昨日の続き。

まとぶんウバルドを評する言葉が今ひとつ足りなかったのですが、他人様の観劇評を読んで、それは「寂しい」なんだと気づきました。
寂しい亡国の王子。敵国で何も出来ず妹とは考えを違え、精神的にどんどん追い詰められていく。でも臣下かつ仲間のカマンテ、サウフェに対しては弱音は吐けない。
挙句、父王に命じられたのはファラオの暗殺。つまり「死んで来い」ということで。
そう考えるとウバルドがどんどんかわいそうになってきました。
そしてだからこそ、フィナーレの始まりを告げるのは彼であっていいのかなと。
でもやっぱり一人でもたせるには長いけど。それにそれならなおさらカマンテとサウフェも出してやれ、3人笑顔でアイコンタクトのひとつも見せろと思うけど。

あと、寂しいと言えばケペルとメレルカ。
戦士が軽んじられる世の中をおどけて歌う姿に見える翳り。ここ、初演もこんなに寂しそうだったのかなあ。特にみらんくん、明るい好青年(いっそ少年)なのにふっと翳るのがなんとも。
この時、ラダメスは多分二人の気持ちがわかってないのね。彼にとっては望んだことを成し遂げた結果だから。
ここに限らず、孤独を歌っていてもいまひとつ寂しそうに見えないラダメスですが(厳密には孤独と寂しいは違いますが)、それはやっぱりアイーダがいるからなんだろうなと。たった一人の愛する人がいれば、孤独になんかなりようがないんだ。
……いつの間にかラダメスの話になってるな。

さて、2回しか見ていない『王家』初演ですが、DVDを見て意外と憶えてるんだなと。
勿論、潔く主要3人、特にラダメスを見ていたのでそれ以外はさっぱりなんですが。ファラオ暗殺後暗転前の全てが潰えた絶望の表情なんか、しっかり目に焼き付いてた(ってそこが一番なのか)。
そうだなあ、センターしか見ないなら、別に回数通わなくてもいいのかもなあ。

でも今はもう無理。周辺を見る楽しみを覚えてしまったから(笑)。
主役も脇もモブも全部見たいもん。美人選びの場面でバカ面全開で跳ね回ってる子たちが可愛くてしょうがないもん。

と言う訳で、他のキャスト話。
初演では見ていなかったエリアなんで、今更なことを書き連ねるかもしれないけど、それはそれで。

エジプト女官チーム。
事前に、すごつよがうめちゃん一人と言うのは聞いていた。みなみちゃんも使えばいいのにねー、と見る前は言ってたんですが。
……これは、どうなんでしょう。
仮にも路線娘役が、ものすげー男、いやいっそ漢らしいんですけど。その衣装と髪型でジャンプしてポーズするか! 髪飾りのビーズがじゃらじゃら鳴ってるぞ。
と言う訳で、ここで一緒にやらなかったことがみなみちゃんにとってプラスかマイナスかは微妙な気がしました(笑)。

そんなうめちゃんですが、アムネリス様を見つめる姿はかわいいぞ。
「アムネリス様ダイスキ!」オーラが出てます(笑)。更に「あたしもあんなステキな女性になれるかなあ」という憧れ目線。憧れの先輩を見つめる女子高生のようだ。可愛い可愛い。
アイーダいじめの場面(人数の少ない中日ではうめみなみも参加)も、最初「えー、いいのー?」と戸惑い気味で。ふつーの女の子っぽい。

対するみなみちゃんは白目の見えない瞳で終始微笑みを浮かべ、表情が読み取れません。と言うか底知れなくて怖いです(笑)。アムネリスが「ラダメスが死んだ」とアイーダを騙す場面も、他の誰よりも早くその意図に気づいてほくそえんでいるように見えます。怖い怖い。
アイーダに対する怒りも怖いぞ。同じ女官でもどう見てもみなみちゃんの方が生まれがよさそうだ。

