サヨナラの儀式(星組大劇千秋楽)
2005年6月20日 宝塚ムラで一日過ごして家に帰ると、ここがどこだかわからなくなります。夢の国からまだ戻りきれてないよ。
何はともあれ、千秋楽。
色々あって記憶がぼろぼろですが、まずはサヨナラショー。
間違っているところが多々あると思います。雪・月組時代の曲は全然知らないので、後でわかったら訂正・追記します。
幕が開くと大階段に檀れい一人。赤いドレスの上から、楊貴妃の衣装の薄物を羽織った姿で、中国語の歌。
階段を下りて薄物を脱ぎ去り「それはファラオの娘だから」。娘役選抜メンバーと。取り囲む娘役は皆黒いドレス。うめ・となみが対。うめちゃんは大劇・東宝も中日も女官としてアムネリス様にお仕えしていたなあ。
続いて『ドルチェ・ヴィータ!』から、大階段のスパニッシュの曲「La Pioggia」。娘役勢揃い、檀ちゃんを挟んでうめ・かのちかだった場面、ちかちゃんのかわりにとなみちゃんで。
娘役たちがはけて、代わりに登場した黒燕尾のまとぶんとデュエット。ここも知らない曲。最後、まとぶんが檀ちゃんの手を取り甲に口付けていたのが印象的でした。実はこの二人で『椿姫』やったらはまるだろうなーと思っていた私としては、その片鱗を見せてもらったようで。
次いで、しぃ・すずみん・れおんを中心とした男役群舞を従えて。ここ、しぃちゃんが登場して檀ちゃんと二人オペラに収まる位置関係だったのでそのままオペラを覗いていたら、気がついたら勢揃いになってました(しぃちゃんの優しい笑顔に見とれてたらしいですよこの人)。
曲名は知らない、パワフルな歌。そして本舞台に男役たちを残したまま、ひとり銀橋で歌う檀ちゃん。
一旦檀ちゃんは去り、雰囲気が変わって『タカラヅカ絢爛』主題歌。嶺、仙堂、大河、美琴の退団者4人。紫のスーツ&ドレスで銀橋渡り。
うわーすごいうれしい! このショー大好きだったし、この歌も大好きだし、4人が楽しそうだし! 藤井君ありがとー!(私的泣き笑いの第一波)
本舞台に檀ちゃんが、先ほどとは違う赤いドレスで現れる。コート風の、ヴェルヴェットの質感のドレス。
トド様とデュエット。これも曲名知らず。
トド様と入れ替わりにとうこさん。『うたかたの恋』。
そして登場するのは、相手役・湖月わたる。
手を取り合い歌うのは『風と共に去りぬ』から「二つの手」。
初めて相手役として共演した作品の歌。この手を離さないで、と夫婦愛の歌。
初めての歌、最後のステージ、最後のデュエット。
ラストソングは「あなたに会いたい」。
ミュージックサロン『Dan’ke schon!』のために河村隆一が書き下ろし、最後に歌われた曲。
もう行かなくちゃ、という歌。もう一度あなたに会いたい、という歌。
ひとり、白いドレスで。
そして黒燕尾の男役、黒いドレスの娘役たちが舞台を埋め、彼女に唱和する。
決意も鮮やかに、美しく、別れの曲。
舞台中央に立つ檀れいの姿を、湖月わたるが、背後から優しい目で見ている。
組長が読み上げた退団者からのメッセージを、私は殆ど憶えていない。
ただ、どの人にも「やめようと思った時期もあった」「楽しいことより苦しいことの方が多かった」のような言葉があって、そうなのか、と。
そんな事々を乗り越えて見せてくれている華、見せてくれている夢に。
心からの感謝と敬意をこめて、ありがとう、と。
(余談ですが組長は終始女役で通してました。サヨナラショーも黒いドレス姿)
いよいよ退団者が袴姿で大階段を下りてくる。
美琴さなえちゃん。ピンクの花籠はガーベラ? 組み合わせるタイプのかわいい花籠を持って、にこにこして、とても可愛らしくて。
大河睦くん。ご挨拶はともかく、その後結構うるうるしていた。同期からのお花はみらんくん。
