君の笑顔が。(宙組大劇場公演『ネオ・ヴォヤージュ』)
2005年9月19日 宝塚えーと。
誠さんとパクちゃんに、私ともずえさんが土曜日生、日曜ムラ大劇にいたことがネタにされてますが。
いや、私は全然たいしたことないから! 東京では1公演だけでおまけに往復新幹線というヘタレだし、宙も楽前は2公演見たけど楽は家でごろごろしてガイチさんのお見送りも行ってないし!(自慢にならないよ)
ところで本日は宙組千秋楽。ショーの感想行きます。
今回の『ネオ・ヴォヤージュ』。
初日見て、とにかくつまらなくて盛り上がらなくて。2回目からはつまらない理由を考えながら見てました(嫌な客)。
理由1。
客が目を見張るようなシーンがない。
美しい、派手、迫力。理由は何でも。『ドルチェ・ヴィータ!』幕開きの瞬間とか、『エンター・ザ・レビュー』最初の照明がついた瞬間とか。『ドリーム・キングダム』なんて3人競作でインパクトのあるシーンが多すぎた気もするが。とにかくそんな場面。
理由2:シーンの終り方がどれも微妙。
第1景ニュー・ヴォヤージュ。
幕開き、いきなり船乗り=タカコさんとセイレーン=花ちゃん。花總まりのセイレーン、なんて素晴らしいはまり役。そしてセイレーンにいざなわれて迷う船乗りたち。と思ったら途中で曲調が変わり明るく盛り上がる。ところが最後再びセイレーンが現れて、幕。
これは男たちがどう足掻こうと全てはセイレーンの掌の上ってことですか?(チラシには祝福とあるけど、あの氷の魔女ぶりはどう見ても呪い。「心は要らない冷たい身体だけが欲しい」って…)何だかわからないけど暗く盛り下がって終る。
第2景リバー・ランズ・フリー。
ハロウィンも、ナイトメアな終わり方。
タップ。唯一の明るいラスト。が、客の拍手がないと終われないようなつくりに最初からするのはどうなんだろう。いや、必ず拍手は来るだろうけど。
第3景フォルティシモ!
ピアノマンのシーン。これも悪夢で最後は下降系。
第4景ファイナル・ヴォヤージュ。
これはもうフィナーレだし。あ、ここでも銀橋で拍手を強要するようなシーンが。いや拍手するけどね。
全体的に場面と場面の間が暗転でぶつ切りな感じなんだよなあ。拍手待ちのせい?
理由3:全体的に暗い。
ここまで書けば暗いのも道理か。もしかして裏テーマは悪夢?
でも悪夢なら、もっと美しくゴージャスでないと見ても嬉しくない(と理由1に戻る)。
全体的に、衣装や美術のセンスがいまいちな感じ。最初の海賊も、サンバステップが格好よく見えないのは衣装のせいもあるのでは。
その中で私が好きな場面は、実はハロウィン・マジックです。
タニちゃん扮するハロウィンマンが、子供たちと楽しく歌い踊ると思いきや…というシーン。要するにハメルンの笛吹き、残酷なフェアリーテイル。タニちゃんのフェアリーと言うか良くも悪くもピーターパンな魅力が全開。最後振り向いてのウインクも好き。
そして和くんの美少年ぶりにも釘付け(またか)。初日は前髪分けてたのに、後半は下ろしてサラサラ。狙ってるな。
タップの場面は、パーツパーツは楽しいんだけどね。全体通すとちょっと長い。そして、技術を見せようとするせいか、ちょっと地味。中詰?の黒と黄色の勢揃いはやっと華やぐけど。
最初のダークスーツのタカコさんと、クラシカルな黒いスーツに帽子のお花様のデュエットダンスはお洒落で大人の雰囲気があって好きです。銀橋でのタップはタニちゃんがきれいだった。比較的最近やったおかげ?
