恋愛体質とアンドレ役者。(星組『ベルサイユのばら』)
2006年3月12日 宝塚3/11(土)11時公演見て参りました。また立見。徐々に人が増えているのか、同じ時間帯に行くと段々番号が後になっていく。
今日はタキちゃんモンゼットが妙に張り切ってました。プランタンの退場は「オスカル、フォーッ!」(大劇千秋楽のネタ)だし、ざーますでオスカル衛兵隊転属に驚くところはのけぞって「イナバウアー!」だったし。誰か来てたんでしょうか。
あとアントワネット子役のまりんちゃんが前髪あげてました。いつから?
先週、今週は柚希アンドレ。
感想を一言で言うと、若い。
いやまあ当然なんだけれど、とにかく若い。オスカルを慕う年下の幼なじみという感じ。今宵一夜も、オスカルお姉さまと年下の男の子に見えてしまいました(苦笑)。
勿論、若いのは当然だし、今研8の時点でトウコさんのオスカルを包み込む包容力がなくても当然。これからの成長に期待、と言うところです。
が、もうひとつ思ったのが。
礼音くんって、あんまり恋愛体質じゃない?
ベルナールの時も思ったんですが、何というか「恋愛より大事なことがある」という感じに見えるのですよ。まだまだ彼女よりダチとつるんでいるのが楽しいお年頃というか。デート中も買ったばかりのバイクに夢中と言うか、隣の高校と河原で果たし合いと言うか(意味不明)。
これも若さの現れなのか、それとも礼音くんの個性なのかはまだわからないけれど。
だから、いまひとつアンドレというキャラクタに違和感を感じました。勿論格好はいい、とてもいいので、格好良ければそれでいいところは十二分にできていたのですが。特に銀橋ソロは押しも押されぬスター様で、めちゃくちゃ格好良かった。
でも、それ以外のシーン、特にオスカルとの関係がかみ合っていないように、私には見えました。
小石の場面で、思いのベクトルがオスカル→アンドレじゃおかしいよね。アンドレはただの幼なじみをからかっているのに対し、オスカルが女の子モードで甘えが入っていて、しかもアンドレはそれに気づいていない、ように見えた。今宵一夜も、若い男の征服欲、高嶺の花を手にした喜びが混ざっているように見えてしまった。いや私の目がおかしいのかもしれませんが。
前述の通り、男役としてのキャラが若いからそうなるのか、それとも彼固有の個性なのか、それはわからないけれども。
光と影の影として報われなくても無私の愛に生きる、アンドレというキャラクタにはちょっと似つかわしくないように感じました。新公のフェルゼンの方がニンにあっていた、と言うかフェルゼンの方がずっと格好良く見えた。
が。
アンドレは愛情過多であればいいのかと言うと……どうなんでしょうね?
アンドレと言うキャラクタの役割はオスカルの幼なじみ、影、そして恋人。彼のアイデンティティはオスカルへの愛にある。
特に宝塚のベルばらにおいて、と言うか今回の星・雪公演では、ただひたすらオスカルを思っているだけで具体的な行動の場面がない。フェルゼンが主人公である星はともかく雪でも同じというのはちょっとどうかと思いますが。いや毒殺未遂はあるけど、それ「オスカルのため」じゃないし。
なので、アンドレ役者が愛情に溢れ、ひたすらオスカルを愛していることが観客にも伝わるのは正しいと思う。それがアンドレという役の全てなのだから。
が、それでアンドレという役が魅力的に見えるかと言うと……しつこいですが、どうなんでしょう?
いや、ぶっちゃけ、私の好みじゃないってことなんですけど。
雪大劇、星東宝と、ワタさんとしぃちゃんと言う私の大好きな役者がアンドレをやっているのを見てなお魅力的に思えない、と言うかむしろこんな人いたらうざいかもと思ってしまったあたり、本当に好みじゃないんだなあと。
すみませんすみません。今までアンドレについて語っていたことがこれで全てダイナシに(苦笑)。
まあ私があんまりなのかもしれませんが、愛だけに生きる=他に自分の世界がない男と言うのは、世間一般にどう見えるのだろうと気になるところです。
ワタドレは男らしく熱く熱くオスカルを愛していたし、しぃドレも無条件ベタ甘にオスカルを愛していて、それはアンドレとして正しいのだろうと思うのだけれど。正解=魅力的かどうか首をひねってしまうあたり、アンドレは難しい役なんだろうなあと(基本的に愛情過多は好きだがそれが全てはちょっと困る)。いやいっそさらっと演った方がいいのか?
