愛しき人よ−イトシキヒトヨ−(宝塚月組バウホール公演)

本日14:30公演に行ってまいりました。
えーと、面白かったです。とりあえず観てよかったです。

あらすじ
第二次大戦が近いパリ。日本陸軍中尉・遠藤和美はナチスSSのケビン・ヒルデブラントらとともに工作活動を行っていた。和美は、彼らに協力していながら裏切ったハーグリーブ男爵を殺害してしまう。隠匿工作のため男爵の令嬢ジョゼフィーヌを訪ねた和美だが、二人は恋に落ちる。
一方、ケビンはポーランド人女性・ミーナと愛し合っていた。しかし二人の愛はポーランド人一斉検挙を目論むナチスに利用され、ミーナは死に、ケビンは投獄される。
和美はジョゼフィーヌに彼女の父を殺したことを告白する。動揺するジョゼフィーヌの前に行方不明だった婚約者が現れ、一緒にアメリカに行こうと誘う。和美にも上海赴任の命令が下り、またかつて彼を捨てた元婚約者・一ノ宮若菜が再び彼の元に現れる。二人はそれぞれアメリカ、中国へ赴く。(一幕)
満州で和美は皇帝溥儀の護衛の任についていた。川島芳子は和美がジョゼフィーヌから受け取ったブルーダイヤモンドを渡すよう迫る。芳子が持っているエメラルドタブレットとブルーダイヤモンドを合わせると奇跡が起こるとロシア人錬金術師・イワンから言われていたのだ。

えーと、面白かったです。面白かったんですが、えーとな部分が……。
まず、ナチ軍服や日本軍服、繰返されるハイル・ヒットラーに居心地の悪さを感じ、ストーリーが始まるとジョゼフィーヌと和美のとーとつな恋に落ち方にひっくり返り。
出会ったときジョゼフィーヌにとって和美は父の裏の顔を知っているらしい得体の知れない男だったはずで。ナチの襲撃から守ってくれたにしても、彼女には3年間音信不通の恋人がいて、彼を待ち続けることに疲れ死を思うほど悩んでいたはずで。そりゃそんなジョゼフィーヌに和美は、一度死んで新しく生まれるんだ、なんて言って励ましていたけど。
何で次に会ったときいきなりふつーにデートなんだ!?とひっくり返りました。和美はまだ戸惑ってるのが分かるんだけれど、ジョゼフィーヌは何考えてるんだこの女って感じで。

なんか全体的に重さと軽さのバランスが悪いなーとか、ヒロインが書き込み不足だなーとか思いながら見てましたが、途中で、ま、そのあたり目をつぶれば、面白かったです。
盛り上がるエピソード、シーン、個性的な登場人物が多く目に鮮やかで飽きさせない展開でした。

こーゆーのってどう表現すれば……と終演後に気づいたのが、
これってギャルゲーだ!!

状況に受身の主人公。きれいで可愛い正統派ヒロインと個性的なサブヒロイン3人(電波系女王様な川島芳子、思い込みストーカーっぽい一ノ宮若菜、健気で可憐な凛麗河)はみんな主人公にアプローチ。主人公・和美はよりを戻そうと言う若菜にNO、手を組もうという芳子にNO、一緒に逃げようという麗河にNO、という選択肢を経てヒロインジョゼフィーヌとのハッピーエンドを迎えるのでした。

いや、そう思うとヒロインがきれいで可愛いだけで内面が゛よくわからないのも、時代背景が背景でしかないのも腑に落ちました。
(作・演出の斎藤氏については評判はチェックしていたので、先入観も多少あるかもです。実際には観ていない。宝塚ファンになって日が浅いんで)

全然ここまで誉めてないんですけど(^^;;、この作品で好きなのは歌ったり踊ったりのミュージカルっぽい部分全部。楽しかったり格好よかったり。
特に好きなのは2幕で、和美、ケビン、ジョゼフィーヌ、芳子の4人と、4人の影の場面。かっこいい。
あと冒頭とフィナーレの、登場人物がみんな出てくる場面。自分こーゆーの好みらしいです。(雪組「Romance de Paris」の冒頭も好きだし、ショーだけど花組「アプローズ・タカラヅカ」のSAVAGEの場面も好きだった。SAVAGEは作ったの同じ人だし)
特にフィナーレは、本編で苦しんだり死んでしまった人たちがその衣装で出てきて幸せそうにしているのとか、弱いみだいで。そういや「王家に捧ぐ歌」のフィナーレ黄色い衣装の5人組で、本編でエジプトとエチオピアだった5人がみんなで明るく歌っている姿を見てもじーんと来たりしてました(^^;。
その辺のシーンを見るために、もう1回見ても良いかもと思わせられました。

続きはまた明日。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索