本日もサンシャイン。行く途中の駅の雑踏とか、普通の空間に『Across』のポスターが張ってあると、ちょっとびびりますな。(そしてその隣の「執事喫茶」なるものの宣伝が気になる。完全予約制らしい)

今更ですが。
Act1の最初のDJ「吹田市のアンドレさん」はともかく、その次がいまいち意味不明だったんですが、もしかして「尼崎市のハギタコウジさん」?ハギタコウジって萩田浩二とか書くんですか? ははは……。

以下、本日の公演報告。

4/30(日)12:00公演。
ハンカチは紫。濃い紫と淡い紫のツートンカラー。Act2のうめちゃんの衣装みたいな感じ。

・Act1、『Runner』からスタンディングでした。もう東京公演も後半か。
・『GET CRAZY!』で一部座ったものの前方センターはスタンディング。うめちゃんもノリノリ(笑)。
・Act2、『タカラヅカ絢爛』。みんな言われる前からスタンディング(笑)。ワタさんの「歌ってますかー?」に対してもちゃんと大合唱「やりますね」と感心されてました。

どこまで行くんだこのノリ。
初見の方にはちょっと申し訳ないかも。すみません。とりあえず本日初めてと思しき隣の席のお嬢さんは楽しんでいたようで一安心でした(既にその辺麻痺している人)。
そう言えば昨日も初見らしい方が近くの席だったのですが「ちょっと遠いけど見えるかな」「大丈夫だよ、わたるさんおっきいから!」としきりと繰り返していたのが印象的でした。そりゃおっきいけど(笑)。
閑話休題。

終演後のひとこと担当、ワタさんのご氏名は「一番下級生の、ドイちゃん」。
固まるドイちゃん。何故か「今日、ですか?」とおどおどと聞き返す。「今日じゃ駄目?」と聞かれて隣のあかしに何やら相談している様子だが、あかしは微妙に笑顔で突き放したような面白がってるような感じで「内緒内緒」(この辺リアルガキ大将・笑)。
いつまでも喋り出せなくて、大丈夫?とみんな不安になってきた頃「あと少し夢を見続けていたい、と言う歌詞がありますけど」と訥々と喋りだす。うん、あるねと励ますようなワタさんはじめ上級生が見守る中「少しじゃなくて、ずっと夢を見続けていたいです」。客席も舞台上も拍手拍手。ワタさん「カワイイねえ」と感動して泣く真似をしつつ。
4/22と言い、ドイちゃんってこういうキャラだったのか。上演中はちゃんとはじけてアピールも出来る子なのに。カワイイじゃないか(笑)。
もう一人、同期の「ともみんも」。すると、ともみん下手端からワタさんの方を向いて
「今日、わたるさんのお兄さんが来ていると聞いたのですが」
えーっ!と客席。誰が言ったの!と慌てるワタさん。「もう、やだー!」って……ここまで女の子モード入ってるのはあまり見たことがないような気がします。マジで内緒のつもりだったようで(苦笑)。ともみんには「後で部屋に来るように」だそうです(笑)。
どこにいるんですか?とエンディに促され、大テレで困って仕方なく「あの辺に」改めて場内拍手と相成りました。その後、「バンドの皆さん早くお願いします」と演奏をせかしてさっさと幕を下ろそうとしてました(笑)。
が、幕は再び上がり。幕裏で何やら話していたようで、聞き返すワタさんにゆうほ氏「今の気持ちをダンスで表してください」。戸惑うワタさんに、出演者一同手拍子。客席も手拍子。
ワタさん片手を挙げて何やら踊りだしましたよ! そしたらみんなも踊りだしたよ! ヘイヘイ言いながら気がついたらワタさんを先頭にV字型に並んでみんな踊ってますよ!
……変。この人たち変、絶対変。でも大好き(笑)。
「今日は1回公演だからみんな踊り足りなかったんだねー、ちょうど良かったね」と言ってました。

