さよならマラケシュ。
2005年8月24日 宝塚今日は博多座『マラケシュ』の千秋楽。
8/20,21と見て。
芝居の3回目が終わるとき、ものすごい喪失感があった。
20日昼公演は、I列センター。21日昼は3F立見、夜はE列下手サブセン(何と友会で当たった)。
最後が一番いい席というのは、却って未練になる。もっと見たいと思ってしまう。
3回目でやっと、物語の世界に入り込めたせいもある。博多座マラケシュは情報量が多く、また、つい頭の中でムラ版との比較をしてしまうせいで、消化するまでそのくらいかかってしまった。
でもまあ、それで良かったのかもしれない。
通い出したら切りが無い。4回見れば満足するはずもなく、見れば見るほどもっともっと見たくなっていたろう。
もっと見たいと思ったときに終わりで、良かった、と言うことにしておこう。
まあ、また、すっぱい葡萄の論理かもしれないけど。
それに、もっとリピートしていたら、みつるくんに落ちていたかもしれないし。
ほら、芝居見て「この人(役)何考えてるんだろう」と気になって注視して、結果本人に嵌る、と言うパターンが今までにあったもので。(『1914』シャガール、『長安』楊国忠でのしぃちゃん。中日『王家』ケペルでの恵斗くん)
あ、いや、みつるくんがダメだって訳じゃないですよ? でもこれ以上誰かに嵌ったら大変じゃないですか(半笑)。
と言う訳で。
さようなら、私の『マラケシュ』。
勿論、観に行った方のご報告、楽しみにしております(笑)。
***
これだけで終わるのも何なので。
はなはなマロンさんが連載小説を始めていらっしゃいますが、花を売るリュドヴィーク、と言う設定?は、博多座開演前に友人の友人からも聞いておりました。まあご婦人方に、って話でしたけどね。
この友人と言うのは東京の人間で、なのに博多で久々に再会すると言う……日本って狭いよな(笑)。
それはさておき、その話を(「だからオリガには「貴方が買う?」って言って売らなかったのよ!」と注釈つきで)聞いた私は思いましたよ。
すげーこと考えるなあ。その場面吹いちゃうかもしれないよ。
だがしかし。
石の薔薇を珍しいものではないと言われて「でも、きれい」と見惚れるオリガ。
リュドヴィークは言う。
「そう、だから高く売れる。みんな騙される」
この「みんな騙される」の、やけに明るい、捨て鉢のような調子が耳に響いて。
そうか、みんな騙されてるんだ。彼の美貌や人当たりのよさ、如才なさに。
少なくともリュドヴィーク自身はそう思っているんだ。本当は価値の無い石ころである自分の真の姿を誰も知らずに、自分に惹かれているんだ、って。
多分、それは行きずりの相手だけでなく、ある程度親しくしている人たちについても同じことで。
もしかしたら、そうじゃない人もいるかもしれないのに。
でもそれは、彼の目にはそう映らない、彼の心には届かないんだ。
そう思うと。
「みんな騙される」と笑い飛ばすリュドヴィークが、すごく痛くて、痛々しくて。
思いもかけず、掴まれるシーンになってしまいました。
8/20,21と見て。
芝居の3回目が終わるとき、ものすごい喪失感があった。
20日昼公演は、I列センター。21日昼は3F立見、夜はE列下手サブセン(何と友会で当たった)。
最後が一番いい席というのは、却って未練になる。もっと見たいと思ってしまう。
3回目でやっと、物語の世界に入り込めたせいもある。博多座マラケシュは情報量が多く、また、つい頭の中でムラ版との比較をしてしまうせいで、消化するまでそのくらいかかってしまった。
でもまあ、それで良かったのかもしれない。
通い出したら切りが無い。4回見れば満足するはずもなく、見れば見るほどもっともっと見たくなっていたろう。
もっと見たいと思ったときに終わりで、良かった、と言うことにしておこう。
まあ、また、すっぱい葡萄の論理かもしれないけど。
それに、もっとリピートしていたら、みつるくんに落ちていたかもしれないし。
ほら、芝居見て「この人(役)何考えてるんだろう」と気になって注視して、結果本人に嵌る、と言うパターンが今までにあったもので。(『1914』シャガール、『長安』楊国忠でのしぃちゃん。中日『王家』ケペルでの恵斗くん)
あ、いや、みつるくんがダメだって訳じゃないですよ? でもこれ以上誰かに嵌ったら大変じゃないですか(半笑)。
と言う訳で。
さようなら、私の『マラケシュ』。
勿論、観に行った方のご報告、楽しみにしております(笑)。
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これだけで終わるのも何なので。
はなはなマロンさんが連載小説を始めていらっしゃいますが、花を売るリュドヴィーク、と言う設定?は、博多座開演前に友人の友人からも聞いておりました。まあご婦人方に、って話でしたけどね。
この友人と言うのは東京の人間で、なのに博多で久々に再会すると言う……日本って狭いよな(笑)。
それはさておき、その話を(「だからオリガには「貴方が買う?」って言って売らなかったのよ!」と注釈つきで)聞いた私は思いましたよ。
すげーこと考えるなあ。その場面吹いちゃうかもしれないよ。
だがしかし。
石の薔薇を珍しいものではないと言われて「でも、きれい」と見惚れるオリガ。
リュドヴィークは言う。
「そう、だから高く売れる。みんな騙される」
この「みんな騙される」の、やけに明るい、捨て鉢のような調子が耳に響いて。
そうか、みんな騙されてるんだ。彼の美貌や人当たりのよさ、如才なさに。
少なくともリュドヴィーク自身はそう思っているんだ。本当は価値の無い石ころである自分の真の姿を誰も知らずに、自分に惹かれているんだ、って。
多分、それは行きずりの相手だけでなく、ある程度親しくしている人たちについても同じことで。
もしかしたら、そうじゃない人もいるかもしれないのに。
でもそれは、彼の目にはそう映らない、彼の心には届かないんだ。
そう思うと。
「みんな騙される」と笑い飛ばすリュドヴィークが、すごく痛くて、痛々しくて。
思いもかけず、掴まれるシーンになってしまいました。
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