明け方の街、桜木町で。(『Across』@シアタードラマシティ)
2006年4月26日 宝塚Act1 ON THE STREET CORNER
昨日の続き行きます。楽しかったことをだらだら語るのは楽しい(笑)。
『MOON LIGHT BLUES』
女の子たちで明るく楽しく騒いで踊って。でもみんないなくなって一人取り残されるうめ。聞えてくるのはムーディなブルース。
そして3組のカップル。
ここ、男子チームは年少さんで、あかし×コトコト、ともみん×ゆっち、一輝×みなみという組み合わせだったと思うのですが、みんな女の子の方が上級生なんですよね。男の子が背伸びしてる感じが、少年少女の恋って感じが出てます。特に一輝みなみチームが妙に微笑ましい。背伸びしてるんだけど、それを自覚してないでステキな彼女が自慢でしょうがない男の子と、そんな男の子を立ててあげつつ愛しく思ってる女の子、と言う感じで(笑)。
ワタル少年もやってきて少女うめと踊る。このときの「呆れるほどのうぬぼれやさん」の歌詞がねー、ときめくと言うかもうきゅんきゅん来ますよ(笑)。
ここに限らず、全編通して「男の子ってバカでかわいい」という感じが横溢しております。「男の子」と言うのは年齢だけでなく「男っていつまでたっても子供よね」と言うときの苛立ちと諦め、そして愛しさいっぱいの、そんなニュアンス。またそれがリアル男子的な魅力のあるワタさんのキャラに合ってるんだよなー(笑)。宝塚ではあまり見たことが無いような感じで新鮮。外部の男の人が作ったからこその感覚でしょうか。
この『MOON LIGHT BLUES』、歌は出ていない年長さんチーム4人の影コーラス歌い継ぎ(多分)。男役声で女言葉の歌詞を歌うのが妙に色っぽくてどきどきします(笑)。
最後、うめちゃんともすれ違い、苛立って革ジャンを脱いで地面に叩きつけるワタさん。Tシャツ姿なのにどう見てもリアル男子。
『君がいるだけで』
暗転の後舞台が明るくなって、さわやかに現れたのはリーマンコス(スーツ姿と言いなさい)のみらん。ちなみにみらんくんはAct1の歌を殆ど知らなかったそうですが、ここでは「持ち歌ですが何か?」という顔で歌っております。
エンディ、ゆーほと現れ歌い継ぎ。このときのみらんくんのダンスがなんと言うか「オシャレ(笑)」と言うか気取ってるんだけど微笑ましい感じで何ともステキです。そしてゆかり。何で君だけ袖まくって着崩してるんだ?(素)
大人っぽくシックなワンピースの女の子たちが登場し、年少さんチームもスーツで登場し、男女組になって踊る。大人モード、みなみちゃんのさらっさらのストレートロングヘアがすごくかわいい。
そこへやはりスーツ姿のワタさん登場。わっと寄っていく女の子、コトコト、みなみ、ゆっち。うめちゃんもワタさんの方を見ているのですが、一緒に踊っていたみらんくんに「どうしたんだよ、オレのこと見てよ」みたいに言われて「やだ、なんでもないのよ」と笑顔で誤魔化す(ここのうめの取り繕い方が、女の子だけど子供時代とは違い大人になったんだなあと言う感じの変化が出てて良いです)。そのときワタさんはうめちゃんを見ていて、みなみに「あの子のところに行かなくていいの?」というように促されるのだけれど「いいんだよ」と言うように強引にみなみの腕を取って踊る。
……と言うストーリーが台詞無しでこんだけわかりやすいってすごいのかもしれない。ちなみに下手の方ではあぶれたエンディとゆーほ君(確か)が男同士で踊ってたり(笑)。最後はうめちゃんはセンターで男役二人に挟まれ(従え)、上手ではみらゆかとなっております(笑)。
『ムーンライト・ダンス』
だけど。満たされない心を表すかのように暗くなる舞台。大人になったうめちゃんが一人取り残されて歌う。男の子たち、あかし、一輝、ともみんが絡むけれど、振り払ってひとり。女の子たちが現れてみんなでコーラス。
最初聞いたときはうめちゃんの歌……と思いましたが、段々上手くなってきたのか聞く方が慣れたのか気にならなくなってきました。佇まいに雰囲気あるからそれだけでいいしねえ。
男の子達の中で一輝くんが一番あっさり振り払われるのがらしいなあと。相手にされてない(失礼)。
『風のLONELY WAY』
うめちゃんをセンターに、大人になったみんなが次々現れては歌う寂寥感。でも、決然と子供時代に別れを告げる前向きさも込めて。エンディ、ゆーほ、そして女の子もコトコトはトレンチコート、大人っぽいです。「別れを選んだ君の勇気悔やまないで」なんて歌詞にくらっと来つつ(苦笑)。