仙堂花歩ちゃん。名前を呼ばれて、はい、という返事がいつものイメージどおりの元気な声で。同期のお花はとなみちゃん。組からは普通に持つタイプで、同期からは髪に挿すものだったけれど、ちゃんと挿せるかちょっとはらはらした(ちゃんとできました)。
嶺恵斗くん。晴れやかな笑顔で。
同期からのお花は、すずみん。
すずみんはずーっと泣きっぱなしでした。前回の楽も泣いてたけど、それ以上じゃないだろうか。同期の恵斗くんも、バウや新公で相手役だった仙堂さんもいるし。
でも、そんなにボロボロに泣いているのに、お花を渡すときは、ちゃんと笑顔でした。
ライトが当たっていないときは眉はハの字口はへの字、あごまで伝う涙を時折手で拭っているのに、スポットライトを浴びるときはちゃんと微笑んでいる。
偉いと言うか、可愛いと言うか。
受け取る恵斗くんは、すがすがしい、本当にいい笑顔で。一点の曇りも涙もなく。
檀れい様。いつもながらの美貌とオトコマエ。
同期からはますみさん、組からはワタさん。
挨拶があり、カーテンコールがあり。
何度目かのカーテンコールで幕が開くと、舞台には退団者5人のみ。
目配せして、一歩前に出て。
マイク無しの生声で。
「宝塚が大好きです!」
そうか、大好きか。
大好きなのに、行っちゃうんだ。
行っちゃうのに、大好きでいてくれるんだ。
……うわーん(私的落涙ポイント第二波)。
その次に幕が開いて、再び退団者5人のみ。
檀ちゃんが「星組のみなさーん」と呼ぶ。わらわら出てくるみんな。
ありがとうございました、で幕。
それで、最後だった。
一度立ち上がったけれど、もう一度座席に座りなおした。
混んでいたからというのもあるけれど、もう少しこの空間を味わっていたかったので。
人の波が切れてから、出口に向かった。
緑野さん「み」さんと合流して、退団者が出てくるのを待つ。
割と無口になっていた私は「み」さんに「どうしたんですか?」と聞かれた。
「どうしたもこうしたもないでしょう! サヨナラショーがあって退団者がいる千秋楽ですよ!」と頭の悪い返事をする。でもそうとしか言いようがない。
さなえちゃんは、素顔化粧もとても愛らしかった。
睦くんもとてもきれいで。さらさらの髪が風になびいて。退団者らしくさわやかな笑顔で。
仙堂さんも、きらきらと可愛らしかった。きちんとまとめた髪、くりっとした瞳。そして笑顔。
恵斗くんは、舞台と変わらず晴れやかな笑顔だった。
あーもう仕方ないよ、そんなにすっきりした顔をされちゃあ。と勝手にぼやく私。
そして、檀ちゃん。
後ろ髪を下ろして、すっきりとした姿。背筋を伸ばし凛として歩いてくる。
会の人たちの前で立ち止まる。
「きれいな檀ちゃんも、男前な檀ちゃんも、可愛い檀ちゃんも、大好きです。一番星は檀ちゃんの笑顔です」みたいな言葉(不正確)を、「男前」のところでは苦笑しつつ、聞いていた。
会の方々が薔薇の花びらを檀ちゃんに向けて撒く。紅と白のシャワー。
用意された車は黒いオープンカー。白い薔薇で埋め尽くされた後部座席に座る。この演出に全然負けていない、まさにトップ娘役。いや空前絶後檀れい様。
そして、かの美しい人は、手を振って去っていった。
次いでワタさんの出を見送る。ベージュのスーツ姿、相変わらず男前。
楽屋口の方へ。「み」さんは帰るし緑野さんたちは宝ホに行くと言うが、私はちょっと出待ちをすると言って一旦別れた。
まだ居てくれる人たちの姿を、見たくなったので。
緑野さんと合流して夕飯、帰宅。
そして今これを書いている。
サヨナラを消化するには、泣いて感情を整理することが必要。
だから、儀式があるんだろう。
