せ場がないとさぁ」と答えたら笑われました。
主役は楊貴妃でした。
玄宗は、ひたすら鼻の下を伸ばしているだけでした。
途中までずーっと、玄宗が馬鹿殿で描きこまれていないこと不満だったんですが、最後の方楊貴妃が「皇帝の妃として見事に死んで見せましょう」と見得を切って、ラストも神々しく昇天していったのを見て、納得しました。ベルばらフェルゼン編と言いつつアントワネット編、みたいな感じ。
主役が楊貴妃なら、玄宗は楊貴妃の人生と関係するところだけしか描かれていなくても、仕方ないわな。
とは言え、楊貴妃が愛した男である玄宗が魅力的に描かれないというのも、どうかと思いますが。(いや、わたるくんだから、格好いいことは格好いいんですが……いいよね?←ちょっと自信なし)
もうひとつ唖然としたのは、ストーリーが無いことでした。
ひたすら玄宗と楊貴妃のバカップルがいちゃいちゃいちゃいちゃしているだけのエピソードの羅列。
原作小説は絶版で読んでないのだけれど(そのうち図書館とかで見つけて読むつもりだけど)多分、伝記小説なら、エピソードの羅列でも成り立つんだろうな。
パンフにも、最初は舞踊詩を作ろうと思ったとか劇的な事件が少なくて困ったとか書いてあるし。
でも、ラブストーリーとしては、出会って反発してでも魅かれあって、事件があって愛が深まって、とかもっと盛り上げてくれても良かったのに。
大体楊貴妃はいつ玄宗を好きになったんだろう、さらわれて来たのに? その辺のエピソードが欲しかったです。
楊貴妃が主役なので、唯一の大事件でありクライマックスの安禄山の乱は、楊貴妃を手に入れようとしたから、でした。手に入れようとしてふられたから、と言うか。
その他の登場人物も楊貴妃に惚れてる。父である玄宗に楊貴妃を取り上げられた寿王=綺華れい、楊貴妃に憧れたけど追っ払われた皇甫惟明=涼紫央。
おかしかったのは、安禄山の乱の反乱軍兵士たちの中心に、涼さんと綺華さんがいたこと。そんなー、ふられたからって反乱起こさんでもー、と笑ってしまいましたよ。
大劇場では人数も増えるからこんな面白いことにはならないんだろうな。ついでに兵士の中に娘役さんも結構混じっていて、特に朝峰さんが目立つとこにいて、おかしかったです。
以下個別。
楊貴妃:檀れい(あえて最初に……)
寿王の許婚として出てくる最初は初々しく可愛らしく、だんだん大人っぽく威厳が出てきて、最後は神々しい昇天ぶり。
いやー、美しい。
最後玄宗の回想で出てきて、無言で髪飾りを返し去っていき、追おうとする玄宗をとどめるさまがもう、切なくもこの世のものではない美しさ。
……やめちゃうのかな(ぼそっ)。
玄宗:湖月わたる
楊貴妃に溺れて政務をおろそかにした馬鹿殿。
ちょっとくらいお仕事しているところを見せてくれても良かったんだけどなー(泣)、そうしたら楊貴妃に溺れる気持ちも共感できたと思うんだけどなー。
見る前に、さいとーさんと「飛鳥夕映え」の話をしていて、鞍作って台詞だけ見てると無神経な体育会系男だよね、わたさんはまりそー、と話していたら、無神経な馬鹿男来ちゃったよ、と言う感じでした。
まあ、わたるくんのことですから、やっていくうちにどんどん魅力的に作ってくれるだろうと期待はしています。(結局ファン)
即位の場面と、安禄山の乱の立ち回りは文句なく格好よくて、好きです。(いや楊貴妃との絡みも好きだけどー)
安禄山:大和悠河
「白昼の稲妻」に続き、トップ娘役に強引に言い寄って振られるタニちゃん。
いや、いいんだけど、根がさわやかさんなので、頑張って悪役やってます、と言う感じになっちゃってました。
蔑まれた民で、コンプレックスがあって屈折してるんだよね。楊貴妃に対しても、最初から自分が愛しているのに玄宗の妃になるように仕組んじゃったり、屈折した愛情なんだよね。(と言ったらさいとーさんに「屈折なんかするわけ無いじゃないですか、あんなに可愛いんだから誰からも愛されるに決まってますよ」と言われた。うん、そう見えるよ)
反乱シーンの歌も、本気で国を救い幸福を夢見ているように見えちゃったし。
終始斜に構えていて、格好いいんですけどね。
こちらも千秋楽までにはもうちょっと馴染んでくると思うんですが。博多まで観に行けないけど。(見たいけど)
大劇場では安蘭さんですよね。きっと暗い情熱、情念を見せてくれるのではないかと期待……と言っていたらさいとーさんに「汐美真帆さん似合いそうですよね」と言われた。どーしよー見たくなっちゃったよ。
あ、祝宴の歌と舞が妙に色っぽくてどうしようかと思いました。
陳玄礼:汐美真帆、楊国忠:立樹遥
玄宗皇帝の家臣。この二人がそれぞれ個性が出てくると面白くなるのではないかと。大劇場に期待。個人的好みでは、しぃちゃんには忠義一途のいいやつで単純なのが玉に瑕、でやって欲しいです。ケロさんは大人で落ち着いているので(格好いい)対比が出るといいなあと。
楊国忠、最後致命傷を負ってからも結構戦ってます。男らしいです。ここで玄宗が「国忠!」と叫ぶのがツボです。
皇甫惟明:涼紫央
この人も書き込み不足。将軍なんだけど、無骨ものには見えません。
でも、楊貴妃との会話、憧れるさまは良かった。繊細な少年のようで。楊貴妃の美貌に男として惹かれるだけでなく、幼いころの美しい思い出=母の面影を追っているような。透明感があって、いい場面でした。
ので、もうちょっとストーリー上の意味があればよかったなあと。
ところで、この人は何で死罪になったの? 最後復活して反乱軍に加わってましたが(違)。
梅妃: 陽月華
うめちゃん、意地悪っぷりがナイスでした。堂々としてちゃんと楊貴妃=檀ちゃんのライバルに見えました。
韓国夫人:しのぶ紫、號国夫人:百花沙里、秦国夫人:仙堂花歩
楊貴妃のお姉さまズ。
いい、この人たちいいです! もう出てくるだけでおかしい。「楊貴妃様ありがとうソング」は「すごつよ」に続く裏主題歌としてヒットすることでしょう(めちゃ上手いし)。
仙堂さんはちょっとオルガ入ってました。オルガとオルガ母とキキか……強っ。
しぃちゃん楊国忠との噛み合わなさが面白くなってくるといいなあ。
芳楽公主、琳花:叶 千佳
皇妹の女道士と、楊貴妃の侍女の2役。私は琳花が可愛くて好きでした。
李亀年:麻尋しゅん
楊貴妃付きの楽人。大抜擢?と思ったら、歌うまいんだー、なるほど。
新人公演のユトリロ(CafeBreakで見ただけですが)より顔がシャープになった印象で、なかなか良かったです。
衣装は華やかで目に美しかったです。あと、何度か出てくる龍の緞帳が豪華でお気に入り。
なんだかんだ文句言ってますが、これから千秋楽、そして大劇場に向けて役者の力でどんどん面白くしてくれると信じてます。大劇では通うからねー(^^;。
幕が下りて休憩時間、同行のさいとーさん(美人)曰く、
「皇帝陛下自ら最前線で戦っちゃうんですね」
「だって、そのくらいの見せ場がないとさぁ」と答えたら笑われました。
主役は楊貴妃でした。
玄宗は、ひたすら鼻の下を伸ばしているだけでした。
途中までずーっと、玄宗が馬鹿殿で描きこまれていないこと不満だったんですが、最後の方楊貴妃が「皇帝の妃として見事に死んで見せましょう」と見得を切って、ラストも神々しく昇天していったのを見て、納得しました。ベルばらフェルゼン編と言いつつアントワネット編、みたいな感じ。
