サヨナラショーの後、再び組長。
「ペンライトありがとうございました。大変綺麗でしたよ。皆様にもお見せしたいくらいです」と、目頭を押さえつつと言う感じで。
そして再び退団者のお手紙紹介。みらんくんから、ワタさんまで。
ご挨拶はここだったか、それともお手紙の前だったか、記憶が定かではありませんが「台風も逸れさわやかな朝を迎えられました。これも袴姿に雨を降らせないようにと祈ってくださった皆様のおかげです。退団者との別れの寂しさは日に日に降り積もってまいりますが、はればれと明るくさわやかな気持ちです」というようなこと。1年以上一緒だった未沙のえるさんとのお別れについても触れ、そして「白羽ゆりが11月12日をもって雪組に組替になりますが、今まで同様に応援してくださいますよう、星組全員からのお願いです」と。

準備が出来て、再び幕が開いて。大階段の下に組子一同が並ぶ。
組長の呼びかけに、一人一人、袴姿で大階段を降りてくる。

以下、挨拶とお手紙の内容について記憶がごっちゃになっているので、憶えているところだけ行きます。

ひよりちゃん。組からのお花はももかさん、同期からはみなみちゃんで、髪に挿してあげていました。
お父さんが病気で、宝塚を受験したいと言い出せなかったひよりちゃん。でも先生や周囲の人に「あきらめるのは挑戦してからでいい」と背中を押されて、音楽学校に入ることができたひよりちゃん。不器用でなかなかみんなと同じように出来なくても「100万回練習すれば出来る」と同期に励まされて頑張ってきたひよりちゃん。ぴっかぴかの笑顔がまぶしかった。

ふありちゃん。組からのお花はしぃちゃん、同期からはれおんくん。白い花。
これも組からは手持ちで同期からは髪に挿していたのですが、なかなか留まらない様子でちょっとはらはらしたり。思いがけずしぃふあり!と一人ひそかにどきどきしていた訳ですが(笑)、しぃちゃん本当にやさしい笑顔でね。大きな男役二人に挟まれたちっちゃいふありちゃんが本当に可憐で、何だかステキな光景でした。いいもの見たなって思いましたよ。
ずっとバレエをやっていたけれど、特に目標と言うものを持っていなかったふあり。宝塚受験スクールの発表会を見て「あんな風に瞳に星の輝く人になりたい」と思ったふあり。そして今、宝塚での出来事がキラキラした星になって、その星でトランクが一杯になったから旅立ちます、と言うふあり。ポエマーぶりもふありなら可愛い。

トミー。組からはみきちぐ、同期からはゆかり。
生まれも育ちも大好きな星組で、その星組で卒業できることが嬉しい、といくつもの作品名を挙げて言っていました。

みらんくん。組からはますみさん、同期からは美城れんくん。お花は濃いピンクの薔薇。
宝塚が好き、男役が好き、舞台が好き、その思いだけで突き進んできましたと。
お手紙では今までの出演作・役をひとつひとつ挙げていましたが、『Across』のお稽古最終日に退団を決めた、と。

やっひー。組からはきんさん、同期からはすずみん。白とブルーの、すごく大きな(盾のような…)花束でした。
やはり今までの出演作の思い出を挙げていましたが、デュガゾンを好きな役だと自分でも言っていました。(そう思える役に出会えて良かったね)。

エンディさん。組からはにしきさん、同期からはトウコさん。
お手紙では、昨日の組長の挨拶にもあったように、歌が好きで今までの歌、そして舞台の話を。
ご挨拶では、エンディさんがみんなへの感謝を述べて、中でも特に「トウコ!」と呼びかけたんですね。それが、トウコさんのいる方とは逆側で(お花渡しのときに逆から回りこんで渡していたので勘違いしたのだと思われ)、ちょっと会場内なごんだのですが、呼ばれた本人はそれどころじゃなくて涙涙でした。

しのぶさん。組からは柚長、そして同期からは宙組のまりえさん。去年ガイチさんを見送って、とうとう最後の同期。黄色いお花で。
宝塚に入って19年間、楽しくて幸せで、と本当にすっきりと、あの高い声でご挨拶していました。

と、ここまで見ていて。
どこを見ていいのかいまひとつ定まらない。
勿論退団者は見ているし、その周りも涙目のトウコさんとかいつもの笑顔の(でも張り付いたような)しぃちゃんとかべそかき顔のすずみんとか、いつものダンディが吹っ飛ぶ勢いで泣いているにしきさんとかやはり涙ぽろぽろのエレナさんとか、色々見ていたけれど。
でも、どうも、オペラの収まりが悪い。

あ、そうか。
ワタさんがいないんだ。
いつも大きな羽で、穏やかな笑顔で退団者を見守っていたワタさんがいないんだ。
当然のことなのに、やっと気づいてしまった。

そして。
組長の「わたるー!」の呼び声に「はい!」と明るくはっきりした声が答える。
階段の上にその姿を現す。黒燕尾。まっすぐに下りてくる。そうか、黒燕尾なんだ。袴は最後の楽屋出で見られるものね。
途中、階段の真ん中で止まる。拍手。にこにこと、晴れやかな笑顔。

組からのお花はとなみちゃんから。すぐに離れようとするのを、引き止めて、軽く抱きしめて。
同期からは月組の嘉月さんと雪組の美穂さん、二人で来てくれた。この二人ともハグして。素敵だった。
お花はどちらもとてもシンプルな、緑の茎が見える切りっ放しのような白薔薇。

ご挨拶。すっ、と小さく間をおいて。
「今の星組は、最高です!」
笑顔で、はっきりと。
そう言わせてくれる星組のみんな、一年間一緒だった未沙さん、お客様、魔法をかけて夢の舞台を作ってくれる先生方、スタッフ、オーケストラ、みんなに感謝を述べて。
「両親に見送られひとりで音楽学校の門をくぐった私が、たくさんの人に出会えた」ことへの感謝は、お手紙だったかな。
明るく、はっきりした、わたるさんらしいいいご挨拶でした。

最後の曲は『タカラヅカフォーエバー』。『さよならみなさま』とかじゃないんだね。宝塚フォーエバー、なんだね。

カーテンコール、憶えている範囲で。新聞によってカーテンコールの回数にばらつきがあったようですが(苦笑・多かったからね)、まあだいたいこんなもんじゃないかと。

1回目。全員で。毎日沢山のお客様に足をお運び頂いて幸せでした、と。
2回目も全員。星組全員でこの日を迎えられたことを感謝。
3回目は退団者だけで。声を揃えて、ありがとうございました、と。
ここ、退団者のみという指示だったんだろうと思うのですが、上手から花道に並ぶ下級生が出てきちゃったんですね。気づいて慌てて戻る、その先頭は…あかしだ!
いやオイシイ奴だなあかし(笑)。ワタさんも指差して笑っていて、なごみました。
4回目。最初にワタさん、そしてみんなを呼ぶ。この辺から客席スタンディング。
5回目は全員。皆様のお力で台風も逸れて、千秋楽を迎えることが出来ました。
6回目。鳴り止まぬ拍手に袖からワタさん、続いて退団者。みんなで舞台に並んで礼。花のバラエティが色々で、なんとなく笑顔になってしまった。
7回目。ワタさん一人。銀橋を途中まで渡って戻る。
8回目。今度は退団者全員。銀橋を下手から上手へ、みんなで渡りきって。

それで、おしまいでした。

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