ロケットもタップ。センターは凪七瑠海くんだけど、これもどうなんだろう。
普通男役をロケットセンターにする場合、一際大きかったリボンバーだったりだよね。でも今回は一人置いて両隣がもっと大きいんですけど。
意図がわからん。
その後がピアノマン=タニちゃんとピアノ魔=ガイチさんを中心とする長いシーン。記憶を失ったピアノマンをいざなうピアノ魔、妖しく歌う女たち。様々な音楽に乗せてピアノマンを翻弄する多国籍風の幻たち。
と、美しい悪夢たりうるシーンなのに。
何かが足りない。
明るいおもちゃ箱のようなセットと工夫の感じられない照明のせいもあると思うんですが。ここって、『ドルチェ・ヴィータ!』のサテリコン(+プロローグ)みたいなノリの場面だよね。だからつい比べちゃう。
あとは、翻弄される役がタニちゃんなせいもあるよなー。
白い衣装のタニちゃんは素晴らしく美青年なんですが。夢魔に翻弄される姿も美しいんですが。
笑うとダイナシ。
一気に霧が晴れてぺかーっと明るい太陽が昇っちゃうよ(特に赤いかわいこちゃん達との場面とか)。
いやそこが好きなんだけど。つーか大好きなんだけど。でもそんな破壊力のある笑顔はダークで耽美な場面で見せちゃいけません。
つまりミスキャスト気味。もずえさんも「タニちゃんは明るい雰囲気が似合うのに今回のショーは暗くて」って言ってたし。どちらかと言うと、ピアノマンをタカコさんにするか、でなければ眉間に皺を寄せて苦悩するガイチさんと、翻弄する小悪魔タニの方が合うんじゃないかと思うんですが。
でも、真っ白なタニちゃんと真っ黒なガイチさんの並びは美しいので、リピートするうちにこれはこれでありになってきました。「愛って何」「わからない」「恋って何」「わからない」のところが特に好き。冷たい微笑を浮かべるピアノ魔と呆然とその腕にもたれかかるピアノマンが。(何だよ結局好きなんじゃないかよ)
あ、ピアノ魔様の鬘は初日は白銀のロン毛に黒いシルクハットでしたが、11,18日は帽子なしボリュームのあるストレートセミロング黒髪に銀ラメ?でした。途中短い銀髪の時もあったそうで。私は初日ver.が好きかな。
翻弄する幻たちも下級生が入れ替わり立ち替わりで楽しいです。早霧せいなくんのチャイナ美女がきれいだけれど恐い。やっぱり男役の女装ってわかるなあ。
そして真打は赤いドレスのるいるい。翻弄っぷりがどんどんすごくなってるよー。タニちゃんとは似合うので来年のラスパでは是非ゼルダを。バウでもサンドやってください。
この後の凶悪な青い鳥が謎。中堅男役&娘役8人で、ダルマでもなく総タイツで「フッ!」と掛声。魅了したいのか笑わせたいのか引かせたいのか、反応に困る……。
そして大階段に男役同士のデュエットダンス、男役群舞、トップコンビデュエットダンスでパレードなんですが。
ガイチさんの出番の少なさに触れずにはいられない。
初日、怪我でもして踊れないのかと疑った。それくらいセンターになる場面がない。タップの途中の黄色い衣装のところくらい?(ここは好きだが) あとエトワールだけ。
デュエットダンスもタカコ&タニ。私はタニちゃんが好きだけど、ここはタカガイにすべきだろう。せっかく退団公演に同期で出てるんだから。
と、不完全燃焼なショーでしたが。
18日の午前公演、プロローグの皆が銀橋を渡るシーン、上手端をオペラでロックオンして次々現れる人を眺めていたら。
満面の笑顔のガイチさんが目に飛び込んできた。楽しくて仕方ないような、お客さんを楽しませたいという気持ちに溢れた、そんなくしゃくしゃの笑顔。
なんだよガイチさんにそんな笑顔見せられたらもう何も言えないよー。
