本日発売日の『夜叉ヶ池』チケット取りましたー。
ええ、檀れい退団後初舞台です。

と言う訳で、今更ながらに檀ちゃんの話。言い残したことなど、とりとめなく。

『ソウル・オブ・シバ!!』の中詰、ワタさんと檀ちゃんがそれぞれ他の娘役、男役と絡みまくる場面。
千秋楽では、檀ちゃんは絡む若手男役全員とキスしてました。
多分、前楽でもやってた。楽近くの数日はそうだったらしい。
きっと、ラブシーンの機会の無い若手君たちに経験を積ませてあげようということなんだろうと。全員に、自分からキスして回っていました。
受ける方は流石に貫禄負けしてて、ぎこちないから色っぽい場面にまではならないんだけどね(笑)。
でもよかったなあ、この場面に出られた君たち。
それ考えたられおん君もロケットなんかやってる場合じゃなかったよ! ゆかり姐さんもしゅんくんも美女やってる場合じゃないよ! ああ勿体無い!
……檀ちゃんとゆかり君のキスシーン、見たかったな。できればターバンなしで、ドルチェ・ヴィータの美青年の格好がいいな(←話がずれてます)

つーか。
すごいです檀ちゃん。そういうこと考えて、やってくれて、さまになっちゃうトップ娘役っていないよ!!
すごすぎです。まさにすごくてつよい我らの最強娘役。

前に「檀れいを娶ることの怖ろしさ」というテーマで書きかけて、まとまらなくてそのままにしていたことがある。

最初、ライトで浅い宝塚ファン、と言うか湖月わたるファンだった私は、ワタ檀トップコンビを「美人のお嫁さんでよかったなあ」と単純に喜んでいました。劇団出版物のグラビアでも普通にゴージャスな男女カップルに映るのがうっとりで嬉しくて。
『王家に捧ぐ歌』でも、フィナーレの両手に花状態を素直に喜んでいたし。
続く『永遠の祈り』は作品はアレだったけれど一途で健気な村娘、かつ村一番の美女を堪能しました。いや、あんな話でも最後それなりに盛り上げたのはシビさんの名演と問答無用で二人の世界に持ち込んだワタ檀バカップルの力技の賜物だと思います。
『1914/愛』では謎の伯爵夫人の迫力と気品ある美しさと、アデルの夢に向けての爆走ぶりと等身大の一途で健気な恋する娘らしさ。『タカラヅカ絢爛』では何といっても嵐のデュエットダンスの色っぽさと言ったら! 毎回オペラピン撮り。

宝塚にはまるにつれてどんどん組ファンにもなって行った私は、うちのトップコンビは何て素敵なんでしょう!と誇らしかった(檀ちゃんフェアウェルに免じて馬鹿は大目に見てください)。

そして大劇場3作目『花舞う長安/ドルチェ・ヴィータ!』。

あれは確か、『長安』新人公演のとき。
うめちゃんの普通の女の子楊貴妃を可愛い可愛いと愛でながら、頭の裏側で考えていたのは「檀れいの特異性」でした。

檀ちゃんの楊貴妃は、完全あてがき。
それはわかってはいたけれど。既にそれが檀れいなのか楊貴妃なのか、ここまで一体となって不可分とは気づかなかった。
そりゃ、新公楊貴妃のうめちゃんとは、黒いドレスのドルチェ・ヴィータとピンクのワンピースの少女ほどに違う素材だから、余計感じたのかもしれないけれど。でも他の誰がやってもこうはならないだろう。

檀れいの楊貴妃は、魔物だ。
人間じゃなかったんだ、あれ。魔物って言うか、天女でもいい。かぐや姫がいつか月に帰っていくように、人の世につかの間降り立ち人々を幻惑し歴史を動かし、時至って帰っていったんだわ。
で。それって檀ちゃん自身が魔物なんじゃ、と思った瞬間、私の脳裏には「檀れいを娶ることの恐ろしさ」という言葉が浮かんで離れなくなりました。
いや、魔物と言えばドルチェ・ヴィータがそうなんだけど、元々魔物として描かれているドルチェ・ヴィータより、そうでない楊貴妃の魔性の闇の方が私には衝撃で、より深かったと言うことで。

でも。
そう思うと、余計に楽しくなってきました。
魔性の美女を、その闇の部分に気づかずにのろける男。その懐の深さと、ニブさゆえに(笑)。
相手の魔性に気づかず、自分の魔性を識らず、幸福そうな(バ)カップル。真昼の太陽の日差しに殆ど影はなく、でも足元のわずかな影はわだかまって濃い。
なんてね。
「どこから見てもお似合いのカップル」の裏に、魔性の深淵がちらついているというのもそれもまた愉しいかと。

何だかワタ檀礼賛話になってまいりましたが。

魔性云々を抜きにしても、檀れいはピンで立てる娘役で、下手な男役では喰われかねない。実際、ワタさんも時と場合によっては「檀れいの相手役」であったこともあったと思う。正直な話。
それでも、私はワタ檀全肯定だった。檀れいが相手役である恐さ以上に、檀れいが相手役である素晴らしさがあるから。
つーか拮抗した存在感が双方にあった方が面白いじゃん? ベタベタのバカップルであるとともに、拮抗した台頭のパートナーであった方が魅力的じゃん?

そんなところも含めて、リアルな男女カップルのようであったなあと。勿論それは、「男女カップルのよう」という完璧なイリュージョンな訳ですが。生身の、大人の男女関係を表現できる極上のファンタジー。

それぞれ一人でも十分輝ける、でも二人でいるともっと輝く。と言うのが理想的なトップコンビであるならば、ワタ檀は理想的なコンビであったのだろうと思います。
『ソウル・オブ・シバ!!』の紫の中詰はそれを象徴するような場面でした。
藤井君ありがとう。

檀ちゃんがワタさんの相手役で良かった。初めてはまったトップコンビがワタ檀で良かった。
檀ちゃん、今まで宝塚にいてくれてありがとう。
月組トップ娘役で辞めずに、一旦専科に行って、わたるくんの相手役になってくれてありがとう。
そして卒業してからも、オトコマエな美女も、一途な乙女も、魔性の美妃もなんでもござれの多面体の宝石のような美しさを発揮し続けてください。
これからも、見に行きます。

と、まあ、「檀ちゃん大好き」の一言で済む内容をだらだらと語らせていただきました。
本当にあんな人はもう二度と現れないだろうな(勿論、それは誰にでも言えることなのだけれど)。
大好きだった。

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