ぬるい。(雪組大劇場公演『霧のミラノ』)
2005年7月24日 宝塚さて、芝居『霧のミラノ』。
どうにももどかしい作品でした。
何と言うか、足りない。
脚本も演出も役者も、全体的に少しずつ足りない。
恋愛も友情もレジスタンスも、全てがぬるい。ぬるすぎる。
時は1850年代、オーストリア支配下のミラノ。主人公・ロレンツォ(朝海ひかる)は貴族の家柄だが財産を没収され市役所で働く、飄々としてとらえどころのない男。しかし実はレジスタンスの幹部という真の顔を持つ。
そんなロレンツォと、彼を愛する名家の娘フランチェスカ(舞風りら)、旧友ジャンバティスタ(水夏希)、そして敵でありながら彼に友情を感じるオーストリア将校カールハインツ(貴城けい)、らの織り成す物語。
激動する時代、愛し合う男女、愛国心と地下活動、敵味方を越えた友情。
そしてドレスとフロックコートと軍服のコスチュームプレイ。
勿体無い。
題材としてはすごく魅力的で、いくらでも面白くなりそうなのに。
だからこそ、つまらないのがもどかしい。
エピソードや描写が足りていないのに、登場人物たちは台詞や歌詞で唐突に盛り上がっていたりするんだな。
カールハインツ、「しなやかにしたたかに」「男の豊かな顔」って、あのやりとりでそこまで過大評価するって、勝手にドリーム抱いてませんかー?
ロレンツォ、「フランチェスカ、どんなに君に渇いていたか!」って、いつの間に君たちそれほどの仲になったんだー!
てな感じで自己完結で盛り上がられて、観客置いてきぼりです。
ストーリー全体的に盛り上がらなくて話に入れなくて、隔靴掻痒、と言う感じでした。
そう言えば『飛鳥夕映え』の時も言ったような気がする、隔靴掻痒って。
脚本はどちらも柴田氏ですか。
そして今回の演出は平板な作風が特徴の中村暁氏。
そーゆーことですか。
それでも『飛鳥』は最後それなりに緊迫して盛り上がったんだけどな。
こっちのラストは……悪いけど口をあんぐりと開けてしまった。大劇場芝居が3作連続で「え?これで終わり?」って観客置き去り呆然として幕が下りるのはどうなんだろう(いや呆然の意味はそれぞれ違うけど)。
いや、期待しすぎたのが悪いのかもしれないと思うよ。
でも『霧のミラノ』というタイトルで、解説には「耽美的ながら混乱したミラノ」とあって、それを美形揃いの雪組でやるとなれば、重厚で美しい歴史ロマンを期待しても仕方ないよね……。
と言うのが、初見の感想。
約2週間たった2回目は、大分見やすくなってました。
もしかしたら作品に慣れただけかもしれないし、前回は2階席だったのに比べて今回は1階9列サブセンで臨場感が違ったからかもしれないけれど。
でもやっぱり、役者の力で底上げされつつあるんだと思う。
脚本と演出は変わらないもんな。
改善されたと思うのは、特にラブストーリーの部分。
まあ、恋愛ものは、主役二人がお互いを愛してるオーラを出してくれれば、あまり書き込まれてなくても納得してしまうものなので。
演技自体も変わってるんだと思います。最初、うわーキャラに合ってないわざとらしいー、と思ったロレンツォの「好きだー!」も、絶叫ではなく力強く「好きだ!」と伝えるように落ち着いてきてました。
が、「敵味方の友情」「レジスタンス」は、やはり役者の努力だけではまだ足りない。
ぬるい。
でも、こむまーはラブラブだし、かしげちゃんは美形でお貴族様で軍服姿だし、水くんは陽気で友情に厚いいい奴で、加えていずるんとのやたらと色っぽいラブシーンはあるし、人とキャラを見ていればそれなりに楽しめるなあ。
と、思った2回目観劇でした。
……少なくとも『長崎』と比べると百万倍くらいうらやましいです(小声)。
字数足りないんで続きは次項に分割。