ラストのエトワールでも、旅立ちの歌を満面の笑顔で歌って、お辞儀するときは唇で「ありがとう」と言っていて。
切ない。こんな風に客席を見てくれるのは眩しくて嬉しいけど切ない。
君の笑顔に幸あれ、と祈ったマイ楽でした。
誠さんとパクちゃんに、私ともずえさんが土曜日生、日曜ムラ大劇にいたことがネタにされてますが。
いや、私は全然たいしたことないから! 東京では1公演だけでおまけに往復新幹線というヘタレだし、宙も楽前は2公演見たけど楽は家でごろごろしてガイチさんのお見送りも行ってないし!(自慢にならないよ)
ところで本日は宙組千秋楽。ショーの感想行きます。
今回の『ネオ・ヴォヤージュ』。
初日見て、とにかくつまらなくて盛り上がらなくて。2回目からはつまらない理由を考えながら見てました(嫌な客)。
理由1。
客が目を見張るようなシーンがない。
美しい、派手、迫力。理由は何でも。『ドルチェ・ヴィータ!』幕開きの瞬間とか、『エンター・ザ・レビュー』最初の照明がついた瞬間とか。『ドリーム・キングダム』なんて3人競作でインパクトのあるシーンが多すぎた気もするが。とにかくそんな場面。
理由2:シーンの終り方がどれも微妙。
第1景ニュー・ヴォヤージュ。
幕開き、いきなり船乗り=タカコさんとセイレーン=花ちゃん。花總まりのセイレーン、なんて素晴らしいはまり役。そしてセイレーンにいざなわれて迷う船乗りたち。と思ったら途中で曲調が変わり明るく盛り上がる。ところが最後再びセイレーンが現れて、幕。
これは男たちがどう足掻こうと全てはセイレーンの掌の上ってことですか?(チラシには祝福とあるけど、あの氷の魔女ぶりはどう見ても呪い。「心は要らない冷たい身体だけが欲しい」って…)何だかわからないけど暗く盛り下がって終る。
第2景リバー・ランズ・フリー。
ハロウィンも、ナイトメアな終わり方。
タップ。唯一の明るいラスト。が、客の拍手がないと終われないようなつくりに最初からするのはどうなんだろう。いや、必ず拍手は来るだろうけど。
第3景フォルティシモ!
ピアノマンのシーン。これも悪夢で最後は下降系。
第4景ファイナル・ヴォヤージュ。
これはもうフィナーレだし。あ、ここでも銀橋で拍手を強要するようなシーンが。いや拍手するけどね。
全体的に場面と場面の間が暗転でぶつ切りな感じなんだよなあ。拍手待ちのせい?
理由3:全体的に暗い。
ここまで書けば暗いのも道理か。もしかして裏テーマは悪夢?
でも悪夢なら、もっと美しくゴージャスでないと見ても嬉しくない(と理由1に戻る)。
全体的に、衣装や美術のセンスがいまいちな感じ。最初の海賊も、サンバステップが格好よく見えないのは衣装のせいもあるのでは。
その中で私が好きな場面は、実はハロウィン・マジックです。
タニちゃん扮するハロウィンマンが、子供たちと楽しく歌い踊ると思いきや…というシーン。要するにハメルンの笛吹き、残酷なフェアリーテイル。タニちゃんのフェアリーと言うか良くも悪くもピーターパンな魅力が全開。最後振り向いてのウインクも好き。
そして和くんの美少年ぶりにも釘付け(またか)。初日は前髪分けてたのに、後半は下ろしてサラサラ。狙ってるな。
タップの場面は、パーツパーツは楽しいんだけどね。全体通すとちょっと長い。そして、技術を見せようとするせいか、ちょっと地味。中詰?の黒と黄色の勢揃いはやっと華やぐけど。
最初のダークスーツのタカコさんと、クラシカルな黒いスーツに帽子のお花様のデュエットダンスはお洒落で大人の雰囲気があって好きです。銀橋でのタップはタニちゃんがきれいだった。比較的最近やったおかげ?