『One more time, One more chance』
エンディ、ゆーほ、みらんと歌い継ぐ中、ワタさんのダンス。ワタさんのソロらしいソロは『少年時代』とこの曲。伸びやかな少年だった前者に対し、ここではやるせなさが何とも。いい歌だし、好きな場面です。
ちなみに関西人の緑野さんは桜木町を知りませんでした(当然)。関東人の私はリアルに目に浮かび、更に、初日以来桜木町と聞くたびにリーマンコスのみらんくんが歌う姿を思い出すようになってしまっております(え、そっち?)(だって歌い方や佇まいに何だか妙に味があってさー)。
とにかくほんと好きです、ここ。
曲の最後、舞台に一人残り、上手奥に頭を抱えて座り込むワタさん。
実は初日、私はここで「この話どうなっちゃうんだ」と手に汗握っておりました。このまま終ったら最初のトレンチコートの男の姿につながるけど、それじゃちょっと寂しすぎるじゃないか。
そしたら。
『ラブストーリーは突然に』
ラジオから聞えるイントロ。はっとしたように顔を上げ、立ち上がり走り出すワタさん。入れ違いに走りこんでくるうめ。お互いに探しているのにすれ違う二人。うっわー、何てベタな展開!(褒めてます)
ここ、下級生たちが入れ替わり立ち替わり歌い、踊るのがまたいいんですよ。二人とか三人次々メンバー代えてのダンスが、スピード感があって曲調に合って格好良く、ドラマチックに盛り上げてます。
ついに巡り合う二人。「いま君の心が動いた」で見つめ合い、「君を誰にも渡さない」でぐっと抱きしめる。うっわー、何てベタ! 少女漫画、いやトレンディドラマ(死語)みたい!(しつこいようですが褒めてます)
最後は笑顔で抱き合い寄り添って。ハッピーエンディング(笑)。
『FOREVER MINE』
舞台にワタさん一人残って。エンディングテーマのように歌います。「絹の雨」と本当に雨の感触を確かめるように遠い目で掌をかざしてみたり、「いつだってあなたを見ていた/いくじなしの黄昏」なんていつになくらしくなく弱気な歌詞を歌ってみたり、結構ここも、何というかいいなあと。
そして、白シャツジーパンで全員登場、みんなで歌う。白シャツジーンズ、みんな似合うなあ。意外と娘役の方が格好よく着こなしてたり。うめちゃんが似合うのは当然として(当然?)、コトコト、みなみ、ゆっちもそれぞれらしく着こなしてた。
幕が下りるときのワタさんの膝を折っての礼がまた何とも。さわやかにほのぼのと幕でした。
ちなみに今回これを書くに当たって↓に大変お世話になりました(笑)。
歌詞検索サービス「歌詞GET」http://www2.kget.jp/
いや、我ながらストーリーに入り込んで見てたんだなあと苦笑。
今回、J-popと言っても30代が聞いてて一番楽しいんじゃないかと言う懐メロで、若い人の感想も気になるところですが、でも、意外と伝わるんじゃないかな、と思ってます。
ここで使われているちょい昔のJ-popは、やさしいから。
易しくて優しい。わかりやすくやさしい旋律と言葉。感情にシンプルに訴える力があるんじゃないかなと。ともすれば陳腐に聞えるけれど、その分「どんな人の人生にも寄り添ってくれる(fromラスパ)」、歌詞の一節を抜き出すだけでタイトルになる、そんな感じ(にしてもフレーズの選択が微妙じゃないか自分?)。
いやま、私は30代後半どっぷり懐かしい世代なのでホントのところはわかりませんが。
そして、その歌にのせて綴られる単純なストーリー、わかりやすい振り付け。
乱暴に言い切ってしまえば、この舞台において歌詞は台詞、ダンスは演技なんだなあと。この『Across』、芝居とショーの2本立てみたいなものかもしれない。
実は、Act1ラストの曲が、『FOREVER MINE』だということには違和感を持っていました。
これだけ、かなり最近の曲。そして、歌詞も、他の割と青春系の歌と違い「くちづけして堕ちて行こう」「溶けていこう僕と/本当の愛の静寂へ」とか、大人っぽいと言うか退廃的と言うか、毛色が違うんですわ。
でも、そのうちに、これは意図的な選曲なんじゃないかと思うようになった。
これは「今」だから。「大人」になってしまったから。(ついでに、ワタさんだけ白シャツジーンズでないのも一人だけ違う存在だからだったりするかもしれない。衣装替えの都合だけじゃなくて)
そしてAct2、大人の色男の魅力満載のステージに続く、と(笑)。