主役が楊貴妃なら、玄宗は楊貴妃の人生と関係するところだけしか描かれていなくても、仕方ないわな。
とは言え、楊貴妃が愛した男である玄宗が魅力的に描かれないというのも、どうかと思いますが。(いや、わたるくんだから、格好いいことは格好いいんですが……いいよね?←ちょっと自信なし)
もうひとつ唖然としたのは、ストーリーが無いことでした。
ひたすら玄宗と楊貴妃のバカップルがいちゃいちゃいちゃいちゃしているだけのエピソードの羅列。
原作小説は絶版で読んでないのだけれど(そのうち図書館とかで見つけて読むつもりだけど)多分、伝記小説なら、エピソードの羅列でも成り立つんだろうな。
パンフにも、最初は舞踊詩を作ろうと思ったとか劇的な事件が少なくて困ったとか書いてあるし。
でも、ラブストーリーとしては、出会って反発してでも魅かれあって、事件があって愛が深まって、とかもっと盛り上げてくれても良かったのに。
大体楊貴妃はいつ玄宗を好きになったんだろう、さらわれて来たのに? その辺のエピソードが欲しかったです。
楊貴妃が主役なので、唯一の大事件でありクライマックスの安禄山の乱は、楊貴妃を手に入れようとしたから、でした。手に入れようとしてふられたから、と言うか。
その他の登場人物も楊貴妃に惚れてる。父である玄宗に楊貴妃を取り上げられた寿王=綺華れい、楊貴妃に憧れたけど追っ払われた皇甫惟明=涼紫央。
おかしかったのは、安禄山の乱の反乱軍兵士たちの中心に、涼さんと綺華さんがいたこと。そんなー、ふられたからって反乱起こさんでもー、と笑ってしまいましたよ。
大劇場では人数も増えるからこんな面白いことにはならないんだろうな。ついでに兵士の中に娘役さんも結構混じっていて、特に朝峰さんが目立つとこにいて、おかしかったです。
以下個別。
楊貴妃:檀れい(あえて最初に……)
寿王の許婚として出てくる最初は初々しく可愛らしく、だんだん大人っぽく威厳が出てきて、最後は神々しい昇天ぶり。
いやー、美しい。
最後玄宗の回想で出てきて、無言で髪飾りを返し去っていき、追おうとする玄宗をとどめるさまがもう、切なくもこの世のものではない美しさ。
……やめちゃうのかな(ぼそっ)。
玄宗:湖月わたる
楊貴妃に溺れて政務をおろそかにした馬鹿殿。
ちょっとくらいお仕事しているところを見せてくれても良かったんだけどなー(泣)、そうしたら楊貴妃に溺れる気持ちも共感できたと思うんだけどなー。
見る前に、さいとーさんと「飛鳥夕映え」の話をしていて、鞍作って台詞だけ見てると無神経な体育会系男だよね、わたさんはまりそー、と話していたら、無神経な馬鹿男来ちゃったよ、と言う感じでした。
まあ、わたるくんのことですから、やっていくうちにどんどん魅力的に作ってくれるだろうと期待はしています。(結局ファン)
即位の場面と、安禄山の乱の立ち回りは文句なく格好よくて、好きです。(いや楊貴妃との絡みも好きだけどー)
安禄山:大和悠河
「白昼の稲妻」に続き、トップ娘役に強引に言い寄って振られるタニちゃん。
いや、いいんだけど、根がさわやかさんなので、頑張って悪役やってます、と言う感じになっちゃってました。
蔑まれた民で、コンプレックスがあって屈折してるんだよね。楊貴妃に対しても、最初から自分が愛しているのに玄宗の妃になるように仕組んじゃったり、屈折した愛情なんだよね。(と言ったらさいとーさんに「屈折なんかするわけ無いじゃないですか、あんなに可愛いんだから誰からも愛されるに決まってますよ」と言われた。うん、そう見えるよ)
反乱シーンの歌も、本気で国を救い幸福を夢見ているように見えちゃったし。
終始斜に構えていて、格好いいんですけどね。
こちらも千秋楽までにはもうちょっと馴染んでくると思うんですが。博多まで観に行けないけど。(見たいけど)
大劇場では安蘭さんですよね。きっと暗い情熱、情念を見せてくれるのではないかと期待……と言っていたらさいとーさんに「汐美真帆さん似合いそうですよね」と言われた。どーしよー見たくなっちゃったよ。
あ、祝宴の歌と舞が妙に色っぽくてどうしようかと思いました。
陳玄礼:汐美真帆、楊国忠:立樹遥
玄宗皇帝の家臣。この二人がそれぞれ個性が出てくると面白くなるのではないかと。大劇場に期待。個人的好みでは、しぃちゃんには忠義一途のいいやつで単純なのが玉に瑕、でやって欲しいです。ケロさんは大人で落ち着いているので(格好いい)対比が出るといいなあと。
楊国忠、最後致命傷を負ってからも結構戦ってます。男らしいです。ここで玄宗が「国忠!」と叫ぶのがツボです。
皇甫惟明:涼紫央
この人も書き込み不足。将軍なんだけど、無骨ものには見えません。
でも、楊貴妃との会話、憧れるさまは良かった。繊細な少年のようで。楊貴妃の美貌に男として惹かれるだけでなく、幼いころの美しい思い出=母の面影を追っているような。透明感があって、いい場面でした。
ので、もうちょっとストーリー上の意味があればよかったなあと。
ところで、この人は何で死罪になったの? 最後復活して反乱軍に加わってましたが(違)。
梅妃: 陽月華
うめちゃん、意地悪っぷりがナイスでした。堂々としてちゃんと楊貴妃=檀ちゃんのライバルに見えました。
韓国夫人:しのぶ紫、號国夫人:百花沙里、秦国夫人:仙堂花歩
楊貴妃のお姉さまズ。
いい、この人たちいいです! もう出てくるだけでおかしい。「楊貴妃様ありがとうソング」は「すごつよ」に続く裏主題歌としてヒットすることでしょう(めちゃ上手いし)。
仙堂さんはちょっとオルガ入ってました。オルガとオルガ母とキキか……強っ。
しぃちゃん楊国忠との噛み合わなさが面白くなってくるといいなあ。
芳楽公主、琳花:叶 千佳
皇妹の女道士と、楊貴妃の侍女の2役。私は琳花が可愛くて好きでした。
李亀年:麻尋しゅん
楊貴妃付きの楽人。大抜擢?と思ったら、歌うまいんだー、なるほど。
新人公演のユトリロ(CafeBreakで見ただけですが)より顔がシャープになった印象で、なかなか良かったです。
衣装は華やかで目に美しかったです。あと、何度か出てくる龍の緞帳が豪華でお気に入り。
なんだかんだ文句言ってますが、これから千秋楽、そして大劇場に向けて役者の力でどんどん面白くしてくれると信じてます。大劇では通うからねー(^^;。
たとえ貴女が憶えていなくても(花のいそぎ@宝塚星組バウホール公演)
2004年7月29日 宝塚「花のいそぎ」
出演:真飛聖、琴まりえ、柚希礼音、他
脚本・演出:大野拓史
小野篁を主人公にした、平安時代超能力学園ラブロマンス。
いや、いいお話でした。
切ないラブストーリーで、泣かされました。
さりげない描写や伏線が深くて、あとからじんわり、ほろりときます。(今もきてます)
最初、篁が子供のころの回想シーンから始まるんですが、モノローグ「それが母を見た最後だった……」が寂しげで、思わずハートを鷲づかみにされてしまいました。
真飛さんすごい。
その篁、最初は地味に登場。田舎出で、目立たないようにしている、ちょっと浮世離れした奴。
小野の一族の特異な力を持つ故に、陰に生きる宿命。遣唐使になって唐に渡ることだけが、しがらみを逃れる唯一の道。その日までは目立たず他者と親しくなりすぎず、ひたすら勉学に励まなければならない。
