初心者歓迎。(花組大劇場公演『落陽のパレルモ』『ASIAN WINDS!』)
2005年11月4日 宝塚初日観て参りました。
久しぶりに「一度宝塚を観てみたい」という人におすすめできる公演だなあと。『炎』も『マラケシュ』も大好きだけど、初心者にこれが宝塚と言って自信を持って連れて行けるかと言うと疑問符が付くもんなあ。
芝居『落陽のパレルモ』は一大歴史ラブロマンスでした。
身分違いの恋、革命、教会での逢引に嵐の夜の逢瀬、軍服とドレス。
宝塚で見たいもの、世間様が宝塚に期待するものがこれでもかとてんこ盛り。
話も破綻せずちゃんとまとまってるし(それを特筆せねばならないあたり昨今の芝居のレベルが……)。
ご馳走様でした。さすが植田景子先生。
正直、ちょっと「歴史・革命」部分と「恋愛」部分のバランスが悪いような気はしたんですが。
背景であるはずのシチリアの歴史の描写が重いので、メインストーリーである主人公カップルの恋愛物語の影が薄くなり、ラストに「え?それでいいの?」と肩すかし感が残ってしまう。村の反乱の場面が迫力で深刻で(ここキムシンを髣髴とさせる演出でした。ちょっとオギーも入ってる?)。
でも、このバランスは演技次第で補正できる範囲かなと言う気もしているので、暫くたってからまた観たいです。
ヴィットリオ=オサさんは格好よかったです(初日は格好つけて軍服のマントを風になびかせ階段を下りるときコケかけましたが←言うな)。アンリエッタ=ふーちゃんは黒髪が似合いますね。
ロドリーゴ=まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じ。これから良くなるんじゃないかなと。そしてロドリーゴと言うキャラはもしかしたら私好みかもしれない……。
ニコラ=らんとむ、格好よかった。ルチア=一花ちゃんへのいいお兄ちゃんぶりがステキ。
あとアンリエッタの妹マチルダ=彩音ちゃん、可愛いかったー! 本当に清らかで真っ白なお姫様。
1860年代がメインの舞台で、それと1940年代、第2時大戦下の子孫の、二つの障害多き恋物語が対比して描かれる筋立て。現代の恋人達はヴィットリオ.F=ゆみこちゃんとジュディッタ=あすかちゃん。この二人がまたラブラブで素敵でした。ヴィットリオ.Fのお育ちの良いお坊ちゃまっぷりが可愛いです。
衣装もセットも美しい。19世紀のドレスや軍服、貴族達の服装の豪華さは言うまでも無いけれど、20世紀もセンスよく美しかった。ジュディッタの白いワンピースとか、すごくお洒落。
そして、イタリアフェチとしても凄く嬉しかった。
うわー、これがイタリアだよ!
いや、私は平均的日本人よりはイタリア好きなだけで特に知識がある訳ではないのですが。でも、色々な映画、オペラの舞台、そして写真で見たり実際行った風景を思い出すよ。
貴族の屋敷、教会、広場の操り人形劇、村祭り。
歴史背景もとってつけたようではなくきちんと押さえられているし。
……こんなのやったらつい最近の某作品の似非イタリアっぽさがばれちゃうじゃないですか、いいんですか?