ロケットもタップ。センターは凪七瑠海くんだけど、これもどうなんだろう。
普通男役をロケットセンターにする場合、一際大きかったリボンバーだったりだよね。でも今回は一人置いて両隣がもっと大きいんですけど。
意図がわからん。
その後がピアノマン=タニちゃんとピアノ魔=ガイチさんを中心とする長いシーン。記憶を失ったピアノマンをいざなうピアノ魔、妖しく歌う女たち。様々な音楽に乗せてピアノマンを翻弄する多国籍風の幻たち。
と、美しい悪夢たりうるシーンなのに。
何かが足りない。
明るいおもちゃ箱のようなセットと工夫の感じられない照明のせいもあると思うんですが。ここって、『ドルチェ・ヴィータ!』のサテリコン(+プロローグ)みたいなノリの場面だよね。だからつい比べちゃう。
あとは、翻弄される役がタニちゃんなせいもあるよなー。
白い衣装のタニちゃんは素晴らしく美青年なんですが。夢魔に翻弄される姿も美しいんですが。
笑うとダイナシ。
一気に霧が晴れてぺかーっと明るい太陽が昇っちゃうよ(特に赤いかわいこちゃん達との場面とか)。
いやそこが好きなんだけど。つーか大好きなんだけど。でもそんな破壊力のある笑顔はダークで耽美な場面で見せちゃいけません。
つまりミスキャスト気味。もずえさんも「タニちゃんは明るい雰囲気が似合うのに今回のショーは暗くて」って言ってたし。どちらかと言うと、ピアノマンをタカコさんにするか、でなければ眉間に皺を寄せて苦悩するガイチさんと、翻弄する小悪魔タニの方が合うんじゃないかと思うんですが。
でも、真っ白なタニちゃんと真っ黒なガイチさんの並びは美しいので、リピートするうちにこれはこれでありになってきました。「愛って何」「わからない」「恋って何」「わからない」のところが特に好き。冷たい微笑を浮かべるピアノ魔と呆然とその腕にもたれかかるピアノマンが。(何だよ結局好きなんじゃないかよ)
あ、ピアノ魔様の鬘は初日は白銀のロン毛に黒いシルクハットでしたが、11,18日は帽子なしボリュームのあるストレートセミロング黒髪に銀ラメ?でした。途中短い銀髪の時もあったそうで。私は初日ver.が好きかな。
翻弄する幻たちも下級生が入れ替わり立ち替わりで楽しいです。早霧せいなくんのチャイナ美女がきれいだけれど恐い。やっぱり男役の女装ってわかるなあ。
そして真打は赤いドレスのるいるい。翻弄っぷりがどんどんすごくなってるよー。タニちゃんとは似合うので来年のラスパでは是非ゼルダを。バウでもサンドやってください。
この後の凶悪な青い鳥が謎。中堅男役&娘役8人で、ダルマでもなく総タイツで「フッ!」と掛声。魅了したいのか笑わせたいのか引かせたいのか、反応に困る……。
そして大階段に男役同士のデュエットダンス、男役群舞、トップコンビデュエットダンスでパレードなんですが。
ガイチさんの出番の少なさに触れずにはいられない。
初日、怪我でもして踊れないのかと疑った。それくらいセンターになる場面がない。タップの途中の黄色い衣装のところくらい?(ここは好きだが) あとエトワールだけ。
デュエットダンスもタカコ&タニ。私はタニちゃんが好きだけど、ここはタカガイにすべきだろう。せっかく退団公演に同期で出てるんだから。
と、不完全燃焼なショーでしたが。
18日の午前公演、プロローグの皆が銀橋を渡るシーン、上手端をオペラでロックオンして次々現れる人を眺めていたら。
満面の笑顔のガイチさんが目に飛び込んできた。楽しくて仕方ないような、お客さんを楽しませたいという気持ちに溢れた、そんなくしゃくしゃの笑顔。
なんだよガイチさんにそんな笑顔見せられたらもう何も言えないよー。
ラストのエトワールでも、旅立ちの歌を満面の笑顔で歌って、お辞儀するときは唇で「ありがとう」と言っていて。
切ない。こんな風に客席を見てくれるのは眩しくて嬉しいけど切ない。
君の笑顔に幸あれ、と祈ったマイ楽でした。
コメント