それなのに、常嗣をはじめとする学生仲間たちは何のわだかまりもなく近づいてくる。清原夏野の娘・三の君もまっすぐに思いを寄せてくる。
今まで、同年代の普通の人たちとは出会ったことがなくて。戸惑いながらも篁の心は段々と開かれていく。
でも、常に篁を監視する稗田の一族は、目立つこと、他者と親しむことを禁じて。
そんな中、三の君、それに常嗣が憧れる潔姫の二人ともが、藤原理本家の嫡男・良房と娶わせられることになり。
なんかもう、かわいそうな役です。
でも、その篁が抑えに抑えた感情を爆発させる。
三の君のひたむきな思いと、友人たちのいささか乱暴な気遣いに背を押され、三の君と手に手をとって走り出す。
ここから後はもう、見てもらうしかないって感じですが。(ビデオでもいいから)
最後、唐に行かない篁。
約束したから。たとえ貴女が憶えていなくても。約束を信じているから。
篁の表情は寂しげで、切なくて、でもどこかすがすがしくて。
自分で決めたことだから。自分で選んだことだから、全て引き受ける。
その、迷いのなさがすがすがしい。
本当に、いいお話でした。
出演者それぞれに役が振られていてあてがきされていて、そういう意味でもいい作品でした。
フィナーレがまた豪華絢爛たる美しさで。日本物に対して抱いていた若干の苦手意識も克服。
以下思いつくままに個別。
小野篁:真飛聖
かっこいい。真飛さんって上手いんだなあと今更ながらに。
変な言い方ですが、ヒガシ(少年隊)がやりそうな役だと(ちなみに常嗣が植草、良房が錦織。十年以上前の少年隊ミュージカルのイメージで)。つまり正統派二枚目ってことです。本来私は正統派二枚目はそれほど好みじゃないんですが、今回は心底かっこいいと思いました。
「少し分けてくれるかい?」の無垢ぶりが素敵で。三の君に対する優しげな態度がすごく素敵で。(同行のTちゃんはこの「はい」で真飛さんに落ちました)ほかの場面もみんな素敵で。
三の君:琴まりえ
かーわいー。
いや、まりえちゃんの素顔はもっともっと可愛いとは思うんですが。
ひたむきで一生懸命で、思ったことははっきり言う、自分の気持ちを隠さない女の子。(親の決めた許婚を無視ってのはすごい(^^;)
篁が三の君のことを好き、と言うのはちょっと唐突な感もあったんですが、きっとこのまっすぐなところに惹かれたのね、と納得できました。
「もしも私が命を落とすようなことになったら」と言う三の君と、そっと手でその口をふさぐ篁。良房の刃に倒れ、篁が「目を閉じてください」と言うのに「いやです」と答える三の君。このシーンすごく好きです。
藤原常嗣:柚希礼音
昨年末DCでわたるくん相手に二番手やっていた礼音くん、しっかり余裕の二番手ぶり。明るく元気なのが似合うのは予想通りでしたが、影や葛藤も似合っていたのが嬉しい意外さでした。「藤の花影から逃げ出せずむせ返る香りに息が詰まる」歌のところ、苦しげでやるせなくてびっくりした(そんな驚かんでも(^^;)。あと「お前がうらやましい」のところも。何だかわからないけど、やられたー!と思いました。
藤原良房:嶺恵斗
藤原北家の息子で主人公たちのライバル、途中まで定番の嫌な奴かと思っていたら、彼も彼で藤原の名を汚さぬよういっぱいいっぱい頑張っていると言うのがわかり。このお話、最初は一面的に嫌な奴に見えた人たちが、実はそれぞれに思いもあり背負うものがある、と描かれているところが好きです。
最初、三の君が自分との結婚に動揺しているところは余裕綽々で憎たらしいくらいなんですが、三の君が意識的に自分を無視して篁に寄り添うのを見てから、だんだん壊れていくのが何とも。三の君を傷つけて呆然となって、最後父親に支えられて退場する姿を、センターを見つつ横目で追ってしまいました。(ここ、お父さんが突き放さないで息子の愚かさを受け止めてやっているところがほっとしました)
芝居では役柄のせいで気がつかなかったけど、青海波(ここはまとぶん礼音くんチームと嶺くん真汐くんチームの4人で踊るんだけど、めちゃくちゃ格好いい)とフィナーレでは、スタイルのよさかっこよさを堪能しました。
源潔姫:南海まり
お姫様。三の君と違い、自分の立場も運命も自覚し自然に受け入れている感じの人。でも最後、篁との会話にそれだけでは収まらない心を覗かせて。
この南海まりちゃんがすごく綺麗で品があって、ザッツお姫様!って感じで、素晴らしかったです。いや綺麗だった。
藤原冬嗣:一樹千尋、清原夏野:萬あきら
おじさま二人。いや、渋いです、かっこいいです。
この二人も単なる若者たちの敵でなく、かつて理想の世を作ろうと夢と野望を抱いた友人同士だった。そして、今の世は若者たちには生きづらいかもしれないと知っている。この会話の終わりで、紗幕の後ろの篁と常嗣がかぶる演出が好きです。
フィナーレでこの二人と喜娘の柚美さんが絡むのもツボ。
済恩院喜娘:万里柚美
学生たちを侍らせてかっとんだ先生(尼さん)と思ったら、この人もやっぱりそれだけじゃなかった、というのが冬嗣、夏野の会話で明かされます。それがしっくり来るのはやっぱりお美しいから。お嬢様育ちな雰囲気が出てます。
稗田呼子:真白ふあり
以前からパンフの写真を見て「かわいい、舞台上で視認したい」と思ってました。叶いました。
やっぱり美人さんだった。今度は笑顔が見たいです。
それはさておき、この役も俊蔭との会話に動揺するでもなくしないでもなく、でもやっぱり心が揺らいでいるあたりがよかったなあと。
清原俊蔭:凜華せら
この人も出待ちのときに見て「すごい美人!誰?」と舞台上で確認したい人でした。叶いましたが、今回でサヨナラ……勿体無い。
いい役ですよね。生意気かと思いきや姉上大好き、先生大好き。それだけかと油断していたら呼子との会話で「わーそうきたか」と。
少年ぽさがすごく良かったです。かわいい。
小野瀧雄/岑守:にしき愛
この人も今までかっこいいと認識していませんでした(失礼)が、かっこよかった。特に篁パパがかっこいいというか美しいー。
文章院のみなさま
君たち楽しいぞ!(大喜)
役どころとしては家継(熱血青春)の彩海早矢くんが目立つんですがみんなキャラ立ってて面白かったです。私は伴須賀雄の銀河亜未ちゃんがやたらと目に付きました。
あと、ここに入れるのは何だけど稗田三尸の夢乃聖夏ちゃん。暗くて目立つ稗田一族、よかった、よく頑張った(?)。いい存在感でした。この人も次は笑顔が見たいけどね。
出演:真飛聖、琴まりえ、柚希礼音、他
脚本・演出:大野拓史
小野篁を主人公にした、平安時代超能力学園ラブロマンス。
いや、いいお話でした。
切ないラブストーリーで、泣かされました。
さりげない描写や伏線が深くて、あとからじんわり、ほろりときます。(今もきてます)
最初、篁が子供のころの回想シーンから始まるんですが、モノローグ「それが母を見た最後だった……」が寂しげで、思わずハートを鷲づかみにされてしまいました。
真飛さんすごい。
その篁、最初は地味に登場。田舎出で、目立たないようにしている、ちょっと浮世離れした奴。
小野の一族の特異な力を持つ故に、陰に生きる宿命。遣唐使になって唐に渡ることだけが、しがらみを逃れる唯一の道。その日までは目立たず他者と親しくなりすぎず、ひたすら勉学に励まなければならない。
