その退屈さがロシア文学的?(送られなかった手紙@宝塚雪組・バウホール)
2004年2月1日 宝塚実は初のバウ観劇。観に行く動機は、正月のNHKに雪組が出演したとき、壮一帆がかっこよかったからです。
(いや、実は音月桂に更に心惹かれたんだけど、名古屋までは行かないと思う(^^;)
一人の人生を追う内容と聞いて、散漫な話にならないといいなあと思っていましたが、予想通り結構散漫だったかも。
更に、主人公に感情移入できないのが退屈に拍車をかけました。
主人公・ドミトリー(壮一帆)にとって「自由」とは何なのかがわからない。革命の精神的支柱となった詩を書き、そのために国家から冷遇された詩人と言う設定のようなのだけれど。前半は専ら酒と女に溺れ、その合間にヒロインに愛を語ってみたり、コーカサスの自然に感動してみたり(でもすぐ飽きたらしい)してるだけ。後半も皇帝の恩赦を受けて皇太子と妥協して、でも監視が疎ましくていかがわしい場所に出入りしたり荒れたりしているだけ。結婚したけど妻を愛しているような場面はない。
結果、たいした思想を持っていないのに書いた詩が革命派に祭り上げられちゃって本人もその気になったけど、革命のとばっちりで不遇を囲って自棄になって無謀な決闘で死んだ人、という印象です。
前半に女に囲まれている描写だけじゃなくて、革命士官たちの集会で理想を語り合う場面があれば、彼が革命の精神的支柱とされていて、彼も革命に共鳴しているのが理解できたんじゃないかと思います。
逆に、そんなつもりじゃないのにどんどん世の中と上手くいかなくなって自滅する男の悲劇なら、そう見せてほしかったです。どっちかと言うとこっちなのかなあ。太宰治とか石川啄木とかのような破滅型文学者?
とにかく主人公の人物像がつかめなくて最後まで乗れませんでした。最後晴れやかに熱唱されても、とちょっと困惑。(でも、そのドミトリーの背後に全登場人物が行きかうフィナーレの演出は好きで、不覚にも一瞬目頭が熱くなりましたが)
まあ、もしかしたら作者はそういうわかりやすい話にしたくなかったのかもしれません。だとしたらその意図は成功してますが。オネーギンとかもそんな感じだし。(いや、オネーギンは嫌いじゃないですが。散文詩ならあれでも好きなんだけど)
あと最後。セルゲイ(一樹千尋)がドミトリーを思い出すと眠れないのは何故か、って、これそういう話だったんですか!? それまで何の伏線もなかったじゃん! とびっくりしました。ドミトリーがそんなに名声を博していたように見えなかったので納得できないし、そもそも途中何の伏線もなかったし。「アマデウス」とかそれだけで話になるテーマなだけに、いきなり出てくるのは唐突でした。
全体的には話に入れなくて???という感じだったけど、部分部分は良かったです。
群舞が3箇所あるのですが、みんなかっこよかった。
ヒロイン・マリーナ(晴華みどり)、きれいでかわいくて上手い! 声もきれい。品もあってお姫様系。ヒロインにぴったり。
ドミトリーの妻・ナターリア(涼華リサ)、ドミトリーを愛しているのかいないのか、計算高いのか流されているだけなのか良くわからない役どころでしたが、その不可解な感じ、お高いような妖しいような、それともそうでないような感じが魅力的でした。(いや、脇はそういう役がいてもいいと思うんだけれど、やっぱり主役はもうちょっとわかりやすいのを希望)
結構この二人をオペラグラスで追ってました。私が娘役を追ってる率高いのは珍しいです。
印象が強かったのはニコライ皇太子(神月茜)。この人変!照明が変わってソロになったとき、妙に怪しくて笑いそうになりました。多分笑うとこじゃないとは思うんですが。ただの嫌な権力者というだけでないエキセントリックなキャラで面白かった。存在感ありました。(ソロの歌詞は聞き取りづらかったですが……)
専科の皆様はさすがに上手い。特にダンテス少佐(箙かおる)狂言回しとしてまた作中の人物として、舞台を締めてました。一番印象強い登場人物かも。
あ、主役ドミトリー(壮一帆)はかっこよかったです。群舞の中心も最後の熱唱もよかったので、その辺のかっこよさが映える役で見てみたいかな。
あと脇役もかっこいい男役さんが多かった。真波そらとか蓮城まこととか、目を引きました。(幕間にパンフで名前をチェックしてしまった。ストーリーに集中していない証拠)