今日でひとつ終って。次は東京で。
何はともあれ、千秋楽。
色々あって記憶がぼろぼろですが、まずはサヨナラショー。
間違っているところが多々あると思います。雪・月組時代の曲は全然知らないので、後でわかったら訂正・追記します。
幕が開くと大階段に檀れい一人。赤いドレスの上から、楊貴妃の衣装の薄物を羽織った姿で、中国語の歌。
階段を下りて薄物を脱ぎ去り「それはファラオの娘だから」。娘役選抜メンバーと。取り囲む娘役は皆黒いドレス。うめ・となみが対。うめちゃんは大劇・東宝も中日も女官としてアムネリス様にお仕えしていたなあ。
続いて『ドルチェ・ヴィータ!』から、大階段のスパニッシュの曲「La Pioggia」。娘役勢揃い、檀ちゃんを挟んでうめ・かのちかだった場面、ちかちゃんのかわりにとなみちゃんで。
娘役たちがはけて、代わりに登場した黒燕尾のまとぶんとデュエット。ここも知らない曲。最後、まとぶんが檀ちゃんの手を取り甲に口付けていたのが印象的でした。実はこの二人で『椿姫』やったらはまるだろうなーと思っていた私としては、その片鱗を見せてもらったようで。
次いで、しぃ・すずみん・れおんを中心とした男役群舞を従えて。ここ、しぃちゃんが登場して檀ちゃんと二人オペラに収まる位置関係だったのでそのままオペラを覗いていたら、気がついたら勢揃いになってました(しぃちゃんの優しい笑顔に見とれてたらしいですよこの人)。
曲名は知らない、パワフルな歌。そして本舞台に男役たちを残したまま、ひとり銀橋で歌う檀ちゃん。
一旦檀ちゃんは去り、雰囲気が変わって『タカラヅカ絢爛』主題歌。嶺、仙堂、大河、美琴の退団者4人。紫のスーツ&ドレスで銀橋渡り。
うわーすごいうれしい! このショー大好きだったし、この歌も大好きだし、4人が楽しそうだし! 藤井君ありがとー!(私的泣き笑いの第一波)
本舞台に檀ちゃんが、先ほどとは違う赤いドレスで現れる。コート風の、ヴェルヴェットの質感のドレス。
トド様とデュエット。これも曲名知らず。
トド様と入れ替わりにとうこさん。『うたかたの恋』。
そして登場するのは、相手役・湖月わたる。
手を取り合い歌うのは『風と共に去りぬ』から「二つの手」。
初めて相手役として共演した作品の歌。この手を離さないで、と夫婦愛の歌。
初めての歌、最後のステージ、最後のデュエット。
ラストソングは「あなたに会いたい」。
ミュージックサロン『Dan’ke schon!』のために河村隆一が書き下ろし、最後に歌われた曲。
もう行かなくちゃ、という歌。もう一度あなたに会いたい、という歌。
ひとり、白いドレスで。
そして黒燕尾の男役、黒いドレスの娘役たちが舞台を埋め、彼女に唱和する。
決意も鮮やかに、美しく、別れの曲。
舞台中央に立つ檀れいの姿を、湖月わたるが、背後から優しい目で見ている。
組長が読み上げた退団者からのメッセージを、私は殆ど憶えていない。
ただ、どの人にも「やめようと思った時期もあった」「楽しいことより苦しいことの方が多かった」のような言葉があって、そうなのか、と。
そんな事々を乗り越えて見せてくれている華、見せてくれている夢に。
心からの感謝と敬意をこめて、ありがとう、と。
(余談ですが組長は終始女役で通してました。サヨナラショーも黒いドレス姿)
いよいよ退団者が袴姿で大階段を下りてくる。
美琴さなえちゃん。ピンクの花籠はガーベラ? 組み合わせるタイプのかわいい花籠を持って、にこにこして、とても可愛らしくて。
大河睦くん。ご挨拶はともかく、その後結構うるうるしていた。同期からのお花はみらんくん。