それなのに、常嗣をはじめとする学生仲間たちは何のわだかまりもなく近づいてくる。清原夏野の娘・三の君もまっすぐに思いを寄せてくる。
今まで、同年代の普通の人たちとは出会ったことがなくて。戸惑いながらも篁の心は段々と開かれていく。
でも、常に篁を監視する稗田の一族は、目立つこと、他者と親しむことを禁じて。
そんな中、三の君、それに常嗣が憧れる潔姫の二人ともが、藤原理本家の嫡男・良房と娶わせられることになり。
なんかもう、かわいそうな役です。
でも、その篁が抑えに抑えた感情を爆発させる。
三の君のひたむきな思いと、友人たちのいささか乱暴な気遣いに背を押され、三の君と手に手をとって走り出す。
ここから後はもう、見てもらうしかないって感じですが。(ビデオでもいいから)
最後、唐に行かない篁。
約束したから。たとえ貴女が憶えていなくても。約束を信じているから。
篁の表情は寂しげで、切なくて、でもどこかすがすがしくて。
自分で決めたことだから。自分で選んだことだから、全て引き受ける。
その、迷いのなさがすがすがしい。
本当に、いいお話でした。
出演者それぞれに役が振られていてあてがきされていて、そういう意味でもいい作品でした。
フィナーレがまた豪華絢爛たる美しさで。日本物に対して抱いていた若干の苦手意識も克服。
以下思いつくままに個別。
小野篁:真飛聖
かっこいい。真飛さんって上手いんだなあと今更ながらに。
変な言い方ですが、ヒガシ(少年隊)がやりそうな役だと(ちなみに常嗣が植草、良房が錦織。十年以上前の少年隊ミュージカルのイメージで)。つまり正統派二枚目ってことです。本来私は正統派二枚目はそれほど好みじゃないんですが、今回は心底かっこいいと思いました。
「少し分けてくれるかい?」の無垢ぶりが素敵で。三の君に対する優しげな態度がすごく素敵で。(同行のTちゃんはこの「はい」で真飛さんに落ちました)ほかの場面もみんな素敵で。
三の君:琴まりえ
かーわいー。
いや、まりえちゃんの素顔はもっともっと可愛いとは思うんですが。
ひたむきで一生懸命で、思ったことははっきり言う、自分の気持ちを隠さない女の子。(親の決めた許婚を無視ってのはすごい(^^;)
篁が三の君のことを好き、と言うのはちょっと唐突な感もあったんですが、きっとこのまっすぐなところに惹かれたのね、と納得できました。
「もしも私が命を落とすようなことになったら」と言う三の君と、そっと手でその口をふさぐ篁。良房の刃に倒れ、篁が「目を閉じてください」と言うのに「いやです」と答える三の君。このシーンすごく好きです。
藤原常嗣:柚希礼音
昨年末DCでわたるくん相手に二番手やっていた礼音くん、しっかり余裕の二番手ぶり。明るく元気なのが似合うのは予想通りでしたが、影や葛藤も似合っていたのが嬉しい意外さでした。「藤の花影から逃げ出せずむせ返る香りに息が詰まる」歌のところ、苦しげでやるせなくてびっくりした(そんな驚かんでも(^^;)。あと「お前がうらやましい」のところも。何だかわからないけど、やられたー!と思いました。
藤原良房:嶺恵斗
藤原北家の息子で主人公たちのライバル、途中まで定番の嫌な奴かと思っていたら、彼も彼で藤原の名を汚さぬよういっぱいいっぱい頑張っていると言うのがわかり。このお話、最初は一面的に嫌な奴に見えた人たちが、実はそれぞれに思いもあり背負うものがある、と描かれているところが好きです。
最初、三の君が自分との結婚に動揺しているところは余裕綽々で憎たらしいくらいなんですが、三の君が意識的に自分を無視して篁に寄り添うのを見てから、だんだん壊れていくのが何とも。三の君を傷つけて呆然となって、最後父親に支えられて退場する姿を、センターを見つつ横目で追ってしまいました。(ここ、お父さんが突き放さないで息子の愚かさを受け止めてやっているところがほっとしました)
芝居では役柄のせいで気がつかなかったけど、青海波(ここはまとぶん礼音くんチームと嶺くん真汐くんチームの4人で踊るんだけど、めちゃくちゃ格好いい)とフィナーレでは、スタイルのよさかっこよさを堪能しました。
源潔姫:南海まり
お姫様。三の君と違い、自分の立場も運命も自覚し自然に受け入れている感じの人。でも最後、篁との会話にそれだけでは収まらない心を覗かせて。
この南海まりちゃんがすごく綺麗で品があって、ザッツお姫様!って感じで、素晴らしかったです。いや綺麗だった。
藤原冬嗣:一樹千尋、清原夏野:萬あきら
おじさま二人。いや、渋いです、かっこいいです。
この二人も単なる若者たちの敵でなく、かつて理想の世を作ろうと夢と野望を抱いた友人同士だった。そして、今の世は若者たちには生きづらいかもしれないと知っている。この会話の終わりで、紗幕の後ろの篁と常嗣がかぶる演出が好きです。
フィナーレでこの二人と喜娘の柚美さんが絡むのもツボ。
済恩院喜娘:万里柚美
学生たちを侍らせてかっとんだ先生(尼さん)と思ったら、この人もやっぱりそれだけじゃなかった、というのが冬嗣、夏野の会話で明かされます。それがしっくり来るのはやっぱりお美しいから。お嬢様育ちな雰囲気が出てます。
稗田呼子:真白ふあり
以前からパンフの写真を見て「かわいい、舞台上で視認したい」と思ってました。叶いました。
やっぱり美人さんだった。今度は笑顔が見たいです。
それはさておき、この役も俊蔭との会話に動揺するでもなくしないでもなく、でもやっぱり心が揺らいでいるあたりがよかったなあと。
清原俊蔭:凜華せら
この人も出待ちのときに見て「すごい美人!誰?」と舞台上で確認したい人でした。叶いましたが、今回でサヨナラ……勿体無い。
いい役ですよね。生意気かと思いきや姉上大好き、先生大好き。それだけかと油断していたら呼子との会話で「わーそうきたか」と。
少年ぽさがすごく良かったです。かわいい。
小野瀧雄/岑守:にしき愛
この人も今までかっこいいと認識していませんでした(失礼)が、かっこよかった。特に篁パパがかっこいいというか美しいー。
文章院のみなさま
君たち楽しいぞ!(大喜)
役どころとしては家継(熱血青春)の彩海早矢くんが目立つんですがみんなキャラ立ってて面白かったです。私は伴須賀雄の銀河亜未ちゃんがやたらと目に付きました。
あと、ここに入れるのは何だけど稗田三尸の夢乃聖夏ちゃん。暗くて目立つ稗田一族、よかった、よく頑張った(?)。いい存在感でした。この人も次は笑顔が見たいけどね。
アクセスされるようになってきました、この日記。
アクセス元を見るとYahooとmsnに認知されたようです。
ちょっとびっくりしています。
念のため見て下さった方へ。
思い出し思い出し書いている部分もあるので、いきなり過去の日記が追加されているかもしれません。
書きたいけれど書いていないものリスト。
・雪組スサノオ/タカラヅカ・グローリー
・星組1914愛/タカラヅカ絢爛(まだ書き足りないらしい)
・新国立劇場 マクベス
・ジェシー・ノーマン モノオペラ
・藤原歌劇団 イル・カンピエッロ
・びわ湖ホール ジプシー男爵
タイトルだけ書いたものの他にもたくさんあるなー。
書かずに終わるかもしれません。
しかし、検索語、
「こあら 汐美真帆」って!!
