痛恨の遅刻。
悪あがきしてルートを変えてみたりしたけど、駄目でした。劇場に駆け込んだときはもうアリステッドが歌ってました。
急いでオペラグラスを装着して冒頭のル・ミルリトンの場面をチェック。えーと、アリステッドがロシア大公に食って掛かるとき、モディリアーニは同調して、アポリネールは止めようとしてるみたいだけど、それをマリーが引き止めているのかな。シャガールとスーチンはまだ大公に跪いてるな。
そんなことをチェックしてしまうのは、ここが私にとってこの作品唯一の納得いかないシーンだから。
だって、シャガールとスーチンは大公の支援を受けたいんだよね? それを威張りくさったお貴族様ぶりが気に入らないからって追い出すなんて、アリステッド勝手すぎるじゃん!
と言う訳で、他の皆も最初から大公夫妻が気に食わなかったのか、当のシャガールとスーチンはどう思っていたのかとか、細かくチェックしてしまうのでした。

そう「唯一の納得いかないシーン」。
逆に言うと、ここさえ乗り切ればオールOK、ノープロブレム。
初見のときに書いた、こんなシーンがあれば、と言うのも今回は全然思い浮かばなかった。この話はこれでいいんだ、と思いました。
それは見る方=私の問題でもあるし、演じる方がこなれてきたと言うのもあるでしょう。最初と最後しか絡んでいなくても、仲間意識とか友情とかを感じとれるようになって、全然別の話という違和感を感じなくなったと言うか。
うん。この話、好きです。

今回は二度目なのでディティールに目が行く、と言う訳で気になったことを箇条書き。

・モディリアーニ(大和悠河)かっこいー。つーか、きらきらしてます。『白昼の稲妻』サバティエのときも思ったけど、下町の貴公子と言うかやさぐれプリンスと言うか、すれっからしなんだけど甘さが隠せないと言うか。うーん、好みかも。
・アポリネール(貴城けい)いや、こっちの方がノーブルで貴公子っぽいのかもしれないけど、それに上手いんだろうけど、ちょっとおとなしい感じかなー。薄紫のスーツがすごく似合う。
・アリステッドのいない店で客たちに「テーブルにつきやがれ!」と楽しそうに叫ぶエドモン(柚希礼音)アリステッドに憧れて真似してる感じがほほえましい。
・アポリネールとマリー・ローランサン(叶千佳)の不可思議なデュエット。妙なんだけど何故か魅かれる。好きな場面です。でも息継ぎするとこなくて大変そう……。
・アトリエのシーン、画家メンバー紹介ソング。ここも好き。でもなんかシャガール(立樹遥)のダンスがいまいちかっこ悪いと思うのは、私の気のせいですか(^^;;。
・ポール・ギョーム(汐美真帆)落ち着いた大人でかっこいい。他が若くてバタバタしてる分、いいキャラだよなーと思います。(アリステッドと絡んでくれないのが寂しいけど)でも「任せたまえ!」で小さくガッツポーズとか、初日よりもちょっとはじけてるかも。
・フルーレ伯爵邸の場面、使用人ズが美形ぞろい! でもこの人たち「ご主人様のためならばたとえ火の中水の中!」とか歌ってる割に、みんな辞めちゃうんだよね(笑)
・オルガ(仙堂花歩)オランピアばりのコロラトゥーラ! 更に、歌は初日からすごかったけど、演技がはじけてハイパーになってきました。それにしてもこの曲なんだろう。気になる。(って言うかトライしたい……)
・ここ、他の花嫁候補者が皆『歌に生き愛に生き』なのに、オルガだけコロラトゥーラなんだよねー。プッチーニならアデル(壇ちゃん)にもちょっと歌ってほしかった気が。
・アデルを追ってきたアリステッド、二人のやりとりがベタで恥ずかしくもあるんだけど、大好き。話しているうちに打ち解けあって魅かれあっていくところがいい!
・アポリネールが釈放されて戻ってくる場面、ここのセットは2階から見るのが美しかったです。モディリアーニの「モナリザはどこに隠した?」「後で教えろよ!」が好き。
・「謎の伯爵夫人になれば外見は対等」と言うクロディーヌ(陽月華)に「初めて納得できる意見を聞いたわ!」と喜ぶアデル。でもこのまま終わらない、外見が問題じゃなくて心の貧しさが恥ずかしい、と悩むところがただのコメディでなくて好きなんだなあ。
・アリステッドとアデル、お互いの正体がばれた後のカンカンと柚希礼音くんのピルエット!すっごーい!
・「お前には頼らん、自分で跡取りを作る」とオルガと結婚するパパ・フルーレ伯爵(立ともみ)いいなあ。オルガも嬉しそうだし。お幸せにー。
・ル・ミルリトンを訪ねてくるアデル、白い帽子とワンピースがすっごく似合って可愛い。これって素敵なドレスでどう見ても普段着じゃないけど、伯爵夫人スタイルでもないよね。アデルが一番可愛く魅力的に見えるように、自信を持ってアリステッドに会いにいけるようにというクロディーヌの心づくしのドレスなんじゃないかと勝手に思ってます。
・アデルの「でも、あなたが好き!」といっぱいいっぱいの告白、自分は十分幸せで他に何が要ると言いつつ「でも、お前が居れば完璧だ」と答えるアリステッド。銀橋でとたたっとアリステッドに駆け寄るアデル。もー、ほほえましくて泣けてきます。さいこーです。
・ラスト「このまま幕を下ろさせてたまるか!」と出てくるアポリネールとモディリアーニ。やっぱり好きだ。
・啖呵を切る前に腕をぶんぶん回して準備運動?するアデル、可笑しいー。
・最後は全員集合。このラストでよかったです、ほんとに(^^)。幸せを分けてもらってる感じ。
・そしてパパ伯爵、跡取り誕生おめでとう(笑)

ショーの感想も少し。

ロケットの前のまとぶんの歌がお気に入り。いい曲だなー。ロケットも黒金の衣装が素敵。
大階段が出て来た後のかしげちゃんタニちゃん、青と水色のおそろいの衣装で狩人みたいでステキ。(いや、誉めている)
最後客席降り、私の近くにはとっても美人な娘役さんが来てくれました。パンフをよくよく見た結果南海まりちゃんと推測。
この日は1階A席は女子高生の団体だったのですが、ひとり席から引っ張り出されて一緒に踊ってました。いや、いい思い出になるよなー。ちょっとうらやましい。

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