青山劇場『プロデューサーズ』観て参りました。
ええ、さえちゃんを見るために。
ちなみに立見。立見でも8,000円。12,000円のSS席が大半を占める以上は仕方ないのか。当日立見は普通の時間に行けば十分買えました。隣がいなかったんで結構楽だったし。

さえちゃんはウーラ役。スウェーデン娘という設定で片言で喋るちょっと足りなそうな金髪美女。ゴージャスでブリリアントでビューティフルでグラマラスでダイナマイト、おまけにキュート。動く舞台姿は宣伝写真よりずっと魅力的でした。
すげースタイルの良さ、胸の谷間を強調する衣装とすらりと伸びた脚。ハイヒールなので確実に主役二人よりもでかいぞ。
そして美貌。地顔が派手なのかメイクのせいか「この人だけ外人なんです」と言われても信じそう。
登場シーンの振り付けは太ももばかりかパンツまで、いいいいーんですか?って感じで、歌詞の通り見せまくっております。
が。
その割に、あんまり色っぽくなかったなーと。
開けっぴろげで開放的で、天然だからかな。男の人と絡んでも全然いやらしくない。めちゃくちゃ可愛いけど。
まあ、この作品が井ノ原・長野というジャニーズタレント主演で、観客の多くが彼ら二人のファンの女性、ということを考えると、色気過多でない方がいいのかもしれない(それにあくまでも私の主観なので「十分いやらしかったわよ!」と言う人もいるかもしれない)。そもそもウーラというキャラクターがそういう可愛い天然キャラなんだろうな。
主役の一人、レオと恋に落ちるウーラ。ステロタイプに捉えれば、お色気美女がヘタレ純情青年を誘惑するの図、なのだけれど、何故か二人とも可愛くて初恋の少年少女のようで、微笑ましい。くるくる変わるウーラの表情がまたいいんだよねー。キスした瞬間、毛布(ライナスの毛布)を捨てるレオもツボ(でも後でパニックになるとゴミ箱あさって拾うんだけど)。
声は、あまり高くなくややかすれた感じのセクシーなハスキーボイス。歌は印象が薄かったけれど、ダンスとか、ふとした仕草や身のこなしがキレイだなーと思いました。その辺は流石という感じ。
劇中劇でショースターとして出てくるのがまた迫力美女。ダルマもあるし、アルプスの民族衣装のようなかわいこちゃんルックもあり。
衣装はポスターにもなっている白いセクシーワンピースがメインのようですが、その後もとっかえひっかえ着替えます。私は1幕ラストのゴージャスな赤いドレスと、2幕のトロピカルなワンピースと大きな帽子のキュートな新婚さんが特に好き。

登場までちょっと長いけど、出番も多く見せ場も多く、まずは退団後第一作成功おめでとうと言ってよいのではないかと。このくらい思い切ってイメージチェンジした方がやりやすいのかもしれないし。
しかし、真剣に「男役・彩輝直」のファンだった人はどんな気持ちだろう。キスシーンもばんばんあるし。中性的な持ち味が魅力の人だったから、これはこれでいいのかな。
男役だったとは信じられない見事な美女ぶりでしたが、時折すごく目が利いてて、過去の片鱗を見ました(笑)。

作品自体も楽しめました。
落ち目なのに勝気なプロデューサー、マックスは、真面目だけど弱気な会計士、レオの「失敗したミュージカルの方が儲かる」という言葉に、絶対に大失敗するミュージカルを企画上演しての一儲けを思いつく。コンビを組んだ二人は最悪の台本『春の日のヒトラー』の上演権を手に入れ、最低の演出家ロジャーと契約し、出演者は下手な奴ばかりを集めついでに押しかけ美女ウーラの出番もねじ込み、色ボケのおばあちゃんたちをたらしこんで資金を作る。
ところが初日、批評家たちは「最高の風詩劇」と絶賛。空前の大ヒット、ロングラン。これじゃ資金をごまかしたことがばれてしまう。困り果てたマックスとレオ。そこに台本作家リープキンが「俺は真剣に総統を賛美したのに侮辱した」と銃を持って乱入。警察が来て帳簿が見つかってしまった。逮捕されるマックス、逃げるレオ(とウーラ)。そしてマックスの判決が言い渡される時、現れたレオは……。

毒と風刺をちりばめたスラップスティックなコメディ。
が、何故今の日本でこのキャストでやるのか?と言う疑問は最後までひっかかりました。
主演はジャニーズの二人ということはライトなミュージカルファン向けですよね。でもこれはブロードウェイに対する毒や風刺が満載の作品。ナチスの扱いもブラック。来日版は見ていないので断言はできないけれど、そういうものにくすりと笑える人向けの演目じゃないのかなあ。
まあ主役二人を中心に、笑ってちょっとほろりとさせるドタバタ友情コメディとしても十分楽しめましたが。私としては少々おさまりが悪かったです

配役別に少し。

マックス・ビアリストック=井ノ原快彦、レオ・ブルーム=長野博
この二人に思い入れがあれば、もっと楽しく見ることができるんだろうなと思います。強気で傲慢ででもダメダメなプロデューサーと、プロデューサーになることが夢だったヘタレで弱気な会計士。デコボココンビが同じ目的のために奔走するうちに友情が芽生えて、というお話なので。二人のコンビっぷり、ボケツッコミお笑いなやりとりは楽しかったです。最後の友情シーンも多少唐突ながら熱演で説得力あったし。
最後、やっとプロデューサー帽をレオに渡したマックス。にやっと笑うマックスとふにゃっと笑うレオにほのぼのしました。
レオのような役の方が若い子にはやりやすいのかな。ナチュラルに見られる。マックスは髭とオールバックでガンガン歌い踊るオープニングがちょっといっぱいいっぱいな感じだなあと。でも見ているうちに段々ノってきて(こっちが慣れた?)刑務所のソロは迫力があって良かった。

ロジャー・デ・ブリー=藤木孝、カルメン・ギア=岡幸二郎
上手ーいっ!
格が違う感じ。この二人中心の場面になると「ミュージカルだー」って気分になります。特に岡さんの歌! 素晴らしい!
役どころは、ゲイのプロデューサーとその助手兼恋人。ロジャーは最初ゴージャスなイヴニングドレスで登場。似合う…と言って良いか迷いますが、堂々たるもんです。カルメンは終始身体にぴったりした黒っぽい衣装でくねくね。手だけ残してドアに消えるところ、下手席から見たかった。
急な代役で舞台に立つロジャーにカルメンが「ゲイの女王様からノンケのスターになるのよっ!」と真剣に励ますのが笑えるけど愛だ。でも結果ゲイにしか見えなくてそれがウケる展開だけど。
スタッフの皆さんも実にいい感じでした。特にジャンプしまくる振付家と、レズと思しき少年風女性が(彼女は1幕ラストウーラに釘付けで笑った。ウーラは気にも留めず)。

あと、出資者のおばあちゃんに松金よね子、台本作家リープキンに桑野信義。
全体的に見るとマックスとレオVS奇人変人軍団という感じなのですが、さえちゃんウーラもしっかり変人側なのがすごかったです(笑)。

劇場入口付近の柱に感想や出演者へのメッセージを書き込めるようで。殆ど主演二人宛てで、あと岡さんとさえちゃんに一つくらいずつ。
が、その中に「ナチスの金髪の人カッコイイ! テノールに惚れました!」と書いてあって激しく同感。あの人いい声だった。
と言う訳で、劇中劇で目立っていた金髪のお兄ちゃんが何者かご存知の方は教えてください。こんなとこで聞いても無駄だとは思うけど。

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