私も驚きましたがこんなところにアクセスしてしまった方もさぞ驚かれたことでしょう。
申し訳ありませんです。(いや、なんとなくお詫びを言いたい気持ちに)
アクセス元を見るとYahooとmsnに認知されたようです。
ちょっとびっくりしています。
念のため見て下さった方へ。
思い出し思い出し書いている部分もあるので、いきなり過去の日記が追加されているかもしれません。
書きたいけれど書いていないものリスト。
・雪組スサノオ/タカラヅカ・グローリー
・星組1914愛/タカラヅカ絢爛(まだ書き足りないらしい)
・新国立劇場 マクベス
・ジェシー・ノーマン モノオペラ
・藤原歌劇団 イル・カンピエッロ
・びわ湖ホール ジプシー男爵
タイトルだけ書いたものの他にもたくさんあるなー。
書かずに終わるかもしれません。
しかし、検索語、
「こあら 汐美真帆」って!!
私も驚きましたがこんなところにアクセスしてしまった方もさぞ驚かれたことでしょう。
申し訳ありませんです。(いや、なんとなくお詫びを言いたい気持ちに)
役替りコンプリート(「飛鳥夕映え/タカラヅカ絢爛2」宝塚月組大劇場公演)
2004年7月24日 宝塚阪急旅行貸切公演。
役替り公演3つ目、鎌足:大空祐飛バージョン。
結論から言うと、ゆうひ鎌足は学生時代の友情とその後の冷徹さのブレンド具合が私にとってちょうど良かったです。
敵なんだけど、ただ敵ではなくて、ライバルと言う感じでした。
つまり好みってことで。
かしげさん鎌足が学生時代から家柄の差を引け目に感じて、いつか取って代わってやる!と思っていそうなのに比べて、ゆうひさん鎌足は学生時代は友人に見えました。
立場の差はあるし、これからそれぞれどうなっていくんだろうと思うけれども、学堂ではともに学ぶ仲間で、友達で。
だから、最後の「こんなに遠く離れてしまった」が胸に迫るんだな。
と言いつつ、鞍作との友達ぶりは石川麻呂とかぶっているような気もしなくもない(笑)。私が石川麻呂のゆうひさんを2回見ているからかもしれないけれど。
あと、みんな仲間でとは書きましたが、銀橋でのカバン押し付け合い、君ら中学男子かと言うシーン。他の二人は軽さまにカバンを持たせていましたが、鎌足も押し付けようとすると軽さまじろっと睨み、最後は鎌足に全部持たせてました。やっぱり立場弱い?
いや、最後鎌足が全部持っているのは知っていたけど、睨んでるのは知りませんでした。
それに対し、かしちゃん石川麻呂は愛に生きる男でした。
いや、私の目にはそう映ったのよ。
学生時代は「ガキ大将だった」と言われても納得の元気な若さまで、分家とは言えあまり引け目に感じずのびのびした青年なのですが、小足媛に出会ってからは彼女への愛が全て! 破滅するとしてもこの思い抑えきれない!って感じに。
その分「鞍作の理想を一番理解していたのは私だったのに」と言う台詞に説得力ありませんでしたが(笑)。
これで役替り3パターンコンプリート。
うーん、鎌足はゆうひさんが一番好みかなあ。
軽皇子はかしげちゃん! 何と言っても美しく、「皇子さまー」って感じ。為所のない役だと前に書いたけど、そのとおりなんだけど、今にして思えばその中で何考えてるんだかわからないような底知れなさを出していたように思います。
となると、石川麻呂のあさこさんを見てみたいけど、これは無いんだよねー。残念。
あさこさんについては、軽皇子より鎌足の方が好きだった。
とりあえずもう見る予定は無いのですが、できれば東京公演の後半あたり、基本パターン(鎌足:瀬奈、軽皇子:貴城、石川麻呂:大空)で見たいです。
あと本日のひとこと感想。
・さえちゃんちょっとお疲れ気味な感じ。がんばれー。
・でもさえくらラブラブ度がぐぐっと上がっていた。
・でも鞍作とあびこ(るいちゃん)のキスシーンが、この人たち一体どーしたんだ!?と思うほど長かった。
・入鹿:箙さんの「皇極、すめらみことのきわみと書く!」という台詞が好き。このシーンかっこいいよねー。(って、誰か同意してくれるだろうか)
・風見(越乃リュウ)と要(北翔海莉)の蘇我家護衛兵兄弟、絶対兄貴の方が強い。風見が護衛なら鞍作は死なずにすんだかも……
役替り公演3つ目、鎌足:大空祐飛バージョン。
結論から言うと、ゆうひ鎌足は学生時代の友情とその後の冷徹さのブレンド具合が私にとってちょうど良かったです。
敵なんだけど、ただ敵ではなくて、ライバルと言う感じでした。
つまり好みってことで。
かしげさん鎌足が学生時代から家柄の差を引け目に感じて、いつか取って代わってやる!と思っていそうなのに比べて、ゆうひさん鎌足は学生時代は友人に見えました。
立場の差はあるし、これからそれぞれどうなっていくんだろうと思うけれども、学堂ではともに学ぶ仲間で、友達で。
だから、最後の「こんなに遠く離れてしまった」が胸に迫るんだな。
と言いつつ、鞍作との友達ぶりは石川麻呂とかぶっているような気もしなくもない(笑)。私が石川麻呂のゆうひさんを2回見ているからかもしれないけれど。
あと、みんな仲間でとは書きましたが、銀橋でのカバン押し付け合い、君ら中学男子かと言うシーン。他の二人は軽さまにカバンを持たせていましたが、鎌足も押し付けようとすると軽さまじろっと睨み、最後は鎌足に全部持たせてました。やっぱり立場弱い?