昨日の続き行きます。楽しかったことをだらだら語るのは楽しい(笑)。
『MOON LIGHT BLUES』
女の子たちで明るく楽しく騒いで踊って。でもみんないなくなって一人取り残されるうめ。聞えてくるのはムーディなブルース。
そして3組のカップル。
ここ、男子チームは年少さんで、あかし×コトコト、ともみん×ゆっち、一輝×みなみという組み合わせだったと思うのですが、みんな女の子の方が上級生なんですよね。男の子が背伸びしてる感じが、少年少女の恋って感じが出てます。特に一輝みなみチームが妙に微笑ましい。背伸びしてるんだけど、それを自覚してないでステキな彼女が自慢でしょうがない男の子と、そんな男の子を立ててあげつつ愛しく思ってる女の子、と言う感じで(笑)。
ワタル少年もやってきて少女うめと踊る。このときの「呆れるほどのうぬぼれやさん」の歌詞がねー、ときめくと言うかもうきゅんきゅん来ますよ(笑)。
ここに限らず、全編通して「男の子ってバカでかわいい」という感じが横溢しております。「男の子」と言うのは年齢だけでなく「男っていつまでたっても子供よね」と言うときの苛立ちと諦め、そして愛しさいっぱいの、そんなニュアンス。またそれがリアル男子的な魅力のあるワタさんのキャラに合ってるんだよなー(笑)。宝塚ではあまり見たことが無いような感じで新鮮。外部の男の人が作ったからこその感覚でしょうか。
この『MOON LIGHT BLUES』、歌は出ていない年長さんチーム4人の影コーラス歌い継ぎ(多分)。男役声で女言葉の歌詞を歌うのが妙に色っぽくてどきどきします(笑)。
最後、うめちゃんともすれ違い、苛立って革ジャンを脱いで地面に叩きつけるワタさん。Tシャツ姿なのにどう見てもリアル男子。
『君がいるだけで』
暗転の後舞台が明るくなって、さわやかに現れたのはリーマンコス(スーツ姿と言いなさい)のみらん。ちなみにみらんくんはAct1の歌を殆ど知らなかったそうですが、ここでは「持ち歌ですが何か?」という顔で歌っております。
エンディ、ゆーほと現れ歌い継ぎ。このときのみらんくんのダンスがなんと言うか「オシャレ(笑)」と言うか気取ってるんだけど微笑ましい感じで何ともステキです。そしてゆかり。何で君だけ袖まくって着崩してるんだ?(素)
大人っぽくシックなワンピースの女の子たちが登場し、年少さんチームもスーツで登場し、男女組になって踊る。大人モード、みなみちゃんのさらっさらのストレートロングヘアがすごくかわいい。
そこへやはりスーツ姿のワタさん登場。わっと寄っていく女の子、コトコト、みなみ、ゆっち。うめちゃんもワタさんの方を見ているのですが、一緒に踊っていたみらんくんに「どうしたんだよ、オレのこと見てよ」みたいに言われて「やだ、なんでもないのよ」と笑顔で誤魔化す(ここのうめの取り繕い方が、女の子だけど子供時代とは違い大人になったんだなあと言う感じの変化が出てて良いです)。そのときワタさんはうめちゃんを見ていて、みなみに「あの子のところに行かなくていいの?」というように促されるのだけれど「いいんだよ」と言うように強引にみなみの腕を取って踊る。
……と言うストーリーが台詞無しでこんだけわかりやすいってすごいのかもしれない。ちなみに下手の方ではあぶれたエンディとゆーほ君(確か)が男同士で踊ってたり(笑)。最後はうめちゃんはセンターで男役二人に挟まれ(従え)、上手ではみらゆかとなっております(笑)。
『ムーンライト・ダンス』
だけど。満たされない心を表すかのように暗くなる舞台。大人になったうめちゃんが一人取り残されて歌う。男の子たち、あかし、一輝、ともみんが絡むけれど、振り払ってひとり。女の子たちが現れてみんなでコーラス。
最初聞いたときはうめちゃんの歌……と思いましたが、段々上手くなってきたのか聞く方が慣れたのか気にならなくなってきました。佇まいに雰囲気あるからそれだけでいいしねえ。
男の子達の中で一輝くんが一番あっさり振り払われるのがらしいなあと。相手にされてない(失礼)。
『風のLONELY WAY』
うめちゃんをセンターに、大人になったみんなが次々現れては歌う寂寥感。でも、決然と子供時代に別れを告げる前向きさも込めて。エンディ、ゆーほ、そして女の子もコトコトはトレンチコート、大人っぽいです。「別れを選んだ君の勇気悔やまないで」なんて歌詞にくらっと来つつ(苦笑)。
『One more time, One more chance』