恐らくエンディさんが最後に言う予定(だからあかしはドイちゃんに内緒と言っていた)を、ともみんがフライングしたんでしょうな。

***

本日は、私にとって一番の良席でした。上手、そこそこ前。いや真ん中辺かな。とにかく、上手側に来てくれればオペラ無しで表情がわかる席。

そしたら。
まず、少年ワタルと少女うめの恋が手に取るように見えて、持って行かれました。
最初、女の子たちが出てきたとき、距離を置いて二人はお互いに見つめあう。思わず吸い寄せられて、目が離せない、と言う感じ。厳密にはうめちゃんは舞台奥を向いているので表情はわからないけれど、ワタル少年は呆然とうめ嬢を見つめている。なんかね、恋している自覚はないけどただ目が離せない、と言う感じで、カワイイですよここ。
他の子たちに目の前で手をひらひら振られて、我に帰る。「あの子見てたろー」「見てねーよ」とか言っていると、うめに振られたドイちゃん(だよね?)が戻ってくる。「あの子に叩かれちゃった」と半べそ。うめちゃん実際気に入らない相手に手を出して追っ払ってました(笑)。ますます興味を持ったワタル少年、うめちゃんにアタック! ぷーっとふくれて追っ払われて(ここであかしが「あちゃー」って顔で見てます)戻ってくると、みんなに応援されあかしに突き飛ばされる。もう1回戻ってくるともう1回突き飛ばすあかし(笑)。笑いあって踊りだすワタウメ。そしてその状況を見ていないのかうめちゃんにアタックして振られるみらん(笑)。

この「恋する男の子(自覚なし)」も大変よかったのですが、本格的に揺さぶられたのは『Runner』。上手側で客席を見据えて歌うのですよ。
「かげりのない少年の季節は過ぎ去ってく」暗く鋭く攻撃的な、でもナイーヴな、何かに傷ついているような目で。何かを掴もうとあがいている魂の叫びを。でも、傷ついているだけじゃない。前に進もうとする強さがあるからこそのあがき。少年から青年になろうとしている、痛みに満ちた輝き。
何故だ。何故それをこんなに自然に、荒削りのままに出せるんだ。まるで、本当に少年であるかのように。見ている方が君の分まで苦しくなるじゃないか。

勿論、それは本当でないことはわかっているし、そうでないから魅力的なのだろうことも想像がつく。
作り込まなくても、男役。でもそれは今まで作り込んだ蓄積があるからこそ、見せる技術を駆使しなくても色々なものをそぎ落としたシンプルな状態でも、少年でいられる。
多分、そういうことなんだろう。

もうひとつ、『One more time, One more chance』。
おっとその前に。『君がいるだけで』でワタさん登場に気を取られたうめちゃんをみらんくんが引き戻す場面があるのですが、DCに比べてえらく派手になっております。腕を引っ張られてうめちゃんバランス崩しておっとっと、スカートも派手に舞い上がる。マンガみたい(笑)。

『One more time, One more chance』で、青年になったワタル君は失くした季節、失くした恋を思って踊る、その表情がこれまた切なくて苦しくて。
DCもサンシャインも、舞台は客席最前列の目線の位置くらいの高さのようなので。床に転がる低い体勢の時とか、目が合っちゃうじゃないですか。目の前であんな顔されたら正気じゃいられないじゃないですか。
……前方席が取れなくて良かったなあ(何だその結論)(酸っぱい葡萄の論理)。

Act2でも、今まで気づかなかった胸が苦しいポイントがありました。
スパニッシュ。対峙するマタドール・ワタさんとフラメンコダンサー・うめ。うめ嬢の毅然としながら情熱とはかなさを湛えた風情は美しいと今までも思っていたのですが、微妙な表情が見えるとまた違う。惹かれあいながら表情を露にしない男女。
そしてその後のリフトのときにも、二人はその緊張感を保ったままの表情で、ただ見つめ合っている。
そうすると、このリフトが技術の披露でなく、刹那の恋に溺れる浮遊感の表現に見えて。首に回した腕が、決して私を離さないで、と語っているようで。
けれど、祭りは終わり恋は終わり。彼女は彼の腕から離れ、互いに違う道を歩いていく。心に決して癒えない傷と、誇りを持って。
そんな物語が見えて、泣けてきてしまいましたよ。

うめちゃん、本当にいい娘役だなあ。Act1のポップな女の子から大人に、Act2でも夢見る少女から、この孤独を帯びた凛とした女性まで。
Act1も、うめちゃん無くしては成立しなかったと思うんですよ。ワタさんと星組男役だからこそ出来た世界ではあるけれど、ヒロインが陽月華というタカラヅカの娘役としては若干規格外で現代的でパワフル、でも誰よりも繊細な乙女心を持った少女漫画の住人でもある、そんな女の子だったからこそ成り立った世界でもある。そしてそのダンスによる表現力。
君がいてくれて、この舞台に出てくれて良かった。
と言う訳でタイトルはうめちゃんのソロから。脳内では色々引っかけてますが。この歌を歌ううめちゃんも大好き。

と、今回は純粋に作品を楽しむことができて、何だか満足したような気分です。これで楽は、楽として楽しみにすることができます。千秋楽はどうしてもイベントとしての意味合いが出るだろうから(って楽も行くのか)。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索