いや、最後鎌足が全部持っているのは知っていたけど、睨んでるのは知りませんでした。
それに対し、かしちゃん石川麻呂は愛に生きる男でした。
いや、私の目にはそう映ったのよ。
学生時代は「ガキ大将だった」と言われても納得の元気な若さまで、分家とは言えあまり引け目に感じずのびのびした青年なのですが、小足媛に出会ってからは彼女への愛が全て! 破滅するとしてもこの思い抑えきれない!って感じに。
その分「鞍作の理想を一番理解していたのは私だったのに」と言う台詞に説得力ありませんでしたが(笑)。
これで役替り3パターンコンプリート。
うーん、鎌足はゆうひさんが一番好みかなあ。
軽皇子はかしげちゃん! 何と言っても美しく、「皇子さまー」って感じ。為所のない役だと前に書いたけど、そのとおりなんだけど、今にして思えばその中で何考えてるんだかわからないような底知れなさを出していたように思います。
となると、石川麻呂のあさこさんを見てみたいけど、これは無いんだよねー。残念。
あさこさんについては、軽皇子より鎌足の方が好きだった。
とりあえずもう見る予定は無いのですが、できれば東京公演の後半あたり、基本パターン(鎌足:瀬奈、軽皇子:貴城、石川麻呂:大空)で見たいです。
あと本日のひとこと感想。
・さえちゃんちょっとお疲れ気味な感じ。がんばれー。
・でもさえくらラブラブ度がぐぐっと上がっていた。
・でも鞍作とあびこ(るいちゃん)のキスシーンが、この人たち一体どーしたんだ!?と思うほど長かった。
・入鹿:箙さんの「皇極、すめらみことのきわみと書く!」という台詞が好き。このシーンかっこいいよねー。(って、誰か同意してくれるだろうか)
・風見(越乃リュウ)と要(北翔海莉)の蘇我家護衛兵兄弟、絶対兄貴の方が強い。風見が護衛なら鞍作は死なずにすんだかも……
手の傷、心の傷(ドン・ジョヴァンニ@ザ・カレッジ・オペラハウス)
2004年7月11日 オペラサマーオペラ モーツァルトシリーズ 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
指揮/山下一史 演出/岩田宗達
合唱/ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団 管弦楽/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
ドン・ジョヴァンニ:田中 由也
ドンア・アンナ:石橋 栄美
ドンナ・エルヴィラ:並河 寿美
レポレッロ:雁木 悟
騎士長:周 江平
ドン・オッターヴィオ:二塚 直紀
マゼット:西尾 岳史
ゼルリーナ:井上真紀子
昨日、ウィーン国立歌劇場の再発売でも「ドン・ジョヴァンニ」が取れなかったので……と言う訳だけでもないのですが、観に行きました。
(ウィーンは、まあ、地元まで観に行けばいいんだよな、そのうち)
私はあまりモーツァルト好きな人間でないのですが「ドン・ジョヴァンニ」は結構さまざまな演出があるので、そのあたりを楽しみにしてました。
結果、オーソドックスながら新機軸もあり、楽しみました。
今回気になったのは「手の傷」。
ドン・ジョヴァンニが騎士長と決闘するとき、普通は「老いぼれ」の騎士長を若いドン・ジョヴァンニが倒す。
だけど、この舞台では騎士長の方が強かった。
騎士長の剣はドン・ジョヴァンニの手を傷つけ剣を弾き飛ばす。主人の形勢不利を見たレポレッロが銃を取り出し、ドン・ジョヴァンニはそれを止めようとしたのか銃をよこせと言うことだったのか、とにかく二人が銃を手にもみ合っているうちに引き金が引かれ、騎士長は撃ち抜かれて絶命する。
その後、この時の手の傷は何度も出てくる。時には、ドン・ジョヴァンニは銃を手にしようとするが傷の痛みのために握ることができない。レポレッロに手当てさせるシーンや、他の従者たちに手当てさせているシーンもある。
そして最後、石像が迎えに来たときもドン・ジョヴァンニは手の痛みにのた打ち回っている。
推測だけれど、この痛みの正体は「騎士としてのプライド」ではないかと。
騎士。身分ある男。だから、女はお楽しみのためにとっかえひっかえするモノだし、平民どもが何を喚こうと知ったことか。
そんな自己の拠り所を、騎士長に勝てず卑怯な手段で殺したことは、傷つけたのではないかと。
そうなると「今日は何故か上手くいかない」ことも、彼のアイデンティティが傷ついたせいだと解釈できる。
評論や解説でドン・ジョヴァンニは「神に反逆する自由人。近代人の先駆」というように書かれる事がある。
が、この舞台のドン・ジョヴァンニは、(おそらくは若く)傲慢な騎士が、自分のアイデンティティを見失い破滅する物語だった。
後半になるにつれてやけっぱちのように荒々しくなっていくし。(悔い改めるよう説得に来たドンナ・エルヴィラへの手荒な扱いは凄かった。こんなの初めて見た)
何故今ここであの世からの迎えが来て悔い改めるよう迫るか、という点は、この話の方が納得がいきました。
(その分「No」と言う強さは薄れていたけど)
舞台上のセットでずっと大きな羽が置いてあるのだけれど、晩餐の場面では羽はない。代わりにシーンの頭に上から羽根がはらはらと落ちてくる。
これもまた「ドン・ジョヴァンニの自由の終わり」の象徴としてはうまいなあと。青春の終わり、と言う感じで。
「自由」と言う意味では、平民たちの方が飄々と自由に描かれていたし。神だのモラルだのとの対決なんて意識せずに。
(シャンパンの歌のところで、カタログ(女性の名前が一面に書かれた青い幕として出てくる)の下でカップルになっている村人たちのあっけらかんとしたいちゃつきぷりは、ドン・ジョヴァンニの立場ない感じだったもんなあ)
「ドン・ジョヴァンニ」を観るときいつも一番気になるのはドンナ・エルヴィラの描かれ方。
エルヴィラについては、特に変わったところもなくと言う感じでした。衣装は旅装めいた紺青のかっちりしたドレスで、彼女の立場や性格にも合っていて、よかったなあと。
ラスト、ドン・ジョヴァンニが消えたあと、彼女は彼の残したコートを大事そうに抱いたまま、他の登場人物が消えていく中舞台中央に残る。
その姿に「ドン・ジョヴァンニの妻」としての矜持が見えたような気がした。彼がどんなに女をとっかえひっかえしようと、彼を最後まで愛したのは私だけ。
彼女はドン・ジョヴァンニ未亡人として修道院へ行くのだ。
ドンナ・アンナ。
石像がドン・ジョヴァンニを迎えに来たとき、ステッキを残していくんですね。ドン・ジョヴァンニが消えた後アンナがそれを見つける。
そこで彼女は父が敵を討ってくれたことを悟り、落ち着いてドン・オッタービィオとの新しい生活を受け入れようとしはじめた、そんな気がしました。
その他こまかいこと。
・緞帳下ろしてその前で歌っている間にセット変え、が多かった。なんか……宝塚っぽい(笑)
・ドン・ジョヴァンニにレポレッロ以外の召使?がぞろぞろ。黒尽くめ終始無言の黙役でかっこよさげ。『ファントム』の従者を思い出してしまった(笑)
歌については何も書いてませんが、皆よかったです。特筆するほど印象に残った歌手はいませんでしたが、まあ私がモーツァルト観るとたいていそうなんで。
指揮/山下一史 演出/岩田宗達
合唱/ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団 管弦楽/ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
ドン・ジョヴァンニ:田中 由也
ドンア・アンナ:石橋 栄美
ドンナ・エルヴィラ:並河 寿美
レポレッロ:雁木 悟
騎士長:周 江平
ドン・オッターヴィオ:二塚 直紀
マゼット:西尾 岳史
ゼルリーナ:井上真紀子
昨日、ウィーン国立歌劇場の再発売でも「ドン・ジョヴァンニ」が取れなかったので……と言う訳だけでもないのですが、観に行きました。
(ウィーンは、まあ、地元まで観に行けばいいんだよな、そのうち)
私はあまりモーツァルト好きな人間でないのですが「ドン・ジョヴァンニ」は結構さまざまな演出があるので、そのあたりを楽しみにしてました。
結果、オーソドックスながら新機軸もあり、楽しみました。
今回気になったのは「手の傷」。
ドン・ジョヴァンニが騎士長と決闘するとき、普通は「老いぼれ」の騎士長を若いドン・ジョヴァンニが倒す。
だけど、この舞台では騎士長の方が強かった。
騎士長の剣はドン・ジョヴァンニの手を傷つけ剣を弾き飛ばす。主人の形勢不利を見たレポレッロが銃を取り出し、ドン・ジョヴァンニはそれを止めようとしたのか銃をよこせと言うことだったのか、とにかく二人が銃を手にもみ合っているうちに引き金が引かれ、騎士長は撃ち抜かれて絶命する。
その後、この時の手の傷は何度も出てくる。時には、ドン・ジョヴァンニは銃を手にしようとするが傷の痛みのために握ることができない。レポレッロに手当てさせるシーンや、他の従者たちに手当てさせているシーンもある。