仙堂花歩ちゃん。名前を呼ばれて、はい、という返事がいつものイメージどおりの元気な声で。同期のお花はとなみちゃん。組からは普通に持つタイプで、同期からは髪に挿すものだったけれど、ちゃんと挿せるかちょっとはらはらした(ちゃんとできました)。
嶺恵斗くん。晴れやかな笑顔で。
同期からのお花は、すずみん。
すずみんはずーっと泣きっぱなしでした。前回の楽も泣いてたけど、それ以上じゃないだろうか。同期の恵斗くんも、バウや新公で相手役だった仙堂さんもいるし。
でも、そんなにボロボロに泣いているのに、お花を渡すときは、ちゃんと笑顔でした。
ライトが当たっていないときは眉はハの字口はへの字、あごまで伝う涙を時折手で拭っているのに、スポットライトを浴びるときはちゃんと微笑んでいる。
偉いと言うか、可愛いと言うか。
受け取る恵斗くんは、すがすがしい、本当にいい笑顔で。一点の曇りも涙もなく。
檀れい様。いつもながらの美貌とオトコマエ。
同期からはますみさん、組からはワタさん。
挨拶があり、カーテンコールがあり。
何度目かのカーテンコールで幕が開くと、舞台には退団者5人のみ。
目配せして、一歩前に出て。
マイク無しの生声で。
「宝塚が大好きです!」
そうか、大好きか。
大好きなのに、行っちゃうんだ。
行っちゃうのに、大好きでいてくれるんだ。
……うわーん(私的落涙ポイント第二波)。
その次に幕が開いて、再び退団者5人のみ。
檀ちゃんが「星組のみなさーん」と呼ぶ。わらわら出てくるみんな。
ありがとうございました、で幕。
それで、最後だった。
一度立ち上がったけれど、もう一度座席に座りなおした。
混んでいたからというのもあるけれど、もう少しこの空間を味わっていたかったので。
人の波が切れてから、出口に向かった。
緑野さん「み」さんと合流して、退団者が出てくるのを待つ。
割と無口になっていた私は「み」さんに「どうしたんですか?」と聞かれた。
「どうしたもこうしたもないでしょう! サヨナラショーがあって退団者がいる千秋楽ですよ!」と頭の悪い返事をする。でもそうとしか言いようがない。
さなえちゃんは、素顔化粧もとても愛らしかった。
睦くんもとてもきれいで。さらさらの髪が風になびいて。退団者らしくさわやかな笑顔で。
仙堂さんも、きらきらと可愛らしかった。きちんとまとめた髪、くりっとした瞳。そして笑顔。
恵斗くんは、舞台と変わらず晴れやかな笑顔だった。
あーもう仕方ないよ、そんなにすっきりした顔をされちゃあ。と勝手にぼやく私。
そして、檀ちゃん。
後ろ髪を下ろして、すっきりとした姿。背筋を伸ばし凛として歩いてくる。
会の人たちの前で立ち止まる。
「きれいな檀ちゃんも、男前な檀ちゃんも、可愛い檀ちゃんも、大好きです。一番星は檀ちゃんの笑顔です」みたいな言葉(不正確)を、「男前」のところでは苦笑しつつ、聞いていた。
会の方々が薔薇の花びらを檀ちゃんに向けて撒く。紅と白のシャワー。
用意された車は黒いオープンカー。白い薔薇で埋め尽くされた後部座席に座る。この演出に全然負けていない、まさにトップ娘役。いや空前絶後檀れい様。
そして、かの美しい人は、手を振って去っていった。
次いでワタさんの出を見送る。ベージュのスーツ姿、相変わらず男前。
楽屋口の方へ。「み」さんは帰るし緑野さんたちは宝ホに行くと言うが、私はちょっと出待ちをすると言って一旦別れた。
まだ居てくれる人たちの姿を、見たくなったので。
緑野さんと合流して夕飯、帰宅。
そして今これを書いている。
サヨナラを消化するには、泣いて感情を整理することが必要。
だから、儀式があるんだろう。
今日でひとつ終って。次は東京で。
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