音楽もどこかで耳にしたような曲が多く雰囲気を盛り上げています。景子先生のこだわりを感じる。
最後のワルツは『ドン・カルロ』のヴェールの歌だったような気がするんですが確信がありません。誰か教えていだたけると嬉しいです。
ショー『ASIAN WINDS!』も楽しかったです。
中国の水の場面が、照明も工夫されていて美しい舞台でした。
あとコリアン幻想。ここのゆみこちゃんが好き。最初ちょっと悪い今時の若者っぽく出てくるのだけれど、通りすがりの老夫婦のオルゴールのメロディに立ち止まるの。この、実はいい人な感じがいいなあと。
サンパギータのまとぷんも良かった。海軍系の制服、似合うよねー。
あとは何と言っても服部良一メドレー。楽しかった。
まとぶんの『青い山脈』とか、ゆみこちゃんときほちゃんの『一杯の珈琲から』とか、みわまつそのみつるりせまめ6人でキザリまくる『山寺の和尚さん』とか、すげー楽しかったです。
何か今回、ここに限らずみんな気合入りまくり客席釣りまくりだったような気がするんですが……みわっちなんか何度目が合ったことか。1階A席のオペラ越しとは言え(笑)。いや楽しくていいけど。
らんとむの『東京の空の下』、その昭和ハンサムぶりが圧巻。今時「アベック」なんて言葉を違和感無く言える男、なかなかいないよ?(笑) あすかちゃんの『銀座カンカン娘』も超キュート! カンカン娘あすかちゃんに足蹴にされるらんとむ君が素敵です。
オサ様の『東京ブギウギ』もど迫力で楽しかったし(笑)。
全体的にメロディアスな曲が多くて、歌手揃いの花組さんに合ったショーじゃないかなあと。
最初の頭に羽根つけた衣装(ピクミン風)とエイサーはちょい微妙かもしれませんが、最後は黒燕尾だし、こちらも初心者さんにおすすめできるショーではないかと。
但し、ひとつ不満が。
何故二番手羽を誰にも背負わせないのか?
私は一ファン一観客として「これぞタカラヅカ!」らしいものが見たい。大きい羽根を背負った人がにこやかにお辞儀しておおーっとなったと思ったら、更に大きくてゴージャスな羽根が出てくる、と言う光景が見たい。銀橋で挨拶しあうトップと二番手にはどちらもでかい羽根を背負っていてほしい。そしてそういう、どーんと派手でゴージャスなものを、宝塚を初めて見る人にも見てほしい。
せっかく、初心者に自信を持っておすすめできる公演なのに、勿体無い。
番手とか劇団の都合とかは知らない。あくまでも一観客として、思ったこと。
とりあえず、初日感想でした。
詳しくはまたそのうちに。
久しぶりに「一度宝塚を観てみたい」という人におすすめできる公演だなあと。『炎』も『マラケシュ』も大好きだけど、初心者にこれが宝塚と言って自信を持って連れて行けるかと言うと疑問符が付くもんなあ。
芝居『落陽のパレルモ』は一大歴史ラブロマンスでした。
身分違いの恋、革命、教会での逢引に嵐の夜の逢瀬、軍服とドレス。
宝塚で見たいもの、世間様が宝塚に期待するものがこれでもかとてんこ盛り。
話も破綻せずちゃんとまとまってるし(それを特筆せねばならないあたり昨今の芝居のレベルが……)。
ご馳走様でした。さすが植田景子先生。
正直、ちょっと「歴史・革命」部分と「恋愛」部分のバランスが悪いような気はしたんですが。
背景であるはずのシチリアの歴史の描写が重いので、メインストーリーである主人公カップルの恋愛物語の影が薄くなり、ラストに「え?それでいいの?」と肩すかし感が残ってしまう。村の反乱の場面が迫力で深刻で(ここキムシンを髣髴とさせる演出でした。ちょっとオギーも入ってる?)。
でも、このバランスは演技次第で補正できる範囲かなと言う気もしているので、暫くたってからまた観たいです。
ヴィットリオ=オサさんは格好よかったです(初日は格好つけて軍服のマントを風になびかせ階段を下りるときコケかけましたが←言うな)。アンリエッタ=ふーちゃんは黒髪が似合いますね。
ロドリーゴ=まとぶんはまだまだいっぱいいっぱいと言う感じ。これから良くなるんじゃないかなと。そしてロドリーゴと言うキャラはもしかしたら私好みかもしれない……。
ニコラ=らんとむ、格好よかった。ルチア=一花ちゃんへのいいお兄ちゃんぶりがステキ。
あとアンリエッタの妹マチルダ=彩音ちゃん、可愛いかったー! 本当に清らかで真っ白なお姫様。
1860年代がメインの舞台で、それと1940年代、第2時大戦下の子孫の、二つの障害多き恋物語が対比して描かれる筋立て。現代の恋人達はヴィットリオ.F=ゆみこちゃんとジュディッタ=あすかちゃん。この二人がまたラブラブで素敵でした。ヴィットリオ.Fのお育ちの良いお坊ちゃまっぷりが可愛いです。
衣装もセットも美しい。19世紀のドレスや軍服、貴族達の服装の豪華さは言うまでも無いけれど、20世紀もセンスよく美しかった。ジュディッタの白いワンピースとか、すごくお洒落。
そして、イタリアフェチとしても凄く嬉しかった。
うわー、これがイタリアだよ!