どうにももどかしい作品でした。
何と言うか、足りない。
脚本も演出も役者も、全体的に少しずつ足りない。
恋愛も友情もレジスタンスも、全てがぬるい。ぬるすぎる。
時は1850年代、オーストリア支配下のミラノ。主人公・ロレンツォ(朝海ひかる)は貴族の家柄だが財産を没収され市役所で働く、飄々としてとらえどころのない男。しかし実はレジスタンスの幹部という真の顔を持つ。
そんなロレンツォと、彼を愛する名家の娘フランチェスカ(舞風りら)、旧友ジャンバティスタ(水夏希)、そして敵でありながら彼に友情を感じるオーストリア将校カールハインツ(貴城けい)、らの織り成す物語。
激動する時代、愛し合う男女、愛国心と地下活動、敵味方を越えた友情。
そしてドレスとフロックコートと軍服のコスチュームプレイ。
勿体無い。
題材としてはすごく魅力的で、いくらでも面白くなりそうなのに。
だからこそ、つまらないのがもどかしい。
エピソードや描写が足りていないのに、登場人物たちは台詞や歌詞で唐突に盛り上がっていたりするんだな。
カールハインツ、「しなやかにしたたかに」「男の豊かな顔」って、あのやりとりでそこまで過大評価するって、勝手にドリーム抱いてませんかー?
ロレンツォ、「フランチェスカ、どんなに君に渇いていたか!」って、いつの間に君たちそれほどの仲になったんだー!
てな感じで自己完結で盛り上がられて、観客置いてきぼりです。
ストーリー全体的に盛り上がらなくて話に入れなくて、隔靴掻痒、と言う感じでした。
そう言えば『飛鳥夕映え』の時も言ったような気がする、隔靴掻痒って。
脚本はどちらも柴田氏ですか。
そして今回の演出は平板な作風が特徴の中村暁氏。
そーゆーことですか。
それでも『飛鳥』は最後それなりに緊迫して盛り上がったんだけどな。
こっちのラストは……悪いけど口をあんぐりと開けてしまった。大劇場芝居が3作連続で「え?これで終わり?」って観客置き去り呆然として幕が下りるのはどうなんだろう(いや呆然の意味はそれぞれ違うけど)。
いや、期待しすぎたのが悪いのかもしれないと思うよ。
でも『霧のミラノ』というタイトルで、解説には「耽美的ながら混乱したミラノ」とあって、それを美形揃いの雪組でやるとなれば、重厚で美しい歴史ロマンを期待しても仕方ないよね……。
と言うのが、初見の感想。
約2週間たった2回目は、大分見やすくなってました。
もしかしたら作品に慣れただけかもしれないし、前回は2階席だったのに比べて今回は1階9列サブセンで臨場感が違ったからかもしれないけれど。
でもやっぱり、役者の力で底上げされつつあるんだと思う。
脚本と演出は変わらないもんな。
改善されたと思うのは、特にラブストーリーの部分。
まあ、恋愛ものは、主役二人がお互いを愛してるオーラを出してくれれば、あまり書き込まれてなくても納得してしまうものなので。
演技自体も変わってるんだと思います。最初、うわーキャラに合ってないわざとらしいー、と思ったロレンツォの「好きだー!」も、絶叫ではなく力強く「好きだ!」と伝えるように落ち着いてきてました。
が、「敵味方の友情」「レジスタンス」は、やはり役者の努力だけではまだ足りない。
ぬるい。
でも、こむまーはラブラブだし、かしげちゃんは美形でお貴族様で軍服姿だし、水くんは陽気で友情に厚いいい奴で、加えていずるんとのやたらと色っぽいラブシーンはあるし、人とキャラを見ていればそれなりに楽しめるなあ。
と、思った2回目観劇でした。
……少なくとも『長崎』と比べると百万倍くらいうらやましいです(小声)。
字数足りないんで続きは次項に分割。
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