『それでも船は行く』柚希Ver.の前楽と楽行ってまいりました。

楽らしいアドリブは少しだけ。

ラスト近く、スーザンにしつこく絡んでジョニーにつっ転ばされるヘンリー睦氏。いつもは普通につまずく場面。
しかし今日は、華麗に側転一回転! 『絢爛』ワタさんを髣髴とさせる、見事な側転に拍手喝采。
そしてスーザンにビンタされてよよと泣き崩れるヘンリー。しかし、
「ヘンリ〜、こんなところにいたのぉ〜」
現れたのはお色気美女軍団(笑)、看護婦、洗濯係、マニキュアガール。取り囲まれてヘンリー「覚えてろよスーザン!」と格好付け「さあ競争だー!」と女の子たちと戯れながら袖へ消えてゆく。
この間、スーザンが何故か地団駄踏んでるのが可笑しかったんですけど。プライド高いお嬢様は捨てた男でもいい気になられると悔しいのか(笑)。

そして最後、本当のラスト。いつも乾杯して終わり、が、ジョニーがスーザンにひょいと顔を近づけて、突然、一瞬のキス。涼ジョニーがやってたような感じなんですが、キスされた瞬間目をまん丸にして驚くスーザン夕妃ちゃんの表情が可愛かった。

最後のご挨拶は、長として大河睦氏。すげーしっかりしててびっくり。立派なご挨拶でした。音海ゆうまくんは胸に白い花をつけて。きれいだし、モブの中ではしっかりしてて目立ってたんで、惜しいなあと。短く、でも心のこもったいいご挨拶でした。

前半日程メンバーはカーテンコールにも現れず。前楽をすずみんとせあらちゃんがご観劇でした。サービスよくにこやかに席に着く涼氏、さすがでしたわ(笑)。

実は柚希Ver.、21日に既に見ておりました。
見た後の感想は、正直「……つらい」の一言。
新人公演と言うにもレベルが足りてない感じ。いやこのキャスト組んだ時点で当然の結果なんだけど。みんな頑張ってるし仕方ないんだけど。
感想書くのはもう1回見てからにしよう。成長を期待してまた見に来よう。

正解でした。期待してよかった。
どこがどう、って言うより、全体的にこなれてイキイキしてきた感じ。やっていて楽しそうだし見ていて気持ち良い。
前回より席がよかったので前方席マジックかもしれないと思いましたが、後方センターで見たもずえさんも良くなってたって言ってくれたし。(前列大好きなもずえさんなのに、後方席引取ってくれてありがとうございます。このお礼はたこ焼き1個じゃ足りなかったかも)

まずは主演コンビの話から。
この二人は、初日から全然OKでした。

礼音くんのジョニー。
すずみんが「上手さと余裕」で難物の脚本と言うハードルをひらりひらりと華麗に飛び越えていたのに対し、礼音くんは「勢いと華」でぶっちぎるんじゃないかと、見る前は予想していました。
が、実際に見て感じたのは「若さと甘さ」。

いや、勢いも華も勿論ありましたよ。
踊れば迫力かつ輝かしい目の覚めるようなダンス(大人数口の子達も礼音くんの後ろで少人数で踊る、なんて場面なかなか出られないから、いい経験になったのではないかと)。
歌も伸びやかで素晴らしく。一幕ラストの「人生は虚しく老いること? いや僕は若い!」と言った後のソロなんて、「愛こそ生きること」と歌いだした瞬間、舞台が一瞬にして色を変え、光度が変わりましたよ。

が、芝居全体を通じての印象は、終始きらきらと言うわけでもなかったなあと。
ダンスや歌でセンターに立つ引出しはあるけど、それに比べて大芝居でない芝居はあまり経験値がないのかも。(そう言えばここ数回の星組って、酒井、谷、木村、そしてDCが中村暁か)

芝居ではセンターオーラがやや薄い分、オーラの下にある彼の個性「甘やかな少年性」が見えたなあと。あくまでも私の感想ですが。

少年の雰囲気を残す若さ、恋する男の子の甘さ。
おかげで、この物語がすっかり「不器用な男の子の真っ直ぐなラブストーリー」に見えました。
作品の意図するところを実現しているのは涼ジョニーなんでしょう。(意図するところを実現しつつ軽やかにこなしてしまった涼氏に拍手)
もしかしたら、礼音ジョニーはこの作品特有の冗長な諧謔台詞を自分のものにしきっていないのかもしれない。結果として会話はアピールポイントではなくなり印象は薄くなり、恋する表情(ちょっとさみしそうな雰囲気が絶品)や歌やダンスの若々しい輝きの方が記憶に残る。そういう主人公、そういうお話に見える。
……その意味では、礼音Ver.の方が好きかも(ぼそっ)。

対するヒロイン、スーザンは蒼乃夕妃ちゃん。
研一さんで正直心配でしたが、やるじゃないですか!
歌もダンスも芝居もふつーに上手い。華と美貌は正直せあらちゃんには及ばないけど、他は全く遜色なし。つーか、一週間後に見たらヒロインオーラが増して前より可愛くなってた!
割と背が高くて、ダンスが得意そう。並ぶとお似合いの大型カップルで、デュエットダンスの見栄えがすることったら。礼音くんのためのヒロインなんだろうな。

この二人、前期日程より年齢が近いカップルに見えました。おかげでジョニーがいじめっ子な台詞をぶつけても、スーザンが痛々しくないと言うかかわいそうにならないんですね。何と言うか、対等に張り合っているように見える。
ダイナミックなダンスも相俟って、真っ直ぐでさわやかで体育会系な印象のカップルだなあと。
ジョニーがひどいことを言っている間そっぽを向いてふくれているスーザン。でもジョニーが沈黙の後に優しく語り掛けたり歌いだしたりすると、その瞬間表情がぱっと明るくなる。そこが可愛かった。
そしてその時のジョニーの表情もストレートに優しくて。

えーと、結論として、涼ジョニーは「もし自分が若くて美人でセレブな女の子だったら彼氏にしたい」と思いましたが、礼音ジョニーは、若くて今みたいにひねくれていない女の子だったらお付き合いしたい男の子でした。
どっちがいいとかじゃなくて、どっちも魅力的なんだけど、そんな感じ。

この二人は初見から問題なし判定を出していた訳ですが。
他のメンバーについては、最終日に再度見て本当に良かったと思いました。
文字数がオーバーしたので、項を分けます。

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