エンディ、ゆーほ、みらんと歌い継ぐ中、ワタさんのダンス。ワタさんのソロらしいソロは『少年時代』とこの曲。伸びやかな少年だった前者に対し、ここではやるせなさが何とも。いい歌だし、好きな場面です。
ちなみに関西人の緑野さんは桜木町を知りませんでした(当然)。関東人の私はリアルに目に浮かび、更に、初日以来桜木町と聞くたびにリーマンコスのみらんくんが歌う姿を思い出すようになってしまっております(え、そっち?)(だって歌い方や佇まいに何だか妙に味があってさー)。
とにかくほんと好きです、ここ。
曲の最後、舞台に一人残り、上手奥に頭を抱えて座り込むワタさん。
実は初日、私はここで「この話どうなっちゃうんだ」と手に汗握っておりました。このまま終ったら最初のトレンチコートの男の姿につながるけど、それじゃちょっと寂しすぎるじゃないか。
そしたら。
『ラブストーリーは突然に』
ラジオから聞えるイントロ。はっとしたように顔を上げ、立ち上がり走り出すワタさん。入れ違いに走りこんでくるうめ。お互いに探しているのにすれ違う二人。うっわー、何てベタな展開!(褒めてます)
ここ、下級生たちが入れ替わり立ち替わり歌い、踊るのがまたいいんですよ。二人とか三人次々メンバー代えてのダンスが、スピード感があって曲調に合って格好良く、ドラマチックに盛り上げてます。
ついに巡り合う二人。「いま君の心が動いた」で見つめ合い、「君を誰にも渡さない」でぐっと抱きしめる。うっわー、何てベタ! 少女漫画、いやトレンディドラマ(死語)みたい!(しつこいようですが褒めてます)
最後は笑顔で抱き合い寄り添って。ハッピーエンディング(笑)。
『FOREVER MINE』
舞台にワタさん一人残って。エンディングテーマのように歌います。「絹の雨」と本当に雨の感触を確かめるように遠い目で掌をかざしてみたり、「いつだってあなたを見ていた/いくじなしの黄昏」なんていつになくらしくなく弱気な歌詞を歌ってみたり、結構ここも、何というかいいなあと。
そして、白シャツジーパンで全員登場、みんなで歌う。白シャツジーンズ、みんな似合うなあ。意外と娘役の方が格好よく着こなしてたり。うめちゃんが似合うのは当然として(当然?)、コトコト、みなみ、ゆっちもそれぞれらしく着こなしてた。
幕が下りるときのワタさんの膝を折っての礼がまた何とも。さわやかにほのぼのと幕でした。
ちなみに今回これを書くに当たって↓に大変お世話になりました(笑)。
歌詞検索サービス「歌詞GET」http://www2.kget.jp/
いや、我ながらストーリーに入り込んで見てたんだなあと苦笑。
今回、J-popと言っても30代が聞いてて一番楽しいんじゃないかと言う懐メロで、若い人の感想も気になるところですが、でも、意外と伝わるんじゃないかな、と思ってます。
ここで使われているちょい昔のJ-popは、やさしいから。
易しくて優しい。わかりやすくやさしい旋律と言葉。感情にシンプルに訴える力があるんじゃないかなと。ともすれば陳腐に聞えるけれど、その分「どんな人の人生にも寄り添ってくれる(fromラスパ)」、歌詞の一節を抜き出すだけでタイトルになる、そんな感じ(にしてもフレーズの選択が微妙じゃないか自分?)。
いやま、私は30代後半どっぷり懐かしい世代なのでホントのところはわかりませんが。
そして、その歌にのせて綴られる単純なストーリー、わかりやすい振り付け。
乱暴に言い切ってしまえば、この舞台において歌詞は台詞、ダンスは演技なんだなあと。この『Across』、芝居とショーの2本立てみたいなものかもしれない。
実は、Act1ラストの曲が、『FOREVER MINE』だということには違和感を持っていました。
これだけ、かなり最近の曲。そして、歌詞も、他の割と青春系の歌と違い「くちづけして堕ちて行こう」「溶けていこう僕と/本当の愛の静寂へ」とか、大人っぽいと言うか退廃的と言うか、毛色が違うんですわ。
でも、そのうちに、これは意図的な選曲なんじゃないかと思うようになった。
これは「今」だから。「大人」になってしまったから。(ついでに、ワタさんだけ白シャツジーンズでないのも一人だけ違う存在だからだったりするかもしれない。衣装替えの都合だけじゃなくて)
そしてAct2、大人の色男の魅力満載のステージに続く、と(笑)。
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