と言う訳で、個人的な判断ではアンドレを演ってより魅力が生きる人というのはあまり思いつきません。正直、しぃちゃんはベルナールの方が格好いいと思う。礼音くんはアンドレでもベルナールでもなくアランの時が一番格好良かった、出番少ないけど。アンドレ役でも、動揺する衛兵隊士たちを鎮めるところが格好良かったと思うので、やはりアラン。ベルナールは妻帯者にはまだ早いという感じ(笑)。
ワタさんはスターすぎてアンドレの特質である控えめさに違和感があり落ち着かないので(痛?)、個人的好みでは実はフェルゼンの方が好きかも。トウコさんは素晴らしかったけれど、これもトウコさんが上手いということでそれが魅力をひきたてるかというと……。
あ、新公のゆめのせーかちゃんは割と良かったかな。初々しいアンドレで。やはりやりすぎない方がいいということなのか?
役替わり話つながりで、立樹ベルナールの話も少し。
今日の立見は上手でした。おかけで、国王一家救出を告げた後、ロザリーを抱きしめるベルナールの顔が見えました。
とても苦しげな、苦渋の表情をしていた。
ロザリーには確信を持って言い聞かせるように語り「賛成してくれるだろう?」と言っているのに。彼女には見せないところでの、暗く厳しい顔。
理想と希望を託した革命の結果に裏切られ、彼にとって正しいことを為すために革命への裏切りとも見える企てを起こす、その苦渋の末の決意。
それでも、あくまでも愛する妻は安心させてやりたいという思い。
馬鹿だなあ。
ロザリーはちゃんとベルナールの苦しみをわかって、わかった上で支えるつもりでいるのだろうに。
ちなみに、こういう「男って馬鹿だなあ」的シチュエーションは非常に好みです(多分バレバレ)。フィクションなら、ですが。
大劇ではベタ甘愛妻家だったしぃベルナールが、東宝ではラブラブ度は下がり革命家としての面が出ていることが興味深いです。と言うかどっちのバージョンも好きなので両方見られて良かった。こういうことがあるから通わざるを得ないんだよなあ。
あ、でもアンドレ死後の暗転はもうちょっと遅くしてロザリーと近づくとこまで見せてくれると嬉しいんですけど。これは完全に演出の問題ですよね(こまどりが延びた分ですか?)。
ついでに祭りの男Aは今日もキラキラでした。コトコトとうめちゃんに笑いかける顔がまた良くてねえ。アハハッという感じの明るい笑顔。あ、ダンスについては礼音くんが技術的には宝塚屈指のダンサーであるのでそりゃそれよりはアレですが、技術より笑顔というあたりもまたアイドルっぽくてよろしいのではないかと(真顔)。お、怒られる???
何か今回不規則発言が多そうな気がするのでこの辺で撤収。
ちなみに星ベルばらはあと5回見る予定です。ちょっと不本意。でも仕方がない。
今日はタキちゃんモンゼットが妙に張り切ってました。プランタンの退場は「オスカル、フォーッ!」(大劇千秋楽のネタ)だし、ざーますでオスカル衛兵隊転属に驚くところはのけぞって「イナバウアー!」だったし。誰か来てたんでしょうか。
あとアントワネット子役のまりんちゃんが前髪あげてました。いつから?
先週、今週は柚希アンドレ。
感想を一言で言うと、若い。
いやまあ当然なんだけれど、とにかく若い。オスカルを慕う年下の幼なじみという感じ。今宵一夜も、オスカルお姉さまと年下の男の子に見えてしまいました(苦笑)。
勿論、若いのは当然だし、今研8の時点でトウコさんのオスカルを包み込む包容力がなくても当然。これからの成長に期待、と言うところです。
が、もうひとつ思ったのが。
礼音くんって、あんまり恋愛体質じゃない?
ベルナールの時も思ったんですが、何というか「恋愛より大事なことがある」という感じに見えるのですよ。まだまだ彼女よりダチとつるんでいるのが楽しいお年頃というか。デート中も買ったばかりのバイクに夢中と言うか、隣の高校と河原で果たし合いと言うか(意味不明)。
これも若さの現れなのか、それとも礼音くんの個性なのかはまだわからないけれど。
だから、いまひとつアンドレというキャラクタに違和感を感じました。勿論格好はいい、とてもいいので、格好良ければそれでいいところは十二分にできていたのですが。特に銀橋ソロは押しも押されぬスター様で、めちゃくちゃ格好良かった。
でも、それ以外のシーン、特にオスカルとの関係がかみ合っていないように、私には見えました。
小石の場面で、思いのベクトルがオスカル→アンドレじゃおかしいよね。アンドレはただの幼なじみをからかっているのに対し、オスカルが女の子モードで甘えが入っていて、しかもアンドレはそれに気づいていない、ように見えた。今宵一夜も、若い男の征服欲、高嶺の花を手にした喜びが混ざっているように見えてしまった。いや私の目がおかしいのかもしれませんが。
前述の通り、男役としてのキャラが若いからそうなるのか、それとも彼固有の個性なのか、それはわからないけれども。
光と影の影として報われなくても無私の愛に生きる、アンドレというキャラクタにはちょっと似つかわしくないように感じました。新公のフェルゼンの方がニンにあっていた、と言うかフェルゼンの方がずっと格好良く見えた。
が。
アンドレは愛情過多であればいいのかと言うと……どうなんでしょうね?