そして最後、石像が迎えに来たときもドン・ジョヴァンニは手の痛みにのた打ち回っている。
推測だけれど、この痛みの正体は「騎士としてのプライド」ではないかと。
騎士。身分ある男。だから、女はお楽しみのためにとっかえひっかえするモノだし、平民どもが何を喚こうと知ったことか。
そんな自己の拠り所を、騎士長に勝てず卑怯な手段で殺したことは、傷つけたのではないかと。
そうなると「今日は何故か上手くいかない」ことも、彼のアイデンティティが傷ついたせいだと解釈できる。
評論や解説でドン・ジョヴァンニは「神に反逆する自由人。近代人の先駆」というように書かれる事がある。
が、この舞台のドン・ジョヴァンニは、(おそらくは若く)傲慢な騎士が、自分のアイデンティティを見失い破滅する物語だった。
後半になるにつれてやけっぱちのように荒々しくなっていくし。(悔い改めるよう説得に来たドンナ・エルヴィラへの手荒な扱いは凄かった。こんなの初めて見た)
何故今ここであの世からの迎えが来て悔い改めるよう迫るか、という点は、この話の方が納得がいきました。
(その分「No」と言う強さは薄れていたけど)
舞台上のセットでずっと大きな羽が置いてあるのだけれど、晩餐の場面では羽はない。代わりにシーンの頭に上から羽根がはらはらと落ちてくる。
これもまた「ドン・ジョヴァンニの自由の終わり」の象徴としてはうまいなあと。青春の終わり、と言う感じで。
「自由」と言う意味では、平民たちの方が飄々と自由に描かれていたし。神だのモラルだのとの対決なんて意識せずに。
(シャンパンの歌のところで、カタログ(女性の名前が一面に書かれた青い幕として出てくる)の下でカップルになっている村人たちのあっけらかんとしたいちゃつきぷりは、ドン・ジョヴァンニの立場ない感じだったもんなあ)
「ドン・ジョヴァンニ」を観るときいつも一番気になるのはドンナ・エルヴィラの描かれ方。
エルヴィラについては、特に変わったところもなくと言う感じでした。衣装は旅装めいた紺青のかっちりしたドレスで、彼女の立場や性格にも合っていて、よかったなあと。
ラスト、ドン・ジョヴァンニが消えたあと、彼女は彼の残したコートを大事そうに抱いたまま、他の登場人物が消えていく中舞台中央に残る。
その姿に「ドン・ジョヴァンニの妻」としての矜持が見えたような気がした。彼がどんなに女をとっかえひっかえしようと、彼を最後まで愛したのは私だけ。
彼女はドン・ジョヴァンニ未亡人として修道院へ行くのだ。
ドンナ・アンナ。
石像がドン・ジョヴァンニを迎えに来たとき、ステッキを残していくんですね。ドン・ジョヴァンニが消えた後アンナがそれを見つける。
そこで彼女は父が敵を討ってくれたことを悟り、落ち着いてドン・オッタービィオとの新しい生活を受け入れようとしはじめた、そんな気がしました。
その他こまかいこと。
・緞帳下ろしてその前で歌っている間にセット変え、が多かった。なんか……宝塚っぽい(笑)
・ドン・ジョヴァンニにレポレッロ以外の召使?がぞろぞろ。黒尽くめ終始無言の黙役でかっこよさげ。『ファントム』の従者を思い出してしまった(笑)
歌については何も書いてませんが、皆よかったです。特筆するほど印象に残った歌手はいませんでしたが、まあ私がモーツァルト観るとたいていそうなんで。
完璧だけど、好みでない(「飛鳥夕映え/タカラヅカ絢爛2」宝塚月組大劇場公演)
2004年7月5日 宝塚期待の鎌足・貴城けい。
最近愛着を覚えはじめているかしげちゃん。
軽皇子が為所のない役立っただけに、なのに美しく格好よかっただけに、二番手役の鎌足には期待しておりました。
結果、期待どおりでもあり期待はずれでもあり……。
かしげさん鎌足は、まず顔が違いました。
役に合わせてか、地味めできつめのメイクでした。
見目形は美しいままやってくれた方が嬉しかったのに。
ラスト近くの生駒あいちゃんとの絡みはクールかつ色っぽくてステキでしたが。
いや、悪役としては、すごく良かったと思うんですよ。
厳しく凛々しく格好いい悪の魅力。押し出しもよく、堂々たる二番手ぶり。ほんと完璧だと思う。
でも、私は、この話の鎌足が「完璧な悪役」だと腑に落ちなくて。
鎌足が「完璧な悪役」だと、鞍作が馬鹿に見えてしまうんですよね。
こんなに敵対していて、しかも強敵で、それがはっきり見えているのにまんまと罠にはまるって、どういうこと? 何でもっと警戒しないの? ということです。
鞍作が鎌足に友情を感じて、どこかで心を許していればこそ騙されてしまった、なら悲劇になるんだけど。
シャアだってガルマには友人面していた訳だし、イアーゴもオセロには忠義面していた訳だし。
(例えが変。でも最近さえちゃんがガルマが似合いそうに見えて仕方がない)
それに、二人の間に友情があった方がやるせなくて好きです。その方が鎌足の「我々はこんなに遠く離れてしまった」という台詞に説得力があるし。
かしげさん鎌足は最初から、学生時代から既に離れているように見えます。終始一貫していると言えば言えるけど。
まあ、あくまでも私の好みではありますが。
やっぱりゆうひ鎌足(というよりかしげちゃん石川麻呂)も見たいなぁ。
リピートするかー。(劇団に踊らされてる)
逆に軽皇子・瀬奈じゅんはやや色が白く貴公子風に仕上げてました。
演技はいかにも鷹揚で暢気な若様、という感じ。
役として重要なのは鎌足だけど、ビジュアル的に美味しいのは軽皇子かもしれない。
でも、あさこさん、学生時代のおでこを出したロン毛でにこにこしている姿は「風友」ビデオパッケージのスカーレットみたい……(をい)。
今回はラスト、えみくらちゃんの演技にぐっときましたよ!
初見ではファントムのラストと同じ!?とそれが気になって集中できなかった(苦笑)のですが、邪念を消して見るとやっぱり上手いんだろうな。
さわやか笑顔のさえちゃんも涙を誘います。
ショーはだいぶなじんできた感じ。エレグアさららんがやってて楽しそうになってきて、良かった。
でもやっぱりゆらさんはやりすぎ。最後マリアがシリアスに「さよなら、ポノポ……」っていう場面なのに!!
さえちゃんの側転はこの間より更にへろへろしていました。がんばれー。
今回、何かの団体さんで普段見ないようなおじさまおばさまが多かったのですが、最後羽背負って出てきたときの「おおー」というどよめきが楽しかったです。(「美川憲一……」という呟きが聞こえてきたけど)
縄跳びの場面も受けてましたわ。
あと宙組さんが何人か観に来ていて、美郷さん、初嶺さんは確認しました。はっちゃんはこの間のファントムで認識しました。美人でした。ちらちら見ていたら不審そうに見られたような気が(^^;。やっぱり平日に来るとジェンヌさん遭遇率高し。
最近愛着を覚えはじめているかしげちゃん。
軽皇子が為所のない役立っただけに、なのに美しく格好よかっただけに、二番手役の鎌足には期待しておりました。
結果、期待どおりでもあり期待はずれでもあり……。
かしげさん鎌足は、まず顔が違いました。
役に合わせてか、地味めできつめのメイクでした。
見目形は美しいままやってくれた方が嬉しかったのに。
ラスト近くの生駒あいちゃんとの絡みはクールかつ色っぽくてステキでしたが。
いや、悪役としては、すごく良かったと思うんですよ。
厳しく凛々しく格好いい悪の魅力。押し出しもよく、堂々たる二番手ぶり。ほんと完璧だと思う。
でも、私は、この話の鎌足が「完璧な悪役」だと腑に落ちなくて。
鎌足が「完璧な悪役」だと、鞍作が馬鹿に見えてしまうんですよね。
こんなに敵対していて、しかも強敵で、それがはっきり見えているのにまんまと罠にはまるって、どういうこと? 何でもっと警戒しないの? ということです。
鞍作が鎌足に友情を感じて、どこかで心を許していればこそ騙されてしまった、なら悲劇になるんだけど。
シャアだってガルマには友人面していた訳だし、イアーゴもオセロには忠義面していた訳だし。
(例えが変。でも最近さえちゃんがガルマが似合いそうに見えて仕方がない)
それに、二人の間に友情があった方がやるせなくて好きです。その方が鎌足の「我々はこんなに遠く離れてしまった」という台詞に説得力があるし。
かしげさん鎌足は最初から、学生時代から既に離れているように見えます。終始一貫していると言えば言えるけど。
まあ、あくまでも私の好みではありますが。
やっぱりゆうひ鎌足(というよりかしげちゃん石川麻呂)も見たいなぁ。
リピートするかー。(劇団に踊らされてる)
逆に軽皇子・瀬奈じゅんはやや色が白く貴公子風に仕上げてました。
演技はいかにも鷹揚で暢気な若様、という感じ。
役として重要なのは鎌足だけど、ビジュアル的に美味しいのは軽皇子かもしれない。
でも、あさこさん、学生時代のおでこを出したロン毛でにこにこしている姿は「風友」ビデオパッケージのスカーレットみたい……(をい)。
今回はラスト、えみくらちゃんの演技にぐっときましたよ!