そんな二人が張り合う「美人選び」。何どつき漫才やってるんですかー!!(大笑)。
スタイル抜群の美女二人が一歩でも前に出よう、目立とうとお互いどついたり押さえ込んだりする姿がたまりません。面白すぎる。
先に選ばれて「ふふん」顔のみなみちゃん、「きーっくやしー!」顔のうめちゃん。すげー、ほんとすげー。もう大好き(笑)。
ちなみに二人をお持ち帰りする神官、組長、にしき氏、エンディ氏、おじさん3人のうさんくささもたまりません。2幕冒頭からうさんくさげで憎憎しいもんなあ。

エチオピア娘は終始シリアスモード。
『長安』新公以来気になる音花ゆりちゃんに注目して見てしまいました。
娘たちの中では一番幼い感じ。戦への怯えも人一倍強い。ラダメスの言葉にも誰よりも先に「違う!」と言うように背を向けて激しく首を振る。そんな彼女が「エチオピアが攻めてきたぞ!」の声に、それでも顔を輝かせるのが、痛々しいなあと。
このとき、側にいるのはコトコト。彼女は最初から怒りに燃えている。ラダメスに食って掛かる姿も誰より激しい。エチオピア蜂起の知らせにも喜んで、他の娘と手を取り合う。その過度に攻撃的な姿が、エジプトへの恨みの深さととその原因となった出来事の悲惨さを感じさせて、やっぱり痛々しい。

……とかそんな調子でどこで誰が何やってるが全部見たいんですけどね。
目がいくつあっても足りません(笑)。

あとフィナーレの話。

最初、上述の通りフィナーレの歌手はまとぶんなのですが、一人で持たせる時間がちょっと長すぎ。最初は一人でもいいけど、2番からは他にも出してよー。エジプト側は衣装替えかもしれないけど、ゆかりちゃんとしゅんくんくらい並べた方が楽しいのにー。
もしかしたら、組替えを控えて「君はスターだ花でも頑張れ」と言うエールなのかもしれないけど。まとぶんはかっこいいんだけど(本編の着込んだ衣裳と鬘と終始暗い顔で寂しいかもしれないファンの皆様も、ここの笑顔ときらきらっぷりで元が取れるんじゃないかと)。でもやっぱり長い。

ショーがない分フィナーレの立ち位置をチェックしてしまうのですが、娘役は檀ちゃんセンターのときもとうこさんセンターのときも、すぐ後ろがうめちゃんとコトコトでした。どっちもダンサーだから、動きを見てると気持ちよかった。
男役は、ワタさんを挟んでまとぶんの対はみらんくんでした。凱旋シーンも含めて、ダンスではみらんくんの立ち位置がいいですな。もしかしてこの公演3番手?(嶺くんはフィナーレは後ろでした)

ラティーナとうこちゃんと赤金ファラオ風衣装のワタさんがちょっと絡んだ後、ワタ檀デュエットダンス。
生まれ変わって再会したラダメスとアムネリスをイメージした(らしい)ドラマ性のあるロマンチックな振り付けですが、ここは5列センターで見ていたASUKAさん(チケットを譲ってくれたワタさんファン)のタレコミをご紹介。

> わたるくん、最初に檀ちゃんを迎えに行ってふられちゃうところでは
> 「ああ……」って、落胆した風に息を漏らすんです!
> そして、3度目の正直で檀ちゃんから手を預けられる時には
> 「ああ……!」って、心の底から嬉しそうに息を漏らすんです!!

……。
誰か私に1列センターのチケットを譲ってください!! いや2列3列でもいいから!!(錯乱)(だって10列サブセンじゃ聞こえなかったよ?)

いいなあ、ラブラブで。
いや、本編考えると「アイーダちゃんは?」とか思わなくもないんだけど、やっぱりみんなワタ檀が見たいよなっ!

勿論、パレードは両手に花で美味しゅうございました。

せっかくなので出待ちも。通りすがりの一般人男子が「今の女?」とワタさんを見て素で言っているのが印象的でした。
また来るぞ名古屋(笑)。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索