アンドレと言うキャラクタの役割はオスカルの幼なじみ、影、そして恋人。彼のアイデンティティはオスカルへの愛にある。
特に宝塚のベルばらにおいて、と言うか今回の星・雪公演では、ただひたすらオスカルを思っているだけで具体的な行動の場面がない。フェルゼンが主人公である星はともかく雪でも同じというのはちょっとどうかと思いますが。いや毒殺未遂はあるけど、それ「オスカルのため」じゃないし。
なので、アンドレ役者が愛情に溢れ、ひたすらオスカルを愛していることが観客にも伝わるのは正しいと思う。それがアンドレという役の全てなのだから。
が、それでアンドレという役が魅力的に見えるかと言うと……しつこいですが、どうなんでしょう?
いや、ぶっちゃけ、私の好みじゃないってことなんですけど。
雪大劇、星東宝と、ワタさんとしぃちゃんと言う私の大好きな役者がアンドレをやっているのを見てなお魅力的に思えない、と言うかむしろこんな人いたらうざいかもと思ってしまったあたり、本当に好みじゃないんだなあと。
すみませんすみません。今までアンドレについて語っていたことがこれで全てダイナシに(苦笑)。
まあ私があんまりなのかもしれませんが、愛だけに生きる=他に自分の世界がない男と言うのは、世間一般にどう見えるのだろうと気になるところです。
ワタドレは男らしく熱く熱くオスカルを愛していたし、しぃドレも無条件ベタ甘にオスカルを愛していて、それはアンドレとして正しいのだろうと思うのだけれど。正解=魅力的かどうか首をひねってしまうあたり、アンドレは難しい役なんだろうなあと(基本的に愛情過多は好きだがそれが全てはちょっと困る)。いやいっそさらっと演った方がいいのか?
と言う訳で、個人的な判断ではアンドレを演ってより魅力が生きる人というのはあまり思いつきません。正直、しぃちゃんはベルナールの方が格好いいと思う。礼音くんはアンドレでもベルナールでもなくアランの時が一番格好良かった、出番少ないけど。アンドレ役でも、動揺する衛兵隊士たちを鎮めるところが格好良かったと思うので、やはりアラン。ベルナールは妻帯者にはまだ早いという感じ(笑)。
ワタさんはスターすぎてアンドレの特質である控えめさに違和感があり落ち着かないので(痛?)、個人的好みでは実はフェルゼンの方が好きかも。トウコさんは素晴らしかったけれど、これもトウコさんが上手いということでそれが魅力をひきたてるかというと……。
あ、新公のゆめのせーかちゃんは割と良かったかな。初々しいアンドレで。やはりやりすぎない方がいいということなのか?
役替わり話つながりで、立樹ベルナールの話も少し。
今日の立見は上手でした。おかけで、国王一家救出を告げた後、ロザリーを抱きしめるベルナールの顔が見えました。
とても苦しげな、苦渋の表情をしていた。
ロザリーには確信を持って言い聞かせるように語り「賛成してくれるだろう?」と言っているのに。彼女には見せないところでの、暗く厳しい顔。
理想と希望を託した革命の結果に裏切られ、彼にとって正しいことを為すために革命への裏切りとも見える企てを起こす、その苦渋の末の決意。
それでも、あくまでも愛する妻は安心させてやりたいという思い。
馬鹿だなあ。
ロザリーはちゃんとベルナールの苦しみをわかって、わかった上で支えるつもりでいるのだろうに。
ちなみに、こういう「男って馬鹿だなあ」的シチュエーションは非常に好みです(多分バレバレ)。フィクションなら、ですが。
大劇ではベタ甘愛妻家だったしぃベルナールが、東宝ではラブラブ度は下がり革命家としての面が出ていることが興味深いです。と言うかどっちのバージョンも好きなので両方見られて良かった。こういうことがあるから通わざるを得ないんだよなあ。
あ、でもアンドレ死後の暗転はもうちょっと遅くしてロザリーと近づくとこまで見せてくれると嬉しいんですけど。これは完全に演出の問題ですよね(こまどりが延びた分ですか?)。
ついでに祭りの男Aは今日もキラキラでした。コトコトとうめちゃんに笑いかける顔がまた良くてねえ。アハハッという感じの明るい笑顔。あ、ダンスについては礼音くんが技術的には宝塚屈指のダンサーであるのでそりゃそれよりはアレですが、技術より笑顔というあたりもまたアイドルっぽくてよろしいのではないかと(真顔)。お、怒られる???
何か今回不規則発言が多そうな気がするのでこの辺で撤収。
ちなみに星ベルばらはあと5回見る予定です。ちょっと不本意。でも仕方がない。
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