初見ではファントムのラストと同じ!?とそれが気になって集中できなかった(苦笑)のですが、邪念を消して見るとやっぱり上手いんだろうな。
さわやか笑顔のさえちゃんも涙を誘います。
ショーはだいぶなじんできた感じ。エレグアさららんがやってて楽しそうになってきて、良かった。
でもやっぱりゆらさんはやりすぎ。最後マリアがシリアスに「さよなら、ポノポ……」っていう場面なのに!!
さえちゃんの側転はこの間より更にへろへろしていました。がんばれー。
今回、何かの団体さんで普段見ないようなおじさまおばさまが多かったのですが、最後羽背負って出てきたときの「おおー」というどよめきが楽しかったです。(「美川憲一……」という呟きが聞こえてきたけど)
縄跳びの場面も受けてましたわ。
あと宙組さんが何人か観に来ていて、美郷さん、初嶺さんは確認しました。はっちゃんはこの間のファントムで認識しました。美人でした。ちらちら見ていたら不審そうに見られたような気が(^^;。やっぱり平日に来るとジェンヌさん遭遇率高し。
私のホームグラウンド(スポレート実験オペラ劇場III「舞台裏騒動」)
2004年7月4日 オペラスポレート実験オペラ劇場III
歌劇「舞台裏騒動」フランチェスコ・ニェッコ 作曲 ジューリオ・アルトゥージ 台本
演奏 : スポレート実験オペラ劇場ソリスト及び室内楽団
演出・美術 : パオロ・バイオッコ
指揮者・ピアニスト : アンドレア・アマランテ
舞台監督 : 賀川 祐之
コリッラ …… S.ヴィアネッロ(ソプラノ)
ヴィオランテ …… T.マンチネッリ(メゾ・ソプラノ)
フェデリーコ …… J.ガンビーナ(テノール)
フィスキェット …… S.オスバット(テノール)
公演日 2004年7月4日(日)
時 間 14:00開演
場 所 京都芸術劇場 春秋座
なにやら珍しいオペラをやるというので言ってまいりました。
会場は京都造形芸術大学内の春秋座。
ネットで調べて、出町柳駅から15分ということで駅から歩き出したら、行けども行けども着かない。
炎天下を30分以上さまよって熱中症のような状態になりました。
文句を言いつつ帰ってから調べなおしたら「バスで15分」。
地図は良く見て確認しましょう、と言う話。
でも、そんなに体調最悪だったのに、暗い客席で室内楽とイタリア語のベルカントを聞いたら、すーっと落ち着いて、幸せな気分になりました。
「癒し」という言葉はあまり好きじゃないんですが、癒される感じ。
最近宝塚ばっかり見ているけど、やっぱり私のホームグラウンドはここだ、と妙に納得しましたわ。
ストーリーは他愛ない楽屋落ちもののオペラ・ブッファ。新作オペラの稽古風景で、ソプラノ歌手二人はいがみ合ったりテノール歌手と三角関係だったり、楽譜が間に合わなかったりライバル劇場の評判が気になったり、というオペラ好きはニヤリとするような話。
稽古風景の間にさまざまなポピュラーなアリアも歌われて(時代に関係なくリゴレットや愛の妙薬を歌いまくっていた)これまたオペラ好き向けだよなあ。
新国立劇場で、毎年シーズンの終わりにやってくれたら面白いのに。その年の演目を盛り込んで、小劇場か中劇場で。受けると思うんだけどな。
ニエッコは初めて聞く作曲家ですが、パイジェッロ、チマローザとロッシーニの間くらいの人と言うことで、違和感なく心地よい曲でした。登場人物同士の諍いがあると言ってもシビアな話ではなく、そのぬるさもまた心地よかったです。
(私にとっては。ロビーでの会話を聞いているとそれが不満だった人もいたらしい)
歌手はイタリアの若手。(若手無名歌手を実験的に起用するというのが「実験劇場」の趣旨らしい)適度な大きさの響きのいいホールにも助けられて、皆さん美声を聞かせてくれました。ビジュアル的にもなかなかだったし。
と言う訳で久々にオペラを堪能して幸せでした。
(帰って夜まで頭ががんがんしてへろへろでしたが)
歌劇「舞台裏騒動」フランチェスコ・ニェッコ 作曲 ジューリオ・アルトゥージ 台本
演奏 : スポレート実験オペラ劇場ソリスト及び室内楽団
演出・美術 : パオロ・バイオッコ
指揮者・ピアニスト : アンドレア・アマランテ
舞台監督 : 賀川 祐之
コリッラ …… S.ヴィアネッロ(ソプラノ)
ヴィオランテ …… T.マンチネッリ(メゾ・ソプラノ)
フェデリーコ …… J.ガンビーナ(テノール)
フィスキェット …… S.オスバット(テノール)
公演日 2004年7月4日(日)
時 間 14:00開演
場 所 京都芸術劇場 春秋座
なにやら珍しいオペラをやるというので言ってまいりました。
会場は京都造形芸術大学内の春秋座。
ネットで調べて、出町柳駅から15分ということで駅から歩き出したら、行けども行けども着かない。
炎天下を30分以上さまよって熱中症のような状態になりました。
文句を言いつつ帰ってから調べなおしたら「バスで15分」。
地図は良く見て確認しましょう、と言う話。
でも、そんなに体調最悪だったのに、暗い客席で室内楽とイタリア語のベルカントを聞いたら、すーっと落ち着いて、幸せな気分になりました。
「癒し」という言葉はあまり好きじゃないんですが、癒される感じ。
最近宝塚ばっかり見ているけど、やっぱり私のホームグラウンドはここだ、と妙に納得しましたわ。
ストーリーは他愛ない楽屋落ちもののオペラ・ブッファ。新作オペラの稽古風景で、ソプラノ歌手二人はいがみ合ったりテノール歌手と三角関係だったり、楽譜が間に合わなかったりライバル劇場の評判が気になったり、というオペラ好きはニヤリとするような話。
稽古風景の間にさまざまなポピュラーなアリアも歌われて(時代に関係なくリゴレットや愛の妙薬を歌いまくっていた)これまたオペラ好き向けだよなあ。
新国立劇場で、毎年シーズンの終わりにやってくれたら面白いのに。その年の演目を盛り込んで、小劇場か中劇場で。受けると思うんだけどな。
ニエッコは初めて聞く作曲家ですが、パイジェッロ、チマローザとロッシーニの間くらいの人と言うことで、違和感なく心地よい曲でした。登場人物同士の諍いがあると言ってもシビアな話ではなく、そのぬるさもまた心地よかったです。
(私にとっては。ロビーでの会話を聞いているとそれが不満だった人もいたらしい)
歌手はイタリアの若手。(若手無名歌手を実験的に起用するというのが「実験劇場」の趣旨らしい)適度な大きさの響きのいいホールにも助けられて、皆さん美声を聞かせてくれました。ビジュアル的にもなかなかだったし。
と言う訳で久々にオペラを堪能して幸せでした。
(帰って夜まで頭ががんがんしてへろへろでしたが)