いや、私は平均的日本人よりはイタリア好きなだけで特に知識がある訳ではないのですが。でも、色々な映画、オペラの舞台、そして写真で見たり実際行った風景を思い出すよ。
貴族の屋敷、教会、広場の操り人形劇、村祭り。
歴史背景もとってつけたようではなくきちんと押さえられているし。
……こんなのやったらつい最近の某作品の似非イタリアっぽさがばれちゃうじゃないですか、いいんですか?
音楽もどこかで耳にしたような曲が多く雰囲気を盛り上げています。景子先生のこだわりを感じる。
最後のワルツは『ドン・カルロ』のヴェールの歌だったような気がするんですが確信がありません。誰か教えていだたけると嬉しいです。
ショー『ASIAN WINDS!』も楽しかったです。
中国の水の場面が、照明も工夫されていて美しい舞台でした。
あとコリアン幻想。ここのゆみこちゃんが好き。最初ちょっと悪い今時の若者っぽく出てくるのだけれど、通りすがりの老夫婦のオルゴールのメロディに立ち止まるの。この、実はいい人な感じがいいなあと。
サンパギータのまとぷんも良かった。海軍系の制服、似合うよねー。
あとは何と言っても服部良一メドレー。楽しかった。
まとぶんの『青い山脈』とか、ゆみこちゃんときほちゃんの『一杯の珈琲から』とか、みわまつそのみつるりせまめ6人でキザリまくる『山寺の和尚さん』とか、すげー楽しかったです。
何か今回、ここに限らずみんな気合入りまくり客席釣りまくりだったような気がするんですが……みわっちなんか何度目が合ったことか。1階A席のオペラ越しとは言え(笑)。いや楽しくていいけど。
らんとむの『東京の空の下』、その昭和ハンサムぶりが圧巻。今時「アベック」なんて言葉を違和感無く言える男、なかなかいないよ?(笑) あすかちゃんの『銀座カンカン娘』も超キュート! カンカン娘あすかちゃんに足蹴にされるらんとむ君が素敵です。
オサ様の『東京ブギウギ』もど迫力で楽しかったし(笑)。
全体的にメロディアスな曲が多くて、歌手揃いの花組さんに合ったショーじゃないかなあと。
最初の頭に羽根つけた衣装(ピクミン風)とエイサーはちょい微妙かもしれませんが、最後は黒燕尾だし、こちらも初心者さんにおすすめできるショーではないかと。
但し、ひとつ不満が。
何故二番手羽を誰にも背負わせないのか?
私は一ファン一観客として「これぞタカラヅカ!」らしいものが見たい。大きい羽根を背負った人がにこやかにお辞儀しておおーっとなったと思ったら、更に大きくてゴージャスな羽根が出てくる、と言う光景が見たい。銀橋で挨拶しあうトップと二番手にはどちらもでかい羽根を背負っていてほしい。そしてそういう、どーんと派手でゴージャスなものを、宝塚を初めて見る人にも見てほしい。
せっかく、初心者に自信を持っておすすめできる公演なのに、勿体無い。
番手とか劇団の都合とかは知らない。あくまでも一観客として、思ったこと。
とりあえず、初日感想でした。
詳しくはまたそのうちに。
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