(いや、実は音月桂に更に心惹かれたんだけど、名古屋までは行かないと思う(^^;)
一人の人生を追う内容と聞いて、散漫な話にならないといいなあと思っていましたが、予想通り結構散漫だったかも。
更に、主人公に感情移入できないのが退屈に拍車をかけました。
主人公・ドミトリー(壮一帆)にとって「自由」とは何なのかがわからない。革命の精神的支柱となった詩を書き、そのために国家から冷遇された詩人と言う設定のようなのだけれど。前半は専ら酒と女に溺れ、その合間にヒロインに愛を語ってみたり、コーカサスの自然に感動してみたり(でもすぐ飽きたらしい)してるだけ。後半も皇帝の恩赦を受けて皇太子と妥協して、でも監視が疎ましくていかがわしい場所に出入りしたり荒れたりしているだけ。結婚したけど妻を愛しているような場面はない。
結果、たいした思想を持っていないのに書いた詩が革命派に祭り上げられちゃって本人もその気になったけど、革命のとばっちりで不遇を囲って自棄になって無謀な決闘で死んだ人、という印象です。
前半に女に囲まれている描写だけじゃなくて、革命士官たちの集会で理想を語り合う場面があれば、彼が革命の精神的支柱とされていて、彼も革命に共鳴しているのが理解できたんじゃないかと思います。
逆に、そんなつもりじゃないのにどんどん世の中と上手くいかなくなって自滅する男の悲劇なら、そう見せてほしかったです。どっちかと言うとこっちなのかなあ。太宰治とか石川啄木とかのような破滅型文学者?
とにかく主人公の人物像がつかめなくて最後まで乗れませんでした。最後晴れやかに熱唱されても、とちょっと困惑。(でも、そのドミトリーの背後に全登場人物が行きかうフィナーレの演出は好きで、不覚にも一瞬目頭が熱くなりましたが)
まあ、もしかしたら作者はそういうわかりやすい話にしたくなかったのかもしれません。だとしたらその意図は成功してますが。オネーギンとかもそんな感じだし。(いや、オネーギンは嫌いじゃないですが。散文詩ならあれでも好きなんだけど)
あと最後。セルゲイ(一樹千尋)がドミトリーを思い出すと眠れないのは何故か、って、これそういう話だったんですか!? それまで何の伏線もなかったじゃん! とびっくりしました。ドミトリーがそんなに名声を博していたように見えなかったので納得できないし、そもそも途中何の伏線もなかったし。「アマデウス」とかそれだけで話になるテーマなだけに、いきなり出てくるのは唐突でした。
全体的には話に入れなくて???という感じだったけど、部分部分は良かったです。
群舞が3箇所あるのですが、みんなかっこよかった。
ヒロイン・マリーナ(晴華みどり)、きれいでかわいくて上手い! 声もきれい。品もあってお姫様系。ヒロインにぴったり。
ドミトリーの妻・ナターリア(涼華リサ)、ドミトリーを愛しているのかいないのか、計算高いのか流されているだけなのか良くわからない役どころでしたが、その不可解な感じ、お高いような妖しいような、それともそうでないような感じが魅力的でした。(いや、脇はそういう役がいてもいいと思うんだけれど、やっぱり主役はもうちょっとわかりやすいのを希望)
結構この二人をオペラグラスで追ってました。私が娘役を追ってる率高いのは珍しいです。
印象が強かったのはニコライ皇太子(神月茜)。この人変!照明が変わってソロになったとき、妙に怪しくて笑いそうになりました。多分笑うとこじゃないとは思うんですが。ただの嫌な権力者というだけでないエキセントリックなキャラで面白かった。存在感ありました。(ソロの歌詞は聞き取りづらかったですが……)
専科の皆様はさすがに上手い。特にダンテス少佐(箙かおる)狂言回しとしてまた作中の人物として、舞台を締めてました。一番印象強い登場人物かも。
あ、主役ドミトリー(壮一帆)はかっこよかったです。群舞の中心も最後の熱唱もよかったので、その辺のかっこよさが映える役で見てみたいかな。
あと脇役もかっこいい男役さんが多かった。真波そらとか蓮城まこととか、目を引きました。(幕間にパンフで名前をチェックしてしまった。ストーリーに集中していない証拠)
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